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マイク・ミッチェル
Mike Mitchell

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1970 10'18 誕生

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タイトル
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物語 人物 演出 設定 思い入れ

 

スカイ・ハイ 2005
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★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 空の上にあるヒーロー専門の養成高校“スカイ・ハイ”では今年も多数の入学者を迎えていた。そこでは有用な特殊能力を持つ子供を集めた“スーパー・ヒーロー”クラスと、特殊能力がサポート用に特化した子供を集めた“サイドキック”クラスとに分けられている。そしてこの年、超有名なスーパーヒーロー夫婦、怪力のザ・コマンダー(ラッセル)と空を飛べるジェットストリーム(プレストン)の息子ウィル(アンガラノ)が入学してきた。人々の期待を一身に担ったウィルだったが、実は彼には未だ何の能力も現れていなかった。“サイドキック”クラスに組み入れられたウィルだったが…
 ハリウッドでは割と定期的にコミックヒーローの映画が上映されるのだが、CGの発達に従い、その見せ場はとても派手になり、更に主人公の苦悩などを取り入れることによって、より大人向きの作品が出来るようになってきた。特に『スパイダーマン』(2002)の大ヒットは、それまで「子供臭い」とコミックものを敬遠していた大人にも大いに受け入れられ、次々と作られていくことになる。特に前年の
2004年とこの2005年はヒーローものが最盛期。コミックやアニメ原作のヒーローもので、私が観たものだけを挙げても、この年にはイーオン・フラックスVフォー・ヴェンデッタエレクトラコンスタンティンシン・シティファンタスティック・フォー [超能力ユニット]があり、他にもゲーム原作のホラーなど、原作付きのヒーローものはとても多い。ただ、上記の作品を眺めてみると、日本人には馴染みのないものばかり。ビッグタイトルはもう出尽くした感がある。
 そんなヒーロー流行の中、ぽんっと出てきたのが前年のMr.インクレディブル(2004)だった。ピクサー製のアニメーションだが、既存のヒーローものにこだわらない、古くて新しいヒーローものとして登場した本作は、流石ピクサー製と言われるだけあって大ヒットを記録(私は今ひとつ乗り切れなかったのがなんだが)。本作の投入は、今にして思うと、ちょっとした方向転換だったのかもしれない。
時間が経過すれば、おそらくこの方向転換は顕著になっていくのではないかと思っている
 そしてその『Mr.インクレディブル』の設定を使って、オリジナルヒーローものとして作り上げられたのが本作。たまたまネットでこの作品紹介眺めていて、カート=ラッセルのタイツ姿を見た瞬間、
すっかり惚れ込んでしまった。本音言えば是非劇場で観たかったのだが、残念なことに日本では限定公開のために地方には来ず。TVでの放映を待っていた。
 しかし正直の話、本作を見誤ってたかも。これは無茶苦茶面白かった。
 何より本作のキャスティングは
名人芸!大体あのアンチ・ヒーローで名高い『ニューヨーク1997』(1981)のスネーク=プリスケンことカート=ラッセルが青赤のタイツ姿でスーパー・ヒーロー役(スーパーマンであれスパイダーマンであれ、アメリカのヒーローに青赤が多いのは、アメリカの国旗を示し、正統的ヒーローを示す傾向がある)。体育教官のブーマーにはやっぱりアンチ・ヒーロー『死霊のはらわた』(1983)のアッシュことブルース=キャンベル。学校長は昔懐かしきTVシリーズ「ワンダーウーマン」のリンダ=カーター…この人を食ったキャスティングは…こういうケレン味って大好きだぞ。
 しかし、本作を観てかなり驚いたのが、意外にもしっかりしたストーリー仕立てだったということ。話自体は実に単純且つ王道なのだが、高校を舞台にしたことで、これに学園ものの要素を加えているのが特徴。実際出てくるのが、幼なじみ、落ちこぼれのいじめられっ子、いじめっ子、根は実は真面目な不良、学園のマドンナ、厳しくて生徒から憎まれている人間味溢れる教師、鷹揚に現実を見ている校長、そして最後はダンス・パーティ…
最早ここまでやればいっそ立派
 しかし、ここまでパロディっぽくしておいておきながら、物語は直球勝負。ヒーローもの、学園ものどちらも完全な王道パターンに則っていながら、人物描写に手を抜かずにそれぞれのキャラクタの良さをきちんと描写し、物語の構造も、
「誰でも素晴らしい才能を持っている」というポジティヴ・メッセージになっているのがポイントだろう。最終的に両親の能力をどちらも受け継いだウィルが、最も大切なのは個人個人の能力じゃなくて、みんなが必要なんだ。と叫ぶのは、ぐっとくるものがあり。格好良いよ。
 ストーリーを全く捻らず、個性的なキャラクタを出してニヤニヤさせる。これは実に上手い作品だ。あらゆる世代にお薦めできる作品…ただし、
特撮ものに拒否反応を起こさない人限定だけど

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