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アダム・ウィンガード
Adam Wingard

Adam Wingard
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ゴジラvsコング
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ロニー・チェン
ジョン・ピルチェロ
クリス・チョーク
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 2024年。古文書を分析した研究機関モナークは地球の内部に地下空洞があることと、コングとゴジラは戦う宿命にある事を発見した。そこで髑髏島に基地を設置してコングをその中に閉じ込めてゴジラと接触を防ごうとするが、コングが暴れたために収容失敗。そこで地下空洞にコングを連れていくことを決定する。一方、鳴りを潜めていたゴジラは突如アメリカに上陸。エイベックス・サイバネティック社を襲った後、太平洋を移送中のコングの存在を察知してコングの元へと向かう。

 レジェンダリーによるモンスターバースシリーズでも肝となるのはキングコングとゴジラの二大怪獣の絡みである。それぞれ独自にシリーズ化しているが、やがてはこの二大怪獣を戦わせることは最初からの予定に組み込まれていた。
 そしていよいよ2021年になって、二大怪獣のぶつかり合いがついに映画化された。
 怪獣好きにとっては夢の対決である。
 尤もこれは実に50年前に本田猪四郎監督によって『キングコング対ゴジラ』(1962)として映画化しており、更にこの作品の完成度も高いため、「今更やらんでも」という消極的な気持ちもないではないのだが、やっぱり公開されると気持ちが高ぶる。
 新型コロナウイルス蔓延のために公開も遅れてしまったが、幸いなことにSNSでネタバレもなく、ほぼまっさらな気持ちで観ることが出来たのはありがたい(それでもいくつか漏れ聞こえてはいたが)。

 この作品を一言で言えば、「サービス過剰」だった。ゴジラ側の前作である『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)も相当なサービス過剰ぶりだったが、それに輪を掛けたサービスぶり。ただしちょっと方向性は違う。『KOM』のサービスは怪獣同士のぶつかり合いがたっぷり観られることがサービスだったが、こちらは設定的に盛りすぎ。
 とりあえずメインのゴジラとコングの戦いを後回しにして、人間ドラマと設定の方をまずは考えてみよう。
 この作品には人間側に三つのドラマが用意されている。

 一つ目には髑髏島でコングの保護活動を行っているアイリーンと、手話を介してコングと意思疎通が出来る少女ジア、そして地図製作者のネイサン、エイベックス社のマイアからなる地下探検隊。
 『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)において地球空洞説が提唱され、そこから怪獣がやってくるとされ、ここの冒険がまずあるが、パターン的には『ロスト・ワールド』(1925)から連綿と続く一連の探検シリーズだが、モナークとエイベックス社の思惑が錯綜する陰謀とかもあって見応えはある。ぱっと思った感じは『緯度0大作戦』(1969)観てる気分。これが結構壮大な物語で、これだけで充分一本分の映画に出来るくらいの物語性がある。

 二つ目に陰謀論者バーニーに引きずられるようにエイベックス社に証拠を掴みに行くミリーとジョシュの高校生コンビの物語。アメリカにある工場に入ったら、いつの間にか上海まで行ってしまってメカゴジラを目撃、そのままゴジラとコングの戦いに巻き込まれてしまう。これは純粋なジュブナイルもので、まさに王道の特撮物語。観ていて『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969)思い出してしまった。ゴジラ対コングの戦いあってのことではあるが、これも一本分の映画として充分に観られる分量の物語がある。

 そしてもう一つ。前作『KOM』でゴジラのために命を捧げた芹沢の関係者とおぼしき芹沢蓮の物語がある。ゴジラに観も心も捧げてしまった父を見て一体何を考えたのか。そして何故そのゴジラを滅ぼそうという考えに至ったのか。この物語を深めれば『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)にもなるし、『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)にもなる強度を持った物語だった。

 ゴジラとコングの戦いがあってという前提はあるが、これら三つの物語はどれも一本分の映画を作れるだけの内容を持っている。これをまんま映画にしてしまったらとっちらかってしまって中心がぶれる。だから本来相当細やかにペース配分しなければならない。怪獣の戦いというド派手なメインストーリーがあるのだから、できるだけ繊細に考えるべきものである
 しかし、この作品ではそれは全く配慮されてなかったようである。なんせ三つの物語がそれぞれ関係なく全開で作られてしまったから。正確に言えば三つ目の物語が脇に避けられて、残り二つの物語が好き放題に作られていた。
 お陰で人間パートのストーリーが厚い割にとっちらかってしまった。三つの物語を一つにすればもう少しすっきりさせられたはずだった。それに三つ目の芹沢息子の話を端折ったため、ラストの伏線が弱かったのが残念だった。ここはもう少しだけ丁寧にやって欲しかった。

 しかしそんなマイナス要素があっても、それ以上に良かったのがゴジラ対コングの戦いで、これはとても充実していた。
 このタイプの作品で必要なのは、何故この二大怪獣が戦わなければならないのかという理由付けである。
 これが実は結構面倒くさい。ゴジラは地球の守護神で、人類に対してもどっちかというと守る立場を取っている。一方コングは地下空洞と地上の通路を塞ぐためにいる。この立場から、どちらも戦う意味が薄い。更に二体とも知性が高い存在となっているため、ますます戦う意味がない。
 ではこの二体が何故戦わなければならなかったのか。そこに画期的な言葉が出てきた。それは「宿命」である。ゴジラとコングは戦うべくして存在するのだから、戦うのは避けられないのである。
 なんと頭の悪い設定だろう。しかし一方では、「宿命か。ならば仕方がないな」という妙な納得も出来てしまう不思議な言葉でもある。少なくてもたった一言「宿命」と言っただけで戦う意味が出来てしまった。ここまで単純化したのは意外だが、「こんなんでいいんだよな」と妙な納得感もあった。実際人間の感覚で理解出来ないものは理由もなくぶつかるでも充分成り立つのだ。
 それにこれくらい単純だから二大怪獣のぶつかり合いも忖度なしに殺し合って良い。戦うのに複雑な理由があったらどうしても手加減が生じるが、殺し合う宿命なのだから、戦わざるを得ないのだから。
 この二体の戦いも結構見栄えがある。巨大人型で身体能力も極端に高いが、哺乳動物特有の弱点も持つコングに対し、呼吸を必要とせず、あらゆる場所に現れ、更に放射熱線まで吐くゴジラ。明らかに基本スペックに差があって、単なるぶつかり合いだと絶対的にゴジラの方が有利。基本的にこの二体のぶつかり合いだと終始ゴジラの方が優勢になる。それを全く衒いもなしで描いた辺り、監督のきちんとした意思を感じる。
 それで身体能力的には圧倒的に不利なコングがいかにしてゴジラと戦うのかと言うパートにかなり時間を使って、納得させるまでコングをパワーアップさせて第二戦。しかしそこでも良いところまでいっても、やはりコングが敗北。
 実力差で決して対等でない二人の関係がちゃんと描かれてるのは好感度が高い。
 結局第三勢力であるメカゴジラが入り込むことでゴジラとコングが協力することになってしまったのだが、そこは痛し痒し。気持ち的には盛り上がるのだが、折角の二体の戦いに水を差された気になってしまい、ちょっと中途半端かな。
 ラストまでの展開は日本の戦隊もののVS作品っぽくなってしまった。監督もその辺心得ているのか、本当にそれっぽく作られているため、ちょっと安っぽくなってしまったか?
 そこがちょいマイナスだったが、ここで戦いが終わった訳でなく、続編がある事で、以降に期待かな?

 あと、ウィンガード監督には是非『パワーレンジャー』(2017)の続編かリブート作って欲しい。
製作年 2021
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