ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ! 2005 |
2005米アカデミー長編アニメ賞
2005英アカデミー国内作品賞
2005LA批評家協会アニメーション賞
2005ラスヴェガス映画批評家協会主演男優賞(ディロン)、脚本賞
2005トロント映画批評家協会アニメ賞
2005フロリダ映画批評家協会アニメ賞
2005ゴールデン・トマト・アウォーズ全国公開作品、アニメーション賞
2005全米オンライン映画批評家協会アニメ賞
2005アメリカ製作者組合アニメ部門賞
2005アニー作品賞、アニメーションエフェクト、キャラクター、動画賞、監督賞、音楽賞、プロダクション・デザイン賞、声優賞、プロダクション賞
2005放送映画批評家協会長編アニメ賞 |
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スティーヴ・ボックス(共)
ニック・パーク
クレア・ジェニングス
ピーター・ロード
カーラ・シェリー
デヴィッド・スプロクストン(製)
ニック・パーク
スティーヴ・ボックス
ボブ・ベイカー
マーク・バートン(脚)
ピーター・サリス
レイフ・ファインズ
ヘレナ・ボナム=カーター
ピーター・ケイ
ニコラス・スミス
リズ・スミス
ジョン・トムソン
萩本欽一
飯島直子
大川透 |
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★★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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5 |
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3 |
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町の富豪トッティントン邸宅で毎年行われている町一番の祭り“巨大野菜コンテスト”を前に、町はウサギの被害に悩まされていた。発明家のウォレスはウサギ捕獲用の機械を発明。グルミットと共に次々とウサギを保護していった。ウォレスの次なる発明はウサギを野菜嫌いにする方法。だがそれは失敗し、一匹の兎がウォレスの頭脳を持つようになってしまう。そんな時、正体不明の巨大ウサギが出現、町の人々が大切に育ててきた巨大野菜が次々と食い荒らされていく。トッティントンの財産を狙う首領好きのヴィクターはさっそくそのウサギを殺してやると息巻いていた。同時に兎の保護を目的とするウォレスとは真っ向から対立していたが…
イギリスのクレイアニメの老舗アードマン社の人気シリーズをドリーム・ワークスとの提携で作り上げた劇場用長編作品。見事2005年の長編アニメ部門でオスカーを得た。
今年のアカデミーは『宇宙戦争』や『キング・コング』と言ったディジタル映像大流行の年だったが、意外なことにアニメーションでは『ハウルの動く城』(2004)を除けば『ティム・バートンのコープス・ブライド』と本作という、いわばローテクのクレイ・アニメーション二作がノミネートという面白い年になった。クレイ・アニメーションはとにかく手がかかるが、一方でその味わいは他に代え難い暖かみがあって、その努力が認められたと言うことだろう。ドリーム・ワークスも時に味なことをしてくれる。観てる側としても満足。
本作はやはり演出が飛び抜けて良い。クレイアニメだからこそ出来る(そして許される)演出が目白押しで、ウォレスとグルミットの出撃シーンなんかはまさに『サンダーバード』そのまんまで、流石に味わいが違う。
本作は元々が短編アニメで、小ネタを一発やって、それを楽しむべき作品だったと思うが、長編になったらなったで、ちゃんとドラマ性も心理描写もあり。トータルバランスも良い。
互いに文句ばっかり言ってるようだけど、いざというときになったらウォレスもグルミットも相手を信用しきっている描写があるのもベタながら良し。
ただ、ちょっとだけ難を言わせてもらうと、本来のシリーズにあった「やられる人間はやられっぱなし」という、ややシニカルに偏っていた笑いがかなりマイルドになり、その分、純粋に子供向きの作品になってしまったような印象があり。ウォレスとグルミットの努力はきちんと酬われているというのがちょっと残念。毒気が足りなかった。この辺がアードマンとドリーム・ワークスの意識の違いって事なんだろうか?そう言えば『チキンラン』(2000)でも同じようなもどかしい思いにさせられたな。
あともう一つ残念だったのは近場では吹き替え版のみだったこと。言葉遊びが醍醐味なのに、それが薄まりすぎてる。欽ちゃんは意外にはまってたのは確かだが。
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