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アニエス・ヴァルダによるジェラール・フィリップ 歌う女・歌わない女 |
2024 | ||
2023 | ||
2022 | ||
2021 | ||
2020 | ||
2019 | アニエスによるヴァルダ 監督・出演 | |
2018 | 映画はアリスから始まった 出演 | |
2017 | 顔たち、ところどころ 監督・脚本・出演 | |
2016 | ||
2015 | ||
2014 | ||
2013 | ||
2012 | ||
2011 | ||
2010 | ||
2009 | ||
2008 | アニエスの浜辺 監督・脚本・出演 | |
2007 | ||
2006 | ||
2005 | ||
2004 | ||
2003 | ||
2002 | 落穂拾い・二年後 監督・製作・脚本・撮影・編集・出演 | |
シャレード 出演 | ||
2001 | ||
2000 | 落穂拾い 監督・脚本 | |
1999 | ||
1998 | ||
1997 | ||
1996 | ||
1995 | ||
1994 | 百一夜 監督・脚本 | |
1993 | ||
1992 | ||
1991 | ジャック・ドゥミの少年期 監督・製作・脚本 | |
1990 | ||
1989 | ||
1988 | ||
1987 | カンフー・マスター! 監督・製作・脚本 | |
アニエスv.によるジェーンb. 監督・脚本・出演 | ||
1986 | ||
1985 | 冬の旅 監督・脚本 | |
1984 | ||
1983 | ||
1982 | ||
1981 | ||
1980 | ||
1979 | ||
1978 | ||
1977 | 歌う女・歌わない女 監督・製作・脚本 | |
1976 | ||
1975 | ダゲール街の人々 監督 | |
1974 | ||
1973 | ||
1972 | ||
1971 | ||
1970 | ||
1969 | ||
1968 | ||
1967 | ベトナムから遠く離れて 監督 | |
1966 | ||
1965 | ||
1964 | 幸福 監督・脚本 | |
1963 | ||
1962 | ||
1961 | 5時から7時までのクレオ 監督・脚本 | |
1960 | ||
1959 | ||
1958 | ||
1957 | ||
1956 | 世界の全ての記憶 出演 | |
1955 | ラ・ポワント・クールト 監督・脚本 | |
1954 | ||
1953 | ||
1952 | ||
1951 | ||
1950 | ||
1949 | ||
1948 | ||
1947 | ||
1946 | ||
1945 | ||
1944 | ||
1943 | ||
1942 | ||
1941 | ||
1940 | ||
1939 | ||
1938 | ||
1937 | ||
1936 | ||
1935 | ||
1934 | ||
1933 | ||
1932 | ||
1931 | ||
1930 | ||
1929 | ||
1928 | 5'30 ブリュッセルで誕生 |
アニエスによるヴァルダ Varda par Agnès |
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幸福 Le bonheur |
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1965ベルリン国際映画祭銀熊賞 1966キネマ旬報外国映画第3位 |
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叔父の経営する建具屋で働く夫フランソワ(ジャン=クロード)は美しく従順な妻テレーズと子供と暮らす楽しい日々を送っていた。だがある時、長期の出張で遠い町に行くことになり、そこで近くの町の郵便局員エミリーと出会った。妻とは違う奔放な性格のエミリーに引かれていくフランソワだが… このレビューは激しいネタバレを含んでいるため、少なくとも本作を一度観た上でご覧くださることを期待する。 一口で言えば本作は「とても美しく、そしてとても分かりづらい作品」と言えようか。 この時代のフランス映画は、様々な実験的手法を投入していたが、一概にとても綺麗な画面づくりをしている。本作もソフトフォーカスを巧く使って、幸せな家族描写をこれでもか!と言うほど作り出していて、画面は前編を通してとても美しい。 物語も分かりづらいというのではなく、むしろとても単純なのだが、いったいどういう経路でこういう物語になるのかが全く分からないのだ。これをどう取ればいいのか、観た直後では全く分からなかった。やっと今頃になってなんとか分かってきたような気がする。 整理してみると、本作は「とても仲がいい家族の物語」である。全てを要約すると本当にそれだけ。 ホームドラマの基本は一応押さえていて、最初に仲のいい家族を「これでもか!」と描き、その後家族から離れて働きに出た夫が、そこで魅力的な女性と出会ってしまう。それで夫婦の危機を経て、家族の絆は更に強くなっていく。 こう書くと普通のホームドラマっぽいのだが、本作のすごいところは最初と最後の家族が違うということ。つまり、物語途中で浮気相手の女性の方を主人公のフランソワは選んでしまうのだ。 …いや、それならそれでも話は成り立つのだが、それで困ってしまうのは、ラストシーンはいかにもハッピーエンドになっているというところ。 物語中盤で夫婦の危機を経る訳だが、その際本来の妻の方が身を引いて、自殺してしまう。それで妻の遺言通り浮気相手を家族に迎え入れ、元の家族と変わらずに家族仲睦まじく過ごしていく… なんでこうなる?正直あのラストシーンは訳が分からない。いくらなんでも夫が浮気したってだけで自殺する妻もそうだが、それでああ言う遺言を残すことも、更にその遺言をそのまま実行してしまう夫の方も。それを当たり前のように受け入れる子供たちも。何もかも想定外で混乱してしまう。 かつて読んだ小説「髪結いの亭主」では、この幸せが徐々になくなっていくのが怖いと言って妻が自殺するというオチに持っていき、あれもよく分からなかったんだが、それ以上にこれは分からない。 開いた口がふさがらないとはまさにこのこと。理不尽極まりないこのラストシーンは、一種のどんでん返しとも言えるし、ここに至る過程が全く理解できない。強いて言うなら、「男とはこう言う生物である」ということを言おうとしているのかも知れない。男とは特定の人ではなく、愛する人であれば、誰でも家族ごっこが出来ますよ。という…違うかも知れないけど。 でも、今から考えてみると、それこそが本作を名作たらしめているのかもしれない。ストーリーテリングを逆手に取ったこのラストは、一種のトラウマ映画として燦然と輝いている。 |
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