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マキノ雅弘

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マキノ 雅弘
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日本の映画監督、脚本家、映画プロデューサー、録音技師、俳優、実業家。本名、牧野 正唯。
「日本映画の父」と呼ばれた牧野省三の息子。父の死後マキノ・プロダクション撮影部長、松竹太秦撮影所長などを歴任、生涯に261本もの劇場映画を監督・製作し、日本映画の黄金時代を築いた。沖縄アクターズスクール開設者のマキノ正幸は実子。甥の津川雅彦が映画監督を務めた際、マキノ雅彦の名義を用いた。藤純子を自宅に住まわせ、東映随一の女優に育てあげたり、日活では「梶芽衣子」の名付け親にもなっている。野村芳亭、池永浩久、高松豊次郎、根岸寛一、城戸四郎らの映画人とは父の代から交流があった。
Wikipediaより引用
経歴
1908'2'29 京都で誕生
1924 赤痢によって高校中退。病が癒えた後に父牧野省三に誘われて映画界入り。
1925 『青い眼の人形』で監督デビュー
1929'7'5 マキノ・プロダクション第1回トーキー作品として、日本初のディスク式トーキーによる監督作『戻橋』を発表する
1929 父牧野省三死去により、マキノ・プロダクションを引き継ぐ
1932 マキノ・プロダクションを畳み、日活を経て東京映音に入社し、トーキーを研究する
1935 マキノトーキー製作所を設立
1937 マキノトーキー製作所倒産。監督として日活に招かれる
1940 松竹太秦撮影所長に就任する。
1960 テレビドラマ『秋葉の宿』でテレビにも進出。
1971 岡田茂の東映社長就任と同時に東映を退社
1972 東映オールスター映画『純子引退記念映画 関東緋桜一家』の批評が芳しくなく、これで引退する
1993'10'29 死去
5+
4+
血煙高田の馬場
3+
自来也 忍術三妖伝
2+
個人的感想
1993 10'29 死去
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972 関東緋桜一家 監督
1971 日本やくざ伝 総長への道 監督
1970 昭和残侠伝 死んで貰います 監督
玄海遊侠伝 破れかぶれ 監督・脚色
女組長 監督・脚本
牡丹と竜 監督
1969 悪名一番勝負 監督・脚本
日本残侠伝 監督・原作・脚本
日本侠客伝 花と龍 監督
1968 日本侠客伝 白刃の盃 監督
1967 侠骨一代 監督
日本侠客伝 斬り込み 監督
昭和残侠伝 血染の唐獅子 監督
日本侠客伝 白刃の盃 監督
1966 男の顔は切札 監督
日本侠客伝 雷門の決斗 監督
日本大侠客
日本侠客伝 血斗神田祭り 監督
1965 任侠男一匹 監督
次郎長三国志 甲州路殴り込み 監督
日本侠客伝 関東篇 監督
蝶々雄二の夫婦善哉 監督
色ごと師春団治 監督
日本侠客伝 浪花篇 監督
1964 日本侠客伝 監督
次郎長三国志 第三部 監督・脚本
1963 続・次郎長三国志 監督・脚本
次郎長三国志 第一部 監督・脚本
九ちゃん刀を抜いて 監督
八州遊侠伝 男の盃 監督
いれずみ半太郎 監督
大暴れ五十三次 監督
1962 次郎長と小天狗 殴り込み甲州路 監督・脚本
橋蔵のやくざ判官 監督・脚本
千姫と秀頼 監督
若き日の次郎長 東海道のつむじ風 監督・脚本
1961 港祭りに来た男 監督
江戸っ子繁昌記 監督
若き日の次郎長 東海一の若親分 監督・脚本
月形半平太 監督
江戸っ子肌 監督
1960 若き日の次郎長 東海の顔役 監督・脚本
神田祭り 喧嘩笠 監督
清水港に来た男 監督
天保六花撰 地獄の花道 監督
弥太郎笠 監督
1959 雪之丞変化 監督
江戸の悪太郎 監督
恋山彦 監督
たつまき奉行 監督
鞍馬天狗 監督
1958 喧嘩笠 監督
捨てうり勘兵衛 監督
清水港の名物男 遠州森の石松 監督
おしどり駕篭 監督
1957 一本刀土俵入 監督
阿波おどり 鳴門の海賊 監督
仇討崇禅寺馬場 監督
浪人街 監督・脚本
純情部隊 監督
1956 遠山の金さん捕物控 影に居た男 監督
恐怖の逃亡 監督
丹下左膳 昇竜の巻(完結篇) 監督
丹下左膳 坤龍の巻 監督
朝やけ血戦場、鉄火の中 監督
丹下左膳 乾雲の巻 監督
1955 人生とんぼ返り 監督
次郎長遊侠伝 天城鴉 監督
人形佐七捕物帖 めくら狼 監督
次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り 監督
1954 次郎長三国志 第九部 荒神山 監督
やくざ囃子 監督
次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊 監督
美しき鷹 監督
次郎長三国志 第七部 初祝い清水港 監督
1953 次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家 監督
次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路 監督
次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港 監督
次郎長三国志 第三部 次郎長と石松 監督
抱擁 監督
次郎長三国志 第二部 次郎長初旅 監督
ハワイの夜 監督
續・丹下左膳 監督
丹下左膳 監督
1952 次郎長三国志 第一部 次郎長売出す 監督
弥太郎笠 前・後篇 監督
武蔵と小次郎 監督
すっ飛び駕 監督
やぐら太鼓 監督
浮雲日記 監督
おかる勘平 監督
1951 酔いどれ八萬騎 監督・脚本
銀次郎旅日記 監督
豪快三人男 監督
お艶殺し 監督
女賊と判官 監督
1950 千石纏 監督
レ・ミゼラブル あゝ無情 第二部 愛と自由の旗 監督
殺陣師段平 監督
1949 佐平次捕物控 紫頭巾 解決篇 監督・製作
佐平次捕物控 紫頭巾 監督・製作
盤獄江戸へ行く 監督
1948 幽霊暁に死す 監督
肉体の門 監督
金色夜叉 後篇 監督
金色夜叉 前篇 監督
1947
1946 のんきな父さん 監督
待ちぼうけの女 監督
粋な風来坊 監督・製作
グランドショウ1946年 監督
満月城の歌合戦 監督
1945 必勝歌 監督
名刀美女丸 製作
1944 野戦軍楽隊 監督・製作
不沈艦撃沈 監督
還って来た男 製作
団十郎三代 製作
1943 ハナ子さん 監督
1942 阿片戦争 監督
婦系図 監督
待って居た男 監督
1941 男の花道 監督
世紀は笑ふ 監督
阿波の踊子 監督
家光と彦左 監督
昨日消えた男 監督
1940 織田信長 監督
續清水港 監督
1939 鴛鴦歌合戦 監督
江戸の悪太郎 監督
1938 弥次喜多道中記 監督
忠次子守唄 監督
鞍馬天狗 角兵衛獅子の巻 監督
1937 自来也 忍術三妖伝 監督
血煙高田の馬場 監督
國定忠治 監督
恋山彦 怒濤の巻 監督
恋山彦 風雲の巻 監督
1936 芝浜の革財布 監督・製作
次郎長裸旅 監督・製作
国定忠治 信州子守唄 監督・製作・脚本
1935
1934
1933
1932
1931
1930
1929 浪人街 第三話 憑かれた人々 監督
浪人街 第二話 楽屋風呂解決篇 監督
浪人街 第二話 楽屋風呂第一篇 監督
1928 浪人街 第一話 美しき獲物 監督
忠魂義烈 実録忠臣蔵 出演
1927
1926
1925 落花の舞 後篇 助監督
落花の舞 前篇 助監督
1924
1923
1922
1921 豪傑児雷也 出演
1920
1919
1918
1917
1916
1915
1914
1913
1912
1911
1910
1909
1908 2'29 京都市で誕生

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レビュー

 

昭和残侠伝 死んで貰います
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IMDb
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大和久守正(脚)
高倉健
加藤嘉
荒木道子
永原和子
松原光二
下沢広之
藤純子
池部良
中村竹弥
諸角啓二郎
南風夕子
高野真二
山本麟一
石井富子
長門裕之
小林稔侍
永山一夫
日尾孝司
山田甲一
八代万智子
三島ゆり子
小倉康子
久保一
高須準之助
赤木春恵
花田達
久地明
相馬剛三
木川哲也
佐川二郎
亀山達也
高月忠
畑中猛重
土山登志幸
五野上力
青木卓司
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1970年邦画興行成績7位
製作年 1970
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連 シリーズ第7作
キーワード
玄海遊侠伝 破れかぶれ
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笠原和夫
マキノ雅弘
永田俊夫(脚)
勝新太郎
松方弘樹
安田道子
南美川洋子
津川雅彦
京マチ子
岸田森
山本麟一
和崎俊也
美川陽一郎
新条多久美
水島道太郎
北村英三
早川雄三
水上保広
小瀬朗
長谷川弘
木村元
北野拓也
和田哲児
杉山昌三九
丘夏子
志野まゆき
西川ヒノデ
尾上栄五郎
南条新太郎
玉置一恵
浜田雄史
橋本力
九段吾郎
勝村淳
長岡三郎
美樹博
中島徹也
福井隆次
菊野昌代士
新関順司郎
籔内武司
花村秀樹
戸村昌子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1970
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
キーワード
悪名一番勝負
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マキノ雅弘
宮川一郎(脚)
勝新太郎
江波杏子
安田道子
田村高広
津川雅彦
小川真由美
山本学
辰巳柳太郎
水島道太郎
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1969
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
悪名 <A> <楽>
今東光 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連 シリーズ第15作
キーワード
日本残侠伝
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マキノ雅弘
永田俊夫(脚)
高橋英樹
長門裕之
津川雅彦
南田洋子
山本陽子
梶芽衣子
岩井友見
川地民夫
水島道太郎
伴淳三郎
葉山良二
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 大正半ばの高度成長を始めた東京。浅草のやくざ大場(須加不二男)と岩田(深江章喜)は、長屋を取り壊してデパートを作ろうと画策していた。それを知った人足の親方江戸常(水島道太郎)は、長屋の住民のために工事の中止を訴えるのだが、それを疎ましく思われ、事故死させられてしまった。そんな時、長屋を取り仕切る角芳の子分中山秀次郎(高橋英樹)が一年の仮釈を得て帰って来た。事情を聞いた秀次郎は長屋を守ろうと心に決める…
 江戸時代から日本には任侠というものに一種の憧れを覚えてきた。任侠は一種のアウトローだが、自分なりのルールをしっかり守り続け、“強きをくじき弱きを守る”、一種のヒーローとして存在していた。江戸という硬直した時代だからこそ、そこからはみ出るものへの憧れがどこかにあったのかもしれない。
 そして映画にも当然その流れは入ってきているのだが、任侠ものを作らせたら随一。と言わせる人物は、やはりこのマキノ雅弘をおいて他はあるまい。わたし自身はそうたくさん観ているわけではないものの、監督作品は見事に全て任侠道を描いたものばかり。ここまで徹底していると、いっそ立派な人だ。
 そのマキノ監督が、主演に高橋英樹を迎え、総天然色で送った任侠映画が本作。
 ここで高橋英樹を選んだのは面白い。この人は二枚目ではあるがちょっと丸顔で愛嬌のある顔つきをしているので、いかにも“やくざもの”と言った雰囲気はないし、とにかく若々しさに溢れているので、任侠ものに必要な枯れた雰囲気も持たない。
 それをマキノ監督は、色気というもので置き換えた感がある。一種のアイドル的な扱い方をしてみたのだ。彼が微笑めば、女性はこぞってなびく。だけど、あくまで彼自身は自分の魅力というものを出さないように努める。そのアンバランスさが、抑えた色気として出てくるのだ。その立ち回りは、やはり華麗だ。
 こう観てみると、“任侠もの”というジャンルは、物語が先にあるわけではないのだろう。先ずキャラクタあり。そのキャラに合わせて自在に物語を変化させることで成り立つジャンルなのだ。その辺をマキノ監督は熟知していたのだろう。主演が変わる度に、自在にその人にあった物語を作り上げてくれてる。

 …しかし、それはやはりこの時代が最後だったと思われる。世界的な激動の時代になる70年代になると、マキノ監督が目指したキャラ性を前面に押し出した任侠ものは廃れ、実録ものや、過激描写を推し進めたものが好まれるようになっていく。
 その意味でも本作は貴重な作品でもあろう。

 これまで太田雅子という本名で出演していた梶芽依子が本作で改名。高橋英樹、梶芽衣子共に、70年代の激動の時代で個性を出せた人を上手く使ったのも、やはり名人芸と言えるだろうか?
製作年 1969
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
キーワード
日本侠客伝 雷門の決斗
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野上竜雄(脚)
高倉健
藤純子
島田正吾
村田英雄
待田京介
藤山寛美
長門裕之
水島道太郎
ロミ山田
新城みち子
宮城千賀子
天津敏
井上昭文
内田朝雄
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1966
製作会社
ジャンル
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原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連 シリーズ第5作
キーワード
日本侠客伝
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笠原和夫
村尾昭
野上竜雄(脚)
中村錦之助
高倉健
松方弘樹
津川雅彦
田村高広
大木実
長門裕之
三田佳子
藤純子
藤間紫
南田洋子
品川隆二
ミヤコ蝶々
南都雄二
安部徹
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1964年邦画興行成績5位。
製作年 1964
製作会社 東映
ジャンル 犯罪(任侠)
売り上げ
原作
歴史地域
関連 シリーズ第1作
キーワード
純情部隊
<A> <楽>
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★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1957
製作会社 東映
ジャンル 戦争(第二次世界大戦)
スポーツ(プロレス)
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原作
歴史地域
関連
キーワード
次郎長三国志 第九部 荒神山
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橋本忍(脚)
若原雅夫
千秋実
小堀明男
河津清三郎
水島道太郎
田崎潤
森健二
田中春男
緒方燐作
小泉博
角梨枝子
岡田茉莉子
浜田百合子
広沢虎造
江川宇禮雄
山田巳之助
石黒達也
上田吉二郎
佐伯秀男
今泉廉
阿部九州男
高堂国典
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 石松を殺されたことから、次郎長は一家を挙げて都田三兄弟を討つため伊勢へと向かっていた。だが彼らが逗留した吉良の二吉(若原雅夫)の一家も、安濃徳一家との諍いに巻き込まれかけていたこともあり、次郎長達が火だねとなり、ついに本格的な争いとなってしまった。渡世の義理で二吉に加勢する次郎長(小堀明男)だが…
 前作『海道一の暴れん坊』は森の石松が主人公の話で、これはその続きとなって石松の仇討ちとなるはずの話だった。
 しかし、何故か話は今回初登場となった吉良の二吉が中心となって、一応登場したものの次郎長一家はただ抗争に巻き込まれただけという話になってしまった。
 作品としては極めてベタな任侠ものの話が展開し、非常に丁寧な脚本なので、一本の映画としては確かにちゃんとまとまっている。
 しかし、観ている側としては、石松の仇討ちはどうなった?ということが念頭にあるため、その辺が上手いこと素直に観られない。
 結果、前作の続き年考えるならばちょっと当てが外れるし、次郎長が全然目立ってないし、更に仇討ちがなされないまま完結編になってしまったため、ラストで肩すかしにあった気分になる。
 もう一本この後に作られないと話はまとまらないはずなんだが、出来なかったんだろうか?
製作年 1954
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 伊勢(三重)
関連
キーワード
次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊
<A> <楽>
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小川信昭
沖原俊哉(脚)
小堀明男
森繁久弥
越路吹雪
河津清三郎
田崎潤
小泉博
志村喬
田中春男
水島道太郎
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 お蝶と豚松の法事が無事行われ、そこで次郎長(小堀明男)は自分の復讐よりも子分達や清水のために働くことを心に決め、愛刀を金比羅に収めることにした。そこで石松(森繁久弥)を使いに立てるのだが…
 森繁久弥演じる森の石松を主役に据え、シリーズ一の傑作と言われる一作。
 これまで二作連続で殴り込みや屈辱に耐える描写が多く、いかにもやくざ映画っぽさがあった本作だが、親分の次郎長を離れ、子分の一人森の石松を中心に据えた股旅ものとして仕上げられた。
 石松が主人公だけに、親分として何かを守る立場ではない、奔放で考えなしだが情にもろいという石松の造形のお陰で大変のびのび作られているのが特徴となる。
 なによりこれまで子分の一人としての活躍の場しか与えられてなかった森重の石松が、本当にのびやかに描写されてるのが良い。これまで積み上げられてきた石松の悪い部分と良い部分を見事に引き出し、石松らしい生き方というものを突き詰めたものになってる。
 そして何より森繁久弥の名演が光る。自分勝手に生きていることを前提に、義理人情への縛りも時に軽々と越え、最終的に自分の命を差し出してチャラにしてしまえという、自分の命を含めて軽い生き方をしていくこの描写は、後の日本映画の渡世人の描写にも大きな影響を与えたことだと思う。決して完成した人間ではない、未完成ならではのキャラクターの魅力がここにはある。
 本作まで観ることで、実はこの長いシリーズ、もう一人の主人公としての石松こそが作品の要になっていたことを思わされる。森繁久弥をここに起用した理由は本作を観れば分かるというものだ。

 森の石松の描写は後の東映のやくざ映画の主人公につながることは分かるし、東映アニメのヒーローもどこかに石松っぽさを加えることも多かったので、どれだけ後に影響を及ぼしていたか分かろうというもの
 ただ、この造形他にもあった気がして少し悩んだが、これ、まんまフーテンの寅ではないか?とも思えてくる。改めて考えてみると、性格から生き方までそっくり。
 ひょっとして渥美清はこれを参考にしたのかな?充分あり得ると思う。
製作年 1954
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 琴平町(香川)
関連 シリーズ第8作
キーワード
美しき鷹
<A> <楽>
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星野和平(製)
マキノ雅弘(脚)
若原雅夫
津島恵子
越路吹雪
河津清三郎
田崎潤
桜むつ子
田中春男
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1954
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
キーワード
次郎長三国志 第七部 初祝い清水港
<A> <楽>
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松浦健郎(脚)
小堀明男
河津清三郎
田崎潤
森健二
田中春男
石井一雄
森繁久彌
小泉博
緒方燐作
山本廉
長門裕之
広沢虎造
久慈あさみ
越路吹雪
隅田恵子
広瀬嘉子
和田道子
紫千鶴
木匠マユリ
澤村國太郎
堺左千夫
千葉信男
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 晴れて清水に戻り、再び一家を構えた次郎長(小堀明男)。だが妻のお蝶が亡くなった原因となった保下田の久六(千葉信男)への敵討ちを忘れず、逐電した久六の行方を追わせていた。そんな中、武家屋敷に方向に出ていた大政(河津清三郎)の妻ぬいが戻ってくることとなり…
 復讐を心に秘めつつ、親分としての義務を淡々とこなすというお話で、活劇部分は本当に少ないし、物語に起伏も少ない。中だるみとは言いたくはないが、よく前作と本作の二本も使ってこんな重い雰囲気の物語を作ったものだと感心する。
 ただ、それだけに日常描写には力が入っていて、長いシリーズだからこそ出来る日常の細やかな描写が良い具合でなんだかとても観ていて心地良い感じがする。
 続きだからこその引きのラストももやもやしたものを感じさせるが、前作『旅がらす次郎長一家』と本作の重さがあるからこそ、次作『海道一の暴れん坊』のカタルシスにつながっていくのだろう。
 公開時、どれだけ次作が待たれていたかを感じさせてくれる。今は連続で観られるので、たたみかける演出を楽しむことも出来る。
製作年 1954
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 清水(静岡)
関連 シリーズ第7作
キーワード
次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家
<A> <楽>
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松浦健郎(脚)
小堀明男
河津清三郎
田崎潤
森健二
田中春男
石井一雄
森繁久彌
小泉博
緒方燐作
長門裕之
山本廉
越路吹雪
若山セツ子
広瀬嘉子
久慈あさみ
千葉信男
藤原釜足
英百合子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 甲州路で猿屋をたたき切ってしまって清水に戻ることが出来なくなってしまった次郎長(小堀明男)一家は尾張の知り合い保下田の久六(千葉信男)を頼る。だがかつて受けた恩を忘れた久六は次郎長を代官に差し出す手はずを整えて待っていた。すんでの所で追っ手を撒いた次郎長だが、恋女房のお蝶(若山セツ子)が病に罹ってしまい…
 前作『殴込み甲州路』で見事溜飲を下げたものの、おおっぴらに出入りと殺しを行ってしまったため、お尋ね者となってしまった次郎長一家の顛末。
 ほとんどの場合、時代劇では人殺しは当然で、正義の側は何からも逃げる必要は無いが、これは一応実話を元にしているし、リアリティを考えるなら、実際には殺しは殺しで罪となり、追われるのは当然である。
 ただ、その追われる身となった次郎長を一本丸ごと使って描いたというのが本作の面白さ。全編ほとんど盛り上がりが無く、しかもラストに妻のお蝶が亡くなってしまうと言う悲惨な話を1時過半を使って描ききった。
 ちょっと気が滅入るような話ではあるが、続きものして考えるならば、これはとても画期的だし、タメの重要性もしっかり描かれているので、異色作なれど、完成度そのものは高い話だろう。
 監督としては、一度くらいはこういう作品を作りたかったんじゃないかな?
製作年 1953
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 愛知
関連 シリーズ第6作
キーワード
次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路
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本木荘二郎(製)
松浦健郎(脚)
小堀明男
河津清三郎
森繁久彌
田崎潤
小泉博
久慈あさみ
若山セツ子
森健二
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 清水で親分として認められるようになった次郎長一家。甲州路で大熊が開いている賭場が荒らされていることを知らされた次郎長(小堀明男)。様子を見に行ってくるという投げ節お仲(久慈あさみ)を送るのだが、そのお仲が捕らえられてしまい…
 清水での騒動は前作『勢揃い清水港』にて一段落。これによって親分として羽振りを利かせるようになったが、そうなるとそうなったで、今度は縄張りに対する責任が出てくるようになる。
 これまでの攻めの体勢から守りの体勢へと変化していく。いうなれば『ゴッドファーザーPART II』(1974)を先行してやってるようなもの。
 この姿勢はとても面白い。任侠ものは成り上がるところまでで終わることが多いけど、長いシリーズでじっくりやってるため、なり上がった“その後”についてもちゃんと描こうとする姿勢は良い。

 それに次郎長の造形はこれまで以上に良い。親分となって人の上に立つようになって、それに見合う貫禄が出てきた。
 次郎長は喧嘩が強いわけではない。それでも覚悟をもって立ち向かわねばならない時がある。と言った感じで正義感と義務感のない交ぜとなった立場がちゃんと描けているのが良いところだろう。
 ある意味中間管理職にもつながるような描かれ方でもあるので、この作品が広く読まれている理由がなんか分かるような気になる。
製作年 1953
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 市川(山梨)
関連 シリーズ第5作
キーワード
次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港
<A> <楽>
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松浦健郎(脚)
小堀明男
河津清三郎
田崎潤
森健二
田中春男
石井一雄
森繁久彌
小泉博
加東大介
広沢虎造
久慈あさみ
若山セツ子
豊島美智子
小倉俊子
澤村國太郎
千葉信男
小川虎之助
石黒達也
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 石松(森重久彌)が助けた行き倒れの力士八尾ケ岳。無碍に追い返すことも出来なくなった次郎長(小堀明男)は相撲興行を行うこととなる。興業は大成功で、宿場の親分連中も次郎長を親分としての実力を認めるようになったが、新しく子分となった三保の豚松(加東大介)が興業の上がりを持って逐電してしまう。責任を感じた石松は豚松を追いかけるが…
 シリーズもこれで4作目となる。今回で三保の豚松が入ることで、次郎長一家の全員が勢揃いすることとなった。
 この作品は子分の蒔いたトラブルの種を親分が収めようとするといった風情で、物語自体は至ってまともな物語。強いて言えば主人公である次郎長よりもやんちゃくれをやってる石松の方が明らかに話の中心になってるって事くらい。

 ただ、ここでなかなかに興味深いのが、やくざの親分として認められるという条件について。
 ここに描かれるやくざの一家は、単なる暴力を行使する役割ではない。むしろそっちよりも顔役として市井の人々のトラブルを収め、時に市民が喜ぶことを行う存在であり、それらが滞りなく出来るようになったことで、周囲の親分連中も、親分として一人前であることを認めるようになる。現在で言うところの、自治会の顔役って感じで描かれてる。
 その最たるものが相撲の興行となっている訳だが、これはつまり、昔から相撲というのがどのような立場にあったのか、そのことをはっきりと示しているかのように見える。庶民に対して娯楽を与える事が結局親分さんの義務なのだから。
 親分に望まれているのは、結局ローマ時代に言われていた“パンとサーカス”であり、洋の東西、時代や規模にかかわらず、それはずーっと変わってない。

 ちょっと前に角界を揺るがせた八百長問題だが、あれは八百長と言うよりも、興行的な駆け引きの一環であり、興業を成功させるための措置であったのかなあ。
製作年 1953
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 清水(静岡)
関連 シリーズ第4作
キーワード
次郎長三国志 第三部 次郎長と石松
<A> <楽>
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松浦健郎(脚)
小堀明男
森繁久弥
久慈あさみ
若山セツ子
小泉博
広沢虎造
河津清三郎
森健二
田中春男
田崎潤
石井一雄
沢村国太郎
小杉義男
花房一美
清水元
鴨田清
渋谷英男
峰三平
天見龍太郎
岩本弘司
上野洋子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 次郎長(小堀明男)一家に合流した石松(森繁久彌)。だが生来のお調子者の上に意地っ張りな石松は、一家には入らず、それでも一緒に旅をすることに。そんな時、宿場に壺振りのお仲(久慈あさみ)という美女にすっかり参った石松は…
 昔気質のやくざを描こうとした一作目。そこで闖入した森の石松との邂逅を描いた二作目と続き、本作はその石松と次郎長の絆が出来る話になっている。実際、本作までが物語のイントロであり、石松を加えた4作目からが本当に清水の次郎長一家の話となっていくことになる。
 そんな訳で、今回は石松が晴れて次郎長一家に入るまでを描く話。
 話としては次郎長一家と石松の二つの物語が同時進行していき、それが後半になって合流して一つの話となるように作られているのだが、この短い時間でキャラを掘り下げるのはちょっと難しかったか、やや話は散漫と言った感じ。森繁の石松は良い味出しているのだが、やっぱり次郎長と石松の二人がきっちり合わさってこそ、話は映える。分割したことで焦点がぶれてしまったかな?
製作年 1953
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連 シリーズ第3作
キーワード
次郎長三国志 第二部 次郎長初旅
<A> <楽>
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村上元三
松浦健郎(脚)
小堀明男
若山セツ子
河津清三郎
田崎潤
森健二
田中春男
石井一雄
森繁久弥
広沢虎造
豊島美智子
隅田恵子
和田道子
三好栄子
沢村国太郎
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 庵原川の喧嘩によって清水にいられなくなってしまった次郎長(小堀明男)は鬼吉( 田崎潤)と綱五郎( 森健二)の二人をつれて旅へ出た。沼津で仙右衛門(石井一雄)一家と交流するのだが、そこでの喧嘩に巻き込まれてしまうことに…
 前作で一家を構えた次郎長が、森の石松と出会うまでの話。
 一作目で既に子分達は出そろっていて、二作目の本作で既に安定した物語になりかけている。やくざ同士の義理人情と、それ以上に馬鹿をする男達。その辺がとても愛おしい感じになってる。
 そしてそんなところに森の石松という異分子を放り込んだのは正解。物語にぴりっとした香辛料を入れたような感じ。あっという間にマンネリ化しそうになるのを上手く踏み留めてくれている。

 それにしてもまあ、森繁久彌ってのは、やっぱり上手いなあ。中途半端なやくざ役をしっかり自分の芸風に取り込んでしまってる。
製作年 1953
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 沼津(静岡)
関連
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次郎長三国志 第一部 次郎長売出す
<A> <楽>
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松浦健郎(脚)
小堀明男
若山セツ子
田崎潤
森健二
河津清三郎
田中春男
広沢虎造
豊島美智子
広瀬嘉子
沢村国太郎
小川虎之助
清川荘司
阿部九州男
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 清水の米屋の長五郎(小堀明男)は腕っ節と度胸の強さのため、“清水の次郎長”の異名を持っていた。仕事の御用の旅先で割に合わない喧嘩を引き受けてはやくざものを叩きのめしていた。そんな次郎長が清水の実家に帰る頃には、いつの間にか彼をしたって何人もの弟分が集まっていく。そんな時、次郎長の義父大熊が渡世の義理で和田島の太左衛門に助っ人して津向の文吉を討とうとしていた…
 浪曲で有名な清水の次郎長をベースに村上元三が雑誌連載していた同名小説の映画化。シリーズ化され、なんと9本も作られることになった人気作(しかも完結せず)。一本の映画で全部出来ない事もないのだが、本シリーズの特徴として、次郎長本人よりもその周りを取り巻く乾分たちの個性をたっぷり出し、彼らがいかに次郎長という人物に惚れ込んで、彼のために喜んで苦労を共にしてる。という事を事細かに描くことに重点を置いているからだろう。
 その第一作の本作は鬼吉、綱五郎、政五郎と言った古参の次郎長一家の重鎮達がいかにして次郎長に惚れ、彼についていったかを細かく描いたところに特徴がある。物語そのものは人物紹介篇みたいな感じで非常に短いものとなるが、その分凝縮した人間関係で見せてくれる。
 ここで面白いのが次郎長の生き方。ここで次郎長はいくつもの喧嘩に巻き込まれ、時に手を下すことがあっても、それらの喧嘩はその大部分は他人の喧嘩ばかり。余計なことに首を突っ込んで調停しようとした挙げ句…結局次郎長の存在ってのは曲がったことが嫌いでお節介焼きが過ぎる人物だって事だったんだな。乾分たちも、そんな次郎長だからこそついていったんだろうし、次郎長自身も人が良いもんだから、いつの間にか一家になってしまって、そのために又喧嘩…苦労するために生まれてきたような人だ(むしろ女房のお蝶の方がだけど)。
 浪曲がベースだけに、物語の節目節目に入る野太い声も良いアクセント。ぼんやり聴いてると何言ってるのか全然分からない問題はあるにせよ。
製作年 1952
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
次郎長三国志 <A> <楽>
村上元三 (検索) <A> <楽>
歴史地域 清水(静岡)
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すっ飛び駕
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伊藤大輔(脚)
大河内傳次郎
黒川弥太郎
河津清三郎
三浦光子
長谷川裕見子
伏見和子
南条新太郎
澤村國太郎
荒木忍
東良之助
光岡龍三郎
原聖四郎
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 坊主の姿をして、僧侶を広言しつつ、ゆすりたかりを業とする河内山宗俊(大河内傳次郎)は、ふとしたことから奥州棚倉藩の金子市之丞(南条新太郎)という男を救った。家老大村典膳一味の手により横死した父の敵を取るため、証拠物件を持って江戸にやってきたという市之丞。だが一味に命を狙われ、肝心な書状も行方知れずになってしまった。そんな市之丞の身柄を与る事にした宗俊だが…
 歌舞伎の世界では有名な河内山宗俊を主人公にした作品。これまでにも山中貞雄による『河内山宗俊』(1936)があるが、この人物は自らを僧侶と名乗りつつ、暴力的な人物で、ゆすりたかりで生活していたような人物だったらしい。でも、そんな人物が義に厚く、人のために平気で命を賭けるってところが侠客として受け入れられているようだ。
 歌舞伎とは元々傾く(かぶく)から来ているそうで、真っ当に生きている人間ではなく、アウトローを主人公にしたものが多い。そんな意味で本物の侠客たる河内山宗俊は格好の題材だったのか。

 そして侠客映画というのをいくつか観ていると分かってくることもある。
 基本侠客を扱った作品は物語が単純に出来ている。そして物語の可否は、燃える展開を作っていれば良いというものではなく、主人公の存在感が何よりも大切と言うこと。主人公が存在することだけで画面に締まりが出て、主人公が動けばそれだけで画面に動きが出る。かつてはこういう人ってたくさんいたんだよなあ。この作品の大河内傳次郎なんて、どんな勝手をやっていても、それで全て正しい行為をしているように見えてしまうものな。特に大河内の場合、豪快な笑い声が良い。存在感の塊みたいだ。
製作年 1952
製作会社 大映
ジャンル 時代劇(人物)
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
子母沢寛
歴史地域
関連 河内山宗俊(1936)(河内山宗俊を描いた)
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ハナ子さん
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山崎謙太
小森静男(脚)
轟夕起子
山本礼三郎
英百合子
山根寿子
灰田勝彦
高峰秀子
中村彰
藤間房子
岸井明
橘薫
小島洋々
伊藤智子
嵯峨善兵
伊達里子
望月伸光
泉つね
山形凡平
田中筆子
南里金春
加藤欣子
河崎堅男
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 日々悪化する食糧事情の中、五郎(灰田勝彦)というサラリーマンの夫と結婚し、両親と一緒に東京郊外に住みはじめたハナ子(轟夕起子)は、主婦として明るく一家を支えていた。五郎の妹チヨ子(高峰秀子)の恋人が戦地から一時帰国することになり、気を利かせたハナ子は二人の結婚式を挙げようと、少ない物資の中で何が出来るかを考える。

 戦前から雑誌連載されていたコメディ小説をベースに作られた作品。これが製作された時はまさしく太平洋戦争のど真ん中。戦争で負け続け、どんどん悪化する国内事情の中でコメディを作ったというだけでも賞賛に値する作品だろう。逆にこんな時だからこそ喜劇を作って人の心を少しでも明るくしようという制作会社側の配慮もあったのかもしれない。事実戦時下における喜劇として興行的には成功している
 日本の戦争映画は基本的に表立った戦いがメインとなってしまい、その背後にある銃後の一般市民の生活というのをないがしろにしがちである。NHKのいわゆる朝ドラなどでは、そこら辺までフォローされているが、映画になるとどうしても派手な方向に向かいがち。
 それで数こそ少ないが、中には名作と呼ばれるものも存在する。
 一番有名なのは『火垂るの墓』(1988)ということになるんだろうけど、近年では『この世界の片隅に』(2016)という傑作が出てきたが、本作も設定上ではそれに劣るものではない。
 本作の最大の特徴は、まさしく太平洋戦争が行われているその年に作られていると言う点にある。実際にその時に行われていることを描いているのだから、本作の描写はリアルだ。ここでは空襲に備えた防災訓練やバケツリレーなど、普通に生活してると分からない変わった生活がなかなか興味深い。
 本作はプロパガンダも含まれるため、銃後の生活がえらく明るく描かれていて、それが鼻につく部分もあるのだが、改めて思うと、連帯感とかみんなで一つのことをやってる楽しさとかもあったんだろう。
 最初に本作観たときは反発感の方が強かったが、改めて考えるに、市井の生活の描写は馬鹿にするものではなかろう。

 それでもやっぱりはっきり言えるのは、戦争は絶対嫌だということ
製作年 1943
製作会社 東宝
ジャンル 戦争(銃後)
売り上げ
原作
銃後のハナ子さん <A> <楽>
杉浦幸雄 (検索) <A> <楽>
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織田信長
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観音寺光太(脚)
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河部五郎
香川良介
志村喬
瀬川路三郎
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上田吉二郎
宗春太郎
小川隆
遠山満
常盤操子
衣笠淳子
滝沢静子
小松美登里
比良多恵子
内田博子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1940
製作会社 日活
ジャンル 伝記
売り上げ
原作
織田信長 <A> <楽>
鷲尾雨工 (検索) <A> <楽>
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鴛鴦歌合戦
<A> <楽>
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江戸川浩二(脚)
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志村喬
遠山満
深水藤子
ディック・ミネ
香川良介
服部富子
尾上華丈
石川秀道
楠栄三郎
近松竜太郎
福井松之助
富士咲実
大崎史郎
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 代表作とも言われるが、撮影に費やしたのは10日で完成した。
製作年 1939
製作会社 日活
ジャンル ミュージカル
時代劇(コメディ)
売り上げ
原作
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弥次喜多道中記
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本城英太郎(脚)
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ディック・ミネ
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悦ちゃん
近松里子
香川良介
瀬川路三郎
尾上華丈
河部五郎
志村喬
林誠之助
団徳麿
石川秀道
藤川三之祐
原駒子
中野かほる
比良多恵子
小松みどり
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1938
製作会社 日活
ジャンル 時代劇(コメディ)
ミュージカル
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原作
東海道中膝栗毛 <A> <楽>
十返舎一九 (検索) <A> <楽>
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自来也 忍術三妖伝
<A> <楽>
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尾上華丈
香川良介
瀬川路三郎
市川正二郎
水原洋一
志村喬
賀川清
宗春太郎
阪東国太郎
南城竜之助
石川秀道
福井松之助
加藤弘郎
香住佐代子
成宮欣子
三好文江
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1937
製作会社 日活
ジャンル 時代劇(人物)
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原作
比佐芳武 (検索) <A> <楽>
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血煙高田の馬場
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牧陶三(脚)
阪東妻三郎
市川百々之助
原駒子
伊庭駿三郎
志村喬
大倉千代子
香川良介
小松みどり
滝沢静子
市川正二郎
藤川三之祐
久米譲
瀬川路三郎
尾上華丈
阪東国太郎
片岡松燕
団徳麿
島田照夫
磯川勝彦
仁札功太郎
葉山富之輔
若松文男
湊武男
瀬戸一司
石川秀道
志茂山剛
加藤弘郎
大倉多一郎
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1937
製作会社 日活
ジャンル 時代劇(史実)
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原作
牧陶三 (検索) <A> <楽>
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