読書日誌
2002’8〜10月

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12'03'23 ゴッドファーザー・リターンズ 下 (著)マーク・ワインガードナー <amazon>
 敵対するマフィアのボスを次々に暗殺して自らの地位を固めていくマイケル。大統領候補のシェイを公然と応援することによって合法的にその影響力をアメリカ全土へと及ぼしていく。そんなマイケルとつかず離れずにつきあっていくニック・ジェラーチはマイケルの本当の顔を知っていく…
 「ゴッドファーザー」と「PART2」更に「PART3」を繋ぐ壮大な物語。だけど、やっぱり読みにくいのは変わらないし、そもそもPART3がさほど出来よくなかったので、それほど心動かされることもなかった。もうちょっと映画から離れていれば良かったのかも。
12'03'21 ゴッドファーザー・リターンズ 上 (著)マーク・ワインガードナー <amazon>
 ヴィトー亡き後、コルリオーネ・ファミリーのゴッドファーザーとなったマイケルはファミリーを表向き合法的に、そして拠点をニューヨークから西海岸に移すよう積極的に働く。そのために邪魔となる人間を間接的に粛正していく。だがそんなマイケルの行動は家族の間にヒビを入れる結果を招いてしまう。更にマイケルの行動に感付いた人々の危機感を募らせることとなる…
 著者を変えて送る続編。著者の癖だと思うのだが、隠喩表現が大変多く、とにかく読みづらいという問題がある。更に登場人物がやたら多いため、把握しにくい難点もある。だけど映画の一作目と二作目を繋ぐ物語として物語はしっかりしているのだが。
12'03'20 西原理恵子の人生画力対決4 (著)西原理恵子 <amazon>
 相変わらずのテンションで続く画力対決の第4巻。今回はかわぐちかいじ、寺田克也、石塚真一、ヤマザキマリ、コンドウアキ、浅野いにお、花沢健吾との対決が描かれる。
 結構知らないマンガ家も多いが、大ベテランであるかわぐちかいじや寺田克也、それに現在ブレイク中のヤマザキマリが登場してる。どんな人間に対しても攻撃しっぱなしの著者だが、やっぱり女流作家として底辺を味わったヤマザキマリとの対話は笑えた。どこか似た二人だからなあ。
12'03'17 空の境界 未来福音 (著)奈須きのこ <amazon>
 未来が視えてしまうという特異体質を持つ爆弾魔倉密メルカ。請け負ったビル破壊で出会った両儀式に激しい破壊欲求を覚えた彼は式を狙い、幾重にも罠を張る。一方黒桐幹也も又、偶然に未来が視えてしまうという瀬尾静音という少女と出会っていた。
 何を描いても長くなってしまう著者にしては珍しくコンパクトにまとまった作品…というか、コンパクトすぎて、よくこれを一冊にまとめようと思えたほどに短い。一応この作品も先を考えてるのか?と思えたことが最大の成果か?
12'03'14 デイ・ウォッチ (著)セルゲイ・ルキヤネンコウラジミール・ワシーリエフ <amazon>
 光の魔術師スヴェトラーナの登場により一気に力を付けたナイト・ウォッチ勢力。それに対し闇の魔術師ザブロンは、一見無駄に思えるような作戦を部下に命じ続けていた。それが何の意味を持つか分からないままザブロンの命令を行い続けるデイ・ウォッチの面々。その作戦は光の側の目にも奇異に映っていた。
 前作「ナイト・ウォッチ」が光のものを中心とした話だが、今度は全編闇のものばかり出てくる。前作主人公アントンとスヴェトラーナがキーパーソンであるのは変わりが無いようだけど。
12'03'11 テルマエ・ロマエ4 (著)ヤマザキマリ <amazon>
 ハドリアヌス帝の後継者として育てられたアエリウスが亡くなった。彼に多大な期待をかけていたハドリアヌスの落胆は激しく、それを慰めるためにハドリアヌスをテルマエに誘ったルシウスだが、その時に又しても現代日本に飛ばされてしまうルシウス。だが今回の旅はいつものものとは違っていた…
 これまでの単発ものから、長編となった今回だが、長いだけに間延びしてしまった感があり、いつものような楽しみ方が出来なかった。物語は深まっているのだろうが…
12'03'08 不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
西尾維新(検索) <amazon> <楽天>
 私立千載女学園に臨時講師として赴任した“私”病院坂迷路。そこで“私”はこの学園でカウンセラーをしている串木弔士と出会う。それは14年前“私”と同じ名前を持つ女学生を死に追いやった当人だった。そしてこの二人が出会ったことをきっかけにしたように突如学園内で起こる連続殺人事件。否応なく関わることとなった“私”は弔士と共に謎に挑む。
 ゆるやかに続いているシリーズで、その第2作目である「不気味で素朴な囲われた世界」は最初に読んだ著者作品だった。一応これも推理小説の形は取っているものの、内容は無茶苦茶で、推理ものでも古典的なワンアイディアもので、極めて後味の悪いものに仕上がっているのが特徴。
12'03'02 格闘的日常生活
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 著者の四十代後半から約10年に渡って雑誌に連載されたエッセイを時間軸で収録した作品。
 本作は大きく三つに分かれ、日常生活を描いたものと発展し続けている格闘技についてと釣りについて。とにかく趣味人だけに、仕事しながらよくここまで時間作れるな。と言う感じ。昔は著者自身エッセイを書くのは好きじゃないと言っていた割には上手く描いている。
<A> <楽>
12'02'29 悪夢探偵 (著)塚本晋也 <amazon>
 人の夢の中に入れるという特殊能力を持つ影沼京一。彼自身はその能力を厭わしく思い、人との接触を持たぬように生きていたのだが、そんな彼に警視庁の刑事霧島慶子から、人の夢に入って欲しいという依頼が舞い込んだ。悪夢を見た人間が眠ったまま自殺をしてしまうというのだ。最初は断った京一だったが…
 映画の原作。監督本人が書いてるだけあって、あの分かりづらい映画が過不足無く映画に収まっているのがよく分かる。だけど、原作を読んで改めて思ったのは、これってやっぱり映画向きじゃないと思えてしまう。
12'02'26 月光条例16
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 ランプの中から現れたのは、チルチルとしての記憶を取り戻した月光本人だった。だがその前に現れたのは、アラビアン・ナイトの世界を支配するもう一人のチルチルだった。一方打ち出の小槌を奪われまいとするトショイインらの前に次々と現れる魔神たち。その攻撃の前に少しずつ削られていく仲間達だが…
 月光の方は想定通りチルチル同士の戦いとなっているが、他の面々については、なんか「金色のガッシュ」に出てきたウンコティンティンみたいな魔人との謎々合戦。なんだかなあって感じになってきた。
<A> <楽>
12'02'22 うみねこのなく頃に Episode3 下 (著)竜騎士07 <amazon>
 ベアトリーチェの出した黄金へと続く道は絵羽によって解かれた。約束通りベアトリーチェは全てを絵羽に譲り渡すのだが、それは絵羽が心の中に持っていたもう一人の人格を解き放つことになってしまう。残酷な少女の姿を取った絵羽は、ベアトリーチェの代わりに次々に犠牲者を出していく。
 謎解きと言うより単に読み進めるだけになってしまっているが、少なくともストーリーの意外さという点においてだけは充分楽しめる。
12'02'20 うみねこのなく頃に Episode3 上 (著)竜騎士07 <amazon>
 魔女の存在を否定する戦人に魔女を認めさせようとするベアトリーチェは三度目の舞台を用意した。今度は使用人達が次々と殺されていくが、同時にゲーム中の戦人とベアトリーチェの周囲には次々と新しい悪魔達が集まっていた。
 もはや謎解きは放棄すべきレベルで、そもそも物語自体が何が何だか分からないレベルで、この状態で魔法を否定してすっきり終わらせるなどとても思えないのだが、一体どんな結論用意してるんだろう?
12'02'17
のだめカンタービレ13 (著)二ノ宮知子 <amazon>
 千秋に常任指揮の話がやってきた。そのオケの名はルー・マルレ・オーケストラ。伝統あるオーケストラと聞いていたのだが、実際に行ってみると、そこは貧乏で横暴なコンマスのおかげで雰囲気も最低のオケだった。
 今度は千秋の苦労話。とんでもないオーケストラを任されることになっての戸惑いと、それでも何とかしようという葛藤が見所。
12'02'14 NHK連続テレビ小説 ゲゲゲの女房 下 (著)武良布枝 <amazon>
 大手出版社に見いだされたことでこれまでの貧乏貸本マンガ家から売れっ子マンガ家へと転身を遂げた茂。順風満帆の出発に見えたが、それを支える布美枝にとっては、家庭の問題がどんどん大きくなっていく…
 マンガ家は売れないなら売れないで大変だが、売れたら売れたfrやっぱり大変。その辺もきっちり描かれているが、やっぱり売れてからだと時の流れがあっという間に過ぎてしまうような印象があるな。
12'02'12 NHK連続テレビ小説 ゲゲゲの女房 上 (著)武良布枝 <amazon>
 卸酒屋の娘飯田布美枝は29歳で、見合いからたった5日で東京のマンガ家村井茂の共に嫁いだ。しかしマンガ家の実態というものを初めて目にし、その貧乏暮らしをまざまざと知らされることになる。
 これは原作版ではなくNHKドラマ版の脚本をノベライズしたもの。ドラマ自体は大変面白かったが、それを小説にすると、今度はイベントが小出しになる分、小説の体裁が今ひとつといった感じになってしまう。それでもドラマを思い出す程度にはしっかり面白かったので、それで良しか。
12'02'06 げんしけん11 二代目の弐 (著)木尾士目 <amazon>
 コミフェスが始まり、荻上も新作を出品することとなった。商業誌も合わせ、新入げんしけん員も総動員しての原稿作業が行われていた。そんな中、自分自身の思いに悶々としたものを感じる波戸と、テンション低いまま参加した斑目にちょっかいを出すアンジェラ…
 一体どんな方向に進んでいるのか分からないまま続いている話。変な意味での歪んだ恋愛模様が展開中。
 ただ、これまでに増して微妙なネタが出てきている。80年代に生きていないと分からないネタもいくつか散見。第一期の時と比べ、随分勉強してる感じだな。
12'02'04 ニンギョウがニンギョウ
西尾維新(検索) <amazon> <楽天>
 23人の“妹”がいる“僕”の周りは不思議なことばかりが起こる。そんな“僕”と妹たち、そして事ある毎に遭遇する謎の熊の少女との交流を描く連続短編。「ニンギョウのタマシイ」「タマシイの住むコドモ」「コドモは悪くないクロクサ」「クロクサに足りないニンギョウ」の4編を収録する。
 不条理劇というか、訳の分からない物語と言った方が良いような作品で、最初に著者の作品を読むにはこれだけはお薦めできないが、著者の文体に慣れた後であれば大丈夫だろう。それにこういった妙なメタフィクショナルな作品は決して嫌いじゃない。
12'02'02 うみねこのなく頃に Episode2 下 (著)竜騎士07 <amazon>
 殺される順番はそれぞれ異なりはするが、やはり次々と殺されていく右代宮家と使用人の面々。どう見ても魔法としか見えない殺し方に、観ることしかできない戦人は、心が折れそうになりながらも必死にその謎解き二を試みるが…
 もはや謎解きのレベルではなく、ただ残酷に殺されていくのを眺めるしかない物語になってきている。楽しく読めることだけが幸いと言えるか。
12'01'30 テルマエ・ロマエ3 (著)ヤマザキマリ <amazon>
 画期的なテルマエ(浴場)を作り続け、アエリウス帝の威信を高めるために一役買ったルシウス。だがその活躍は元老院によって疎んじられ、ついに暗殺計画が組まれてしまう。新しい浴場建設という名目で、追いはぎが横行するヴェスビオスへと無理矢理行かされてしまうルシウスだったが…
 よくネタが続くなと言った感じで綴られたタイムスリップ浴場作品(で良いんだろうか?)。今回は温泉町や成金趣味の日本に飛ばされていくことになる。面白くはあるが、多少ダレて来た感じもあり。
12'01'28 うみねこのなく頃に Episode2 上 (著)竜騎士07 <amazon>
 魔女を認めないと主張する戦人のため、ベアトリーチェはもう一度あの惨劇を再現し、戦人に自らの存在を認めさせようと試みる。ただし今度は彼女自身が最初から姿を現し、右代宮家や使用人の面々とも会話しつつ、戦人を追いつめようとする。
 「ひぐらし」同様一旦リセットして新しい物語を形作るという形を取っている。戦人が物語の外に立って謎解きをしようとしているのが面白いところ。しかし、本当に何が何だか分からないのがなあ。
12'01'25 アクターズ・スタジオ・インタビュー (著)ジェイムズ・リプトン <amazon>
 アメリカの大人気番組「アクターズ・スタジオ・インタビュー」の司会者で、アクターズ・スタジオの理事でもあった著者が自らの半生を振り返りつつ、そこで出会った様々な人物との交流、インタビューに手弁当で出演してくれた映画人から引き出した本音、アクターズ・スタジオの歴史などを踏まえて描いたエッセイ集。
 アクターズ・スタジオ・インタビューは私の大好きな番組でもあり、BSで放映したものの多くは観ているけど、その裏舞台がとても楽しい。ただ、てっきりインタビューをメインとしたバックステージものかと思ったら、大半は自分自身の事が中心だった。そして自分が身を引いてから変わってしまったアクターズ・スタジオに対する怒りもあり…というか、その最終章を書きたいためにこれを書いたんじゃないか?と勘ぐりたくもあるが。
 これを読んで、メソッドの意味合いもようやく分かったが、それでやっと『欲望という名の電車』(1951)のブランドがどれだけ凄かったのが分かった。はっきり言って私の不明が情けない。
12'01'23 バクマン。16 (原作)大場つぐみ (画)小畑健 <amazon>
 快進撃を続ける新妻エイジはついにジャンプのトップを取る。そんなエイジは、最初からの約束として、嫌いな漫画を一つ終わらせると言う事を編集部に突きつけるのだった。その漫画の名前は…
 1巻時点から伏線としてあったエイジの宣言がついに現実のものとなる。まさかこういう形になるとは思ってなかったが、それを阻止すべく頑張る面々との対比が又面白い。まだこんなネタが残っていたとは、まだまだ終わらないな。
12'01'22 カティンの森 (著)アンジェイ・ムラルチク <amazon>
 第二次大戦中、ソ連の捕虜となったポーランド人将校数千人がカティンの森で密かに虐殺された。その中にいたというフィリピンスカ少佐の妻アンナとその娘ニカは、フィリピンスカの死を信じられずにいた。それでも恋人が出来、新しい生き方を始めるニカは、悲しみだけに暮れるだけの母を否定するのだが…
 ポーランドで実際に起こった事件を元にジェネレーションギャップを描く作品。内容は極めて重いが、それを通り越して今のポーランドがあるのだな。
 これが描かれた時代はまさしく「灰とダイヤモンド」の時代。これを映画化したのがアンジェイ・ワイダというのもよく分かる話ではある。
12'01'19 マジで危ない九死に一生? フルメタル・パニック (著)賀東招二 <amazon>
 相楽宗介と千鳥かなめの通う陣代高校を舞台とした、相変わらずのコメディ編「与太者のルール」「ご近所のサーベイヤー」「つぶらなテルモピュライ」と本編のその後のテッサを描く「テッサのお墓参り」を収録した作品。
 短編の方は相変わらずのコメディっぽさは保っているものの、やはりパワー不足は否めず。中編もとってつけたような感じでコンパクトにまとまりすぎ。
 本編読み終わってから大分経つだけに、受け手のこちらの問題かな?
12'01'17 KEYMAN1
わらいなく(検索) <amazon> <楽天>
 獣人と人間が共存する社会。そこで超人として活躍していたKEYMANが殺された。その捜査を行う警察のワニ男アレックスの元に、年端もいかぬ少女が訪ねてきた。彼女曰く自分は113歳の魔女で、KEYMAN殺しの犯人を捜していると言う。当初全く彼女を信じなかったアレックスだったが…

 このところようやく活性化してきた日本のヒーロー作品。明らかにアメリカンな雰囲気を醸しながら、しっかり内容も掘り下げつつ笑いも取ると言った安定した作風。かなり楽しい作品だが、これが新人によるものとは思えない手慣れた作風だった。
12'01'14 うみねこのなく頃に Episode1 下 (著)竜騎士07 <amazon>
 緊張の中にあった六軒島での親族会議は六人もの殺人によって破られた。更に次々と殺されていく親族と使用人達。魔女の存在を否定し、謎を解こうと考えを巡らせる戦人だったが…
 「ひぐらし」同様、一冊目では何が何だか。と言った感じで、謎そのものが全く見えてこない。ただひたすらに受け身に回り、殺されるのを見守るばかりの状態。これはこれでオープニングとしては良いのか。続刊に期待するか。
12'01'13 うみねこのなく頃に Episode1 上 (著)竜騎士07 <amazon>
 年に一度の親族会議のため伊豆七島にある六軒島に集まった右代宮家の面々。大金持ちの家族だけに、そこに集まるのは死期の近づいた当主右代宮金蔵の遺産を狙うものばかり。だがこの年は何かが違っていた。金蔵が言う魔女ベアトリーチェとは何者か?そして右代宮家の隠し遺産とは…
 「ひぐらしのなく頃に」同様ゲーム原作のノベライズ版。「ひぐらし」はゲームやってたので別段小説読む必然性を感じなかったが、こちらはゲームやるつもりもないので、本読んだ方が良いかと思って読んでみた。まだ事件らしい事件は起こっていないが、少なくとも雰囲気だけは上手く作られている。
12'01'11 はじめの一歩98
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 A級トーナメントもいよいよ大詰め。鴨川ジムの青木、木村、板垣も仕上げに向けて順調にトレーニングを積んでいた。だがそんな時、高村から呼ばれた一歩は、青木に大きな弱点があることを指摘される…

 試合はなく、ほとんどがその間の話になっている。ボクシングの作品ではあるのに、最近ではむしろこっちの方が面白い感じもあり。笑い要因の青木がいい味出してる…でもこれって本末転倒だよな。
 一応、前回あの試合内容に満面の笑顔を見せた鴨川の本心もちらっと出てはいる。
<A> <楽>
12'01'10 山椒魚戦争 (著)カレル・チャペック <amazon>
 南アジアで儲け話を探していたヴァン・トフという船乗りが目撃した海棲の山椒魚。知性を持ち、人懐っこい彼らに真珠を取らせようと考えたヴァン・トフは彼らに自衛用の武器を与え、東南アジアの各地に放流してみたのだが…
 何作もの代表作を持つ著者の傑作SF。こういったイフものの歴史は大好きだし、それを充分に満足させてくれる内容を持っていた。有用な新技術に対する各国の戯画化された反応が面白く、全く人の愚かさというものを鋭く描いている点も見事。
12'01'07 天地無用!GXP6
梶島正樹 (検索) <amazon> <楽天>
 新造艦“守蛇化”のテスト艦長に抜擢された山田西南は囮部隊として目覚ましい成果を上げる。そんな西南の初給料日にお世話になっている面々へのプレゼントを買うためにマーケットへとやってくるのだが…
 エルマの正体が明かされる話。これ自体はアニメではかなり大きな盛り上がりを演出したものだが、小説版では至極あっさりしたものになっていて、その代わりとして山ほどの伏線を張ることに紙面が費やされている。これはこれで楽しいのだが、前巻を読んでから随分経つため、伏線を忘れてしまってることも多々。小説としてはまだこなれてない感じもあり。
12'01'05 ドリフターズ2 (著)平野耕太 <amazon>
 ここが異境の地であることを知らされた豊久は信長、与一と共に、オルテという人間によって支配されているエルフの村を解放する。だがそれは彼ら“漂流者(ドリフターズ)”と敵対する“廃棄物”を呼び寄せてしまうことに…
 いきなり信長によって豊久がドリフターズの当主にされてしまったり、仲良く喧嘩をおっぱじめたりとなかなか和気藹々として楽しい描写と戦の非情さを併せ持つ、なかなかバランスの取れた物語作りと、同時に嫌な意味でのオタ臭さが同居して、妙な居心地の悪さも覚えるようになってきた。面白ければそれで良いと言われてしまえばそれまでだが、心のどこかで拒絶するものがあるんだよな。
12'01'01 テクマクマヤコン ぼくのアニメ青春録 (著)雪室俊一 <amazon>
 日本アニメの黎明期からアニメーションに関わってきた脚本家の著者が、当時からのアニメ業界の活気と、今の業界の変化を、自らの体験を元に綴ったエッセイ集。
 「サザエさん」を初めとするファミリーアニメにこだわり、日常をアニメの中で家族と日常を描き続けてきた著者。ある意味で激動のアニメ業界において最も安定した、幸せな人なのかも知れない。そのスタンスを守り続けていたからこそ、今も続いているのかな?
 後半は現代のアニメ業界に対する苦言に溢れているが、これは頷ける部分と、違うと思える部分と半々くらいかな?
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