読書日誌
2013’10〜12月

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13'12'29 西原理恵子の人生画力対決6 (著)西原理恵子 <amazon>
 同業者の漫画家を呼んで公衆の面前で画力対決を行う企画の最新作。今巻では主婦漫画家の小栗左多里、瀧浪ユカリ、松本ぷりっつの3人と、少年漫画家森川ジョージ、藤沢とおる、山田貴敏の3人、羽海野チカ、そして特別編としてDr.高須とボブ・サップの画力対決を漫画化。
 漫画家に喧嘩を売り続け、ついに6巻。今巻は基本現役のまだ若い、人気漫画家を複数呼ぶというもの。マンガの中にも書かれていたが、よくこんな企画に乗る人が尽きないものだ。羽海野チカとの対決は、最早勝負になってないけど。
 最後に何故ボブ・サップ?
13'12'26 ビブリオバトル (著)谷口忠大 <amazon>
 読んだ本をプレゼンテーションして、その語り口を競うというビブリオバトル。少しずつ周知されるようになったこの企画をその発案者自身がその経緯と効用について考察する。
 実はこれ読むまでビブリオバトルなるものがなんなのかも知らなかったのだが、実際読んでみてなかなか楽しそうだと思った次第。本を紹介するにも読むにも良い機会になるかもしれない。まあやる機会は今のところなさそうだが。
13'12'22 未来創造 (著)松本零士 <amazon>
 大ヒットした漫画を次々と拠出した作者が、自分なりのマンガの描き方の作法や、子どもの頃の思い出などを綴るエッセイ集。
 エッセイとしては結構面白い作品だが、どうにも話が一般論過ぎて、著者ならではの部分がもう少し欲しかったところ。自分を良く見せようってことで、話が全部引き算になってしまってるからな。もっと熱いところを見せて欲しいところだ。「絶対にこいつは許せん!」とか言うレベルで。
13'12'19 月光条例25
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 月からの使者達は地上にある全ての“物語”を消し去ろうとしていた。そんな彼らの前に立ちふさがる月光。圧倒的な物量を前に苦戦する月光だが、彼には一つの考えがあった…
 前巻がタメの部分に当たり、今巻になってから一気に解放された活劇シーン。一旦アクションになってしまうと後はあんまり語ることはないのだが、見所は非常に多く、一気に溜飲を下げるような話になっているのは確か。戦いの中で誤解が解けていく要素は「うしおととら」以来かな?
<A> <楽>
13'12'15 アヒルと鴨のコインロッカー (著)伊坂幸太郎 <amazon>
 地方の大学に入学し、アパートに引っ越ししてきた“僕”椎名は、同じアパートに住む河崎という青年から「本屋を襲うから手伝え」と言われてしまう。なんと馬鹿なことと、一蹴した“僕”だが、ずるずると河崎に押されて手伝う羽目に陥ってしまう。一体何故河崎はこんなことをするのか、周囲の人達から河崎のことを聞かされる“僕”だが…
 一人称で現在の男と、2年前の女性の語りを交互で展開される物語。先に映画の方を観ており、オチは分かっていたが、小説の方は見事に二分割された話だったんだな。著者の巧さで矛盾無くまとまった作品になってる。同時に映画版の演出もなかなか巧いことが分かった。
13'12'12 ムーミン谷の彗星 ムーミン童話全集1
トーベ・ヤンソン(検索) <amazon> <楽天>
 ムーミン谷で暮らすムーミン一家の一人息子ムーミンは友達のスニフと遊んでいると、空に異変が起きていることに気付いた。ムーミンパパからおさびし山にある観測所に行くように言われたムーミンは、スニフと一緒におさびし山へと向かうのだが…
 子どもの頃に一冊だけ読んだのが「楽しいムーミン一家」。ところが実は執筆年代で言えばこっちの方が早いとのこと。内容的にはかなり感心出来る。なんせ主人公ムーミンを含み、登場人物の大半は自分勝手なことばかりやって物語がなかなか進んでるように見えないのに、それでいてしっかりと物語になってる。著者のバランス感覚が凄いな。
13'12'08 はじめの一歩105
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 一歩の世界戦前哨戦。その前座としてフェザー級日本チャンピオンを賭け、板垣が宿敵今井と対戦することに。スピードが乗れば誰にも止められない板垣を封じる今井の策とは…

 今回は板垣の日本チャンピオン挑戦を描く話となったが、これまでの超能力のようなスピードを活かすことは出来ず、逆に乱打戦という、変な展開になってた。この試合そのものは凄くテンポが良いのだが、肝心な一歩の対戦には、その前に紙面割きすぎ。中心が一歩になった途端、展開が重い。これも引き延ばしなのか?
<A> <楽>
13'12'01 あるこーる白書 (著)西原理恵子吾妻ひでお月乃光司 <amazon>
 自らがアルコール依存症だった過去を持つ二人と、依存症の夫を持った一人とが語り合う対談集。アルコールの怖さと自らが体験した日々を赤裸々に語り合う。
 「アル中病棟」読んでから、積ん読だった本作を引っ張り出して読んでみた。
 基本対談のため、同じ話がぐるぐるループしているところもあるが、それだけにアルコール依存症の大変さというのが見えてくる。酒がある時を境に覚醒剤に変わるという事はなるほど頷ける内容になってる。
13'11'29 銀の匙7 (著)荒川弘 <amazon>
 過労で入院を余儀なくされた八軒は、エゾノー祭にも出られず、更に見舞いに来た父からきつい言葉をかけられてしまう。自分のあり方について考えさせられる八軒。一方、甲子園を目指す駒場は、鬼気迫る投球で次々と対戦校を負かしていく。
 前巻の引きが八軒の父との邂逅で、これが話のメインとなるかと思いきや、ちょっとした話だけ。メインは駒場の高校野球へとなっていた。まあ、これも又伏線の一つなんだろう。後、4巻でちょっとだけ出ていた駒場の危機感が現実になると言うところ。ばらまいた伏線を丁寧に回収していく描き方は上手いもんだ。
13'11'27 新訳メトロポリス (著)テア・フォン・ハルボウ <amazon>
 完全に機械に制御された未来都市メトロポリス。その支配者の息子で毎日を享楽的に生きていたフレイダー。だが底辺の生活をしている人の存在を知って以来、自分の生き方そのものを恥じるようになっていった。一握りの人間のためだけでなく都市に住む人々に幸せを与えたいと願うようになっていった。そんなフレイダーが出会った一人の女性マリア。彼女を追いかけてフレイダーはメトロポリスの内奥へと入っていくのだが…
 かつて映画界に巨大な衝撃を与え、映画史に燦然と輝く『メトロポリス』(1926)。その脚本家が映画と同時に書き進めたという作品。映画よりも物語は複雑となり、フレイダーの内面世界についてもかなり踏み込んだ描写が為されている。ただ、未来社会を描きつつ、現在を皮肉っぽく眺めている姿勢は変わっておらず、これぞSFと言った感じの内容。
13'11'22 アル中病棟 失踪日記2 (著)吾妻ひでお <amazon>
 かつて著者が描いた「失踪日記」の中にもあったアル中病棟の様子を、視点を変えて自分の体験を赤裸々に描く。
 著者にとっての大転機となった「失踪日記」の続編というか、その一エピソードを拡大して描いたような内容となってる。露悪的な部分もあるけど、それが著者の得た境地なんだろう。まだまだ成長を続けているというのが大変好ましい。
 「失踪日記」では4列だったコマ割が3列になってるのと、ところどころに有名漫画家が個性を出して背景描いている事もあって、何度か読んでもまだ面白い。
13'11'19 灰色の巨人 少年探偵11
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 都内で高価な宝石ばかりが盗まれる事件が発生する。そこには必ず「灰色の巨人」と書かれている紙片が残されていた。そんな折、少年探偵団の一人園井少年の家の家宝である宝冠がお披露目となり、園井は団長である小林団長にそのことを打ち明けるのだが…
 著者は結構サーカスをモティーフとした作品を描いているが、少年探偵で出たのは初めてかな?これが出てきたってことは、いよいよネタが無くなってきたのか、あるいはいよいよ趣味の領域に話を進めていくのか。
13'11'17 新仮面ライダーSpirits8
村枝賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 仮面ライダー達の活躍によって日本全国のバダンは次々と撃破されていった。残りは東京のみ。だがその東京は構成員全員が大幹部クラスというデルザー軍団とオリジナルのショッカー達が町を蹂躙していた。日本全土から東京へと向かう仮面ライダー達だが、その中でずっと東京で戦い続けてきた1号は既に疲労の限界に達していた。それでも尚残された子ども達を守ろうと…

 これまでの戦いで次々に仮面ライダーの勝利に終わり、これで有利か?と思われたのだが、最後がやはりきつい。そんな中、子どもを守ろうとして余計な傷を負っていくあたり、やはり仮面ライダーなんだよな。ちゃんと分かって描いてるよな。
13'11'14 箱男 (著)安部公房 <amazon>
 大きな段ボールをすっぽり頭からかぶって自らを“箱男”と名乗る男が放浪の中で体験した不思議な出来事を描く作品。
 久しぶりで著者の作品を読もうと思ったのだが、これまで読んだ中で一番不可解な作品だったかも。かなりエロティックな描写が映えるのだが、章ごとに果たして箱男なる人物が同一人物なのかも分からないし、だとしたら余計複雑になっていく。でもこんな悪夢世界が著者の持ち味。著者らしさを堪能出来た。
13'11'10 月光条例24
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 月からの攻撃は刻一刻と近づいていた。そんな中、お尋ね者として指名手配されてしまった月光は、その事情を知るものとして、たった一人で軍勢に立ち向かおうとしていた。そのために月光が取った行動とは…
 前巻で月光が打ち出の小槌に願った内容とは、おとぎ話の住民達を月からの攻撃の間だけ逃がすこと。おとぎ話の住民全ての者に嫌われ、それでも尚おとぎ話を救おうとする月光の姿が実に良い。攻撃前に時間取りすぎてやや間延びしてた感じがあり。
 でもこの巻で一番の見所は、月からの攻撃はおとぎ話に留まらなかったと言うこと。人間の生み出した全ての創作物が消し去れてしまうと言う事態になる。著者が生み出した「うしおととら」や「からくりサーカス」まで消し去ってしまってた。その際、見開き丸ごと白紙にしてしまうという暴挙にも出ている。ここまで徹底してよくやった。
 物語に逃げ込むことが出来なくなってしまった人間の無気力ぶりも人ごとではないよな。
<A> <楽>
13'11'06 デュラララ!!3 (著)成田良悟 <amazon>
 池袋のカラーギャング、ダラーズと元黄巾族のリーダーである竜ヶ峰帝人と紀田正臣、そして先般池袋に大混乱を起こした通り魔事件の元となった罪歌を持つ国原吉里は、互いの正体を知らないまま親友として高校生活を満喫していた。だが再び池袋で勢力を拡大していく黄巾族は、正臣の知らぬ間におかしな方向に進み始めていた。そしてそれらを全て知りつつ、池袋に戦争を起こそうと企む折原臨也。ただ混乱を見たいと言うだけの臨也の手の上で踊らされる三人…
 一応第一部のラストとなる話らしい。何も知らずにつきあいを続けていた3人の関係に一応の決着が付く。ただし、この話の中心となっているのは3人よりも首なしライダーのセルティの方。そして彼女の周りもキナ臭くなってきた。どうやらこの後はセルティを中心とした池袋の混乱が描かれていくのだろう。
13'11'03 修羅の門 第弐門9 (著)川原正敏 <amazon>
 兵とTSFによるドリーム・トーナメントが開催された。第一戦は兵側に立って参戦した呂家のジャン・ズ・ヤが難なく勝ちを得たが、次の第二戦。引退したはずのプロレスラー飛田高明がサンボの帝王ニコライ・ペトロフと対戦する。
 最初のトーナメントに戻った感のある物語で、やっと戻ってきたか?と言う気もするし、一方では遅すぎたって気もする。前からだが、対戦中の解説がちょっとうざすぎるのも問題かな。
13'10'30 ジョーカー 旧約探偵神話 (著)清涼院流水 <amazon>
 京都の山奥に建っているホテル幻影城。ここはオーナーの趣味で数々の名作推理小説をコンセプトに作られていた。そんな幻影城に恒例の合宿に来た濁暑院溜水を初めとする小説家集団“関西本格の会”の面々。たまたま同宿したJDC第一班螽斯太郎とも良き交流が始まった。だが宿泊初日から殺人事件が起こり、それは毎晩のこととなっていく。急行したJDCの名探偵達と共に、密室殺人の謎に挑むが…
 前作「コズミック」に匹敵する熱さを持つ作品。本格推理小説を逆手に取ったような構造を持ち、文章の端々に読者に対する挑戦や複線が山のように張り巡らされていて、全ての推理小説に必要なものを詰め込もうという野心もある非情に挑戦的な作品だった。しかしボリュームがありすぎて、一体何がなにやら。
 少なくともこれは推理小説の形を取った何か違うものとは言える。これだけの長さつきあって、オチがこれかい!と言う怒りを沸々と覚える感じも…
13'10'26 ファイブスター物語リブート7
永野護(検索) <amazon> <楽天>
 突如新興国バッハトマが星団最強と言われるハスハに攻め込み、しかも王族を皆殺しにする大勝利を収める。混乱するハスハ国内に、様々な思惑を持つ列強各国は、表の顔裏の顔を駆使しつつ降り立っていった。その中でマグダルが行方不明となり、彼女の行方を追うバッハトマだが…

 ついにこれでこれまでの物語が一通りリブートされた。後は本編がちゃんと続いて単行本化するのを待つばかり…それが一番難しかったりして。
 かなり分厚く、新規の文章も多い作品なので、設定マニアにとってはかなり嬉しい作品だったかも知れない。
13'10'20 鉄塔王国の恐怖 少年探偵10
江戸川乱歩 (検索) <amazon> <楽天>
 明智のお使い帰りの小林芳雄が出会った老人は、この日本に巨大カブトムシがいる鉄塔王国があることを告げて姿を消す。それからしばらくして資産家の高橋家に鉄塔王国の王を名乗る人物からメッセージが届く。それは一千万円を王国のために出すか、さもなくば息子を差し出せというものだった。不気味になった高橋は明智に連絡を取るのだが…

 記憶によれば、私が一番最初に読んだ著者の作品。
 今読んでみると、シリーズ中屈指の荒唐無稽ぶり。一番の問題は、二十面相が一体何を考えているのか、文章から全く伝わってこないと言うことだろうか?
<A> <楽>
13'10'17 強殖装甲ガイバー30 (著)高屋良樹 <amazon>
 瑞紀と哲郎がアポルオンによってさらわれてしまった。その行方を捜す晶は、最後の頼みとして、十二神将のシンに直接事情を聞くことにした。一方、当の瑞紀と哲郎は、過去地球に生息していた動物たちが住む謎の空間へと連れられていた。アポルオンによれば、連れてこられたのは二人だけでなく…
 またまた新展開となり、少しずつ謎の核心へと近づいてきた…けど、これってもう28年間もやってるんだよな。それでこれだけ進みが遅いってのも、ある意味凄い事ではある。
 一応新事実として、ガイバーIIFの装着者の名前がリスカーという名前だったこと。えーっと、この名前って、最初のOVA版でのガイバーII装着者だったんじゃないかと…
13'10'11 小説 仮面ライダークウガ (著)荒川稔久 <amazon>
 グロンギとクウガの壮絶な戦いを経て五代雄介が姿を消して13年の歳月が経過した。警視庁で刑事を続ける一条薫は、再び通常あり得ない連続変死事件が起こっている事を知る。新しく相棒となった、過去五代と共に命を救った夏目実加と共に捜査に当たる一条だったが、昔の一条と五代のことをよく知る実加は、白いクウガが都内で目撃されたという情報を一条に漏らす。
 仮面ライダークウガから13年。中途半端な時間だが、これはこの本が書かれた“今”を舞台にした後日譚となっている。キャラクターに関しては申し分無しで、懐かしいキャラが次々と登場し、13年間どのような生活を送っていたかを見るだけでも楽しい。
 ただ、物語は強引すぎるきらいがあって、ミスリードの持って行き方が練れてないという問題があり。著者は元々が小説家じゃないからなあ。思い出補正があるとこんなに面白く感じるというのが新鮮な感じ。
13'10'10 げんしけん14 二代目の五 (著)木尾士目 <amazon>
 学祭当日。かつての現視研の面々が集まったが、後輩連中は斑目と咲をわざと現視研部室に二人っきりにしてしまう。数年越しの咲に対する恋心を斑目は告白出来るのか。そしてそんな二人を複雑な思いで見る波戸の姿もあった…
 ずーっとペンディング状態であった斑目の告白をメインに、波戸の揺れる思いを描く作品になっている。相変わらず、面白いのは面白いのだが、なんか読んでいてちょっとイラッとするのがこの作品の特徴かね?結局リアルな人間関係の中にオタク関連を入れてるのが特徴なので、メインはリアルな恋愛だってところだからか?
13'10'04 映画製作にかかわる仕事 <amazon>
 日本でも数多く作られている映画。しかしその制作に当たる映画人達は、どのような道を通ってこの職業に就いたのか。プロデューサー、監督、撮影監督と項目分けして、どのような方法で映画人となれるのかを漫画を加えて分かりやすく解説する。
 当然なのかも知れないが、「こうすれば確実になれる」という方法が日本ではない。元々徒弟制だったので、入社した時点から少しずつ技法を覚えて行っていた世界だが、今やそれも崩れてしまったので、映画人になる具体的な方法がほとんど無いという問題を提起されてしまった。ただ、撮影監督についてだけはちゃんと学校もあると言うことで、実質この本は撮影監督になるにはどうするか。と言うことを書いた本と考えて差し支えない。
13'10'01 銀の匙6 (著)荒川弘 <amazon>
 エゾノー祭が近づき、何でもかんでも仕事を受けてしまった八軒の周囲は急激に忙しくなっていく。そんな中、初めて馬術部の大会に出場することとなった八軒。
 この巻は前半が馬術部の大会がメインで、そこで高校に来て初めて「勝負に負けて悔しい」と思える八軒の姿が見られる。それを成長と呼ぶのかどうかはともかく、レベルの違いというものを痛感させられた事は、充分重要な部分だろう。そして後半にエゾノー祭の準備が描かれる事になるが、最後に八軒が過労で倒れてしまう。