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パンチ・ドランク・ラブ(書籍) マグノリア(書籍) |
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| 2025 | ワン・バトル・アフター・アナザー 監督・製作・脚本 | |
| 2024 | ||
| 2023 | ||
| 2022 | ||
| 2021 | リコリス・ピザ 監督・製作・脚本 | |
| 2020 | ||
| 2019 | ANIMA 監督・製作 | |
| 2018 | ||
| 2017 | ファントム・スレッド 監督・製作・脚本 | |
| 2016 | ||
| 2015 | JUNUN 監督 | |
| 2014 | インヒアレント・ヴァイス 監督・製作・脚本 | |
| ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男 出演 | ||
| 2013 | ||
| 2012 | ザ・マスター 監督・製作・脚本 | |
| 2011 | ||
| 2010 | ||
| 2009 | ||
| 2008 | ||
| 2007 | ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 監督・製作・脚本 | |
| 2006 | ||
| 2005 | ||
| 2004 | ||
| 2003 | ||
| 2002 | パンチドランク・ラブ 監督・製作・脚本 | |
| 2001 | ||
| 2000 | ||
| 1999 | マグノリア 監督・脚本 | |
| 1998 | ||
| 1997 | ブギーナイツ 監督・製作・脚本 | |
| 1996 | ハードエイト 監督・脚本 | |
| 1995 | ||
| 1994 | ||
| 1993 | ||
| 1992 | ||
| 1991 | ||
| 1990 | ||
| 1989 | ||
| 1988 | ||
| 1987 | ||
| 1986 | ||
| 1985 | ||
| 1984 | ||
| 1983 | ||
| 1982 | ||
| 1981 | ||
| 1980 | ||
| 1979 | ||
| 1978 | ||
| 1977 | ||
| 1976 | ||
| 1975 | ||
| 1974 | ||
| 1973 | ||
| 1972 | ||
| 1971 | ||
| 1970 | 6'26 カリフォルニア州スタジオ・シティで誕生 | |
| ワン・バトル・アフター・アナザー One Battle After Another |
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| 極左集団「フレンチ75」でのヒーローにして最も過激な女性メンバーパー、フィディア・ビバリーヒルズ(テイラー)のサポート役として活動していた“ゲットー”パット・カルフーン(ディカプリオ)。二人は結婚し、娘も生まれたが、実はフィデアは作戦中に収容所指揮官スティーヴン・ロックジョー警部(ペン)によって犯されていたことを黙っていた。その関係が尾を引き、逮捕されたフィデアはロックジョーとの取引で仲間を売ってしまう。次々に仲間が逮捕されたり殺されたりすることを見て恐れたゲットーは娘を連れて逃亡する。そして16年後。メキシコ近くの町バクタン・クロスで娘のウィラ(インフィニティ)と共に静かな生活を送っていたゲットーだが、何故かそれがロックジョーに知られてしまい… 久々のポール・トーマス・アンダーソン監督作品を劇場で観られた。結構好きな監督のはずなのに、観た作品が少ないのをなんとかせんといかんと反省中。 それで本作だが、さすがに劇場で観ると迫力。作品としても相当面白い。 一応本作はアクション作品ではあるものの、アンダーソン監督らしい味付けが成されることで、一風変わったものとして考えられるだろう。 本作で面白いのが主人公ゲットーの立ち位置だろう。 彼はテロリストの一員でそれなりに主張もあったはずだが、積極的に作戦に参加するタイプではなく、主導するフィディアに引っ張られる形で参加していただけだった。積極性はまるでなく、ただ流されるだけだし、基本的には戦いも好まない。家庭的な性格で、フィディアとの間に子どもが出来たら、その子を溺愛してテロ活動からは身を引こうとしていた。その後の逃亡生活でも主張は一切せずに娘ウィラを育てることを自分の最大の使命としていた。ただ、そこでアルコールと薬物に溺れていたことから、決してこの生活を全部満足していたわけではない。 ゲットーにとってこの世界には自分の居場所をなかなか見つけられなかった。 そこで居場所がないゲットーは、最初はフィディアのパートナーとして、それから自分の娘の保護者という立場に身を置くことでこの世界に関わることができた。 それは逆に言えば、娘が居なければ自分がこの世界に居る理由が見つけられなくなってしまう。これは激しい他者依存で、こう言うのがいわゆる毒親になってしまいがち。幸い毒親にはならなかったものの、娘のウィラが自立することで自分の居場所がなくなる恐怖を日々感じている。酒や薬に溺れてしまうのもそれが理由だし、かつての組織との接触も断っているのは、そこで関わるとウィラとの関係が断たれる恐怖があったからだろう。 そんなゲットーからウィラが引き離されてしまったらどうなるか。 本作はそこから話が始まる。情けない大人が娘を取り戻すために奮闘する物語だが、それは単に物理的なものだけではない。娘が居なければ自分の存在意義を見いだせない父の心理的な葛藤を描くことこそが本作の肝となる。 主人公のゲットーはエージェントという訳では無いので、アクションにあまり重点が置かれてないし、コミュニケーションもあまり上手くないので効率良く追うことも出来ない。だが、とにかく奮闘はしているし、努力は認めるべきなのだろう。スローで、他者の善意や偶然の助けなどもあって、やっと目的を果たしていくのを温かく見つめるのが本作の特徴となる。 おそらく本作の狙いは未熟な精神状態の大人が、本当の意味で自立するまでの過程を描くものであり、小規模なものだが、実はロードムービーなのだろう。 ただ、一方で本作にはもう一人ロックジョーという主人公が存在する。彼はゲットーとは全く逆の存在である。彼は確固たる信念と自信を持ち、目的のためには手段は選ばないし、それを自分の信条にしている。彼は目的のためにはどんなこともするし、それはことごとく成功してきた。 そんな彼が一つやり残してしまった過ちを精算するためにこの事件を起こすのだが、全て上手くいっていたはずの出来事が次々に失敗し、失敗を想定して組み立てたフォロー策もことごとく駄目になっていく。失うばかりで自分自身を失っていく過程と言っても良い。それでもどんな目に遭っても自分はまだ崩れないことが矜持だった。 自分を見いだし変わることができたゲッコーは娘の自由を尊重しても、自分は崩れないことを発見し、固く変わることができなかったロックジョーは目的を果たしたと思ったときに全てを失っている。 自分を見つけ出していくゲッコーと自分を見失っていくロックジョー。その対比を観るのが本作の面白さとも言えるだろう。 アクション作品と言うよりも、心理的な描写が映える作品であり、それが本作を特殊なものとしている。 |
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| ファントム・スレッド Phantom Thread |
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| 2017放送映画批評家協会衣装デザイン賞、主演男優賞(デイ=ルイス)、美術賞、音楽賞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| インヒアレント・ヴァイス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2014米アカデミー脚色賞、衣装デザイン賞 2014LA画批評家協会音楽賞 2014シカゴ映画批評家協会助演男優賞(ブローリン)、脚色賞、撮影賞 2014ボストン映画批評家協会音楽賞 2014ゴールデン・グローブ男優賞(フェニックス) 2014インディペンデント・スピリットロバート・アルトマン賞 2014放送映画批評家協会助演男優賞(ブローリン)、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞 |
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| ゼア・ウィル・ビー・ブラッド | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2007米アカデミー主演男優賞(デイ=ルイス)、撮影賞、撮影賞、作品賞、監督賞、脚色賞、美術賞、音響賞、編集賞 2007英アカデミー主演男優賞(デイ=ルイス)、作品賞、助演男優賞(ダノ)、監督賞、脚色賞、作曲賞、撮影賞、美術賞、音響賞 2007全米批評家協会作品賞、主演男優賞(デイ=ルイス)、監督賞、撮影賞 2007NY批評家協会男優賞(デイ=ルイス)、撮影賞 2007LA批評家協会作品賞、男優賞(デイ=ルイス)、監督賞、美術賞 2007シカゴ映画批評家協会主演男優賞(デイ=ルイス) 2007ゴールデン・グローブ男優賞(デイ=ルイス)、作品賞 2007放送映画批評家協会主演男優賞(デイ=ルイス)、音楽賞、作品賞 2007AFIベスト 2007ピーター・トラヴァースベスト第7位 2007ゴールデン・トマト・アウォーズ小規模公開作品第9位 2007アメリカ監督組合賞 2007アメリカ撮影監督協会賞 2007アメリカ映画俳優組合主演男優賞(デイ=ルイス) 2007リサ・シュワルツバウムベスト第1位 2007ブリティッシュ・フィルム・アワード男優賞(デイ=ルイス)、作曲賞 2007ロンドン映画批評家協会監督賞、主演男優賞(デイ=ルイス) 2008ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)、銀熊賞(芸術貢献賞) 2008セザール外国映画賞 2008キネマ旬報外国映画第2位 2008映画館が選ぶ映画館大賞8位 2008サターンアクション/アドベンチャー/サスペンス作品賞、主演男優賞(デイ=ルイス) 2008サターン音楽賞 |
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| 20世紀初頭。石油の発掘に取り憑かれた一人の男がいた。ダニエル=プレンビュー(デイ・ルイス)という彼は、息子のHWを相棒に、最低限の人数で効率よく石油発掘を行うことで雇われ、全米各地を旅して回っていた。そんな彼の前に一人の青年が現れ、自分の故郷からは石油が出るかもしれない。という情報を手に入れる。半信半疑ながらHWを連れ、その土地に行ってみたダニエルは、間違いなくここには石油が眠っていることを確信する。早速その地所を買いあさり、採掘を開始するが… 歳はまだ若いながら、これまでに見事な群像劇を仕上げて見せてくれたアンダーソン監督が新たに選んだ題材は、これまでの彼のキャリアの特徴だった群像劇を捨て、一人の凄まじいまでの生き様を描くものだった。 これはデイ・ルイスという希代の名プレイヤーを得たことからなされたことだったが、本気で狂ったキャラを真っ正面から作り上げることに成功。ここまでの“漢”の生き様を見せつけた作品は、この年では本作が頂点と言っても良い。2007年の男優賞は軒並み彼のためにあったようなものだ。 “漢”の生き方とは、この男ダニエルが一貫した男だったからではない。むしろ彼が矛盾だらけの人間で、それを全く隠そうともせずに突き進んだと言うところにある。 彼は極めて矛盾に満ちている。人に取り入り詐欺師まがいの口八丁で他人に自分を売り込んでいるのに、人嫌いで「早く金を稼いで人から遠ざかりたい」と言ってみたり、「こどもの教育が何より大切」と言っておきながら、そのこどもを放って石油発掘ばかりを見ている姿であったり。「パートナー」と言っている人間を容赦なく切り捨て、時に死に追いやったり。重要な秘密があったとして、それが自分を破滅させてしまうと分かっていても、いつか必ずそれを口にしてしまう。 これらは矛盾ではあるのだが、彼にとってはおそらく全く矛盾はしない。なぜならその時その時に彼は自分に忠実なだけなのだから。ある瞬間に価値観が切り替わってしまう時があって、そこからは過去の生き方をすっぱりと消してしまえる人間だと思われる。 こういう人間というのは時折出てくる。日本ではおそらく北野武。場面場面において、徹底して誠実に、そしてそれが過ぎると、過去何を言ったのかなど全く気にせずに発言する。だから人間関係も平気で切るし、暴れても見せる。彼の場合も又パフォーマンスとかは全く考えてないだろう。ただその時に自分の思いに忠実であり、その時自分に求められることをしているだけ。これも又一種の誠実さではあろう。 とはいえ、そんな人間の周りにいる人間はたまったものじゃない。ある瞬間に、それまでの常識が一気に変わってしまうのだ。気を遣おうにも不可能で、今まで通りにつきあおうとすると、下手すれば殺されてしまうほどだから。 こんな人間を安全地帯から観ているのは、疲れるけど楽しいもの。映画のスクリーン越しだからこそ楽しんでいられる存在なんだが。よくもまあこんなキャラクタを作り上げたもんだ。アンダーソン監督とデイ・ルイスのコンビの噛み合いは奇跡的だ。 描写も面白い。主人公のダニエルは劇冒頭から最後に至るまで常に何かを叩いてる。しかもその大部分は閉じられた空間で。最初の金発掘のためにハンマーを振るってるシーンから始まり、石油発掘のためにやっぱり地下に潜って地面を叩いてるし、自分に何もしてくれなかった。という、それだけの理由で牧師のイーライを泥沼の中で叩く。弟として受け入れたヘンリーも室内で殺す。もちろんラストでイーライを撲殺するシーンもそう。だけど、それだけでなく、ダニエルは言葉によっても人を突き刺す。時にねちっこく、時にずばっと。聡明で、物事の本質が分かってしまうが、それを隠すことができない人間だからこそ、人を傷つけ回る。無機物だけでなく、人をも叩く。実際嫌な人間だが、そうせざるを得ない生き方でもあったのだろう。 演出も素晴らしいが、これはテレンス・マリック監督と長年組んで美術を担当してきたジャック・フィスクによるもの。道理で。 |
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| パンチドランク・ラブ Punch-Drunk Love |
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| 2002カンヌ国際映画祭監督賞(アンダーソン)、パルム・ドール(アンダーソン) 2002ゴールデン・グローブ男優賞(サンドラー) 2003MTVムービー・アワード キス・シーン賞(サンドラー&ワトソン) |
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| マグノリア Magnolia |
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| 1999米アカデミー助演男優賞(クルーズ)、脚本賞(ポール=トーマス=アンダーソン) 1999ゴールデン・グローブ助演男優賞(クルーズ)、歌曲賞 1999放送映画批評家協会作品賞 2000ベルリン国際映画祭金熊賞(アンダーソン) |
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| ロサンゼルス郊外のサンフェルナンドバレーのある一日。末期癌で余命幾ばくもないTVプロデューサーのアール(ロバーズ)はカリスマ的なセックス伝道師フランク(クルーズ)に連絡を取ってくれと看護人のフィル(ホフマン)に頼むのであった…。そこから24時間の間に芋蔓式に繰り広げられる主要人物12人による9つの物語。ロサンゼルス郊外のとある町を舞台とし、様々な人間が織りなす人生のある一日を描く作品。 評するのにこれ程難しい作品も少ない。人生の転機を迎えようとしている人々の一日を、ただ淡々と描こうとしているだけの作品なのだが、これが妙に印象深い。ここに登場するそれぞれのキャラは、この一日で、考え方を変えている描写があり、それが又この作品を語る上では重要なものとなっている。ラストに空から降るものがあまりに意外なものだったため、唖然とするが、「こんな事も起こるんだ」と言う少年の一言が更に印象深くなる。 ちなみに、自殺しようと飛び降りた息子を偶然撃ってしまったという話も、突然カエルが空から降ってきたと言う話も、実際にあったことらしいそれを「偶然」として映画に結びつけてしまった脚本が面白い。 しかし、キャストは兎に角豪華。登場の大部分がヒステリックな叫びという大役を仰せつかったジュリアン・ムーアや、微妙な親子関係を演じきったトム・クルーズも、すっかり演技派に変身したようだ。クルーズはこの役をやりたいためギャラを削って出演したとのこと。 |
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