|
|
||||||||||||||||||||||
パンチ・ドランク・ラブ(書籍) マグノリア(書籍) |
2017 | ファントム・スレッド 監督・製作・脚本 | |
2016 | ||
2015 | JUNUN 監督 | |
2014 | インヒアレント・ヴァイス 監督・製作・脚本 | |
ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男 出演 | ||
2013 | ||
2012 | ザ・マスター 監督・製作・脚本 | |
2011 | ||
2010 | ||
2009 | ||
2008 | ||
2007 | ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 監督・製作・脚本 | |
2006 | ||
2005 | ||
2004 | ||
2003 | ||
2002 | パンチドランク・ラブ 監督・製作・脚本 | |
2001 | ||
2000 | ||
1999 | マグノリア 監督・脚本 | |
1998 | ||
1997 | ブギーナイツ 監督・製作・脚本 | |
1996 | ハードエイト 監督・脚本 | |
1995 | ||
1994 | ||
1993 | ||
1992 | ||
1991 | ||
1990 | ||
1989 | ||
1988 | ||
1987 | ||
1986 | ||
1985 | ||
1984 | ||
1983 | ||
1982 | ||
1981 | ||
1980 | ||
1979 | ||
1978 | ||
1977 | ||
1976 | ||
1975 | ||
1974 | ||
1973 | ||
1972 | ||
1971 | ||
1970 | 6'26 カリフォルニア州スタジオ・シティで誕生 |
ファントム・スレッド Phantom Thread |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
インヒアレント・ヴァイス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014米アカデミー脚色賞、衣装デザイン賞 2014LA画批評家協会音楽賞 2014シカゴ映画批評家協会助演男優賞(ブローリン)、脚色賞、撮影賞 2014ボストン映画批評家協会音楽賞 2014ゴールデン・グローブ男優賞(フェニックス) 2014インディペンデント・スピリットロバート・アルトマン賞 2014放送映画批評家協会助演男優賞(ブローリン)、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2007米アカデミー主演男優賞(デイ=ルイス)、撮影賞、撮影賞、作品賞、監督賞、脚色賞、美術賞、音響賞、編集賞 2007英アカデミー主演男優賞(デイ=ルイス)、作品賞、助演男優賞(ダノ)、監督賞、脚色賞、作曲賞、撮影賞、美術賞、音響賞 2007全米批評家協会作品賞、主演男優賞(デイ=ルイス)、監督賞、撮影賞 2007NY批評家協会男優賞(デイ=ルイス)、撮影賞 2007LA批評家協会作品賞、男優賞(デイ=ルイス)、監督賞、美術賞 2007シカゴ映画批評家協会主演男優賞(デイ=ルイス) 2007ゴールデン・グローブ男優賞(デイ=ルイス)、作品賞 2007放送映画批評家協会主演男優賞(デイ=ルイス)、音楽賞、作品賞 2007AFIベスト 2007ピーター・トラヴァースベスト第7位 2007ゴールデン・トマト・アウォーズ小規模公開作品第9位 2007アメリカ監督組合賞 2007アメリカ撮影監督協会賞 2007アメリカ映画俳優組合主演男優賞(デイ=ルイス) 2007リサ・シュワルツバウムベスト第1位 2007ブリティッシュ・フィルム・アワード男優賞(デイ=ルイス)、作曲賞 2007ロンドン映画批評家協会監督賞、主演男優賞(デイ=ルイス) 2008ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)、銀熊賞(芸術貢献賞) 2008セザール外国映画賞 2008キネマ旬報外国映画第2位 2008映画館が選ぶ映画館大賞8位 2008サターンアクション/アドベンチャー/サスペンス作品賞、主演男優賞(デイ=ルイス) 2008サターン音楽賞 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
20世紀初頭。石油の発掘に取り憑かれた一人の男がいた。ダニエル=プレンビュー(デイ・ルイス)という彼は、息子のHWを相棒に、最低限の人数で効率よく石油発掘を行うことで雇われ、全米各地を旅して回っていた。そんな彼の前に一人の青年が現れ、自分の故郷からは石油が出るかもしれない。という情報を手に入れる。半信半疑ながらHWを連れ、その土地に行ってみたダニエルは、間違いなくここには石油が眠っていることを確信する。早速その地所を買いあさり、採掘を開始するが… 歳はまだ若いながら、これまでに見事な群像劇を仕上げて見せてくれたアンダーソン監督が新たに選んだ題材は、これまでの彼のキャリアの特徴だった群像劇を捨て、一人の凄まじいまでの生き様を描くものだった。 これはデイ・ルイスという希代の名プレイヤーを得たことからなされたことだったが、本気で狂ったキャラを真っ正面から作り上げることに成功。ここまでの“漢”の生き様を見せつけた作品は、この年では本作が頂点と言っても良い。2007年の男優賞は軒並み彼のためにあったようなものだ。 “漢”の生き方とは、この男ダニエルが一貫した男だったからではない。むしろ彼が矛盾だらけの人間で、それを全く隠そうともせずに突き進んだと言うところにある。 彼は極めて矛盾に満ちている。人に取り入り詐欺師まがいの口八丁で他人に自分を売り込んでいるのに、人嫌いで「早く金を稼いで人から遠ざかりたい」と言ってみたり、「こどもの教育が何より大切」と言っておきながら、そのこどもを放って石油発掘ばかりを見ている姿であったり。「パートナー」と言っている人間を容赦なく切り捨て、時に死に追いやったり。重要な秘密があったとして、それが自分を破滅させてしまうと分かっていても、いつか必ずそれを口にしてしまう。 これらは矛盾ではあるのだが、彼にとってはおそらく全く矛盾はしない。なぜならその時その時に彼は自分に忠実なだけなのだから。ある瞬間に価値観が切り替わってしまう時があって、そこからは過去の生き方をすっぱりと消してしまえる人間だと思われる。 こういう人間というのは時折出てくる。日本ではおそらく北野武。場面場面において、徹底して誠実に、そしてそれが過ぎると、過去何を言ったのかなど全く気にせずに発言する。だから人間関係も平気で切るし、暴れても見せる。彼の場合も又パフォーマンスとかは全く考えてないだろう。ただその時に自分の思いに忠実であり、その時自分に求められることをしているだけ。これも又一種の誠実さではあろう。 とはいえ、そんな人間の周りにいる人間はたまったものじゃない。ある瞬間に、それまでの常識が一気に変わってしまうのだ。気を遣おうにも不可能で、今まで通りにつきあおうとすると、下手すれば殺されてしまうほどだから。 こんな人間を安全地帯から観ているのは、疲れるけど楽しいもの。映画のスクリーン越しだからこそ楽しんでいられる存在なんだが。よくもまあこんなキャラクタを作り上げたもんだ。アンダーソン監督とデイ・ルイスのコンビの噛み合いは奇跡的だ。 描写も面白い。主人公のダニエルは劇冒頭から最後に至るまで常に何かを叩いてる。しかもその大部分は閉じられた空間で。最初の金発掘のためにハンマーを振るってるシーンから始まり、石油発掘のためにやっぱり地下に潜って地面を叩いてるし、自分に何もしてくれなかった。という、それだけの理由で牧師のイーライを泥沼の中で叩く。弟として受け入れたヘンリーも室内で殺す。もちろんラストでイーライを撲殺するシーンもそう。だけど、それだけでなく、ダニエルは言葉によっても人を突き刺す。時にねちっこく、時にずばっと。聡明で、物事の本質が分かってしまうが、それを隠すことができない人間だからこそ、人を傷つけ回る。無機物だけでなく、人をも叩く。実際嫌な人間だが、そうせざるを得ない生き方でもあったのだろう。 演出も素晴らしいが、これはテレンス・マリック監督と長年組んで美術を担当してきたジャック・フィスクによるもの。道理で。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
パンチドランク・ラブ Punch-Drunk Love |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2002カンヌ国際映画祭監督賞(アンダーソン)、パルム・ドール(アンダーソン) 2002ゴールデン・グローブ男優賞(サンドラー) 2003MTVムービー・アワード キス・シーン賞(サンドラー&ワトソン) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
マグノリア Magnolia |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1999米アカデミー助演男優賞(クルーズ)、脚本賞(ポール=トーマス=アンダーソン) 1999ゴールデン・グローブ助演男優賞(クルーズ)、歌曲賞 1999放送映画批評家協会作品賞 2000ベルリン国際映画祭金熊賞(アンダーソン) |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ロサンゼルス郊外のサンフェルナンドバレーのある一日。末期癌で余命幾ばくもないTVプロデューサーのアール(ロバーズ)はカリスマ的なセックス伝道師フランク(クルーズ)に連絡を取ってくれと看護人のフィル(ホフマン)に頼むのであった…。そこから24時間の間に芋蔓式に繰り広げられる主要人物12人による9つの物語。ロサンゼルス郊外のとある町を舞台とし、様々な人間が織りなす人生のある一日を描く作品。 評するのにこれ程難しい作品も少ない。人生の転機を迎えようとしている人々の一日を、ただ淡々と描こうとしているだけの作品なのだが、これが妙に印象深い。ここに登場するそれぞれのキャラは、この一日で、考え方を変えている描写があり、それが又この作品を語る上では重要なものとなっている。ラストに空から降るものがあまりに意外なものだったため、唖然とするが、「こんな事も起こるんだ」と言う少年の一言が更に印象深くなる。 ちなみに、自殺しようと飛び降りた息子を偶然撃ってしまったという話も、突然カエルが空から降ってきたと言う話も、実際にあったことらしいそれを「偶然」として映画に結びつけてしまった脚本が面白い。 しかし、キャストは兎に角豪華。登場の大部分がヒステリックな叫びという大役を仰せつかったジュリアン・ムーアや、微妙な親子関係を演じきったトム・クルーズも、すっかり演技派に変身したようだ。クルーズはこの役をやりたいためギャラを削って出演したとのこと。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|