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2022 | モリコーネ 映画が恋した音楽家 監督 | |
2017 | ||
2016 | ある天文学者の恋文 監督・脚本 | |
2015 | ||
2014 | ||
2013 | 鑑定士と顔のない依頼人 監督・脚本 | |
2012 | ||
2011 | ||
2010 | トルナトーレ 我が映画人生 出演 | |
2009 | シチリア!シチリア! 監督・脚本 | |
2008 | ||
2007 | ||
2006 | 題名のない子守唄 監督・脚本 | |
マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶 出演 | ||
2005 | ||
2004 | ||
2003 | ||
2002 | ||
2001 | ||
2000 | マレーナ 監督・脚本 | |
トルナトーレのシシリアで見た夢 出演 | ||
1999 | 海の上のピアニスト 監督・脚本 | |
1998 | ||
1997 | ||
1996 | ||
1995 | 明日を夢見て 監督・脚本 | |
1994 | 記憶の扉 監督・脚本 | |
1993 | ||
1992 | ||
1991 | 夜ごとの夢/イタリア幻想譚 監督 | |
1990 | みんな元気 監督・脚本 | |
1989 | ニュー・シネマ・パラダイス 監督・脚本 | |
1988 | ||
1987 | ||
1986 | "教授"と呼ばれた男 監督・脚本 | |
1985 | ||
1984 | ||
1983 | ||
1982 | ||
1981 | ||
1980 | ||
1979 | ||
1978 | ||
1977 | ||
1976 | ||
1975 | ||
1974 | ||
1973 | ||
1972 | ||
1971 | ||
1970 | ||
1969 | ||
1968 | ||
1967 | ||
1966 | ||
1965 | ||
1964 | ||
1963 | ||
1962 | ||
1961 | ||
1960 | ||
1959 | ||
1958 | ||
1957 | ||
1956 | 5'27 シシリーで誕生 |
モリコーネ 映画が恋した音楽家 Ennio |
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2020年7月に91歳で世を去った映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。長年楽曲提供を受けていた監督が彼の業績をを偲び、その足跡を辿る音楽ドキュメンタリー。 今から約三年前にエンリオ・モリコーネの死のニュースに触れた。91歳という高齢ながら、精力的に映画音楽を提供し続けてきた作曲家だった。実際観た映画の中でモリコーネの手がけた音楽をかなり聴いているし、はっきり言えば大好きだ。 そんなモリコーネのドキュメンタリーだからどんなのが飛び出すのかと思ったのだが、予想とは少し違うものの、ものすごく面白かった。 期待していたのは、モリコーネの一生というのがどういうものかということを描くものだと思っていたのだが、それに関してはほぼ期待外れ。だってモリコーネって、ほとんど失敗しないまま音楽を作り続けていたし、家庭仲も良好。音楽仲間から攻撃されることもそう多くはない。概ね順風満帆な一生だった。ドラマチックな要素がほとんどない。 しかし、そんなのは枝葉末節。本作での素晴らしさは、モリコーネが手がけた映画音楽がどのようなプロセスで出来上がったのかをちゃんと説明した後で、その画面が出てくるというところにある。 モリコーネの手がけた作品は好きなものが多いが、その大半はビデオでしか観ていない。大画面でクライマックスシーンと、最高に盛り上がる音楽が被さる瞬間。それはもう鳥肌もの。しかもそれg次々に出てくる。なんとも贅沢な時間の使い方だ。 それとやはりモリコーネと組んで映画を作った蒼々たる監督達のインタビューが良い。映画は監督のものなので、監督自身が映画のコンセプトを持っていて、それに合わせて、又時として監督のコンセプトから外れたところで音楽が作られていることを、それぞれの監督達が懐かしい思い出として語っているのが素晴らしい。 映画としての完成度なんて別に良い。この映画を大画面で観ていることの贅沢感が最高の作品だった。 監督のインタビューもなかなか興味深かったけど、最高だったのがタランティーノで、『ヘイトフル・エイト』(2015)で、タランティーノはそれまでの信念を捨て、初めて既成曲ではなく新たに作曲を頼んだところ、それを受けたモリコーネは、タランティーノが期待していただろう、かつてのマカロニウエスタンの楽曲から完全に離れてオーケストラ演奏を敢えて使った。しかもそれが初めてのアカデミー作曲賞を受賞したということで、タランティーノがこころなし、ぶすっとした表情でモリコーネを褒めちぎっていた姿が笑える。 ドキュメンタリーでこんなに楽しく、贅沢な気持ちにさせてくれたのだから、大変好きな作品になった。 |
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鑑定士と顔のない依頼人 2013 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013ヨーロッパ映画音楽賞、作品賞、監督賞、脚本賞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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シチリア!シチリア! 2009 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009ゴールデン・グローブ外国語映画賞 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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題名のない子守唄 2006 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
2007ヨーロッパ映画観客賞、監督賞、主演女優賞(ラパポルト)、撮影賞 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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マレーナ 2000 | |||||||||||||||||||||||
2000米アカデミー撮影賞、作曲賞 2000英アカデミー外国語映画賞 2000ゴールデン・グローブ外国語映画賞、音楽賞 |
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戦争前のシチリア島に住む一人の少年レナート(スルファーロ)は悪ガキ仲間と共にこの町で最も最も噂の多い女性マレーナ(モニカ・ベルッチ)を見る。一目で彼女に惚れ込んだレナートは、暇があるたび彼女の家の前に行き、いつか彼女が振り向いてくれる時を夢見る日々を送っていた。マレーナには夫がいたが、2次世界大戦へのイタリア参戦により、アフリカに送られ、そこで戦死したと言う報が入る。町中が未亡人となったマレーナに注目する。最初は仕方なく、最後は自ら女であることを主張していくマレーナを、ただ見つめるレナート。二人のすれ違いが描かれている。 かつて『ニュー・シネマ・パラダイス』で一世を風靡し、二年前にも『海の上のピアニスト』を送り出したトルナトーレ監督の最新作。故郷のシチリア島を舞台に、まるで監督自身の子供時代を描いているかのような作りは『ニュー・シネマ・パラダイス』とよく似ている。 トルナトーレ作品ということで、結構期待していたのだが、実は結構複雑な思いがあった。ポスターのほぼ完璧と言えるほどのベルッチのアングルと表情。見事に彼女の最も美しさを捕らえていた。ただ一方、予告編の出来の痛々しさに観る気を無くしてもいた(笑)。いきなり大画面で少年の勃起シーン見せられて興味持てるか?と言われると… それでもめげずに観に行ったわけだが、面白いところは確かにある。だけど、どうなんだろう? これは少年の恋心と、それを飲み込んでいく歴史の流れの対比で見るべきなんだろう。だから戦争が始まってからの方がはるかに見応えが増す。前半部分で淡々と少年の日常が描かれるのはあくまで前菜みたいなもので、後半の、流転するマレーナの方に主眼が置かれた部分こそ、主題と思いたい。マレーナは本当に何も悪い訳ではない。もし彼女に罪があるとしたら、あまりにも美しく生まれてしまったと言う事だけ。美人故に不幸になると言うのも、なんか割り切れない気分にさせてくれる。 イタリアはかつてムッソリーニのファシスト政権の下、枢軸側で戦った。それが映画でも描かれるのだが、2年前の、これもイタリアの監督ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』(1998)も戦争のことについて描かれていたことを思い出す。何となく思うに、まだイタリアは戦争を消化しきってないのではないか?。と言う印象を受ける。悪いことをしたことは自覚出来るんだけど、それを肯定も否定も出来てない。と言った感じか?日本においてもなお、その辺は全然消化できてないのだが、イタリアはさらにそこまでも行ってないのではないかな? ドイツと較べたら明らかだ。 |
海の上のピアニスト 1999 | |||||||||||||||||||||||
1999ゴールデン・グローブ音楽賞 1999ヨーロッパ映画撮影賞 |
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1900年。豪華客船ヴァージニアン号のダンス・フロアーのピアノの上に一人の赤ん坊が置き去りにされていた。それを発見した機関士のダニー(ナン)は、その子を1900と名付け、船の中で育てようとする。船の乗組員に大切にされ、すくすくと成長した1900は、やがて天才的なピアノの才能を見せていく。彼の演奏に魅了され、船に乗る人もおり、数々の有名音楽家とのセッションも果たした1900だが、そんな彼が船に乗り合わせた一人の女性に恋をした。彼女の「いつか会いに来て」と言うメッセージを頼りに、ついに船を下りる決心をする1900だが… 映画史に残る傑作『ニュー・シネマ・パラダイス』を投入し、押しも押されもせぬ世界的な名監督の仲間入りを果たしたトルナトーレ監督が投入した、再び歴史を扱った作品。正直な話を言うと、ノスタルジックさを強調した『ニュー・シネマ・パラダイス』よりはより冷静な映画として、私ナンカの場合本作の方が面白いと思っている。 本作の舞台となる年代は『ニュー・シネマ・パラダイス』と重なることが多い20世紀前半についてだが、シチリアと言う狭い地域に限定されていた『ニュー・シネマ・パラダイス』と比べると、前提条件がとてもユニーク。ここでの舞台はとても広いともいえるし、きわめて狭いともいえる。なんせ物語全部がすべて一隻の船の中で行われているのだ。そういう意味では大変狭い世界。だけど、舞台が豪華客船と言うことは、世界中を旅することであり、舞台はワールド・ワイドなものとも言える。 その結果、本作はとてもユニークな設定を持つようになった。主人公1900の世界はきわめて狭く、人間関係も限られたものとなっている。しかし、否応無く情報として世界情勢が入り込んでくる。 この状況は実はネット社会となった現代こそぴったりと当てはまる事でもある。かつて情報の収集はテレビと新聞、雑誌などによってなされていたものだが、今やネットを介し、普通は知られないような情報も比較的簡単に手に入れることが出来るようになったし、そこから情報発信も出来る。今や小説を書く場も、音楽を作ってそれを流す場も整えられている。外面から見て引きこもった状態であっても、誰よりも世界情勢が詳しい人間だっているのだから(ただし、それは相当に限定された範囲のものであることは明記しておかねばならないが)。ここで描かれる1900はその狭い世界に満足し、外に出られないので、かなりそれに近い部分もある。こんな時代を扱っていながら、むしろ1900の立場は現代の人間に近いのだ。 こんなユニークな設定を作ったというだけでも本作のおもしろさは際だっている。1900が船から出ようとして出られない下りは、ほんとに引きこもりの心理そのものだろう。あれは詩情にあふれる感動的なシーンとしてではなく、そちらで考えた方がよく理解できたりする。 難点を言えば、本作は長すぎると言うところだろうか。こういう構造を持っている以上、どうしても話はミニストーリーの積み重ねにならざるを得ないが、それらの物語が多すぎる、あるいは長すぎるため、結構退屈を覚えてしまう部分も多々存在する(私が観たのは劇場公開版だったのでまだ短いが、私が観たのは公開版だったが、全長版は更に40分は長いらしいので、ますます退屈になってしまうだろう。『ニュー・シネマ・パラダイス』であれ、『マレーナ』であれ、どうにもトルナトーレ作品は余計な描写が多すぎて、結構退屈する。もう少し短く出来ていれば文句なしの傑作にはなったのだが(多分監督の中では、時代を描くために必要な描写なんだろうけど、本作に関しては、さほどそれは上手く機能はしてなかった印象がある)。 歴史をふまえた作品と言うのが好きな人にとってはとても楽しい時間を提供できるのは確かだから、そう言う観方する人には文句なしにお勧めする。 |
ニュー・シネマ・パラダイス 1989 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1989米アカデミー外国語映画賞 1989カンヌ国際映画祭審査員賞特別グランプリ(トルナトーレ)、パルム・ドール(トルナトーレ) 1989ゴールデン・グローブ外国映画賞 1989ヨーロッパ映画主演男優賞(ノワレ)、審査員特別賞(トルナトーレ) 1989セザールポスター賞 1989キネマ旬報外国映画7位 1989毎日映画コンクール外国映画ベストワン賞 1990英アカデミー主演男優賞(ノワレ)、助演男優賞(カシオ)、オリジナル脚本賞、外国語映画賞、作曲賞、監督賞(トルナトーレ)、撮影賞 1990日本アカデミー外国作品賞 |
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映画への愛情がにじみ出たような作品。 エンリオ=モリコーネの音楽がしみいる作品。 世界的に見ても、日本の人気が突出して高い。単館上映だったにも関わらず、人気が殺到し、40週連続興行という、当時の単館劇場新記録を樹立した。 二つのバージョンがあり、どちらが良いかは意見が分かれる。 イタリアには実際に教会によって経営されるバッロッキアーレと呼ばれる映画館がある。 かつて映画こそが娯楽の中心であったことを思い出させてくれる。 |