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デヴィッド・イェーツ
David Yates

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鑑賞本数 3 合計点 9 平均点 3.00
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
2018 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 監督
2016 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 監督
ターザン:REBORN 監督・製作総指揮
2015
2014
2013
2012
2011 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 監督
2010 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 監督
2009
2008 ハリー・ポッターと謎のプリンス 監督
2007 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 監督
2006
2005 ある日、ダウニング街で 監督
2004 セックス・トラフィック 監督
2003 ステート・オブ・プレイ〜陰謀の構図〜<TV> 演出
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964
1963 マージーサイド州セントヘレンで誕生

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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
<A> <楽>
デヴィッド・ハイマン
J・K・ローリング
スティーヴ・クローヴス
ライオネル・ウィグラム
ティム・ルイス
ニール・ブレア
リック・セナト
ダニー・コーエン(製)
J・K・ローリング(脚)
エディ・レッドメイン
キャサリン・ウォーターストン
ダン・フォグラー
アリソン・スドル
エズラ・ミラー
ゾーイ・クラヴィッツ
カラム・ターナー
クローディア・キム
ウィリアム・ナディラム
ケヴィン・ガスリー
ジュード・ロウ
ジョニー・デップ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
特撮事典
 ニューヨークを戦場に変えかけた魔法使いゲラート・グリンデルバルド(デップ)は魔法局の総力を挙げてヨーロッパで収監されることとなったが、その旅の途中で配下の手引きで脱獄に成功してしまう。同じ頃、ニューヨークの事件の引責で旅行停止になっていたニュート・スキャマンダー(レッドメイン)は、ホグワーツ魔法学校の恩師アルバス・ダンブルドア(ロウ)に呼ばれ、グリンデルバルドを追うよう依頼されていた。迷うニュートの前に、ニューヨークで会ったマグルのジェイコブ()とクイニーがやってくる…
 ハリー・ポッターシリーズの新シリーズであるファンタスティック・ビーストシリーズの第2作となる。同じイェーツ監督による第1作目『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は実にオーソドックスで緩い物語展開をしていたが、2作目となる本作は一気に物語が変化していく。
 大きな特徴で言えば、ついに
「ハリー・ポッター」でおなじみのアルバス・ダンブルドアが登場したという事がある(ついでにナギニという蛇に姿を変える女性も)。
 それで二つのシリーズが重なるのかというと、まだそこまでには至っておらず、物語が複雑化している。
 一応
物語の骨子は単純である。ここで語られるのは、脱獄したグリンデルバルドが、クリーデンスという自覚のない魔法使いを使って何か良からぬ事を企んでるということを突き止めるだけ。実質的にほとんど物語は進んでない。

 結構な時間を使っていながらストーリーが全然消化出来ないのだから、どうにもストレスが溜まる作品となってしまった。

 これだけ時間がかかってしまう理由は、登場人物それぞれの闇を描こうとするからだが、抱え込む闇の部分を省略せずに描こうとした結果、そちらの描写に時間取られて肝心の物語が展開していかなかったというのがあるだろう。
 前作から続いて主人公となったニュートは、前作では確かに軽い人間不信に陥った魔法使いといった感じだったが、その人間不信に至らしめた、そして今も彼を苦しめている家族の関係が出てくる。
 別段家族から虐待を受けてるとか言うのではないのだが、魔法局につとめ、何かと世話を焼いてくれる兄のテセウスと折りが悪い。兄の婚約者であるリタに何らかの関係があるようなのだが、それは表面には出ず、ニュート以上に精神的に追い詰められたリタの方がおかしくなっていく。
 そして前作で別れた魔法使いの姉妹クイニーとティナはそれぞれ現状に不満を持ち、クイニーはニュートの元でくだを巻き、やがて彼女も精神の均衡を崩していく。ティナは誤解が元でニュートから離れようとするのだが、いくら誤解が解けても頑なな心は変わらず。
 そして前作で実は魔法使いの血を受け継いでいたことが分かったクリーデンス・ベアボーンの自分のルーツ探しも同時展開。意外な出自が明らかになるのだが、これまでの自分の世界が崩壊していくために精神的にどんどん不安定になっていく。
 更に脱走したグリンデルバルド捕獲に際して何故か自分で手を出せないアルバス・ダンブルドアの真意を探るために、過去の過ちも描かれる。

 過去に受けたトラウマや血の轍によるストレスの原因探しが物語の大半を埋めることになるのだが、その情報量が多すぎる。
 上記の展開をすべて一本の映画に詰め込んだ結果はどうなるかと言えば、当然ながら物語は破綻する。
 そして破綻した物語に何のフォローもなく、唐突に物語は終わってしまう。
 これは観てる方にストレス溜まる。

 思うにこの作品、
映画ではなく小説で描くべきものだったと思う。少なくとも一度小説にしたものを徹底的に推敲して映画用にシェイプアップさせる必要があったと思われる。
 脚本は
「ハリー・ポッター」著者のローリングが当たっているが、小説家の脚本をそのまま映画にしたことから無理が生じたんだろうと思われる。

 次作以降はもう少し物語をシェイプアップしてすっきりした物語を見せてもらいたいもんだ。
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 2016
2016米アカデミー衣装デザイン賞、美術賞
2016英アカデミープロダクションデザイン賞、衣装デザイン賞、音響賞、特殊視覚効果賞
<A> <楽>
デヴィッド・ハイマン
J・K・ローリング
スティーヴ・クローヴス
ライオネル・ウィグラム
ティム・ルイス
ニール・ブレア
リック・セナト(製)
J・K・ローリング(脚)
エディ・レッドメイン
キャサリン・ウォーターストン
ダン・フォグラー
アリソン・スドル
エズラ・ミラー
サマンサ・モートン
ジョン・ヴォイト
カーメン・イジョゴ
コリン・ファレル
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
特撮事典
 1926年。魔法動物についての奇書「幻の動物とその生息地」を検証するために世界中の旅に出ていたニュートン・スキャマンダー(レッドメイン)はその中継点としてニューヨークへとやってきた。だが彼の鞄に閉じ込めていたはずの魔法生物が逃げ出してしまい、その捕獲のために一般人であるジェイコブ・コワルスキー(フォグラー)を巻き込んでしまい、それを魔法議会の職員ティナ(ウォーターストーン)に見られてしまう。その懲罰のため魔法議会に護送されることになったのだが、未だ逃亡を続ける魔法生物が残っていることから、その捕獲のためにニュートは逃げ出してしまう。その頃、ニューヨークでは魔法の存在に気づき、それを撲滅しようとする集会が開かれていた…
 小説のみならず映画でも大ヒットを飛ばし、ワーナー最大のドル箱となった『ハリー・ポッター』シリーズだが、最終作から5年
(監督は同じイェーツ)。当然というかその続編というか、スピンオフが登場した。「ハリー・ポッター」原作者であるJ.K.ローリングが初の脚本を手がけたことでも話題となった。
 とは言え、実は全然期待はしてなかった。予告を観る限り、ドジな魔法使いが魔法生物を逃がしてしまい、一般人を巻き込んでの活劇になると言うのが分かり、ほとんど「魔法使いの弟子」みたいなものになるのが分かっている。如何せんそれではあまりに月並みだろうと思ってた。私が本作を観るモチベーションと言えば、まだシリーズとして続く以上、一作目を劇場で観なかったと言って後悔する可能性を潰すためだけ。

 しかしながら、出来としては決して悪くないというか、結構良かったのが意外だった。
 メインの物語そのものは予想通りだし、キャラ描写もそこそこ、演出面についても目新しいところは感じられないのだが、突出して良い部分が二点存在する。その二つがあるだけで本作は充分。
 一つには
そこに付随する設定がしっかりしているという点があるだろう。本作の元ネタは原作者がニュートン・スキャマンダー名義で書いた「幻の動物とその生息地」がベースだが、この作品は物語ではなく、数多くの魔法生物の生態について述べた作品である。そんな作品がベースのため、魔法生物の生態がとても細かいのと、時代背景をきちんと取り、もしこの時代に魔法が存在したらどうなるか?と言う点を深く考察して描いているから。こう言うマニアックな設定が垣間見える作品って、私の大好物である。
 少なくともこのような明らかに私向きの作品である以上、これを悪く言うことは出来ないし、その奥深さはストーリーの単純さをカバーして余りあるものだとも思う。

 そしてもう一点。この作品、
人の暗黒面の描き方が上手い
 
「ハリー・ポッター」を私が好きな理由の一つは、この作品、子ども対象の児童書のくせに、人の悪意の描写を丁寧に描くのが特徴で、だからこそハリーの活躍に溜飲を下げるという部分が強い。ハリーの活躍のモチベーションというのが、他者の悪意にあるというのが面白いが、そのバランスを上手く取っていたのが「ハリー・ポッター」シリーズだった。
 それで原作者が脚本を書いている本作は、対象を大人に取ることによって、人の悪意とか暗黒面とかを更に強く描いている。その悪意というのもこじれたコンプレックスやら、ネグレクトやら正義感が元になっているため、非常に複雑。
 このような悪意を描くためにこそ、物語そのものを単純明快に取ったのかもしれない。それがバランスを崩すことにもなりかねないが、それでも敢えてそのような精神面を強調してくれたことを評価したい。

 何だかんだ言って、私の好きなものがちゃんと入っていてくれたと言うだけなのだが、映画の評価ってのは結局はそこに尽きるだろう。
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 2011
2011米アカデミー美術賞、メイクアップ賞、視覚効果賞
2011英アカデミー特殊視覚効果賞、プロダクションデザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞、音響賞
2011放送映画批評家協会メイクアップ賞、音響賞、美術賞、視覚効果賞
2011毎日映画コンクールTSUTAYA映画ファン外国映画部門
2011
MTVベスト第3位
2011興行収入第1位
2011
違法ダウンロードされたハリウッド映画第10位
2011ナショナル・ボード・オブ・レビュー
ベスト
2011ピーター・トラヴァース第10位

2011
ロジャー・エバート第16位
2012MTVムービー・アワードアンサンブル映画賞、ヒーロー賞(ハリー・ポッター)、作品賞、男優賞(ラドクリフ)、女優賞(ワトソン)、キスシーン賞(ワトソン&グリント)、格闘賞(ラドクリフVSファインズ)
2012サターンファンタジー映画賞、助演男優賞(ファインズ&リックマン)、助演女優賞(ワトソン)、監督賞、編集賞、美術賞、メイクアップ賞、特殊効果賞

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スティーヴ・クローヴス(脚)
ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
ヘレナ・ボナム=カーター
ロビー・コルトレーン
レイフ・ファインズ
マイケル・ガンボン
ワーウィック・デイヴィス
ジェイソン・アイザックス
ジョン・ハート
アラン・リックマン
マギー・スミス
ジュリー・ウォルターズ
マーク・ウィリアムズ
トム・フェルトン
ボニー・ライト
ジェームズ・フェルプス
オリヴァー・フェルプス
イヴァナ・リンチ
エマ・トンプソン
デヴィッド・シューリス
ゲイリー・オールドマン
ジム・ブロードベント
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第8作
ハリー・ポッターと死の秘宝(書籍) 書評
 ヴォルデモートの残る分霊箱は3つ。一つ目の分霊箱を探し出したものの、それを破壊できるグリフィンドールの剣を失ってしまったハリー。そんな中、ヴォルデモートがハリーらの母校ホグワーツに攻撃の手を伸ばそうとしていることを知ったため、準備不足のまま、ホグワーツへと向かうが…
 大人気シリーズ『ハリー・ポッター』映画化作の最終話。
 昔話になる。もう10年以上も前になるが、職場が暇な時、同僚と話していたら、ある本を読んで徹夜したという話を聞いた。そいつは到底本を読もうというタイプじゃなかったし、ましてや本を読んで徹夜なんて考えられなかった。でも一番腹が立ったのは、
その本を私が知らなかったという事だった。なんでもベストセラーになってるとのことだったのだが、ひねくれものの私のこと。その題名だけは聞いておいたものの、半ば意地で「そんな本読むもんか」と毒づいてたものだ。
 しかし、一旦意識してしまうと、今度は周り中にそのキーワードがあふれていることにも気づくことになる。別段流行りものに惹かれる訳じゃないが、やっぱり読んでおくか?という気にもさせられるし、それにどこかで“映画化”という文字を見させられると、やっぱり読んでおこう。と、まあ意志薄弱なことで一巻目を読んでみた。
 なるほど童話形式か。まあこれはこれで…読み始めたのが夜も更けていたのだが、
気がつくと本当に夜が明けていた
 こんな悲惨な目に遭っている子がどうやってヒーローになるのか?なんて考えてると、もう止まらない。ほとんど一気読みだった。
 この作品の良さは導入の仕方にある。周囲の人間からやっかいもの扱いされてる主人公が、実はある世界では重要人物である。そしてこの世界で生きることになった主人公が努力の末に次々と栄光を手にする。更に性格は至って普通の少年。物語の掴みも、章毎にやってくる危機も、そしてそれを乗り越える力も、全部うまくはまってた。
 …そんなことで、いつの間にか映画を心待ちにしてる自分がいた。
 結局その後、すべての原作をリアルタイムで手にし、作品を劇場で観ることとなったのだが、その間に私は二つも職場を変え、人生上いくつものイベントをこなしていた。そんな中で、公開されるといそいそと劇場に足を向ける私。今思い出しても、ほんとあれから色々あったもんだな。しみじみ…

 と、余計なことはともかくとして、最終巻
「ハリー・ポッターと死の秘宝」後半の映画化作としての本作は、実にいい感じに仕上げられてる。これまで1〜6作は原作一本につき映画一本でまとめられたが、なんせ原作が長いもののため、どうしても端折りが出てきてしまい、それが時に重要なエピソードであったりするので、どうにも不満を募らせることになるのだが、流石二本分の長さになると、原作のほとんどのエピソードは消化できるし、主人公格以外のキャラを深めることもできる。特に謎解きと放浪に終始した前半の溜飲を下げるかのような活劇の連続には、大いに楽しませていただいた。前作でダレ場をほとんど全部使いきってるため、その続きとして本作を観ると、本当にストレス解消になる。やはり最後を有終の美で終わらせるためには、変に出し惜しみするのではなく、最初から最後まで全開でアクションに特化させるべきだし、それをきちんと踏まえてるのが良い。はっきり言って前編観た限りでは、尻つぼみに終わるのではないか?という疑問もあったのだが、まさしくこう作ってほしい形で作ってくれた。
 それとこの作品で重要なのはハリーたち主人公格以外の人物の描写なのだが、これもきちんと作られてる。特に重要なのがスネイプ先生。敵とも言えるし味方とも言えるこのキャラの描写が本作の可否を決めるとさえ言えるのだが、これも上手く作られてた。回想シーンにもう少し時間取ってくれれば完璧だったのだが、テンポのことを考えたらそれは望みすぎか?スネイプの格好良いシーンもたっぷりあるのは、このキャラ好きにはたまらん。特にその過去の悲しい物語と、それを越えて今の彼の存在があると言う事が見えてくる。敗北続きの人生で意地を見せる辺り、身につまされる感じでやけに格好良いんだよな。後はネビルの存在か?1作目ではハリーをサポートする大変重要なキャラだったのに、2作目以降鳴かず飛ばず状況にあったこのキャラが、時に主人公を食うほど活躍してくれるシーンもちゃんとあり。この見せ場のためにこれまで目立たなかったとしても充分許せる存在感だった。
 でもこれだけ時間あってもやっぱりいくつも取り残しがあって、これはやってほしいというシーンが削除されていたのがあったけど
(ダンブルドアとハリーの会話は原作通り心象風景じゃなくて肖像画ごしでやってほしかった)、それは敢えて目を瞑って良しだろう。

 私自身についても色々考えさせてくれたことも加味して、少し点数は甘めに。
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ハリー・ポッター 公式ガイドブック 映像の魔術 完全版(書籍)
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 2011
2010米アカデミー美術賞、視覚効果賞
2010英アカデミーメイクアップ&ヘアー賞、特殊視覚効果賞
2010放送映画批評家協会メイクアップ賞、視覚効果賞
2010ツィッタートレンド
2010世界興収ランキング第4位
2010ジェイムソン・エンパイアSF/ファンタジー賞
2010映画.comベスト第9位
2010映画.comワースト第9位

2011MTVムービー・アワード悪役賞(フェルトン)、作品賞、男優賞(ラドクリフ)、女優賞(ワトソン)、キス・シーン賞(ワトソン&ラドクリフ)、格闘シーン賞
2011サターンファンタジー作品賞、監督賞、衣装賞、メイクアップ賞、特殊効果賞

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スティーヴ・クローヴス(脚)
ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
ヘレナ・ボナム=カーター
ロビー・コルトレーン
トム・フェルトン
レイフ・ファインズ
ブレンダン・グリーソン
リチャード・グリフィス
ジョン・ハート
ジェイソン・アイザックス
ヘレン・マックロリー
ビル・ナイ
ミランダ・リチャードソン
アラン・リックマン
マギー・スミス
ティモシー・スポール
イメルダ・スタウントン
デヴィッド・シューリス
ジュリー・ウォルターズ
ボニー・ライト
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第7作
ハリー・ポッターと死の秘宝(書籍) 書評
 ダンブルドア校長の死をもって、ヴォルデモート(ファインズ)はその活動を公然化させ、あっという間に魔法省を掌握してしまった。一方、ダンブルドアから託された使命を果たすべく、ヴォルデモートの不死の秘密である"分霊箱"を見つけ出し、破壊するための旅に出たハリー(ラドクリフ)ロン(グリント)、ハーマイオニー(ワトソン)の3人。他に頼る人もなく、ヒントもごく僅かしかない分霊箱探しに、やがて3人の絆にも亀裂が生じ始めるのだった…
 大人気シリーズの第7作目にして最終章の前編の映画化作。
 これまで原作がどれだけ長くても、無理して一本に収めてきた本シリーズだが、最終章の本作だけは2本に分けると言う方法が用いられることになった。この方法は決して悪くなく、最後の戦いを足早に終わらせることなくじっくり物語を見せる事が出来るし、その中で主人公達の葛藤も描くことが出来る。
 …一応それは分かってるつもりなのだが、
この作品を本当にそうして良かったのか?本作を観る少し前に原作の方は読了したのだが、前半はほとんど物語としての動きが無く、追われながら分霊箱を探し回る主人公3人達の徘徊ばかり。こんなのを中心にしてしまったら、見所が無くなるんじゃないのか?
 そんな事前の心配をしていたのだが、実際に出来たものを見てちょっと驚かされた。
 本当に
私が心配していたこと、そのものだったから
 かなり演出力で飽きさせないように工夫はされていたけど、やっぱりこれ結構精神的に苦痛を覚えるレベル。
 もう少し話を進めさせるか、彷徨部分を短くするかしないと、少なくともこどもに見せられるような作品には思えない。葛藤を描くためにこれだけの長さが必要だというのなら、それこそ僅かな時間に内面描写を見事にした映画は山ほどある。はっきり言って本作は15分以上縮められるぞ。
 原作通りと言えばそれまでかもしれないけど、これ観てこどもが楽しめるとは到底思えない。

 ところで、こども向き。と言う事で考えたら、一作目
『ハリー・ポッターと賢者の石』の当たりと較べると、随分本作は変わった。

 本作を俯瞰してみると、
とても遠いところに来てしまった。と言う感じはする。
 当初本作の原作はもっと素直な“童話”だった。ヴォルデモートの影が主人公三人組を時として脅かしていたとは言え、それよりもホグワーツの風物や、その中で行われている授業風景、クィデッチ試合。その中でよくある友達同士のじゃれ合いや反発と言ったものが内容の中心。
 そんな童話的物語が、7部目となると、ここまで変わるものなのか。とばかりにハードな展開となる。三人組も最早あどけない少年少女ではなく、髭面で裸で抱き合うビジョンを見るような間柄へと変化した。主人公達の成長に合わせるかのように物語が厳しくなったとも言えるか。
 正直このハードさが観ていてきつい。一作目のように、その世界に行ってみたいとか、魔法でこんな事が出来たら?と言う想像の入り込む余地は既に無く、眼前に広がるのはひたすら道を探して彷徨い続けるだけの姿。
 …ほんと、随分変わったもんだな。

 いずれにせよ最後までつきあうつもりでいるが。


 …そうそう。一つ本作で残念だったのがオープニングシーン。原作では、ハリーのいとこに当たるダドリーがたった一言だけだが喋るシーンがあった。物語には全く影響を与えないが、それを無くしてしまったのは勿体なかった気はする。結構重要な部分だと思ってるんだが。

 あと、つまらないところだが、この字幕は良かった。きちんと原作の訳者が監修している分、キャラクタ一人一人の言葉の使い分けがきちっと出来てたのは、原作読者にはありがたいところ(某大作は物語よりも字幕の酷さで怒り狂ったこともあったので)。
ハリー・ポッター魔法グッズ大図鑑(書籍)
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ハリー・ポッターと謎のプリンス 2008
2009米アカデミー撮影賞
2009英アカデミープロダクション・デザイン賞、特殊視覚効果賞
2009イギリスの年間興収ランキング2位
2010MTVムービー・アワード悪役賞(フェルトン)、作品賞、男優賞(ラドクリフ)、女優賞(ワトソン)、グローバル・スーパースター賞(ラドクリフ)

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スティーヴ・クローヴス(脚)
ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
ジム・ブロードベント
ヘレナ・ボナム=カーター
ロビー・コルトレーン
ワーウィック・デイヴィス
マイケル・ガンボン
アラン・リックマン
マギー・スミス
ティモシー・スポール
デヴィッド・シューリス
ジュリー・ウォルターズ
ボニー・ライト
マーク・ウィリアムズ
ジェシー・ケイヴ
フランク・ディレイン
ヒーロー・ファインズ=ティフィン
トム・フェルトン
イヴァナ・リンチ
ヘレン・マックロリー
フレディ・ストローマ
デヴィッド・ブラッドリー
マシュー・ルイス
ナタリア・テナ
ジェマ・ジョーンズ
ケイティ・ルング
デイヴ・レジーノ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ハリー・ポッターと謎のプリンス(書籍)J・K・ローリング 書評
シリーズ第6作
 闇の帝王ヴォルデモートの復活に伴い、マグル(人間)と魔法使い双方の世界で異変が続いていた。そんな中、ホグワーツ魔法学校ではダンブルドア校長は、重要な情報を持つ元同僚の旧友ホラス・スラグホーンを魔法薬学教授として学校に迎え入れるのだった。一方、ロンとハーマイオニーらホグワーツの生徒たちは、新しい恋をはぐくみ始めていた…
 出版されるたびにベストセラー、爆発的人気を誇るハリー・ポッターシリーズも順調に映画化が進み、本作で6本目。前作はいかにも「続く」的な終わり方を見せ、しかも結構な時間待たせられたこともあって、初動では歴代のオープニング入場者記録を抜き去る入場者数を誇った。
 ただ、本作は実質的にそんなに観客受けが良い作品ではない。ハリー・ポッターの名前を冠してなければ、ここまで売れるような内容には思えないくらいに質は低い。
 これは映画が悪いのではなく、原作の方に問題がある。あくまで原作について言えば、内容は巻が進むに従ってどんどん暗さを増していき、6巻に当たる本作の原作は全般にわたって陰鬱な雰囲気で展開しているし、主人公ハリーの周囲にも犠牲者が増えていっている。これはファンタジックな明るさを持っていた1作目とは随分雰囲気が異なり、単純な魔法を使った学園青春ものからはずいぶん離れた作りになってしまっていた。
 そんなものを原作にしているため、最初から盛り上がる作品として作るのは困難なのだが、そのために色々な工夫が見える。
 設定上重要な物語をなるだけ後退させ、ロンとハーマイオニーの恋愛話にかなりのウェイトを持ってきていることに現れている。そのおこぼれにあずかってハリーの方にもキスシーンとかが用意されているが、物語の多くを占めるのがロンの方になってしまった。そう言えば3作目もこれに近い作り方をしていたが、今回はメインとなる物語が暗い分、それが極端に現れた形になった。
 そのこと自体は問題ない。これまでが比較的明るい作り方をしていたのだから、それを急に方向転換させるよりは、明るい物語を抜き出した方が客受けも良いだろうし、話に花も持たせられる。何よりこれを青春物語にすることで、シリーズ開始から観ていた人に、
あの仲良し三人組がいつの間にこんなに成長したのか。と、感じさせてくれる利点もある。一面では物語を明るくしたのは成功でもあった。
 ただ、それがメインの物語まで侵食してしまったのが本作の問題点。本作のメインストーリーは
“半純潔のプリンス”が何者か。ダンブルドアが持っているアイテム。新登場のスラグホーンがかつてヴォルデモートに何を教えたのか。そしてドラコの謎の行動。という四つの謎の解明に物語は収斂していくのだが、本作ではその部分を深化させることが出来なかった。特に本作のメインタイトルであり、原作にあった“半純潔のプリンス”については、最後の最後にスネイプのたった一言で終わらせてしまったのが勿体ない。確かに原作が長く、詰め込まねばならない物語が多すぎると言っても、端折り方が大胆すぎて、全体的なストーリーが弱くなりすぎてしまった。
 原作に忠実にすれば客が逃げ、かけ離れたものを作れば原作ファンからそっぽを向かれる。そのギリギリを探らねばならない脚本家の努力は買いたいが、結果として今回はその位置づけに失敗して中途半端な物語になってしまった。その部分はかなり不満が残る。

 本作の正しい楽しみ方は、
「みんな、いつのまにかこんなに成長したんだね」と親戚の子供見てる感じでキャラを愛でる感覚なんだろう。
ハリー・ポッター魔法グッズ大図鑑(書籍)
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 2007
2007英アカデミー美術賞、特殊視覚効果賞
2007放送映画批評家協会ファミリー映画賞
2007
MTVムービー・アワードこれから公開のサマー・ムービー賞
2008ヨーロッパ映画観客賞
2008MTVムービー・アワードキス・シーン賞(ラドクリフ&ルング)

2008エンパイア映画監督賞、作品賞、男優賞(ラドクリフ)、女優賞(ワトソン)、音楽賞、SF/ファンタジー作品賞
2008サターンファンタジー作品賞、助演女優賞(スタウトン)、若手俳優賞(ラドクリフ)、監督賞、音楽賞、衣装デザイン賞、メイクアップ賞、特殊効果賞
<A> <楽>
マイケル・ゴールデンバーグ(脚)
ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
ヘレナ・ボナム=カーター
ロビー・コルトレーン
ワーウィック・デイヴィス
レイフ・ファインズ
マイケル・ガンボン
ブレンダン・グリーソン
リチャード・グリフィス
ジェイソン・アイザックス
ゲイリー・オールドマン
アラン・リックマン
フィオナ・ショウ
マギー・スミス
イメルダ・スタウントン
デヴィッド・シューリス
エマ・トンプソン
ジュリー・ウォルターズ
ボニー・ライト
マーク・ウィリアムズ
ロバート・ハーディ
デヴィッド・ブラッドリー
トム・フェルトン
マシュー・ルイス
イヴァナ・リンチ
ケイティ・ルング
ハリー・メリング
ロバート・パティンソン
ナタリア・テナ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(書籍)J・K・ローリング
シリーズ第5作
 ホグワーツ魔法学校の5年生に進級したハリー(ラドクリフ)は休暇中に、人間界で吸精鬼に襲われ、思わず魔法を使ってしまった。その事で魔法省の裁判を受けることになったが、ホグワーツのダンブルドア校長の弁護で無罪となる。だが、ヴォルデモートの復活を頑なに信じようとしない魔法省は、今度は流言をまき散らすとしてダンブルドアを目の敵にし、魔法省子飼いのアンブリッジ(スタウトン)を送り込んでくる。一方魔法省に任せておけないと判断したシリウス(オールドマン)は、かつての仲間を集め、“不死鳥の騎士団”を再結成。ハリーも学校で闇の魔法の対抗術を学ぶ“ダンブルドア軍団”を作り上げるのだが…。
 シリーズももう5作目になり、話は更に厳しいものへと変化してきた。既に“闇の魔王”ヴォルデモートは復活していて、後はこれとどう戦っていくかがこれからの焦点へとなっていく。その分これまであったお祭り的な成長物語はかなりなりを潜め、純粋なアクション大作っぽく仕上げられている。
 ところでこのシリーズは映画化に当たって一作ごとに特徴的な作り方をしているのも面白い。1作目『賢者の石』(2001)と2作目『秘密の部屋』(2002)は見事に原作のエピソードを過不足無く取り込んだ上でしっかり後半に見せ場を作り、一方3作目『アズカバンの囚人』(2004)と4作目『炎のゴブレット』(2005)はエピソードをピックアップし、余計なものをそぎ取って作っていた。
 しかるに本作は、又前に戻り、原作の大部分を取り込んで作っているのが特徴。ただ、原作がどんどん長くなってしまっているため、この作り方だとエピソード一つ一つがどうしても軽くなってしまうし、キャラクタの掘り下げが不十分になってしまう。上映時間自身も長いが、それでも到底足りない。
 それで観ていてなんか原作を追っているような印象になってしまうし、キャラクタの掘り下げも不充分な上に、あっけなく退場してしまう。あの長さを映像化するのは難しかったんだろうし作り手の努力は認めるが、割と退屈してしまった所があったのは否めない。一つ一つの物語が必要だというのが作りにくさの最大の問題だったかと思う。
 ただ、キャラクタの造形は甘いとはいえ、蒼々たるメンバーを惜しげもなく使っているのは流石だし、それぞれが短いながら個性を出そうと頑張っているのは印象的。特に1作目から続いて主役を演じている三人組の成長具合を観てるだけでも結構楽しい。
 原作知らない人間にはますます訳の分からない世界になってるが、原作を読んでる人には文句なしにお勧めできる。
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