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輪廻 _(書籍) |
2022 | |||||||||
2021 | 牛首村 監督・脚本 | ||||||||
ホムンクルス 監督・脚本 | |||||||||
樹海村 監督・脚本 | |||||||||
2020 | ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 原案 | ||||||||
犬鳴村 恐怖回避ばーじょん 劇場版 監督・脚本 | |||||||||
2019 | 犬鳴村 監督・脚本 | ||||||||
2018 | |||||||||
2017 | ブルーハーツが聴こえる 監督・脚本 | ||||||||
バイオハザード:ヴェンデッタ 製作 | |||||||||
2016 | こどもつかい 監督・脚本 | ||||||||
雨女 監督・脚本 | |||||||||
2015 | 世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP〜映画監督編〜 監督 | ||||||||
2014 | 7500 監督 | ||||||||
魔女の宅急便 監督・脚本 | |||||||||
劇場版 稲川怪談 かたりべ プロデューサー | |||||||||
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2013 | キョンシー 製作 | ||||||||
2012 | |||||||||
2011 | ラビット・ホラー3D 監督・脚本 | ||||||||
劇場版 はらぺこヤマガミくん 出演 | |||||||||
2010 |
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2009 | 戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH 監督 | ||||||||
非女子図鑑 監督・脚本 | |||||||||
ALL NIGHT LONG -誰でもよかった- 監修 | |||||||||
呪怨 黒い少女 監修・原案 | |||||||||
呪怨 白い老女 監修・原案 | |||||||||
2008 | ハリウッド監督学入門 出演 | ||||||||
東京残酷警察 出演 | |||||||||
怪談新耳袋 殴り込み 出演 | |||||||||
2007 | 幽霊VS宇宙人 監督・脚本・出演 | ||||||||
ユメ十夜 「第三夜」監督・脚本 | |||||||||
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2006 | 呪怨 パンデミック 監督 | ||||||||
コワイ女 監督・原案 | |||||||||
2005 | 輪廻 監督・脚本 | ||||||||
2004 | 稀人 監督 | ||||||||
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THE JUON 呪怨 監督 | |||||||||
2003 | 呪怨2 監督・脚本 | ||||||||
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2002 | 幽霊VS宇宙人 監督・脚本 | ||||||||
呪怨 監督・脚本 | |||||||||
もうひとりいる | |||||||||
2001 | 富江re-birth 監督 | ||||||||
2000 | 伊藤潤二 恐怖collection 「悪魔の理論」 監督 | ||||||||
真霊ビデオVI ほんとにあった怖い話 恐怖タレント体験談 監督 | |||||||||
真霊ビデオV ほんとにあった怖い話 恐怖心霊写真館 監督 | |||||||||
呪怨2 監督・脚本 | |||||||||
1999 | 呪怨 監督・脚本 | ||||||||
1998 | 学校の怪談G 監督 | ||||||||
1972 | 前橋で誕生 |
牛首村 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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東京の女子高生雨宮奏音は、ある日同級生の香月蓮から、奏音にそっくりな詩音という少女が行方不明になる心霊動画を見せられた。自分にそっくりな詩音の姿に心騒いだ奏音は蓮に頼み込んで同行してもらい、その動画が撮られた富山県の坪野鉱泉へ向かう。そこで色々聞き込んだ結果、詩音の家を訪ねたところ、そこには奏音の父親がいた。実は奏音と詩音は双子の姉妹だったことを告げられる。実はこの土地では双子は不吉とされ、7歳になると片方を守り神である牛頭の神に生け贄として捧げる風習があるというのだ。導かれるように生け贄の捧げられる洞窟へと向かう奏音。 ネットミームとなった因習深い村をテーマに清水崇監督が映画にするシリーズもこれで三作目となる。 一作目の『犬鳴村』はなかなか上手いこと作ったと思っていたが、二作目となる『樹海村』はほぼ同じような話だったし、モンスターの登場で怪談話と言うよりも特撮のような物語になってしまっていた。更に三作目となる本作は、もはや物語に説得力を持たせるのを放棄し、雰囲気だけで作ってしまった作品になってしまった。 偶然が偶然を呼ぶご都合主義の物語展開。奏音が時折突拍子も無いことをして物語を引っ張るのだが、何故こんなことを考えたのか全く説得力を持たない。話もあっちこっち飛んでで、物語を把握するだけで一苦労。主人公が基本無表情なのに、怖い目に遭った途端怖がるという表情の変化もおかしく、概ねにおいて全く面白くない。 そもそも矢継ぎ早に新しい作品を投入するのでは無く、もっと物語を練った上で上映して欲しいもんだ。 主人公役のKoki,(木村拓哉と工藤静香の娘)はそこそこ演技が出来てたのが救いだが、こんな作品に使うべきじゃなかった気はする。 ところでこの「牛の首」という話は昔小松左京の短編で読んだことがあって、それが元ネタだと思っていたのだが、実は昔からあった小咄の一つだそうだ。 「牛の首という話がある。あまりに恐ろしい話で、聞いた人は怖さのあまりにみんな死んでしまった。そのため誰もこの話が分からない」というもの。怪談話ではなく笑い話である。 |
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樹海村 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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富士山近くの田舎に住む天沢家の二人の姉妹天沢鳴(山口まゆ)と妹・響(山田杏奈)が家の倉庫を整理していた際、誰も見たことのない古びた木の箱が見つかる。心霊現象に詳しく、検証動画サイトも立ち上げていた響は、それが関わった者は死に至り、家系も途絶えてしまうと伝えられる呪いの箱・通称「コトリバコ」ではないかと考える。実は彼女はその前に樹海に住み着いている人々がいるという村“樹海村”の検証動画をあげたばかりで、自分に呪いが降りかかったのでは無いかと恐れていた。そして実際姉妹の周囲で異変が起こり始め、樹海で消息を絶つ者が続出していく。 ヒットした『犬鳴村』にあやかって、シリーズ化を目指したかのような作品。 作品は違うが、設定はかなり似ていて、出ているアイテムに共通するものが多い。例えばそれは動画投稿者が最初に現れ、撮影に向かった先でとんでもないものを映してしまうとか、それをネットチャットで話題にするとか。噂になってる人知らぬ村がそれなりに新聞や過去のテレビなどで有名なことを描くこと。主役キャラの一人が徐々におかしくなっていく展開も同じ。 結果として『犬鳴村』の別バージョンを作っただけになってしまった感じ。二作同じパターン繰り返すと既知感だけしかなくなって飽きた。続編だとしても、もう少し工夫くらいしてほしい。 演出は悪くないんだが、これも新しさはあんまりない。なにより主人公の姉妹役が今ひとつはまらない。怖がってるのがおちゃらけてるように見えてしまっては致命的だ。折角の『犬鳴村』のヒットを悪い意味で塗りつぶした感がある。同じパターンでこれからも続くのか?次に作る作品はもう少しパターンを変えた新しい演出に期待しよう。 |
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犬鳴村 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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霊視が出来る臨床心理士の森田奏(三吉彩花)の周囲で不思議な事件が起こっていく。はじめは動画配信者の突然の失踪だが、そこから連鎖するかのように自殺者や不可解な殺人事件も起こっていく。全てはかつてダムに沈んで、現在心霊スポットとなっている犬鳴村にあると知った森田。だが実は犬鳴村は森田自身に深い関わりがあった。 九州にある有名な心霊スポット犬鳴村をモティーフに取ったホラー(実は全くその事は知らず、今この作品のwikipedia見て知った)で、2019年にスマッシュヒットを放った。 実際全く期待してなかったけど、意外な面白さがあった。 監督の清水崇は『呪怨』によっていわゆるJホラーの代表ともなったが、『呪怨』の面白さは理不尽さにこそあった。そこに足を踏み入れた人を容赦なく悪霊が襲う。そこには因果関係もなく、圧倒的に理不尽な仕打ちを受けるだけ。説明の出来ない恐怖こそが売りの作品だった。 それから約20年。清水監督が完全に新しいホラージャンルを開拓してみせた。 本作は一見単純な怪談話なのだが、敢えて泥臭い怪談話を徹底的に分析して作られている。『呪怨』とは異なり、本作は事象の一つ一つにきちんと説明がつけられ、因果関係がしっかり描かれている。一見理不尽に見える幽霊騒ぎを紐解いていく内に、きちんと理由が分かってくるし、それが主人公の血に関わるものというところで、巻き込まれっぱなしだった主人公の存在意義が出てくる。 言うなれば推理ものとホラーを合わせたものになる。実は多くのホラーと作りは変わっていないのだが、謎解きの部分を丁寧に行うことに力を入れ、更にピンポイントで怖さの演出を取り入れたことできちんとホラーとしても成り立っており、とてもバランスの取れた話になった。 そもそもJホラーは日本古来の怪談からの影響も強かったが、本作をそこを更に強調して、土着の怪談話をJホラーの手法で仕上げたことで、とても新しい感じの話にもなり、新しいタイプの日本のホラー作品と言った雰囲気になった。ちゃんと特徴的だし面白い。 泥臭い怪談とスタイリッシュなJホラーの融合。このパターンの作品はこれから結構作られるようになるんじゃないだろうか? |
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魔女の宅急便 2014 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014ブルーリボン新人賞(小芝風花) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH 2009 | |||||||||||||||||||||||||||
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廃病院を再現した巨大なお化け屋敷が人気を博していた。そんな中、そのお化け屋敷で謎の殺人事件が発生する。ただ一人生き残った青年は、「10年前にここで行方不明になった少女ユキが帰ってきて連れて行った」と語る。しかし、過去の記録にそのような報告は見つからず、捜査陣の混乱は深まっていく。 富士急ハイランドの同名アトラクションとコラボした企画映画。この手の企画作品で碌なものはないと言うのが通説。ただ先行してパイレーツ・オブ・カリビアンのシリーズがあったので、日本でも出来るか?という色気があったのかも知れない。 でも出来たものは今ひとつというか、今二つくらいというか… そもそも清水監督のヒットシリーズとなった呪怨は、「訳が分からないところが面白い」という微妙な立ち位置にある作品なので、そんな監督にタイアップ企画持ち込むことそのものに間違いがあったのでは? 実際この作品、一度通してちゃんと観ているのだが、物語が掴めないままだった。何をやりたいのか、何を言いたいのか、主張が見えない上に、単に暗がりから変なものが出てきているだけでほとんど物語は終わってしまっている。そもそも怖くない。 元々3Dを前提とした作品で、ビデオで観たために真価が分からなかったとも思うのだが、いくら画像に力を入れていても、肝心の物語がこれだけお粗末だと、やっぱり評価は低くなるな。 |
呪怨 パンデミック 2006 | |||||||||||||||||||||||||||
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製作はサム・ライミ。 |
輪廻 2005 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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稀人 2004 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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純粋な恐怖の表情に惹かれるカメラマンの益岡(塚本晋也)はある事件を映した自らの写真を見ている内、恐怖すべき存在を目に焼き付け、自分の眼球を突き刺して自殺した黒木(中原和宏)という男の表情に目をとめる。彼の見たものを自分でも見ることを切望した益岡は、その事件現場である東京の最奥部へと降りていく。途中であったホームレスが恐怖する「デロ」という存在が支配する地下都市へと下降した益岡はそこで黒木の亡霊と出会う。黒木の誘うまま益岡は、そこで鎖につながれた少女を発見するのだった。彼女に「F」と名付け、自分の部屋へと彼女を連れてくる益岡だったが… 複数の監督が同じテーマを映画化した映画番長シリーズの中のホラー番長の一本(他にワラ番長、エロス番長があり。ホラー番長は他に高橋洋の『ソドムの市』、西山洋市の『運命人間』、港博之の『月猫に蜜の弾丸』がある)。俳優としても有名になった塚本晋也を主役に清水監督がメガフォンを取った作品。 もとより私は悪夢を題材にした映画が好きだ。この場合の悪夢とは、文字通り夢を見て、それが悪夢になる場合というのも当然入るが、現実世界にありながら精神的に違う世界に入ってしまうという、いわば白昼夢のような悪夢世界を題材にした作品も大好き。 この手の作品で一番上手い!と言えるのは意外かも知れないが黒澤明。私が黒澤映画を評価するのはそう言う世界をきちんと確立し、しかも水準を超える作品をしっかり作ってくれるからなんだが、その次を挙げろと言われたら、間違いなく塚本晋也を選ぶし、それからちょっと間に何人か入って、間違いなく清水崇監督はその中に挙げられる。 然るに、本作は私が求める二人の監督によって形作られる世界(脚本小中千昭も「ウルトラマン」シリーズでお馴染みだ)。これを評価しないでなんとする。 最新作『ヴィタール』(2004)を観る限り、作り手としての塚本監督は成熟の度合いを増していて、ゴツゴツした所はあんまり感じられなくなっていたが、本作は昔の塚本作品に通じる骨っぽさに溢れていて、私にとっては誠に嬉しい作品に仕上がってくれた。設定やストーリーなど、確かにメチャクチャぶりも感じられるが、それは清水監督自身の作品全体に通して言えることで、むしろ本作はそれをしっかり雰囲気作りに役立てていることが一番重要。 人間が生きるため最も重要な、根源的な欲求は食べることだという。人間の体は栄養を欲し、それを恒常的に与え続ける行為はその存在そのものに対する愛情と言っても良い。性の問題を超越した愛がここには描かれる。そして又愛とは、エゴでもある。何者かの犠牲を強く事によって初めて得られるものとしての愛。Fと主人公益岡との関係は、どれほど歪んだものであっても、愛に他ならない。それは一方的に益岡がFに与えているものだが、与えることによって悦びを得られる愛というのもある。あれは親の愛そのものなのだ。特に自らの血を与えるという行為は、父性よりも母性に近い。自らを傷つけ与えることに彼は無上の悦びを得ていたのだ(事実としてそれが暗示されているのは必要なかった気もするけど)。 益岡は原初の恐怖なるものを求めて地下に潜ったのに、得られたものは愛だった。何とも皮肉な物語ではないだろうか?しかし物語は回帰する。得られた愛はそのまま恐怖へと変わっていくのだ。思うに、益岡はあのままでは本当の恐怖を得られる資格が無かったのだ。彼は愛というものを知って、初めて本物の“原初の恐怖”を知るに至る資格を得られたのかも知れない。 塚本晋也は冴えない(けどアブナイ)中年役が板についてきたが、ヒロイン役宮下ともみはちょっと演技的には今ひとつ。綺麗なんだけど、もっと赤ん坊っぽくガツガツしたギャップを楽しみたかった部分はあり。 色々考えてみると、本作は清水監督にしては大変分かりやすかった物語だったのかも知れない…私の妄想を込みにすれば。 |
THE JUON 呪怨 2004 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2005MTVムービー・アワード恐怖演技賞(ゲラー) 2004ロジャー・エバートワースト第6位 |
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東京の国際大学で福祉を学ぶ留学生のカレン(ゲラー)は授業の一環で郊外のマシュー(メイポーザー)というアメリカ人が借りた一軒家で働くこととなった。マシューの母エマは認知症で、妻のジェニファー(デュヴァル)はすっかり疲れ切っていると言うのだ。同じアメリカ人として呼ばれたカレンだったが、何故かその家には誰もいない。だが… ビデオから始まり、日本で好評を博した呪怨シリーズ。これをライミが製作したハリウッドリメイク作で原題は『THE GRUDGE』。シリーズ全部の監督を取ってる清水監督がここでもメガフォンを取っている。本国アメリカではかなりのヒットを記録(一週目の興行収入は『ラストサムライ』(2003)より高かったとか)。 清水監督もハリウッド用にと言うことで、その意気込みを感じることが出来るし、随分金もかけられているのが分かる。基本的に話そのものはビデオ版『呪怨』および劇場版『呪怨』の本当にリメイクだが、前2作と較べ、随分と分かりやすく出来ている。まあ、二回も既に観ている訳だから、こっちも心構えは出来ているし、自分なりに咀嚼もしているので、分かりやすかったという事はあるだろうけど、時空軸のずらしを最低限に抑えて、物語に一貫性を持たせているのが最大の特徴とは言えるだろう。逆にこれを観ることで、オリジナルの『呪怨』の意味合いが分かった部分もあり。特に主人公をアメリカ人に設定することによってカルチャーギャップを前面に出すことで、逆に日本的な呪いを強調させることに成功している。オリジナル版と較べると、家もいかにもな日本家屋になっているし。この辺もサービスかな? ただ、点数を見れば分かるとおり、前2作よりは評価は落ちる。この作品の魅力の多くは実は“訳の分からなさ”にあったと思うのだが、それを分かりやすくしすぎたからだろう。もしこれを最初に観ていたら、もっと点数は低かったかも知れない。 この辺の分かりやすさというのは、やっぱりこれがアメリカ人好みだからなんだと思う。多分これは日本人とアメリカ人が好む訳の分かりやすさとわかりにくさの兼ね合いに違いがあり、日本なら訳が分からない部分が多い方が受け入れられるけど、アメリカ人好みとするなら、どうしても理解出来る部分を増やす事になるから。その意味ではこれこそハリウッドリメイクの成功作。と言うことも出来るだろう。 本作を観る場合、ビデオ版、映画版を観て予習しておくことをお薦めしておこう。 本作には、かつてハリウッドで修行し、『リング』など、J−ホラーブームの裏方となった美術監督斎藤岩男が、今度はメインスタッフとして参加。ある意味ではこの人もアメリカン・ドリームを果たした人物の一人と言えよう。 |
呪怨2 2003 | |||||||||||||||||||||||||||
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度々ホラー番組の特番に登場し、ホラークィーンの異名を持つようになった女優の原瀬京子(酒井法子)は、婚約者とドライブ中に、真っ白い子供を目撃。事故にあってしまう。一命はとりとめたものの、彼女は流産してしまい、婚約者は意識が戻らない。しかし後日、何故か子供は順調に育っているという検査結果が出るのだった。その頃から彼女の回りには忌まわしい事件が次々と起こっていく… 劇場版呪怨の続編。撮影中に急遽続編の制作が決定したため、清水監督はほぼ同時に両作を作り上げてしまったという。 前作で呪われた家にまつわる悲劇を描いたが、今度は多少その家は出るものの、全く違ったシチュエーションで起こる、加椰子と俊雄の恐怖が描かれる。家から飛び出した二人の奇行は留まることを知らず。しかし、相変わらず不条理に、そしてストーリーもなく進展していく。 確かに怖いと言えば怖い作品なんだが、1作目と較べるとどうだろう?やはりテンションはやや落ち込んでるか?しかも今度は割合主人公の背景がしっかりしてる分、ストーリー無しだと、観ていてきつい。それにややパターン化してしまったためか、出てくるタイミングが分かってしまったのはちょっとまずかったんじゃないかな?そうでなくてもオリジナルが異色作なんだから、それをただ継承するのではなく、パターンをどこかで突き崩す必要があったのでは? でも、怖かったのは事実だし、ホラーとしては充分。特に俊雄の首がころんと転がるところとか、本当にどきっとした。 |
呪怨 2002 | |||||||||||||||||||||||||||
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介護ボランティアの仁科理佳(奥菜恵)は、寝たきりの徳永幸枝の介護のため、その家を訪れた。しかし、彼女の見たものは?一体この家に何が起こっているのか?家族は何処に?そしてその家に出没する不気味な男の子と女性とは… カルトビデオと化し、大人気を呼んだオリジナルビデオ『呪怨』及び『呪怨2』を監督した清水崇監督が劇場用に本作をリメイクした作品。後にハリウッドリメイクも控える。 元々のビデオ版『呪怨』は、訳が分からないけど、なんだか妙に怖いことで人気を呼んだが、本作は割と忠実なリメイクとなっているのが特徴。勿論設定上、色々と違いはあるものの、時空列を分解し、一体今自分はどの時間のシーンを観ているのかという疑問を持ちつつ、画面に演出される怖さにはまっていれば良し。 本作の“怖さ”というのは、他のホラーと較べても、かなり異質なものだと思える。家を舞台として、恐怖を演出する作品というのは“館もの”ホラーとして定番ではあるものの、通常その手の作品は、恐怖のテンションが高まる過程を楽しむもの。それに対し、本作は最初っから出し惜しみ無し。しかも恐怖のテンションが全く下がらないのが凄いところだ。次に何が来るのか、展開がまるで読めず、やっと今観てる画面のつながりが分かったと思った途端、又別の話が始まる…実際の話、ストーリーは最初から破綻してるのだ。しかし、その破綻ぶりが逆に恐怖を呼んでるのが大変面白い。 それと、本作を演出するのに面白いのが色の使い方だった。ホラーの多くは闇を演出するために黒と、血を示す赤が兎角多く用いられるものだが、本作は赤が極端なほどに少なく、その代わり、白が出てくる。それは加椰子や俊雄の白塗りの顔であったり、妙に白々しい新しい家の雰囲気であったり、シーツの白さだったりする。改めて思うに、監督の色遣いの巧さは確かに凄いと思える。 本作は非常に面白い作品であったのは事実。しかし、一方では、これは「恐怖に理屈はいらない」という事を極端に推し進めた極北の作品が作られてしまった訳で、これを目指す作家が出ないことを願いたい。こんなもの作るのは清水監督一人で充分。 助監督に安達正軌。 |
呪怨2 2000 | |||||||||||||||||||||||||||
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呪怨2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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あの惨劇から数ヶ月。あの事件のあった建て売り住宅は格安で売られていた。だが、呪いは決して終わったわけではなかった。いや、それどころか、呪いの連鎖はますます広がり、住宅に関わった人間の身の回りにも襲いかかってきたのだ。郊外の古びた家に、マンションに、そして学校へと… 大ヒットした前作を受け、清水監督が再びメガホンを取った『呪怨』続編。前作から数ヶ月後と言う設定で、キャラクターも限定されているが、逆に空間的には広がっている。ラストの学校での事件は凄く怖い。 ただ、前作で面白い試みだった時間軸をずらした形式ではなく、あくまで個人に、しかも時間に沿って物語は進行していくため、ややすっきりしすぎと言う感じ。前作のあの感覚的に変にゴツゴツした部分が好きだったので、ちょっと残念。 この作品もやはり因果と言う点では前作同様全然描かれていない。どうせ二作目を、それにキャラクターを掘り下げるんだったら、解決編みたいな位置づけにすれば良かったのに…それともまだ続編が出るのかな?シリーズ化するような作品にはあんまり思えないけど。 |
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呪怨 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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一軒の建て売り住宅を舞台に、呪いの連鎖が始まる。一人の少女の想いが重複し、その家を蝕んでいく。そしてその家を訪れる者、その家に関係する者全てを… ビデオ映画として低予算で作られた作品なのだが、そのあまりの怖さに口コミで評判を呼んで、続編も作られた作品(劇場版リメイクも進行中だとか)。確かに「怖さ」の演出についてはよく分かってる。と言う感じか。オムニバス作品なのだが、時間軸をずらし、全ての物語が最終的に一本の物語として完結すると言うケレン味は、まさしく私の好みだ。ビデオだから出来た実験的映画だな(あ、タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994)があったか)。 恐がりのくせにホラー好きな私だが、ショックシーン連発よりは、じわーっと来る恐怖心を演出する作品の方が好き。そう言う意味で『リング』(1998)以降の和製ホラーは(少なくとも私にとっては)非常に質の良い作品が出てきている。これもその中での良質作品だと言える。 オムニバス形式で一本の長さが10分ちょっとと言う程度なのに、程良く計算された演出で、それぞれに怖さがあり、画面から目が離せなくなる。 本作を特徴づけているのは、物語そのものは添え物に過ぎず、あくまで恐怖演出を主眼としていることいくつもの恐怖映像をちょっとした関連で連続してみせるのは、まさにビデオ的な手法で、それが上手く機能した作品といえるだろう。 ただ一点難を言わせてもらうと、あんまり必要ではないかも知れないけど、因果をもうちょっとはっきりさせてほしかった感じ。これはホラーに限らないのだが、何故こうなったのか。こうならねばならなかったのか。と言うのが、脚本的には大切なんじゃないかな?被害者側にもう少し被害を受ける意味合いがあればぐっと見応えは増したと思う。あれじゃ、単に“その家に関わってしまったから”と言う以上の意味がない。それこそ行きずりであっても、関わってしまったら殺されてしまうんじゃ、ちょっと救われないかな。 ところで変なところだが、あのスプラッタお父さんが松山鷹志(いわゆる「押井組」と呼ばれるメインキャストの一人)であることが分かって、変に嬉しくなったのは…私くらいか?(笑) |
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