クワイエットルームにようこそ |
2007ヨコハマ映画祭次点 |
|
松尾スズキ(脚)
内田有紀
宮藤官九郎
蒼井優
りょう
中村優子
高橋真唯
馬渕英俚可
筒井真理子
宍戸美和公
平岩紙
塚本晋也
平田満
徳井優
峯村リエ
武沢宏
箕輪はるか
近藤春菜
庵野秀明
河井克夫
俵万智
しりあがり寿
川勝正幸
しまおまほ
妻夫木聡
大竹しのぶ |
|
★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
3 |
5 |
4 |
|
28歳のバツイチフリーライター佐倉明日香(内田有紀)が目覚めると、そこは見知らぬ白い部屋。しかも自らはベッドに拘束されていた。実はそこは精神科の女子閉鎖病棟“通称クワイエットルーム”と呼ばれる保護室だった。行き詰まっていた彼女は、薬とアルコールの過剰摂取で昏睡状態となり、ここに運ばれて来たのだった。自殺の危険性ありと判断された明日香は、そのままこの病棟で監禁状態に置かれることに…
マルチクリエイター松尾スズキが、芥川賞候補ともなった自らの小説を自ら映画化。
松尾スズキは実は結構好きなクリエイターで、ブログとかも読ませてもらっているが、その監督第一作目『恋の門』は話がとんがりすぎていて、どこかでボタン掛け違えてんじゃないの?という感じだった。それに対し、本作はぐっと落ち着いて、しかもかなりアブナイ系のネタをさらりと描けるようになっている。まずはこれが監督第一作目にならなかったのが良かった。これが一作目だったら、ここまでこなれた演出にはならなかっただろうから。
本作ではコメディ化して軽く流されているが、実は薬物過剰摂取や自殺願望者の心理、閉鎖病棟のあり方という、映画になりにくい素材に対し、本当に真っ正面から取り組んだ作品でもある。これらはネタとして危なすぎることと、作るとなると茶化してはいけないと身構えるために真面目なものになってしまうために映画にはしにくい題材だから。
コメディ色を強め、多少誇張はあるにせよ、その辺正面から捉えている作りは、端で考えるよりもずっと真摯な取り組み方だと思う。全般的にコミカルな雰囲気作りをしているのも、あまり深く考えずに済ませるのには良く機能してる。
ただ、本作でちょっと困ったのが、『恋の門』同様、ジャンル分けが出来ないと言う点だろう。全般的に観るとシュールなコメディとも思えるのだが、主人公の明日香が何故こんな所に入る事になったのか。徐々に明かされていく謎。と言う意味ではサスペンス調でもある。更に入所者一人一人の過去を彼女ら自身に語らせているので、人間ドラマ的な要素もあり、要するにこの時間内で終わらせるにはちょっと詰めすぎの感が強いと言うこと。しかも雰囲気はのんびり流れていくので、取りこぼしがとても多い。最後になっても矛盾や設定部分で語られてない部分が多すぎて、ちょっと中途半端な印象を持つと言うことだろうか。映画と小説は違うので、もうちょっとスリム化させても良かったんじゃないかな?最後にすっきりさせて終わらせてもらいたかった。
松尾監督は太い人脈を持つだけに、本作に登場するキャラはとにかく豪華。特にクリエイターと呼ばれる人達が多数登場してるので、「あれ?この人が?」と思わせてくれるのも楽しみの一つ。意外なところで妻夫木聡が出てきたのには笑った。 |
製作年 |
2007 |
製作会社 |
|
ジャンル |
|
売り上げ |
|
原作 |
|
歴史地域 |
|
関連 |
|
|