安寿と厨子王丸 |
|
|
芹川有吾(共)
大川博(製)
田中澄江(脚)
佐久間良子
住田知仁
北大路欣也
宇佐美淳也
山田五十鈴
東野英治郎
平幹二朗
水木襄
山村聡
松島トモ子
三島雅夫
花沢徳衛
利根はる恵
富田仲次郎
永田靖
清村耕次
潮健児
織田政雄
明石潮
新井茂子
森弦太郎
増田順司
武藤礼子
大平透 |
|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
4 |
3 |
3 |
|
奥羽の国府岩城正氏は公明正大で知られた判官だったが、それが逆に窮屈になってしまった上司の鬼倉陸奥守は帝の森で起きた火事を岩城の責任にして都に追い払ってしまう。妻の八汐は幼い姉弟安寿と厨子王丸と動物たちを連れて嘆願のために都へと向かう。しかしその途上で人買いの罠に落ち、母と菊乃、安寿と厨子王丸は生き別れにされてしまう。母は佐渡へ連れて行かれ、姉弟は由良の長者・山椒大夫の元へ売られてしまう。そこで奴隷の暮らしを強いられた姉弟だが、山椒大夫の息子の三郎の助けもあって、二人はそこで成長していった。だが三郎と安寿が恋仲になってしまったことから、山椒大夫の怒りを買ってしまう。逃げられないと悟った安寿は入水し、その魂は白鳥の姿となり、厨子王丸を導く。
東映動画第4作。今回は古典芸能「さんせう太夫」。そしてその翻案である森鴎外の「山椒大夫」をベースにした作品となっている。有名な話なので、見ている人の大部分はこの作品がどのようなものだか良く知っているはずである。
それはつまり本作の悲劇的なラストを知っているという事。それでそれを知って尚本作を見に行くのかどうかが少々問題になる。アニメと言えばこども向きだが、子どもがワクワクするような内容というのが結構重要なはずだが、これでワクワクするのは無理ってもんだ。
では何故このようなものを作ったのかと考えると、東映は本作で学校の教材にも耐えうるものを作りたかったのかも知れない。単純に劇場で楽しむだけで無く、学校に貸し出し、定期的に観てもらえるような教材を作ることで、コンスタントに儲けが出る構図を作ってみようとしたのかも知れない。勝手な妄想だが。
重めに作られた演出は、確かに見応えがあるが、本音を言えば快楽とはほど遠い。アニメはもっとワクワクさせてくれるようなものであってほしかった。出来は良いけどあんまり何度も観ようと思うものでは無い。事実興行成績はかなり悪かったらしい。
尚、本作の制作現場はかなり厳しかったようで、林重行(後のりんたろう)をはじめとして本作で東映に見切りを付け、手塚プロに移った人たちも結構いたそうだ。 |
|