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ウルトラマンX

ウルトラマンX事典
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 2015'7'14〜12'22

 「新ウルトラマン列伝」内で放映された新しいウルトラマンの活躍を描く。
 これまでのウルトラマンと異なり、Xはエクスデバイサーの中におり、それを解放することで実体化するということで、変身ではなく、主人公大空大地は実体化後のXに取り込まれるが、自我を持っている。変身前と変身後常にバディ関係にあり、お互いに助言し合って怪獣と戦うと言うのが特徴。又、前作「ウルトラマンギンガ」と同様スパークドールズが登場。サイバーカード状態にしてその力を発動させるようになった。Xが使用すると、それぞれのサイバーカードに応じた装甲を身につけるようになった。

主な登場人物
大空大地 (役)高橋健介。
 ウルトラマンXとユナイトする青年。Xioのセクション・ラボチームの研究員だが、戦闘員としての実務も担当することも多い。15年前のウルトラフレアの際、両親と離ればなれになっており、その際手にしていたゴモラのスパークドールを大切に持っている。
ウルトラマンX (声)中村悠一。アニメでは旬の声優で多数の声を当てている。特撮では「海賊戦隊ゴーカイジャー」のデラツェーガー、「特命戦隊ゴーバスターズ」ビート・J・スタッグなど。
 かつてウルトラフレアから地球を守ったウルトラマン。その際肉体を失ってしまい、データ生命体と化している。大地に引き寄せられてその命を救い、その後共に戦う事になる。変身者と人格が違い、常に会話しながら戦う初のウルトラマンとなる。
神木正太郎 (役)神尾佑。多くのドラマでバイプレイヤーとして活躍中。
 Xio日本支部特捜班隊長。敵を倒すのではなく敵を理解するという信念を持つ、頼れる隊長と言った感じ。常にXioの制服を着用しているが、宇宙人の取り調べの際はスーツに着替えていた。過去怪獣によって妻を失っており、娘とも疎遠状態。
山瀬アスナ (役)坂ノ上茜。
 Xioの一員で大地とはバディ関係。基本的に自分にも他者にも厳しく大地を引っ張るが、私生活は女の子らしい。おしゃれをすることが趣味。
風間ワタル (役)細田善彦。
 Xio実行部隊の一員。射撃の名手で、抜群の反射神経も持つ。貴島ハヤトとは同期でライバル関係。
貴島ハヤト (役)松本享恭。「仮面ライダーエグゼイド」花家大我役。
 Xio隊員。パイロットとしての腕は一流。風間ワタルと同期で、何かとライバル意識を燃やす。
三日月マモル (役)原田隼人。
 Xioのラボに所属する科学者。まだ若いが、グルマン博士の助手として見事に研究成果を上げている。
高田ルイ (役)百川晴香。
 Xioラボチームの女性。まだ18歳ながら、天才的な兵器開発の才能を持つ。怪獣に対する偏愛度が高いが、命を救われたウルトラマンゼロを崇拝に近い愛情を捧げている。
山岸タケル (役)TAKERU。歌手、声優、ローカルタレント。「ウルトラマンギンガ」ではタケルという名前で出演してる。
 Xioオペレーター。職務に忠実で、毎日ボイストレーニングをしているらしい。松戸チアキとはボイストレーニング仲間。
松戸チアキ (役)瀬下千晶。音楽ユニットvoyagerメンバー。
 Xio特捜班オペレーター。山岸タケルとはボイストレーニング仲間。
橘 さゆり (役)月船さらら。元宝塚歌劇団月組の男役。
 Xio日本支部特捜班副隊長。怪獣災害に対しては人命救助を第一とし、怪獣撃滅もやむなしという考えを持つ。20話でデュナミストに選ばれ、ウルトラマンネクサスへと変身したが、後にその力はいずこへか去って行った。
神木 正太郎 (役)神尾佑。ヴェテラン俳優。
 Xio日本支部特捜班隊長。敵を倒すのではなく敵を理解するという信念を持つ、頼れる隊長と言った感じ。常にXioの制服を着用しているが、宇宙人の取り調べの際はスーツに着替えていた。過去怪獣によって妻を失っており、娘とも疎遠状態となっている。
ファントン星人グルマン (声)松本保典。ヴェテラン声優だが、特撮の声を当てるのは2010年代になってから。本作ではナレーションも担当。
 Xioの科学者のファントン星人。スパークドールズの一体だったが、活性化して自身の姿を取り戻した後、UNVERに協力し、Xioの科学者職員としての地位を得ている。Xioのメカニックの大部分の設計者でもある。非常に食いしん坊で、人間の食べ物であれば、どんなものでも食べる。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 星空の声

  監督: 田口清隆
  脚本: 小林雄次
 太陽の異常爆発“ウルトラ・フレア”が生じ、地上に眠っていたスパークドールズ達が目覚めてしまった。世界各国で怪獣対策のためにXio(ジオ)が結成された。それから15年後。Xioに属する大地隊員はサイバー怪獣の実験を行っていたが、怪獣が現れ暴れ出した。
 敵は熔鉄怪獣デマーガ。体の大部分が溶けた鉄で出来ている怪獣。体自体がひどい高温で、炎を吐く。八世紀の歴史書「日本太平風土記」にも鉄の魔獣「天目亜牙」として記述されている。
 これまでのシリーズを踏襲した、非常にオーソドックスなスタイルの物語展開となった。地球を守る隊員が光と一体化してウルトラマンになるというパターン。捻らずに作ったのは実に好感度高い。
 この世界は「ウルトラマンギンガ」同様スパークドールズがいる世界だが、人々がウルトラマンのことを知らないので、別な世界と思われる。
 特撮の撮影に関しては、オーソドックスでありながらカメラアングルの凝り方など、かなり新機軸が出ており、更に着ぐるみのこだわりとかもあって、1話目からしっかり見せてくれる。まさに、「これぞ特撮!」を堪能できる出来。
 ラストシーン、大地が「おーい、おーい」と手を振りながらやってきて、「助けてくれたんだ。あの巨人が」と言う辺り、分かってらっしゃるな。
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ペギラ 画像 <A> <楽>
第2話 可能性のかたまり

  監督: 田口清隆
  脚本: 小林弘利
 大熊山から産卵を控えた怪獣バードンが出現した。その巣には民間人が閉じ込められていることが分かり、Xio隊員は救出作戦を敢行する。だが作戦によって巣から引き離されたバードンが大暴れしてしまい…
 敵は巨大怪鳥バードン。地下に潜って生活していたが、産卵のために地上に出てきた。嘴には猛毒がある。
 1話目がオリジナル怪獣だったが、ここからはこれまでに登場した怪獣が出てくるようになった。今回登場したバードンは卵を産むために地上に出てきたため、別段地上への攻撃の意思はなく、Xioの任務目的は、いかに人的被害無く、対処するかとなっている。これこそ本来防衛隊がなすべき任務であり、リアリティある設定で実によろしい。駆除してもスパークドールズに戻るだけというのはちょっと欺瞞っぽいけど、現代なりの配慮かな?
 2話になり、今度はXioの組織やその姿勢などが細かく描かれる事になる。神木隊長による正義のあり方は一聴の価値あり。
 そしてウルトラマンXは大地本人では無く、大地の持つデバイスの中にいるということが分かった。大地とは別人格なので、デバイスを通じて普通に会話してるのが新しい。変身後もか言わしながら戦ってるけど、これも新鮮だ。
 サイバー怪獣と合体することでウルトラマンも形態を変える。これは「ウルトラマンギンガ」のビクトリーと同じだが、ゴモラの場合は武器では無く装甲のため、全身の姿が変わっている。
第3話 夜を呼ぶ歌

  監督: 田口清隆
  脚本: 中野貴雄
 局地的自身の調査に向かった大地とアスナ。その途上、大地は怪しげな女性を目撃し、彼女に呼ばれるかのように地中から怪獣が現れるのだった。
 敵は地底怪獣テレスドン。地底女に操られて現れた怪獣。前進を回転させて突進する技も使えるようになった。そして地底女。
 「ウルトラマン」に現れたテレスドンが登場。設定をきちんとオリジナルのものにしているのがなかなか好感度高い。何よりテレスドンの生態が、太陽光線に弱く、音波によって操られるという設定をちゃんと活かしてる。
 そして大地とXio隊員のアスナとの交流を描くのも目的。特におしゃれに関しては一言持ちのアスナがどうしてこうなったのかなど、細かいこだわりが見える。一方Xと大地のバディっぷりも少しずつ様になってきてる感じ。これまでのウルトラマント較べ、Xは幼い感じがするので、それがバディっぽくなってる。
 今回Xはエレキングアーマーを纏っている。
 地底女役は佐伯日菜子だった。この起用はよく分かってらっしゃる。最初から最後までサングラス姿だったけど。
 ちなみにファントン星人は一日13回食事をし、その度ごとに食休みをするのだとか…一体いつ働いてるんだ?
<地底女が街中で叫んだ時、ビルに鞍馬天狗らしいものが映っていたが、これはこの作品のために作ったのか?
 サイバーエレキングをリードさせる際、Xの一言。「私にも心の準備が」…いや、深くは考えまい。>
第4話 オール・フォー・ワン

  監督:坂本浩一
  脚本:黒沢久子
 ザラブ星人による破壊活動が起こっていた。それを受けて出撃するXio。だがザラブ星人が連れてきたベムスターにウルトラマンXが吸い込まれてしまう。
 敵は凶悪宇宙人ザラブ星人。いつもの変身能力は使わず、ベムスターを使って地球を支配しようと試みる。そして宇宙大怪獣ベムスター。あらゆるエネルギーを腹部から吸収する怪獣。ザラブ星人に使役されている。
 ザラブ星人とベムスターという、今まで無かった宇宙人+怪獣の組み合わせが見られる。宇宙人が怪獣を使役する主従関係にあるのは昔からだが、「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」以来それが顕著になった気がする。
 Xioの内部の人間関係も分かってきた。ワタル隊員とハヤト隊員が良い意味でも悪い意味でもライバル意識が強く、その確執を乗り越えるというのがメインの話になっている。
 一方、大地の方も、実は大分前からXとは関わりを持っていたことが分かってくる。大地の両親が消えたのはウルトラフレアのため。そしてそのウルトラフレアを心ならずも作ってしまった張本人がXであるということだが。
 ウルトラマンはたった一人で戦っているのではない。地球の仲間たちとの連携によって更に強くなるというのが最近のウルトラマンの流れだが、それをXioの仲間の絆と連携したのが上手い。
<月での戦いがこのところのウルトラマンでは多いけど、重力の問題はやっぱり解消されてないな。
 この話の問題点は、ザラブ星人が一体何をしたかったのか、全く分からなかったと言う点だな。>
第5話 イージス 光る時

  監督:坂本浩一
  脚本:中野貴雄
 突如現れた怪獣ブラックキングと戦うXioと、大地が変身したウルトラマンX。だが戦っている間にナックル星人バンデロが現れ、Xioの保有するスパークドールズを強奪してしまう。そしてバンデロを追って新たなウルトラマンが…
 敵は暗殺宇宙人ナックル星人バンデロ用心棒怪獣ブラックキング。バンデロは武器商人で、優れた武器を探して地球に来て、スパークドールズを強奪する。ブラックキングはナックル星人バンデロに従う怪獣で、一度Xに角をたたき折られた後、角を強化して再登場。
 本作では初めて他のウルトラマンが登場する話で、ウルトラマンゼロの客演となる。やっぱり前のヒーローが現れると燃える。
 物語そのものはXioの兵器担当の高田ルイが中心。普通の女の子っぽいところと、かなりイカれた部分が共存してるのが良い。上司のグルマン共々良い具合にマッドが入ってるのが素晴らしい。
 Xがブラックキングと巨大化したナックル星人に両面からいたぶられる姿はそのまま「帰ってきたウルトラマン」のシーンに準じており、よく読み込んでいることが分かる。
 超時空理論をグルマンに教わるシーンがあるけど、これがちゃんと物語の伏線になってるのも昭和特撮の良い部分(特に「帰ってきたウルトラマン」)を意識していて実によろしい。そしてどうやらそのグルマンはウルトラマンXは大地が変身してることをいち早く知っているっぽい描写もあり。
 ゼロが必殺技を叫ぶようになった。前からも何度かあったけど、これだけ顕著になったのは、多分本作の昭和テイストに合わせてのこと(でも実際に叫んでるのはウルトラマンタロウ以降だが)。
<声優つながりだからなんだけど、Xの声の中村悠一とゼロの声の宮野真守が一緒は「機動戦士ガンダムOO」の敵味方…それより「ガンダム」と「マクロス」の主役キャラの共演と言うべきか…
 バンデロが岩を持ってXに殴りかかるシーンがある。卑怯さを演出するためだろうけど、データ上では素手の方が固いはず。
 バンデロは自分の事を「バンデロス」と言ってるシーンがあった。アントニオ・バンデラス気取り?そう言えばなんとなく『デスペラート』っぽい演出もあるな。
 正統派ヒーローであるXと並ぶことで、ゼロはムードメーカー的なボケツッコミ役に。いつものグレンファイヤーの立ち位置にあるっぽいな。>
第6話 星の記憶を持つ男

  監督:辻本貴則
  脚本:小林弘利
 突如怪獣ルディアンを操る青年テルが現れた。彼には悪意がないことを知った大地はウルトラマンXとユナイトしてルディアンを止め、テルはXioによって保護されるのだが…
 敵はメカ守護獣ルディアン。かつてゴールド星人が地球に送り込んだスパークドールズで、ゴールド星人テルによって起動される。操縦型のロボットだが、搭乗人物を守るため単独でも行動が出来る。ウルトラマンXと戦ったが、ゴールド星人テルの誤解が解け、後に共闘することになる。そして石化魔獣ガーゴルゴン。惑星ゴールドのエネルギーを狙う宇宙怪獣。地球にいたルディアンのエネルギーを狙って地球へとやってくる。石化光線を出す。
 今回は前後編の物語で新しい怪獣が二体登場の豪華版。物語としては、悪意を持たない宇宙人との交流がメイン。宇宙人は忌むべき存在とする人間による差別の心なども描きつつ、心のつながりとは何か?ということを突っ込んで描いた話になった。
 話としてはちょっと詰めすぎた感があるが、よくこんな時間にこれだけの物語を詰めたと感心出来る。
<宇宙人だと確認した上でいじめを行う高校生らしき青年達。ここまで日本人は危機意識がなくなったのか。というか、そう考えてたら怖いぞ。>
第7話 星を越えた誓い

  監督:辻本貴則
  脚本:小林雄次
 魔獣ガーゴルゴンに立ち向かうテルのルディアンとウルトラマンX。だがガーゴルゴンの石化光線によって石にされてしまう。ガーゴルゴンは地球に対し人類の降伏とテルの引き渡しを要求する。
 敵は石化魔獣ガーゴルゴン。その狙いはルディアンの内部にあるエネルギーで、そのためにルディアンの引渡を人類に要求する。エネルギーを吸い尽くされた存在は石になってしまう。
 異世界の友人に対し、共同して怪獣に当たるという燃える展開の話だが、地球人にとって、ウルトラマンXは既に自分たちの仲間という認識でいるということがはっきりとした。
 今回のXはサイバーベムスターのアーマーを纏う。盾を使うことで、敵の攻撃を吸収し、そのままはじき返す事が出来る。
 特撮としてはピンポイントのCG合成が上手くはまり、実際に巨大怪獣の足下で活動しているかのように見せる見せ方が上手い。
 最後のXの背後に映る夕陽も「帰ってきたウルトラマン」っぽくてよろしい。
<ガーゴルゴンによって大地が石化するのだが、直前まで叫んでいたのに、石になったら口を結んでいた。
 復活した大地が「いくぞX。ユナイトだ」と叫んでいるが、今まさにユナイト状態じゃないか…と思ったら、Xからツッコミ入れられてた。>
出会い そして仲間たち  総集編。
第8話 狙われたX

  監督:アベユーイチ
  脚本:林壮太郎
 強力な怪獣ゼットンと戦うウルトラマンX。だがゼットンの張るバリアーはどんな攻撃をもはじき返してしまう。絶体絶命の危機に陥ったXだが、何故かゼットンはとどめを刺すことなく消えてしまう。ゼットンに対抗する手段を考えるXioだが…
 敵は宇宙恐竜ゼットン。スラン星人クワイラのスパークドールズで、ウルトラマンマックスをおびき寄せるための餌として使用された。非常に強力な怪獣。そして高速宇宙人スラン星人クワイラ。ウルトラマンマックスを捕獲するためにこの世界のウルトラマンXを利用しようとした。トウマ・カイトの姿でゼットンアーマーの開発に協力する。
 今回もゲスト回。なんと「ウルトラマンマックス」のトウマ・カイトが登場。そう言えば「マックス」でもゼットン出てたな。これは別世界の話のはずだが、これは多次元世界の話なので、これはこれで良いのかな?
 “最速のウルトラマン”の異名を持つウルトラマンマックスも登場。その名に恥じぬ高速の戦いを見せており、マックスギャラクシーも使っている。
 ただ、ゼットンの出現は全てマックスを呼び寄せるための罠。ゼットンアーマーを付けたウルトラマンXまでもがスラン星人の言いなりになってしまった。
 2話使っても良いくらいの密度のある話だった。
第9話 われら星雲!

  監督:アベユーイチ
  脚本:中野貴雄
 ラグビーに青春をかけるワタルの弟イサムが借りたシェアハウスの住民はなんと宇宙人たちだった。彼らが地球で静かに暮らそうとしていることを知ったイサムも彼らを受け入れていった。だが彼らを敵視する宇宙人達がやってきて…
 敵はババルウ星人ゼットン星人ダダケムール人。先に地球に来ていたバルキー星人イカルス星人ナックル星人とラグビー対決をすることになる。試合に負けた腹いせに巨大化して暴れ回った。
 ラグビーボールのワールドシリーズに合わせ、「ウルトラマンギンガ」に登場した宇宙人達が大挙して登場する話となった。あの作品の中ではギンガの敵ではあったものの、いつの間にかUPGの隊員になってたという経緯があり、憎めない奴らだった。それを味方に、何故かラグビー対決をするという、妙な展開を見せている。出てくる宇宙人がみんな濃すぎるため、Xioの面々およびウルトラマンXが完全に食われてしまってた。そのラグビーも特殊能力全開で、変身あり、テレポートあり、殴り合いありで、何が何だか。すげえ楽しいじゃなイカ。
 ただ殺し合いをするのではなく、ルールの下で戦うと言うのも面白い話になってる。展開としては、なんだか『少林サッカー』を彷彿とさせるけど。
 星雲荘の住民達の人間態は声を当ててた人たち本人。不思議な感覚だ。関智一本人の姿なんて、「ボイスラッガー」以来かな?ますます恰幅良くなってきた。
<確かに「ウルトラマンギンガ」に出てきたナックル星人はオネエキャラだったが、ここでもやっぱりオネエ。なんか民族的にそういう傾向があるのか?
 しかし、ケムール人とゼットン星人を一緒に出すとは、なんとも妙な展開だ。
 そう言えば「ウルトラマンギンガ」に出てたアクマニア星人が出てこないと思ったら、ラグビーの審判してた。>
第10話 怪獣は動かない

  監督:冨田 卓
  脚本:柳井祥緒
 坂根村に現れた植物の特長を持つ怪獣ホオリンガが弱っていることを知ったXioは治療弾を使用する。だが元気になったホオリンガは体組織を活性化させ、付近の村々をその根で覆ってしまう。
 敵は不動怪獣ホオリンガ。植物の特徴を持つ怪獣で、突然地中から山間の村に現れた。本来体の栄養を全て周囲に与えた上で自ら硬質化し、山になるのが目的だったが、Xioによって栄養剤を撃ち込まれたために体が活性化してしまい、暴れ回った。
 おとなしい怪獣を村おこしに使おうとする人間のエゴと、実際に凶暴化してしまった怪獣のギャップが描かれる。このネタ、特撮関連では記憶は無いけど、アニメ版「パトレイバー」でやってた。全く敵意のない怪獣を刺激することで危機を迎えるというパターンは「ウルトラマンマックス」15話のイフと同じ。全般的にハートフルな物語に仕上げられた。
<グルマンによれば、地球人に一番効く攻撃とは、花粉だとのこと。まあ間違ってはいないか。
 ホオリンガは昔から地球に住んでいたそうだが、スパークドールズにはなってなかったんだよな。スパークドールズって一体どんなパターンでなるんだろう?>
第11話 未知なる友人

  監督:冨田 卓
  脚本:小林雄次
 大地の持つゴモラのスパークドールをサイバー怪獣として実体化させる実験が行われた。父の形見だけに並々ならぬ執念を持つ大地だが、どうしてもうまく実体化してくれなかった。
 敵は宇宙ロボットキングジョー。ペダニウム合金によって守られた宇宙から来たロボット怪獣。Xの技を解析しており、その技は全く通用しなかった。実体化したサイバーゴモラのデータは持っていなかったため、Xとゴモラの両面攻撃で倒される。
 サイバーゴモラを実体化させようとする努力が描かれていく。「大怪獣バトル」以降ゴモラは怪獣の中では特別な位置にいるらしく、何かと人類の味方として登場することが多い。怪獣の実体化というと「ウルトラマンメビウス」に登場したマケット怪獣っぽいが、姿がえらくメカニックになってるのが特徴か。
 ゴモラとの心の交流というのが主軸になるが、怪獣と人間が心でつながるってこと自体に無理がある脚本の気もせんではない。そもそも実験では一度も成功しなかったのが実戦で一発で成功ってパターン、出し尽くされてるからなあ。
<今回大地がXとユナイトするシーンだが、仲間から身を隠す動作がなく堂々とやってる。まさかとは思うが、その場で変身してなかろうな?
 ところでXの危機に合わせてサイバーゴモラが実体化したわけだが、サイバーゴモラのデータそのものは大地が持ってるわけだから、地とXの関連性に気づくだろ?>
第12話 虹の行く先

  監督:坂本浩一
  脚本:内田裕基
 スパークドールから実体化した怪獣デマーガが宇宙から降り注いだ謎のエネルギーを浴びてツルギデマーガへとパワーアップした。戦うウルトラマンXだが、エネルギーの余波を浴びてユナイトが継続できず、姿を消してしまう。Xを探すため、危険な電脳空間へとダイブする大地だが…
 敵は熔鉄怪獣ツルギデマーガ。第1話に出てきたデマーガの同型種で、宇宙からのエネルギーを受けてパワーアップした。そして変身怪獣ザラガス。X不在の地球を襲うが、サイバーゴモラによって撃退される。
 これまで軽快に続いてきた物語だが、ここで大ピンチを迎える。未知のエネルギーによって体を維持できなくなったウルトラマンXが消えるという展開。パターンで言えば、これはパワーアップの伏線となるものだが、どうもそのパターンそのものだったらしい。新しいアイテムを手に入れてエクシードXとなった。折角ならもう一話くらい使って欲しかったけど。
 今回登場した謎の女性はギナ・スペクターという。「ウルトラマンビクトリー」でジュダ・スペクターが登場したが、どちらも「アンドロメロス」から登場。だとすると、当然モルド・スペクターも登場するんだろうな。ちなみにギナ役は「仮面ライダー鎧武」仮面ライダーマリカ役の佃井皆美。おかっぱ役が妙に似合う。
<ウルトラマンXを探すため電脳世界に行くことをグルマン博士に提案する大地。Xがどこにいるのかもきちんと把握してるのだが、最早自分とXとの関係を隠す気も無いらしい。
 ツルギデマーガと戦うスカイマスケッティが空中でいきなり停止して回頭してるシーンがある。慣性の法則は?
 戦えば戦うほどパワーアップするというザラガスがあっという間に倒されてしまうのもちょっと寂しい。
 より深くつながることが出来るというXの言葉を受けて大地が言った言葉は「お前を離さない」だった。以上。>
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第13話 勝利への剣

  監督:坂本浩一
  脚本:三好昭央
 次元の向こうからやってきた男はウルトラマンビクトリー=ショウだった。彼によれば、ギナ・スペクターとモルド・スペクターがこの次元で暗躍を始めたという。そしてそのためには大地は新しい力エクシードXのパワーを使いこなさねばならないと言うのだった。
 敵は幻影宇宙大王モルド・スペクター。ジュダ・スペクターの兄。妹のギナ・スペクターと共に全次元の宇宙を手に入れようとしている。そしてサーベル暴君マグマ星人暗黒星人シャプレー星人が登場している。尚、マグマ星人に関しては「アンドロメロス」で3兄弟が登場していた。
 ゲストのウルトラマン活躍が楽しい作品だが、今回登場するのは「ウルトラマンギンガ」からビクトリー。スピンオフでジュダ・スペクターと戦っていたので、その兄弟であるモルドとギナが登場する以上、登場は当然とも言える。そしてショウのアドバイスを受けて剣術の特訓をすることになるのだが、やっぱり特撮には特訓が似合う。簡単に奥義を獲得してしまったのがなんだが。
 ショウと大地のファーストコンタクトはなんだかコミカルなものとなってる。それにしてもショウがウルトラマンである事が確認できてないのに、目の前で変身する大地も大地だ。
 今回トピックが当てられたのが女性隊員。UPGからアリサが、Xioからアスナがそれぞれ生身で宇宙人と戦っている。キャットファイトは華があって良い。「GARO」からの引用っぽくもあるが。
 そして最後にウルトラマンギンガが次元を越えて登場して続く。なかなか熱くさせてくれる展開だ。
<この次元にやってきたアリサはショウが凶悪な宇宙人を追ってこの世界に来ていると言っていたが、実際にはショウはモルド・スペクターに捕まって無理矢理連れてこられていた。>
第14話 光る大空、繋がる大地

  監督:坂本浩一
  脚本:林壮太郎
 Xio基地に保管された全てのスパークドールを解放し、新生グア軍団を作り上げようとするモルド・スペクター。それを防ごうと、新しく現れたウルトラマンギンガと共にグア軍団の前に立ち上がる大地。
 敵はモルド・スペクターギナ・スペクター。二人が合体することでグア・スペクターとなった。そしてメカゴモラ。陽動作戦のために用いられ、サイバーゴモラと戦う。後は宇宙商人としてマーキンド星人も登場している(「ULTRASEVEN X」3話に登場している)。
 前半の最終話となる話。最強のグア・スペクターとの戦いとなった。盛り上げ方は良い具合だ。次々に歴代ウルトラマンの攻撃が登場するので、懐かしさも良い。ただ、特撮の常で、最も盛り上がる話が月並みになってしまって気分的にはあんまり盛り上がらない。
<ウルトラマンゼロの話でゴモラおよびEXゴモラと戦ったメカゴモラが今回サイバーゴモラと戦っている。同種対決が多い怪獣だ。
 グア・スペクターの末期の台詞は「妹よ」だった。だから何だという事は無いけど。>
限界を超えた勝利の光  2回目の総集編
第15話 戦士の背中

  監督:田口清隆
  脚本:黒沢久子
 古代怪獣ゴメスの活動が確認され、警戒態勢を敷くXio。そんな時神木隊長の一人娘の裕美の結婚式が近づいていた。複雑な事情があり、娘とも疎遠となっていた神木。そんな事情を知ったXioメンバーは、なんとか神木の力になろうとするのだが…
 敵は古代怪獣ゴメス。北陸で出現した地底に住む怪獣。攻撃を受けると地下に逃げてしまう。ダークサンダーエネルギーを浴びて凶悪化する。
 神木隊長を中心とした話で、過去妻の死に目にも居合わせることが出来ず娘の結婚式に会わせる顔がない隊長。非常事態がずっと続いている以上、帰ることも出来ない仕事を持ってしまった人の悲哀となってる。そのため妻の死に目にも会えず、娘とも疎遠となってしまった。
 えらくリリカルな話になってるけど、それも可能なのを示した話なのだろう。
 グア・スペクターが倒れたのにまだダークサンダーエネルギーは降り注いでいる。グア軍団はまだ生き残っているって事か?あるいはもっと大きな敵が存在するのか?
<サイバーゴモラを操る神木隊長にウェディングマーチが重なる演出は良い感じ。一瞬ロッキーのテーマと思わせるのは狙ってのことか?>
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第16話 激撮!Xio密着24時

  監督:田口清隆
  脚本:中野貴雄
 テレビ局が日々戦い続けているXioを取材しにきた。暗躍する宇宙人の不審な動きを追うXioにぴったり密着するテレビ撮影隊。
 敵は誘拐怪人ケムール人。人間に擬態していた。とても足が速い。人間標本を作りに来たらしい。9話に出ていたものと同個体かどうかは不明。そして遊星人セミ女。やはり人間に擬態している宇宙人で、時折立木にしがみついて樹液を吸っている光景がある。そして三面怪人ダダ。人間標本を作る組織の長らしい。本人曰く、地球が滅びるのは確定しているため、その前に人類の標本を作りに来たのだとか。証拠写真を撮られる際には、三つの顔を切り替えるというお茶目ぶりも発揮している。そして深海怪獣グビラ。ダークサンダーエナジーにより凶暴化させられ暴れ回った。
 ドキュメンタリータッチで作られた地球防衛軍の日常。これまでテレビの取材を受ける話もいくつかあったものの、ここまでドキュメンタリータッチにこだわったのは初めて。往年の「木曜スペシャル」を思わせる完全モキュメンタリーがとても楽しい。
 ダークサンダーエナジーについてダダがちょっと興味深い話をしている。その正体は分からないが、これによって地球は滅びることになるのだとか。
<どう見ても単なるフィギュアであるスパークドールズに対して親身に接している大地の姿は、なんだかとっても…。まあ実際ツッコミ入れられてたけど。
 ケムール人の事情聴取に当たる神木隊長は、なんと6時間も話していたとか。そういうのを隊長がやるなよ。
 上半身がセミ人間で、下半身がボディコンスタイルの女性。なんというミスマッチな格好だ。
 テレビの取材を受けながらユナイトしようとしている大地。自覚足りなすぎだぞ。>
第17話 ともだちは怪獣

  監督:辻本貴則
  脚本:勝冶京子
 田舎に引っ越してきた少女サクラは裏山にいた珍獣ピグモンと仲良しになる。ところがそのピグモンが町の人に捕まってしまう。
 友好珍獣ピグモン登場。田舎に隠れ住んでいたが、引っ越してきた少女サクラと仲良しになる。そして海獣キングゲスラ。ダークサンダーエナジーと共に現れた怪獣で、本来弱点であるはずの背びれまで強化されている。
 怪獣と人間とは相容れないのか?と言う、ある意味全シリーズを通しての命題が突きつけられた話になった。どのウルトラマンシリーズでもこの手の話が出てくるが、ここでは可能性を残したポジティブな話に仕上げている。
<ピグモンは喋れないのだが、サクラはすぐにピグモンの名前を呼んでいる。どうして知った?
 サクラが引っ越してきた田舎は多々良町だとか。それだけでなんかにやつける。他にもショッピングモールでもらった赤い風船を背中にくっつけてるとか、細かいところで演出してる。>
第18話 ワタルの恋

  監督:辻本貴則
  脚本: 黒沢久子
 幼なじみの菜々子に恋心を抱くワタルは菜々子のバイト先の喫茶店に入り浸っていた。そんなある日、ラグビー試合が行われ、選手として出場したワタルだが、応援しているはずの菜々子が妙にハヤトと親しげにしていた…
 敵は宇宙化猫ムー。強烈な電磁波を発生させる怪獣だが、本人にはこれと言って意思がないようで、電磁波をまき散らすのみ。かつて命を救われたことからウルトラマンXに恋をしてしまってなついてしまった。そしてどくろ怪獣レッドキング。ムーの電磁波によってスパークドール状態から怪獣化した。ダークサンダーエナジーを受け、EX化する。それとムーの回想で登場する彗星怪獣ドラコ。
 9話に続きラグビーネタ。9話ではワタルの弟イサムが中心だったが、今回はワタルが中心となってる。ハヤトとライバル関係にあるため、恋する女性も同じ。
 今回登場した宇宙化猫ムーは、かつて「ウルトラマンマックス」に登場したタマ・ミケ・クロの同種らしい。あの話は全ウルトラマン史上に於いて、最低にして最高作品だったもんで、こいつが登場しただけで笑えてしまう。尚、このムーはミケをベースにしてるようだ。妙になついてしまったムーになんだか感情移入してるXが良い具合。
 コメディ路線と言うだけでなく、締めるところはちゃんと締めるところが本作らしく、緩急織り交ぜた話のバランスはかなり良い。
<ところで大地に出会う前のXのことがちょっとだけ出てくるのだが、やってることは自警団っぽくて、妙にガラが悪い気がするのは気のせい?>
第19話 共に生きる

  監督:アベユーイチ
  脚本:三浦有為子
 ゴモラの実体化実験が行われ、見事ゴモラは実体化したのだが、そのときダークサンダーエナジーがゴモラを直撃し、EX化してしまう。Xにユナイトした大地は仕方なくザナディウム光線を撃とうとするのだが…
 敵は古代怪獣EXゴモラ。実体化したゴモラがダークサンダーエナジーによりEX化した姿。凶暴化してしまう。そして人工生命M1号が登場。かつて人間によって作られた実験動物だったが、宇宙空間で独自の進化を遂げ、大変優れた知性を持つに至った。
 怪獣と人間の共存世界とは何か?これまで数々のシリーズで問われてきた命題をまっすぐに捉えた物語。自分の意思で行っていたはずが、いつの間にか自分自身が誰かによって監視されている事に気づくという、かなりメタフィクショナルな物語に仕上がってる。かつての実相寺昭雄の監督作を思い出させる。
 そこで大地に問いかけるのは「ウルトラQ」に登場したM1号だが、かろうじて「ワタシハカモメ」と言っていた生命体がいつの間にかこんな知性を持つようになっていた。最後に「私はカモメ」と同じ台詞を言っているのだが、続いて「空高く飛翔し思考し続ける」という台詞が続く。オリジナルのテレシコワのものではなく、どうやらこの台詞、小説「カモメのジョナサン」のものにすり替えられているようだ。
 そのM1号に言わせると、「人間は他者と共存などできぬ。共存できぬ者は滅び行くだけだ」という言葉は重い。
 結果として人間の優しい気持ちは最後まで凶暴化した状態のゴモラには伝わらなかったが、正気を取り戻した状態となった時、その気持ちに気づくことになる。結論は未だ出ていないが、ここで結論を出さなかったことは良かったと思う。
<ゴモラに「座れ」と言うと、本当に足を伸ばして座ってる。尻尾がある以上、それは無理あると思うんだが、怪獣の骨格ってどうなってるのだ?…中に人間が入ってるという事実はともかく。>
第20話 絆 -Unite-

  監督:阿部雄一
  脚本:小林弘利
 突如多数のスペース・ビーストが現れ、その対処のためXioは総力を挙げて出動していたが、遠く離れたカナダで怪獣ベムラーが現れ、橘副隊長の娘達が危機に陥ってしまう。絶体絶命の危機に陥った橘の前に、エボルトラスターが出現する。
 敵はインセクトタイプビーストバグズバンブルード。大きさは人間大で、多数登場する。ダークサンダーエナジーを受けた最後の一体が巨大化して町を破壊する。そして宇宙怪獣ベムラー。カナダに現れた怪獣。
 ウルトラマンネクサス客演回。シリーズ中最もとんがった物語だった「ウルトラマンネクサス」は、他の作品と絡めにくいものがあるのだが、この話で女性のウルトラマンが登場したことが本作の物語につながったのだろう。なんと橘副隊長がデュナミストとなり、ネクサスに変身している(尚、「ウルトラマンネクサス」本編では「ネクサス」という呼称は用いられず、あくまでウルトラマンと呼ばれている)。
 大変失礼な言い方だが、分別を持った大人がウルトラマンとなったため、感情にまかせて変身してしまった自分自身を許せなくなってしまうと言う橘副隊長の描写が良い。元々が内面的なものを主題にした「ウルトラマンネクサス」をちゃんと踏襲してるんだな。
 橘副隊長の夫役で、孤門一輝役の久保拓司が登場してる。ネクサスの姿を見た途端、なんか納得したような表情をしていたが、別次元の自分自身の記憶のようなものが入ってきたのかもしれない。そう言えば冒頭で家族が怪獣に襲われてるシーンがあるので、あるいは何らかの形で絆を受け継いだ旦那の方が怪獣を撃退したという可能性も。
 ところで今回監督はアベユーイチではなく阿部雄一という旧名を使っている。理由は分からないが、「ウルトラマンネクサス」の時の監督名と同じということで、ちゃんと敬意を表してなのかもしれない。
第21話 美しき終焉

  監督:田口清隆
  脚本:小林弘利
 混線する電波の中から大地の母遙の声が聞こえてきた。遙が消えた研究所の跡地には何かがあると感じた大地はそこで調査を始めていた。そんな時にダークサンダーエナジーはますます強く地球に降り注ぎ、ついにUNVERネバダ支局を直撃していた。
 敵は虚空怪獣グリーザ。全てを無に帰ることを目的とする究極生物。15年前にウルトラマンXと戦い、太陽に叩き込まれてウルトラフレアを発生させた張本人でXの宿敵。15年を経て復活し、地球へとやってくる。ダークサンダーエナジーの発生源でもある。
 いよいよラストに向けての物語が展開。全く新しい敵が登場!と思ったら、実は第1話にちらっと登場していたらしい。
 そして早くも大地は自分がウルトラマンXであることを明かすことになる。早くもないか?
 グリーザは最強と呼ばれるだけあってウルトラマンXとサイバーゴモラの連係攻撃も軽くいなしてしまうが、最後の敵としては珍しく意志力を感じさせないキャラになってる。いや、破壊の意思のみで動き、思考がないというべきか。喋らないし。
第22話 虹の大地

  監督: 田口清隆
  脚本: 小林雄次
 グリーザに敗北して消滅してしまった大地とウルトラマンX。残されたXのカラータイマーから聞こえる鼓動により、大地はまだ生きていると確信したアスナはグルマン博士の導きで電脳空間へとダイブするのだが…
 敵は虚空怪獣グリーザ。Xio基地に保管されていたスパークドールズを次々に吸収し、究極体へと進化する。
 最終話。別次元へと行ってしまった大地とXの探索と、残されたXioメンバーによるグリーザとの絶望的な戦いが展開する。
 物理的な戦いではまるで敵わない敵に、精神的なつながりによって勝利を得るというのは、実は平成以降のウルトラマンでは定番中の定番。ここでは一度取り込まれてしまったスパークドールズが、人の思いを受けて正気を取り戻すという、人間だけでなく怪獣ともつながりを持つという点に特徴がある。
 一応ちゃんと物語としてはまとまっているものの、大地が目指していたのは怪獣と人間の共存と、両親と出会うことの二つだったのだが、現時点では道半ばと言ったところ。まだ続けようと思えば続けられる物語でもあるし、出来れば劇場で完結させず、新たな展開が欲しいとも思う。
第23話 絆でひとつになる世界  3回目の総集編