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事典目次

ウルトラマンZ

ウルトラマンZ事典
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主な登場人物
ナツカワハルキ (役)平野宏周。
 ストレイジの新人パイロット。怪獣との戦いで命を落とすが、ウルトラマンゼットと一体化することで命を取り留め、以降ウルトラマンゼットとの二人三脚で戦い続ける。
ウルトラマンゼット (声)畠中祐。声優。特撮メインキャラは本作が最初。
 ウルトラマンゼロに憧れて弟子入りした若いウルトラマン。熱血ヒーローそのもの。尊敬するウルトラマンゼロの弟子を自称するが、ゼロからは1/3人前と言われている。ブルトンに吸い込まれる直前のゼロからゼットライザーを受け継ぐ。ゲネガーグを追って地球に来た際にナツカワハルキと一体化する。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 ご唱和ください、我の名を!

  監督:田口清隆
  脚本:吹原幸太
 怪獣が頻発する世界の日本。そこで地球防衛軍日本支部ロボット部隊「ストレイジ」パイロットのナツカワハルキは日々戦いにかり出されていた。そんな時、落下した隕石から現れた巨大怪獣と、その怪獣を追って現れた光の巨人を目撃する。思わず光の巨人に味方することを決めたハルキだが、怪獣の強烈な攻撃を食ってしまう。

 敵は古代怪獣ゴメス。地下から現れた怪獣で、割と良く出る種類らしい。セブンガーによって保護されていた。そして凶暴宇宙鮫ゲネガーグ。光の国に侵入してウルトラゼットライザーとウルトラメダルを飲み込み逃亡していた宇宙怪獣。なんでも飲み込んでしまい、任意にそれらを取り出して攻撃に用いることが出来る。ゼットに追われて地球に落下した。
 新シリーズの開始の話。ここはウルトラマンが来る以前から怪獣が現れるところで、既に人類は独自に怪獣に対抗していた。設定的にはオリジナル版の「ウルトラマン」「ウルトラマンX」の世界に近いが、怪獣の出現が日常になってる分、みんな怪獣慣れてしていて、かなり陽性の感じ。初めて登場したウルトラマンZも、「ヒューマノイドエイリアン」として簡単に受け入れてる。とりあえず味方っぽいというだけの理由でZに協力してしまうあたりも実に陽性。実に良い雰囲気だ。
 ウルトラマンゼット自身もまだ宇宙警備隊としては半人前らしく(ゼロに言わせると三分の一人前)、まだまだ未熟らしい。これも成長物語になるのかな?
 地球防衛軍の使う対怪獣ロボットはセブンガー。「ウルトラマンレオ」に登場したカプセル怪獣で、ノスタルジー感溢れてる。雰囲気としてはレオじゃなくてゴジラVSスペースゴジラに出てきたMOGERAっぽい。
 最初に出てきた怪獣のゴメスは中型の大きさで、セブンガーの半分くらいの大きさ。それをちゃんと描写してるのが好感度高い。怪獣の直下からのカメラアングルは田口監督のお得意技で、しっかりものにしてる。
<ウルトラマンZがハルキに「お前は死んだ」と告げるシーンは「ウルトラマン」と同じなのだが、その後の台詞が「ついでにどうやら私もウルトラやばいみたい」だった。なんだこの軽いノリは。
 初めてウルトラマンゼットに変身したハルキは、勝手が分からず、いちいちゼットに指導受けてる。小声でカンニングみたいに言ってるのが笑える。>
Blu-ray1
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ゴメス 画像 <A> <楽>
第2話 戦士の心得

  監督:田口清隆
  脚本:吹原幸太
 電気を吸って透明になる怪獣ネロンガの出現にストレイジが出動する。だが肝心のセブンガーが電気を奪われて不稼働となってしまった。電気を充分に吸ったネロンガは地底に戻っていくが、それに対抗するためにハルキは特訓を開始する。

 敵は透明怪獣ネロンガ。電気を吸って透明になる怪獣。透明になると体温まで消えてしまう。
 主人公ナツカワハルキとウルトラマンZの特訓の話となる。「帰ってきたウルトラマン」の初期の話か「ウルトラマンレオ」っぽい。おそらくは思いっきりリスペクト受けて作られてるんだろう。ハルキがゼットになるためにはゼットと心を合わせて、更にギリギリのピンチになった時に変身出来るそうだ。これも「帰ってきたウルトラマン」だな。
 ハルキはヘビクラ隊長と空手の特訓してるが、ハルキを圧倒したヘビクラのしゃべり方は普段とだいぶ違ったが、モロに口調がジャグラスジャグラーだった。
 今回もセブンガーが活躍しており、空も飛べる。が、その飛び方が直立不動でロケットのように飛ぶだけ。ますますMOGERAだ。
 ゼットの年齢は五千歳だそうだ。確かに他のウルトラマンと較べると若い(ウルトラマンで2万歳くらい)が、ニュージェネレーションだと19歳のウルトラマンも存在する(ジードは客演する予定だから、多分これも「枯れ専」のヨウコ含みの伏線だ)。
<ストレイジのヨウコのことをモロに「枯れ専」とか言ってた。子供用の番組で良いのかな?
 ネロンガを感知するためには「見るんじゃない。感じるんだ」と言っていたが、この教えはウルトラマンの教えではないな。
 そもそもウルトラマンの能力を持ってネロンガを検知できないとは思わないのだけど。ゼットがまだ未熟だからか?>
第3話 生中継!怪獣輸送大作戦

  監督:田口清隆
  脚本:吹原幸太
 頻発する怪獣出現にセブンガーで対応するストレイジ。ハルキもセブンガーを駆り戦いを繰り返していた。そんな中、対怪獣ロボットであるセブンガーのプレゼンのため、活動停止中のゴモラを輸送する作戦が提示された。

 敵は冷凍怪獣ギガス。地下から現れた怪獣で、ストレイジのセブンガーによって退治される。そして古代怪獣ゴモラ。活動が停止しており、ゴモラ岩と呼ばれていたが、セブンガーによる移送中に目を覚ます。
 ストレイジが日本の政治的な部分でどのような扱いかを示した話で、話としてはモロに「機動警察パトレイバー」である。脚本が伊藤和典だったらもっと良かった…まあ、既にそれは田口監督が関わった「MM9」でやり尽くされているという話もある。特に対怪獣ロボットのセブンガーについては対費用の面で厳しい目が注がれていることが分かる。「エヴァ」でちょっとだけやったことだな。セブンガーが外部電源とバッテリーの併用というのも「エヴァ」そのまんまだ。どっちかというと本作の主役はクリヤマの方だな。
 ウルトラマンゼットの新しい力ベータスマッシュが登場。ウルトラマンのメダルはヨウコが持っていたことが分かったので、それをもらおうとしてボディランゲージでメダルをもらおうとしてる。
 又、ストレイジの中でのハルキの立ち位置というのもよく示されている。それこそ「機動警察パトレイバー」における太田の立ち位置そのまんま。
 ゴモラの目が開くシーンは「ウルトラマン」オープニングタイトルの音がちょっとだけ使われていて、かなりニヤニヤ出来る。
 今回は舞台が町中で、民家も多い。電線が映ってると単純に嬉しい特撮脳。あと、セブンガーの運用のために多数の裏方の姿が映されているのも嬉しい。
<セブンガーの中にも花粉が入り込んでいる。この手のロボットは何より機密性が重要だと思うのだが、その辺どうなってるんだろうか?
 事務次官がゼットを見た時の台詞は「ウートアマーン」だった。やりすぎ。それよりなんでウルトラマンのことをあらかじめ知ってるんだ?
 今回ベータスマッシュの変身は良いのだが、すげえ滑舌が悪い声で「うるたーまーん、べーーーた、すまーーーーしゅー」とかゼット自身が叫んでる。聞き直さないと分からないような台詞だった。
 しかし何度観てもベータスマッシュの姿ってマッチョなウルトラマンがレッドマンの真似をしてるように見える。中身は「ウルトラマンタイガ」に出てきたタイタスっぽい。>
第4話 二号ロボ起動計画

  監督:辻本貴則
  脚本:鈴木 智
 ストレイジでは新しい二号ロボの開発が進められていた。だがエネルギー充電に問題が生じ、起動に失敗してしまう。そんな時地底から新たな怪獣テレスドンが出現する。

 敵は地底怪獣テレスドン。地底から現れた怪獣で、ジオフロントの工事の音に向かって進んだことから、不快な音に我慢できないらしい。謎のパワーを受けてエリマキテレスドンにパワーアップした。そして強化地底怪獣エリマキテレスドン。テレスドンが謎のパワーを受けてジラースの襟巻きを纏った姿。光線技を受け止めて矢のような光線に変えて撃ち返す。
 当初から予定されていた新たな二号ロボが登場。セブンガーに続くのは、やはりロボット怪獣のウインダムだった。これを待っていた人も多かろう。不具合が多いロボットをちゃんと動かすまでを丁寧に描く脚本は、やはり「パトレイバー」に通じる(ちなみに辻本監督も実写版『パトレイバー』でも監督を務めている)。前回登場したネロンガは電気を溜める器官を持っていたから、それを組み込むという方法で電力供給を行うという。二期シリーズの伝統はここにも活きている。
 味方のロボットに怪獣のパーツを組み込むのはアイディアの勝利だが、後で危険な事が起こる伏線だろうか?
 今回はウインダムが中心となるため、ウルトラマンゼットが基本的に引き立て役。こう言うのも良い。
 ウルトラマンメダル以外に怪獣メダルというのも出てきた。これを使うと、メダルの怪獣の力を
 ウインダムの起動が遅れるのは、パーツ毎に他の会社が作っているからだとか。現実に即した設定だな。実際日本の工事は公平を期してこのような発注が多い。

 しかしこの話で一番の驚きは次回予告だろう。ラストシーンでヘビクラ隊長が妙な笑みを浮かべた後で、突然予告でジャグラスジャグラーの姿が…ひょっとしてヘビクラって本人だったの?次回が気になる。
<テレスドンの体内には火炎袋なる器官があるらしい。怪獣図鑑見てるとお馴染みの器官だが、
 多分このスタッフの中で焼き芋焼いた人はいないな。あの焼き方ではあの焼き具合にはならない。
 エリマキテレスドンの襟巻きを引きちぎるテレスドンの姿を見ると実に楽しい。>
第5話 ファースト・ジャグリング

  監督:辻本貴則
  脚本:中野貴雄
 アラスカから超古代文明の痕跡が発見された。大学研究室の調査隊がその石碑を日本に持ち帰るが、石碑のあった地下から怪獣ペギラが現れた。そしてペギラは石碑のある日本を目指し飛来する。ウインダムが出動するが、ペギラの冷気攻撃を受けてしまう。

 敵は冷凍怪獣ペギラ。アラスカから現れた怪獣で、自分を封印していた石碑を破壊するために石碑が保管されている日本を目指す。そして合体魔王獣ゼッパンドン。ヘビクラがゼットン、パンドン、マガオロチの三つのメダルをダークゼットライザーに装着して登場した怪獣。
 前回ラストでヘビクラ隊長がなんか不穏な独り言を言っていたかと思ったら、本当にジャグラスジャグラーが登場してた(ヘビクラとは蛇(ジャ)+倉(グラ)なのだそうだ)「ウルトラマンオーブ」の次元を経てこれまでいくつかの次元を渡り歩いていたようだが、現在はこの世界にいるってことか。一体何でストレイジに入ったかとか、ヘビクラという名前になったとかはこれから明かされていくのかな?ハルカを助けたと思ったらゼッパンドンになってゼットを攻撃するとか、なんだか分からない行動をしてる。ゼット曰く「ウルトラヤバイ闇の波動」だそうで、改心してる訳でもなさそうだし、本人もゼットにやられた後で「面白い」とか言ってたから、それが目的なのかも知れない。
 変身アイテムを宇宙人に奪われるというのは「ウルトラマン」「ウルトラセブン」で多用された話で、今も時々やってる。ちゃんと伝統になってるんだな。
 ミニカーの中に小型カメラを仕込んでペギラに蹴飛ばさせて撮影するという面白い撮影方法も試みてる。
<ウインダムが不稼働になった時、ハルカはすぐにセブンガーを出しているが、そんな勝手してもいいのかね?…と思ったら、ラストでちゃんとツッコミ入ってた。
 人の命を守るためには自分の命を省みないのがプロだというハルキ。違うよ。
 変身の台詞はモロにクレナイガイのもののパクリだった。
 ハルキ曰く「俺たちは怪獣退治の専門家」だそうだ。
 予告でゼットはジードのことを「先輩」と呼んでいたが、ジードは一番若いウルトラマンだぞ。それともここに来るまでに数万年も経験積んでるのか?>
ペギラ 画像 <A> <楽>
第6話 帰ってきた男!

  監督:坂本浩一
  脚本:林壮太郎
 セブンガーとウインダムの模擬戦闘中に宇宙から機械生命体が落下してきた。だがその直後、その機械生命体を追って新たなウルトラマンも落下してきた。ひとしきり戦った後、逃げる機械生命体ギリバリスを追ってそのウルトラマンジードも姿を消す。

 敵はラストジャッジメンターギルバリス。文明破壊のプログラムを組まれた機械生命体。本体は赤いコアで、これが残っていればすぐに肉体も再構成できる。
 最初から予定されていたウルトラマンジードの登場。その姿は随分カラフルになっており、ギリバリスとガチンコで勝負している。ジードもゼットライザーを使うことでパワーアップしたのだとか。でも登場が少し早すぎたかな?前半はゼット単独で戦わせて後半で出した方がバランス良いのでは?
 非常に強力なギリバリスを倒すために、ギリバリスにクイズを出してそれを解析している内に物理的に破壊すると言う方法を使っている。コンピュータに問題を出して混乱させるのは映画『ウォーゲーム』以来の伝統か。
 デビルスプリンターがなんであるかが明らかになった。なんでもあれはベリアルの細胞の一部だそうだ。それでジードが責任を感じている訳か。
 ジードはやはり浅倉リクとなっているが、そこにヘビクラが絡んでいる。実はこの二人はテレビ本編ではなく劇場版で絡んでる。ジャグラーが防衛軍の隊長をしてると知って、とっても胡散臭そうな目で見ているリクが印象的。
 あとゼロは1話でゲネガーグが作ったブラックホールに今も飲み込まれたままだとか。「ウルトラマンジード」でゼロがベリアルを閉じ込めたのと同じ状態だな。時代は巡る。
<浅倉リクとハルカが出会ったが、出会った直後に二人ともゼットライザーを見せ合ってる。迂闊すぎないか?
 ゼットはやっぱりジードのことを先輩呼ばわりしてる。ゼットの方が5万年ほど先に生まれてるんだけど。
 ギリバリスを破壊した際、振り向いてポーズを決めるゼットとジード。もしコアが破壊されてなかったらお間抜けだな。>
第7話 陛下のメダル

  監督:坂本浩一
  脚本:林壮太郎
 ストレイジにやってきた浅倉リク。ところがそのリクを狙って何者かがストレイジに潜入し、リクを拉致してしまう。ストレイジの意地にかけてリクを取り戻そうとする。一方、リクを拉致した何者かはリクの中にあるベリアル因子を取り出してベリアル融合獣を作り上げる。

 敵はアンドロイド兵バリスレイダー。何者かが送り込んできた等身大のロボット。人間に変装して新倉リクを誘拐しようとするが失敗し、その本性を出して強引にリクを拉致した。そしてベリアル融合獣スカルゴモラ。ベリアルメダルとゴモラメダルとレッドキングメダルを用いてカブラギシンヤが変身する。そしてベリアル融合獣サンダーキラー。ベリアルメダル、エースキラーメダル、エレキングメダルを用いてカブラギシンヤが変身する。それにベリアル融合獣ペダニウムゼットン。ベリアルメダル、キングジョーメダル、ゼットンメダルを用いてカブラギシンヤが変身する。
 前回に続いて浅倉リク=ウルトラマンジードが活躍する話になるが、ジードとゼット二人の危機に、二人の師匠に当たるゼロまでやってくる。ブラックホールから逃げるために時間を戻して脱出したという。いつの間にかシャイニングの力をコントロール出来るようになったようだ。そして今回の戦いを機に、ジードは一度地球を離れる。ずっといたらどっちが主人公か分からなくなるので、それが正解だろう。
 今回はゼットが等身大で活躍してる。活躍出来る時間は50秒に過ぎないが、ゼットに惚れ込んでいるヨウコと息の合ったコンビネーションを披露してる。
 そして初めてヘビクラが謎の青年と接触。その名前は鏑木真也ということが分かった。
<ストレイジに来たリクが自己紹介で言った台詞は「風来坊です」だった。ヘビクラが思わせぶりに笑っているのは狙ってのことだろう。
 三体のウルトラマンが一体の怪獣を取り囲んで戦っている。ほぼリンチ。
 いつの間にかウルトラマン達は普通に必殺技を叫ぶようになってしまった。>
第8話 神秘の力

  監督:坂本浩一
  脚本:小林雄次
 宇宙からやってきた姉妹から未知の怪獣の細胞を受け取ったカブラギは新たな合体怪獣トライキングを作り上げる。更にパワーアップを図るカブラギだが、その正体を知らぬストレイジは決め手を失っていた。

 敵は合体怪獣トライキング。カブラギが実験と称して作り上げたゴルザ、メルバ、超コッヴの怪獣メダルで誕生した合体怪獣。そして超合体怪獣ファイブキング。トライキングに更にガンQとレイキュバスのメダルを加えて誕生した五体合成怪獣。そして変身怪人ピット星人。カブラギに協力するファとシィという姉妹の宇宙人。
 「ウルトラマンギンガS」に登場した最強の怪獣ファイブキングが登場する。それに対抗するため、ゼットはティガ、ダイナ、ガイアのメダルを使って新しい形態ガンマフューチャーに変身する。奇跡の力を使うという捻ったウルトラマンとなる。
 それより今回は定番中の定番の変身アイテムを落とすと言うベタな話が展開。昭和を知ってる身としては思い切りノスタルジーを感じさせる。
 前回カブラギのことを知ったヘビクラ隊長は独自に調査を開始してる。しかしなんせジャグラーだから、部下にそのことを教えるつもりもないようで。
<ゼットライザーを見かけたオオタユカはこれを「オーパーツ」と称しているが、見た目オモチャにしか見えないものをよく判断できたな。
 拘束されているヨウコとユカの戒めをあっけなく解くハルキ。鍵も付けてなかったのか。
 ピット星人の攻撃に対して人間の技で対抗するヨウコ。ピット星人って関節とか完全に人間と同じなんだ。
 ヘビクラ隊長が投げた三枚のメダルを腕を横薙ぎにして受け取るハルキ。このポーズは火野映司のものと全く同じではないか。
 関係ないけど、トライキングのネーミングだが、ファイブキングから二体怪獣を引いたらスリーキングではなかろうか?>
第9話 未確認物質護送指令

  監督:中川和博
  脚本:鈴木 智
 地球に飛来したゲネガーグとウルトラマンゼットが戦った際、いくつかのメダルが地上へと落下した。その一つを回収した防衛軍はその解析にかかったが、そのメダルを狙ってロボット怪獣が現れる。そのメダルを安全な場所に移送する任務がストレイジに降る。ウインダムで護衛に当たるハルキ。

 敵は宇宙ロボットキングジョー。防衛軍に保管されているウルトラメダルを狙って現れたロボット怪獣。四つのパーツに分離。
 直接的な戦いではなく移動を主にした話。防衛軍に保管されていたウルトラメダルが奪われてしまう物語。ヘビクラ隊長は自ら囮となってウルトラメダルを守ろうとするが、
 ある意味ウインダムとキングジョーが戦うのは夢の対戦でもある。
 キングジョーを間近で見たユカが思いっきりはしゃいでいるが、命の危険を顧みないのではなく、素直に嬉しいんだろう。オタクの鏡だ。
 今回更に三つのウルトラメダルが手に入ったものの、ゼットはその使い方を忘れてしまった。適当にゼットライザーに入れて発動させるとか出来ないのだろうか?今回はベータスマッシュとガンマフューチャーの二形態に変身して、ガンマフューチャーの方で勝利を得た。
 倒されたキングジョーは防衛軍によって回収されている。これは後で又出てくるな。
<このところ出てくるキングジョーは二世の方ばかりだったが、今回は珍しくオリジナル版らしい。
 ウインダムは5分しか稼働できないはずだが、普通に護衛任務をこなしてる。空を飛ぶ分にはエネルギーを考えなくて済むのか?
 施設前で突っ立ってる男にウルトラメダルのケースをそのまま渡すヨウコ。実はその男はカブラギシンヤだった。ヨウコは何のためにこんなに手の込んだ移送をしたのか全く理解してないだろ。
 新しいウルトラメダルをどうすれば良いか分からないというゼットだったが、それでちゃんとメダル使って技を披露してる。>
第10話 宇宙海賊登場!

  監督:中野貴雄
  脚本:鈴木 智
 破壊されたキングジョーが防衛軍によって回収され、その解析が行われようとしていた。だがそのキングジョーを狙い何者かが基地に侵入していた。ハルキの前に現れた宇宙人バロッサ星人は姿を消し基地内を闊歩していた。

 敵は海賊宇宙人バロッサ星人。キングジョーに乗って地球にやってきた宇宙人。宇宙中のお宝を回収するのが目的で、狙いは宇宙の宝とされるウルトラメダルだったが、回収に失敗したため、キングジョーを回収して逃げようとする。これまで宇宙中で回収してきた数多くの武器を持っている。マグマ星人のサーベルもあった。
 今回は基地内の、整備班が中心の物語で主役はむしろイナバコジローの方っぽい。こう言う裏方の話が出るのは実に嬉しい。工場の中のその辺にある道具を武器にして戦うのもよろしい感じ。
 キングジョーの持ち主がペダン星人ではないことが分かる。キングジョーと言えばペダン星人という定式があるため、これは珍しい。
 前回回収したものの奪われたウルトラメダルを用いた結果、新しい形態ではなく、ゼットライザーが光の剣になった。
 ゼットに夢中のヨウコに続き、ユカもジャグラスジャグラーに夢中になった。ただ「素敵」の後に「解剖したい」とついて、それを聞いたヘビクラ隊長がお茶吹いてた。
<イナバコジローはアルマイトの弁当箱で弁当を食べている。これ自体は単に懐かしい光景だが、これが「機動警察パトレイバー」で同じシーンが使われていることに気づいた人がどれだけいるやら。
 バロッサ星人のスーツはかなり安っぽい。タイツ姿に上半身だけ軽い装甲を加えたもの。でもこれって「ウルトラマンレオ」に出てきた星人っぽくて逆に良い感じだ。
 人類を下等生物と見なしている割にやってることが駄々っ子みたいなバロッサ星人もなかなか可愛い。>
特空機シークレットファイル

  監督:中山剛平
  脚本:池田 遼
 ウルトラマンゼットの案内でこれまでのハルキとゼットの戦いを振り返る総集編。他にいくつかの劇場版からの引用もある。
<回想シーンでジャンボットが登場してる。その操縦者であるナオが浅倉リクとそっくりなんだが、それについては何も言ってなかった。>
第11話 守るべきもの

  監督:武居正能
  脚本:吹原幸太
 ハルキは亡くなった父の命日に実家に戻っていた。そんな時に地中から怪獣が現れ、ストレイジが出撃する。実家からすぐにウルトラマンゼットとなって出撃するが、そこに現れたレッドキングの素行がおかしいことに気づく。

 敵はどくろ怪獣レッドキング。工事現場から現れた怪力の怪獣。その子どもも登場する。そして凶猛怪獣ギーストロン。ハルキが小学生の時に現れた怪獣で、ハルキの父親が死ぬ原因となった。
 先に鹵獲したキングジョーを用いた作戦が展開する。活動限界がセブンガーやウインダムとは桁違いで、充分ウルトラマンと一緒に戦えるのだが、反応速度が良すぎてパイロットの方が振り回されてしまう。
 今回登場したレッドキングはシリーズでは定番の怪獣だが、なんと卵を守る両親だった。かつて怪獣から市民を避難させる際に命を失った父親の姿にそれが重なるのだが、それを倒さなければならないハルキの苦悩もあり。
 又人間を襲うかも知れないレッドキングを守ってしまったゼット。ここからどのような決断を下すのかというところで次回に続く。
<バロッサ星人から鹵獲したキングジョーの新たな武装に「ペダニウム」が付くんだが、キングジョーがペダニウム星人に作られたことは分からないはずだよな?そもそもオーバーテクノロジーの固まりなんだから戦闘に使うのはまずいんじゃないか?
 ヨウコは相変わらず「シュミレーション」と言ってる。なんで直らないかな?
 子どもの目の前でウルトラマンに変身してるけど、見られてないのかな?>
第12話 叫ぶ命

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 地下から現れた怪獣に出撃するセブンガーとウインダム。だがこの二体では全く歯が立たず、ハルキはゼットに助けを求める。だがハルキの調子が悪く、ゼットも本調子が出なかった。

 敵は爆撃雷獣グルジオライデン。かつて地球に飛来した怪獣で、防衛軍監視下で地下で眠っていたが、突然覚醒した。実は何者かによって肉体改造を受けており、体の多くは機械が用いられている。
 前回の戦いで子どもを守っていたレッドキングの姿を見て以来、怪獣を倒す事にためらいを覚えるハルキ。結局今回は悩みっぱなしでゼットも本来の力を出せないまま終わった。結局グルジオライデンを倒したのはキングジョーストレイジカスタムの零距離射撃によるもの。ヨウコからは怪獣を倒すのは責任なのだから覚悟を決めるように言われるが、その言葉ではまだ覚悟を決めきれなかったようだ。でもそれで良い。
 シリーズでは時々ウルトラマンではなく人間の科学力で怪獣を倒す話も出てくるが、こんな話でそれを持ってくるのは珍しい。しかし確かにキングジョーは強いな。
 この世界で科学力が多少進んでいるのは、オーパーツによるもの。そのオーパーツとはかつて地球に落下して眠っていたグルジオライデンからのものもあるらしい。
 グルジオライデンは機械で体を覆っているので、純粋な意味での怪獣ではなく超獣と言うべきだが、この作品では雷獣という特別な名前が用いられている。
 キングジョーストレイジカスタムも体の分離機能は有していることが分かった。更に組み替えによってタンクモードにもなる。やっぱりかなりのオーバーテクノロジーだよな。
<キングジョーストレイジカスタムの兵器を用いる際、ヨウコは一々必殺技の名前を言っているが、あんまり必要無い気はする。
 ウインダムの腹に噛みついてエネルギー補給するグルジオライデン…エヴァ初号機か?
 キングジョーストレイジカスタムのコンソールを叩きながら「動いて動いて動いてよ」とか叫ぶヨウコもシンジ君みたい。>
第13話 メダルいただきます!

  監督:内田直之
  脚本:池田遼
 怪獣退治に躊躇を覚えるようになったハルキ。そしてそんなハルキと心がつながらなくなってしまったことに戸惑うゼット。そんな中、ストレイジで待機任務に就いているハルキの背後から怪獣カネゴンが忍び寄り、ハルキの持つウルトラメダルを食べ物と思って食べてしまった。その口からメダルを取り出そうとするハルキだが…

 コイン怪獣カネゴン登場。ストレイジの基地に忍び込んできた等身大怪獣で、腹が減ったといってハルキの持つウルトラメダルを食べてしまう。全く悪気は無く、何故ストレイジの中にいたのかも不明。
 戦う事に疑問を覚えるハルキの話が続いているが、今回はちょっと箸休めで妙にコミカルな話になってしまった。カネゴンがウルトラメダルを食べてしまい、それを取り出す作戦が展開する。作戦といってもハルキが一人でいろんな方法を使って取り出そうとしてるだけだが、一々作戦名を考えてるところが可愛い。
 そんな感じで、これまでの戦いを振り返るバンク回。11話で振り返りをやったばかりだが、これも新型コロナウイルスの影響か?
 最後になんとなくゼットとハルキが和解して、ちょっと良い話っぽくなってるが、なし崩しに終わった感じ。
<そもそも怪獣退治の現場に怪獣が出現するということ自体がとんでもない話なのだが、そこはスルーか。
 舌足らずな声で「いただきま〜す」と言われると、格ゲー「侍Spirits」に出てきた妖怪腐れ外道(画像)というキャラを思い出すような…
 ベータスマッシュの話をカネゴンにした時、「赤いあいつ」と怯え、その後「気のせいか」と言っている。やっぱりあの通り魔のことだろうか?
 カネゴンのことをごまかそうとしてユカを騙そうとするハルキはグルジオライデンが雌である事を聞かされ、「オス」ではなく「メス」と言ってる。なんだこれ?
 ラストシーンで取り戻したウルトラメダルを見て微笑むハルキ。それさっきカネゴンがトイレで出した奴なんだが。>
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第14話 四次元狂騒曲

  監督:田口清隆
  脚本:吹原幸太
 キングジョーストレイジカスタムが戦果を挙げ、初代ロボであるセブンガーが退役することになった。その戦勝会の最中に、なんとストレイジ本部前に怪獣が出現した。出動しようとするが、何故か時間と空間がごちゃごちゃになってしまう。

 敵は四次元怪獣ブルトン。第1話でゲネガークの腹の中にいた怪獣だったが、カブラギシンヤによって呼び出され、ストレイジ本部前に出現。ストレイジを混乱に陥らせる。
 第1話にも現れたブルトンが登場。四次元怪獣と言うだけあって、時間と空間がごちゃごちゃになる話になってる。どことなく『うる星やつら2』っぽさがある。ハルキとヨウコの二人だけが強制的に時間を繰り返している。
 強く念じることで次元を超えるとか、昔のSF小説っぽさがある。ハルキが行きたい場所を念じたら、存命の頃の父親と遭遇したりもしてる。これによってハルキはわだかまりを
 キングジョーのお祝いをしてるストレイジの面々だが、その際班長がいない時を狙って祝杯をあげてる。これってほんとに特車二課の整備班だよな。キングジョーに「祝」とか書いた垂れ幕付いてるのもそれっぽい。コジロー自身がノリノリで宴会に参加してるのが榊班長とはちがっているが。
 カブラギシンヤに向かって「俺は味方だ」と言ってるジャグラスジャグラーの姿がある。
 今回からOPは二番目の歌詞になっており、EDは新曲となってる。
<ハルキの親父さんの台詞は「守りたい人を全員守れるわけじゃない。助けるために手を伸ばそうにも限界がある。だから手が届く範囲で自分の信じる正義を、守ると決めた人を全力で守る」だった。これって仮面ライダーOOOで言ってたこと。
 ブルトンは瞬間移動の他、転がったり飛び跳ねて移動してる。ウルトラマン17話でやってた移動と同じ。ちゃんと狙ってるようだ。
 ブルトンのアンテナをむしり取ったベータスマッシュは明らかに「とったどー」と言っていた。>
第15話 戦士の使命

  監督:田口清隆
  脚本:吹原幸太
 宇宙を監視していた浅倉リク=ウルトラマンジードからゼットに緊急連絡が入った。この次元に全てを無に帰す虚空怪獣グリーザが現れるというのだ。

 敵は虚空怪獣グリーザ。生命エネルギーを狙って無に変換してしまう。目には見えるし、物理的な破壊も行うが、工学的な探査機械には全く関知されない。かつて「ウルトラマンX」では最強の敵として現れた。
 唐突に全てを虚無に変換する怪獣が現れてしまい、これまた唐突に次元そのものの消滅の危機に陥ってしまう。展開が突然すぎるし、突然ジードも命の危機を迎える。展開があまりに早すぎる。
 この危機を越えるためには存在しないはずのウルトラマンベリアルのメダルが必要だとされ、なんかあっけなく手に入れてしまう。流石にベリアルのメダルは簡単にコントロール出来ないが、本来3話くらいかかるものを無理矢理一話に押し込んだ感じ.
展開が早すぎだ。ウルトラマンオーブの時でもベリアルの力制御するのに三話かけたし、ウルトラマンジードでは26話全部使ってコントロールしたのだが。
 そして現れるゼットの新しい形態デルタライズクローはベリアルのメダルを用いているため、闇の力を使うことが出来る。
<ヘビクラがファイブキングに変身する際、「闇の力、もうちょっとお借りするゼーット」とか叫んでる。その言い方が遠藤正明じゃなくて水木一郎的。
 ユカに言わせるとウルトラマンジードは「目つきの悪いウルトラマン」だそうだ。確かにその通りではあるが、もうちょっとオブラートに包むとか。
 ハルキとゼットのこそこそ話を立ち聞きしていたジャグラスジャグラー。「あの声って聞こえたっけ?」というハルキの驚きに、「あいにく地獄耳でな」と答えてる。答えになってない。
 それでジャグラスジャグラーを車に乗せてハルキが運転してドライブしてる。なんともシュールな光景だ。
 ベリアルの顔が付いたベリアロクは喋ることが出来るが、ハルキと会話してるのは生首と喋ってるみたいでかなり不気味。>
第16話 獅子の声

  監督:越知 靖
  脚本:小林雄次
 古文書を調べていたユカは今日が伝説のホロボロスの復活の時だと主張し、勝手に調査に出かけてしまう。ヘビクラから押される形でハルキもユカに付き合うことになり、ハイテンションのユカに引っ張られていく。

 敵は豪烈暴獣ホロボロス。この世界では昔から地球にいた怪獣で、子どもの頃にオオタユカが遭遇したという。瞬間移動のようなスピードで動き回る。そして寄生破滅獣メツボロス。カブラギシンヤが投げたメダルをホロボロスが吸収して凶暴化した。荷電粒子砲を使う。
 オオタユカが中心となった話で彼女が子どもの頃に遭ったというホロボロスを探しに来る話。自分ならホロボロスをおとなしくさせられると思い込んでいたのが失敗してへこみ、それを乗り越えていくという成長物語になってる。
 ベータスマッシュはコメディ路線で用いられることが多いが、今回完全にモブ扱いされている。
 それぞれの話ごとに何かしら特撮部分にこだわりがあるが、今回はホロボロスの咆吼時に手前にスーパーカブが置かれていた。特撮と言うより昭和から続く懐かしい描写。
<冒頭カブラギシンヤが何かの機械を回してメダルを出していた。一つ出る度に「持ってる」「持ってない」と叫んでいたが、これってソシャゲのガチャなんじゃないか?
 スピードのあるホロボロスに対してなんでパワータイプのベータスマッシュ形態で戦うんだ?
 カブラギシンヤはベリアルメダルをハルキに渡したことを後悔してるらしく、「借りパクしやがって」とか言ってる。この言葉は将来使われなくなるだろうから言わない方が良いのに。>
第17話 ベリアロク

  監督:越知 靖
  脚本:中野貴雄
 メツボロスを倒した直後宇宙から落下したのはかつて倒したバロッサ星人の二代目だった。ゼットから奪ったベリアロクを使いゼットを追い詰める

 敵は海賊宇宙人バロッサ星人(二代目)。かつてゼットに倒されたバロッサ星人の弟。自分で喋ることが出来て、お宝としてベリアロクを狙う。
 バロッサ星人との再戦。ベリアロクをめぐってゼットとジャグラスジャグラーを巻き込んでの三つ巴の争いとなる。
 ジャグラスジャグラーの目的も少し分かってきた。彼にとってヘビクラとしての活動も一種の暇つぶしで、この世界がどうなろうと気にしてないが、斬りたいものがあるので、それを斬れるものを探しているのだとか。そこで目を付けたのがベリアロクだった。さて、これからどうするのかね?
 自分の好きな奴の元に行くというベリアロクだが、それなりにハルキを買っているらしく、これから面白いものを見せてもらう代わりにゼットの元に戻った(ゼット自身にはあまり興味が無いらしい)
 そしてカブラギシンヤの肉体が限界だと知ったセレブロは肉体を変える。
 バロッサ星人は宇宙人役が妙にはまる関智一が声を当ててる。外連味たっぷりのしゃべり方もなんか聞き慣れた声になってしまった。「戦いに綺麗も汚いも無い」と言った直後に「汚いぞ」とか文句垂れてるとか、定番の「卑怯もラッキョウもあるか」も披露してる。
<ウインダムの右手にパワーを集めてバロッサ星人の頭部を掴んでいるのだが、その際関智一の声で「頭部を破壊するのは止めてくれ」と叫んでる。無茶苦茶メタな話だな。「ば〜〜くねつゴ〜〜〜ッド〜〜〜」かよ。
 「卑怯もラッキョウもあるものか」は「ウルトラマンタロウ」の二代目メフィラス星人の台詞として有名だが、他にも「ウルトラマンゼロ」に登場したメフィラス星人スライも同じ台詞を言ったり、「仮面ライダーディケイド」に登場した仮面ライダーシザースが喋ったりと、なかなか頻度が高い。
 ベリアロクの必殺技は巨大な真っ黒いベリアルの顔が敵を噛み千切るという描写。到底ヒーローの必殺技に見えない。>
第18話 2020年の再挑戦

  監督:辻本貴則
  脚本:継田 淳
 桐本市に怪獣パゴスが現れ、出動するウインダムとキングジョーストレイジカスタム。だがその前でパゴスが消失してしまう。一体何が起こったのか分からず付近の調査へと作戦を切り替えるストレイジだが、調査に出たハルキの前に不思議な女性カオリが現れた。

 敵は地底快獣パゴス。特殊な音波に惹かれて桐本市に現れた怪獣で、ケムール人によって邪魔だからと消去される。地上に戻されてからはすぐに地中に逃げ去った。そして誘拐怪人ケムール人。地球人の生態サンプルを集めに来た宇宙人で、カオリという女性と精神を融合しており、時折人格が交代する。
 ウルトラQ19話「2020年の挑戦」の続編のような作品。そういえば確かにあの作品、2020年からケムール人がやってくる話だった。この作品は「ウルトラQ」とはつながった世界らしい。
 今回は最初からゼットはデルタライズクローで登場してるが、その際にベリアロクと会話してる。こうやってコンセンサスを取ってから登場するのが定番になるのかな?今回のベリアロクは結構良い奴で、ケムール人とカオリを分離させてくれた。
<ケムール人は「ウルトラQ」のケムール人と似せた走り方をしているが、実際に走っているために、単に走りにくそうに見える。
 人間を転送させる液体を雨に混ぜて降らせるという計画だが、それって昔映画でやってたぞ。『バタリアン』という作品なんだが。>
第19話 最後の勇者

  監督:辻本貴則
  脚本:根元歳三
 宇宙から飛来したベムスターに出動するストレイジのウインダムとキングジョーストレイジカスタム。だが戦っている最中に次元の裂け目が生じる。強力な新しい敵の出現に備えて待機任務に入るストレイジ。

 敵は宇宙大怪獣ベムスター。二年前に地球に来たそうで、その時には帰ったが、餌を求めて地球へと飛来した。そして殺し屋超獣バラバ。滅んだヤプール人の残留思念で作られた超獣でウルトラマンエースを標的にして次元を超えてやってきた。ウインダムをエースと思い込んで攻撃する。
 怪獣を超える超獣が出現し、それに合わせてウルトラマンエースが現れるという話になった。これまでのシリーズでは超獣は何度も超獣は現れていて、怪獣と変わらない扱い受けていたが、この作品ではちゃんと怪獣を超える存在として描写されているため、エースの登場にちゃんと意味を持たせてる。エースによれば、怪獣と超獣の違いはヤプールの改造によって痛みを感じないところにあるという。確かに納得いく説明だ。
 最初にベムスターを出しておいて、次元の裂け目を見た瞬間に逃げ出すというのも良い描写だ。そして満を持して登場するウルトラマンA。声も高峰圭二のものだった。必殺技を次々叫んでる。 エースの声は納谷悟朗のものがオリジナルだが、高峰圭二の声もそれ並みに渋くなってる。
 ゼットの名付け親がエースと分かった。この宇宙から争いをなくすことを願って最後の単語「Z」を付けたそうだが、AだけにZを名乗らせたと考えるとダジャレに近い。
 相変わらず特撮には新しい試みがなされていて、ゼットとバラバの戦いの足下で怪獣オタクたちが盛んに写真を撮っているのを同一画面に出すとか、なかなか楽しい描写がある。
<これまで何度も描写されていたけど、ベムスターの腹が腕を食いちぎろうとするシーンはかなりホラー風味になってる。
 最初のバラバとの戦いでエネルギー切れ起こしかけてたゼットがエースが現れた途端に元気になって普通に戦ってる。
 ゼットが頭部にエネルギーを溜める描写があるのだが、何故かスクワットをしながらだった。
 バラバの末期の台詞は「ヤプール死すとも超獣死なず」だったが、これは「ウルトラマンA」でヤプールが言った言葉。AとZでかぶった。
 言うんじゃないかと恐れてたが、ヘビクラが最後にリアタイでよく言われていたダジャレを。「…が、バラバラ」>
つなぐ師弟  これまでのゼットの活躍を描く総集編。これまでの戦いだけでなく、新シリーズの特別編などでを中心にした先輩ウルトラマンの戦いも紹介される。
第20話 想い、その先に

  監督:武居正能
  脚本:小林雄次
 イナバコジローの娘で世界的に有名な生物学者ルリが研究成果の人工生命M1号を連れて日本にやってきた。ところがトラブルでM1号が巨大化してしまう。悪意はないM1号だが、このままだと市街地に甚大な被害を与えてしまうため、ストレイジに出動命令が下る。

 敵は人工生命M1号。イナバコジローの娘ルリが開発した人工生命体。ルリの留守中に電撃を浴びて巨大化した。悪意はないが、暴れると危険なのでストレイジが駆除を頼まれる。いくつかの作戦を経て無事元のサイズに戻すことが出来た。
 イナバコジローが中心となる話。結婚していたことがようやく発覚した。大きな娘もいるし、母親も健在らしい。
 M1号の登場は「ウルトラマンX」の時以来。「X」と本作はメインディレクターが田口清隆ということもあってか、共通の怪獣が出ることも多い。「X」に登場した時はえらく哲学的なことを言うキャラだったが、こちらでは子どもみたいな造形になってる。
 トラブルで巨大化してしまったM1号を小さくするまで時間稼ぎするという話になるが、その場合、やはりというか何というか、ちゃんと作戦名も登場してる。最初が「バナナだよ!捕獲作戦」でウインダムからバナナの匂いを出して誘導しようとするが、M1号に抱きつかれてしまって身動き取れず失敗。次は「ラグビーダブルタックル!作戦」ウインダムとキングジョーストレイジカスタムの二体でタックルして押さえ込もうとする作戦だが、意外に頑丈なM1号に跳ね飛ばされて失敗。次は「負けるな!綱引き捕獲作戦」ワイヤーを使ってM1号を抑えようとするが、これもM1号の怪力で失敗。「叩いて!踊って!ドン作戦」ストレイジ整備班が総出で太鼓を叩いて気をそらす作戦。ウインダムとキングジョーストレイジカスタムまで踊り出して気をそらす。気はそれたが、興奮して暴れ回ってしまう。
<M1号を捕獲するのにデルタライズクローは悪手じゃないか?ベリアロクが何でも斬ろうとするから…と思ったら、ちゃんと捕獲していた。面白くない。
 コジローがM1号に薬液を飲ませるシーン。「薬は注射より飲むのに限るぜ」…は言わなかったか。>
第21話 D4

  監督:武居正能
  脚本:鈴木智
 回収されたバラバの角を解析した防衛軍は次元を超えて影響を及ぼす兵器D4を開発した。それをキングジョーストレイジカスタムに搭載することを決定した防衛軍と、それに反発するストレイジ。そのD4を狙うかのように怪獣が現れる。

 敵は宇宙凶剣怪獣ケルビム。宇宙から飛来した隕石に紛れて現れた怪獣で、複数現れる。そして宇宙凶剣怪獣マザーケルビム。ケルビムを生み出す巨大な個体で、大気圏外で隕石に偽装したケルビムの卵を落とし続ける。
 人間にはコントロールしきれない超兵器を巡る話。力はより強い力を呼び寄せてしまい、際限がなくなる。これはシリーズでは何度か登場したものだが、最も有名なのは「ウルトラセブン」26話だろう。あの話ではR2だったので、ネーミングもそれに合わせたのだろう。
 その兵器を巡ってそれぞれが物思う。ハルキはコントロール出来ない力を持つべきではないと考えるが、ゼットは人類が怪獣への対抗手段を持つのは悪くないと言う。一方、その兵器を託されたヨウコの苦悩が本作の見所となる。
 結局その兵器D4を撃つことになったのだが、そのため次元崩壊を起こしかける。今回はゼットの活躍でなんとかそれは食い止められた。
 一方、カブラギシンヤから離脱したセレブロは防衛軍の中で活動中。その影響かどうかは不明だが、クリヤマ長官が急変。防衛軍の言うがままD4を撃つよう指令するし、それを反発したストレイジに解散命令を下してしまう。
<クリヤマはヨウコにD4を撃つよう指令するが、そこは都市部。撃ったら都市一つが完全に消滅する。それでも撃てというのは無理があるだろ。>
第22話 それぞれの明日

  監督:坂本浩一
  脚本:林壮太郎
 防衛軍の命令を無視したことから解散命令を食ってしまったストレイジの面々は、とりあえずの休暇命令が与えられた。街に出たハルキとヨウコの前にバロッサ星人が現れ、兄弟の仇を取ると宣言する。

 敵は海賊宇宙人バロッサ星人(三代目)。これまで倒された兄弟の敵討ちのために現れた。基本的に姿は変わってない。そしてジャグラスジャグラーが変身した合体怪獣トライキング超合体怪獣ファイブキング
 解散命令が出たストレイジの面々の描写が主体の話。一応休暇扱いのため、次の辞令が来るまでトレーニングで時間を潰すハルキとヨウコ。ユカとコジローは広報部に出張中で、セブンガーのデモンストレーションやってた。
 ストレイジを排除した防衛軍は新しいロボットを開発中。
 一方ヘビクラ隊長は他の面々とは違う目的を持っているらしく、暗躍中。バロッサ星人に手を貸していたりもする。その狙いは防衛軍の作っている新型ロボットの完成を手助けしているようで、敢えてゼットにゼスティウム光線を撃たせて防衛軍にデータを送っていた。
 バロッサ星人相手に見事な体捌きを見せるコジローは、これを「昔ちょっとな」と言っていた。その直前に「考えるな。感じるんだ」と言っていたので、何がモチベーションだったかはバレバレである。ご丁寧に親指で鼻をこする動作までしてる。
 巨大化したバロッサ星人に対して戦うゼットだが、そのサポートに久々のセブンガーが登場。やっぱセブンガー良いね。セブンガーを駆るヨウコはベリアロクを挑発してバロッサ星人を斬らせてたりもする。
<バロッサ星人によると、「地球のデンプンがバルバル細胞を活性化させる」そうで、タピオカを食らったら巨大化した。どこかに芋ようかん食ったら巨大化する宇宙人がいた記憶が…
 結局ハルキとヨウコは映画行けなかったみたいだが、そうなるとハルキが出した千円はどうなったんだ?>
第23話 悪夢へのプレリュード

  監督:坂本浩一
  脚本:吹原幸太
 対怪獣部隊として立ち上げられた第一空挺部隊は、ウルトラマンの力をコピーした最強のロボットであるウルトロイドゼロの起動実験を行おうとしていた。警備部に回されたハルキは充実感のない生活に飽き飽きしていた。ウルとロイドの起動実験が行われたその時、まるでそれに合わせたかのように地底から怪獣が次々と出現する。

 敵はオイル怪獣タッコング海獣キングゲスラ熔鉄怪獣デマーガ古代怪獣ゴメス地底快獣パゴス。全員売るとロイドゼロの脅威を感じて出現した。
 最終回序章となる話。解散されたストレイジに代わりロボットを運用することになった第一空挺部隊内部の話。一応ハルキもヨウコも防衛軍の隊員のため、一応防衛軍に在籍はしているが、完全にクサってしまってる。
 怪獣による妨害があったものの、ウルトロイドゼロの起動実験そのものは成功し、D4レイも暴走なく運用できた。ただし操縦者のヨウコは気絶してしまう。
 一方あんなに優柔不断だったクリヤマ長官が一気に好戦的に。その口からは「カレカレータ」の声が…
 防衛軍を辞退したヘビクラは銭湯でラムネ飲んでた。ガイに対するわだかまりはもう無くなったのかな?最後にゼットの前に現れて正体を現す。
 ウルトロイドゼロの姿はどこかで観たと思ったら、バット星人とダークロプスゼロの合成みたいな姿なんだ。
<タッコングとキングゲスラは駿河湾に出現してゼットと戦ってるのだが、その後相当に離れた山中に現れている。移動が早すぎだろ。>
ゴメス 画像 <A> <楽>
第24話 滅亡への遊戯

  監督:田口清隆
  脚本:吹原幸太
 セレブロによってファイブキングがコントロールされてしまい、正体を現したジャグラーは今度はゼッパンドンを呼び出して同化し、ゼット共にファイブキングと戦う。だがセレブロによってウルトロイドゼロはセレブロによって奪われてしまった。

 敵はウルトロイドゼロ。ヨウコに寄生したセレブロによってコントロールされており、世界中の怪獣を吸収した。そして殲滅機甲獣デストルドス。ウルトロイドゼロが怪獣メダルや世界中の怪獣を取り込んで怪獣化した姿で、全身に怪獣の頭がついた禍々しい姿が特徴。セレブロ曰く「ラスボス」。
 セレブロとジャグラスジャグラーそれぞれの目的が明らかになった。セレブロ自体は文明そのものを破壊するために人間に究極兵器を作らせることだった。そもそもセレブロはそうやっていくつもの文明を破壊してきたらしく、「文明自滅ゲーム」と言っていた。ユカによれば、ウルトロイドゼロはオーバーテクノロジーで、地球によって拒絶される存在だという。まさにそれこそがセレブロの狙いだった。
 一方ジャグラスジャグラーはそれを横取りすること。その理由はウルトロイドゼロの力を用いて正義面した人間と戦うと言っていた。なんだか単純すぎる理由の気がしてならない。
 ジャグラスジャグラーはハルキの命を人質に取られてしまい、ウルトロイドゼロをセレブロに渡してしまい、それをベースにセレブロは最強の怪獣デストルドスを作り上げた。デストルドスの強さはゼットの力でも全く敵わず、大ダメージを受けたゼットはハルキに別れを告げていた。
 ジャグラーがハルキに言った「昔、樹を切ったことがある」というのはテレビシリーズではなくアマゾンプライム用のオーブ外伝のネタ。
<セレブロに寄生されたヨウコはギクシャクと動いてカメラでポーズ取ってる。『リング』っぽい演出だが、元ネタはそっちよりも『パラノーマル・アクティビティ』の方。>
第25話 遥かに輝く戦士たち

  監督:田口清隆
  脚本:吹原幸太
 ヘビクラ=ジャグラスジャグラーを先頭に立て、防衛軍を奪い返したストレイジ。デストルドスが遊んでいることを察したヘビクラはウインダムとキングジョーストレイジカスタムを立ち上げ、デストルドスを迎え撃つ。あと返信は一回が限界だとゼットに言われたハルキはキングジョーストレイジカスタムで出撃する。デストルドスからヨウコを救い出し、地球を守るために。

 敵は殲滅機甲獣デストルドス
 最終回。世界の終わりとなると、敵に向かって特攻するのが筋だが、本作では逆に敵がやってくるのを待ってる。これはセレブロによる一種のゲームというか遊びなので、遊びを盛り上げるお膳立てを用意してやれば乗ってくると言うもの。これまでにない余裕のある迎撃であるが、それだけこの世界では敵の強さが深刻と言うことでもある。
 ウルトラマンの登場をギリギリまで待つため、人類の作り出したロボットでギリギリまで戦う。ウインダムとキングジョーストレイジカスタムでも全く敵わず、絶体絶命かと思った瞬間、たった一撃だけのためにセブンガーが出撃。格好ええ。ロボットの勇姿をたっぷり見せつける画面は最高である。なんというか『シン・ゴジラ』味あり。
 ヨウコと精神世界で接触したハルキは腕相撲勝負を挑んで勝利する。これによってヨウコは自分を取り戻すのだが、腕相撲で敗北したヨウコはハルキと結婚しなければならないことに…
 そして最後の最後。たった一度だけの返信で、ウルトラマンゼットへと変身。しかも最強モードであるデルタライズクローで戦いが始まり、ベリアロクが離脱。最後はノーマルタイプでの戦い。しかも最後に「ご唱和ください」のOPソングが鳴り響く中での肉弾戦での戦い。しかも最後はオリジナルモードで。やるなあ。
 最後はジャグラスジャグラーだけでなくハルキも宇宙へと向かう。分離しないで去って行くのは昭和シリーズを継承してるようだ。
 ヘビクラが宇宙人であることを知ったユカは大喜びで皮膚とか髪の毛のサンプルをねだっていた。最後まできちんとマッドサイエンティストを地でやってるな。
 ヘビクラはハルキに対して、人類とセレブロを調整してきたんだとか言ってたが、最終的には「自分で決めろ」とはねつけている。ジャグラスジャグラーのキャラとしては最後まできちんと立ってた。ライザーがなくなって怪獣化出来なくなったと言っていたが、前は出来てたのに?と思ったら、もうその力がないとのこと。ほんとか?何が目的だったかはともかく、目的は果たされずじまいに終わったようだ。盆栽片手に静かに去って行った。
<セブンガーが飛ばした右手の代わりに装着したのはでっかいドリルアーム…これやってくれるか!最高や。
 最後はストレイジの全員で大声出しながら戦い見物。怪獣ファンの夢が結集してる。>
特別編 リ:ストレイジ  これまでの総集編。
 キャラクターの紹介からウルトラマンゼットの形態描写。そしてストレイジで使用された突撃用兵器まで。決戦の後しばらくしてからの分析となるため、かなり冷静な分析になってる。
 特に最終話の熱いシーンが続くので、総集編としてはかなりしっかりしたものになってる。