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ピート・ドクター
Pete Docter

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鑑賞本数 2 合計点 7.5 平均点 3.75
 ピーター・ドクター(Peter Docter)から改名。
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
_(書籍)
2015 インサイド・ヘッド 監督・脚本
2014
2013
2012
2011
2010
2009 カールじいさんの空飛ぶ家 ボブ・ピーターソンと共同監督・原案・脚本
2008 ウォーリー 原案・製作総指揮
2007
2006
2005
2004
2003
2002 マイクとサリーの新車でGO! 監督・製作
2001 モンスターズ・インク 監督・原案 共同監督としてデヴィッド・シルヴァーマンリー・アンクリッチ
2000
1999
1998
1997
1996
1995 トイ・ストーリー 原案
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968 8'10 ミネソタ州ブルーミントンで誕生

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インサイド・ヘッド 2015
2015米アカデミー長編アニメ賞
2015英アカデミー長編アニメ賞、
オリジナル脚本賞

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ロニー・デル・カルメン(共)
ジョン・ラセター(製)
ピート・ドクター
メグ・レフォーヴ
ジョシュ・クーリー(脚)
エイミー・ポーラー
フィリス・スミス
ルイス・ブラック
ミンディ・カリング
ビル・ヘイダー
ケイトリン・ディアス
カイル・マクラクラン
ダイアン・レイン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 11歳の少女ライリーの頭の中には司令室があり、感情を示すヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、カナシミが住んでいる。みんなは協力してライリーに素晴らしい思い出を作っていた。特にリーダー格のヨロコビは大切な思い出を大切に、ライリーの心の成長を見守っていたのだが、ライリーを悲しませることしかできないカナシミの存在に疑問を覚えていた。そんな時、両親の引越でミネソタからサンフランシスコに引っ越すことになった一家。初めてのことに感情の揺れるライリーの動揺によって、ヨロコビとカナシミが司令室から放り出されてしまった…
 数々のヒット作を作ってきたピクサーが、今度は人間の感情をテーマに作った作品。
 これまで人の心の動きを大きなテーマにしてきたピクサーだけに、テーマとしては面白く、一人の少女の心の成長を扱ったストーリー運びも手慣れたもの。何故人の心には様々な感情があるのかと言うことを子ども達に伝える事も出来ている。総じて言えば高い評価を与えられるだろう。
 しかしながら、
私としてはちょっとのめり込むことは出来なかった
 簡単に言えば、主人公のヨロコビがどうにもチグハグな存在で、感情移入が出来なかったという点。

 ピクサーのアニメは一つの法則がある。
 一つは
主人公が明確であること。ピクサー作品には多数のキャラが出てくる作品が多いが、ほとんどの作品では一人が中心となり、その心の動きに観客を同調させることで物語を作り上げている。意外にこれは重要で、主人公キャラが考えている事に、観ている側は時に頷いたり時に反発したりして、主人公の感情の動きにつきあわされることで、キャラに同調していく。
 そして、二つ目として、その主人公キャラは
あらかじめ某かのプライドを持っていると言うこと。それにしがみついて自分を保たせる事が出来るもので、アイデンティティと言い換えても良い。あらかじめ分かりやすい形でプライドを提示し、物語中に一度打ち砕いてしまう。そこからが本当の物語になっていき、一度失われたプライドを再構築するのが作品の骨子となっている訳だ。
 今まで培ってきたアイデンティティを否定され、新しいアイデンティティを探す過程を冒険として描く。心の中の進歩と物理的な冒険が見事に噛み合うからこそ、観ていて安心できるのだ。時には新しく構築したアイデンティティを更に打ち砕くこともするが、それでも負けない主人公のポジティブさが応援歌にもなってくる。
 これは別段ピクサー作品に限ったことではなく、多くの映画にも共通することなのだが、ピクサーの場合、それを狙ってやってるのが特徴で、その法則に則った上でこれまでの数多くのヒット作を作り上げてきた。

 そして本作の場合、本来的に言うならば、ライリーがまさにその渦中にあるはずである。故郷ミネソタでアイスホッケーで選手になってたり、仲の良い友達と一緒にいたりすることがライリーにとっては最初のアイデンティティだった訳だが、引越と、よそ者意識に苛まれてアイデンティティがボロボロになってしまう。それを家族の愛情によって支えられ、新しいアイデンティティを作っていく。まさにピクサーの法則そのものを体現している。

 ところが、本作の場合は主人公がライリーではない。ライリーの一部のヨロコビである。そこでチグハグぶりが出てきた。基本喜びの感情を司るヨロコビはアイデンティティを壊されることがない。壊されたとしても深く考えることが出来ないためにすぐに立ち直ってしまう。
 全てをプラス思考で突っ切ってしまうヨロコビの姿には、観ている側が感情移入しにくい。
本来落ち込むべきところで落ち込めない物語展開が、どうにも落ち着かなくさせてしまう。

 その落ち着かない気持ちのまま映画が終わってしまった感じがあって、これまでのピクサー作品のように、鑑賞後にどっしりした満足感を得る事が出来なかった。そこが残念と言えば残念だし、落ち着かないまま。

 あと、ドリカムの主題歌を映画の前に流したのは間違い。何の基礎知識もないまま「愛しのライリ〜」とか力一杯歌われても、ちょっと引くよ。映画終わった時に流せばまだ違和感無かったんだろうけど、なんで映画の前に(しかも『南の島のラブソング』の前に)流したんだろ?ついでに言うなら、更にその冒頭で監督のピートが出てきて、「素晴らしい作品が出来ましたよ」とか言うのも鬱陶しい。
 要するに全体を通して感情移入できないままで終わってしまった。演出が良い為になんとか及第点というところだが、ピクサーがこの程度の作品で満足するようになってしまったのか?
カールじいさんの空飛ぶ家 2009
2009米アカデミー作曲賞、長編アニメ賞、作品賞、脚本賞、音響賞
2009英アカデミー作曲賞、アニメーション賞、脚本賞、音響賞
2009ゴールデン・グローブ音楽賞、アニメーション作品賞
2009放送映画批評家協会音楽賞、長編アニメ賞、
作品賞、オリジナル脚本賞
2009AFI映画トップ10
2009ナショナル・ボード・レビューアニメーション賞、ベスト10
2009オンライン映画批評家協会アニメーション映画賞、作曲賞
2009VESアワードOutstanding Animation、Outstanding Animated Character、Outstanding Effects Animation
2009キッズ・チョイス・アワードアニメ賞
2009
イギリスの年間興収第4位
2009AFIベスト10
2009
ピーター・トラバースベスト第5位
2009
allcinema興行収入第3位

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ジョナス・リヴェラ
ジョン・ラセター
アンドリュー・スタントン(脚)
ボブ・ピーターソン
ピート・ドクター(脚)
エドワード・アズナー
ジョーダン・ナガイ
ボブ・ピーターソン
クリストファー・プラマー
デルロイ・リンドー
ジェローム・ランフト
エリー・ドクター
ジェレミー・レアリー
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 こどもの頃に冒険の旅を誓い合い、それからずっと愛し続けた妻エリーを失い、二人で住んだ家だけが残された老人カール・フレドリクセン。しかし開発の波が押し寄せ、ついにその大切な家を手放さねばならなくなった。迎えた立ち退きの日の朝、なんとカールは無数の風船を使って家ごと大空へと舞いあがるのだった。それは、エリーと約束した伝説の場所"パラダイス・フォール"への大冒険を始めるのだ。ところがその時、少年ラッセルが玄関に…。
 毎度質の高いアニメーション作品を作ってくれるピクサー製アニメの最新作。特に最近のは前にも増して年代を問わず楽しませてくれるので、今回も前々からかなり楽しみにしていた。
 
最初の10分には参った。映画というのは半分以上は最初の5分で評価が分かるものだが、10分足らずでうるっと来させてくれた。
 確かに人の死を使うのは半分裏技みたいなものだが、その裏技の威力を充分に知って使っているのだろう。見事な掴みだった。
 映画全般の質も高く、アクションで充分見せて、人のつながりという落とし所に持っていく脚本もうまい。
 そうなると後は好みの問題になるのだが…
 問題はその部分。質は高いのに、私は残念ながら
中盤以降で、はまりきれずに終わってしまった
 中盤以降アクションの比率が高くなりすぎた。本作の中心はむしろ人と人とのつながりにあると思っていたので、中盤以降は会話と心の交流を中心にして欲しかった。
 それに対し本作ではアクションの連続でいつの間にかお互いが結びつきあうと言う構成となってしまう。これは80年代のハリウッド映画で多用されていたパターン。こう言ってしまうと“俗な感じ”ってやつを感じてしまう。
 奇しくも90年代になって
『スピード』で語られたことだが、共に危機を乗り越えると、いつの間にか心のつながりまでできてしまう。近年の映画はその轍を踏まないよう、なるだけ回避してきたはずだが、この作品についてはそれが全開。
 確かに若い男女が共に戦うと言うのではなく、ここでは老人と子供に置き換えられているところは目新しいが、ちょっと映画の構成としては単純すぎないか?少なくともピクサーの前作『ウォーリー』(2008)も後半はアクション主体だったが、ウォーリーとイヴの心の交流シーンにもたっぷり時間が使われていて、それが映画全般の質を上げていたのは確か。ところが本作ではそれを切り捨ててしまった。
 思うに、これはカールとラッセルの間の友情物語に、鳥や犬やら、カールの過去の思い出という出来事を挿入してしまったため、その狭雑物が本来あるべきの二人の間の物語を阻害してしまったんじゃなかろうか。孫と祖父位の年齢差での友情なんて、腕の見せ所になるだろうが、敢えてそれを廃してしまったのは残念。
 それと、この作品に明確な敵は必要だっただろうか?
その存在が話自体を安っぽくしてしまった感が拭えない。せっかくジャングルが舞台なんだから、進む事そのものの困難に立ち向かう形であった方が私なりには納得いった。

 その上で敢えて私なりに納得いく形に持っていくことを考えると、チャールズ卿は既に死んでいて、その遺志を継いだアルファに率いられる犬たちが鳥を追い続けていて、最終的にカールとラッセルの活躍で説得すると言った感じ…ってこれじゃ『ウォーリー』そのまんまか。

 質そのものは高いし、良い物語であることも認める。だからこれは純粋な私の好みの問題なのだが、
もう一歩踏み込みが甘かった作品と思えてしまう。少々勿体ない作りだったな。

 ちなみにこの原案の一人には俳優のトム・マッカーシーの名前がある(後に『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)でオスカーを得ている)。
モンスターズ・インク 2001
2001アカデミー歌曲賞、作曲賞、音響効果賞、長編アニメ賞
2001放送映画批評家協会長編アニメ賞

2001オンライン・ムービー・アワード第7位
2002毎日映画コンクール宣伝最優秀賞
2002報知映画海外作品賞
2002
日本のヒット作洋画第3位

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ダーラ・K・アンダーソン
ジョン・ラセター
アンドリュー・スタントン(製)
ダン・ガーソン
アンドリュー・スタントン(脚)
ジョン・グッドマン
ビリー・クリスタル
メアリー・ギブス
ジェームズ・コバーン
スティーヴ・ブシェミ
ジェニファー・ティリー
ボニー・ハント
ボブ・ピーターソン
ジョン・ラッツェンバーガー
フランク・オズ
ダニエル・ガーソン
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 子供の悲鳴をエネルギーとするモンスター達が住むモンスター・シティでは“モンスターズ・インク”という会社組織が社員のモンスターを人間社会に送り出し、その悲鳴を集めて回っていた。その中での最高のエリートで、悲鳴獲得ポイントトップを独走するサリー(グッドマン)と相棒のマイク(クリスタル)だった。夜な夜な子供達を怖がらせている彼らではあったが、実は彼らは人間を極端に恐れてもいたのだ。しかし、ある夜サリーが通り抜けた扉から女の子が入り込んでしまう。このままでは自分たちの立場も危うくなると、女の子を返そうと奮闘する。女の子は彼らに懐き、サリーも彼女をブーと呼び、愛情を抱き始めたが…
 質の高いCGアニメを次々と世に送り込むピクサー作品の中でも、かなり評価が高い一本で、事実として本作の出来は良い。
 ピクサー製のアニメの良さは、とにかく
物語が真っ向勝負でストレートなこと。しかもそのストレートさというのは、あの手この手で細部を丁寧に作り、観ている人を優しさで包み込むようなものであり、それだけで奥の深さを感じさせてくれる。殊に本作は子供を守るモンスターが主人公なので、その傾向は更に顕著。勿論笑いの演出もふんだんに盛り込み、子供だけでなく、大人も充分に楽しめる…と言うか、親として考えると、本作は大人を対象にしてるかのようにも思える作りなんだけど。それを“あざとさ”として感じさせないのが作りのうまさ。一つ一つの画面が徹底的に練り込まれているので、飽きさせないだけでなく、素直に面白いと思わせ、感動を与えてくれる。やっぱりピクサーは巧い。
 子供向け作品の重要さは、登場するキャラに親近感が持てるかどうかだが、この作品の場合、
観ている側は自分が親としてサリーにもなれば、子供としてブーにもなる。その事を意識させる作りだって事がなんと言っても巧い点だと言えよう。
 本作の評価がちょっとだけ低いのは、私が親ではないから。多分これだけ。

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