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_(書籍) _(書籍) |
2022 | ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY 監督 | |
2020 | ||
2019 | ハリエット 監督・脚本 | |
2018 | ||
2017 | ||
2016 | ||
2015 | ||
2014 | ||
2013 | ||
2012 | ||
2011 | ||
2010 | ||
2009 | ||
2008 | ||
2007 | ||
2006 | ||
2005 | ||
2004 | ||
2003 | ||
2002 | ||
2001 | ケイブマン 監督 | |
2000 | ||
1999 | ||
1998 | ||
1997 | プレイヤー/死の祈り 監督・脚本 | |
1996 | ||
1995 | ||
1994 | ドロップ・スクワッド 出演 | |
1993 | ハード・ターゲット 出演 | |
1992 | キャンディマン 出演 | |
汚名/アフターバーン 出演 | ||
1991 | 羊たちの沈黙 出演 | |
1990 | ||
1989 | ||
1988 | バンパイア・キッス 出演 | |
1987 | ||
1986 | ||
1985 | ||
1984 | ||
1983 | ||
1982 | ||
1981 | ||
1980 | ||
1979 | ||
1978 | ||
1977 | ||
1976 | ||
1975 | ||
1974 | ||
1973 | ||
1972 | ||
1971 | ||
1970 | ||
1969 | ||
1968 | ||
1967 | ||
1966 | ||
1965 | ||
1964 | ||
1963 | ||
1962 | ||
1961 | ||
1960 | ||
1959 | ||
1958 | ||
1957 | ||
1956 | ||
1955 | ||
1954 | ||
1953 | ||
1952 | ||
1951 | ||
1950 | ||
1949 | ||
1948 | ||
1947 | ||
1946 | ||
1945 | ||
1944 | ||
1943 | ||
1942 | ||
1941 | ||
1940 | ||
1939 | ||
1938 | ||
1937 | ||
1936 | ||
1935 | ||
1934 | ||
1933 | ||
1932 | ||
1931 | ||
1930 | ||
1929 | ||
1928 | ||
1927 | ||
1926 | ||
1925 | ||
1924 | ||
1923 | ||
1922 | ||
1921 | ||
1920 | ||
1919 | ||
1918 | ||
1917 | ||
1916 | ||
1915 | ||
1914 | ||
1913 | ||
1912 | ||
1911 | ||
1910 | ||
1909 | ||
1908 | ||
1907 | ||
1906 | ||
1905 | ||
1904 | ||
1903 | ||
1902 | ||
1901 |
ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY Whitney Houston: I Wanna Dance with Somebody |
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歌手である母シシー・ヒューストン(チュニー)の手ほどきを受けてクラブで歌うようになったホイットニー(アッキー)。その歌声を聴いた著名な音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィス(トゥッチ)は、彼女を大々的に売り出し、そのセンセーショナルな歌声は全米で大ヒットを飛ばすことになった。だが成功の階段を上り詰めた彼女の私生活はどんどんすさんでいく。ヒップホップ歌手のボビー・ブラウン(サンダース)との結婚や、不仲な父に搾取される構造に、精神的に耐えられず、ついに麻薬にまで手を出すように。 2009年のマイケル・ジャクソンに続いて2012年にはホイットニー・ヒューストンの死という衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。しかも薬物中毒でというので、その時は、正直「やっぱりか」という思いはあった。そう言う噂はあったし、それに80年代は実際薬物に手を染めた歌手がたくさんいたのも確かだ。ホイットニーもやはりそうなったかと、寂しい思いと共に納得した。 そんなホイットニーを映画にすると聞いた時には、これも「やっぱりか」とは思った。これまでにも既に『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)や『ロケットマン』(2019)、『エルヴィス』(2022)などで実在のミュージシャンの伝記映画は結構多かったし、次に挙げられる人物の有力候補ではあったから。だからホイットニーが映画になること自体は驚きはない。 ただ、監督の名前を見て激しく興味をそそられた。 レモンズ監督の作品を観たのは、前作の『ハリエット』だけだが、これ観ただけでも監督の立ち位置はよく分かった。この監督、これまであまり顧みられることのなかった黒人女性のアイデンティティを真っ正面から描こうとしている。 『ハリエット』自体私はそれほど評価していないけど、真っ正面から黒人女性の伝記を描こうとした姿勢は評価したいし、実在した人間の精神を深掘りしようとしてることも良かったと思う。 それを今度はホイットニー・ヒューストンでやるというのか。と思ったら、俄然観たくなってきた。 それで観た感想を言うなら、思った以上にたいした出来だった。 『ハリエット』と同じ、実在の黒人女性というだけでなく、性的少数者という観点も持っているし、何より栄光の背後で、精神的な苦しみがあったことを克明に撮しているのが面白い。 本作に似た系統の作品としてジョニー・キャッシュの伝記『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(2005)があるが、そこでのジョニーは栄光の絶頂にある時は単に忙しすぎたという理由だけで麻薬に手を染めたが、ホイットニーは女性のため、出産もあるし、両親の不和、自己のセクシャリティの問題、夫であるボビー・ブラウンとの間の葛藤などプレッシャーは山ほどあって、精神的な追い詰められ方が激しく、その中で麻薬に手を出す理由を付けていた。 その辺の裏事情の方にかなり時間を使っていることで説得力を増しているが、その複雑な環境をちゃんと描こうとしたことは良かった。 それと、途中で止めずに死まで描ききった点も重要だろう。 苦しい麻薬の治療を経て復帰したところで「良かったね」としても良かったんだが、それでも声が出ずに批判を浴びていることや麻薬を止められずに自滅していくあたり、なんだかとても寂しさを感じるものだ。 ニュースで聞いたホイットニーの死にこう言う背後があったと思うと、しみじみとさせられる。 あと、ホイットニーが音楽界に果たした役割もしっかり描いているのも特徴的。ホイットニーはポップス界で台頭したが、当時黒人女性はヒップホップに行くのが普通だったが、敢えて自らの歌唱力を頼りに新しいジャンルに挑戦し、結果としてホイットニー一人だけの特徴的な立ち位置に収まったというのも、音楽史を語る上でのピースの一つ。そう言う意味で知識的な補完も出来るので大変嬉しい作品だった。 音楽家の作品はどれもパターンは同じように見えるが、ちゃんと個性を出して見せた監督にも感心する。 |
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ハリエット Harriet |
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2019放送映画批評家協会主演女優賞(エリヴォ)、歌曲賞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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メリーランド州ドーチェスター郡の地主の奴隷だったアラミンタ・ロス(エリヴォ)は、法的に自由になれるはずの立場だが、主人はそれをことごとく無視する。ついに我慢が出来なくなった彼女は逃亡し、半死半生の状態でフィラデルフィアにたどり着き、新しい名前ハリエット・タブマンという名前を得る。そして彼女は故郷の奴隷達の逃亡を手助けすることを心に決める。不思議な勘を持つハリエットは次々に奴隷の逃亡を成功させるのだが、やがて彼女には多額の賞金がかけられるようになり、バウンティハンターたちに狙われる。 「黒人モーセ」の異名を持つハリエット・タブマン。この人の名前を知ったのは本作の予告を観てからで、この映画の紹介文で、今度新しくなるお札に印刷されるとか聞いて、一体どんな人物かと思ってネットで調べてみたら、色々興味深いことが分かった。実は既に観ていた映画の中にもいたことが分かったりもする。意外にもあの斧映画『リンカーン 秘密の書』(2012)に登場していたとは。 こんな面白い経歴を持った人がこれまで一度も映画になってなかったことにも逆に驚いたが、これまで作られることは無かったのは、恐らくいろんな障害があったんだろう。 という事で、結構楽しみにしていたのだが、新型コロナウイルスのお陰でだいぶ遅れてしまって、ようやく鑑賞できた。 ただ、作品の出来としてどうかと言うと、悪くはない。というレベルの話だった。 テーマは良かったんだが、出来がいろんな意味で中途半端な感じだ。 本作は実際の歴史とハリエットの内面世界のすりあわせによって構成されるのだが、それがあんまり上手くいってない。具体的には、逃亡の困難さとか元主人であるギデオンとの複雑な関係に尺をとすぎていて、それが物語の進行を阻害してる。そもそもギデオンに対してハリエットはどのような感情を持っていたのかのかが明確で無いため、最後まですっきりしない。憎しみなのか、それとも歪んだ愛情なのか、そこら辺をすっきりさせた上で途中であっさり決着着けさせるべきだった。それを長引かせてしまったため、作品がウェットになってしまって落ち着かない。 初めての映画化なんだから、むしろ冷静に歴史の中でハリエットが何をしたかに注目すべきだっただろう。 例えば1850年に制定された逃亡奴隷法というのがあるのだが、これはハリエットや地下鉄道の人々にとっては死活問題だったはずだし、言葉ではそれも語られるのだが、ハリエットがやってることが変わってないため、それで何かが変わったように見えない。 それにハリエットがやったのは、奴隷の逃亡を助けただけでなく、その後の南北戦争での活躍と黒人の権利活動家となって政治との関わりも持つようになるのだが、それがラストシーンでほんのちょっとしか触れられてない。 これだけ長い尺取っておきながら、本来映画として描くべきところが全然描けていなかったところで、かなりフラストレーションがたまった。私が観たかったのはこれではない。 これだけ魅力的な人物を描いた割には本作が賞と関わってなかったというのは、そのバランスの悪さのせいだろう。 |
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