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ジェームズ・マンゴールド
James Mangold

James Mangold
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鑑賞本数 4 合計点 13.5 平均点 3.38
書籍
著作
_(書籍)
2023 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 監督・脚本
2019 フォードvsフェラーリ 監督・製作
2018
2017 LOGAN ローガン 監督・製作総指揮・原案・脚本
グレイテスト・ショーマン 製作総指揮
ダムネーション
<A> <楽> 製作総指揮
2016
2015
ZOO-暴走地区-(1st~3rd)
<A> <楽> 製作総指揮
2014
2013 ウルヴァリン:SAMURAI 監督
2012
VEGAS/ベガス
<A> <楽> 製作総指揮
2010 ナイト&デイ 監督
2009
2008
2007 3時10分、決断のとき 監督
2006
2005 ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 監督
2004
2003 "アイデンティティー" 監督
2002
2001 ニューヨークの恋人 監督・脚本
2000
1999 17歳のカルテ 監督・脚本
1998
1997 コップランド 監督・脚本
1996
1995 君に逢いたくて 監督・脚本
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988 オリバー ニューヨーク子猫ものがたり 脚本
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964
1963 12'16 ニューヨーク州ニューヨークで誕生

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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
Indiana Jones and the Dial of Destiny
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キャスリーン・ケネディ
フランク・マーシャル
サイモン・エマニュエル
スティーヴン・スピルバーグ
ジョージ・ルーカス(製)
ジェズ・バターワース
ジョン=ヘンリー・バターワース
デヴィッド・コープ
ジェームズ・マンゴールド(脚)

ハリソン・フォード
インディ・ジョーンズ
フィービー・ウォーラー=ブリッジ
ヘレナ・ショー
アントニオ・バンデラス
レナルド
ジョン・リス=デイヴィス
サラー
トビー・ジョーンズ
バジル・ショー
ボイド・ホルブルック
クレーバー
イーサン・イシドール
テディ
ショーネット・レネー・ウィルソン
メイソン
マッツ・ミケルセン
ユルゲン・フォラー
トーマス・クレッチマン
ウェーバー大佐
オリヴィエ・リヒタース
ハウケ
ナセル・メマルジア

カレン・アレン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1944年のドイツでインディ・ジョーンズ(フォード)はナチスが略奪した秘宝「ロンギヌスの槍」を奪おうとするが、槍は偽物で、その代わりナチスの科学者フォラー(ミケルセン)が見つけたもう一つの秘宝「アンティキティラのダイヤル」を手に入れた。 終戦後、1969年。大学を退官するインディの前に旧友の娘ヘレナ(ウォーラー=ブリッジ)が現れる。彼女は父からアンティキティラのダイヤルには特別な力があることを告げられており、彼女自身の研究で、それが世界を変えるほどの大きな力である事を発見していた。時を同じくして雌伏していたフォラーも又、ダイヤルを奪還しようと狙っていた。

 1981年に始まったインディ・ジョーンズシリーズは、今年でもう42年。いやはやとんでもない時間が経ったものだ。その間に三本の続編とテレビシリーズが入り、かなり息の長いシリーズになったが、本作でそれも終了。長きにわたるインディアナ・ジョーンズの活躍も見納めとなる。
 私に関して言えば、一作目の『レイダース 失われた聖櫃』(1981)こそ劇場で観られなかったものの、以降の映画は全て映画館で観ているし、最後というなら観に行くのは既定路線である。面白かろうがくだらなかろうが、金出して観る価値はある。

 それで素直な感想。
 作品そのものはちゃんとシリーズの総決算となっていたし、これまでのシリーズばらまいていたいくつかの伏線も回収されて良かったとは思う。
 ただ、作品としてどうかというと、たいした作品でない。フォーマットに則り、邪魔するものと戦ったり逃げたりといったアクションをこなしながらお宝のヒントを探し、徐々に真相に近づいていくというもので、『レイダース 失われた聖櫃』で確立した手法をまるで変えずそのまま使っている
 このパターンは他の作品でも普通に使われているため、目新しさは全然ない。金を遣っていることはよく分かるものの、キャラの魅力以外の要素がないというのが正直な感想だな。
 本作でもし売りがあるとするなら、インディが歳を食っているという点であるはずだが、それを魅力に出来なかったことが問題だった。少なくとも『最後の聖戦』(1989)のショーン・コネリーはちゃんとそれが出来ていたのだから、本作でもそれは出来るはずなんだが、普通に若い頃と同じようなアクションやらせてしまった。そこが全く駄目で、動けないからこそ、知恵を使って問題を乗り越えるという描写が必要だったはずである。新しい魅力を発掘もせずただ昔と同じ事をやらせては意味がない。
 あと、これは不必要なのかも知れないけど、「説得力」という言葉がまるでないのが問題かな。アンティキティラのダイヤルが完成したとして、それを発動させるには複雑な計算式と、それなりに長い時間が必要なのだが、まるでそれが完成した途端に全ての条件が揃ってるとか、設定としても相当無理がある。フォラーはアンティキティラのダイヤルが完成したら、自分の好きな時代に行けると思っていたけど、最初からそれがおかしいという考えに至らないのが最大の問題だろう。

 懐かしさとこれが最終作という思い入れがあってやっと平均点かな?
製作年 2023
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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歴史地域
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キーワード
フォードvsフェラーリ
2019放送映画批評家協会作品賞、撮影賞、編集賞、視覚効果賞、アクション映画賞
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ピーター・チャーニン
ジェンノ・トッピング
ジェームズ・マンゴールド(製)
ジェズ・バターワース
ジョン=ヘンリー・バターワース
ジェイソン・ケラー(脚)
マット・デイモン
クリスチャン・ベイル
ジョン・バーンサル
カトリーナ・バルフ
トレイシー・レッツ
ジョシュ・ルーカス
ノア・ジュープ
レモ・ジローネ
レイ・マッキノン
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1963年。資金難のために身売り先を探していたイタリアのフェラーリ社の買収に乗り出したアメリカのフォード社だが、寸前でフィアット社に取られてしまう。フェラーリにダシに使われたことを知ったフォード社二代目社長のヘンリー・フォード二世はその恨みをル・マンの24時間耐久レースにフェラーリに完勝することで晴らそうと考えた。そのためにかつてル・マンでの優勝経験のあるキャロル・シェルビー(デイモン)を監督に雇う。シェルビーは自ら天才レーサーであると認めたケン・マイルズ(ベイル)をレーサーとして雇った。マイルズの助言を取り入れたフォードはル・マン用のレースカーを急ピッチで作り始める。

 一瞬の気の緩みが大事故を引き起こすカーレースにあって、耐久を加えたことで過酷な24時間耐久レースとなったル・マン。世界最高峰と言われるこのレースはこれまでに3回映画化されている。一本目は実際にレーサーでもあるスティーヴ・マックィーン主演の栄光のル・マン(1971)であり、二本目はフランスで製作されたアニメーション『ミシェル・バイヨン』。意外に少ないが、耐久レースは実際のレースを見ること自体がドラマだからなのかもしれない。
 それをレースだけでなく、レースの企画から始まっての壮大なドラマに仕立てたのが本作で、かなり満足度の高いものになっていた。
 レースとフレネミー(Friend,Enemyの合成語)の関係、企業の内幕話から家族愛まで、詰め込むだけ詰め込んでおいて、ほどよいバランスで仕上げたマンゴールド監督の手腕は賞賛されるべきだろう。
 それに何より、本作の面白いところは、二人の主人公が大企業側に付いているという点
 いわゆる“燃える”作品というのは、金で頬をひっぱたくような大企業に対して弱小ながら天才のいるチームが勝利するというパターンである。本来だったらこのパターンだとフェラーリの方を主役側に、フォード側をライバル側におくのが普通だが本作はその逆。主人公達は通常叩かれる側である大企業側に立って行われる。
 これは実話を元にしているためにそうせざるを得ないのだが、だからこそ企業内の軋轢とか開発の遅れとかをドラマ化できた。王道ではない作品だからこそ、そういう搦め手が使えたのだし、視点が変わったから面白い作品ができたとも言える。
 シェルビーもマイルズも、それぞれの分野の腕は一流だが、決して企業向きの性格をしていない。理想を定めたら金や人間関係なんか無視して自分のやりたいことに向かって突っ走るタイプだ。そんな二人が大企業のお抱えとなった時、当然企業とはぶつかり合いが生じる。この部分を強調することで本作はちゃんとチャレンジャブルな話に仕上がっている。
 金だけは出すものの、会社の方針に迎合しない二人に冷ややかな企業と共に戦っていかねばならない。しかもお互いに腕を認め合いつつ、友だちにはなれない主人公二人の軋轢もある。企業内での一匹狼というだけなら主人公を一人にしても良かっただろうけど、二人いることで相乗効果を生んでいる。この辺りの設定が絶妙である。
 それを受けるデイモンとベイルの立ち位置も良い。レースに全力集中したいマイルズはそれ以外のことを雑事として全く見ようとしないキャラだが、ベイルがしっかり役を演じていた。そもそもベイルは元々狂気をはらんだ役が似合ってるので、こう言う役にはぴったり。しかも姿形まで実際のマイルズに合わせていたことがラストシーンのスチール写真からうかがえる。役者魂ここにありって感じだ。一方、商売人としての側面も持つシェルビーは上手く立ち回ることもできるのだが、肝心なところで熱くなりすぎてしまう。二人とも性格は違うが、この「熱くなりすぎる」ところが似ていて、それで共感したり反発したりする。そんなバディを描いたことが本作の成功と言えるだろう。
 後はやっぱり演出だろう。レーサー視点で展開するレース風景が凄い臨場感あり。スピードが速くなればなるほど視野は狭くなり、危険度が増すが、それを映像でやると、どれだけレーサーが危険なことをやってるのかが見てるだけで分かる。これを大画面で観てると、かなり興奮する。
 ビデオで観るのは勿体ない。できれば大画面と良い音響の設備の中で観てほしい作品である。
製作年 2019
製作会社
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売り上げ
原作
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関連
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wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
LOGAN ローガン 2017
2017米アカデミー脚色賞
<A> <楽>
ハッチ・パーカー
サイモン・キンバーグ
ローレン・シュラー・ドナー
スタン・リー
ジェームズ・マンゴールド
ジョー・カラッシオロ・Jr
ジョシュ・マクラグレン(製)
マイケル・グリーン
スコット・フランク
ジェームズ・マンゴールド(脚)
ヒュー・ジャックマン
パトリック・スチュワート
リチャード・E・グラント
ボイド・ホルブルック
スティーヴン・マーチャント
ダフネ・キーン
エリザベス・ロドリゲス
エリック・ラ・サール
エリゼ・ニール
クインシー・ファウス
デイヴ・デイヴィス
レニー・ロフティン
ジェームズ・ハンディ
レイ・ガジェゴス
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ウルヴァリン:オールドマン・ローガン(コミック)マーク・ミラー
シリーズ
 2029年。ミュータントが生まれなくなって数十年が経過していたた。ローガン=ウルヴァリン(ジャックマン)らの活躍は既に過去となり、現役を引退し、ヒーリングファクター能力も失ったウルヴァリンは、恩人であるプロフェッサーX(スチュワート)を引き取ってメキシコでひっそりと暮らしていた。だがそんなローガンに接触してきた女性がいた。彼女が連れてきたローラという少女をノースダコタ州にある「エデン」まで連れて行って欲しいというのだ。ローラを見て、これが自分自身の遺伝子から作られた人工ミュータントであることを知ったローガンだが…
 X−MENシリーズのスピンオフであるウルヴァリンシリーズも本作で3作目。『キック・アス』(2010)原作者のマーク・ミラーによるコミック
「ウルヴァリン:オールドマン・ローガン」をベースに、独自解釈を加えた、ウルヴァリンの最期を描いた作品となり、シリーズ中最高のはまり役と言われたジャックマンのウルヴァリンもこれで見納めとなる。

 X−MENの本編シリーズとは一線を画すこととなった本作は大変特徴的な作風となった。既に滅び行くミュータントを哀愁漂うタッチで描いたこと、ヒーローものでありつつ、ちゃんとロードムービーの体裁を取っていること、そして往年の西部劇に大きくリスペクトされた作品というのが挙げられよう。
 この三つについて考えてみたい。
 
第一に本作におけるミュータントの扱いだが、ここでのミュータントの位置づけは完全に迫害対象である。
 これまでのシリーズでもその描写はあった。どの作品を観ても多かれ少なかれ、ミュータントに生まれついてしまったことの哀しみが描かれていたものだ。特にミュータントと人類の対立が主題の一つであった『X-MEN2』(2003)では克明にその迫害が描かれていたものだ。ただこれまでのシリーズでは、ミュータントは生まれ続けており、人類に敵対するミュータントに対抗するのは人類に味方するミュータントがいなければならなかったということから、反発は受けてもミュータントを大切にする空気があった。
 だがミュータントが生まれなくなってしまったらどうなるか。それが本作で描かれる事になる。結果は、あまりに陰惨なミュータント迫害へと変化していた。
 その中で自身も迫害対象となりつつ、他のミュータントを必死に守ろうとすることが格好悪くも格好良い描写になっていた。それが本来のX−MENの魅力で、そこに原点回帰したということを感じさせられて良い。

 
第二に本作がロードムービーの体裁を取っていると言う事だが、ロードムービーはちゃんとした映画ジャンルであり、ちゃんと定式がある。その定式というのは、某かのコンプレックスなり、ルサンチマンを持つ主人公が無理矢理旅に連れ回されてる内に、自分自身の弱さと直面させられ、それを乗り越えるのが醍醐味と言う事。
 本作ではまさしくウルヴァリンがミュータントである自分自身を、他の誰が認めてくれなくても自分が認めるという過程を通っていく。あまりにパターンにはまりすぎとは言え、上手く出来たロードムービーだろう(『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)とモロかぶりというのは言わない方向で)。

 
第三に西部劇にリスペクトされたという点だが、劇中『シェーン』(1953)の一場面と、その台詞が何度もリフレインされている。それだけ『シェーン』っぽいのだが、そもそもこの作品は、これまでの自分自身の食材を含め、無償で弱きもののために戦うヒーローという定式を作り上げた作品で、本作のオリジンとしては丁度良かったといえよう。
 ただ、本作で引用したのは『シェーン』だけとは言えないだろう。むしろ私が見る限り、本作はオールドガンマンを主役にしたペキンパーの『昼下りの決斗』(1962)とかイーストウッドの『許されざる者』(1992)の方に親和性がある
(実際原作とも言える「オールドマン・ローガン」はその傾向が強い)。この二作品の共通しているのは、老いた主人公が斜陽となった西部劇を体現していると言う事で、その意味では、これが最後の西部劇という意気込みのようなものを感じるものだが、本作もヒーロー作品としてその役割を担ってる感じがある。まだまだヒーローものの作品は作られていくだろうが、最終的にここに帰ってくるのだという一つの指標となってくれるだろう。

 そんなことで、様々なリスペクトが入っている本作だが、決してこれを明るく撮らず、時に悲惨なだけの描写も真っ正面から描いてくれたマンゴールド監督には拍手を送りたい。
ウルヴァリン:SAMURAI 2013
<A> <楽>
ローレン・シュラー・ドナー
ハッチ・パーカー
スタン・リー
ジョー・カラッシオロ・Jr(製)
マーク・ボンバック
スコット・フランク(脚)
ヒュー・ジャックマン
真田広之
TAO
福島リラ
ハル・ヤマノウチ
ウィル・ユン・リー
ブライアン・ティー
スヴェトラーナ・コドチェンコワ
ファムケ・ヤンセン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ
特撮事典
X-MEN <A> <楽>
 ブラザーシップとの戦いを経て解散したX-MEN。生き残ったローガン(ジャックマン)は極力人間とは関わらないよう生きていた。だがそんなローガンの前に、日本のヤシマ家からメッセージが届く。今から半世紀以上前、長崎の原爆でローガンに命を救われたお礼をしたいと言うヤシマの願いを聞き、日本にやってきた。既に死の床についていたヤシマがローガンに申し出たプレゼントとは、ローガンの不老不死の能力を取り去ると言うことだった。だがその答えを出す前にヤシマは亡くなり、その葬儀に出ることに鳴ったローガンの目の前でヤシマの孫娘マリコがさらわれてしまう…
 『スパイダーマン』(2002)に並び立つMarvelの代表シリーズ『X-メン』(2000)。スピンオフを含めこれまでに既に5作が作られている人気作だが、それら一つ一つがかなり質が高かった。それぞれにミュータントとして生きることの問いかけがなされており、そのアプローチも様々。
 その中で中心となることが多いのがウルヴァリンだった。極端な回復能力と長い命。更に記憶喪失と言う足枷をかけられた存在で、しかも関わった全ての物語で深い喪失感を味わう事になる。彼が常にぶっきらぼうなのはそんな苦しみにおいて。そんな深いキャラだけに、作り手も愛情を持って造形していたのだろう。スピンオフ作も最初の作品がウルヴァリンだったのも肯ける。
 そしてスピンオフも三作目となり、再びウルヴァリンを主人公とした作品が作られる!しかも舞台は日本で!これはコミック版のヤシマ=シルバーサムライが出てくる話で、かなり人気の高い物語
(ちなみに日本のアニメ会社マッドハウスが一連のマーベル作品を制作したことがあったが、その時もこの物語を作ってた)
 と言うことで、かなりの期待作ではあった。

 …で、問題となる出来は、はっきり言わせてもらえれば、
「シリーズ最低作」としか言いようがない。
 日本を敢えて誤解させたまま、かつてアメリカ人が考えていたジャパンにしたのは悪くない。これくらいむちゃくちゃにしてくれた方が興味もってもらえる位だから。要人警護にはもちろんニンジャが行い、ほぼゾンビ並みの体力を持つヤクザ、敵の首領はお城に住む。まあよくここまでやってくれたと感心出来るくらいだ。
 それは良くても、肝心の物語が酷い。
 今回ウルヴァリンがやってることは、ステロタイプのヒーローそのもので、キャラの深みは一切ない。目の前の危機を順番にクリアするだけで、そのモチベーションはお姫様を守る騎士そのもの。今時こんな馬鹿みたいな単純な物語見せられるとは思ってもみなかった。シルバーサムライは出てるにしても、これじゃ単なるロボット。シルバーサムライとなるヤシマの悪人っぷりが薄っぺらい。せっかく出した真田広之が単なるチンピラキャラ。力入ってるはずのアクション部分がお粗末。どこを観ても褒める要素が見つからない。それに明らかに安普請のアクション描写も今ひとつ。
 これらのどれかをきちんと作ってくれれば、まだ褒めるところ見つかったんだが、ここまで褒めるところがないと、流石に呆れる。オリジナルの物語を曲げてもシルバーサムライ役は真田広之が演じさせるべきだったんじゃないか?正直、ジャックマンと真田広之が殺陣でぶつかるシーンが一番楽しみだったから、それを裏切られたのが痛い。
 正直、文句以外出てこない。

 それでも強いて良いところを言うなら、この作品の位置付けだろうか。一応『ファイナル ディシジョン』(2006)で完結したはずの『X-MEN』が、まだ終わっておらず、ちゃんと続編を考えていることが分かったことだけが成果か?ことある毎に夢でジーンが現れるのと、あれだけ完璧に死んだと思われたプロフェッサーXが、実は…と言うラストシーンは少し嬉しい。でもこれは本編とは全く別なこと。その程度で評価を上げるほどの事はない。
ナイト&デイ 2010
2010タランティーノベスト第12位
<A> <楽>
トッド・ガーナー
キャシー・コンラッド
スティーヴ・ピンク
ジョー・ロス
アーノン・ミルチャン
E・ベネット・ウォルシュ(製)
パトリック・オニール(脚)
トム・クルーズ
キャメロン・ディアス
ピーター・サースガード
ヴィオラ・デイヴィス
ポール・ダノ
ジョルディ・モリャ
フォーク・ヘンチェル
マギー・グレイス
デイル・ダイ
マーク・ブルカス
レニー・ロフティン
セリア・ウェストン
ガル・ギャドット
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 2005
2005米アカデミー主演女優賞(ウィザースプーン)、主演男優賞(フェニックス)、衣装デザイン賞、音響賞、編集賞
2005英アカデミー主演女優賞(ウィザースプーン)、音響賞、主演男優賞(フェニックス)、作曲賞
2005全米批評家協会主演女優賞(ウィザースプーン)
2005NY批評家協会女優賞(ウィザースプーン)
2005フロリダ映画批評家協会主演女優賞(ウィザースプーン)
2005ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(フェニックス)、女優賞(ウィザースプーン)
2005放送映画批評家協会主演女優賞(ウィザースプーン)、サウンドトラック賞、作品賞、主演男優賞(フェニックス)
2005ナショナル・ボード・オブ・レビュー作品賞
2005ラスヴェガス映画批評家協会主演女優賞(ウィザースプーン)
2005
全米オンライン映画批評家協会主演女優賞(ウィザースプーン)
2005
アメリカ製作者組合実写部門賞

2005映画俳優組合主演女優賞(ウィザースプーン)、主演男優賞(フェニックス)

2006MTVムービー・アワード演技賞(フェニックス、ウィザースプーン)
<A> <楽>
ギル・デニス
ジェームズ・マンゴールド(脚)
ホアキン・フェニックス
リース・ウィザースプーン
ジニファー・グッドウィン
ロバート・パトリック
ダラス・ロバーツ
シェルビー・リン
ダン・ジョン・ミラー
ラリー・バグビー
タイラー・ヒルトン
ウェイロン・マロイ・ペイン
シューター・ジェニングス
ヴィクトリア・ヘスター
ケリス・ドーシー
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
原作:ジョニー・キャッシュ
 綿花の小作農家に生まれたジョニー=キャッシュ(フェニックス)は幼少時代の父親の暴力と、自分の過失で兄のジャックが死んでしまった事実を心に成長していった。軍隊から帰った後、初恋の女性ヴィヴィアン(グッドウィン)と結婚し訪問セールスを始めるが、その傍ら趣味のバンド演奏を続けていた。運良くデビューを飾ったが、今度はほとんど家に帰る事が出来ないようになってしまい、ヴィヴィアンとの溝は深まるばかりだった。そんな時、同じコンサートで同行した子供の頃からファンだったジューン(ウィザースプーン)に安らぎを求めるようになっていく…
 伝説となったギタリスト、ジョニー・キャッシュの伝記映画。
 物語自体は
ありがちなもので単純だし、いかにもアメリカ人好みです。という部分はちょっと引くのだが(『Ray/レイ』(2004)とのストーリーの類似も多い)、この手の作品で一番重要なのはキャラのはまり具合。これに関しては文句なし
 私にとって最初の問題は、フェニックス、ウィザースプーンのどちらも比較的苦手なキャラだったと言うことなのだが…
 これまでフェニックスは
大根だとばかり思っていたけど、決してそんなことはなかった。本作を観て分かったのは、単にこの人は表情に乏しいだけで演技の質が悪い訳ではないということ。普段無表情なのに、時折キレるあたりの描写は、なるほどこの人だからこそ映える描写なのだな。演技の幅は狭いけど、はまれば見事な演技をしてくれる。本作ほどフェニックスを見事に使った作品は無かろう。一方ウィザースプーンは、これまで軽めの作品ばかりしか観てなかったし、それもほとんど「くだらない」で済ませてしまったものばかりだから、こちらも全然期待してなかったのだけど、こちらも見事。歌っている時の満ち足りた顔が、舞台を降りた途端疲れ切った表情に変わり、それでも一人で生きていくことを自分に課し、男とは縁を切って生きていこうとする硬質さを併せ持つ。そんな彼女がどうしようもなくなったキャッシュに徐々にほだされていく過程…こんなに芸達者だったとはねえ。初めて知ったよ
 ところで本作ではフェニックス、ウィザースプーン共に肉声で歌に挑戦してるのだが、これ又見事。フェニックスは最初の内は力入りすぎっぽいけど、物語進むに連れてその歌も力強い者へと変わっていく。これは多分キャッシュ本人がそう言う歌い方の変遷をしていたからなんだろう。
 私は別段キャッシュのファンという訳ではなかったことなのだが、興味を持たせるには充分な内容だった。
"アイデンティティー" 2003
<A> <楽>
マイケル・クーニー(脚)
ジョン・キューザック
レイ・リオッタ
レベッカ・デモーネイ
アマンダ・ピート
ジョン・ホークス
アルフレッド・モリナ
クレア・デュヴァル
ウィリアム・リー・スコット
プルイット・テイラー・ヴィンス
ジョン・C・マッギンレー
ブレット・ローア
レイラ・ケンズル
ジェイク・ビューシイ
カーメン・アルジェンツィアノ
マーシャル・ベル
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ニューヨークの恋人 2001
2001米アカデミー歌曲賞
2001ゴールデン・グローブ主題歌賞、男優賞(ジャックマン)
2001放送映画批評家協会歌曲賞
<A> <楽>
ジェームズ・マンゴールド
スティーヴン・ロジャース(脚)
メグ・ライアン
ヒュー・ジャックマン
リーヴ・シュレイバー
ブレッキン・メイヤー
ナターシャ・リオン
ブラッドリー・ウィットフォード
パクストン・ホワイトヘッド
スポルディング・グレイ
フィリップ・ボスコ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1876年のニューヨークではレオポルド公爵(ジャックマン)が周囲から結婚を強いられていた。愛する女性とめぐり逢えないまま結婚相手を決めざるをえないことに我慢できなかった彼は町を彷徨う内にブルックリン・ブリッジから落ちてしまう。ところが落ちた所はなんと現代のニューヨーク。彼はタイムスリップしてしまったのだ。そこで映画リサーチ会社で働くケイト(ライアン)と出逢う。気品のある彼の物腰にインスピレーションをかき立てられたケイトはレオポルドを宣伝に使おうとする。どこかずれたレオポルドの振る舞いに、お互いの距離は徐々に埋まっていくのだが…
 一応SFになるのかな?タイムスリップを題材にした作品はパターンとしてラブコメがよく似合う。それをそのまんま地でやってしまいました。という感じの作品。
 全くの前知識無しに観始めたお陰で、最初の気合いの入った19世紀の描写には、なかなかの好作の予感。しかし、タイムスリップしてメグ・ライアンと出会った瞬間から、その後の物語は全部分かってしまった。なんだかんだ言っても、本作は
いつものメグの映画と何ら変わることが無いような気がしてならない。設定はともかく、恋愛に持って行く過程はもうコテコテ。こう言うのが似合うのがメグであり、それ以上のものではない。
 ただ、やはり設定が面白いのは大きな強味で、後半のほとんどアクション映画みたいな展開には、ストーリーが分かっていながらも結構楽しめた。
 設定面に関しては狙ったのか素なのか今ひとつ分からないんだけど、19世紀の気合いの入った描写に対し、
20世紀の方が逆に嘘くさくなってるのが面白い。人間関係が濃密な描写の方が、映画としてはやはり映えるのだろう。現代の希薄となった人間関係をちょっぴり皮肉ってるのかも知れない。。ジャックマンのキャラが妙に立っていたのが良かったな。この人の顔の濃さは、時代物によく合う(笑)
17歳のカルテ 1999
1999米アカデミー助演女優賞(ジョリー)
1999ゴールデン・グローブ助演女優賞(ジョリー)
1999放送映画批評家協会助演男優賞(ジョリー)
<A> <楽>
ジェームズ・マンゴールド
リサ・ルーマー
アンナ・ハミルトン=フェラン(脚)
ウィノナ・ライダー
アンジェリーナ・ジョリー
クレア・デュヴァル
ウーピー・ゴールドバーグ
ジャレッド・レトー
ブリタニー・マーフィ
エリザベス・モス
アンジェラ・ベティス
ジェフリー・タンバー
ヴァネッサ・レッドグレーヴ
トラヴィス・ファイン
ケイディー・ストリックランド
レイ・ベイカー
ミシャ・コリンズ
ジリアン・アルメナンテ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
思春期病棟の少女たち <A> <楽>
スザンナ・ケイセン (検索) <A> <楽>
 精神を病んでしまった17歳の少女スザンナ(ライダー)は両親より強制的に精神病院に入院させられる。そこには彼女同様精神を病んだ少女達が多数入院していたが、基本的に皆、普通の少女達で、みんなで小さなゲームを考案し、厳しい監視下で互いのカルテを盗み見たり、遊んだりしていた。そんな中、スザンナは患者のリーダー格であるリサ(ジョリー)から脱走を持ちかけられるのだが…
 原作者スザンナ・ケイセンの実体験を元に描かれた手記
「思春期病棟の少女たち」に惚れ込んだ主演のウィノナが映画化にこぎつける。ここでは境界型人格障害(borderline personality disorder)と診断された少女の物語となっている。ちなみに境界型人格障害とはWikipediaによれば「不安定な自己イメージ、認識の歪み、感情・思考の制御の障害、衝動的な自己破壊行為などの特徴」とされる。(wiki)
 日本でも最近になってようやく精神障害が一般的に認められるようになって、それまで苦しみ続けた人達をケアできるようになってきたのはありがたいことだ。
 映画には多く、精神病を題材にした作品というのはあるし、その役を演じることでオスカーを得た俳優も多い。役者として一度はチャレンジしてみたい題材なのかもしれない
。しかし、これまで女性を主題とした作品は目立ったものがあまり多くなく、しかもこれだけリアルな作品は珍しい。その辺はやはり実体験を元にしているだけのことはある。
 特に思春期に見られた
境界型人格障害というのは、かなり微妙な精神病。なまじ一般生活が出来る部分が大きいため、一応のコミュニケーションが出来てしまう分、逆に周囲の人を傷つけてしまう事が多い。ここでもスザンナは、自分で望んでだけでなく、内なる衝動によって多くの人を傷つけているのだが、それが本当に少しずつ少しずつ癒されていく過程がよく描かれている。
 ただリアリティというのは、時として物語りそのものを平板なものにしがち
(だからこそ、これを演じられる人は“実力者”と見なされるわけだ)。それで本作は若手の実力派女優を適材適所に配置している。
 ライダーは既に年齢的に17歳と言うにはきついが、それでも流石の貫禄の演技を見せつけていた。なんでもかつてつきあっていたジョニー・デップとの別れで実際にノイローゼとなって精神科に入院していたと言う事もあったそうだが、そこでの経験が活かされたとも言える。
 それにそれまでアクション女優としか見られてなかったジョリーを一躍演技派女優に出来たのが本作の最大の功績と言えよう。他の女優達も良い役割を果たしていた。多少学芸会のような雰囲気も感じられるものの、少女達の華やいだ雰囲気と、全く別のベクトルの重さを巧く見せていた。それを統括する立場にあったウーピー=ゴールドバーグも流石。
コップランド 1997
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