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ジョン・ウー
John Woo
呉宇森

ジョン・ウー
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鑑賞本数 合計点 平均点
書籍
著作
小説レッドクリフ(上)(書籍) 小説レッドクリフ(下)(書籍)

評論
ジョン・ウー―期待の映像作家シリーズ(書籍)
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017 マンハント 監督
2016 健さん 出演
2015 The Crossing -ザ・クロッシング- Part II 監督・脚本
2014 The Crossing -ザ・クロッシング- Part I 監督・脚本
2013
2012
2011 セデック・バレ 第二部 虹の橋 製作
セデック・バレ 第一部 太陽旗 製作
2010 レイン・オブ・アサシン 監督・製作
2009 レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦― 監督・製作・脚本
2008 レッドクリフ Part1 監督・脚本
2007 ブラッド・ブラザーズ -天堂口- 製作総指揮
エクスマキナ 製作
2006
2005 それでも生きる子供たちへ 監督
2004
2003 ペイチェック 消された記憶 監督・製作
バレット モンク 製作
2002 ウインドトーカーズ 監督・製作
レッド・スカイ 製作総指揮
ジャッキー・チェン -ドラゴンへの道- 出演
アート・オブ・アクション マーシャル・アーツ・フィルムの変還 出演
2001
2000 M:I-2 監督
1999
1998 ブラックジャック 監督・製作総指揮
リプレイスメント・キラー 製作総指揮
ビッグ・ヒット 製作総指揮
ジャッキー・チェン マイ・ストーリー 出演
1997 フェイス/オフ 監督
ジョン・ウー 狼たちの絆 FINAL MISSION 製作総指揮
ジョン・ウー 狼たちの絆 MISSION:3 製作総指揮
ジョン・ウー 狼たちの絆 MISSION:2 製作総指揮
ジョン・ウーの狼たちの絆
<A> <楽> 製作総指揮
1996 ジョン・ウー 狼たちの絆 監督・製作総指揮
ブレイク・ダウン 監督・製作総指揮
ブロークン・アロー 監督
1995 南京1937 製作
野獣の瞳 製作
大陸英雄伝 製作
1994
1993 ハード・ターゲット 監督
死闘伝説/ベスト・オブ・アクション 出演
1992 ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌 監督・出演
1991 狼たちの絆 監督・脚本
1990 ワイルド・ブリット 監督・製作・脚本
1989 ワイルド・ヒーローズ/暗黒街の狼たち 監督
反逆の絆 出演
狼/男たちの挽歌・最終章 監督・脚本
1988
1987 男たちの挽歌II 監督・脚本
1986 ソルジャー・ドッグス 監督・脚本
男たちの挽歌 監督・脚本
1985
1984
1983 ゴースト・バスティン 製作総指揮
1982
1981 アーメン・オーメン・カンフーメン! 監督
1980 滑稽時代/モダン・タイム・キッド 監督・脚本
1979
1978 剣聖たちの挽歌 監督・脚本
1977
1976
1975 ジャッキー・チェンの秘龍拳 少林門 監督・出演
1974
1973 カラテ愚連隊 監督・脚本
ブラッド・ブラザース 助監督
1972 四騎士 助監督
嵐を呼ぶドラゴン 助監督
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946 5'1 広州で誕生

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マンハント
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★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 2017
製作会社
ジャンル
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原作
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関連
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レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦― 2009
2009日本アカデミー外国作品賞
2009放送映画批評家協会外国映画賞
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テレンス・チャン
ジョン・ウー
ハン・サンピン
松浦勝人
ウー・ケボ
千葉龍平
デニス・ウー
ユ・ジョンフン
ジョン・ウー(製)
ジョン・ウー
チャン・カン
コー・ジェン
シン・ハーユ(脚)
トニー・レオン
金城武
チャン・フォンイー
チャン・チェン
ヴィッキー・チャオ
フー・ジュン
中村獅童
リン・チーリン
ユウ・ヨン
ホウ・ヨン
トン・ダーウェイ
ソン・ジア
バーサンジャプ
ザン・ジンシェン
チャン・サン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 長江の赤壁に駐留する80万を擁する曹操軍。対する劉備と孫権連合軍はわずかに5万。圧倒的な戦力差で対峙する三国だったが、慣れぬ土地柄で曹操軍には疫病が蔓延していた。一方、連合軍では劉備が突然の撤退宣言を出してしまう。ただ一人孫権軍に残った孔明(金城武)は周瑜(レオン )と共に、対曹操の策を練り続ける。一方その最中、周瑜の妹尚香(チャオ)は男装して曹操軍の足軽として潜入していた…
 三国志の中でも最も大規模な戦闘と、三国の関係を形作ったという重要な
赤壁の戦いを描いた歴史大作。第一作『レッドクリフ Part1』の記録的大ヒットが記憶に新しい中、すぐさま本作が投入され、当然の如くヒットを記録。
 合計して5時間を超える大作となったわけだが、一作目は基本的に個々の武将や知将の個性を存分に引き出してくれているから、二作目でその下敷きを使っての集団戦の派手さに持っていったのは正しいやり方だと思う。仮に時間を縮めて、二作目の方をベースに作ってしまったならば、個性を観られないまま、単なる派手な作品で終わってしまっただろうから。
 …なんか奥歯に物が挟まったような言い方だな。
 有り体に言ってしまえば、二作目の本作は、単に
派手な“だけ”の作品でしかなくなってしまったというのが結論。主要キャラの個性も出せてないし、駆け引きについても非常に上っ面に終わってしまってた。
 更に、主要キャラが個性出せない分のサービスか、サブキャラである尚香や小喬と言った女性キャラにはえらく時間を使って描写しているのだが、これが蛇足も良いところ。三国志という大きな物語を描いているのに、
そんなありきたりな物語を延々と描かれても、何の感慨もない。劉備の裏切りの意味合いをこそ、本作ではもっと細かく描くべきだったのだ。

 多分、これはウー監督の挑戦だったのだろう。出世作である『男たちの挽歌』以来、ウー監督作品は殊更“漢(おとこ)”について描いたものばかりで、登場する女性は話の中心にはならないか、あるいは『ペイチェック 消された記憶』のユマのように、男顔負けのアクションシーンをこなす人ばかり。それで「男しか描かない監督」と言われてしまってるのだが、その悪評を吹っ飛ばし、
「どうだ。女も描けるんだぞ」という自己主張の為だったかと思われる。
 …でも、これも結論を言わせていただければ、ウー監督は
「男しか“描かない”」監督ではなく、「男しか“描けない”」監督であったと言う事を世に示してしまった。物語上、全く尚香と小喬の物語は意味が感じられないのみならず、蛇足以外の何者にも感じられない。これが例えばアン・リー監督だったら、尚香を男にしてしまって見応えのある物語を作っていたかもしれないんだが(笑)
 ラストの物語展開についてもかなり疑問あり。数十万という人間、その中で親友まで殺されていたあの状態で曹操を殺さずに逃がすという選択はまずあり得ない。ドラマ性を重要視するために周瑜と曹操の直接対決を描きたかったんだろうけど、それがラストシーンを滅茶苦茶にしてしまった。ここも相当な問題ありだと思うぞ。

 でも、少なくとも、最大の見所は決して外してはいなかった。これらの
細かい文句を吹き飛ばしてしまうパワーが戦いの派手さにはある。一作目と較べ、今度は夜戦で火を使った派手な戦闘シーンと(爆発はやり過ぎにせよ)、人海戦術を用いた人の群れが直接ぶつかり、肉と鉄とが交差すると言った、細かい描写もきちんと描いてくれている。あの集団戦の中で、一人一人の個性まで描けるような人は、現在ではウー監督くらいなものだ。少なくともこれに関しては文句の言いようがない。ほんと、いいもん見せてもらった。って感じだ。

 本作に関しては色々不満も多いため、★★★に抑えさせていただくが、二作まとめて考えるなら、文句なく★★★★を差し上げよう。
レッドクリフ Part1 2008
2008日本アカデミー外国映画賞
2008毎日映画コンクール外国映画ファン賞
2008映画館が選ぶ映画館大賞16位
2008CDV-Jマイベスト洋画1位
2009放送映画批評家協会外国映画賞
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テレンス・チャン
ジョン・ウー
ハン・サンピン
松浦勝人
ウー・ケボ
千葉龍平
チン・ウェン・ハン
キム・ウデク
ユ・ジョンフン
ジョン・ウー(製)
ジョン・ウー
カン・チャン
コー・ジェン
シン・ハーユ(脚)
トニー・レオン
金城武
チャン・フォンイー
チャン・チェン
ヴィッキー・チャオ
フー・ジュン
中村獅童
リン・チーリン
ユウ・ヨン
ホウ・ヨン
バーサンジャプ
ザン・ジンシェン
トン・ダーウェイ
ソン・ジア
チャン・サン
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 西暦208年。かつて中国全土を支配していた漢王朝は曹操(チャン・フォンイー)によって牛耳られ、皇帝は曹操の言うことに従うしか道が残されていなかった。そんな曹操によって逆賊として追われる劉備(ユウ・ヨン)は猛将達と天才軍師の諸葛孔明(金城武)と共に、民らを率いて敗走を重ねていた。そして曹操は次に江東を狙う。80万の軍勢が進軍を開始したと聞いた江東の孫権(チャン・チェン)と劉備はここにに共闘をもって曹操を食い止めることに。呉軍を率いる周喩(トニー・レオン)は要塞のある赤壁にて蜀の孔明を待つ。
 まずこれは個人的な話。少し前に出張で研修会に行き、夜にホテルでみんなで飲みながらしゃべっていた時。私の後輩に当たる人が何故か私のところに来て、「甘崎(仮)さん、三国史って知ってますか?」と聞いてきた。なんでこんな席で全く関係ない話を、しかも何で私に話してくるのか?
まったく空気の読めない奴だ…
 …なんて思うこともなく、他の人たちがドン引きする中、陳舜臣が書いた奴、吉川英治版、横山光輝のマンガについて延々と話し続けたという事実があったりして…
オタクっていやだね

 中国史の中でも演義として、最も有名にして、日本でもファンが多い三国史。特に昨年くらいから日本でも静かなブームが起きているが、丁度それに合わせるかのようにこの話が出てきた。
 正直、この話を聞いた時は
「なんと無謀な」という思いだった。そりゃこれ作るのはアジア圏の監督にとっては夢だろうけど、どんな作り方をしても叩かれることが分かっているものを敢えて挑戦する意味はあるのか?一方あの膨大な三国史をどのようにウー監督が料理するやら。かなり期待度も高くなっていた。
 とりあえず一見して分かるのは、ウー監督はこの大作を前に全く物怖じせず、
全部自分の土俵に持ち込んで作り上げてしまったと言うこと。実際本作に関しての評は、「ウー監督による三国史」だけで全部言い尽くされてしまうようなものだ。
 そりゃ2丁機関銃こそないものの、白い鳩は飛び、槍の一振りで雑兵の二三人がスローモーションで回転しながらふっとぶなど、いかにもウー監督らしい演出にあふれていて、戦いのシーンだけに関してはこれほど爽快なものは無かろう。これだけで充分…というか、
それ以外に見どころがないとも言える。さすがコリーユンがアクション監督してるだけのことはある。
 本来この戦いが持つメッセージ性や歴史的意味合いはここにおいて完全にシャットアウトされ、アクションのみに特化した作品として観るのが正しい。
 映画の役割ってこれでも良いんじゃないかな?
これで興味を持つんだったら三国史の本に挑戦するも良し、英雄の名前をこれで覚えるというのもありだろう

 しかし、それではレビューにならないので、敢えて内容で考えてみよう。
 三国志で登場するのは三つの国であり、その中心としては、魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権となる。史書や演義では彼らは英雄として祭り上げられているが、本作では彼らの扱いは
かなり雑に描かれている。彼らは英邁な君主としてではなく、ここでは人間的弱さの方が強調されていた。劉備は民のことを優先に考えすぎるあまり消極的すぎて、やばくなると現実逃避するかのようにひたすら草鞋を編んでる(元は草鞋売りから出世した人だからだが)。一方孫権は父孫堅、兄孫策の後を継いで君主となったのは良いが、父や兄のような野心が低く、廷臣の言葉に揺れ続け、なかなか決断を下せない。唯一果断さを持つ曹操も、今回の出兵は実は周喩の妻小喬を奪わんとするという、割と下世話なキャラクタとして描かれている。つまり三君主がそれぞれ情けなく描かれているわけだ(端的には女性によって組み伏せられてしまう劉備の姿に良く表されているだろう)
 これは描き方を失敗したとも見られるのだが、実はこれこそがまさしくウー監督の狙いに他ならない。ウー監督作品は、整然とした用兵による力対力のぶつかり合いや、戦略を描く事を放棄する
(やった作品もあるのだが、『ウインドトーカーズ』は見事に失敗した)。むしろ化け物じみた強さを持つキャラクタが縦横無尽に画面を飛び回り、雑兵を木っ端のように粉砕する。そう言った個人の技量を描くことに特化していることこそ、ウー監督らしい。その事を自分でよく分かっているからこそ、武将の方を目立たせるために君主はあくまで後ろに引かせてしまうわけだ。その分、武将一人一人の方にスポットが当たり、個々を目立たせることとなる。
 これこそが三国志という巨大な物語を自分自身の作りに引き込むための措置だったわけだ。結果として戦いの時には関羽や張飛や趙雲が、それ以前の用意段階では孔明や周喩が存分に目立つように作られている。こうやって強い人物一人一人が立ってるからこそ、ウー監督作品として成り立つのだ。
 これはウー監督というか、アクションゲーム的な作りでもある。今や
史実さえそう言ったゲーム感覚で作られるようになったのかもしれないね。
ペイチェック 消された記憶 2003
2004サターンSF作品賞
<A> <楽>
テレンス・チャン
ジョン・デイヴィス
マイケル・ハケット
ジョン・ウー
ストラットン・レオポルド
デヴィッド・ソロモン(製)
ディーン・ジョーガリス(脚)
ベン・アフレック
アーロン・エッカート
ユマ・サーマン
コルム・フィオール
ジョー・モートン
ポール・ジアマッティ
マイケル・C・ホール
ピーター・フリードマン
キャスリン・モリス
イワナ・ミルセヴィッチ
クリスタ・アレン
ミシェル・ハリソン
クローデット・ミンク
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ペイチェック <A> <楽>
フィリップ・K・ディック (検索) <A> <楽>
 近未来。コンピュータ・エンジニアのマイケル=ジェニングスは、ハイテク企業の開発を行う傍ら、機密保持のために報酬と引き替えに開発期間中の記憶を抹消するという手続きを繰り返していた。そして今回オールコム社の極秘プロジェクトに招かれたマイケルは3年間の記憶と引き替えに、莫大な報酬を提示され、それを受ける。だがプロジェクト終了後、ジェニングスが受け取ったのは19個のガラクタが入った封筒だけだった。しかも警察や、謎の暗殺集団から狙われる羽目に…
 フィリップ=K=ディックの原作にウー監督という組み合わせで製作された本作。期待以上に良い出来の部分と、酷い部分とが混在した作品に仕上がっていた。
 悪い点を挙げれば、それこそ山のようにある。特に設定面のボロボロさは無惨そのもので、改めてSFの描き方の難しさというものを示していた。
言い連ねると、それこそ山のようにあるけど、あの未来を覗き込む機械のいかがわしさは群を抜いてる。時や場所ってのをどうやって特定するのか、どう言う視点で未来が覗けるのかが全く説明されてないのが一番の問題だが、未来の映像が何故かみんなカメラ目線になってるのはどういう理屈だ?(笑)。ストーリー展開のご都合主義は、設定上仕方ないにせよ、未来を変える方向性の説明も無し。そこの演出こそが本来この映画をSFたらしめる重要な点のはずなんだが。
 …つまり、本作をSF映画として観る限りにおいては、どうしようもない作品と言って良い。ただ、別段本作だけがそうだと言うつもりはないし、むしろSF作品の大部分はこの程度の出来だから、怒る必要はないだろ。
 むしろ、
この作品をSFだと思わなければ良いんだ。香港仕込みのアクション作品に、ハリウッド的なスピーディ展開がミックスされた作品だと割り切って観ると、実はかなり面白い。そう言う視点に立ってみると、あのご都合主義の物語は、中だるみさせることなく次々と新しい展開が待っているって事になるので、むしろ歓迎すべきだし、要所要所で展開されるアクションシーンが実に楽しい。スローモーションや危機一髪の回避などいつものウー監督作品で多用されてる演出が控えめなので、監督らしくない部分もあるけど、今回ガラスを用いた演出はかなり巧かった。特にウマがバンッと強化ガラスに手を叩きつけた時に手に付いた血がガラスにへばりつく部分とか、最後に落下して、べたっとガラスに顔押しつけて絶命する社長の顔なんか、非常に上手い演出だと思った。
 アクションシーンに関しては他のSF作品と較べてもはるかに良質。この作品を観ていて、同じディック原作の『トータル・リコール』(1990)との関連性なども感じたし(演出の共通部分多し)、展開上は『マイノリティ・レポート』(2002)に近いものもあるのだが、ここでのアクションシーンは完全に群を抜いてる。これは、アクション部分において下手な小細工をせず、生の演技を強調したためだと思われる。最初のアフレックの棒術の訓練の成果がちゃんと後で出てたし、一体これのどこがSFなの?と思えるカー・アクションも見応えあり。でも、結局それが良かったんだと思う。SF作品だと、SFっぽい演出でアクションシーンを演出しようとする結果、目が別の方に行ってしまい、肝心のアクション部分に嘘くささしか感じない場合が多いが、これは本当に生だったため、純粋にウー監督の演出を楽しめた。
 キャラクターに関しても上手い配役だった。私に言わせれば、アフレックは
“マッチョなインテリ”役が一番似合ってると思うし、本作はまさにそのまんま。ウー監督、よく分かっていらっしゃる。それに極めてSF映画と相性の良いウマ=サーマンが絡むのは嬉しいところ。難点があるとすれば、この二人、恋人の相性悪そうだなって事くらい(笑)。悪役は悪役らしく、刑事は刑事らしく(融通が利かない頑固さがあるが、基本的に人が良く騙されやすい)、ステロタイプにしてくれたのも良い結果を生んだと思う。新しい発見こそ無いけど、手堅い作りだよ。
 ラストは嫌味な蛇足のような気もするけど、最後まで概ね好意的に見られた作品だった。実際一度も時計を見ることなく終わらせてくれてただけで充分だ。
鳩もちゃんと出てたしね(笑)
ウインドトーカーズ 2002
<A> <楽>
テレンス・チャン
トレイシー・グレアム
アリソン・R・ローゼンツワイグ
ジョン・ウー
C・O・エリクソン(製)
ジョン・ライス
ジョー・バッティア(脚)
ニコラス・ケイジ
アダム・ビーチ
クリスチャン・スレイター
ピーター・ストーメア
ノア・エメリッヒ
マーク・ラファロ
ブライアン・ヴァン・ホルト
マーティン・ヘンダーソン
ロジャー・ウィリー
フランシス・オコナー
ジェイソン・アイザックス
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1943年。第2次世界大戦時の南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル。ここでジョン=エンダーズ(ケイジ)率いる海兵隊部隊は日本軍の猛攻を受け、彼一人だけが大怪我を負いつつも生き残った。自分を恨んで死んでいった戦友達に対しての責任を感じるエンダーズは一刻も早い復隊を希望する。ようやく復隊が認められたエンダーズに課せられた新たな任務は、“ウインドトーカーズ”と呼ばれたナヴァホ族の通信兵カール=ヤージー(ビーチ)とペアを組んで護衛し、彼の戦場での安全を確保することだった。しかし、実は真に必要とされたのは暗号の秘密の死守で、もし彼が捕虜となるような事態に陥ったなら、暗号保持のため、ヤージーを殺すことも指令に含まれていた。最前線で戦う彼らには、やがて友情が芽生えていくのだが…
 ジョン・ウーはアクション映画では定評がある監督で、彼の作品だけは劇場で観たいと思えるくらいに、私のツボにもはまっている。
 そのジョン・ウー監督が戦争映画を作ると言う。しかもドキュメント・タッチで。多少複雑な気分…成功する、かもしれない。だけど
圧倒的な確率で失敗するんじゃないか?としか思えなかった。戦争映画とアクション映画は質において似たように思えつつ、実は手法そのものが全く違う。もし今までの撮り方で戦争映画を撮るとしたら、まあ、いくつか見るべきシーンはあっても、概ねは失敗だろう。としか思えなかった。
 それでも久々にわくわくしつつ劇場に足を運ぶ。

 先ず第一にこれだけは言っておく。これは面白い映画だった。その前提に立って書かせてもらおう。

 戦争映画で難しいのは、
“視点をどこに置くか”と言う点にある。個々の戦闘とは違い、戦場が広くなるため、どうしても俯瞰して戦場を見る必要がある。大体それは“司令部”と言う形で登場するのだが、これのお陰で盛り上がった気分が削がれることが多い。更に、様々な戦闘を想定し、主人公を複数に取り、彼らの戦闘シーンをめまぐるしく変えることによって、リアリティを出す事も多い。これが上手くいくと良いんだけど、何せ戦闘シーンはみんな同じ格好してるので、区別が付きにくいことがよくある。あれ?こいつ誰だ?と言うのがあると、やっぱり興が削がれる。
 然るにこの映画、その定式にとらわれてなかった。ほとんど視点はエンダーズとベン、二人のいる部隊だけに狭められ、しかも彼ら、画面の中に顔がよく出る。お陰で誰が戦ってるのかはっきり分かる…なるほど。アクション映画の監督だけある。これほどはっきり主人公達を目立たせた戦争映画は珍しい。
リアリティを犠牲にして、主人公達のキャラクターを立たせることに精力を注いだという訳か。
 リアリティを犠牲にして、と言うのは実はかなり徹底していて、いくつかどう見てもおかしい部分があるのが難と言えば難か。
 先ず根本的な問題なのだが、アメリカ軍がナヴァホ族の言語を暗号化して第2次世界大戦で用いられたのは事実なんだが、彼らを最前線で、しかも戦いに出してはいなかった。そんなことをするのは狂気の沙汰だ。確かに彼らは最前線には必要だったのだが、あくまでその後方に引っ込んでないとおかしい。だって、一秒一刻を争う戦場での通信は暗号を使う必要がない訳だし。必要なのは、戦場を俯瞰し、敵味方の重要拠点の位置を報告するとか、被害状況を正確に伝えるとか、もう少し時間がかかる事をやるべきなんだが
(事実、ヤージーは劇中の一シーンで、あきらかに英語で通信してる。そしてその結果は同じ)。アメリカは彼らが捕虜になることを極端に怖れ、可能な限り秘匿しようとしていた。史実では、日本軍は、終戦までその暗号がナヴァホ族のものであること自体知らなかった。暗号はアメリカ軍にとっては最重要機密だったわけだし(ちなみにドイツ軍でもエニグマと呼ばれる機械的な暗号機が用いられ、これを奪うためにアメリカが払った犠牲はかなり大きかったから、暗号解読と言うのがどれほど重要だったか分かろうというもの)。最重要機密を一番さらわれたくない日本軍の前に置くか?それも二人も。
 後、エンダーズが属する海兵隊第2部隊はよほどの精鋭部隊らしく、部隊には様々な兵装が施されているが、多分それは無意味だ。フレイム・ランチャーは確かにこの時代に実戦配備されて、ヨーロッパ戦線ではそこそこ戦いで用いられたようだが(戦車やトーチカに対して用い、中の人間を蒸し焼きにするため)、これはこの人数で用いるにはちょっときつくないか?(元々が戦車などの重装甲車両や、掃討作戦に用いられるものだし)…大体、彼らの位置づけは、偵察部隊でなければならないはずだぞ。彼らの必要性の大部分は、後続の部隊に敵部隊のことを連絡することにあるんだから。
 日本軍の村…は言わなくて良いよね。誰だってあれがおかしいことは分かってるし…まあ、相変わらずのハリウッドノリだってことで。「ホリョダ〜」(笑)も同様。
 戦闘シーンはえらく古典的(今年になって
『ブラックホーク・ダウン』(2001)『ワンス・アンド・フォーエバー』(2002)、本作、と3本の戦争映画を観てきたが、描写が一番古くさいのがこの作品)。派手な爆発と燃える人の描写がかなり沢山出てくるのが特徴的とも言えるけど、もう少しこの辺はCGを上手く使えばリアリティが増したんじゃないかな?基本的に張りぼてと人海戦術。所々に資料映像。更に断層を全く交換しないままガバメントを乱射しっぱなし…なんかかえってこれを好ましく覚えるのは特撮ファンの宿命か?
 …と、設定的にはいくつもの矛盾を抱えているが、これは無知から来ると言うよりは、いかに彼らを“格好良く”撮るか。と言う部分に特化したから。と考える限りは問題はなかろう。多分これを“戦争映画”として構えてみるからおかしなところが目に付くんだ。
 ところでこの作品で一番感心した部分。それは緩急の使い分けが実に上手いと言うこと。監督の作品は派手なアクションばかり言われることが多いけど、実はストーリー的にも微妙な緩急の付け方の巧さをもっと評価して然るべき。特にこの作品は静から動へ瞬間的に変化するシーンは本当にどきっとするし、戦闘シーンでもキャラが立っていたので全く飽きることなく2時間を観切る事ができた。
 そう言う意味では、これは純粋な
“戦争映画”と言うより、“極限状態における友情を描いた映画”と言うべきかも知れない。そう言う目で見る限り、この映画は楽しい。
M:I−2 2000
2000ゴールデン・ラズベリー最低助演女優賞(ニュートン)、最低リメイク・続編賞
2001MTVムービー・アワード男優賞(クルーズ)、アクション・シーン賞(バイクによるチェイスシーン)
<A> <楽>
テレンス・チャン
トム・クルーズ
ポール・ヒッチコック
ポーラ・ワグナー(製)
ロバート・タウン(脚)
トム・クルーズ
ダグレイ・スコット
タンディ・ニュートン
ヴィング・レイムス
リチャード・ロクスバーグ
ジョン・ポルソン
ブレンダン・グリーソン
レイド・セルベッジア
ウィリアム・R・メイポーサー
ドミニク・パーセル
アンソニー・ホプキンス
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第2作
フェイス/オフ 1997
1997米アカデミー音響効果賞
1998MTVムービー・アワード アクション・シーン賞(スピードボートでのチェイスシーン)、コンビ賞(ケイジ&トラヴォルタ)、作品賞、男優賞(ケイジ&トラヴォルタ)、悪役賞(ケイジ&トラヴォルタ)
<A> <楽>
デヴィッド・パーマット
テレンス・チャン
クリストファー・ゴドシック
バリー・M・オズボーン
マイケル・ダグラス
ジョナサン・D・クレイン
スティーヴン・ルーサー(製)
マイク・ワーブ
マイケル・コリアリー(脚)
ジョン・トラヴォルタ
ニコラス・ケイジ
ジョーン・アレン
アレッサンドロ・ニヴォラ
ジーナ・ガーション
ドミニク・スウェイン
ニック・カサヴェテス
ハーヴ・プレスネル
コルム・フィオール
ジョン・キャロル・リンチ
CCH・パウンダー
ロバート・ウィズダム
マーガレット・チョー
ジェイミー・デントン
マット・ロス リーミス
クリストファー・バウアー
トーマス・ジェーン
トミー・フラナガン
ロミー・ウィンザー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 FBI捜査官ショーン=アーチャー(トラヴォルタ)は、6年前テロリストのキャスター=トロイ(ケイジ)に幼い息子を殺され、その恨みから執拗にトロイを追っていた。そしてついに空港での大捕物の末、キャスターを逮捕することに成功する。だが、キャスターは逮捕直前にロサンゼルスのどこかに強力な時限式細菌兵器爆弾を仕掛けていたのだ。植物状態になってしまったキャスターからは情報を聞き出すことが出来ず、手がかりはキャスターの弟のポラックス(ニヴォラ)のみ。兄以外の人間を信用しないポラックスから話を引き出すため、ショーンにキャスターの顔の皮膚を移植して彼に成りすましポラックスに接近せよという命令が下るのだった。宿敵の顔を付ける事に躊躇しつつ、任務を引き受けるショーン。しかし、任務遂行中奇跡的に意識を回復したキャスターは逆にショーンの顔を自らの顔に移植して脱走していたのだった。
 普通考えつかないような設定を作り出し、それをアクションに仕上げるのはやっぱりハリウッドよりも香港だな。あらゆる物語を受け入れ、パクリだとかなんだとか色々言われてもちゃんと一本の映画を作ってしまう。ハリウッドとは柔軟性が違う。
 …と言うことで、本作はやっぱりウー監督の持ち味が最も良く出た作品だと言えるんじゃないか?
 下手すればパチもんのB級作品になってしまいそうな素材を、単なるアクションに終わらせる事無く名作に仕上げたのは決して二大スターの競演というだけではない。この作品にかけた演出がもの凄いから。
 ここでの演出方法は他のウー監督作品と較べても白眉。それまでのウー監督が培ってきた演出を総動員させたのみならず、他の名作からの引用をも含めて
(冒頭の回転木馬の惨劇シーンなんかはそのまんま『見知らぬ乗客』(1951)からだろうし)それを見事に昇華させている。二丁拳銃とコートの跳ね上げシーンとか鳩なんかは今でもやってるけど、本作ほどスローモーションと鏡の使い方が上手かった作品はなく、演出に関して言えば最高の作品。ケイジとトラヴォルタが巨大な鏡を挟んで銃を向け合うシーンなんかは鳥肌が立つほど。鏡からこちらを向いてるのは宿敵の姿なのだが、それが自分自身だという葛藤を感じさせる。これをじっくり観させることで、「自分は一体何をしようとしてるのか?」という根本的な問題を僅かな時間で考え込ませてくれる。しかもこれが怒濤の銃撃戦の間になされているのが凄い。この一連のアクションシーンだけでも最高の作品といえるだろう。後半のチェイスシーンをもう少し短くすればピリっと締まったんだけどね。
 それにキャラクタが本当に良い。トラヴォルタはヒーローと悪役のどちらも出来る柔軟なキャラで、良い具合のはまり具合だったが、何よりケイジは、本当言うならヒーロー役よりも悪役の方が似合ってると常々思っていたのだが、これほどはまるとは。ケイジ自身のプライドもちゃんと取っているところが心憎い。冒頭の邪悪な笑みを浮かべながら「ぴぃぃ〜ち」なんて言う姿は、いっそ趣旨替えして、こっちの路線に行った方が良いんじゃないか?と思ったくらい。
 ただ、問題が一つ。トラヴォルタもケイジも、完全に善良な顔つきは無理だったようで、観てる内に、どっちが悪役だ?と思わせてしまうこと…これも演出なのかな?
 それと顔が変わっただけで別人になれるものでもないんだけどね。その辺の問題があって最高得点は入れにくい。
ブロークン・アロー 1996
1996MTVムービー・アワード アクション・シーン賞(坑道での銃撃戦と爆発シーン)、格闘シーン賞(スレイター&トラヴォルタ)、悪役賞(トラヴォルタ)
<A> <楽>
マーク・ゴードン
ビル・バダラート
テレンス・チャン
クリストファー・ゴドシック
ドワイト・H・リトル(製)
グレアム・ヨスト(脚)
クリスチャン・スレイター
ジョン・トラヴォルタ
サマンサ・マシス
ジャック・トンプソン
ハウイー・ロング
フランク・ホエーリー
ボブ・ガントン
カートウッド・スミス
クリス・マルケイ
デルロイ・リンドー
ヴォンディ・カーティス=ホール
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ハード・ターゲット
Hard Target
1994MTVムービー・アワードアクション・シーン賞、魅惑的な男優賞(ヴァン・ダム)
<A> <楽>
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ジェームズ・ジャックス
ショーン・ダニエル
サム・ライミ
ロバート・タパート(製)
チャック・ファーラー(脚)
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
ランス・ヘンリクセン
アーノルド・ヴォスルー
ヤンシー・バトラー
ケイシー・レモンズ
ウィルフォード・ブリムリー
チャック・ファーラー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1993
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
キーワード
男たちの挽歌II
<A> <楽>
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ツイ・ハーク(製)
ツイ・ハーク
ジョン・ウー(脚)
ディーン・セキ
ティ・ロン
チョウ・ユンファ
レスリー・チャン
クァン・サン
エミリー・チュウ
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 服役中のホー(ロン)に、警察からかつての恩人ルン(セキ)への潜入捜査が依頼される。突っぱねるホーだったが、弟のキット(チャン)が既に潜入捜査を行っていることを知らされ、キットを捜査から外すことを条件に依頼を受けることになる。実はルンは既に暗黒組織から足を洗っていたのだが、かつての部下の謀略により、ホーの目の前で襲撃されてしまう。ホーの助けで渡米したルンはそこでマークの双子の弟ケン(ユンファ)と出会う。そこでも命を狙われ続けるルンを助け、再び香港に戻ってきたケンだったが…
 大好評を博した『男たちの挽歌』(1986)の続編。このシリーズにユンファは外せないのだが、1作目でマークに壮絶な死を迎えさせてしまっただけに、復活させるわけにはいかず、結局弟という設定で出してしまった。これは姑息な手段と言えなくもないけど、それでもキャラの立ち方は素晴らしいものだったので、敢えて目を瞑っても良いか。って感じ(いい加減な…)
 ストーリーは前作と較べると随分単純化されたというか、あまりに脈絡がなさすぎるが、悪どい事をこれまで散々やってきて大会社を作ったルンが、ちょっと人間味を出した途端追い落とされてしまうってのはきついものがある。これじゃ善人は浮かばれやしない(しかもその原因作ったのがチャン演じるキットってのがますます救われない)。
 それでアメリカに渡って出会ったケンが中華料理屋やってるんだが、あんな経営しててよく今まで潰れなかったよな(「食い物を大切にしろ」と怒鳴っていながら、自分が一番食い物粗末にしてるし)。アメリカにおける東洋人の地位ってのもあの程度なのか?ケンは苦労してここまで作った店は潰されるし、自分もアメリカにいられなくなってしまうし…
 それとこれまで何度と無く死ぬような目に遭ってきた(笑)キットが、生まれた自分の子供を見ることなく死んでしまうのも悲しい演出だ。
 しかし、だからこそ、叩かれ叩かれ、全てを失ったセキ、マーク、ホーの最後の闘いはすさまじいほどの迫力を見せる。このカタルシスは軽く前作を超えていた。あの三人が黙って闘いの場に赴くシーンは身震いするほど(あのシーンは脳内で『ターミネーター』(1984)のテーマを流してみると、無茶苦茶はまる)。闘いそのものにはリアリティは無いんだが、少しずつ傷つけられ、それでも後から後から湧いてくる敵を容赦なくぶち殺しまくる三人の姿はたとえようもないくらい格好良い。最後の銃撃シーンは『ワイルドバンチ』(1969)を目指したようでもあるが、全く違った意味でこの作品こそが新しいアクションを作ったと言えよう。


 あとつまらないことかも知れないが、日本の漫画とかで、銃を持った敵に対して日本刀が圧倒的優位に立ってたり、動きにくくて仕方ないはずのロングコートをなびかせて銃撃を行うとか、全部ここから来てる。
製作年 1987
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
キーワード
男たちの挽歌
<A> <楽>
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ツイ・ハーク
ウォン・カーマン(製)
ジョン・ウー(脚)
チョウ・ユンファ
ティ・ロン
レスリー・チャン
エミリー・チュウ
リー・チーホン
ケン・ツァン
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 香港で相棒のマーク(ユンファ)と部下のシン(チーホン)を従え、偽札作りの暗黒組織幹部として闊歩するホー(ロン)にはキット(チャン)という刑事志望の弟がいた。度々更正を勧めるキットと父の言葉に、ついにホーは足を洗うことを決意する。だが、その最後の仕事で敵の謀略により警察に捕まってしまった。マークは単身敵組織に乗り込み、全滅させるが、自身も右脚を負傷してしまう。そして3年後、刑務所から出たホーが見たのは、自分の地盤を全て受け継いでやりたい放題のシンと、怪我のため組織から見捨てられたマークの姿だった。全てを失ったホーとマークの上にますます降り積もる屈辱。ホー、マーク、キットの三者を巡る骨肉の諍いと友情を描く。
 映画王国というとやっぱりアメリカになってしまうが、殊アクション映画に関してはもう一つ、非常に優れた作品を量産する国がある。それが香港。ここからブルース・リーも、ジャッキー・チェンも巣立ったのだし、今でも多くの国際スターを輩出してくれている。
 勿論それは監督も言えているけど、全世界の映画監督の中でもトップクラスのアクション映画監督となってくれたジョン=ウーの出世作が本作。
 しかし、私が本作に興味を持ったのはアクション映画としてではなかった。割合任侠映画が好きな(持論だが、任侠映画の類型にこそ邦画の要素が詰まってると思ってる)私としては、香港製の任侠映画ってどんなもんなんだろう?と興味を持ったから。
 義理人情と非情な組織の掟。耐えに耐えて最後に爆発!形だけ見るとまさに任侠映画の典型だ。
 だけど、さすがに香港映画!日本のものとは全く違っていたのも事実。ここまで友情と肉親の情というものを演出してくれるか!いやあ、ホー、マーク、キット、それぞれが見事にはまっていて、その物語に酔った
 更に本作で痛感したのは香港って国は経済で成り立ってるんだな。と言う当たり前の事実だった。金のないもの、金を稼ぐ力量のないものは、恩など無視され容赦なく切り捨てられ、ぼろ布のように捨てられてしまう。日本ではあんまり金は主題に無いので(むしろ金持ちは敵だ!的な演出が多い)、そこも特徴づけられる部分。ここに登場するやつらは大概金を儲けることに対して背徳感が無い。最終的には金では買えない友情や肉親の情へと移っていくのだが、そこに経済が絡むことによって、より生々しく、そしてリアルな描写がなされていく。
 そして最後のカタルシスで思い切り溜飲を下げられる。あれだけ派手に爆発を起こし、あれだけ容赦なく人を撃ちまくり、あれだけ派手に動き回るなんて、邦画には出来なかった演出だよ。特にマシンガン二挺を縦横に振るいばったばった敵をなぎ倒すチョウ=ユンファの勇姿!冒頭、「なんだ冴えないおっさんだな」(大変失礼)と思ってたティ=ロンがラストになると途端にすげえ格好良くなる。この二人のお陰でやや割食った感のあるレスリー=チャンにもちゃんと見せ所が用意されてるし、登場人物がとにかく格好良いのがやっぱり魅力だ。
製作年 1986
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
キーワード
ジャッキー・チェンの秘龍拳 少林門
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レイモンド・チョウ(製)
ジャッキー・チェン
チュー・チン
ジェームズ・ティエン
レオン・タン
ユン・ピョウ
サモ・ハン・キンポー
ジョン・Y・ウー
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1975
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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