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マイケル・マン
Michael Mann

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鑑賞本数 合計点 平均点
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
_(書籍)
2009 パブリック・エネミーズ 監督・製作・脚本
2008
2007
2006 マイアミ・バイス 監督・製作・脚本
2005
2004 コラテラル 監督・製作
アビエイター 製作
2003 バッドアス! 製作総指揮
2002
2001 ALI アリ 監督・製作・脚本
2000
1999 インサイダー 監督・製作・脚本
1998
1997
1996
1995 ヒート 監督・製作・脚本
1994
1993
1992 ラスト・オブ・モヒカン 監督・製作・脚本
1991 DEA/コロンビア麻薬戦争 製作総指揮
1990 ドラッグ・ウォーズ/麻薬戦争 製作
1989 メイド・イン・L.A. 監督・製作総指揮・脚本
1988 マイアミ・バイス(5th)<TV> 製作総指揮
1987 クライム・ストーリー(2nd)<TV> 製作総指揮
マイアミ・バイス(4th)<TV> 製作総指揮
1986 刑事グラハム/凍りついた欲望 監督・脚本
マイアミ5 製作総指揮
クライム・ストーリー(1st)<TV> 製作総指揮
マイアミ・バイス(3rd)<TV> 製作総指揮
1985 マイアミ・バイス5 製作総指揮
マイアミ・バイス4 製作総指揮
マイアミ・バイス3 製作総指揮
マイアミ・バイス2/ニューヨーク・コネクション 製作総指揮
マイアミ・バイス 製作総指揮
マイアミ・バイス(2nd)<TV> 製作総指揮
1984
マイアミ・バイス(1st~5th)
<A> <楽> 製作総指揮
wiki
1983 ザ・キープ 監督・脚本
1982
1981 ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー 監督・製作総指揮・脚本
1980
1979 ジェリコ・マイル/獄中のランナー 監督・脚本
白銀に賭ける恋 脚本
1978 ポリス・ストーリー/潜入 脚本
1977 刑事スタスキー&ハッチ(3rd)<TV> 「The Psychic」脚本
1976 刑事スタスキー&ハッチ(2nd)<TV> 「JoJo」脚本
1975 刑事スタスキー&ハッチ(1st)<TV> 「Texas Longhorn」「Lady Blue」脚本
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944
1943 2'5 イリノイ州シカゴで誕生

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タイトル

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物語 人物 演出 設定 思い入れ

 

パブリック・エネミーズ 2009

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ロナン・ベネット
アン・ビダーマン
マイケル・マン(脚)
ジョニー・デップ
クリスチャン・ベイル
マリオン・コティヤール
ビリー・クラダップ
スティーヴン・ドーフ
スティーヴン・ラング
ジェームズ・ルッソ
デヴィッド・ウェンハム
クリスチャン・ストールティ
スティーヴン・グレアム
チャニング・テイタム
ジェイソン・クラーク
ジョヴァンニ・リビシ
ビル・キャンプ
スペンサー・ギャレット
ピーター・ゲレッティ
ブランカ・カティッチ
リーリー・ソビエスキー
ロリー・コクレイン
ジョン・キッシュライン
キャリー・マリガン
リリ・テイラー
ジョン・オーティス
ドン・フライ
マット・クレイヴン
アラン・ワイルダー
デヴィッド・ウォーショフスキー
ランス・ベイカー
スティーヴ・キー
ダイアナ・クラール
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 大恐慌時代。銀行のみを襲い、大胆不敵にして人的被害を最低限度に抑える手口で金を奪う銀行強盗ジョン・デリンジャー(デップ)がいた。そんな彼に一般大衆は喝采を送っていたが、設立されたばかりのFBIではフーバー長官がデリンジャーを"社会の敵(パブリック・エネミー)No.1"と呼び、腕利きのメルヴィン・パーヴィスを捜査に当たらせていた。そんな中、ビリー・フレシェット(コティヤール)と出会い、一瞬で恋に落ちるデリンジャー…
 久々にデップが白塗りではなく普通の格好での悪のヒーローものを演じると言うことで鳴り物入りで投入された本作
(たまたまピカレスクものが連発したことでタランティーノの『イングロリアス・バスターズ』(2009)と同時キャンペーンなんかもやってた)。勿論キャラ目当てに観にいった。
 全般的に言えば、かなりキャラ性の高い作品で、満足したか?と言えば満足。でも、
なんか妙に引っかかりが多い。強いて言うならば、良い部分も悪い部分もひっくるめて、いかにもマン監督らしい作品と言うか…
 観終わった後の感触は、どこか最近同じような思いになったような…と言うことで、観終えてから考えてみたら、そういえばこの感触、たまたまちょっと前に名画座で観たラングの『暗黒街の弾痕』(1937)観た時と同じだと気がついた。
 改めて考えると、マン監督はピカレスクロマンを得意としており、これまで数多くの悪人を主人公とした作品を撮ってきた。それら全てに通じるものは、設定的には妙に古い感じがするものが多い。
 そう考えてみると、マン監督は
古き良きハリウッド映画を今も撮り続けようとしている監督なのかもしれない。定番と言えば定番。昔から変わらずに作り続けられているものを今の時代の感性で作り続けることに意味を見出しているのかもしれない。
 そういう意味では現代はマン監督によってようやく良い時期に入ったとも言える。時代がぐるっと回ってるので、人によって、これは新鮮に見えるだろうし、人にっては懐かしいと思える作品になっている。今や演出ばかりが派手になったハリウッド映画界では、こういった懐かしい匂いがする映画は逆に残っていくだろうし、受け入れやすい時代だろうし。
 ただ設定が古いと言っても、演出にかけてはやはり現代の作品。非常にキレのある演出となっているし、何よりも人物の描き方がかなり上質。本作の主人公デリンジャー役のデップのはまり具合は絶妙だ。
 異論あるのを承知で言わせてもらうと、マン監督は役者の演技にかなり制限を加えようとする傾向を持つのだが、役者によってはそれが合わないこともままある。たとえば
『ヒート』『コラテラル』『マイアミ・バイス』と言った作品は当代随一の役者を使ってはいるものの、キャラに伸びやかさがなく、妙に小ぢんまりした演技に見えてしまったのは、それぞれの役者が持つ本来の持ち味ではなく、監督に強いられた演技をやらざるを得なかったからではなかっただろうか。おそらくは監督の「かくあるべし」イメージが強すぎて、いい役者になればなるほど、演技に無理が見えてしまうのだろう。
 その意味でデップと出会えたのはマン監督にとっては幸運なことだった。デップは個性派俳優に見られがちだが、実はとても器用な役者で、役によって演技を自在に変える事が出来る。その意味で
このタッグは間違いなく最高だ。デップは見事にマン監督のメソッドに応えてみせた。
 コティヤールも、登場時間こそ少ないものの、存在感はたっぷりあって、ちゃんと花を添えてくれた(そういえばマン監督の作品で女性がこれだけ目立ってるのは珍しいな)。男ばかりのむさくるしい映画になりがちなのを、ちゃんと見どころを作ってくれている。『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』とは全く違った魅力を見せてくれた(あの作品の場合、あまりにキャラが立ちすぎてたから、これくらいが丁度良い感じ)。
 ただ、この二人に割食ったのがベイルだったかな?この人も器用な役者で、自分の役をきっちり演じてはいたけど、
あの立ち位置でなんでこんなに個性出せなかった?目立たそうと思ったら目立てる演出はいくらでもあったのに。ベイルほどの役者を出す必要性ってあったんだろうか?監督がデップに集中しすぎたんじゃないのか?

 後、気になったのは、ジャックは庶民の味方で義賊と言う前提があるのに、一般人の反応が薄かったところ。ジャックはポリシーとしてできるだけ人を殺さない。と言う立場があったはずなのだが、劇中ばかばか人を殺してるシーンもある。自分のポリシーが守れなかったことに対し、もうすこし真剣に悩む描写も欲しかったな。設立されたばかりのFBIについても、もう少しその内容に突っ込んで欲しかったし(ベイルが個性を出せるとすればこの点にあったはずなのだが)、2時間半もあった割には、
結局デップを観る以外の見どころがなかったような?

 …観たときはかなりいい映画のような気がしてたんだが、いろいろ考えていくとどんどん点数が下がっていってしまった。なんだかマン監督とはあんまり相性が良くないような気がしてきた。

 

マイアミ・バイス 2006

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ピーター・ジャン・ブルージ
マイケル・マン
アンソニー・ヤーコヴィック(製)
マイケル・マン(脚)
コリン・ファレル
ジェイミー・フォックス
コン・リー
ナオミ・ハリス
エリザベス・ロドリゲス
ジョン・オーティス
ルイス・トサル
バリー・シャバカ・ヘンリー
ジャスティン・セロー
ドメニク・ランバルドッツィ
キアラン・ハインズ
ジョン・ホークス
エディ・マーサン
イザック・ド・バンコレ
パシャ・D・リチニコフ
マリオ・エルネスト・サンチェス
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
コラテラル 2004
2004米アカデミー助演男優賞(フォックス)、編集賞
2004英アカデミー撮影賞、助演男優賞(フォックス)、監督賞(マン)、オリジナル脚本賞、編集賞、音響賞
2004全米批評家協会主演男優賞(フォックス)
2004LA批評家協会撮影賞
2004ワシントンDC映画批評家協会助演男優賞(フォックス)
2004ゴールデン・グローブ助演男優賞(フォックス)
2004放送映画批評家協会作品賞、助演男優賞(フォックス)
2004ナショナル・ボード・オブ・レビュー監督賞、トップ第9位
2004AFIベスト
2004米俳優組合助演女優賞(フォックス)
2005MTVムービー・アワード悪役賞(クルーズ)

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マイケル・マン
ジュリー・リチャードソン
フランク・ダラボン
ロブ・フリード
ピーター・ジュリアーノ
チャック・ラッセル(製)
スチュアート・ビーティー(脚)
トム・クルーズ
ジェイミー・フォックス
ジェイダ・ピンケット=スミス
マーク・ラファロ
ピーター・バーグ
ブルース・マッギル
イルマ・P・ホール
バリー・シャバカ・ヘンリー
ハビエル・バルデム
ジェイソン・ステイサム
★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 リムジン送迎会社の経営を夢見ながらロサンゼルスでタクシーの運転手を12年間勤めているマックス(フォックス)がある夜アニー(ピンクケット・スミス)という女性検事を乗せた後にヴィンセント(クルーズ)と名乗るビジネスマン風の男をタクシーに乗せることになる。多額のチップと引き換えに一晩の専属ドライバーとなる事を了解したマックスだったが、最初の目的地でヴィンセントを待つマックスのタクシーの上に、なんと死体が降ってきた…
 殺し屋を乗せたばかりに平凡な日常から切り離されてしまったタクシー運転手の被害(コラテラル)を描く。よって主人公はフォックスの方なのだが、実際に強調されているのは殺し屋を演じるクルーズの方。なんでもマン監督が強力にクルーズを推したそうで、これでオスカーを狙うと豪語していた
(正直な話を言えば、こんな演技ではクルーズは到底演技派とは言えず。結果的にノミネートされたのはフォックスの方というのも皮肉というよりも当然といえる)
 確かにクルーズのキャラ立ちははっきりしていた。初めての老け役(と言うか髪の毛が白いだけだが)と悪役に挑戦したはずだが、これは今までのキャリアにはない新境地だ。
 ただ、キャラクターこそはっきりしているものの、物語としてはどうかな?クルーズ演じるヴィンセントは確かに腕は立つが、やってることはとても
プロとは思えないほど大雑把。そもそも自分が殺し屋であることをたかだかタクシーの運転手に知られてしまって、そのままマックスの運転するタクシーに乗り続ける無神経ぶりはなんだ?最初の殺しが発覚した時点でマックスを殺してればこんな事態には陥らなかったはずだぞ。しかも大切な鞄をタクシーの中に置き忘れてたもんで、危機に陥るわ、店のスタッフも客もいる可能性のあるバーで殺しを行おうとか、逆に人の多すぎるところで銃ぶっ放すとか、本名かどうかは分からないにせよ、警察の張り込んでる店で自分の名前をマックスに言わせたりするわ…ざくざくと出てきてしまう。そもそも5件もの連続殺人を一晩で一人でやれると思った時点で自意識過剰だろ?プロってのはあんな行き当たりばったりに殺しをするもんじゃなく、あらかじめちゃんと計算して行うものじゃないのか?(その辺同じクルーズの『ミッション:インポッシブル』(1996)ではしっかりしてたのにな)。関連した連続殺人なんだから、警察もその事に気づくことくらい分からなかったか?FBI管轄の事件だったらなおさら…むしろ本作はそう言うことを考えるよりも、二人のやりとりを楽しめればそれで良いんだろうけど。
 それと細かいことなんだが、ヴィンセントはサイレンサー付きの銃を持っていて、それでターゲットを次々に屠っていくのだが、関係ないちんぴらを殺す時は大口径の普通の銃を使ってる。町中であんなでかい音立てたらばれるって。
 ストーリーに関しても、せっかくタクシーという密室状態の中で、脅迫者と強迫されるものが一緒にいるのだから、いわゆるストックホルムシンドロームの話に持って行く部分が全然無かったのもなあ。
 文句ばっかりになってしまったけど、改めてマン監督の目指したところを考えてみると、これって70年代のフランスで流行ったフィルムノワールの作品によく似てる事に気がついた
(冒頭が妙にかったるいところとかツメの甘いところも含めて)。そうか。マン監督、クルーズを第二のアラン=ドロンにしたかったんだな。それだったら分かるぞ。
インサイダー 1999
1999米アカデミー作品賞、主演男優賞(クロウ)、監督賞(マン)、脚色賞、撮影賞、音響賞、編集賞
1999
英アカデミー主演男優賞(クロウ)
1999LA批評家協会作品賞、男優賞(クロウ)、助演男優賞(プラマー)、撮影賞
1999全米批評家協会主演男優賞(クロウ)、助演男優賞(プラマー)
1999ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(クロウ)、監督賞(マン)、脚本賞、音楽賞
1999放送映画批評家協会主演男優賞(クロウ)、作品賞

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エリック・ロス
マイケル・マン(脚)
アル・パチーノ
ラッセル・クロウ
クリストファー・プラマー
ダイアン・ヴェノーラ
フィリップ・ベイカー・ホール
リンゼイ・クローズ
デビ・メイザー
ジーナ・ガーション
ハリー・ケイト・アイゼンバーグ
ブルース・マッギル
マイケル・ガンボン
ウィリー・C・カーペンター
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 人気報道番組60ミニッツのプロデューサーのローウェル=バーグマン(パチーノ)に匿名でタバコ会社の極秘文書が送られてくる。タバコの害を告発するそのファイルに書かれた内容を調査する内に、タバコ会社を馘にされた医学博士のワイガンド(クロウ)が浮かび上がる。彼と接触したバーグマンは嫌がる彼を説き伏せ、タバコ会社を訴えることになるが…
 実際のタバコ会社を題材に取った社会派ドラマ。テレビ番組
「60ミニッツ」は実際のアメリカのテレビ番組で、真実を追究する事をモットーとしているため、全米で訴訟される事が最も多い事で知られるが、1995年に起こった実話をパチーノ、クロウという一流所を配置し、骨太なドラマを作り上げている。実際この作品、実話を元にしてあるそうで、その分非常にリアリティのある作品に仕上がっている。
 ところで多少関係あるが、私もタバコは吸う。体に悪いことは承知しているが、止めることもなくだらだらと吸い続けているため、少し禁煙の刺激になるかも知れないと思ってこの作品を観に行ったわけだが、何かはまりきれなかったな。実際、映画観る前に一服、観た後でもう一服してたし(笑)
 裁判作品はハリウッドではきちんとしたジャンルとしてあるが、こちらは裁判よりもメディア論争の方に重点が置かれていて、手の届かない所で勝手に事態が進んでいるから、そこら辺がもどかしい感じ。どうも観ていて苛つかせる作品なんだよな。それがリアリティなんだが、裁判が続く中、どんな圧力にも負けない男をパチーノが好演している。
 それに結局、ここではハッピー・エンドっぽいけど、これで終わりな訳じゃないし。淡々としすぎてるんじゃないか?どっちかというとテレビ番組っぽい構成だし。
 ちなみに、私は今でもタバコを止めていません。
ヒート 1995

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マイケル・マン(脚)
アル・パチーノ
ロバート・デ・ニーロ
ヴァル・キルマー
ジョン・ヴォイト
トム・サイズモア
ダイアン・ヴェノーラ
エイミー・ブレネマン
アシュレイ・ジャッド
ウェス・ステューディ
ミケルティ・ウィリアムソン
テッド・レヴィン
ナタリー・ポートマン
デニス・ヘイスバート
ウィリアム・フィクトナー
ケヴィン・ゲイジ
ダニー・トレホ
トム・ヌーナン
ハンク・アザリア
スーザン・トレイラー
イヴォンヌ・ジーマ
ザンダー・バークレイ
ジェレミー・ピヴェン
ポール・ハーマン
シンディ・カッツ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 これまで大胆且つ緻密な手口を信条とし、これまで数々の大きな事件を起こしてきたLAの犯罪者、ニール=マッコーリー(デ・ニーロ)はそろそろ引退を考えていたが、今回装甲輸送車襲撃を計画する。だが、新入りの手下がドジを踏み、160マンドルの有価証券を手に入れることには成功したものの、大惨事を引き起こしてしまう。この事件を追うヴィンセント=ハナ警部(パチーノ)はこれがニールによるものと判断し、部下達に適切な指示を与えつつ、ニールを追いつめようとする…だが、ニールの方は逆にヴィンセントに対し罠を仕掛けるのだが…
 マン監督がかつてテレビで作っていた刑事物のシリーズ作品
「メイド・インL.A」を自らの手によってリメイク。デ・ニーロ、パチーノの二大俳優を配し、そこに数々の名優達を絡めて作り上げたクリミナル・アクション大作。
 デ・ニーロ&パチーノと言えば、『ゴッドファーザーPART2』(1974)をどうしても思い出してしまう。あの作品は素晴らしかったから、事前の期待は高まっていた。更にヴァル=キルマー、ジョン=ヴォイド、トム=サイズモア、ナタリー=ポートマンと言った、他の作品では主役級の脇役を豪華に配置してる。
期待せぬ方が無理だってもんだ
 だけど、実際に出た作品はなんだか
妙に地味な作品になってしまった。なんでも製作側が気を利かせ、パチーノとデ・ニーロをわざと別々に撮影し、二人をなるだけ会わさないようにしたそうなのだが、多分、その製作側の気遣いが余計で、二人の魅力をスポイルしてしまったのだろう。二人とも良い役者なんだから、マン監督だってアクション映画には定評がある監督なんだから、監督も思うように二人を動かしてくれれば良かったんだ。
 アクション部分は確かに派手なんだが
(12分にわたる市街銃撃戦は映画史に残るとまで言われている)派手なだけで魅力が少なく、しかも両雄対決も、ほんのちょっと。交錯点も少ない。何のことはない。短い二本分の映画を無理矢理一本分にまとめてしまっただけ。それぞれに格好良いとは言えるけど、あんな短い時間じゃ二人とも魅力を活かし切れてない。
 悪い作品では決してない。だけど、
両雄のガチンコ対決を期待してただけに期待はずれ。ちょっと点数を低めにしたのは、そのがっかりした気分を表現して。
ALI アリ 2001
2001米アカデミー主演男優賞(スミス)、助演男優賞(ヴォイド)
2001ゴールデン・グローブ男優賞(スミス)、助演男優賞(ヴォイド)、音楽賞
2001放送映画批評家協会作品賞、主演男優賞(スミス)、助演男優賞(ヴォイド)
2002
MTVムービー・アワード男優賞(スミス)

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マイケル・マン
スティーヴン・J・リヴェル
クリストファー・ウィルキンソン
エリック・ロス(脚)
ウィル・スミス
ジェイミー・フォックス
ジェフリー・ライト
ジョン・ヴォイト
マリオ・ヴァン・ピーブルズ
ロン・シルヴァー
ミケルティ・ウィリアムソン
ジェイダ・ピンケット=スミス
ノーナ・M・ゲイ
マイケル・ミシェル
ジョー・モートン
ポール・ロドリゲス
バリー・シャバカ・ヘンリー
ジャンカルロ・エスポジート
レヴァー・バートン
アルバート・ホール
デヴィッド・キュービット
ウェイド・アンドリュー・ウィリアムズ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
原作:グレゴリー・アレン・ハワード
 1964年に世界ヘビー級チャンピオンとなったモハメド・アリ(スミス)は、圧倒的な強さと勢いで9回の防衛に成功。一躍アメリカのヒーローとなったが、チャンピオンとなった直後に黒人イスラム教団体ネイション・オブ・イスラムに入信したり、ヴェトナム戦争の徴兵を拒否したりと、何かと挑戦的な人物でもあった。特に徴兵拒否は国家反逆罪で起訴され、チャンピオンの地位まで剥奪されてしまう。そんな彼が再起を果たすまでの軌跡を描く。
 アメリカでは絶大な人気を誇り、日本でも馴染みが深いモハメド=アリの半生を描く作品。
 私にとっては本作を観るまではただ
「強いチャンピオン」であり、「猪木と戦ったボクサー」というイメージしか持ってなかったのだが、本作を通して、色々分かったことも多い。
 彼が何故アメリカのヒーローたり得たのか。それは単なる強さでもなければ、パフォーマンスでもない。確かに奇跡のカムバックなど、彼の人生は話題に事欠かないが、一番大切なのは、彼が
「アメリカ人」であり続けたと言うことになるのではないだろうか。
 彼はことごとくパフォーマンスと共にそれまでのアメリカの常識というものを突き破る。それはキリスト教圏のアメリカ人が特に嫌っていたイスラム。しかも過激派団体と思われていたマルコムXのネイション・オブ・イスラムに入信したり、あるいは徴兵を拒否したり。これらはアメリカ人にとっては挑発行為であり、非常に嫌がられる行為に他ならない。しかし彼の
パフォーマンスは同時にアメリカ人として自由にありたい。という叫びだったし、何より、ムスリムへの入信も、やがてマルコムXとの不和によって脱会。徴兵拒否もやがてヴェトナム戦争への厭戦気分から、彼の行いの方が正しいという認識へと変わっていく
 
彼の存在こそが実はアメリカにいるサイレント・マジョリティの叫びの代弁者だったのではないか。という思いにさせられる。少なくとも本作は明らかにそう言う作り方をしている。
 ここに描かれるアリの姿は、表だってパフォーマンスをかます人物であると同時に、家にいると物静かで、色々とものを考え続ける内向的な人物として描かれている。彼は「自分は何者であるのか」というアイデンティティを模索し、そしてそれを貫いた人物として描かれる。
 それでなるほどと思う。本作の作りは、単なる伝記ではなく、アリという人物を解体して見せようとしたのだ。そう言う意味で狙いは凄く良いと思う。
 とはいえ、本作にはいくつか問題がある。
 一つには、アリの半生を描くとすれば、あまりにも時間を限定しすぎたと言うこと。そのため深みを与えることができず、寡黙な一面を出して性格の複雑さを表そうとしても、それが上手くいかなかったこと。時間的に難しかったんだろうか?そのためか、前半で非常に緊張感あふれた描写が、どんどん退屈になってしまった。
 それと、アリの政治的側面を一切排してしまったこと。ネイション・オブ・イスラムとの関わりであれ、徴兵拒否であれ、これは極めて強い政治性を持っていたはず。ところが本作ではそれらは巻き込まれて否応なく行ったことになってしまい、政治的には無知な人物として描かれてしまった。結果として映画では単なるボクシング馬鹿としか描かれてないという致命的な問題になってしまった。映画の方向性としてはアリの複雑さを描こうとしているようなのだが、結果、逆に単純な描かれ方になってしまった。
 ネイション・オブ・イスラムの問題では、先に
『マルコムX』があったため、マルコムXの事をあしざまに描けなかったことも問題だろうか?
 キャラクタは良いし、まあ、あのアリ・ボンバイエで結構ぐっと来るものがあったのは確かだが。

 

ラスト・オブ・モヒカン 1992
1992米アカデミー録音賞
1992英アカデミー撮影賞、メイクアップ賞、
主演男優賞(デイ=ルイス)、作曲賞
1992ゴールデン・グローブ音楽賞

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マイケル・マン
クリストファー・クロウ(脚)
ダニエル・デイ=ルイス
マデリーン・ストー
ジョディ・メイ
ラッセル・ミーンズ
スティーヴン・ウォディントン
エリック・シュウェイグ
ピート・ポスルスウェイト
パトリス・シェロー
ウェス・ステューディ
コルム・ミーニイ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 主演のデイ・ルイスはこの役のため、ボディビルに励み、筋肉美を手に入れる。後の『ボクサー』の時は逆に体中に脂肪を付けて、そのギャップで驚かせる。
ザ・キープ 1983

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マイケル・マン(脚)
スコット・グレン
イアン・マッケラン
アルバータ・ワトソン
ユルゲン・プロフノウ
ロバート・プロスキー
ガブリエル・バーン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
城塞 上(書籍)城塞 下(書籍)F・ポール・ウィルソン
 ルーマニアの寒村に存在する城塞(キープ)。誰の目に付くこともなかったその場所を、ナチスドイツが道路封鎖の目的で接収する。その守備に回されたドイツ軍だったが、その不思議な城塞で、兵士が原因不明で次々と爆死する事件が勃発する。実はこの城塞は“恐るべき存在”を封印すべく作られたものだったのだ。それをある兵士が解き放ってしまったのだ。そしてその存在が目覚めたと同時に、同時にギリシャである男(グレン)が目覚めた。その男の名はグレーケン。彼こそがその存在を再び闇に返す使命を帯びた不死者だったのだ。だが、その存在を闇に返した時、彼も…
 多分これはホラーというジャンルに入るのだろうけど、監督本人はホラー映画を撮っていると言う感覚ではなかったのではないかと思う。だって
ホラー特有のチープな(笑)怖さの演出は全くなされておらず、むしろその辺を淡々と、そしてキープの中にいる絶対悪の存在を倒すヒーローの存在を浮き彫りにして、そちらの方の話を中心に持ってきている。ホラーを撮るつもりだったら、それなりに盛り上がる音楽を用いるだろうし、破裂する兵士の血や肉をバラバラにする描写があって然り。
 それでホラー作品を期待して観るとちょっと物足りない部分があるし、ヒーローの役割も今ひとつ明確でない部分があるが、それでも十分な魅力がこの作品にはある。
 まずこの作品を特徴づけるものとして、音楽が挙げられるだろう。とにかく重厚で、とてもホラーに用いるようなものではないが、耳に残る。非常に上手い使い方をしているのは確か。それと主に前半部分で出てくるドイツ軍の兵装。これは殆どマニアの領域であり、なんせ冒頭に登場するトラックは本物だそうだ。重火器は言うに及ばずで、監督の趣味が窺える。
 物語そのものはホラー調に仕上げてあるが、純粋なヒロイック・ファンタシー。ただグレンの登場があまりに少ないため、非常にバランスがおかしくなっている。
結局何よりもまずドイツ軍が撮りたかったんじゃないかな?マン監督は。そう言う意味では兵器マニアには自信を持ってお勧めできる(笑)。

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