読書日誌
2008’1〜3月

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08'03'29 せまるニック・オブ・タイム フルメタル・パニック!20
賀東招二 (検索) <amazon> <楽天>
 ミスリルの残存兵力にレーバティンと共に合流を果たした宗介。一方アマルガムもレナードとカリーニンの二人の暗躍により急速に組織を変えつつあった。そんな中、テッサはこれまで極秘裏に調べさせていたソ連の秘密実験基地へと向かう…
 久々の新刊。かなり楽しみにしていた作品だった。
 ただ、出来はちょっと?う〜ん。悪いんじゃないんだけど、特にオチがここまで予測通りだとなあ。もちろんウィスパードの秘密とか、かなめの名前の由来とか、全然考えもしてなかったものもあるが、ラストシーンは「やっぱりか」と呟いてしまった。もうちょっと意外性で唸らせて欲しかったね。
 後、三つも死亡フラグが立ったクルツはやっぱり…著者は絶対こういうパターンは著者は外さないというか、確信犯でやってるね。
 ところでこの題、やっぱりあの映画から取ったの?
<A> <楽>
08'03'28 金色のガッシュ32
雷句誠 (検索) <amazon> <楽天>
 宿敵クリアがアンデスにいることを告げられた清麿は、残った魔物達全員でクリアとの最終決戦に向かう。だがそれを察知したクリアは次々と強力な術を繰り出し、ガッシュの行く手を阻む。最強のシンの術を会得したウマゴン、あらゆるクリアの技を防ぐティオ、仲間の二人が倒れる中、ついにガッシュとブラコの二人だけがクリアの元へとたどり着くが…

 ついに最終決戦。全員がパワーアップし、これまでに見たことのない技が次々と繰り出されていくが、その強烈な技の応酬によって次々に仲間も倒れていく。盛り上がり方が特に凄く、流石の出来になってる。いよいよ次巻で最終回となるが、連載読んでないため、一体どんなオチが待っているのかがとても楽しみ。
<A> <楽>
08'03'23 カレル・チャペック短編集
カレル・チャペック (検索) <amazon> <楽天>
 著者による短編集。「ピラトの信条」「アルキメデスの死」「五切れのパン」「貴族階級」「二度のキスの間に」「小麦」「システム」「眩暈」「指揮者カリナ氏の物語」「切手コレクション」「陪審員」「チンタマニと小鳥の絨毯」「プロメーテウスの刑罰」「盗まれたサボテン」「ハヴレナ氏の鸚鵡裁判」「アルコール」の16編を収録する。
 著者の作品は考えてみると小学校の時以来か。こどもの頃にも思ったものだが、大人になった今になると、シュール感はますます上がってる。共産主義社会で娯楽小説を書くのってかなり大変だったんだろうな。そう言う鬱屈も感じられたりして。
<A> <楽>
08'03'21 喰いしん坊5
土山しげる (検索) <amazon> <楽天>
 大食い勝負をしたドライブインで名古屋の食べ物の美味しさを聞いた満太郎は早速名古屋に向かう。そこでカレーうどんの大食いイベントが開かれる事を知る。そこで出会った意外な人物とは…
 このところ大食い勝負が続いていたが、今巻は勝負よりもおいしい食事をたっぷり食べる。というところに重点が置かれているみたいで、これはこれでなかなか楽しい。名古屋の食事って味が濃すぎてちょっと苦手だったが、なんか食べたくなってくるね。
<A> <楽>
08'03'20 アカデミーを買った男
梅原健 (検索) <amazon> <楽天>
 ニューヨーク大の映画科を東洋人としては初めて卒業したという著者が映画バイヤーへと転身。これまで日本に数多くの映画を紹介してきた経験から、どのように映画は輸入されているのか、国内公開に至るまでの過程を描く。
 タイトルはインパクトあるが、実際は映画バイヤーと呼ばれる人が何をしているのか。という事が書かれている話。映画を観る上に新しい視点なので、知らない世界を垣間見たような気にさせられる。本作では「ミリオンダラー・ベイビー」の日本公開に至るまでの細かい過程が書かれていたりして興味深く読ませていただいた。
<A> <楽>
08'03'18 強殖装甲ガイバー25
高屋良樹 (検索) <amazon> <楽天>
 都下のゾアノイドを吸収し、ビルをまたぎ超えるほどの巨体の怪物“巨獣神”へと変化したカブラ-ル。その力によってあっけなく潰されたかに見えたガイバー・ギガンティックだが、なんとギガンティックまで巨大化。巨体同士の戦いが始まる。

 かなり長引いた新宿決戦編がようやく終わった。結果として晶はギガンティックを完全に自分のものにして巨大化まで果たし、速水の命を吸収したアプトムもパワーアップ。話も生きていたギュオーの姿と謎のゾアノイドらしい姿が確認。どういう伏線になっていくやら。
 ところで先日トライガン・マキシマムが終わったが、あれは少年キャプテンの終わるちょっと前に連載開始。これはキャプテンの創刊と同時に連載が始まっている…もう20年以上も書き続けてるんだなあ。
<A> <楽>
08'03'15 魔道師と水晶球 上 ダーク・タワーIV
スティーヴン・キング (検索) <amazon> <楽天>
 謎々好きな超特急列車“ブレイン”の手から辛くも逃れ、新しい地へとたどり着いたガンスリンガー一行。ターンパイクと呼ばれるその地は70年代のアメリカそっくりな世界だったが、特殊な流感によって人間は死に絶えていた。そしてその光景を見たローランドは再び変調を来してしまう。苦しみの中、他のメンバーに語ったローランドの過去とは…

 他の著者の世界とザッピングするのが本作の特徴だが、ここでの舞台は「ザ・スタンド」で荒廃した世界らしい。この話ではローランドの過去についてだけで、「ザ・スタンド」に出てきた登場人物は出てこないが、せっかくの舞台だから、出してくれるんじゃないかな?
<A> <楽>
08'03'12 喰いしん坊4
土山しげる (検索) <amazon> <楽天>
 かつてOKFFの罠にはまり、大食い選手権出場を阻まれた満太郎は会社を辞め大食いの修行の旅に出ていた。そして半年後、静岡舞阪の漁港に現れた満太郎は黒兵衛という巨漢に挑まれ、鉄火丼勝負を行うことに。
 第二部の開始。そしてここからが本格的な大食い勝負の話へと移ってきた本作。満太郎の風貌もいきなり変わり、本当に「勝負」と言った風情に変わってきた。訓練の過程も面白かったが、これはこれで大変面白い。
<A> <楽>
08'03'09 闘鬼 グインサーガ116
栗本薫 (検索) <amazon> <楽天>
 クムの水神の祭りは進み、同時に闘王候補となったグインは順当に試合を勝ち進んでいた。そして恐るべき最強の闘王ガンダルとついに試合場まみえることに。引くことは出来ず、さりとて勝つことも出来ない。そんな状態に置かれたグインの取った策とは…

 最近では珍しくなったアクション一辺倒の話となった。ただ、こういう時はやっぱり著者の力量を感じるところで、ぐいぐい読ませてくれる。クムのクライマックスは次の話になるはず。この状態でどうやって逃げ出すんだか。
<A> <楽>
08'03'08 トライガン・マキシマム14
内藤泰弘 (検索) <amazon> <楽天>
 プラントと融合したナイブスの力は地球側の攻撃をすらはじき返していた。そのナイブスに対しバッシュは最後の賭けに出る…惑星ノーマンズランドを揺るがした二人の戦いはいよいよ決着を告げる。
 長く続いてきた本シリーズもついに最終巻。どういう終わり方をするのか?と思ってきたが、しっかり落とすべきところに落としたのは流石。といった感じか。
 この作品、始まったのは今は無き「少年キャプテン」だったから、もう12年かそこらになるのか。いい加減つきあいが長かったな。でも本当にご苦労さんって感じだな。
 ところで劇場版でアニメ化とか書いてあったけど、1時間半では到底終わらないだろうね。三部作くらいで作ってくれないかな?
<A> <楽>
08'03'06 「宮崎アニメ」に秘められたメッセージ (著)佐々木隆 <amazon>
佐々木隆 (検索) <amazon> <楽天>
 出す度に大ヒットを記録する宮崎アニメ。しかしそれは単に物語の良さだけではない。作品には隠されたメッセージがあるからと考えた著者がこれまでの宮崎アニメ「ハウルの動く城」「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」の5作を通し、監督の伝えたかったメッセージを考察する作品。
 監督が底まで考えていたとは到底思えないのだが、知力の限りメッセージを読み解こうとする著者には半ば感心半ば呆れながら読ませてもらった。しかし一つだけはっきりしているのは、書いてる間、著者はとても楽しかっただろうとは思う。映画レビューで一番楽しいのは妄想を書き連ねているときだから。
<A> <楽>
08'03'02 喰いしん坊3
土山しげる (検索) <amazon> <楽天>
 OKFF(大阪食い倒れフード・ファイター)の横やりで出場できなくなったTFFメンバーの代わりとして仙台のハンバーガー大食い大会に出場することとなった満太郎。予選を辛うじて通過したが、本戦に向け特訓中にOKFFのメンバーに勝負を挑まれる…
 とりあえず第1部の完。大食い道の険しさと自分の甘さに満太郎が気づかされるところまでが描かれていく。下手に主人公が強すぎるんじゃなくて挫折をしっかり描くのが良いよね。
 ところでOKFFは大阪だけにそのメンバーもみんな芸人から名前が取られてるのが面白い。ここまでに登場したのが横川安男(「眼鏡はどこや」もしっかりやってる)、桂三四郎、富津政、間完平太…最近の作品でこれはちょっと珍しい。
<A> <楽>
08'02'29 図書館内乱 図書館戦争2
有川浩 (検索) <amazon> <楽天>
 恐れていた両親がついに来るという。自分が防衛員であることを知らせていない郁はパニックを起こしてしまい、防衛部が総出で彼女をフォローすることに。果たして両親に気づかれぬまま無事かえってもらうことが出来るか…「両親攪乱作戦」と、防衛隊それぞれの日常を描く「恋の障害」「美女の微笑み」「兄と弟」「図書館の明日はどっちだ」を収録する。
 図書館シリーズの第2巻。今巻は図書館員一人一人に焦点を当て、個人を掘り下げつつ、個々のエピソードを伏線としていく。という構造。緊張感ある話なのに、きちんと笑いのツボを抑えた作りは好感度が高い。さて、それで郁の「王子様」が最後に分かってしまったわけだが…
<A> <楽>
08'02'28 喰いしん坊2
土山しげる (検索) <amazon> <楽天>
 ハンター錠二を介してプロの大食いチームTFFの入会を勧められた満太郎はとりあえず錠二の大食いぶりを見ることとなった。その想像を絶する大食いを目の当たりにした満太郎は感動さえ覚える。そして舞い込んだ仙台でのハンバーガー大食い大会に出場することとなり、訓練を受けることとなるが…
 私自身はもう大食い挑戦する気はないが、これを読んでると、なんかそんな気分にさせられる。ひたすら食べ続けるってのは、マンガであっても見ていて楽しいものだ。
<A> <楽>
08'02'26 司馬遼太郎全講演2
司馬遼太郎 (検索) <amazon> <楽天>
 1975年から1984年の約10年にわたって様々な場所で行っていた著者の講演集。
 基本的に一巻と同じような内容だが、時代が移り変わってくると、語っている傾向もかなり変わって見えてくる。今巻はややペシミスティックな講演内容が多かったような気がするが、歴史小説家にとって1980年代の軽佻浮薄の時代がやや寂しいんじゃないかな?土佐での講演で「竜馬がゆく」についても語られているが、昔を懐かしんで。ではなく、これからどう地方は生き残っていくのか。という点が強調されている感じ。今でもそうだな。
<A> <楽>
08'02'24 喰いしん坊1
土山しげる (検索) <amazon> <楽天>
 食べ歩きが趣味のサラリーマン大原満太郎は、ある日大食い挑戦の店でカツ丼10杯を30分で食べるという脅威の胃袋を持つ人物を目にする。ハンター錠二というその男から大食いのアドバイスを受けた満太郎は彼から大食いのプロにならないかと誘いを受けることに…
 著者は昔から数多くの食事マンガを描いてきた人で(極道ステーキの著者でもあるが)、昔から立ち読みではよく読んでいたのだが、買おうと思ったのはこの作品が初めて。大食いに特化した内容は大変面白く、ついつい次々と読み進んでしまう。古本屋で揃ったのを一気買いしたので、しばらく楽しめそうだ。
<A> <楽>
08'02'21 ユニコーンの日(下) 機動戦士ガンダムUC2
福井晴敏 (検索) <amazon> <楽天>
 アナハイムの創始者であるビスト家の現在の当主カーディアスは、これからの地球の運命を握るとされるラプラスの箱を委譲すべく、反政府組織「袖付き」と交渉に入っていた。それを事前に察知した連邦はネエル・アーガマをアナハイム・インダストリアルへと向かわせていた。そんな中、自分の手をすり抜けていったオードリーを思い、内心穏やかではないバナージだが…

 バナージが実はカーディアスの息子であること、そしてそのカーディアスから成り行きでユニコーン・ガンダムが手渡されるまでが描かれる。マニアックな戦闘描写は流石といえるが、ただ文章が大変読みにくいのが一つの難点か。ちょっと思いが先行しすぎてるんじゃ無かろうか?
<A> <楽>
08'02'18 ブロークバック・マウンテン
E・アニー・プルー (検索) <amazon> <楽天>
 ブロークバック・マウンテンでの羊の世話のために雇われた二人の青年イニスとジャック。山の中での生活の中、いつしか二人は互いに愛情を持つようになっていた。その後、山を下りた二人は別れ、別々に妻を娶って自分の生活に入っていったはずだったが…

 映画原作。映画そのものよりもシンプルな構成で、よくこれをあんな大作映画に仕上げたものだと感心。いや、シンプルだからこそああいった解釈も可能だったのかもしれないな。
 今ようやく気がついたのだが、原作者はシッピング・ニュースのプルーだったのね。
<A> <楽>
08'02'17 荒地 下 ダーク・タワーIII
スティーヴン・キング (検索) <amazon> <楽天>
 ジェイクと小動物のオイが仲間に加わったガンスリンガー一行は“タワー”に続いているというビームに沿って旅を続けていた。彼らが最初にたどり着いたのは文明が崩壊した土地と、そこに住む純朴な人々。そしてそのその先には地下都市と野蛮な人々が巣くっていた。地下都市の住民によってさらわれてしまったジェイクを助け出すため、そして旅を続けるために年にある列車を動かすために一行は冒険に飛び込んでいく。

 カテットと呼ばれる運命共同体が全員揃い、そこから話が始まっていく。様々に張られた伏線がしっかりとつながっていく辺りはなかなかの快感。それにしてもこの中途半端な終わり方はあんまりといえばあんまりな話だが。
<A> <楽>
08'02'16 風と共に去りぬ3
マーガレット・ミッチェル (検索) <amazon> <楽天>
 南北戦争は終わった。故郷のタラに帰ってはきたものの、北軍によってすっかり家財は奪い取られ、家は見る影もなくなっていた。それでも何とか再びこの地に活気を取り戻そうと、使える家の者を総動員して働き始めたスカーレット。だが南軍敗北のため、これ以上は悪くならないと思っていた生活はますます苦しくなっていく。そんな状況でタラを救うためにスカーレットがとった方法とは…
 戦争の敗北の悲惨さは単に戦いに負けただけでない。その後が問題となる。良いようにもてあそばれるだけの庶民の生活が描かれる。この作品の重要な点は、物理的なものではなく、むしろ精神的なところにあるのだろう。
<A> <楽>
08'02'14 できるかなクアトロ
西原理恵子 (検索) <amazon> <楽天>
 著者による体当たり企画(インドのアウトカーストであるヒジュラに会いに行くことと、ゴビ砂漠で行われている日中共同の恐竜化石発掘参加)に、様々な媒体で書いてきたイベント的内容の作品を合わせて展開するマンガ企画を盛り込んだ「できるかな」第4弾。

 相変わらず飛びっぱなしの話に凄く笑わせていただいた。著者の場合、徹底的に周囲の人間をこき下ろすが、同時に激しい自己卑下も行っているためにあんまり嫌味には見えないところが味噌だろう。
<A> <楽>
08'02'13 ゾディアック
ロバート・グレイスミス (検索) <amazon> <楽天>
 1968年に殺しが始まったとされる連続殺人犯“ゾディアック”。捜査をあざ笑うかのように警察や新聞社に暗号を使った犯行声明文を送り続け、現在に至るも犯人が特定されていないという迷宮事件を追い続けた新聞記者の著者が、これまでのゾディアックの犯行と、捜査を通して分かったことを分析的に考察する。
 発売当時大ベストセラーとなり、映画にもなった作品で(2007年のマイ・ベスト)、マニアックな犯人像探しが楽しい作品。映画とは異なり、著者個人のことを何も書いてないのでドラマティック性はやや薄れてるが、これもアメリカに住んでいたら楽しみ方も別格なのだろう。
<A> <楽>
08'02'11 スナーク狩り
ルイス・キャロル (検索) <amazon> <楽天>
 不思議な生き物スナークを求め、航海に旅立った仲間達。ブーツにボンネット・メーカー、バリスター、ブローカー、ビリヤード・マーカー、バンカー、ベイカー、ブッチャー、ベルマン、そしてビーバー。ベイカーの指導の元、彼らは名も知らぬ島へと上陸し、スナーク狩りを開始するが…
 意味のあるようで意味のない、言葉遊びの世界だが、実はこれ昔どこかで読んでいて、長いこと記憶の片隅にあったのだが、偶然本屋で新訳を見つけて購入。しかしこれ、無茶苦茶面白い。新訳というだけあって、様々な言葉の解説や、言葉遊びの説明もきちんと入っていて、成る程成る程とうなずくこと然り。
 しかも偶然にちょっと前に「神霊狩 GHOST HOUND」観てたら「そう。そのスナークはブージャムだった」という、ラストの台詞が出てきて大笑いした。ファンタジー好きには絶対におすすめだし、多分今年の私のベスト作品に決定だろう。
<A> <楽>
08'02'07 ガブリン1
小林まこと (検索) <amazon> <楽天>
 至って普通のサラリーマン月夜野研太郎が結婚した相手こまは、実は300年近くも生きている化け猫だった。そしてその二人の間に生まれた人間と妖怪のハーフの娘はガブリンと名付けられ、すくすくと成長していった。化け猫の家族に囲まれた研太郎の苦労と、ちょっとだけ不思議な一家の物語をコミカルに描く。

 著者の作品はだいたい読んでるはずだが、まさか少年誌の方で連載していたとは知らなかった。しばらく名前聞かなかったんだが、改めて読んでみると、やっぱり面白い。やっぱり著者とは相性良いな。猫に対する思い入れも大きいしね。
<A> <楽>
08'02'03 ユニコーンの日(上) 機動戦士ガンダムUC1
福井晴敏 (検索) <amazon> <楽天>
 顔も知らぬ父親からアナハイムの研修生として送られてきたバナージ。学業やアルバイトに忙しいがそれなりに充実した日々を送っていたが、彼がある日コロニーのアルバイト先で宇宙を飛ぶ白いモビルスーツを見かけ、その直後に一人の少女がコロニーに突っ込んでくるのを発見する。思わず彼女を助けるバナージだが、それが彼女オードリーと、謎の組織“袖付き”との関わりとなっていく…

 小説で展開するオリジナルのガンダムシリーズ開始。時代としては「逆襲のシャア」と「閃光のハサウェイ」をつなぐ位置にある話となっている。この時代にした理由は?推測が正しければ多分オードリーの年齢にあるんだろうね。話の展開としてはガンダムというよりは「マクロス」っぽくもある。
<A> <楽>
08'02'02 キノの旅8
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 キノとエルメスの二人旅を描く第8巻。「道の国」「悪いことはできない国」「渚にて 旅の始まりと終わり」「歴史のある国」「愛のある話」「ラジオな国」「救われた国」の短編に中編の「船の国」を収録する。
 キノとエルメスの話が相変わらず緩やかに展開していく一方、今巻では色々と変わったこともある。例の男女二人の「師匠」と言われる女性はキノの師匠の若い頃であるらしいこともそうだが、ラストの中編ではこれまで度々登場していたシズと陸の二人旅がとうとう終わりを告げたらしい。色々なところで新しい展開が見えてきた話だ。
<A> <楽>
08'01'24 ジパング32
かわぐちかいじ (検索) <amazon> <楽天>
 原爆爆発を止めるべく大和の前に立ちはだかる“みらい”。ついに超弩級戦艦と未来のイージス艦との正面衝突が始まる。しかし“みらい”を良く知る草加の知恵入れでついに“みらい”は、その優位性を示す電子装備を破壊されてしまった。“みらい”に最後に残された手段とは…
 いよいよ本物の見所である巨艦どうしの正面衝突。お互いに徐々に武装を剥ぎ取られつつ、それでも戦いを諦めない。これは本気で燃える展開だ。しかし、いよいよ終わりが近いのかな?
<A> <楽>
08'01'20 荒地 上 ダーク・タワー3
スティーヴン・キング (検索) <amazon> <楽天>
 回復したローランドとエディに新生したスザンナを加えた三人は塔に向けての探索を再開する。だがローランドが先に扉の向こうのモートを殺したことで、かつてローランドが見殺しにしてしまった少年ジェイクの命を救うこととなってしまった。ジェイクが死んだ記憶と生きている新しい記憶とが混在してしまい、二重の記憶に苦しめられる。そして同時にアメリカではその本来死んでいるはずのジェイクがローランド同様二重の記憶に苦しめられていた…

 前巻のモートの死が意外なところに繋がってきた。なるほどモートがオデッタのみならず、後のジェイクを殺した存在であるなら、ジェイクは生き残ってしまうのだな。物語は結構複雑化しているが、あるべき所に収まりつつある感じ。三人の仲間がこれからどのように変化していくやら。
<A> <楽>
08'01'19 フラッタ・リンツ・ライフ
森博嗣 (検索) <amazon> <楽天>
 散香パイロットのクリタ・ジンロウは、サポート役として上司の草薙水素の護衛任務を遂行していた。だが水素の周囲が騒がしくなるに連れ、クリタも又否応なしに巻き込まれていく。狙撃された銃弾から草薙を護り、空を飛べない体になってしまったクリタ…
 時間にしてかなり「スカイ・クロラ」に近づいてきた。ここでは新しい主人公クリタを登場させ、「スカイ・クロラ」では人間のように振る舞っていた草薙が、どうしてキルドレで無くなってしまったのかがここで判明し、そして普通の人間として生きる草薙の苛つきや胸に秘めた思いなどが他者の目を通して描かれていく。結局このシリーズは、主人公は誰であっても水素が中心となっているのだな。
<A> <楽>
08'01'16 餓狼伝21
板垣恵介 (検索) <amazon> <楽天>
 先の対戦で満身創痍となりながら長田の前に立つ鞍馬。空手の大会でありながら同門のプロレスラー同士の決着は?そして身につけた殺人技を敢えて姫川に使うと宣言する古武術の畑。いよいよ準決勝戦の決着が付く。

 鞍馬VS長田はこの大会における一つの最高の見所だと思ったのだが、決着はあまりにも簡単に付いてしまい、結構唖然。まあでもプロレスラーにとっては、どんな怪我をしていたとしても、リングに上がった時点でベストコンディションと見なされるし、その前提で戦う事になる。これがプロというものか。とは思えるけど。
 それと、毎回言ってるような気がするけど、主人公の立場は?
<A> <楽>
08'01'13 風と共に去りぬ2
マーガレット・ミッチェル (検索) <amazon> <楽天>
 南北戦争は明らかに南軍不利で進んでいき、アトランタにいるスカーレットも徐々にその深刻さが伝わってくる。そんな戦時中でも変わらず彼女の元を訪れてくるレットに腹立ちを覚えつつ、少しずつ彼を心待ちにしていく自分に気付き始めていった。だがついに北軍はアトランタにまで達し…
 南北戦争の戦時下の話なのだが、かなり経済問題についての言及が多い。レットはその辺巨視的に見ることが出来る希有な存在と言える。しかしこの時代にここまでものを見られる人がいたんだな。驚きだよ。
<A> <楽>
08'01'12 水神の祭り グインサーガ115
栗本薫 (検索) <amazon> <楽天>
 クム名物の水神の祭りが始まった。完全に囚われの身で身動きが取れず、更にフロリーまでもが連れ去られてしまったグイン一行。ますます逃げられない状況に追い込まれてしまうのだが、そんな時彼らの宿舎からスーティまでもが忽然と消えてしまった。祭りで浮かれる街の中、何とか脱出の方法を模索するグイン…

 まだクムの話は続く。本巻はほとんど祭りの描写だけで終わってしまい、物語自体はほとんど動いていない。それで丸々一巻使ってしまうのがこの作品の凄い所だな。
<A> <楽>
08'01'10 はじめの一歩82
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 “魔術師”マルコム・ゲドーの猛攻になすすべもない一歩。何故ゲドーは一歩をここまで簡単にあしらうことが出来るのか。鴨川ジムの面々は必死になってその手がかりを求める。ゲドーの“魔術”とは?そして鴨川会長の言う“魔法”とは?

 一方的にやられておいて、後で一発逆転劇。もはやパターンと化した展開だが、これはこれで結構楽しめたりする辺り、やっぱり相変わらずかな?最終的に今巻では決着は付かなかったけど、もう一つくらい波乱あるのかないのか?
<A> <楽>
08'01'05 図書館戦争
有川浩 (検索) <amazon> <楽天>
 昭和末期に日本で成立したメディア良化法。これは有害と目される図書を没収する権限を国に与える法案だった。それに対抗するかのように、地方自治体に立脚する図書館は資料収集の自由と自衛手段を付与するとした図書館法を成立させた。それから31年。正化となった元号の中で、図書館は武装によって生き残ってきた。そんな中、幼い頃危険を冒してまで本を守った図書館員の姿を胸に、自らも図書館員へと志願した笠原郁。だが彼女の理想と現実はかけ離れ、現実は厳しかった。特に実務機関希望の郁の上官となった堂上の厳しさと嫌味にぶち当たる事に…
 表題見ただけだと、てっきりコメディだと思っていたのでスルーしていたが、アニメ化という話を聞いたので、ちょっと興味を持って読んでみた。しかし結構驚いた。笑える部分は確かにふんだんに用意されているが、それは物語上であり、内容は「イフ」の物語としてかなりしっかりと描かれている。文体の軽快さも相まって質の高い作品だった。一冊ですっかりファンになってしまったよ。
<A> <楽>
08'01'03 ナ・バ・テア (著)森博嗣 <amazon>
森博嗣 (検索) <amazon> <楽天>
 キルドレで新人パイロットの草薙水素は“ティーチャー”と呼ばれる人間のスーパーパイロットとパートナーを組む事となった。空を飛ぶ事だけが思考の全てだった草薙だったが、彼と組む事で、少しずつ思考が乱れ始める。
 先に読んだ「ダウン・ツ・ヘヴン」の大分前の話となり、水素がまだ新人の時代が描かれる。何故“ティーチャー”との確執が生まれたのか、そして彼女の体に起こった変化が描かれている。そう言えば「スカイ・クロラ」で娘がいる事を言っていたが、それがこんなところで意味を持っていたんだな。
<A> <楽>