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ノーマン・ジュイソン
Norman Jewison

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鑑賞本数 11 合計点 41.5 平均点 3.77
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
2008
2007
2006
2005 スティーブ・マックィーン:男の神髄 出演
2004 マイ・シネマトグラファー 出演
2003
2002
2001 ディナー・ウィズ・フレンズ 監督
ローラーボール 出演
2000
1999 ザ・ハリケーン 監督・製作
1998 アラン・スミシー・フィルム 出演
1997
1996 僕のボーガス 監督・製作
1995
1994 オンリー・ユー 監督
1993
1992
1991 アザー・ピープルズ・マネー 監督・製作
1990
1989 ブルース・ウィリス/イン・カントリー 監督・製作
乙女座殺人事件 製作
1988
1987 月の輝く夜に 監督
1986
1985 アグネス 監督・製作
1984 ソルジャー・ストーリー 監督・製作
アイスマン 製作
1983
1982 結婚しない族 監督・製作
1981
1980 戦争の犬たち 製作総指揮
1979 ジャスティス 監督・製作
1978 フィスト 監督・製作
1977
1976
1975 ローラーボール 監督・製作
1974
1973 ジーザス・クライスト・スーパースター 監督・製作・脚本
荒野のガンマン無宿 製作
1972
1971 屋根の上のバイオリン弾き 監督・製作
1970 真夜中の青春 製作
1969 シカゴ・シカゴ/ボスをやっつけろ! 監督・製作
1968 華麗なる賭け 監督・製作
1967 夜の大捜査線 監督
1966 アメリカ上陸作戦 監督・製作
1965 シンシナティ・キッド 監督・製作
恋するパリジェンヌ 監督
1964 花は贈らないで! 監督
1963 スリルのすべて 監督
1962 40ポンドのトラブル 監督
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944
1943
1942
1941
1940
1939
1938
1937
1936
1935
1934
1933
1932
1931
1930
1929
1928
1927
1926 7'21 トロントで誕生

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ザ・ハリケーン 1999
1999米アカデミー主演男優賞(ワシントン)
1999
ゴールデン・グローブ男優賞(ワシントン)、作品賞、監督賞(ジュイソン)
2000
ベルリン国際映画祭銀熊賞(ワシントン)

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アーミアン・バーンスタイン
ダン・ゴードン(脚)
デンゼル・ワシントン
ヴィセラス・レオン・シャノン
デボラ・カーラ・アンガー
リーヴ・シュレイバー
ジョン・ハナー
デビ・モーガン
クランシー・ブラウン
ダン・ヘダヤ
デヴィッド・ペイマー
ハリス・ユーリン
ロッド・スタイガー
ガーランド・ウィット
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 実話を元にしたが、事実と異なると言うことで物議を醸す。
僕のボーガス 1996
1996ゴールデンラズベリー最低主演女優賞(ゴールドバーグ)

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アルヴィン・サージェント(脚)
ウーピー・ゴールドバーグ
ジェラール・ドパルデュー
ハーレイ・ジョエル・オスメント
ナンシー・トラヴィス
デニス・マーシアー
アンドレア・マーティン
ウテ・レンパー
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
月の輝く夜に 1987
1987アカデミー主演女優賞(シェール)、助演女優賞(デュカキス)、脚本賞、作品賞、助演男優賞(ガーディニア)、監督賞(ジュイソン)
1987
LA批評家協会助演女優賞(デュカキス)
1987ゴールデン・グローブ女優賞(シェール)、助演女優賞(デュカキス)
1988英アカデミー助演女優賞(デュカキス)、
主演女優賞(シェール)、脚本賞、作曲賞
1988ベルリン国際映画祭監督賞(ジュイソン)
1988
キネマ旬報外国映画第10位

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パトリック・パーマー
ノーマン・ジュイソン(製)

ジョン・パトリック・シャンリー(脚)
シェール ロレッタ
ニコラス・ケイジ
オリンピア・デュカキス
ヴィンセント・ガーディニア
ジュリー・ボヴァッソ
ジョン・マホーニー
ダニー・アイエロ
アニタ・ジレット
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 7年前に夫を事故で失ったロレッタ(シェール)は友人のジョニー(アイエロ)から結婚を申し込まれてそれを受け入れる。結婚の報告のため故郷のシシリーへ帰ったジョニーの代わりに、彼の弟ロニー(ケイジ)に結婚式に出てくれるように頼むのだが、兄のせいで片腕を失った過去を持つロニーはジョニーを憎みきっていた。そんなロニーは、幸せな兄への憎しみをロレッタにぶつける。結果的にロニーに抱かれてしまうロレッタだが…
 この年は歌手であるシェールの当たり年で、『イーストウィックの魔女たち』
『容疑者』、そして本作に出演。そしてその中でも最も評価されたのが本作で、1988年全米興行成績も9位。シェールは本作でオスカーも得ている。
 アメリカに住むイタリア系ファミリーのあり方と、情熱を描いた作品で、
物語自体の単純さはともかく、人物描写と家族のあり方の描写が良く、なかなか観させてくれる。
 特に人物描写は際だった良さで、姉御肌で豪快でありつつ、だからこそ突っ走ってしまっていつも後悔してるロレッタはシェールのはまり役。活き活きと演じていた…と言うか素だろこれ?一方のケイジも、繊細な所を隠そうとわざと粗野に振る舞うと言う複雑な役を好演。この人の演技は概ね嫌いなんだけど、時折本当に良い役をやるから困ってしまう…この人にヒーロー願望さえなければ大好きな役者になるんだけどねえ。
 脇を固める情熱的なイタリア系の家族の描写も良し。主役二人を含め、ちょっと濃すぎて長く観てると疲れるのだが、彼らが作る食事がおいしそうなんだよね。イタリアってのは料理まで情熱的だよ。
 個人的に寝取りものは嫌いだし、いくら情熱的って言っても、“月の魔力”で全ての恋を説明してしまうのも強引なので、そっちはいただけない。これをロマンチックと受け取れるかどうかで本作の評価は変わってくると思う。
ソルジャー・ストーリー 1984
1984米アカデミー作品賞、助演男優賞(シーザー)、脚色賞
1984LA批評家協会助演男優賞(シーザー)
1984ゴールデン・グローブ作品賞、助演男優賞(シーザー)、脚本賞

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チャールズ・フラー(脚)
ハワード・E・ロリンズ・Jr
アドルフ・シーザー
アート・エヴァンス
デンゼル・ワシントン
デヴィッド・ハリス
ラリー・ライリー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
原作:チャールズ・フラー
ジャスティス 1979
1979米アカデミー主演男優賞(パチーノ)、脚本賞

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ヴァレリー・カーティン
バリー・レヴィンソン(脚)
アル・パチーノ
ジャック・ウォーデン
ジョン・フォーサイス
リー・ストラスバーグ
ジェフリー・タンバー
クリスティーン・ラーチ
サム・レヴェン
クレイグ・T・ネルソン
ジョー・モートン
ワシリー・ボガジアノス
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
フィスト 1978

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ジョー・エスターハス
シルヴェスター・スタローン(脚)
シルヴェスター・スタローン
ロッド・スタイガー
メリンダ・ディロン
ピーター・ボイル
トニー・ロー・ビアンコ
ブライアン・デネヒー
キャシー・イエーツ
サム・チュー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
原作:ジョー・エスターハス
 1937年オハイオ州クリーブランド。食品貯蔵会社の長距離トラック運転手をしているジョニー・コバック(スタローン)は、ある時、待遇改善要求で仲間の先頭に立ち、会社から時間外労働に対する賃金支払いの言質を勝ちとる事が出来た。その時のジョニーのこの勇気と根性を見たFIST(全米長距離トラック輸送組合)オハイオ州支部委員長のモナハン(ハード)は、彼をFISTの責任者に抜擢する。親友のエイブ(ハフマン)と共に、精力的に活動を始めたジョニーは、持ち前の度胸と根性でFISTのメンバーをぐんぐん伸ばしていった。片思いだったアンナ(ディロン)との仲もやがて進展していき、ジョニーはどんどん力を伸ばしていくが…
 
『ロッキー』で突如時代の寵児となり、アメリカン・ドリームを実現したスタローン。そのお陰で彼には何本もの主演作のオファーが舞い込んできたのだが、敢えてそれを断り、スタローン自身が脚本も関わり、しかも歴史作品に定評のあるジュイソン監督をいわば逆指名して作り上げた作品。
 「FIST」という言葉の意味を調べてみると「握り拳」「殴る」等の意味と共に「指標」という意味もあって、このタイトルに込められた思いというものを考えさせられるのだが、この場合のFISTとは、やはり
団結の印と、あくまで我々は退かない。と言う意味合いを持った、上に突き上げる拳のことだろう。下から突き上げ天を指す。本作のメインテーマとなる労働組合にはぴったりのタイトルだ。
 ところで、この労働組合を主眼とした物語というものを考えてみたい。
 国別に見ると、圧倒的多数の作品はイギリスとソ連や東欧で作られている。イギリスは炭坑の町を舞台にすることが多いため、日常的に組合の存在が見られるからだろう。
『リトル・ダンサー』『フル・モンティ』と言った現代の作品にも当たり前のように登場している。同じヨーロッパでは、イタリアのネオ・リアリスモ時代の作品には何作か登場するが、私が知ってる限りでは他に無い。東欧ではポーランド映画の大半や、ソ連製映画はプロパガンダとして登場するため、(知っている限り)ほとんどの映画で組合を匂わせる作りをしてる。
 これが日本になると、本当に少ない。1950年代から60年代に至る時代に何作か作られているのを散見するが、それらはやはり一種のプロパガンダで、組合の素晴らしさと、自由を勝ち取るための団結の重要性を語る作品ばかり。組合の悪の部分に踏み込んだ作品は、やっぱり見あたらない。ましてや現代劇に組み入れるには、話が重くなりすぎるし、悪く言えない事もあって、現代を舞台にした作品では皆無じゃなかろうか?
 ただ、傾向的にいえばイギリスを除くヨーロッパ、日本とも組合を描いた映画は60年代くらいで終息している。
 それではアメリカの作品では?
 ハリウッド映画の一ジャンルとして法廷ものがあるが、その中で個人対会社のものになると、やっぱり避けて通れないのが組合の存在なので、中心とは言えないまでも結構多く作られている。そう言う意味では意外にハリウッドは組合を描写してる訳だが、それだけでなく組合そのものを扱った作品も結構存在する。私が観た限りでは、
『波止場』『ノーマ・レイ』(1979)『レッズ』そして本作と言ったところだろうか。中心とは言わないまでも近年でも『インサイダー』『サンキュー・スモーキング』(2006)など、かなり組合活動に踏み込んだ作品も作られてる。こう見ていると、それぞれの年代に思い出したように作られ続けているのが分かる。映画のストーリー付けとしてはハリウッドにとっては普遍的な素材なのかもしれない。
 アメリカの場合は組合の歴史が長いこともあってか、日本や東欧映画のようにプロパガンダとして見るのではなく、あくまで人間の組織として捕らえている節があり、その分冷静にその内部を切り込んでいる作品ばかり。特に本作は、
企業の腐敗を糾弾する立場にある組合自体が腐敗していることをきちんと説明しているのが非常に興味深い。組合が企業に癒着したり、あるいは自己的に利益を追求するようになるのは、実際なり得る話でリアリティがあることを改めて感じさせてくれる。そう言えば2008年のサブサプライム問題で、アメリカでは組合が足を引っ張ったため立ち直りが遅れているとも言われているが、ある意味これも又、組合の持つ悪い一面であるのかもしれない。

 と、本作は色々考えさせられる設定に溢れているが、ちょっと驚いたのは、この脚本を書いたのがスタローン本人だということ。
一見筋肉バカに見えていながら、しっかり深いところを考えてたんだな。
 さらに、スタローンは演技面においては決して洗練されておらず、大変野暮ったのだが、作り手になると面白い才能を発揮する人でもあることが示されている。
『ロッキー』であれ、本作であれ、自分のために脚本を書いているようだが、そのどちらも木訥で基本善人。おだてられやすいと言うところで共通点があり、スタローン自身が、自分自身をよく観察していることが分かる。他の人が監督がスタローンを描くならば、ヒーローっぽく仕上げられるのに、本人が書いてみると、そう言った洗練さからは離れているのが面白い。自分自身をよく知っているからこそ出来た描写なのだろう。

 ここでスタローン演じるジョニーは、大きな事は考えられない人物。彼が考えられるのは、自分の明日の仕事のことであり、好きな女性をどうやって口説くか、あるいは身内に困った人がいたら、それを助けたいと思う、そんなレベルの人物だった。こういう人間は月並みの生活が確保されれば、それだけで幸せに一生を送れるタイプの善人に過ぎない。
 ただ、度胸と、人を動かすアジテイターとしての才能があったばかりに、その道は大きく外れることになった。ジョニーにとっては組合の組織問題など頭にはないだろう。
自分を認めてくれる場所がここにあるから、そのために働くのだ。と言う考えしかないのだが、必要以上に一本気な性格と、おだてられるとついその気になってしまう性格が災いする。結果としてこの才能は自分のためにはならず、もっと大きな組織の人を一方的に利することとなり、不必要となったら容赦なく切られてしまう。
 大きなことができない善人が必要以上の力を持ってしまったら、その先に待つのは自滅だけ。本作のジョニーをさらにリファインしたものが『ロッキー2』(1979)のロッキーの姿になっていったのだろうが、これは同時に一躍スター俳優になってしまったスタローンの自戒が入っているようにも思える。

 決して派手にはせず、スタローンを上手く撮れたジュイソンの抑えの効いた演出も良い感じ。なんか画面全体がとっても汗っぽいのと、抑えが効きすぎて爽快感に欠けるのが難点だけど。
ジーザス・クライスト・スーパースター 1973
1973米アカデミーミュージカル映画音楽賞
1973英アカデミー音響賞、撮影賞

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メルヴィン・ブラック
ノーマン・ジュイソン(脚)
テッド・ニーリー
カール・アンダーソン
バリー・デネン
ジョシュ・モステル
ボブ・ビンガム
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 ユダヤの地に住む一人の青年ジーザス(ニーリー)は、不思議な力を持っていた。その力を用いて乞われるまま人々の病を癒やしていたのだが、奇跡を起こせる人物として、彼の周りには多くの人々が集い、いつの間にか崇められていくようになっていく。皆と同じく、その力に惹かれてジーザスの元へとやってきたジュダ(アンダーソン)は、持ち前のプレゼン能力により、教団をどんどん大きくしていく。だが民衆の期待はやがてこの国の腐敗した政治家を倒す方向へと向かっていく。お気楽なジーザスはそれまで安請け合いしてしまう…
 1971年に初演されたブロードウェイ・ミュージカルの大ヒット作の映画化。舞台劇は今も定期的に上映されるほどのスタンダートなもので、初演時には日本でも大きな話題となっていた。映画化された本作も
1973年全米興行成績8位という好成績を挙げている
 1970年代はカウンターカルチャーの時代。それまでの伝統と呼ばれるもの全てに疑問を抱き、それを再構築するのがとても流行ったというか、伝統の破壊こそが新しい時代を作ると本気で思っていた人たちが多かったという時代である。
 そんな時代だけに、当然宗教にもその目は向けられ、それまで聖なる人物で、人間として描いてはいけないと思われた人物も再評価されることとなる。その流れで神の子とされるイエス・キリストを完全に人間として描いたらどうなる?というコンセプトの元に作られたのがオリジナルの舞台劇となる。
 ここで描かれるジーザスは、人から求められればなんでもやってしまうという気の良い一介の青年に過ぎないが、ちょっと人と異なる癒やしの力を持っていたために教祖様に祭り上げられてしまうという存在。純粋に人を愛する普通の人間なので、人からちやほやされるのは楽しいし、何より人の役に立っているという実感が嬉しいという単純な人物である。これまでの聖書の描写や、映像とは一線を画するイエス像をここに出してみせた。
 そしてそれと対比して、大きくなっていく教団を何とか運営していこうとする実務担当としてのジュダという存在をクローズアップしてその対比に持って行ったのが面白い。
 二人はお互いを認め合っているのだが、ジーザスのお気楽な性格に、だんだん苛ついてきて、ついに我慢できなくなってしまうと言うジュダの心の方が重要になってる。
 これまで決して描けなかった、純粋に人間としてのイエスを描いてみたことは画期的だが、それが全て70年代のカウンターカルチャー世代の価値観というのも特徴的だろう。
 これまでの伝統を押しつける社会を窮屈なものとして、そこから脱却を図るのがカウンターカルチャーならば、
まさしく2000年前のイエスの行動こそがカウンターカルチャーそのもである。イエス・キリストを革命家として描いているからこそ、本作は一貫した部分があり、それがこの時代に受けた要素となったのだろう。
 だからこの画面に登場するイエスやユダは2000年前の人物では無い。まさしく今、この世界で活動している革命家の姿なのだ。

 本作は舞台劇だが、映画化に際して色々実験も行われており、画面内には戦闘機や戦車までが登場することや、ゴルゴタの丘の前を羊飼いが歩くラストシーンは『ベン・ハー』(1959)のラストと全く同じ構図が取られているなど、実験的な手法が随所に見られる。 
屋根の上のバイオリン弾き 1971
1971米アカデミー撮影賞、音楽賞、音響賞、作品賞、主演男優賞(トポル)、助演男優賞(フレイ)、監督賞、美術監督・装置賞
1971英アカデミー撮影賞

1971ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(トポル)
1971キネマ旬報外国映画第6位

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ジョセフ・スタイン(脚)
トポル
ノーマ・クレーン
レナード・フレイ
モリー・ピコン
ポール・マン
ロザリンド・ハリス
レイモンド・ラヴロック
ポール・マイケル・グレイザー
ハワード・グーニー
ルイス・ゾリック
バリー・デネン
ペイシェンス・コリアー
ミシェル・マーシュ
ニーヴァ・スモール
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
屋根の上のバイオリン弾き(書籍)ショーラム・アレイハム
 ウクライナの片田舎、アナテフカ。そこでは規律と伝統を重んじるユダヤ人達が必死に、それでも活き活きと生活をしていた。そんな村人の一人、テヴィエ(トポル)も、伝統に従って家族の為に毎日牛乳を売り歩いていた。娘たちが次々と伝統を破る結婚を望み、伝統と娘たちの幸せを天秤に掛けつつも娘の幸せの方を優先してしまう。そんな中でポグロムが始まる。
 ミュージカル作品の映画化で、
1972年全米興行成績2位
 少なくとも私が観た内最高のミュージカル映画。ストーリーは極めて重いが、歌がとにかく良く、しかもどんな時にもユーモアを忘れないテヴィエと言うキャラクターのために凄く暖かな気持ちになれる。
 この作品はユダヤ人社会というものを知るには格好の材料を提供してくれる。
伝統に従い、神を信じて生きるユダヤ人の生活。一見それは窮屈な生活に見えても、その中には笑いもあれば人間同士の暖かい交流もある。それが垣間見えて嬉しい。
 伝統を重んじ、敬虔なユダヤ教徒のテヴィエが伝統から外れる結婚を懇願する娘の顔を見ている時の葛藤シーンが面白い。思考に入ると画面が切り替わり、全てが静止してモノローグが延々と続く。そのモノローグがとにかく起伏豊かなので、全然飽きない。とにかくテヴィエのキャラクターに全てを負っている作品でもある。
実の話、こういう大人こそ私がなりたかったものなのかも知れない。
 
…なれてるかな?
 ちょっと不満なのは、バイオリン弾きがあまり登場しないことか?でもピンポイントで良い登場の仕方してるから良しか。

 ここからは雑学。
 「屋根の上のバイオリン弾き」は元々ミュージカルだが、その原作はユダヤ人作家シュローモ・アレイヘムの「牛乳屋テヴィエ」。
彼自身ユダヤ人社会で育ちラビであったこともあるため、ここでの描写は本当のユダヤ人社会そのもの。彼は後年アメリカでイディッシュ語の普及に専念することになる。
 ポグロムというのは1881年に皇帝アレクサンドル2世が暗殺された時を契機として起こったロシア国内での運動で、ユダヤ人に対する集団的な暴力、破壊、略奪、殺戮を指す。この村は理解のある役人のお陰でこの程度で済んだが、実際は本当に酷かったらしい。
 そしてポグロムによって世界に散ったロシア系ユダヤ人達の働きかけがユダヤ民族再建運動の契機となった訳だから、歴史とは皮肉なものである。
これは言葉でこそ知っていたが、この映画ではっきり心に刻みつけることが出来た。その意味でも感謝している。
華麗なる賭け 1968
1968米アカデミー歌曲賞、作曲賞
1968ゴールデン・グローブ歌曲賞
1969英アカデミー歌曲賞

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アラン・R・トラストマン(脚)
スティーヴ・マックィーン
フェイ・ダナウェイ
ポール・バーク
ジャック・ウェストン
ビフ・マクガイア
アディソン・パウエル
アストリッド・ヒーリン
ゴードン・ピンセント
ヤフェット・コットー
サム・メルヴィル
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 編集にハル・アシュビー
夜の大捜査線 1967
1967米アカデミー作品賞、主演男優賞(スタイガー)、脚色賞、音響賞、編集賞、監督賞(ジュイソン)、音響効果賞
1967英アカデミー男優賞(スタイガー、ポワチエ)、国連賞(ジュイソン)、作品賞
1967全米批評家協会主演男優賞(スタイガー)、撮影賞
1967NY批評家協会作品賞、男優賞(スタイガー)
1967ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(スタイガー)、脚本賞
1967キネマ旬報外国映画第8位
2002アメリカ国立フィルム登録簿

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スターリング・シリファント(脚)
ロッド・スタイガー
シドニー・ポワチエ
ウォーレン・オーツ
リー・グラント
スコット・ウィルソン
ジェームズ・パターソン
クエンティン・ディーン
ラリー・ゲイツ
ウィリアム・シャラート
ビア・リチャーズ
マット・クラーク
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
夜の熱気の中で(書籍)ジョン・ボール
 南部の田舎町スパルタに一人の旅行者が降り立った。折しもその町では町の実力者が殺され、旅人はアフリカ系という理由だけで警察署長のビル・ギレスピーに容疑者として逮捕されてしまう。しかし実は彼はフィラデルフィア警察の殺人課の優秀な刑事で、この町には休暇で帰ってきただけだと分かる。南部気質丸出しのビルだったが、初めて扱う殺人事件に彼、バージル=ティッブス(ポワチエ)の手を借りることになる。しかし、差別意識が強いこの町でティッブスの捜査は難航する…
 ジョン=ボール原作のティッブス刑事を主役としたシリーズ小説の一作
「夜の熱気の中で」の映画化作品で、真正面から人種差別問題と取り組んだこともあってアメリカでの評価は大変高かった。
 アメリカ、特に南部には色濃く残るというアフリカ系の人種差別問題。表面的には見えてない事かも知れないが、実際には多かれ少なかれその問題はどの国にも存在する…勿論日本にも数多くあって、それを扱った秀作も多いが、それを社会派的な位物語にすることなくエンターテインメントに仕上げたのがハリウッドらしさと言えよう。その姿勢には敬服する。しかし、逆に言えばこれは切実度を回避したとも言えるし、物語を単純化しすぎという気もしてならない。同じく人種差別問題を扱った作品として、たまたま同年に製作され、しかもやはりポワチエ主演の『招かれざる客』の方がテーマとしてはしっかりしてる。
 それにこれを単純に刑事物の映画として見ると、さほどドラマ性は高くないし、あっけないほど簡単に話の幕切れが来てしまう。事件を単純にすることで差別問題を際だたせようとしたんだろうか?
 それと釈然としないのは、人種差別問題を扱っていながら、オスカーを取ったのはスタイガーの方で、ポワチエはノミネートさえしなかったこと。
どう見てもスタイガーの役回りは助演じゃないのかな?そりゃ確かに名演だったのは認めるけど(ポワチエの場合、既に『野のユリ』(1963)で主演男優賞もらってるから、もう良いだろうとしたのか?)
 ただそうは言っても、最後の別れのシーンは見事。スタイガー演じるビルは、これまでの差別意識を捨て去ることは出来ず、公職にある身としてあまりバージルに肩入れすることは出来ないけど、強い友情の繋がりを感じている。だから中途半端な感情を態度だけで相手に伝えようとする。その時の表情と態度が本当に見事だった。スタイガーの名演。

 本作の編集はハル・アシュビー
シンシナティ・キッド 1965

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リング・ラードナー・Jr
テリー・サザーン(脚)
スティーヴ・マックィーン
アン=マーグレット
カール・マルデン
エドワード・G・ロビンソン
チューズデイ・ウェルド
ジョーン・ブロンデル
ジェフ・コーリイ
リップ・トーン
ジャック・ウェストン
キャブ・キャロウェイ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 堂々たるマックィーンのギャンブラーぶりが高く評価される。
 監督はペキンパーだったが、脚本にない女性のヌードシーンを撮りだしたことでプロデューサーと揉めて降板。
 本作の編集にハル・アシュビーの名前が或る。

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