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ロバート・アルトマンのプレタポルテ |
2006 | 11'20 死去 | |||||||
今宵、フィッツジェラルド劇場で 監督 | ||||||||
2004 | Tanner on Tanner 監督 | |||||||
2003 | バレエ・カンパニー 監督・製作 | |||||||
アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史 出演 | ||||||||
2001 | ゴスフォード・パーク 監督・製作・原案 | |||||||
ヒストリー・スルー・ザ・レンズ M★A★S★H 出演 | ||||||||
Roads and Bridges 製作総指揮 | ||||||||
2000 | Dr.Tと女たち 監督・製作 | |||||||
ザッツ・ハリウッド 時を駆け抜けた名作たち 出演 | ||||||||
Trixie 製作 | ||||||||
1999 | クッキー・フォーチュン 監督・製作 | |||||||
1998 | Liv 製作 | |||||||
1997 | 相続人 監督 | |||||||
アフターグロウ 製作 | ||||||||
GUN 焔と弾道 監督・製作総指揮 | ||||||||
GUN 影と照準 製作総指揮 | ||||||||
GUN 灰と弾丸 製作総指揮 | ||||||||
1996 | ロバート・アルトマンのジャズ 監督・製作 | |||||||
カンザス・シティ 監督・製作・脚本 | ||||||||
1994 | プレタポルテ 監督・製作・脚本 | |||||||
ミセス・パーカー ジャズエイジの華 製作 | ||||||||
1993 | ショート・カッツ 監督・脚本 | |||||||
The Real McTeague 監督・脚本 | ||||||||
Black and Blue 監督 | ||||||||
1992 | ザ・プレイヤー 監督 | |||||||
McTeague 監督・脚本 | ||||||||
1990 | ゴッホ 謎の生涯 監督 | |||||||
1988 | 軍事法廷 駆逐艦ケイン号の叛乱 監督・製作 | |||||||
The Caine Mutiny Court-Martial 製作 | ||||||||
Tanner '88<TV> 11エピソード監督・製作 | ||||||||
1987 | ベースメント 監督・製作 | |||||||
アリア 監督・脚本・音楽 | ||||||||
Beyond Therapy 監督・脚本 | ||||||||
1986 | ニューヨーカーの青い鳥 監督・脚本 | |||||||
1985 | フール・フォア・ラブ 監督 | |||||||
The Laundromat 監督 | ||||||||
突撃!O・Cとスティッグス お笑い黙示録 監督・製作 | ||||||||
1984 | 名誉ある撤退〜ニクソンの夜〜 監督・製作 | |||||||
1983 | ストリーマーズ 若き兵士たちの物語 監督・製作 | |||||||
1982 | わが心のジミー・ディーン 監督 | |||||||
Rattlesnake in a Cooler 監督・製作 | ||||||||
Precious Blood 監督 | ||||||||
1980 | ロバート・アルトマンのヘルス 監督・製作・脚本 | |||||||
ポパイ 監督 | ||||||||
1979 | パーフェクト・カップル おかしな大恋愛 製作・脚本 | |||||||
無邪気な子供たち 製作総指揮 | ||||||||
1978 | ウェディング 監督・製作・原案・脚本 | |||||||
Remember My Name 製作 | ||||||||
1977 | 三人の女 監督・製作・脚本 | |||||||
クィンテット 監督・製作・原案・脚本 | ||||||||
レイト・ショー 製作 | ||||||||
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1976 | ビッグ・アメリカン 監督・製作・脚本 | |||||||
ロサンゼルス・それぞれの愛 製作 | ||||||||
1975 | ナッシュビル 監督・製作・音楽"The Day I Looked Jesus in the Eye" | |||||||
1974 | ジャックポット 監督・製作 | |||||||
ボウイ&キーチ 監督・脚本 | ||||||||
1973 | ロング・グッドバイ 監督 | |||||||
1972 | ロバート・アルトマンのイメージズ 監督・脚本 | |||||||
1971 | ギャンブラー 監督・脚本 | |||||||
1970 | M★A★S★H 監督 | |||||||
BIRD★SHT 監督 | ||||||||
1969 | 雨にぬれた舗道 監督 | |||||||
1968 |
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1967 | 宇宙大征服 監督 | |||||||
1965 | The Katherine Reed Story 監督 | |||||||
Pot au feu 監督 | ||||||||
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1964 | Nightmare in Chicago 監督・製作 | |||||||
1963 |
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1962 |
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1961 |
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1960 |
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1959 |
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1958 |
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1957 | ジェイムス・ディーン物語 監督・製作・編集 | |||||||
The Delinquents 製作・脚本 | ||||||||
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1956 | The Magic Bond 監督・脚本 | |||||||
1955 | The Perfect Crime 監督・脚本 | |||||||
1954 | The Builders 監督・脚本 | |||||||
The Dirty Look 監督・脚本 | ||||||||
Better Football 監督・脚本 | ||||||||
1953 | The Last Mile 監督・脚本 | |||||||
How to Run a Filling Station 監督・脚本 | ||||||||
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1952 | King Basketball 監督・脚本 | |||||||
The Sound of Bells 監督・脚本 | ||||||||
1951 | Modern Football 監督デビュー・脚本 | |||||||
Corn's-A-Poppin' 脚本 | ||||||||
1948 | Bodyguard 脚本 | |||||||
1947 | Christmas Eve 脚本(ノン・クレジット) | |||||||
1925 | 2'20 ミズーリ州カンザスシティで誕生 |
今宵、フィッツジェラルド劇場で 2006 | |||||||||||||||||||||||||||
2006インディペンデント・スピリット監督賞 2006放送映画批評家協会アンサンブル演技賞 2007キネマ旬報外国映画第3位 2007報知映画外国映画賞 |
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ゴスフォード・パーク 2001 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2001米アカデミー脚本賞、作品賞、助演女優賞(ミレン、スミス) 2001英アカデミー衣装デザイン賞、イギリス作品賞、助演女優賞(ミレン、スミス)、監督賞(アルトマン)、オリジナル脚本賞、プロダクションデザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞 2001全米批評家協会助演女優賞(ミレン)、監督賞(アルトマン)、脚本賞 2001NY批評家協会助演女優賞(ミレン)、監督賞(アルトマン)、脚本賞 2001ゴールデン・グローブ監督賞(アルトマン)、作品賞、助演女優賞(ミレン、スミス)、脚本賞 2001放送映画批評家協会アンサンブル演技賞 2002キネマ旬報外国映画第7位 |
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Dr.Tと女たち 2000 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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クッキー・フォーチュン 1999 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1999インディペンデント・スピリット作品賞、助演男優賞(ダットン)、新人脚本賞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ショート・カッツ 1993 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
1993米アカデミー監督賞(アルトマン) 1993ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞(アルトマン)、特別賞(出演者全員) 1993全米批評家協会助演女優賞(ストー) 1993ゴールデン・グローブ特別賞、脚本賞 1993インディペンデント・スピリット作品賞、監督賞(アルトマン)、脚本賞、助演女優賞(ムーア) 1994キネマ旬報外国映画第3位 |
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ロサンジェルスにあるごく普通の住宅街を舞台に、9家族22人による、一つの事故に関わるミニエピソードを一つ一つの家庭を焦点に描いた群像劇。TVキャスターのフィニガン(デイヴィソン)と妻のアン(マクドウェル)は息子のケイシーのため、誕生日ケーキを注文するが、誕生日の前日ケイシーは車にはねられてしまう。この事故にまつわる、ケーキ屋のアンディ(ラヴェット)、病院の中にいる人々、ケイシーをはねたアール(ウェイツ)、フィニガンの父(レモン)、お隣さん、などなどが遭遇した一日半の出来事を描く。 前作『ザ・プレイヤー』で見事ハリウッドに返り咲いたアルトマン監督が、「好きなように作ってしまえ」とばかり、自分らしさを徹底して前面に押し出して作った群像劇。かつての『ナッシュビル』や『ロバート・アルトマンのヘルス』などと較べても登場人物が段違いに多く、物語もごっちゃごちゃしてるため、観てる間に頭を整理しなければよく分からなくなってしまうのだが(事実これを最初に観たのは病気で寝てる時だったため、頭が働かずに、何が何だか分からず、結局後でもう一回見直す羽目になった)、これだけの長さにかかわらず、テンポ良く話が展開し、前の話としっかり話がつながってるので、この辺のバランス感覚は流石と言える。それで分かったことだが、劇中で喋っていることの大半は意味がない。でもその言葉が言葉を呼び、その言葉のやりとりが面白いのだ。 俳優も豪華。劇中登場する人物はみんな悪い人じゃないのだが、どこか人間的に欠けた部分があって、それが誤解を生んでしまう。そのあたりのすれ違いが本作の見所と言えるだろうか。ジュリアン・ムーアが意外なズレっぷりを見せていたり、ティム・ロビンスが頭のネジ一本どこかに置いてしまったような役どころを好演してる。それだけでなく、適材適所でしっかりキャラが配置されているので、見所は満載。役者から信頼されてるって事が本当によく分かるよ。 ただ、『ザ・プレイヤー』で見せていたブラックジョークが急になりを潜めてしまったような?皮肉のないアルトマン作品は、ちょっとパワー不足の気がしてならないな。まあ、だからこそ一般受けしたんだろうけどさ。 尚、本作を称したジョナサン・デミは「この映画の唯一の欠点は短すぎることだ」と言ったとか、真理をついてるような、嫌味のような? |
ザ・プレイヤー 1992 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1992米アカデミー監督賞、脚色賞、編集賞 1992英アカデミー監督賞、脚色賞、作品賞、主演男優賞(ロビンス) 1992カンヌ国際映画祭男優賞(ロビンス)、監督賞、パルム・ドール 1992NY批評家協会作品賞、監督賞(アルトマン)、撮影賞 1992ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(ロビンス)、監督賞、脚本賞 1992インディペンデント・スピリット作品賞 1993キネマ旬報外国映画第3位 |
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大手映画スタジオのプロデューサーであるグリフィン・ミル(ロビンス)は大きな悩みに直面していた。一つには最近大きなヒット作がなく、会社側はやり手のプロデューサを20世紀フォックスから引き抜いてくるという噂が伝わってきたこと。そしてもう一つはグリフィンにより企画をボツにされた脚本家から頻繁に脅迫状が届けられることだった。デイヴィッド・ケヘイン(ドノフリオ)がその送り主とみたグリフィンは、彼の元を訪れるのだが、口論の末思わずデイヴィッドを殺してしまう。しかも脅迫状はまだ止まず、ストレスがますますたまっていく。そんな時、葬式で知り合ったケヘインの恋人で画家のジューン(スカッキ)を見かけるのだが… 定期的に出てきて、既に一つのジャンルとなっているハリウッドのバックステージもの。役者や監督の話がその大部分だが、本作はそれを製作者側から描いたと言うのが特徴(他に製作者側から描いたものとしては『ラスト・タイクーン』(1976)があるが)。プロデューサとは、倨傲な人間として描かれることが多いが、それを逆手に取り、リアリティよりもブラックジョーク風味をかなり効かせ、しかもアルトマン監督が得意とする群像劇として仕上げてみせた。 メインストーリーは割合単純。それこそ「M★A★S★H」の時のように、無茶苦茶な人間が無茶苦茶なことをしてる内にいつの間にか上手く行ってしまった。というもの。正直本作観ていて、どこでその内この無茶苦茶さが酬いを受ける因果応報の話に持っていくのか?と思っていたら、いきなりの無理ありすぎのハッピー・エンド。一瞬呆然とした後で大爆笑した。なるほど。この作品は全編がハリウッドに対する嫌味なんだ。権力を持つものはそれこそどんなことをしても、必ず救いの手がさしのべられ、本人も知らないうちに上手く行ってしまう。主人公はそれに翻弄され、ながされっぱなしなのだが、やがてその幸運を当たり前のように受け入れるようになっていく。まさにこれこそ権力の魔力というものかもしれない。巨万の金が一人の指示で動くハリウッド・ビジネスとは、こういう世界なのだ。と紹介してるみたい。 ハリウッドは才能のある人達が山ほど集まるが、その才能を最大限に生かせる人はほんの一握り。中でも脚本家は一番割に合わないのかもしれない。それこそ「一世一代」の傑作を書いて持っていったら、それが全く顧みられないのみならず、コネやどうしようもない続編企画がするっと通ってしまうことの方が多い。仮にそれが映画になったとしても、プロデューサの意向で物語を変えられたりもする。それを完璧に毒々しく描いてる。はっきり言ってこれがアカデミー賞で大受けしたのは、選ぶ側が身につまされる出来事ばかりだったからじゃないんだろうか? 更にとにかくここに出てくるパロディや嫌味がとにかくもの凄い量。よくこんな企画が通ったものだ。と思えるほど。OPカットは『黒い罠』へのオマージュだが、『卒業』の脚本家であるバック=ヘンリーが本人役で登場して『卒業2』を売り込もうとしている姿が見えたりする(あの企画はもうちょっと聞いていたかった気がする。どれだけ馬鹿馬鹿しいものになってるんだろう?)。『自転車泥棒』を「良い作品」と言ったばかりに逆鱗に触れてしまうシーンなどもあるし、劇中劇の改変は『危険な情事』のものらしい。ハリウッド映画でここまで他の作品をパロディにしたものも珍しい。 そして本作において最高のジョークは、実は本作にはエージェントが一切出てこないこと。登場人物は全て自分の手を汚している。ハリウッドでそんなことはあり得ないが、どれだけエージェントという存在が物語を作りにくくさせているかも感じさせられてしまう。 アルトマンらしい悪意が無茶苦茶込められてる作品なのだが、これはかつてそのハリウッドによって放逐された経験のある監督としては、これはハリウッドに対する決別の思いで作ったらしいのだが、ところが逆に本作によってアルトマンがはっきりとハリウッドに復帰出来たというのが面白いところ。 後、ここでのカメオ出演の豪華さも特筆すべきだろう。ほとんど手弁当で参加してくれた役者の名前を調べてみたら、ジュリア・ロバーツ、ブルース・ウィリス、バート・レイノルズ、アンジェリカ・ヒューストン、ジョン・キューザック、ジャック・レモン、アンディ・マクダウェル、シェール、ピーター・フォーク、スーザン・サランドン、ジル・セント・ジョン、リリー・トムリン、ジョン・アンダーソン、ミミ・ロジャース、ジョエル・グレイ、ハリー・ベラフォンテ、ゲイリー・ビューシイ、ジェームズ・コバーン、ルイーズ・フレッチャー、スコット・グレン、ジェフ・ゴールドブラム、エリオット・グールド、サリー・カークランド、マーリー・マトリン、マルコム・マクダウェル、ニック・ノルティ、ロッド・スタイガー、パトリック・スウェイジ。これだけのキャラが喜んで出演してる。どれだけアルトマンが好かれていたのかがよく分かるだろう。 |
ゴッホ 謎の生涯 1990 | |||||||||||||||||||||||||||
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フール・フォア・ラブ 1985 | |||||||||||||||||||||||||||
1986カンヌ国際映画祭パルム・ドール(アルトマン) | |||||||||||||||||||||||||||
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わが心のジミー・ディーン 1982 | |||||||||||||||||||||||||||
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ロバート・アルトマンのヘルス 1980 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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フロリダの豪華ホテルで「健康によってもたらされる幸福と力と長寿協会」通称“HEALTH”の年次大会が開催されようとしていた。今年の大会では新しい会長が選出されるとあって、全米から続々と参加者とTVクルーが詰めかけていた。候補者として83歳にして美貌を保つエスター・ブリル(バコール)と、改革論者イザベラ・ガーネル(ジャクソン)の一騎打ちとなるが、そのオブザーバーとして政府から派遣されたグロリア(バーネット)は、エスター陣営の指揮を執っているのが元夫ハリー(ガーナー)であることを知って驚愕する。混戦模様を見せる新会長選に選ばれるのは… アルトマン監督は世界的な一流監督と目されるが、ソフト化された作品はさほど多くはない。これは意外ででも何でもなく、アルトマンの姿勢があくまで攻撃にあったため、様々な権利がごちゃごちゃしてしまい、結果的にソフト化が見送られてしまったという事がほとんど。特に本作はその典型的な例だろう。なかなか観る機会がないと言われる。たまたまTV放映されたのはラッキーな話。 それは一見してよくわかる。健康協会の話というのに、そこに登場する人間は「私はこれだけ健康です」と誇示して、高額な健康食品を売り込もうとする輩や、まるで健康であることを至上命題とするかのような、あたかも新興宗教の教祖の如き存在感を見せる輩。更にその利権にあずかろうとたむろする人々の群れ。これが会長選挙ともなると、両陣営にはオブザーバーと称するいかがわしい人間が陣頭指揮を執る…極めて皮肉に満ちた物語であり、事実これは大統領選を風刺した作品とも言われ、この年見事大統領選を勝ち抜き、第40代大統領の就任を控えたロナルド=レーガンはこの作品を観て、いたく気分を害したらしく、本作を「最悪の映画」と称しているほど(お陰で危うく作品自体がお蔵入りしそうになったのだとか)。 とにかく皮肉と悪意がたっぷり詰まった群像劇で、こういうのを撮らせたらアルトマンの右に出るものはない。これだけごちゃごちゃしていて、声もそれぞれ出しているのに、しっかり焦点が定まって、誰が何を言っているのかはっきり分かるし、表だった華やかな舞台の後ろで、強烈なロビイストが熾烈な暗黙の戦いを展開していく。そしてあまりにあっけない物語の幕切れ。と、怒濤のごとく物語が展開。苦笑いしながら観ていくのが本作の醍醐味だろう。 キャラで言っても強烈な印象を与えるキャラばかりで、よくこんな濃い目の人間を配して作り上げたもんだ。久々の映画登場となるバコールは、貫禄が出過ぎてるけど、完全御輿状態の役を楽しそうに演じてるし(まるでゼンマイが切れたかのように全ての動きが止まるシーンは大笑い)、口ばかりのリベラリスト役のジャクソンも、発言の軽さが良く出てる。強烈なロビイスト役のモファットの発言も全米ライフル協会を引き合いに出したりして、完璧に喧嘩撃ってるんじゃないの?というレベル。実に楽しい。 物語そのものがかなりぬる目で物語も唐突に終わってしまうのでちょっと消化不良の印象も受けるけど、監督の政治不信と強烈な悪意を感じられればそれで充分。 |
ポパイ 1980 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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そこそこのヒットはしたが、アルトマン監督はこれで大手製作会社から距離を置くことになる。 |
ウエディング 1978 | |||||||||||||||||||||||||||
1978英アカデミー監督賞、脚本賞 | |||||||||||||||||||||||||||
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三人の女 1977 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
1977英アカデミー主演女優賞(デュヴァル) 1977カンヌ国際映画祭女優賞(デュヴァル)、パルム・ドール 1977NY批評家協会助演女優賞(スペイセク) 1977LA批評家協会女優賞(スペイセク) |
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製作・脚本 |
クィンテット 1977 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ビッグ・アメリカン Buffalo Bill and the Indians or Sitting Bull's History Lesson |
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ナッシュビル 1975 | |||||||||||||||||||||||||||
1975米アカデミー歌曲賞、作品賞、助演女優賞(ブレイクリー、トムリン)監督賞(アルトマン) 1975英アカデミー助演女優賞(ブレイクリー、ウェルズ)、脚本賞、新人賞(トムリン) 1975全米批評家協会作品賞、助演男優賞(ギブソン)、助演女優賞(トムリン)、監督賞(アルトマン) 1975NY批評家協会作品賞、助演女優賞(トムリン)、監督賞(アルトマン) 1975LA批評家協会脚本賞 1975ゴールデン・グローブ歌曲賞 1992アメリカ国立フィルム登録簿登録 |
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テネシー州ナッシュビル。ここはカントリー&ウエスタンの聖地で、今年は大々的にナッシュビル・フェスティバルが開催されることとなっていた。そのドキュメンタリー番組の取材にきたイギリスのBBCのテレビクルー達。C&Wのファンだったが、アメリカは初めてというオパール(チャップリン)は、浮かれ気分で精力的に動き回り、大物ヘブン=ハミルトン(ギブソン)へのインタビューを敢行しようとスタッフを引っ張り回す。派手嫌いを標榜するヘブンはインタビューから逃げ回るが、彼のクリーンなイメージを政治的に利用しようとする政治家のスタッフや、ナッシュビル・フェスティバルそのものの利権を求めて奔走するスタッフ達の思惑が渦巻く中、フェスティバルが開催され、次々とC&Wやロックのの歌手達がナッシュビル入りしてくる… 群像劇に定評があるアルトマン監督だが、その評価を初めてものにしたのが本作。複数の登場人物の複雑な人間関係を時に笑い、時に追い込み、時に暴力的にもさせつつ、世相を笑うというアルトマン流の映画作りを確立させた。この年のアカデミーは本作と『カッコーの巣の上で』の2作で賞を競ったが、結局その勝者となったのは『カッコーの巣の上で』の方だった(ここで助演女優賞にノミネートされているトムリンは元々ラチェッド女医役でキャスティングされていたらしいが)。 本作の場合は、製作された1975年という世相が本当によく現れている感じ。アメリカ人にとっての演歌とも言えるC&Wの大会であっても、それが変わらないわけではなく、出場者の中にはいかにもヒッピー的な人間もいれば、ロッカーもいる。国家に対する反対を表明している人間もいれば、逆に国を利用してのし上がろうとする人間もいると言った具合で、様々な立場で参加しているのだが、その背後には丁度この時代に起こったウォーターゲート事件で混乱中のアメリカという国が見えてくるようだし、なによりヴェトナム戦争での後遺症がしっかり描かれていて、ごった混ぜの人間同士のいがみ合いは、結局アメリカの“今”を映し出そうとしてのことなのだろう。 しかし、その混乱の中にも個々の人間それぞれにドラマがあり、そのドラマが連鎖していくことによって、一見まとまりのない構成が、きちんと終幕に向けて疾走していく。自分の外面の良さに辟易しているハミルトンとか、雰囲気が全く分からないので空気を読まずに突入しては痛い思いに遭い、それでも突入していく姿。それぞれの裏切りと愛情。そう言った混乱が渾然一体となっていくうちに、一つ一つの物語が緩やかにつながっていき、クライマックスでの感動へと移っていく。 イベントとかやってると本当にそう言う気分になることがある。疲れの中で、「心が一つになった」という気分。歌で本当に人を変えることが出来る。という思い。山のように出てくる目先の問題をこなしていくうちに、不意に与えられた静寂。 そう言ったものを見事に切り取って与えてくれたのが本作だった。 本作で培った技術を使ってアルトマンはこれからも群像劇を作り続けていくが、その基本となり、完成度が高いのが本作だったと言えるだろう。 ちなみにここで使われている音楽の多くは俳優達の自作自演なのだが、キャラダインの歌う「アイム・イージー」が歌曲賞オスカーを取るというのも、なかなか皮肉な話。ニューシネマブームを象徴するような出来事と言えようか? 又、流石に群像劇だけあってアルトマン作品の常連であるエリオット=グールドやジュリー=クリスティが本人役で登場。 |
ロング・グッドバイ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1973全米批評家協会撮影賞 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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チャンドラー原作を舞台を1973年に置いて映画化。マーロウは時代遅れの探偵という設定。シュワルツェネッガーがチンピラ役で出演してるがクレジットされず ここでのマーロウは猫好きで、愛猫のために夜中に車を走らせたりもする |
ギャンブラー | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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M★A★S★H 1970 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1970米アカデミー脚色賞、作品賞、助演女優賞(ケラーマン)、監督賞(アルトマン)、編集賞 1970英アカデミー国連賞、作品賞、主演男優賞(グールド)、監督賞(アルトマン) 1970カンヌ国際映画祭パルム・ドール(アルトマン) 1970全米批評家協会作品賞 1970ゴールデン・グローブ作品賞 1970キネマ旬報外国映画第5位 1996アメリカ国立フィルム登録簿新規登録 |
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朝鮮戦争のただ中、陸軍野戦病院第4077MASH(mobile army surgical hospital
)に勤務することとなった3人の軍医ホークアイ(サザーランド)、デューク(スケリット)、トラッパー(グールド)。三人は腕は確かだったが、実は全員無茶苦茶な性格で、半ば左遷の形でここに放り込まれたのだった。デュークは美貌の婦長ディッシュを追い回し、ホークアイとトラッパーは暴力沙汰を繰り返しつつも、暇を見つけては遊び回っていた。連続する負傷兵の手術で目も回るような忙しさの中、イタズラを繰り返す3人だったが… 本作は実際に朝鮮で一年半MASHに属していたリチャード・ホーンバーガーがリチャード・フッカー名義で執筆したベストセラー小説の映画化(小説は出版までに17の出版社から断られたが、出版されるとベスト・セラーとなる)。 当時アメリカは泥沼のヴェトナム戦争の最中にあって、厭戦気分が国内でも高まってきた。その中で映画界も反戦映画をいくつか作ってきたが、その中の一本で1970年全米興行成績も2位と大ヒットした。 戦争を扱った作品は数多く、その中で人間の狂気について強調される作品は数多い。ただ、狂気を表すというのにも本当に色々あるものだ。 戦争の狂気を描くのに、悲しい話や戦闘の繰り返しを描くことも一つの方法で、これが一番作りやすいのだろうが(邦画はそれに落ち込みすぎた)、他にも人間の内面に入り込んだ作品となった『地獄の黙示録』(1979)なんてものもある。他にも戦争終了後のPTSDを描いた『ディア・ハンター』(1978)などの方法があるだろうし、色々方向性はあり得ると思う。ただもう一つ重要なものとして、徹底的に戦いを笑いにしてしまうと言う方法もある。実際に戦争に行っている人間は怒るかも知れないけど、戦争というのはこれほどばかばかしいものですよ。と言うことを伝えるためにはこれも重要な方法だ。日本でも『独立愚連隊』(1959)がかなりそれに近い。本作もそういうブラックジョークを連発する作品だが、ここでの最大の特徴は、戦いが全く描かれることがないという点にある。確かに負傷兵はどんどん運ばれてくるし、手術室なんてのは血まみれ。しかし実際の戦闘はちょっとだけ先で行われていて、そこでの恐怖も伝わってくる。しかしここにあるのは戦いではなく、単なる狂ったような人間ばかり。この設定にはとてつもなく痺れる。ここまで徹底してやってくれたお陰で、本作は良識ある人間から観たなら嫌な思いをさせるだろうが(事実本作は当時の批評家には大変受けが悪く、吐き気がすると言う評もあったそうな)、嫌悪感を覚えさせることも本作の目的の一つには違いない。 性的且つ差別的なものが多いために笑いの質としてあまりにどぎつく、私自身腰がちょっとひけもしたが、逆に映画でそう思わせる所までやってくれたことがなにより評価できる。 ドキュメンタリー映画の『華氏911』(2004)で兵士は装甲車両に乗ってハードロックをかけまくりながら掃討していたという描写があったものだが、そういう狂気保っていなければ戦争は出来ない。その不自然さは当然野戦病院へと伝播していく。そして同時に本作の戦争に出ない主人公達は、そう言う奴らを笑い飛ばしてなければ逆に精神が保たないのではないか? 戦争とは、それほどまでに非人間的な所産なのだ。という事なのかも知れない。 本作はアルトマンの出世作となったが、ここでようやく作家性を出すことが出来たためか、暴走しまくったとも言われている(主演のグールドとサザーランドの方が監督を押さえたという逸話も残る)。顕著なのが音声で、複数の人間が喋る声を重ね、観客にどの音を聞くかを選ばせるという、邪道とも言える手法を使っているのだが、それが良い具合に効果を上げているのも確かな話(後にこれがアルトマンの得意とする手法となる)。 尚本作の製作に当たったのは20世紀FOXの名物プロデューサーダリル=ザナックの息子で当時社長のリチャードだったのだが、息子の将来を心配したザナックによって社長を下ろされてしまったという逸話も残ってる(ちなみにその後リチャードは独立プロを作り、『スティング』(1973)、『ジョーズ』(1975)を製作し、この2本で父親が生涯に製作した全作品を超える収益を上げてしまう)。 |
宇宙大征服 Countdown |
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