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岡本喜八

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岡本 喜八
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 岡本 喜八(おかもと きはち、1924年2月17日 - 2005年2月19日)は日本の映画監督。本名は岡本 喜八郎(おかもと きはちろう)。
Wikipediaより引用
経歴
1924'2'17 鳥取で誕生
1943 東宝に入社。助監督として多くの監督の下で働く
1945 松戸の陸軍工兵学校に入隊、愛知県豊橋市にあった第一陸軍予備士官学校で終戦を迎える
1957 東宝が開催したシナリオコンクールで認められて監督昇格
1958 『結婚のすべて』で監督デビュー。
1989 紫綬褒章を受章
1995 EAST MEETS WESTでのロケ中に硬膜下血腫発症
2005'2'19 死去
5+ 斬る
激動の昭和史 沖縄決戦
独立愚連隊
日本のいちばん長い日
ブルークリスマス BLOOD TYPE:BLUE
ああ爆弾
座頭市と用心棒
ジャズ大名
近頃なぜかチャールストン
血と砂
吶喊
肉弾
4+ ダイナマイトどんどん
独立愚連隊西へ
EAST MEETS WEST
江分利満氏の優雅な生活
顔役暁に死す
地獄の饗宴
昭和怪盗傳
助太刀屋助六
戦国野郎
大学の山賊たち
大菩薩峠
大誘拐 RAINBOW KIDS
どぶ鼠作戦
3+ 暗黒街の顔役
暗黒街の対決
英霊たちの応援歌 最後の早慶戦

幽霊列車
姿三四郎
2+
個人的感想
監督の作品を初めて観たのは比較的新しく、大誘拐 RAINBOW KIDSから。それまで邦画は駄目な作品史か作ってないと思い込んでいた私にとってはこの作品は衝撃的だった。こんな面白い映画を作る人がいたのか!そこから追いかけ始めたが、観るもの全部が面白い。
2005 2'19 死去
2001 助太刀屋助六 監督・原作・脚本
2000 独立少年合唱団 出演
1995 EAST MEETS WEST 監督・脚本
1993 Coo 遠い海から来たクー 脚本
1991 大誘拐 RAINBOW KIDS 監督・脚本
1987 太閤記 監督
1986 ジャズ大名 監督・脚本
1982 キッドナップ・ブルース 出演
1981 近頃なぜかチャールストン 監督・製作・脚本
1979 英霊たちの応援歌 最後の早慶戦 監督・脚本
1978 幽霊列車 監督・脚本
ブルークリスマス BLOOD TYPE:BLUE 監督
ダイナマイトどんどん 監督
科学忍者隊ガッチャマン 総指揮
1977 姿三四郎 監督・脚本
昭和怪盗傳 監督
黒木太郎の愛と冒険 出演
僕は天使ぢゃないよ 出演
1975 吶喊 監督・脚本
1974 青葉繁れる 監督・脚本
1973 にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻 監督・脚本
1972 にっぽん三銃士 おさらば東京の巻 監督・脚本
1971 激動の昭和史 沖縄決戦 監督
1970 座頭市と用心棒 監督・脚本
1969 赤毛 監督・脚本
1968 肉弾 監督・脚本
斬る 監督
遊撃戦
<A> <楽> 監修
五人の野武士
<A> <楽> 脚本
1967 日本のいちばん長い日 監督
殺人狂時代 監督
1966 大菩薩峠 監督
1965 血と砂 監督・脚本
 監督
100発100中 脚本
1964 ああ爆弾 監督・脚本
1963 江分利満氏の優雅な生活 監督
戦国野郎 監督・脚本
1962 月給泥棒 監督
どぶ鼠作戦 監督・脚本
1961 地獄の饗宴 監督
顔役暁に死す 監督
暗黒街の弾痕 監督
1960 大学の山賊たち 監督・脚本
暗黒街の対決 監督
独立愚連隊西へ 監督・脚本
1959 ある日わたしは 監督
暗黒街の顔役 監督
独立愚連隊 監督・脚本
1958 若い娘たち 監督
結婚のすべて 監督
社長三代記 助監督
1955 浮雲 監督助手
獣人雪男 監督助手
1953 幸福さん 助監督
次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港 演出助手
次郎長三国志 第三部 次郎長と石松 演出助手
次郎長三国志 第二部 次郎長初旅 演出助手
1952 次郎長三国志 第一部 次郎長売出す 演出助手
1924 2'17 鳥取県で誕生

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レビュー
助太刀屋助六
2002毎日映画コンクール男優主演賞(真田広之)
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生田大作(脚)
真田広之
鈴木京香
村田雄浩
鶴見辰吾
風間トオル
本田博太郎
友居達彦
山本奈々
岸部一徳
岸田今日子
小林桂樹
仲代達矢
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 江戸へ向かって上州を飛び出した助六(真田広之)は、上京途中に仇討ちに巻き込まれ、とっさに助太刀をして以来、病み付きになり、助太刀を生業としていた。そんな彼が7年ぶりに帰った故郷の宿場町では、いましも仇討ちが始まろうとしていた。幼馴染の番太の太郎から、元八州廻りの役人・片倉が仇だと聞く。さっそく助太刀を申し出るが断られた助六は、棺桶屋でその片倉に会うのだが、初対面の筈のその男、助六に何かを隠している様子だった。
 岡元喜八監督久々の作品。前作『EAST MEETS WEST』(1995)からもう7年くらいになるか?この人の作品を言い表すと、一言「痛快」に尽きる。リアリズムを無視し、ただおもしろさだけを追求した結果だ。こういう監督の作品は時として嫌味っぽくなるが、彼に限ってはそんなことも全て突き抜けていて、とにかく楽しい。私にとって大切な監督だから、映画界復帰はとても有り難い。
 この作品は何故か上映期間が短いことに微かな不安を覚えつつ(2週間で終わってしまう)、観ておけるときに観ておこうと思って行った。
 人を食った展開とキャラクター、ナレーションなど、喜八節は健在。カメオ出演扱いだがこの人の作品にいるとほっとする竹中直人や天本英世なんかも登場していたりして、そういう楽しみ方もできた。
 物語は荒唐無稽なだけにきちんとキャラクターが立っているし、楽しい作品となった。結構笑える。何となく映画って言うより舞台っぽい演出方法だが、それも結構はまっていたんじゃないかな?
 決して大作ではなく、小粒っぽい雰囲気だが、それも良し。この時代に喜八作品を観られただけで満足。
製作年 2001
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
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EAST MEETS WEST
1995日本アカデミー助演男優賞(竹中直人)
1995報知映画主演男優賞(真田広之)
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岡本喜八(脚)
真田広之
竹中直人
岸部一徳
スコット・バッチッチャ
アンジェリック・ローム
ジェイ・カー
リチャード・ネイソン
仲代達矢
高橋悦史
橋爪淳
ジャネット・サンダーランド
デヴィッド・ミッドサンダー
ロビン・リード
ジャック・ドナー
チップ・メイヤー
リチャード・ダニエルソン
クリフ・ストークス
天本英世
本田博太郎
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
イースト・ミーツ・ウエスト―幕末渡米使節外伝 <A> <楽>
岡本喜八 (検索) <A> <楽>
小林弘利 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
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大誘拐 Raimbow Kids
1991日本アカデミー主演女優賞(北林谷栄)、監督賞(岡本喜八)、脚本賞、編集賞、作品賞、主演男優賞(緒形拳)、撮影賞、照明賞、録音賞
1991キネマ旬報日本映画第2位
1991毎日映画コンクール日本映画優秀賞、助演主演賞(北林谷栄)、優秀宣伝賞
1991
ヨコハマ映画祭第3位
<A> <楽>
岡本喜八(脚)
北林谷栄
風間トオル
内田勝康
西川弘志
緒形拳
神山繁
水野久美
岸部一徳
田村奈巳
松永麗子
岡本真実
奥村公延
天本英世
本田博太郎
竜雷太
嶋田久作
常田富士男
橋本功
樹木希林
松澤一之
藤木悠
上田耕一
中谷一郎
山本廉
大木正司
山藤章二
景山民夫
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1991
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
大誘拐 <A> <楽>
天藤真 (検索) <A> <楽>
歴史地域
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ジャズ大名
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山本洋
小林正夫(製)
岡本喜八
石堂淑朗(脚)
古谷一行
財津一郎
神崎愛
岡本真実
殿山泰司
本田博太郎
今福将雄
小川真司
ロナルド・ネルソン
ファーレズ・ウィッテッド
レニー・マーシュ
ジョージ・スミス
小川真由美
唐十郎
利重剛
ミッキー・カーチス
友居達彦
香川良介
樋浦勉
佐藤英
六平直政
本城裕
大島光幸
森岡隆見
伊吹新太郎
石川慎二
野崎海太郎
高安青寿
鈴木省吾
中瀬博文
深作覚
小林真一郎
益海愛子
川口圭子
早川亜友子
聖ミカ
細野晴臣
山下洋輔
タモリ
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1986
製作会社
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原作
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著者名 (検索) <A> <楽>
筒井康隆
歴史地域
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近頃なぜかチャールストン
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岡本喜八
利重剛(脚)
利重剛
藤木悠
山崎義治
小畠絹子
古館ゆき
財津一郎
本田博太郎
小沢栄太郎
田中邦衛
今福将雄
殿山泰司
千石規子
堺左千夫
岸田森
平田昭彦
滝田裕介
寺田農
中村たつ
黒沢正義
光石研
根本由美
伊佐山ひろ子
速水典子
長谷川弘
花田優吉
福崎和宏
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1981
製作会社
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原作
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英霊たちの応援歌 最後の早慶戦
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田中寿一
東陽
国保徳丸(製)
山田信夫
岡本喜八(脚)
永島敏行
勝野洋
本田博太郎
中村秀和
山田隆夫
竹下景子
大谷直子
小畠絹子
水野久美
八千草薫
田中邦衛
岸田森
小野寺昭
中谷一郎
山本麟一
殿山泰司
中谷昇
東野英治郎
寺田農
今福正雄
大木正司
久米明
稲葉義男
伊藤敏孝
役所広司
草野大悟
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 東京12チャンネル(現テレビ東京)が会社創立15周年を記念として製作
製作年
製作会社
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原作
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著者名 (検索) <A> <楽>
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幽霊列車
<A> <楽>
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WikipediaJ
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★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年
製作会社
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原作
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著者名 (検索) <A> <楽>
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キーワード
ブルークリスマス BLOOD TYPE:BLUE
<A> <楽>
倉本聰(脚)
勝野洋
高橋悦史
沖雅也
岡田英次
竹下景子
仲代達矢
中条静夫
大滝秀治
新井春美
岡田裕介
八千草薫
天本英世
岸田森
神山繁
小川信司
稲葉義男
岡本みね子
松田洋治
大谷直子
草野大悟
小沢栄太郎
潮哲也
芦田伸介
中谷一郎
島田正吾
松本克平
永井智雄
田中邦衛
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 突如地球上空に次々に現れるUFOの編隊。そしてUFOを目撃した人間は、何故か血が青くなってしまった。彼らはあくまで普通の人間なのだが、世界中の政府は彼らを秘密裏に“処理”しようとしていた。青い血について調査をしていたジャーナリスト南一矢(仲代達矢)はその事に気付くのだが…そして青い血抹殺部隊に属する国防庁の沖退介(勝野洋)は何と自分の恋人西田冴子(竹下景子)が青い血である事を知る。だが、逮捕されない冴子には、国防庁から一つの“役割”を強いられていたのだ…
 人の心には差別心と言うのが拭いがたく存在する。それは多分背後に恐怖心が抜きがたく存在するからだろう。相手を差別する。それは紛れもなく、その人物が怖いから。怖いから遠ざけておきたい。そして遠ざけてしまったという罪悪感がますます距離を置くようになる
 現代は随分そう言う教育も進んでいて、表面的には差別は無いものとされているのだが、実際は表面に出ていない分、どんどん陰湿化しているとも言われている。
 まるでそれが予見されたかのように、この時代にこのような作品が出来たと言う事。
 血が青くなる。表面的に見ればそれだけの事で性格まで変わる訳じゃない。「何が起こるか分からないから」という建前は付くが、見た目に明らかに違った特徴を備えてしまった人間に対し、人間がどれほど残酷になれるか。そしてその差別心を隠そうとしてどれ程自らを正当化しようとするか…小説なら兎も角、映画でこれをやったと言う事実が凄い。
 物語はジャーナリストの南と特殊部隊の沖という二つの視点から青い血の事件を追っていくわけだが、そのどちらも悲惨な結果に終わる。南は圧力に負け、自分と家族の安全のために真実を葬る(「守るべきものがある人間は強くなる」と言われる事もあるけど、それらを守るためには「正義」を失う事もあるんだ)。一方沖は、南とは違った意味で、否応なしに真実に直面せざるを得ない立場にある。その彼が恋人の冴子が青い血である事を知って、しかも彼女が“泳がされている”事を知りつつ、何も出来ず…否。更に過酷な運命へと自らを投入して行かざるを得なくなる。当時の竹下景子が、これ又可憐。「本当に来てくれるなんて…」というラストの言葉はマジ背筋が凍ったよ。結果、沖は自らも殺される事を選ぶ事になる。
 抜きがたく人間の中にある恐怖心。そしてそこから起こる差別の心を見事に映像化した岡本喜八監督には惜しみない拍手を送りたい。
 UFOという荒唐無稽なものを前面に出したため、SF作品として捉えられている本作だが、SFだからまだ娯楽として収まってる。これをもし社会派ドラマとして捉えてしまったら、あまりに重すぎて正視に耐えないし、多分観る気力さえ起きなかっただろう(その手の実話はなるだけなら娯楽の立場では見たくない)。物語、しかもSFだからこそ、傑作たり得る作品だ。

 後日、友人からメールで面白い事を聞いた。
 実は地球人は先天性の病気であり、争いを好むのはその為であり、宇宙人はその地球人の好戦な体質を治療するためにやってきたのであり、青い血というのは実はその治療が終わったという事を意味する。と言うもの。
 そう言えば劇中、青い血になってしまった人物達がそろって「気持ちがすっきりした」あるいは「性格が良くなった」と言っていたっけ…
製作年
製作会社
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原作
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ダイナマイトどんどん
1978ブルーリボン助演女優賞(宮下順子)
1978
キネマ旬報日本映画第7位
<A> <楽>
俊藤浩滋
武田敦(製)
井手雅人
古田求(脚)
菅原文太
宮下順子
北大路欣也
嵐寛寿郎
金子信雄
岸田森
中谷一郎
フランキー堺
小島秀哉
石橋正次
丹古母鬼馬二
福崎和宏
下馬二五七
島巣哲夫
兼松隆
志賀勝
吉中正一
田中邦衛
赤穂善計
尼子狂児
妹尾琢磨
鴨てんし
二瓶正也
伊吹新太郎
大木正司
藤岡琢也
大前均
草野大悟
長谷川弘
伊佐山ひろ子
桜井浩子
小林真美
立枝歩
岡本麗
ケーシー高峰
ジャック・デービス
岡部耕大
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1978
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
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姿三四郎
1977ブルー・リボン助演男優賞(若山富三郎)
<A> <楽>
貝山知弘(製)
隆巴
岡本喜八(脚)
三浦友和
秋吉久美子
仲代達矢
若山富三郎
中村敦夫
矢吹二朗
宮内洋
森繁久彌
丹波哲郎
芦田伸介
神崎愛
中谷一郎
浅野ゆう子
草笛光子
岸田今日子
田中邦衛
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 会津の田舎から自分の力試しをしたく、先輩の安吉(田中邦衛)を頼って上京した姿三四郎(三浦友和)は人力車を押して働きながら師匠を捜していた。そして出会った矢野正五郎(仲代達矢)の柔道の門下に入り、めきめきと実力を貯えていく。柔術師範村井半助(若山富三郎)の娘乙美(秋吉久美子)との淡い恋愛を描きつつ、柔道家姿三四郎の旅を描く。
 姿三四郎の映画と言えば、どうしても黒澤明の『姿三四郎』(1943)の方を思い出してしまうのだが、こういう人もちゃんと作っている。黒澤明版の二作を一作にまとめているし、ちゃんと監督らしい演出もなされているので、喜八節が好きな私としては充分楽しめた。
 黒澤版が柔道というものを通しての心の成長が描かれていたのに対し、こちらは青春映画と言った面持ちで、その分娯楽性が高く仕上げられているし(特に田中邦衛が“らしく”て、それだけで好感を持ってしまう)、柔道での対決シーンの見応えも、コミカルながらなかなか魅せてくれる。
 主演を三浦友和にしてしまったため、ちょっと姿三四郎が軽くなり過ぎって感じもするが、監督の雰囲気が好きな人にはお勧めできる。
製作年 1977
製作会社
ジャンル
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原作
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昭和怪盗傳
<A> <楽>
廣澤榮(脚)
仲代達矢
田中邦衛
岸田今日子
神崎愛
松本克平
嵯峨善兵
横森久
大木正司
小川真司
佐伯赫哉
早川純一
遠藤剛
檜よしえ
青山眉子
隆大介
加太こうじ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1977
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
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吶喊
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岡田裕介
古賀祥一(製)
岡本喜八(脚)
伊藤敏孝
岡田裕介
高橋悦史
伊佐山ひろ子
千波恵美子
坂本九
岩崎智江
今福正雄
伊吹新
小川安三
長谷川弘
丹波義隆
粕谷正治
藤田漸
天本英世
堺左千夫
村松克巳
樋浦勉
小野寺昭
岸田森
大木正司
田中邦衛
仲代達矢
木村博人
山本廉
北見治一
草川直也
川口節子
中谷一郎
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1975
製作会社
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原作
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激動の昭和史 沖縄決戦
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藤本真澄
針生宏(製)
新藤兼人(脚)
小林桂樹
丹波哲郎
仲代達矢
森幹太
睦五郎
佐々木勝彦
大丸二郎
玉川伊佐男
川津祐介
橋本功
長谷川弘
阿知波信介
中山豊
青野平義
田中邦衛
中谷一郎
高橋悦史
大木正司
小川安三
井川比佐志
平松慎吾
東野英治郎
北竜二
藤岡重慶
山内明
阿部希郎
新田昌玄
荒木保夫
北九州男
船戸順
石山健二郎
久野征四郎
草野大悟
木村豊幸
当銀長太郎
東野孝彦
池部良
鈴木瑞穂
寺田農
佐々木孝丸
浜村純
神山繁
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 太平洋戦争末期を舞台に、史実に基づき沖縄本土決戦の悲劇を描いた戦記もの。
 冒頭で一応「フィクション」と謳われているものの(そりゃこれを「実録」と言ってしまってはシャレにならないけど)、悲惨なストーリー展開と悪夢のような執拗な死の描写。特に軍人だけでなく、一般の村民達に強制される自殺描写は鬼気迫る。手榴弾を手渡される傷病兵、鎌で子供の喉を掻き切る大人、皆で歌を歌った後、毒をあおる少女達、降伏勧告から間髪入れずに壕に投げ込まれる手榴弾や火炎放射器…
 1971年邦画興行収入第4位
 近年楽しい作品を連発する岡本喜八監督だが、彼の本当の実力は、まさしくこう言った救いのない作品にこそ発揮される事を思わせられた。ここまで描くか。と言うレベルをしっかり冷徹に見据えて撮る監督の視線には感嘆もの。
 個人的な事だが、かつて沖縄でガマ(壕)の説明を受けた事があった。劇中にも説明があったが、沖縄は珊瑚礁によって出来た島なので、多くの洞窟が存在し、沖縄決戦の時は多くの村民がそこに逃げ込んだと言う。発見されないようにと真っ暗な中で生活を余儀なくされたのだが、仮に灯りを点けていたら皆が発狂していたのではないか、等と言われた。目で見えていなかったから、みんな正気を保てたとも…どれ程悲惨な状態だったやら。
 そしてガマには自然と指導する人間が出てきたのだが(村の長老みたいな人が多かったようだ)、あるガマでは、かつて日中戦争に参加した人が、自分たちが大陸の人にした事を引き合いに出し、同じ事をアメリカ人がするものと仮定して皆に語ったという。彼らが出した降伏勧告は、全員を捉えて残酷に処刑するための方便だと主張し、結果的に全員自殺したそうだ。ただ、あるガマではかつてハワイに住んでいた人が皆を説得して降伏勧告を受入れ、結果的に全員生還したとも聞かされた。
 ちなみに私が説明を受けたガマはチビチリガマというところで、何と1970年代になってようやく発見されたガマで、実は沖縄にはまだそう言う未発見のガマが残されている可能性が結構ある。

 映画を観ていて、その時の説明がリアルに蘇り、ますますこの作品を観るのが辛くなった…

 それでもあくまで冷静に、映画の出来として観てみると、主人公を統一しなかったので、大局的な見地から沖縄決戦を眺める方向性と、局地的な目で見つめる方向性とがかなりバランス良く配置され、資料映像などもかなり用いられているので(吉田満の「戦艦大和の最後」の朗読などもあり)、歴史好きとしては楽しめた。
 それに子供の使い方が絶妙。戦争とは何ら関係のない、無垢な無力な存在としての子供を登場させる事で戦争の悲惨さをますます強調出来たし、冒頭の無心に遊ぶ子供とラストシーンの呆然と死体の転がる海辺を歩く子供の対比も見事。戦争映画に子供を効果的に使った作品としてスピルバーグの『シンドラーのリスト』(1993)があるけど、その20年前にこんなにちゃんと描けていた作品があったんだな。
 この映画を特徴づけるものとしてもう一つ。爆発シーンがあるだろう。兎に角派手で特撮シーンには兎に角力が入ってる。爆発と言えばこの人、中野昭慶の腕が遺憾なく発揮された作品に仕上がっている。

 後、これはどうでも良い事だが、庵野秀明監督はいたくこの作品を気に入っているようで、彼の手がけたGAINAX作品にはここからの出典に思えるシーンが散見出来るので、そう言う楽しみ方も出来る。
製作年 1971
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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座頭市と用心棒
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勝新太郎(製)
岡本喜八
吉田哲郎(脚)
勝新太郎
三船敏郎
米倉斉加年
岸田森
神山繁
細川俊之
嵐寛寿郎
寺田農
草野大悟
常田富士男
五味龍太郎
木村元
砂塚秀夫
田中浩
木村博人
浜田雄史
新関順司郎
熱田洋子
黒木現
滝沢修
若尾文子
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 戦いの旅に疲れ果てた市(勝新太郎)は、三年前に自分を暖かく迎えてくれた蓮華沢の里に行くことにした。だが、そこは市の知っているかつての里とは大きく違っていた。金が産出するようになった里は小仏の政五郎(米倉斉加年)の暴力に踏みにじられていた。市が来たことを知った政五郎は、用心棒に浪人の佐々大作(三船敏郎)を雇い、市に対抗しようとする。「バケモノ」と「ケダモノ」の戦いのさなか、更に短筒の名人九頭竜(岸田森)が絡み…
 座頭市のシリーズでは後半に当たるが、三船敏郎と勝新太郎の競演と言うこともあってか、受けは良く、1970年邦画興行成績も3位と大健闘している。
 実を言うと、私がこのシリーズを観始めたのはこれが最初だった…しかし、これはどっちかというと、外伝的な要素が強い作品だと今になってみるとよく分かるのだが、本当にこれは面白かった。
 一言で言って、流石岡本喜八!最初から大好きな監督だったが、この難しい素材でここまでやってくれるか!という凄まじい出来。
 タイトル通り、座頭市と戦うのは『用心棒』(1961)の三船敏郎(当たり前だが、三十郎本人ではない)!座頭市と用心棒の戦い!これは燃えなきゃ嘘ってもんだ。逆に言えばこれだけ難しい設定をよくやる気になったもんだな。
 とにかくパワーそのものがあふれるかのような作品で、殺陣の凄まじさ、キャラクターの立ち具合、そして緊張感の中に見え隠れする笑いと虚しさの演出。これはもはや『座頭市』でも『用心棒』でもない。完全に岡本喜八の世界に他ならない。というか、これほど喜八節がバランスよくまとめられた作品は他に類を見ないだろう。正直、これは驚き!
 まずキャラクターに関しては、歳食ったとはいえ、流石世界の三船。無茶苦茶キャラが立ってたし(まあ、ちょっと弱さが強調されすぎてたきらいがあったが)、それに対する勝新太郎の座頭市も、ほかのシリーズと較べ、更に人間的弱さが強調されていた。どちらも本来正義という義務感によって立っているのに、実は結構これで欲深いところがあって、最後の戦いなんかは意地と言うよりは、どちらがどちらを出し抜いて砂金を手に入れるかというところが強調されていた。更にそこに岸田森扮する不気味な九頭竜が絡む。キャラの立ち具合で言えば、最早言うことないほど。若尾文子もしっかりキャラクタを強調していたしね。こりゃ、タイトルは『座頭市と用心棒』じゃなくて『バケモノVSケダモノVS吸血鬼』とでもした方がはまってたかも(笑)
 ストーリーに関しては、全般的に笑いの要素が大きい作品なのだが(シリアスが多い本シリーズでは間違いなく異色)。身障者を敢えて笑いの俎上に持ってきて、しかも嫌味でないバランスの良さを持つし、しかも金に群がる人の群れの浅ましさのなんと凄まじきことよ。人間よりも金の方が重要だって精神の浅ましさが、これまでか!とまで無茶苦茶現れてた。笑いとシリアスと虚しさ。すべてがぶち込まれてる!ここまでバランス良い物語とは。
 演出に関して言えば、これはまあ、シリーズ通しての事だが、これも充分と言えるだろう。これに関してはシリーズとしてはま、並とも言えるけど、それでも質的には非常に高い。
 人間の欲というのはほんとに果てしない。その薄ら寒さまで演出した、これこそが監督の実力だ。だからこそ好きなんだよな。この監督は。
製作年 1970
製作会社
ジャンル
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原作
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著者名 (検索) <A> <楽>
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関連 シリーズ第20作
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肉弾
1968キネマ旬報日本映画第2位
1968毎日映画コンクール監督賞、男優主演賞(寺田農)、美術賞、音楽賞
<A> <楽>
馬場和夫(製)
岡本喜八(脚)
寺田農
大谷直子
天本英世
三橋規子
今福正雄
笠智衆
北林谷栄
春川ますみ
園田裕久
小沢昭一
菅井きん
三戸部スエ
頭師佳孝
吉野謙二郎
田中邦衛
中谷一郎
高橋悦史
伊藤雄之助
宮本満里子
津田亜矢子
武藤洋子
長谷川弘
阿知波信介
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 大戦末期。特攻隊を養成する内地の陸軍訓練所において要領の悪い“あいつ”(寺田農)は、上官から“豚”呼ばわりされていた。そんな“あいつ”が晴れて特攻隊員となって“神”と呼ばれる立場に立った時、一日だけの休暇が与えられた。死なねばならない目的も、その理由もわからないまま“あいつ”は街に繰り出すが、そこでうさぎ(大谷直子)という少女と出会う。

 監督自らの体験を元に学徒兵を主人公とした青春物語で、かつて『独立愚連隊』『血と砂』で戦争を見事に喜劇にしてのけた岡本喜八監督が、約10年の時を経て、新たに送り出した戦争映画。
 ただし今度の作品は、かのATGに舞台を移して(東宝に話を持って行ったが、蹴られてしまったらしい)。そのためか、大変な安普請作品に仕上げられてしまった。一応戦争映画といっても本作の場合は実際の戦闘シーンは皆無。それどころか敵の姿も一切なし。あるのは味方であるはずの当時の日本人のあからさまな姿と、しょぼくれた主人公の心情ばかりだった。安普請もいいところで、かつての『独立愚連隊』とは演出力においては雲泥の出来としか言いようがない…
 しかし、今にして思うに、実はそれこそが実は監督が本作で最も作りたかったことなのではなかろうか。

 戦争というイメージは、人それぞれだろうが、実際にその中に身を置いている人間にしては、それは瞬間の盛り上がりのためのひたすら長い忍耐の時間にほかならない。戦時における倦怠感こそが、実は戦争体験の最も大きなもの。戦争を描くに際し、これを主眼にすることが本作の着眼点であり、チャレンジだったのではなかったかとも思える。
 本作で“あいつ”は、ひたすらただ待つだけの存在として描かれ、その待つと言う行為の中で、自分は何をなすべきか、何のために戦うのかと、それだけをひたすら思う姿が描かれることになる。見つけたと思った目的は容易に手をすり抜け、失われた目的を再び見つけようとあがき続ける。そしてその結果として得られたものは、やはり倦怠感でしかない。なんとも寂しく、しょぼくれた青春であることか。
 その中で出会った人々は、ある者は自分の考えをとうとうと説いてみせたり、ある者は自暴自棄に陥りそうな自分自身を叱咤する人を求めている。どうしても忍び寄って来る倦怠感を忘れようとするかのように…
 そして“あいつ”は分かってくる。誰しも倦怠感と戦っていて、今自分がここにいることの根拠を求めようとしていることに。
 だからこそ、“あいつ”は最後の特攻要員とされたことを逆に喜んでいたようでもある。たとえそこに何の意味を認められずとも、それが他者のためであると思えることに存在意義を求められると思い…
 しかし“あいつ”に与えられたのは、更なる待機任務だった。それはますます気を滅入らせ、余計な思いを考えるためのように。
 そしてラスト。自分のしていたことは、本当に何も意味もなかったことを知らされた“あいつ”は、もう生きる気力さえ失っていく。あの屎尿船から切り離されたその時、むしろ彼は、これでようやく死ねると解放を感じたのかもしれない。最後のシーンはコメディと言うにはあまりに痛々しい姿ではあるが、あれはあれでようやく安らげる場所を見つけた特攻隊員の姿とも言えよう。

 しかし、思えば我々の青春ってやつも又彼の味わった戦争とどこが違うのか?いわゆる青春の日は、後になってみるとそれなりに充実を覚えたような気になるが、実際その渦中にいたときは、常に倦怠感と、面白い事が飛び込んでこないか?と待つだけの日々だった。大なり小なり誰しも抱えてる青春の悩みというものを、本作はそのまま戦争の中という特殊事情に置き換えてしまったのとも見られる。哀しくしょぼくれた、しかし、その中でほんの僅かな煌めきを大切に出来るような…

 いずれにせよ、“待つ”事しかできなかった男の行き着く先が本当に待つだけで終わってしまうと言う普遍的な皮肉を見事に捉えた名作だと言って良かろう。そしてこれが岡本監督の体験した戦争という現実であると。
製作年 1968
製作会社
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原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
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斬る
1968毎日映画コンクール美術賞
<A> <楽>
田中友幸(製)
岡本喜八
村尾昭(脚)
仲代達矢
高橋悦史
中村敦夫
久保明
久野征四郎
中丸忠雄
橋本功
浜田晃
地井武男
土屋嘉男
星由里子
岸田森
今福正雄
樋浦勉
香川良介
神山繁
東野英治郎
黒部進
天本英世
田村奈巳
鈴木えみ子
小川安三
久世竜
鈴木治夫
関田裕
伊吹新
長谷川弘
中山豊
当銀長太郎
大前亘
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1968
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
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日本のいちばん長い日
1967キネマ旬報日本映画第3位
<A> <楽>
藤本真澄
田中友幸(製)
橋本忍(脚)
宮口精二
戸浦六宏
笠智衆
山村聡
三船敏郎
小杉義男
志村喬
高橋悦史
井上孝雄
中丸忠雄
黒沢年男
吉頂寺晃
山田晴生
香川良介
明石潮
玉川伊佐男
二本柳寛
武内亨
加藤武
川辺久造
江原達怡
三井弘次
土屋嘉男
島田正吾
森野五郎
加東大介
石田茂樹
田崎潤
平田昭彦
中村伸郎
竜岡晋
北竜二
野村明司
藤木悠
北村和夫
村上冬樹
北沢彪
岩谷壮
今福正雄
天本英世
神山繁
浜村純
小瀬格
佐藤允
久保明
草川直也
石山健二郎
滝恵一
藤田進
田中浩
佐田豊
上田忠好
勝部演之
伊藤雄之助
青野平義
児玉清
浜田寅彦
袋正
小林桂樹
中谷一郎
若宮忠三郎
山本廉
森幹太
伊吹徹
久野征四郎
小川安三
田島義文
加山雄三
新珠三千代
宮部昭夫
関口銀三
関田裕
井川比佐志
須田準之助
高田稔
堺左千夫
小泉博
大友伸
松本幸四郎
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 東宝オールスター作品で、1945年8月14日〜15日の緊張した一日を描く。
 東宝の8・15シリーズの第1作。
 最後に流れる死者の数こそが監督が本当に描きたかった部分とも言われる。
 助監督に山本迪夫
製作年 1967
製作会社
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原作
日本のいちばん長い日 <A> <楽>
半藤一利 (検索) <A> <楽>
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大菩薩峠
<A> <楽>
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藤本真澄(製)
橋本忍(脚)
三船敏郎
仲代達矢
中谷一郎
加山雄三
伊吹新
久世竜
久野征四郎
宮部昭夫
香川良介
佐々木孝丸
佐藤慶
小川安三
新珠三千代
西村晃
川口敦子
大木正司
滝恵一 児
中丸忠雄
長谷川弘
天本英世
田中邦衛
藤原釜足
内藤洋子
園千雅子
早川恭二
梅香ふみ子
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年
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原作
大菩薩峠 <A> <楽>
中里介山 (検索) <A> <楽>
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血と砂
<A> <楽>
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田中友幸(製)
佐治乾
岡本喜八(脚)
三船敏郎
伊藤雄之助
佐藤允
天本英世
団令子
仲代達矢
伊吹徹
名古屋章
長谷川弘
大沢健三郎
根津克己
木下陽夫
樋浦勉
仲村紘一
阿知波信介
宮尾博
伊東昭夫
西川明
関富士夫
木村豊幸
金井和博
日吉としやす
木浪茂
満田新二
滝恵一
宇野晃司
加藤茂雄
桐野洋雄
伊原徳
鈴木治夫
伊吹新
沢村いき雄
小杉昇司
森今日子
浦山珠美
河美智子
小川安三
大木正司
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1965
製作会社 三船プロダクション
東宝
ジャンル 戦争(第二次世界大戦)
売り上げ
原作
伊藤桂一 (検索) <A> <楽>
歴史地域
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田中友幸
三輪禮二(製)
橋本忍(脚)
三船敏郎
小林桂樹
伊藤雄之助
松本幸四郎
新珠三千代
田村奈巳
八千草薫
杉村春子
東野英治郎
平田昭彦
稲葉義男
大辻伺郎
中丸忠雄
当銀長太郎
黒沢年男
天本英世
江原達怡
中村芝鶴
市川中車
市川高麗蔵
藤田進
寺島貢
志村喬
沢村いき雄
長谷川弘
常田富士男
堤康久
浦山珠美
鈴木和夫
桐野洋雄
田島義文
荒木保夫
向井淳一郎
草川直也
江島和子
小沢憬子
二瓶正也
小川安三
山本廉
岩本弘司
権藤幸彦
関田裕
緒方燐作
伊藤実
鈴木治夫
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1965
製作会社 三船プロダクション
東宝
ジャンル 史実(時代劇)
売り上げ
原作
侍ニッポン <A> <楽>
郡司次郎正 (検索) <A> <楽>
歴史地域 1860'3'24 桜田門外の変
関連
ああ爆弾
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田中友幸(製)
岡本喜八(脚)
伊藤雄之助
高橋正
越路吹雪
砂塚秀夫
中谷一郎
沢村いき雄
本間文子
重山規子
北あけみ
天本英世
有島一郎
二瓶正也
長谷川弘
鈴木和夫
桜井浩子
小川安三
丘明美
馬野都留子
古田雅俊
権藤幸彦
伊原徳
堤康久
浦山珠美
三浦敏男
大前亘
鈴木治夫
細川隆一
草川直也
林幹
加藤茂雄
当銀長太郎
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1964
製作会社 東宝
ジャンル ミュージカル
ブラックコメディ
売り上げ
原作
万年筆 <A> <楽>
コーネル・ウールリッチ (検索) <A> <楽>
歴史地域
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江分利満氏の優雅な生活
1963毎日映画コンクール男優主演賞(小林桂樹)
<A> <楽>
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藤本真澄
金子正且(製)
井手俊郎(脚)
小林桂樹
新珠三千代
矢内茂
東野英治郎
英百合子
横山道代
中丸忠雄
ジェリー伊藤
松村達雄
南弘子
桜井浩子
八代美紀
二瓶正也
小川安三
西条康彦
天本英世
江原達怡
田村奈巳
草川直也
河美智子
森今日子
北あけみ
柳川慶子
塩沢とき
砂塚秀夫
堤康久
長谷川弘
平田昭彦
太刀川寛
芝木優子
沢村いき雄
紅美恵子
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1963
製作会社 東宝
ジャンル サラリーマン(コメディ)
売り上げ
原作
江分利満氏の優雅な生活 <A> <楽>
山口瞳 (検索) <A> <楽>
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戦国野郎
<A> <楽>
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田中友幸(製)
佐野健
岡本喜八
関沢新一(脚)
加山雄三
中谷一郎
佐藤允
長谷川弘
田崎潤
星由里子
中丸忠雄
水野久美
滝恵一
江原達怡
砂塚秀夫
天本英世
中山豊
二瓶正典
小川安三
田島義文
大木正司
鈴木治夫
堤康久
山本廉
草川直也
沢村いき雄
伊原徳
岩本弘司
上村幸之
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1963
製作会社 東宝
ジャンル コメディ(時代劇)
売り上げ
原作
歴史地域
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WikipediaJ キネ旬 eiga.com WikipediaE みんシネ
どぶ鼠作戦
<A> <楽>
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田中友幸
角田健一郎(製)
岡本喜八(脚)
加山雄三
佐藤允
夏木陽介
中谷一郎
田中邦衛
砂塚秀夫
中丸忠雄
江原達怡
藤田進
ミッキー・カーティス
上原謙
田崎潤
平田昭彦
水野久美
田村奈巳
長谷川弘
若松明
高木弘
権藤幸彦
佐藤勝弘
利根伺郎
沢村いき雄
岩本弘司
小川安三
瓜生登代子
天本英世
川村郁夫
土屋詩朗
加藤茂雄
奈良優一
橘正晃
鈴木治夫
中山豊
林幹
堤康久
草川直也
緒方燐作
江島護
上村幸之
坂上和也
小野崎隆
三浦繁男
二瓶正典
桐野洋雄
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1962
製作会社 東宝
ジャンル 戦争(第二次世界大戦)
売り上げ
原作
歴史地域
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地獄の饗宴
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永島一朗
椎野英之(製)
池田一朗
小川英(脚)
三橋達也
団令子
池内淳子
小串丈夫
田崎潤
中北千枝子
林幹
中原成男
谷晃
富永美沙子
砂塚秀夫
天津敏
宮部昭夫
城所英夫
佐藤慶
上田忠好
日高ゆりえ
水の也清美
若宮忠三郎
ピーチェス・ブラウン
伊藤正博
野上優子
森槇子
白木茂
佐野和子
倉橋仙吉
千草恵子
佐藤乙四郎
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1961
製作会社 東京映画
ジャンル 犯罪(ギャング)
売り上げ
原作
黒い終点 <A> <楽>
中村真一郎 (検索) <A> <楽>
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顔役暁に死す
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田中友幸
三輪禮二(製)
池田一朗
小川英(脚)
加山雄三
島崎雪子
水野久美
中谷一郎
柳永二郎
平田昭彦
田中邦衛
田崎潤
中丸忠雄
八色賢典
宮部昭夫
橋爪秀雄
堺左千夫
山本廉
ミッキー・カーティス
村上冬樹
滝恵一
砂塚秀夫
岩本弘司
辰巳敏久
大村千吉
新藤良
久木念
林幹
井川比佐志
西条康彦
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1961
製作会社 東宝
ジャンル 犯罪(復讐)
売り上げ
原作
火制地帯 <A> <楽>
大藪春彦 (検索) <A> <楽>
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wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
大学の山賊たち
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山本紫朗(製)
岡本喜八
関沢新一(脚)
山崎努
久保明
佐藤允
江原達怡
ミッキー・カーティス
白川由美
横山道代
上原美佐
柳川慶子
笹るみ子
上原謙
越路吹雪
堺左千夫
平田昭彦
中丸忠雄
若松明
沢村いき雄
土屋嘉男
小杉義男
中山豊
菅井きん
藤村有弘
鶴田浩二
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1960
製作会社 東宝
ジャンル スポーツ(登山)
犯罪(サスペンス)
売り上げ
原作
歴史地域
関連
暗黒街の対決
<A> <楽>
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田中友幸(製)
関沢新一(脚)
三船敏郎
鶴田浩二
司葉子
河津清三郎
中丸忠雄
堺左千夫
牧野児郎
岩本弘司
田崎潤
佐藤允
中山豊
天本英世
若松彰
高木弘
平田昭彦
小杉義男
中谷一郎
夏木陽介
村上冬樹
堤康久
山本廉
ミッキー・カーティス
北あけみ
村松恵子
浜かおる
直木明
沢村いき雄
林幹
土屋詩朗
谷晃
瀬良明
佐田豊
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 大岡組と小塚組が大っぴらに抗争を繰り広げる暴力都市荒神市に一人の刑事がやってきた。藤丘三郎(三船敏郎)というその刑事は汚職警官として左遷されてきたというだけあり、着任早々、大岡組のキャバレーでホステスのサリー(司葉子)を巡って乱闘騒ぎを起し、警察からも白眼視されてしまう。孤立無援の中、藤丘は単独で二つの暴力団の強引な調査を行うのだが…

 岡本監督による和製フィルムノワール。悪を倒すには、それ以上の悪にならねばならない。というかなり暴力的な作風で、それに合わせて全体的にきつい色調で、相当下品かつ泥臭く作られているのが特徴。
 実際下品は下品なのだが、そういった下品さや泥臭さと言ったものを逆に個性にしてしまっている。センスの悪さを重ねることによって、逆におもしろいセンスを発揮できる。これが岡本監督の強みだろう。

 ところで、この下品さを自分のものに出来る監督というのは日本には何人かいるが、それぞれ個性の出し方が違っている。例を挙げれば、石井輝男とか日活時代の鈴木清順とかもやはり下品さを自分のカラーに仕上げる上手さを持っているが、岡本監督の場合は、センスが悪いままなのに、何故かスタイリッシュに見えてしまう錯覚を起こさせるのが特徴だろうか?
 察するに、岡本監督の場合、要所要所に鮮烈なカットを挿入し、目を引く演出を程良く取っているからなんだろう。だから全般的にきつめな色調なのに、要所要所のカットが目を引き、印象が深くなる。
 それに本作は役者をうまくまとめたことも重要。
 本作のメインは一応三船敏郎演じる藤丘刑事が主体のサスペンスだが、推理とか地道な捜査よりも、とりあえず渦中に飛び込んで、でてきた奴を片っ端から裁いていく。現代版『用心棒』(1961)と言ったところだが、まさに三船のはまり役。この人しかできない役をきっちり演じている。
 しかしながら、本作ではその三船まで食ってしまうキャラがいた。本作一番の見所はなんと言っても天本英世。天本は岡本作品の常連で、常になにかしら個性の強い役を演じさせているが、ここでの殺し屋役(しかも相当にドジな)はある意味最強。極彩色の光の中でのジャズ演奏シーンは不気味すぎて笑って良いやら怖がるべきなのかよく分からないが、あのシーンのインパクトだけで、この作品の何でも許せそうな気になってしまう。
 なんだかんだ言って、本作の最大の見所は天本英世!天本ファンだったら是非押さえてほしい作品ではある。
製作年 1960
製作会社 東宝
ジャンル 犯罪(ギャング)
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
大藪春彦
歴史地域
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独立愚連隊西へ
1960毎日映画コンクール音楽賞
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田中友幸(製)
関沢新一
岡本喜八(脚)
加山雄三
佐藤允
堺左千夫
大木正司
中山豊
江原達怡
山本廉
中谷一郎
平田昭彦
久保明
フランキー堺
田島義文
中丸忠雄
上村幸之
水野久美
横山道代
堤康久
若松明
沢村いき雄
天本英世
林幹
桐野洋雄
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1960
製作会社 東宝
ジャンル コメディ(戦争)
戦争(第二次世界大戦)
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原作
歴史地域
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暗黒街の顔役
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田中友幸(製)
西亀元貞
関沢新一(脚)
鶴田浩二
宝田明
三船敏郎
白川由美
草笛光子
柳川慶子
笹るみ子
河津清三郎
平田昭彦
田中春男
佐藤允
中山豊
桐野洋雄
山本廉
岩本弘司
ミッキー・カーチス
夏木陽介
堺左千夫
広瀬正一
高木弘
瀬良明
中丸忠雄
高堂国典
沢村いき雄
林幹
今泉廉
天本英世
加藤春哉
宇野晃司
大友伸
中島そのみ
横山道代
本間文子
市村かつじ
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1959
製作会社 東宝
ジャンル 犯罪(アウトロー)
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原作
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独立愚連隊
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田中友幸(製)
岡本喜八(脚)
佐藤允
中谷一郎
鶴田浩二
上村幸之
三船敏郎
中丸忠雄
南道郎
瀬良明
上原美佐
雪村いづみ
中北千枝子
横山道代
塩沢とき
沢村いき雄
江原達怡
桐野洋雄
中山豊
山本廉
夏木陽介
堺左千夫
ミッキー・カーティス
笠原健司
手塚茂夫
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 第二次大戦末期の中国戦線。山岳地帯で敵と対峙している日本軍に、新聞記者の腕章を巻いた荒木(佐藤充)と名乗る男が現れた。自ら取材と言ってはいるものの、物腰やその知識から軍隊にいたものと思われたのだが、それもそのはず、実は彼は大久保という元軍曹で、この連隊に配属された弟が情死したことが信じられず、真相究明のために脱走してきたのだった。弟の配属されていたのは独立第90小哨だが、ここは各隊のクズばかりを集めて作られた警備隊で、独立愚連隊と呼ばれている所だった。敵陣に突出してある部隊に単独、大久保は向かう…
 岡本喜八監督は私の大好きな日本人監督だが、人間性の恐ろしさ、暗黒面にスポットを当てて作られる人物描写がとにかく見事。確かに笑える作品が多いのだが、それも何か後ろめたい笑いになってしまうのもこの監督の特徴だ。特に初期の、岡本監督自身が脚本も書いている作品にその傾向が強い。
 本作及び続編の『独立愚連隊西へ』(1960)の2作は監督の最高傑作の評も高く、観るのを大変楽しみにしていた。
 それでやっと近くのレンタルビデオ店に新入荷したのを幸い、早速レンタル。
 …予想を超えていた
 面白い!と言う言葉で言うのも陳腐だった。正直これは衝撃そのもの
 前々から私はまだ日本映画界は第二次世界大戦というものを消化しきってないと思っていた。大概主眼が“戦争はいけない”と悲観的に取るか、あるいは開き直って“こういう事もあったんだ”という事ばかりが目的となる。これは立派な目的には違いない。ただ、それらに共通してある、一種の偽善的な部分がどうしても反発する。“戦争は悲惨だ”という想いが根底にあるのは当然としても、そればかりが前面に出てしまい、結果どんなドラマを盛り込んでもそちらの方が中途半端になってしまう。それに、戦争に笑いを入れてはいけないという不文律があるのか、真面目な内容に偏る。娯楽で良いはずの作品が何を撮っても社会派作品になってしまう
 …そりゃ、日本の戦争映画でもその辺を越えてるのもいくつかはある。その代表はやっぱり同じく岡本喜八監督の『激動の昭和史 沖縄決戦』(1971)だったわけだが…
 しかし、これはのっけからやってくれた。
 冒頭の部分で娼館がまず出てくる。そこにいる女性の明るい顔。
 これだけで分かった。こいつは間違いなく傑作だ。他の誰がなんと言おうと、今、私は傑作を観ようとしている。と慌てて座り直す。
 戦争映画で、しかも一番最初に笑いを持ってくるとは。
 そうだよ。戦争を扱ったとしても、笑って良いんだ。そんな当たり前のことを忘れていた自分が恥ずかしい。そしてなんと戦争に呪縛されていたのか、と自分自身に気づかされた。
 勿論だからといって、本作は戦争を肯定してるわけではないし、単なる状況として用いてるだけでもない。戦争は悲惨なものであると同時に、もっと大切なこと。戦争とは馬鹿馬鹿しいものである。と言う批判がこめられるんじゃないかな?そんな当たり前のことを当たり前に言おうとする。そこが一番面白かったんだろうと思う。
 冒頭僅か10分ほどで完全に意識を持って行かれた。こりゃ作品観ながら考えるなんて勿体ない。全て全身で受け入れてやる(映画とビデオの観方での大きな違いはそこ。映画の場合それが容易に出来るんだが、ビデオだとどうしても観ながら余計なことばかり考える)
 観賞後、惚けて脱力。やられた!ここまでやってくれるとは岡本喜八、やっぱりただもんじゃねえ

 この作品には日本の戦争映画では撮らなかった(あるいは時代が下って撮れなくなった)いくつもの要素が詰め込まれている。
 冒頭の部分での女性の明るさだって、そこにいるのは日本人ばかりでない。近年になっておこったいわゆる従軍慰安婦問題により、彼女たちは笑ってはいけない存在になったのだが、実際はどうなんだろう?少なくともあそこにはカタコトの日本語で“夢”を語る人がいたじゃないか。彼女たちも又、戦っている。その戦いの中での戦友意識やそこだからこそ出てくる喜びだってあったはずじゃないか?
 それとやっぱり冒頭。いきなりの銃殺シーン…と思ったら、いきなり飛び起きて逃げていきやがるの。なんだこりゃ?大笑いしたよ。当たり前だ。これくらいの度胸とずるさがあってこそ本当にリアルってもんだ。これが重要なんだよな。ここで逃げたのは…あれ?上原美佐なの?道理で華があるよ。
 その後、頭に怪我を負った井伏鱒二の「遥拝隊長」を地でやってる隊長…おい、三船敏郎かよ!こいつが真面目ぶった顔でこんな笑える役を演るなんて、なんという豪華さだ。
 戦場のど真ん中で娼婦のトミ(雪村いずみ)に追いかけられる大久保…最前線でこれとは、人間の業とはいかに深いものか…(笑)
 中盤になって出てくる独立愚連隊の面々も個性豊か。最前線で、殆ど「死んでこい」と言われているに同様にもかかわらず、そこにはやっぱり笑いがある。確かにそこには苦労はあった。しかしその苦労は悲惨ではない。自分の命を肴に酒を飲んでるような奴だっている。命を賭けてる戦場だからこそ、危うい笑いが出る。それは確かに軍紀違反。でも、最前線で命のやりとりしてる中だったら、やっぱりそれもありだろ?
 それで中盤の山と言える、縦型社会の軍隊による隠蔽工作…これは割合あっけなかったけど、これだけ明白な事実が目の前にあるのに、それを黙っている軍隊組織。この辺はテレビドラマなんかでは常套手段ではあるんだが、シチュエーションで見せてくれる。
 一応これで目的は果たした訳だが、物語はそこでは終わらない。
 独立愚連隊そのものの存在をかけた戦いがこの後で待っているのだ。
 このシチュエーションはとにかく燃える!
 あれだけ多数の敵兵に囲まれ、これならなんとか逃げ切れそうだ。と思った瞬間の、ほんの些細なミスから見つかってしまう。その瞬間の下で待つ面々が呆然とした表情から、「仕方ねえな」。って表情に変わって、最後に「やるか」となる。この表情の変化が又良いのよ。最後はどうせ死ぬしかないからとことんやってやる!とばかりに開き直った戦場風景。確かにそこにリアリティはないかも知れないけど、これだけ燃えるシチュエーションを演出してくれただけで充分。
 それでラストなのだが、ここではたと気付く。主人公大久保って、こんな戦場にありながら、これだけ女をとっかえひっかえ…(笑)。戦場を舞台にしながらヒロインが3人もいる戦争映画なんて他に例がないぞ。

 それと、もう一つ、私にとって嬉しかったことがある。他でもない押井守監督の『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』(1993)で後藤隊長が特車二課のことを「独立愚連隊」と称していた(正確に引用すると、元第2小隊の面々を送り出した後、荒川に向かって言った台詞「この期に及んでも正規の部隊を動かさず独立愚連隊同然の俺達に頼らなければならなかったのが決定打さ。まともな役人のすることじゃない」)事が、完全に理解できた。最前線にありながら「警視庁のお荷物」だとか、「無駄飯ぐらい」とか言われてる上に、そこにいる人間達は皆、他からたらい回し同然にこの隊に来たやつらばかり。なるほど。この映画から設定を取ったか!

 私にとっては、色々な意味で衝撃を受け、嬉しい作品だった。
 …燃えた作品だとレビューも長くなるなあ(笑)
製作年 1959
製作会社 東宝
ジャンル コメディ(戦争)
戦争(第二次世界大戦)
売り上げ
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