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フォー・ルームス(書籍) _(書籍) |
2023 | ドミノ 監督・製作・脚本 | ||||||||
スパイキッズ:アルマゲドン 監督・製作・脚本 | |||||||||
2022 | |||||||||
2021 |
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2020 | ヒーローキッズ 監督・脚本 | ||||||||
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2019 | アリータ:バトル・エンジェル 監督 | ||||||||
アグリードール 製作 | |||||||||
2018 |
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2017 | |||||||||
2016 | |||||||||
2015 | |||||||||
2014 | シン・シティ 復讐の女神 フランク・ミラーと共同監督・製作・音楽 | ||||||||
弾丸刑事(デカ) 怒りの奪還 製作 | |||||||||
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2013 | マチェーテ・キルズ 監督・製作・編集・撮影▲ | ||||||||
2012 | サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ 出演 | ||||||||
2011 | スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション 監督・製作・脚本・撮影・音楽 | ||||||||
2010 | マチェーテ 共同監督 | ||||||||
プレデターズ 製作・視覚効果監修 | |||||||||
2009 | ショーツ 魔法の石大作戦 監督・製作・脚本・撮影・編集・音楽 | ||||||||
2008 | |||||||||
2007 | プラネット・テラーinグラインドハウス 監督・製作・脚本・撮影・編集 | ||||||||
デス・プルーフ in グラインドハウス 製作 | |||||||||
2006 | |||||||||
2005 | シャークボーイ&マグマガール 3-D 監督・脚本・撮影・編集・音楽 | ||||||||
シン・シティ 監督・製作・脚本・編集・音楽 | |||||||||
2004 | キル・ビル VOL.2 音楽 | ||||||||
2003 | レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード 監督・製作・脚本・撮影・編集・音楽 | ||||||||
スパイキッズ3-D:ゲームオーバー 監督・製作・脚本・撮影・編集・音楽 | |||||||||
2002 | スパイキッズ2 失われた夢の島 監督・製作・脚本・音楽 | ||||||||
2001 | スパイキッズ 監督・製作・脚本・音楽 | ||||||||
2000 | フロム・ダスク・ティル・ドーン3 製作総指揮・原案 | ||||||||
1999 | フロム・ダスク・ティル・ドーン2 製作総指揮 | ||||||||
1998 | パラサイト 監督・編集 | ||||||||
1997 | 刑事ナッシュ・ブリッジス(3rd) 「Bombshell」出演 | ||||||||
1996 | フロム・ダスク・ティル・ドーン 監督・製作総指揮・編集 | ||||||||
1995 | デスペラード 監督・製作・脚本 | ||||||||
フォー・ルームス 第3話ROOM 309 かわいい無法者 監督・脚本 | |||||||||
1994 | ロードレーサーズ 監督・脚本 | ||||||||
1993 | |||||||||
1992 | エル・マリアッチ 監督・製作・原案・脚本・撮影 | ||||||||
1991 | |||||||||
1990 | |||||||||
1989 | |||||||||
1988 | |||||||||
1987 | |||||||||
1986 | |||||||||
1985 | |||||||||
1984 | |||||||||
1983 | |||||||||
1982 | |||||||||
1981 | |||||||||
1980 | |||||||||
1979 | |||||||||
1978 | |||||||||
1977 | |||||||||
1976 | |||||||||
1975 | |||||||||
1974 | |||||||||
1973 | |||||||||
1972 | |||||||||
1971 | |||||||||
1970 | |||||||||
1969 | |||||||||
1968 | 6'20 テキサス州アントニオで誕生 |
ドミノ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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数年前。最愛の娘ミニーを目の前で誘拐され、その行方も知られなくなってしまい、そのショックが癒えずにカウンセリングを受けながら凶悪犯を追う刑事ダニー・ローク(アフレック)。その凶悪犯が銀行を襲うという匿名の通報を受け、銀行の前で張っていると、おおよそ信じられないような行動を人々が取り始め、大混乱の中悠々と銀行に入り込み、警察を翻弄する犯人。彼を追うダニーは、この男こそがミニーを連れ去った犯人だと確信するようになる。 ロバート・ロドリゲス監督でベン・アフレック主演作。 もしも失敗フラグというものがあるならば、これは完璧な組み合わせだと思われる。ロドリゲス監督はここ10年ほど空振り気味で、監督や脚本としては実力を持つアフレックもいざ本業の役者をやるとどうしてもぱっとしないという問題がある。この組み合わせだと、どう考えても期待は出来ない。 しかしそれでも予告を観た限りでは、そこそこ面白そうに思えたし、外れ気味とは言っても、ロドリゲスもアフレックも結構好きなので、やっぱり観に行ってしまう。 予告で分かったのは、アフレックが刑事であり、世界を改変する能力を持つ人間を追うというもの。90年代のSFアクション作っぽさがあって、その辺の作品が結構好きな私には刺さりそうな気がしたので観に行ってきた。 実際に観てみると、虚構と現実が折り重なる物語展開、画面だけでなく会話もフェイクとリアルの境界線が曖昧で、騙したつもりが騙されるという展開。作品の設定は確かに面白い。しかし、本作の出来はお世辞にも良いとは言えないまま。 確かに私が最初に予想していた通りで、90年代のSF作品っぽさに溢れたものだった。でもマジで90年代リスペクトだけで作られた作品じゃないのかこれ? 『ダークシティ』(1998)っぽくて、これはこれで面白いのだが、今作るんだったら、もっと話を変える。具体的に言うなら、あんな中途半端なオチにはしない。確実に一度完全にネタバレ起こした上でアクション部分を置いて盛り上げる。それがないため、とても物足りなく思えてしまった。仮に90年代にこれが作れていたら、当時のSFの代表作になっていたかもしれない。しか30年後の今、その作りのまんまで出されても困ってしまう。 更に困るのは、こう言う作品が結構好きという私の性格で、古くさいと断じることが出来ない点。好きな素材なので悪く言いたくもない。それに、だからこそロドリゲスを嫌いになりきれない。 結局どっちつかずの点数しか付けようがない。 |
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アリータ:バトル・エンジェル 2019 | |||||||||||||||||||||||||||
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かつて地球と火星の間で起こった没落戦争と呼ばれる大規模戦争から300年。かつて地球の力の象徴だった空中浮遊都市も唯一ザレムが残るだけとなり、そこから廃棄された廃棄物で地上の人間は生きていた。そんなザレムの下にあるくず鉄町に住む医師イド(ヴァルツ)はある日スクラップ置き場でサイボーグの頭部を発見する。中の脳がまだ生きていることを知ったイドは新しいメカののボディを作り、彼女を甦らせる。記憶を失っている彼女を「アリータ」と名付け、この世界で生きるための教育を施す。 木城ゆきと原作のSFサイバーパンク漫画「銃夢」の映画化作品。原作は今より20年以上も前の作品だったが、連載中にこの作品に目をとめたジェームズ・キャメロンは真っ先に映画化権を手に入れ、それを長く暖めていたという。その間、なんども製作開始が告げられていたが、じきにそれがガセであることを聞かされることに馴れてしまった。『アバター』(2009)も当初は本作の映画化と噂が流れていたくらいで、全然進まない映画化に、てっきり完全に映画化は無くなったものだと思っていたくらい。 それが2018年になって突然発表。あっという間に映画になってしまった。キャメロンは製作に回って監督はロドリゲスになったが、期待度はそれなりにあった作品だった。 しかし実際に映画を見せられると、なんかとても普通。 原作の映画化という意味合いでは間違いなく良質である。「銃夢」の最初のエピソードを実写で完全再現出来るというのは、それだけで快挙であり、ここまで出来るならば、どんな漫画だって実写映画化できるだろうと思わせるほど。 しかし、それだけである。 原作を単純に再現すれば、それが良い映画になるのかというと全く違う。実写だからこそ出来る部分と、既読の読者にこそ驚かせるような演出が欲しいのだ。 本作はストーリー全部が予想の範囲内に収まってしまったのが問題。目新しいところがなく、次の展開まで先回りして分かってしまうので、それをなぞるだけ。なんか退屈退屈になってしまい、せっかくの良い演出がまるで生かされてない。 それと本作の最大の問題点は、“古臭さ”だろう。 「銃夢」が連載されていたのは20年以上も前。当時流行っていたサイバーパンクの設定をベースにしたものだったのだが、既にサイバーパンクはSFでも時代遅れの感があり、概ねの演出がなんか古くさく感じてしまうのだ。SFに古いも新しいもないかもしれないが、20年前に散々映像化されたものを今更出されても新しさは感じない。 これに関しては監督のロドリゲスのせいというのもある。 ロドリゲス監督は演出的には申し分ないのだが、新規で設定を作るのが苦手っぽい。 これまで何作ものSF映画は作ってきたが、そのほとんどは、どこかで観たような世界観を引っ張ってきたものばかりで、監督のオリジナリティに欠ける。その範囲内できっちり良い作品は作れるのだが、そこまで。最も重要な驚きがない。 特にSFは監督のセンスが問われるのに、そのセンスが無いのは問題だ。 本作も「銃夢」の世界観を忠実に描こうとした結果、忠実すぎて古臭さまで作ってしまったと言う事になるだろうか。 監督がキャメロン自身がやっていれば、目新しい部分とかもちゃんと作られただろうにと思うと、そこが勿体ない気がしてならない。 |
シン・シティ 復讐の女神 2014 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ロアーク上院議員(ブース)によって支配される悪徳の町シン・シティ。かつて自分のためにロアークの息子を殺害し、自らも果てた刑事ハーディガン(ウィリス)のことを思い、ロアークへの復習を誓うダンサーのナンシー(アルバ)。そんなナンシーを見守り、誰にも手出しをさせない“野獣”マーヴ(ローク)らが、夜の街を仕切っていた。そんななか、一攫千金を狙いシン・シティにやってきたギャンブラー、ジョニー(ゴードン=レヴィット)が現れた。運をたぐり寄せる腕を用い、ついにはロアークとのポーカー直接勝負で見事勝利を収めたジョニーだが、ロアークの怒りを買ってしまい… フランク・ミラーのグラフィック・ノベルをミラー自らが映画化したということで話題になった『シン・シティ』の続編。勿論本作も共同監督としてミラー自身が監督している(続編がこんなに遅くなったのは、『デス・プルーフ』と『プラネット・テラー』のグラインドハウス二部作の興行的失敗からと言われている)。 一作目はミラー自身が監督したというだけでなく、当代の名優が出演したこと、グラフィック・ノベルに合わせたモノトーンの画面の冴えなどもあって、かなりのインパクトがあった。 しかし、私自身は、この作品をさほど評価している訳ではない。演出部分には目を引かれるにせよ、物語が単調なので、画面もすぐに見飽きる。過激なシーンが目白押しなのに退屈に感じてしまうのだ。それは本作も同じで今ひとつのめり込むことが出来ない。 その理由の一つとして、グラフィック・ノベルそのものを映像化することの無理ってのがあるのかもしれない。一応出てくるのは生身の人間だが、色彩や造形などがアニメ調なので、あんまり動きの良くないアニメーション映画を観ている気分になるし、会話の緊張感も表情が潰れてしまって今ひとつ興ざめる。 もう一つの理由としては、ノワールを志向した物語展開が、これまでの映画や小説の表面をなぞっただけのものに見えてしまうってのもあるかと思う。意外さを表現しようにも、物語の構造で先が見えてしまうし、どうせ最後は暴力で無理やり終わらせるのも分かってしまうから。残念ながらとても単純な物語でしかない。 結果、本来求められてない部分に無駄に金を遣っただけの作品と言うしかないのか。 |
マチェーテ・キルズ 2013 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013ゴールデン・ラズベリー最低助演女優賞(レディー・ガガ) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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プラネット・テラーinグラインドハウス 2007 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2007ゴールデン・トマト・アウォーズホラー、大規模公開作品第4位 2007ホラー映画第1位 2007オーウェン・グレイバーマンベスト第6位 2008サターンホラー作品賞、助演女優賞(マッゴーワン)、メイクアップ賞 |
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シャークボーイ&マグマガール 3−D 2005 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード 2003 | |||||||||||||||||||||||
2003ゴールデン・サテライト主題歌賞 | |||||||||||||||||||||||
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ギターケースを抱えた伝説のガンマン、エル・マリアッチ。かつてメキシコの実力者の軍人マルケスに刃向かったため、妻のカロリーナ(ハエック)と娘を失い、今は失意のままひっそりと身を潜めていた。だが、そのマルケスによるクーデター計画が進行していた。それを防ぐため、メキシコ国内で活動していたCIAのサンズ(デップ)は伝説のガンマン、マリアッチに目を付け、マルケス将軍と麻薬王バリーリョ(デフォー)の暗殺を依頼するのだった。 シリーズ第1作の『エル・マリアッチ』(1992)、2作目の『デスペラート』(1995)共に私の大好きな作品。しかも私のイチオシ男優のジョニー・デップに、やはり大好きなウィレム・デフォー、ミッキー・ローク、サルマ・ハエックと私にとっては大好きな俳優ばかりを集めて作られてる。期待しない方が無理ってもんだ。 ここでキャラクターの描写については文句なし。特にデップの格好良さは際だってる。おそらくロドリゲス監督、『デッドマン』(1995)を繰り返し観たに違いない。これまでのデップ作品の中で、一番あれに近い描写がされていたように思える。真面目なんだか不真面目なんだか分からない性格の描写なのに(でかでかと“CIA”とか、“俺は馬鹿と一緒”などと書かれたTシャツを来てたりするし、メキシコの伝統料理ピビルの偏愛ぶりなど)に、切羽詰まった焦りのようなものが垣間見える。こういった不思議な魅力こそが、デップの売りだ。 勿論デップのみならず、デフォーや(顔の表皮が剥かれても、やっぱりデフォーに見えてしまうのが笑える)、ちょっと太ったロークも魅力的。思い出の中だけに登場するハエックも、『デスペラート』に続き、フェロモン全開で好演してる。 勿論主演のバンデラスだって魅力充分。相変わらずぶった切ったショットガンを拳銃のように扱う姿や、乱戦のさなかにギターの調律に気をかけるなんて、ケレン味もちゃんと演出してくれてる。 アクション部分だって演出的には充分すぎるほどに派手だし、そこは大満足できる。前作のマシンガンとミサイルに続き、火炎放射器やリモコン付きのギターケースは良いぞ。 …の、だが、なんか。 一つ一つ単体で見る限り、面白いのだが、これが全部まとまると、なんだか個性が殺されてるような気になる。なんか全体的にちぐはぐって感じ。 それは何故かと考えるに、デップの使い方を間違えたのが理由なんじゃないかと思える。私はデップのファンだし、ここでの描写は大満足なんだが、ふと気が付くと、デップって、他の主要キャラクターと殆ど絡んでないのだ。 元々デップはこの作品ではカメオ出演の感覚で、気軽に引き受けたらしい。実際撮影時間は僅かに3週間(なにせ試写を観た本人が「驚いた」とインタビューで言っていた)。個性的ではあっても、あそこまで画面に出るような役柄ではなかったはずなのだ。しかし、この撮影終了後に出演した『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(2003)でアカデミーにノミネートされるほどの大ブレイクしたお陰で(公開は遅れたが、こちらの方が撮影は先)、予定を急遽変更して、出番を多くしたらしい。 で、問題は撮影期間が短すぎたため、個人だけの撮影になってしまったと言うこと。他の主要キャラとほとんど絡まないため、別個の物語が映画の中で出来てしまった。結果、バンデラス演じるマリアッチと、デップ演じるサンズが、全く別々に物語に関わってしまったため、2つの物語が同時進行する形になってしまった(ここに想い出を加えると、3つの物語が同時進行する)。 そのお陰で個々で観ると大変魅力的なのに、合わせるとちぐはぐになる現象が起きてしまった(同様の方法を用いて、やはりちぐはぐな物語となってしまった『ヒート』(1996)を思い出させる)。二つの方向から物語が展開するなればこそ、二人の絡みは重要だったのに。 バランス考えるなら、当初の予定通りデップの出番は減らすべきだった(この辺ファン心理として複雑なところだが)。さもなくば、追加撮影が必要だった。 それと、前2作ほどマリアッチの個性が出てない部分もある。これは一旦世捨て人になってしまったマリアッチのやる気の無さを表現しようとしてのことかと思うのだが、キャラクター描写はともかく、ストーリー総体で考えたら、やっぱり失敗のように思える。 1作目では何が何でもマリアッチになろうとする少年の強い思いがあり、2作目では復讐に命を賭ける。だったから、あらゆるものを排除してでも突き進む姿勢のようなものがあったのだが、ここにはそれは見られれない。ラストで強引に「メキシコのため」みたいな事を言わしてるけど、これは余計ってもんだ。 描写は良いんだけど、シリーズの肝でもある“熱さ”が足りない。 良い部分と悪い部分、併せ持つ作品って訳だ。 ところでロドリゲス監督の作品って、殆ど全ての作品において、どこかで観た映画のことを思い出させる描写が入ってるものだけど、本作はそれが特に顕著だった。先に挙げた『デッドマン』(1995)と『ヒート』(1996)を筆頭に、『ランボー3 怒りのアフガン』(1988)やら007シリーズやら、『フレンチ・コネクション』(1971)やら『アンタッチャブル』(1987)やら、とにかく色々な情景が頭に浮かんできたぞ。色々なところから良い部分を引っ張ってきてるんだろうけど、ここまでやるとなあ… |
スパイキッズ3−D ゲームオーバー 2003 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2004ゴールデン・ラズベリー最低助演男優賞(スタローン) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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スパイキッズとして姉カルメン(ヴェガ)と共に秘密諜報員組織OSS職員として働いていたジュニ(サバラ)は、現在OSSに対する不信感から組織を脱退し、独立して探偵を始めていた。そんな中、巷ではバーチャル・ゲーム“ゲームオーバー”の発売が近づき、話題になっていた。ジュニ自身もその発売を楽しみにしていたのだが、実はこのゲーム、天才プログラマーであるトイメイカー(スタローン)が世界の子供たちを洗脳したのだった。そのことを察知したOSSは、その陰謀を阻止するため、カルメンを“ゲームオーバー”の世界に送り込んだが、彼女は未帰還者に。そしてジュネにそのお鉢が回ってくる。 大人気のおこちゃまスパイ作戦の3作目。 1作目、2作目と、子供の視点から見たスパイものとして、かなり質が高い作品に仕上がっていたのだが、今回はちょっとなあ。良いところはたくさんあるけど、全般的な話の流れが悪すぎる。ゲームの中に入って戦うというのは、多分監督の『トロン』(1982)に対するオマージュに溢れていたようには思うのだが、元の作品が悪かった。そんなもんを元にした結果として、ゲーム内の物語は大変ふざけた内容になってしまった。ヴァーチャルリアリティの中でいくら危機に陥っても、それが作り物にしか見えないから、結局緊迫感が全然無いまま。更に言えば敵役で登場したスタローンが浮きすぎ。もはやふざけた配役じゃないか?と思われるほど。 ただ、ヴァーチャルリアリティから離れたところでの演出は巧いんだよね。結局物語やシチュエーションではなく、キャラクタの良さに負っていた作品だったわけだ。それを端的に表していたのがラストの全員集合。ここだけでももの凄く燃える。1と2で登場した人物が総登場。決してそこで手を抜いてないのは凄いことだった。それだけでなく、相変わらず目線付けたクルーニーとか、はしゃぎすぎのハエックとか、大スターをこんなところに使ってしまう豪気さも気に入った。 バランスは確かに悪いけど、良い部分と悪い部分を合わせて考えて、なんとかイーブンってところか? |
スパイキッズ2 失われた夢の島 2002 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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OSS(戦略事務局)に正式発足されたスパイ・キッズ。多くのキッズが任務に就いているが、その中でもグレゴリオ(バンデラス)とイングリッド(グギーノ)のこども達カルメン(ヴェガ)とジュニ(サバラ)姉弟は、レベル2に認定されている。しかしライバルのスパイキッズであり、グレゴリオとOSS次期長官の座を争うダナゴン(ジャッジ)のこども達ゲイリー(オリアリー)とガーティ(オスメント)のギグルズ兄妹が彼らの任務をことごとく邪魔し、その争いがトランスムッカーと呼ばれる、あらゆる機器を無効化する機械を謎の武装集団に奪われることになってしまった。名誉挽回とばかりに、謎の島へと向かうカルメンとジュニだったが… 大好評のシリーズ第2作。1作目は全然期待して無くて、劇場で観たら思った以上に面白かった。さすがに2作目になるとパワーも落ちるだろうと劇場には行くことなく(他にも観る映画あったし)、ビデオでと言うことになったが…失敗したか。劇場で観ても充分面白かったよ。 ヒーローとしてのバンデラスをあくまで狂言回しに、こども達の元気いっぱいな姿が見られるのも良いし、出てくるギミックや怪獣(!)が良い味を出してる。キャラクターの使い方が実に良い。 キャラクターと言えば、前作にも増してこども達のキャラクターが立っている。ヴェガ&サバラ二人が随分頼りがいのあるキャラに変わっていたし、ライバルの二人の兄妹が、意地悪さを強調していて、これ又ベタながら大変面白いものとなっている(ガーティ役のエミリー・オスメントはジョエルの妹)。バンデラスの情けなさっぷりも前作以上。それでちゃんとキャラを立たせてるところが心憎いところだな。前作でその電波っぷりがとても心地良かったアラン・カミングがパワーダウンしていたのが少々悲しかったが、代わりにそれ以上の電波ぶりを見せてくれるスティーヴ・ブシュミを起用するとは…。 演出面も面白い。前作『スパイ・キッズ』(2001)は明らかに『007』シリーズを意識していたが、本作は…『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)かよ!何というオタクっぷりだ。CG使えばどれだけでもスムーズな動きができるのに、敢えてダイナメーションっぽい演出する辺り、もう、分かってらっしゃるなあ。あの骸骨戦士の動きが無茶苦茶気持ちいい。 改めて思うが、ロドリゲス監督は本当に子供の好きな部分を良く知ってる…本人の精神年齢がそれだけ低いという話もあるか(笑) 物語があんまりにもベタ過ぎるのと、笑える部分が監督オリジナルではないので、ちょっとだけ点数マイナス。 |
スパイキッズ 2001 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
2001放送映画批評家協会ファミリー映画賞 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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世界で最も偉大なスパイとして知られているグレゴリオ(バンデラス)とイングリッド(グギノ)。敵同士として出会った二人はやがて恋に落ち、国籍を乗り越えて結ばれた。そして引退後9年が経過し、特殊要請を受けてスパイ活動を再開した二人だったが、逆に彼らは悪の手に落ちてしまう。残された彼らの幼い子供たち、カルメン(ヴェガ)とジュニ(サバラ)の姉弟は、両親の正体を知り、今度は自分たちが悪に立ち向かうことを決意するのだった。 この作品はアメリカで三週連続一位と言う快挙を成し遂げた作品。予告でこれを見た時はこっそり笑った。「おまえらは鉄腕アトムか!」 しかし、実際に観た本作は極めて良質。 冒頭部分が海と空から始まる。しかもやや画面が荒れて、青がきつい。一瞬これだけで歓声を上げそうになった。これはまさに70年代。007シリーズの幕開けとそっくり。おそらく画面もデジタル処理してテクニカラーっぽく見せているのだろう。 ロドリゲス監督は本当に映画好きで、様々な映画のオマージュを織り込むが、この作品は冒頭からいかにも「スパイ映画でございます」と言っているような作りである。劇中のフェーガン(カミング)テレビ版組も電波系で心地良い。だけど、♪自由な世界、自由な世界と歌うカミングの歌声が耳から離れないのを何とかしてくれ!最後にカメオ出演するジョージ・クルーニーも良い味出してる。 笑いありアクションあり、テンポも良い。なーんも考えずにただ楽しみたいというなら、それも良いし、画面の端々にある007を初めとするスパイ映画のオマージュを探してみるのも良い。随所に笑いが盛り込まれた楽しい作品ではある。 その分話の展開はベタベタで、殆ど全て予想の範囲内であったことが少々問題ではあるが。 |
パラサイト 1998 | |||||||||||||||||||||||
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気弱な少年ケイシー(ウッド)は、ある日、グラウンドで奇妙な生き物を見つける。その生き物を水槽に入れた時、その生き物は変形し、攻撃的な本性を露わにするのだった。やがて、ケイシーはやたらに水を欲しがる辺りの人達のおかしな行動に気づく。「あの生物が人間に寄生しているかもしれない」と感じたケイシーは、仲間と共に学園の調査を開始。そこで、取り付かれた先生が保険医を襲う場面に遭遇する。町の危機を知ったケイシーは… まあ、要するに現代版の『遊星からの物体X』(1982)なのだが、あんまりにもそのまんまなのでちょっと引く。まさか寄生されているかどうかのロシアン・ルーレット式試験とか、首だけで動く人間まで同じとは…ロドリゲス監督って本当に映画好きなのは分かるんだけど、自分の好きな映画をそのまんま自分の作品として出すのを止めて欲しい。 最初の方は結構恐怖のタイミングを計ったりしてたけど、中盤からはご都合主義の連続。大体衝撃のパラサイトの正体は…ってのも、あれじゃまるでインパクト無いぞ。中盤から怖さが全然無くなり、ちょっと気持ちが悪いだけじゃないか。造形が格好良ければそれで良いと思う性根が気にくわん。 それに何?あのご都合主義のラストは?あれじゃオリジナルの『遊星からの物体X』が泣くぞ。でも、ある意味天下のジョン・カーペンターをパクって、「それ以下」と言われるのは貴重かも知れないな。 ただ、なんだかんだ言っても、ロドリゲス監督はキャラクタに対しても見る目は確か。イライジャ・ウッド、ジョシュ・ハートネットどちらも本作以降でブレイクするのだが、二人の役回りはきちんと後のブレイクする役柄につながってる。使い方の上手さは認められるだろう。 |
フロム・ダスク・ティル・ドーン 1996 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1996ゴールデン・ラズベリー最低助演男優賞(タランティーノ) 1996MTVムービー・アワードブレイクスルー演技賞(クルーニー) |
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銀行強盗を犯しメキシコへ逃亡するセス(クルーニー)とリチャード(タランティーノ)のゲッコー兄弟。彼らは途中立ち寄ったモーテルで元牧師一家を人質に取り、まんまと国境越えに成功。仲間が待つバーへと向かうのだが、そのバーは・・・ いまやハリウッドセレブの代名詞とも言えるジョージ・クルーニーの実は初主演作。これまで端役専門だったクルーニーがTVシリーズ『ER』の主演を経てようやくありついた映画主演作…しかし、こんな作品でもスターは生まれるんだな。それ以外にもタランティーノに惹かれたか、続々と名優やそれ以外の著名人が出演してる 本作は前半と後半で雰囲気ががらりと変わる。前半はタランティーノ版の良識や容赦が全く無しの逃避行。一方後半はいきなり吸血鬼もの。 前半部分は結構おお。と思わされたのだが、バーでの出来事に移るに連れ、はっきり言ってどうしようもない作品と化してしまった。吸血鬼は問答無用でぶち殺され、しかもステロタイプの退治方法であっと言う間に死んでいく。勿論ステロタイプだけに吸血鬼に噛まれた人間は仲間にされてしまうのだが、その過程が全然駄目。 吸血鬼=ホラーと考える場合、これは恐くも何ともないから、まるで作りが駄目。一方、これが逃亡アクションとすると、ストーリーはほぼ無しに等しい。まあ、これで通してくれれば、タランティーノ脚本らしい作品だと言えなくもないが。 結局、自己満足とノリで作っただけの作品。それが好みに合えば、許すが、全然面白いと思わなかった。こんなもん、公開するな! |
デスペラード 1995 | |||||||||||||||||||||||
1996MTVムービー・アワード キス・シーン賞(バンデラス&ハエック) | |||||||||||||||||||||||
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メキシコ国境の町サンタ・セシリアに現れたマリアッチ(バンデラス)。ギター弾きのなりをしているが、かつて左手を撃たれて今の彼は、恋人の復讐のためにギャングのボスの麻薬王ブチョ(デ・アルメイダ)の命を狙っていたのだ…。 ロドリゲス監督を世界に認めさせることとなった低予算映画『エル・マリアッチ』(1992)から3年。実に千倍もの予算(700万ドル)をかけ、主人公をアントニオ・バンデラスに替えて、大作として製作された。 前作『エル・マリアッチ』の演出では、「この低予算でよくここまで!」と感心出来たが、本作はそれに輪をかけて演出がもの凄い。 この演出を称するに「ホットでクール」(?)。バンデラスとハエックという、徹底的に濃いコンビが画面に出っぱなし。しかも超絶的なアクションシーン満載で、むっちゃくちゃ熱い!それでいて、演出がとても格好良い。むっちゃクールだぜ。 普通ガンアクション作品というのは、あり得ない派手な演出がなされるものだが、どこかでリアリティというものを考えるものだ。ところが、本作にあって、「そんな演出など糞食らえ!」とばかりに、とにかく派手でありさえすればいい。と言った感じで演出がなされている。マリアッチの主装武器はショットガンを短銃にまで挽き切ったもので、どう考えてもこれを片手でぶっ放すなど不可能なのだが、それを悪びれもせずにやってしまうし、そのギターケースには他の拳銃も満載(その中には『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996)で用いられたチ○チ○銃まで入ってたとか)。更に彼の助っ人として登場する二人に至っては、ギターケースに機関銃は内蔵されてるわ、果てはミサイルまで搭載してるわ(あの格好でミサイルランチャー撃つのは、今や漫画とかでもおなじみ)。もう無茶苦茶だ。それで吹っ飛ぶ敵の演出まで凝りまくり…しかし、ここまでとんでもない演出がされていながら破綻してないのが本作の最大の特徴と言えるかも知れない。 前作でマリアッチ(カルロス・ガラルドー。本作でも撮影補助として参加し、ちょっと登場もしてる)がマリアッチと呼ばれるギター弾きになろうとしたきっかけは兄を倣ってのこと。ところがその兄とは…うわっと。これは凄い。演出だけじゃなく、物語まで熱いじゃんかよ! 設定において、左手が怪我してるので、本当に持ちたいはずのギターはもう上手に弾くことは出来ない。でも拳銃は持てる。ってのも泣かせる設定だよ。その哀しみがそこはかと漂うのも良いんだ。 |
エル・マリアッチ 1992 | |||||||||||||||||||||||||||
1993インディペンデント・スピリット監督賞、新人作品賞 | |||||||||||||||||||||||||||
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メキシコの田舎町アクーナに一人の少年(ガラルドー)がやってきた。既に時代遅れとはなっているが、敬愛する兄と同じようにマリアッチ(ギター弾き)として、生きようとしたのだ。丁度同じ時に脱獄した殺し屋アズール(マーティネス)が、かつて自分を裏切って刑務所送りにされたかつての仲間を皆殺しにすべくやってきていた。アズールも又、ギターケースを持っていたため、この町のギャングで手下を殺されたモーリシオはマリアッチを殺し屋と勘違いするのだった。何も知らないマリアッチは知り合ったバーの美しい経営者のドミノ(ゴメス)を頼るのだが、彼女は実はモーリシオの愛人だったのだ… 現時点では三部作となる「エル・マリアッチ」シリーズの記念すべき第1作。この作品で監督として認められることになるロドリゲスだが、この作品は殆ど自主制作で、フィルムの安いメキシコを舞台に、なんと14日、7千ドルで作ってしまう。 確かに安っぽい作品であることは事実だ。だが、これが面白くないかと言われるとさにあらず。低予算をアイディアと演出で見事にカバーしている。ここで冴える演出こそがロドリゲスの魅力であり、メジャーとなっても、この姿勢が貫かれているからこそ、今も第一線で活躍できるんだろう。 ここでの演出の上手さとは、私なりに言わせていただければ、それは色気にあったのだと思える。 主人公のマリアッチは最初から人殺しではない。ギター弾きで生計を立てることに夢を持っている、普通の少年に過ぎなかった。ただし彼自身もギターだけで食っていけるとは思ってない節があり、下積みの間はヒモになることも別段抵抗無いみたい。自らのセックス・アピールを利用するのも才能だし、その演出もふんだんになされている。彼を撮るカメラ・アングル、カメラ・ワーク共に、最大限色気を演出しようとしている。まだ成長しきってないあどけない表情での流し目が又良いのよ。 ここでの彼の色気とは、非常に危ういバランスの上に立っている。全然世間を知らず、粋がって背伸びをしているその姿。これは観てるこちら側としては、その一生懸命さがほほえましいし、その危うさが色気に転換してるという、本当に見事な演出だった。 更にここにラテン系美女のゴメス扮するドミノが絡むことで、色っぽさは最高になる。男も女もフェロモン全開。そうかこれがラテンというものか! 本作の売りは容赦のない暴力となるが、その中心があどけない少年を中心に撮ることで、その危うさと可愛さが強調される。なんだか、銃撃戦で色っぽさを感じてしまうのだが(異常か?)。まるでペキンパーを思わせる銃撃戦の演出とかも、一見の価値はあるだろう。いかに安く上げながら、見所を作るか。特に映像を勉強したいと思ってる人にはお勧めしたい。 しかもラスト。愛人のドミノがあっけなく殺されてしまい、更にマリアッチとして生きるなら命綱と言える手を打ち抜かれ、苦しむマリアッチの目が凄い。今までのあどけなさはどこへやら。憎しみに燃えるそれはまさしく非情な牡の目だった。最後に寂しそうに、それでも決然として町を去る演出も良いよ。 …続編作られるのは当然だろうな。確かに出来で言えばデスペラード(1995)の方が遙かに上行ってるけど、これはこれで監督の才能って奴を思いっきり見せつけてくれた作品として記憶しておくべきだろう。 |