03'03'30 | ラブやん1
この感想を書いてると言う時点で私は終わってる。 …いや、一応フォローだけ。 著者の昔の漫画を持っていて、偶然それをネットで発言したところ、友人から勧められて購入に踏み切った。こんなマンガがある事自体、その時点まで知らなかったんだけど… 一頃仕事に失敗し、バブルがはじけた途端にフリーターになった時の、極めて低調なバイオリズムだった頃をちょっと思いだした。 これ以上何を書いても言い訳にしか思われないだろうから、やめる(笑) |
|
||||||||||||
03'03'29 | 敵は海賊 海賊たちの憂鬱
これが「敵は海賊」のシリーズだと3作目に当たる。2巻目を読んだのが確か10年ほど前。いつか続きを読まねばなあ。と思いつつ過ごしてきて、今になってようやく未読本の山から引っ張り出してきた。 著者の作品はSFっぽい要素をふんだんに取り入れているけど、純粋にSFと言うのとは憚れる部分を持つ。とにかく発想がユニークで、 読んでいる私自身が一体次に何が起こるのか、全く予測も出来ない。あり得ないことが当たり前のようにさらりと描かれていたり、精神世界の中に入っていったり…実際著者にしか描けない世界なんだと思う。だから時折読みたくなる。 |
|
||||||||||||
03'03'27 | はじめの一歩64
もう64巻か。それでまだこんなにヴァリエーションのある戦い方を描くんだからたいしたものだ。随分長い間読んでるんだけどなあ。 |
|
||||||||||||
03'03'26 | 餓狼伝13
何日か前に小説版の13巻の事を書いたけど、こっちは漫画版。小説版から随分遅れてはいるけど、こっちはこっちで独立した物語となりつつある。漫画と小説とでは描写に色々違いがあるが、どっちも魅力がある。 私自身は格闘類はやってないけど(高校時代に一時期レスリングはやったな)、小説でも漫画でも読むのは好き。 |
|
||||||||||||
03'03'23 | 肉体の悪魔
本作はジェラール=フィリップ主演で映画化された名作だが(と言っても私は未見なのだが…)、これ描いたのが本当に17歳か?と思わせる、とても完成された文体だった。まあ、メロドラマ嫌いな私にとってはストーリーそのものに惹かれる訳じゃないけど。時々こう言った文学は読んでおくと良いスパイスになる。 |
|
||||||||||||
03'03'21 | 夜間飛行・南方郵便機
サン・テグジュペリというと、「星の王子様」が有名だけど、童話はそれだけ。後はエッセイ「人間の土地」と小説の本作がある。一応一通りは読んでいるけど、何故か本作はとても好きで、既に今回が3回目の通読になる。 何というか、仕事上で色々きつい時があったりすると、何でかこれを読みたくなる。プロの厳しさと、その意志を貫くリヴィエールの姿を見たくなるんだろう。 …読むとますます辛さがきつくなるんだけどね。こんな意志の強さが自分にも欲しいよ。 |
|
||||||||||||
03'03'19 | からくりサーカス27
以下は1月27日の読書日誌に書いたものだが、伏せ字を全部公開して再度書いてみよう。 それにしても貞義には、まだ秘密があるはず。彼が白金であり、フェイスレスであるとすれば、「からくり編」とのつながりが出てくるし、最後に鳴海が登場する伏線ともなる。勝が貞義となるのはストーリー上あり得る話で、そこから一気に二つのストーリーがまとまっていくはず… うーん。半分は当たってたな。「からくり編」でのフェイスレスの退場がいかにも伏線っぽかったから、つなげてみたんだけど… この巻では最後に絶体絶命の危機を迎えて終わったけど、今までの伏線から逆算すれば、必ず奴が出てくるはず…終わりも近いかもな。 |
|
||||||||||||
03'03'18 | 星の葬送 グインサーガ88
何の進展もない巻だったのだが、そんなのでよく丸々1巻分の物語を作られるもんだ。だからこそギネスものの長さに出来るんだろうとは思う。動きがない分、キャラが多数出演してるから、それなりに楽しめた巻。 |
|
||||||||||||
03'03'15 | 餓狼伝13
こっちは漫画ではなく、本家の小説の方。著者の作品は大好きなんだけど、多くのシリーズが未完のまま、未だに続いてるもんだから、その把握がとても困難。 本作もえらく待たせた上に(2年ぶりくらいじゃないか?)かなりの数のキャラがそれぞれ勝手に動き回っているので、状況が極めて把握しにくい。一度リセットして読み直さないといけないか?でも今は全部は残ってないはず… でもやっぱりこれ、読んでると熱くなるなあ。 |
|
||||||||||||
03'03'11 | ピンポン
著者は私のお気に入りの漫画家の一人。表現様式が兎に角独特で、不思議な、それでいて惹き付けられる。『ゼロ』を読んだ時は、「なんだこれは!」と言う衝撃を感じたもんだ。 で、私自身も中学時代は卓球部にいたので本作も連載中は楽しんで読んでいた。卓球をドラマとして漫画化するなんて、よくやるもんだ。と思いつつ、それでも熱くなる(元々が体育会系なので)。 単行本の方は何故か買ってなかったのだが、先日の映画化のこともあり、又読みたくなってきた矢先に雑誌形式で全部収録されたものを発見。即決で購入した。 やっぱ良いわ。これ。 |
|
||||||||||||
03'03'04 | ハイペリオンの没落
前半部分はさほどではないけど、やはり後半部分になってからの盛り上がりが凄い。著者の面白いところは、海外SFではさらりと流す部分が多いアクション部分が非常に臨場感を持って描かれているというところにあると思う。ストーリーも読ませるし、謎解きもしっかりした上にそう言う部分も巧い。良い作家だ。 まるでパズルのように登場人物がそれぞれのパーツに合った部分に収まる過程が見事。 しかし、本作は本当に悔しい思いをした。推理小説では初歩の初歩のトリックが仕掛けられていて、伏線もしっかり張ってあったのに、それに気付かなかったとは。当然予測の範囲に入ってるべきだったのに…返す返すも悔しい。 |
|
||||||||||||
03'03'03 | 氷点
作家は二作目を読め。と言われる。一作目は気負いこそあるが、本当に作家としての力量を発揮出来るのは、一度内にある全てを吐き出した後の二作目からなのだから。と言うのが理由らしい。だけど、処女作というのは、その作者の思いの丈全てを打ち込んだものとなっているので、迫力が違う。 著者の作品はかなりたくさん読んでるつもりなのだが、今まで処女作を読んでなかった。何せ厚いし内容も詰まってそうだったし、その内読むだろうと思って先回しにしていたのだが、いやはや。である。これはもっと早く読んでおくべきだった。本当に凄い。 人がどれ程人に対し、怨みを持つ事ができるか、どれ程嫌な人間になり得るか、克明に描かれており、読んでいて辛くなってくるほど。だけど読むのを止める事が出来ない。本作の内包するパワーに圧倒されてしまった。 著者の作品には共通して、心の奥から吹き出てくる闇が描かれる。しかし、それで終わらず、そこには「救い」が描かれるのが特徴で、それが著者を単なる悪趣味作家とは一線を画している。 処女作が持つパワーというのはこう言う事か。 |
|
||||||||||||
03'03'01 | タイ怪人紀行
元々漫画家の西原理恵子(今度彼女の代表作と言える『ぼくんち』が映画化される)がらみで存在を知り、単に西原の漫画が少し載っていたと言うだけで買った作品(しかも文庫になってからと言うせこさ)。著者が著者だから観光と言うより、ただ駆け抜けた旅行行程を変な文体で書いているのだろう。程度の認識で購入。で、私の想像は見事に当たっていた。「紀行」というと、大概旅行で観るべきものとかが書かれているもんだが、ここでは大体どんな人とどんな変な会話をしたかと言う事ばかり書かれている。 タイと言えば、映画好きには『アタック・ナンバーハーフ』で知られるところだが、そのモデルの一人であるピサヌという人物と会った事なども書かれている。映画を観た後だったから、なかなか楽しく読めたよ。 |
|
||||||||||||
03'02'26 | アカデミー賞
本作はかなり前に一度読んでいたのだが、その時はまさか映画評を、自分のサイトで発表する事になるとは思っていなかったし、当然観た本数も少なく、ほとんど読み飛ばしてしまったが、役者や監督などを知った今になって読んでみると、これが又滅法面白く感じる。 実は映画についての本というのは結構持っているのだが、今までほとんど読んでなかった事に気付く。少し反省し、これから未読本の山から拾い出して読んでみようと心に誓う。 多分これからかなりの数の映画評が書き直される事になるだろう。的はずれの映画評がどれ程存在するんだか…自分の馬鹿さ加減を笑うというのも、これはこれで楽しくもあるな(笑) |
|
||||||||||||
03'02'23 | 強殖装甲ガイバー20
本作は今は無き「少年キャプテン」の創刊時から連載されていた作品で(当時筆写は高校生。創刊から廃刊まで欠かさず読んでいた)、時折休止を挟みつつも、「キャプテン」の廃刊まで続き、その後「少年エース」に連載を移し、未だに続いている作品。日本の漫画で一番最初にハリウッドで映画化された作品でもある。極端な遅筆な著者は本当にこれ一本しか描いてない。時間にして20年近くも、たった一本の漫画を書き続けるという著者の姿勢には頭が下がる(実は著者はもう一つのペンネームを持っているけど、本作開始以降にはそちら名義ではもう描いてない…その2冊、私は持っていたんだが…全く自慢出来る事じゃない)。 現在一年に一冊くらいの割でゆっくりゆっくり描いてるけど、兎に角話が進まない。一体終わるまでに後何巻必要なのか、そして一体後何年かかるのだか…毒を食らわば皿まで。最後までつきあわさせて頂こう。 |
|
||||||||||||
03'02'21 | 蟹工船・党生活
これを購入したのは本当に昔だ。これまで死蔵していて、引っ越しをしてなかったら、下手すれば一生死蔵のまま終わっていただろう。 で、読んでみて、しみじみと高校時代に読んでなくて良かったと思う。今だからこれを単なる文学として読む事が出来るが(要するにオッサンになったと言う事だな)、学生時代にこんなもん読んでいたら、影響受けまくっていた事だろう。極めて危険性の高い作品だった。これを格好良いと未だに少し思うし… 「食らえ!カニ光線!」(「宇宙家族カールビンソン」“幻の12話”より)…分からない人は別に良い。何となく書きたくなっただけ(笑) |
|
||||||||||||
03'02'17 | シッピング・ニュース
映画の原作と言う事で公開時に早速購入した作品だったが、読み始めるのは随分遅くなってしまった。やや読みにくい部分があり、特に中盤はかったるいと思える部分があったけど、でも私にとっても良質作品である事は間違いなし。オープニングとラスト部分の対比が又良いんだ。読み終えた後の余韻がとても良い。 でも、これを読んで映画のバランスの良さを再確認した。物語の展開の順番を変えたり、小説にあって映画にはないイベントとかもあったりするけど、その辺を上手い具合に“神秘的”な部分として映像化してるので、映画は映画で素晴らしい出来だった。改めて観てみたいな(こうしてDVDが増えていく…)。 |
|
||||||||||||
03'02'14 | とうに夜半を過ぎて
大分前に読んでいて、本箱の荷物の中にずーっと放り込んでおいた作品だが、先日本を整理していたら出てきて、懐かしかったのでちょっと読み返してみて愕然とした。 全く覚えてない!言葉の端々や、ストーリーとかも微かに覚えている部分はあるのだが、基本的に丸ごと忘れてしまっていた。 これはいかん。と思い、読み直す事にしたのだが、やはりある程度歳を取って読み返す著者の作品は又格別の味わいがある。 著者はSF作家として知られているけど、それは正しくないと思う。著者は人の精神世界に踏み込む作品を好んで描く。と言った方が正しい。そのシチュエーションのために舞台が自然とSF的になってしまうに過ぎない。そう言う意味ではむしろ著者の場合はホラー作家に近いし、純粋な文学作家と読んでも良いと思う(SF作品というのは冷徹な事実を捉える部分と、素直に活劇を楽しめる部分に魅力があるけど、著者の場合、楽しめる部分がまるで違う)。 著者の作品に共通するのは読んでいるこっちの精神に文字が入り込んでいくかのようで、つい心が揺さぶられる気分になる事。訳文でさえ、笑ったり、悲しくなったりと、様々な感情が湧き起こってくる。読み返してでさえそれを感じるのだから、多分私にとってはツボの作家と言う事になるだろう。 こんな楽しみ方が出来る作家に出会える!だから読書は止められない。 |
|
||||||||||||
03'02'12 | 彼氏彼女の事情15
いやあ、ハードハード。今まで表面的な体裁を繕う事で生活にとけ込んでいた人間が、暗黒面を全開にする(近年のアニメーションでは常套手段とは言っても)。それで最後はしっかり意外性を持たせつつも、きちんと締めているし、上手い描き方だった。サイコものに陥らないギリギリのところでしっかりドラマが作る事が出来ていた。上手いねえ。 「おまえがオレの心を崩すんだ。おまえのせいだ。おまえのせいだ。おまえのせいだ」…か。ぞくっとするね(大槻ケンヂの曲の中で最も好きな曲『サンフランシスコ・10イヤーズ・アフター』でもこのフレーズが使われていたけど…多分違うだろうな(笑)) 少なくとも、本作品を買っておいて本当に良かったと思えた。 |
|
||||||||||||
03'02'09 | るくるく1
…なんか説明だけ書いてるとハードな作品に思えてしまうが、内容はむしろアットホームなほのぼのコメディ作品。 元々著者はデビュー当時(私が中学生の時で、著者は高校でデビューを飾った)から注目していた漫画家で、彼の手による漫画単行本はそのほとんどを購入している(さすがに再販は買わないのもあるけど)。20年越しの大ファン。 色々なジャンルに手を出してるようだけど、やっぱり著者の良さはこう言った異常な状況の下でのホーム・ドラマだろう。堪能した。 |
|
||||||||||||
03'02'07 | ライ麦畑でつかまえて
アメリカでは異様とも言えるロングセラーにある作品。人からは好かれやすいが、何事に対しても腹を立てている十代の男の子の心理描写として読まれているのだろうか?分かるような分からないような…読み始めると止める事が出来ず一気に読ませてくれたが、終始違和感を感じるし、読み終わっても不快感が去らない…考えようによっては、それこそがこの作品の魅力なのかもしれないな。自分にその立場を置き換えた時、昔の嫌な想い出ばかりが色々と浮かんでくる。 |
|
||||||||||||
03'02'05 | 時の添乗員1
デビュー当時から注目し、未だに読んでいる漫画家は数こそ少ないが何人かいる(人によっては20年近くも読み続けてる)。この著者もそんな貴重な漫画家の一人。確か著者もデビューして十数年が経ってるはず。本作はたまたま本屋で見つけたのだが、知らぬ間に結構色々描いていたようだ。ファンとしては失格だな。 著者の作品は一応SF漫画としてジャンル分けされるのだろうけど、割合しっかりした科学的考証に立った上で、ほどよいファンタジー感覚と、暖かい描写で読ませてくれる。 本作もタイムトリップを主題としているが、中身そのものは人間ドラマがメイン。時折パラパラとめくってみたくなる好作。 |
|
||||||||||||
03'01'30 | 日出る国の工場
人体標本工場、結婚式場、消しゴム工場、小岩井農場、コム・デ・ギャリソン、CD工場、カツラ…一体どんな基準で選んだのか分からないけど、それぞれやっぱり「工場」には違いないな。 二人の著者、村上春樹は翻訳家、小説家、エッセイストとして活躍しており、安西水丸もイラストレーターが本職とは言え、私小説風の良い小説を描く。と言う事で二人とも好きな作家。二人が組んでの仕事も結構あるんだけど、買うだけ買って死蔵している作品が多い。たまたま引っ越しで本をひっくり返したお陰で本作もようやく日の目が当たったと言う事になるか。 著者作品はまだ眠ってる本があるはず。探しつつ読んでいこう。 |
|
||||||||||||
03'01'27 | からくりサーカス26
いやはやよく考えたもんだ。まさか1巻でここまでの伏線を引っ張ってあったなんて(恐らくこれは苦し紛れではなく、確信犯だ)、さすがだ。設定マニアとしてはここまで予想を超える設定を出してくれると拍手を贈りたくなってくるね。 以降伏せ字での先読み(笑) それにしても○○には、まだ秘密があるはず。彼が××であり、△△△△△△であるとすれば、「からくり編」とのつながりが出てくるし、最後に◇◇が登場する伏線ともなる。●が○○となるのはストーリー上あり得る話で、そこから一気に二つのストーリーがまとまっていくはず… 見苦しい点、お詫びします。次巻も楽しみ。 |
|
||||||||||||
03'01'25 | 知的な痴的な教養講座
|
|
||||||||||||
03'01'21 | ハイペリオン
正直、私は著者はホラー作家として見ていなかった。それで一時期本作がえらく受けた時も結構醒めた目で見ていたし、本書を購入したのも文庫になってからだった。しかも文庫の上巻を読み終えてからしばらく放っておいた。要するに前半部分だけだと大して面白いとは思えなかった。 ところが、下巻を読み始めた途端、止まらなくなった。仕事をしつつも2日で下巻を一気読み。それで上巻も又飛ばしつつ読み直してしまったほど。 これは確かに凄い作品だ。6人の話がそれぞれ全く違った文体で書かれていて、しかもそれぞれが定式となったSF小説の体裁を取っている。50〜60年代の古き良きスペースオペラ時代、ハードSF流行りの70年代。そしてサイバーパンクに代表される80年代全ての文体がここには詰まっている。著者の博識ぶりには頭が下がるし、よくぞここまでコピーしたものだと感心する事しきり。言ってしまえば、20世紀SF小説の総まとめを10年前にやってしまったと言う感じ。こんなのが出てしまったから90年代のSFが駄目になってしまったんじゃないかと勘ぐってしまいたくなる。 オチも素晴らしい。ここまで読ませておいて、これかよ!続きを読まねばならないじゃないか! |
|
||||||||||||
03'01'18 | 幽鬼の塔・恐怖王
「恐怖王」:死体を弄び、世間を恐怖に陥れる怪人“恐怖王”。その手は売れっ子小説家の蘭堂の身の回りへと伸びてきた。恐怖王の狙いとは… 2作とも著者らしい猟奇趣味に溢れた作品で、ぐいぐい引き込む力を持っている。探偵小説として見る限りは出来はさほど良いとは言えないけど、味付けが絶妙だ。著者作品には本当に惹かれる。 |
|
||||||||||||
03'01'15 | 大いなる眠り
フィリップ=マーロウと言えばハード・ボイルドの代名詞とも言えるキャラクター。その第1作だが、何故かこれまで未読だった。ハード・ボイルド作品って意外に読むのに気合いがいるし、たまたま読む本がたくさんあるのでずっと後回しになっていた。 ハード・ボイルド小説は映画などで単純化されたものとは異なり、かなり複雑な人間関係になるし、一々シーンを頭に思い浮かべて読み進まないとひたれないから時間がかかってしまう。 本作もそう言う意味では満足がいく作品だけど、訳がどうも合わないなあ。ちょっと意訳が多いし、用語も変だった。それがちょっと不満かな? ところで本作はハンフリー=ボガート主演で『三つ数えろ』という題で映画化もされている。この複雑な人間関係をどう映画化したのか、俄然興味が出てきた。 |
|
||||||||||||
03'01'10 | THE 大市民1
柳沢きみおと言えば、かつて「翔んだカップル」とか「月とスッポン」とか、少年漫画でヒットした作家だけど、80'年代になって、青年向けのえらく暗い漫画ばかりを描くようになって、敬遠するようになってしまった。 それで90'年代になって更に対象年齢を上げたけど、又楽しい作品を描くようになった。それが「大市民」で、結構楽しんで読んでいた。 それがいつの間にか復活してたらしい。単行本で置いてあるのを見て、購入。 やっぱり楽しい。 緻密で暗い漫画が昨今は流行っていて、そう言うのも結構好きなんだけど、やっぱり単純明快で元気が出る、こう言う漫画を時々読むのが楽しい。仕事中の息抜きに繰り返し読めるのも良し。 |
|
||||||||||||
03'01'08 | 本格小説
まさに大作。著者の作品を読むのは初めてだが、その日本語の綺麗さ、そして文体の巧さに驚かされた。それになにより、文章一つ一つを読ませる技術は凄いもので、決して読み飛ばす事が出来なかった。近年でこれだけ時間をかけて読んだ本はなかなか無い。 作品そのものは恋愛劇なのだが、説得力があるし、魅せる文体も巧い。こんな作品もあったんだね。 本書は冒頭、本編の約1/4に渡って著者の事が書かれているのだが、これだけで充分一本の長編となるほど。私小説として読む事も出来る。 |
|
||||||||||||
03'01'05 | ヤーンの時の時 グインサーガ87
著者も大分今巻は思い入れがあったらしく、今巻の後書きは愚痴る愚痴る。それだけに重要な意味を持った作品となった。むしろ感情面の方に強調点を置いているため、最近よく出てくる変な描写もなりを潜めているので(この作品はファンタシーじゃなくてSFだと言うのは良いとして、既成の言葉を何の衒いも無く使いまくるから違和感が出まくってる)、それでかなり素直に読む事が出来た。 とにかくこの二人の会談というのは一体いつになるやら。と10数巻の時に考えてたわけだから、それから何と70巻を経て、ようやくそれが叶ったわけだ。しかし、なんつー長さだ。それにつきあってる私も私だが(笑) ギネスを更新中。 |
|
||||||||||||