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DCvs(バーサス)マーヴル |
THE DC ENCYCLOPEDIA DCキャラクター大事典 |
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DCユニバース:レガシーズ Vol.1 |
スーサイド・スクワッド Behind the Scenes with the Worst Heroes Ever |
フラッシュポイント |
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ザック・スナイダー(監) |
ゾッド将軍によるクリプトン星からの侵略を防いだクラーク・ケント(カヴィル)は、正体を隠しつつ、スーパーマンとして世界平和のために働いていた。だがかつてスーパーマンの戦いによって多くの被害を出しているメトロポリスの惨状を目にしたブルース・ウェイン=バットマン(アフレック)は、スーパーマンを野放しにしておくことに危機感を覚え、密かにその力を抑える方法を探していた。そんな時、国のバックアップを受け、クリプトン星の宇宙船を調査していたレックス・ルーサーにより、スーパーマンを無力化するクリプトナイトが発見された。 新生スーパーマンとなった『マン・オブ・スティール』の直接の続編で、DCユニバースを構成するメインキャラのバットマンとの共演を果たした作品。 スーパーマンとバットマンの共演。これはどれだけわくわくすることか…と、言いたい所なんだが、実は放映前に既に食傷気味だった。 既にマーベルによるオーバーラップ作品は『アベンジャーズ』(2012)がある。基本陽性の物語でありつつ、キャラの特性を活かして深いところにまで踏み込む作りは見事で、。何より視聴者が「観たい!」と思わせてくれるものを見せてくれたし、これ以上は望みようがないほどに見事な作品だった。 ただし、これは逆に言えば、どれほど良く作ろうとしても、複合ヒーロー作品はこの程度にしかならない。という限界を感じさせられた。複数ヒーローは登場時に気持ちは熱くなるけど、物語を深めることが出来ないという構造上の根本的な問題を露呈しているのだ。 更にスナイダー監督による前作『マン・オブ・スティール』がこれまでのスーパーマン像を覆す陰性の物語であったことから、バットマンとの共演はお祭り騒ぎにはならない暗い物語になることも分かっていた。 ヒーロー共演の限界をあらかじめ知らされた上で、陰性の物語にしかならない。共演することで心が熱くなることがないと最初から宣言されてる以上、たいして期待ができるわけじゃ無い。 それでもいそいそと観に行ってしまう自分がいるわけだが… で、出来として、「期待以上のものでは無いが、さりとて期待以下のものでも無い」という所に落ち着いたか。 悪いと思われた部分というのは、事前に感じていたことそのものだった。それとラストで共通の敵が出てきて、それを共同して倒すことでオチをつけたという、実にありがちな展開になってしまったこと。そしてこの作品を通して思うのは、バットマンがスーパーマンを憎む理由と、スーパーマンがバットマンを許せないと感じる理由に説得力が薄いと言う事。二人の対決が見所なのに、それに燃える部分がない。更に謎めいた台詞やら、唐突に出てくるキャラとか、ましてやレックス・ルーサーが本当に何をしたかったのか全く分からないように作られていると言うこと。続編のために狙ってやってる気がするんだが、観てる側は完全に置き去りにされる。 それでは逆に良かった部分を考えてみたい。 まず一点。本作はとても暗い雰囲気の作品であるということ。 何故そう感じるのか。それはスーパーマン自身が、人類の平和に手が届かない事を感じているからである。自分のしていることに本当に意味があるのか?そのことを突きつけられながら、それでも出来る事をしようとする。ヒーローの悩みを完全に具現化しているのである。ここでのスーパーマンは理想論者ではないし、自分のやってることが世界平和になっているとも思ってない。そんなニヒリズムが漂ってくるような立場に自分を追い込んでいる。本来目を向けなければならなかったことにも関わらず、これまで見ないようにしてきたことを直視してみせた。 一方バットマン側にも葛藤がある。それは自分が独占してきたヒーローの座を圧倒的な力を持つスーパーマンにかっさらわれてしまうからというようなちんけな問題では無く、人がなんでもかんでもスーパーマンに頼り切ってしまうことにより、思考停止に陥ってしまうと言う事である。人の心は弱い。スーパーマン自身がどうあろうと、それは信仰の対象になってしまうから。圧倒的な正義のヒーローは独裁者と同じである。そのような思いがあるからこそ、このままの形でスーパーマンを放置しておいてはいけないという義務感を持つに至った。どんなにくそったれな世の中であろうとも、この世界は人間の世界であって欲しかったのだ。これは、スーパーマンを引きずり落として、その圧倒的な力を誇示して世界を手中に入れるというレックス・ルーサーの考えとは根本的に異なる(やってることはほとんど同じだけど)。 スーパーマンとバットマンの葛藤がぶつかり合いを、「現代の世界」を敷衍して見せたことが本作のユニークな点ではある。 もう一点は、色々文句も言っているが、なんだかんだ言っても、反目し合っているヒーローが協力するってのは、やっぱり燃える。登場が唐突すぎる気はするがワンダーウーマンも加えての大乱戦はやっぱり燃える。それにワンダーウーマン以外のヒーローの存在も見せているし、確かにジャスティスリーグへの伏線ができあがっている感じではある。 だからこそ、これは続編を込みで語るべき作品だろう。劇中、新しいメタヒューマンを含めていくつかの伏線が出ているので、それをどう回収していくのかを楽しみにさせてもらおう。 |
アーサー | → | |||
【あーさー】 | ||||
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アーマードバットマン | → | ||||
【あーまーど-ばっとまん】 | |||||
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アクアマン | → | |||
【あくあ-まん】 | ||||
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アルフレッド | → | |||
【あるふれっど】 | ||||
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ヴィクター | → | |||
【う゛ぃくたー】 | ||||
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クラーク | → | |||
【くらーく】 | ||||
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クリプトナイト | → | |||
【くりぷとないと】 | ||||
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サイボーグ | → | |||
【さいぼーぐ】 | ||||
|
ジョナサン | → | |||
【じょなさん】 | ||||
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スーパーマン | → | |||
【すーぱー-まん】 | ||||
|
ゾッド | → | |||
【ぞっど】 | ||||
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ダイアナ | → |
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||||
【だいあな】 | ||||||
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デイリー・プラネット | → | |||
【でいりー-ぷらねっと】 | ||||
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ドゥームズデイ | → | |||
【どぅーむず-でい】 | ||||
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バットスーツ | → | |||
【ばっと-すーつ】 | ||||
|
バットマン | → | |||
【ばっと-まん】 | ||||
|
バットモービル | → | |||
【ばっと-もーびる】 | ||||
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バリー | → | |||
【ばりー】 | ||||
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フラッシュ | → | |||
【ふらっしゅ】 | ||||
|
ブルース | → | |||
【ぶるーす】 | ||||
|
ペリー | → | |||
【ぺりー】 | ||||
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マーサ | → | |||
【まーさ】 | ||||
|
マーシー | → | |||
【まーしー】 | ||||
|
メタヒューマン | → | |||
【めた-ひゅーまん】 | ||||
|
レックス | → | |||
【れっくす】 | ||||
|
レックス・コープ | → | |||
【れっくす-こーぷ】 | ||||
|
ロイス | → | |||
【ろいす】 | ||||
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ワンダーウーマン | → | |||
【わんだー-うーまん】 | ||||
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名称 | → | |||
【】 | ||||
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A.R.G.U.S. | → | |||
【あーがす】 | ||||
|
アーカム・アサイラム | → | |||
【あーかむ-あさいらむ】 | ||||
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アーサー | → | |||
【あーさー】 | ||||
|
アクアマン | → | |||
【あくあまん】 | ||||
|
アマンダ | → |
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||||
【あまんだ】 | ||||||
|
インキュバス | → | |||
【いんきゅばす】 | ||||
|
ウェイロン | → | |||
【うぇいろん】 | ||||
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エル・ディアブロ | → | |||
【える-でぃあぶろ】 | ||||
|
エンチャントレス | → | |||
【えんちゃんとれす】 | ||||
|
カタナ | → | |||
【かたな】 | ||||
|
キャプテン・ブーメラン | → | |||
【きゃぷてん-ぶーめらん】 | ||||
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キラー・クロック | → | |||
【きらー-くろっく】 | ||||
|
クリストファー | → | |||
【くりすとふぁー】 | ||||
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グリックス | → | |||
【ぐりっくす】 | ||||
|
グレイス | → | |||
【ぐれいす】 | ||||
|
GQ・エドワーズ | → | |||
【じー-きゅー-えどわーず】 | ||||
|
ジューン | → | |||
【じゅーん】 | ||||
|
ジョーカー | → | |||
【じょーかー】 | ||||
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ジョニー | → | |||
【じょにー】 | ||||
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スーサイド・スクワッド | → |
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【すーさいど-すくわっど】 | ||||||
|
スリップノット | → | |||
【すりっぷのっと】 | ||||
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ゾーイ | → | |||
【ぞーい】 | ||||
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タツ | → | |||
【たつ】 | ||||
|
チャト | → | |||
【ちゃと】 | ||||
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ディガー | → | |||
【でぃがー】 | ||||
|
デッドショット | → | |||
【でっど-しょっと】 | ||||
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ハーリーン | → | |||
【はーりーん】 | ||||
|
ハーレイ・クイン | → |
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||||
【はーれい-くいん】 | ||||||
|
バットマン | → | |||
【ばっと-まん】 | ||||
|
バリー | → | |||
【ばりー】 | ||||
|
フラッシュ | → | |||
【ふらっしゅ】 | ||||
|
ブルース | → | |||
【ぶるーす】 | ||||
|
フロイド | → | |||
【ふろいど】 | ||||
|
ベイレーヴ監獄 | → | |||
【べいれーう゛-かんごく】 | ||||
|
モンスターT | → | |||
【もんすたー-てぃー】 | ||||
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リック | → | |||
【りっく】 | ||||
|
名称 | → | |||
【】 | ||||
|
|
|||||
アレス | → | |||
【あれす】 | ||||
|
アンティオペ | → |
|
||||
【あんてぃおぺ】 | ||||||
|
エーリッヒ | → | |||
【えーりっひ】 | ||||
|
エッタ | → | |||
【えった】 | ||||
|
サミーア | → | |||
【さみーあ】 | ||||
|
スティーヴ | → |
|
||||
【すてぃーう゛】 | ||||||
|
ゼウス | → | |||
【ぜうす】 | ||||
|
セミッシラ | → | |||
【せみっしら】 | ||||
|
ダイアナ | → |
|
||||
【だいあな】 | ||||||
|
チーフ | → | |||
【ちーふ】 | ||||
|
チャーリー | → | |||
【ちゃーりー】 | ||||
|
ドクター・ポイゾン | → | |||
【どくたー-ぽいぞん】 | ||||
|
ヒッポリタ | → |
|
||||
【ひっぽりた】 | ||||||
|
マスタードガス | → | |||
【ますたーど-がす】 | ||||
|
メナリッペ | → | |||
【めなりっぺ】 | ||||
|
ワンダーウーマン | → |
|
||||
【わんだー-うーまん】 | ||||||
|
名称 | → | |||
【】 | ||||
|
|
2017年 ザック・スナイダー(監) |
||||
アーサー | → | |||
【あーさー】 | ||||
|
アクアマン | → | |||
【あくあ-まん】 | ||||
|
アトランティス | → | |||
【あとらんてぃす】 | ||||
|
アルフレッド | → | |||
【あるふれっど】 | ||||
|
クラーク | → | |||
【くらーく】 | ||||
|
サイボーグ | → | |||
【さいぼーぐ】 | ||||
|
サイラス | → | |||
【さいらす】 | ||||
|
ジェームズ | → | |||
【じぇーむず】 | ||||
|
スーパーマン | → | |||
【すーぱー-まん】 | ||||
|
S.T.A.R. | → | |||
【すたー】 | ||||
|
ステッペンウルフ | → | |||
【すてっぺんうるふ】 | ||||
|
スピードフォース | → | |||
【すぴーど-ふぉーす】 | ||||
|
スレイド | → | |||
【すれいど】 | ||||
|
セミッシラ | → | |||
【せみっしら】 | ||||
|
ダイアナ | → |
|
||||
【だいあな】 | ||||||
|
デスストローク | → | |||
【です-すとろーく】 | ||||
|
バットマン | → | |||
【ばっと-まん】 | ||||
|
パラデーモン | → | |||
【ぱら-でーもん】 | ||||
|
バリー | → | |||
【ばりー】 | ||||
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ビクター | → | |||
【びくたー】 | ||||
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ヒッポリタ | → |
|
||||
【ひっぽりた】 | ||||||
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フラッシュ | → | |||
【ふらっしゅ】 | ||||
|
ブルース | → | |||
【ぶるーす】 | ||||
|
ヘンリー | → | |||
【へんりー】 | ||||
|
マーサ | → | |||
【まーさ】 | ||||
|
マザーボックス | → | |||
【まざー-ぼっくす】 | ||||
|
メラ | → | |||
【めら】 | ||||
|
レックス | → | |||
【れっくす】 | ||||
|
ロイス | → | |||
【ろいす】 | ||||
|
ワンダーウーマン | → |
|
||||
【わんだー-うーまん】 | ||||||
|
名称 | → | |||
【】 | ||||
|
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メイン州に住む灯台守トム・カリー(モリソン)はある日浜に打ち上げられてしまった女性(キッドマン)を助ける。自分は古代アトランティスの女王アトランナであると名乗る彼女を救い、地上での生活をサポートしていくことにするのだが、やがて二人の間に地上人と海底人のハーフとなるアーサーが生まれる。地上ですくすくと育ち、やがて頑強な男に育ったアーサーは、凄腕の漁師として地元のヒーローになっていた。だが女王アトランナ無き海底では、地上侵攻を着々と進めていた。 DC版アベンジャーズとも言えるDCエクステンド・ユニバースだが、メインとなったジャスティス・リーグ(2017)が見事にコケてしまった後、決められていた予定だからというだけの理由で作られ続けるシリーズ作品の一本となる。当初それは惰性で作られたと思われたのだが、何故かこちらの方は評判が良いという不思議な展開を見せている。正直なんでこんな状況になってるのか私にはちょっと分からないが、強いて考えてみると、MARVELのMCUと同じく、順を追って単独のヒーロー作品の積み重ねの後でヒーローの集合作品を作った方が良いということだろうか? で、本作の正直な感想を言えば、極めてストレートなヒーロー作品である。 SF作品の基本の一つに貴種伝説というのがある。要するに高貴な生まれの人間が一般人に育てられ、そこから自分の出生の秘密を知ってヒーローとなるという話なのだが、これは元々神話の典型例から来ている。 それはスター・ウォーズが典型的な例だが、これまで映画では数多く作られていて、本作もその系譜に数えられるものだろう。 本作は特にそれを上手く使っている。 最近のヒーロー作品は数が多いだけに様々なひねりを入れたものが多くなる。これはこれで大変層が厚くなるので、好みではあるが、時にストレートに楽しみたいという思いもある。 そんな中で、こんなストレートな貴種伝説の話が出てしまったのに、多少戸惑いを覚えつつ、一回りして「これでいい」と思えてしまう。 そしてジェイソン・モモアという、近年にないワイルドな男優が主演を務めてるのもポイントだろう。ヒーローものの常で主人公はマッチョなキャラが多くなるが、近年は凄く洗練されたキャラがほとんどで、細マッチョの美形揃いという特徴があった。そんな中で、くせっ毛と長い髭、ワイルドな容貌のモモアが出てくると、これもまた一回りして「これでいい」と言った感じ。 あとは、他のDC作品と較べ、色彩がとても明るいのも特徴か?これまでのDC作品はほとんどの戦闘シーンは夜か、さもなくばくすんで荒れた色彩の中で戦わせることばかりだったが、シャザム!(2019)と本作はとても明るい舞台の中での戦いとなってる。特に本作は本来暗闇の中にあって然りの海の中ですら明るく、その意外性もあって面白いし、海の中だけに様々な魚などを武器にしたり乗り物にしたりと、柔軟な発想が出ていて大変面白かった。 昨今のヒーロー作品に食傷気味の人にこそ観てほしい作品でもある。 |
アーサー | → | |||
【あーさー】 | ||||
|
アクアマン | → | |||
【あくあ-まん】 | ||||
|
アトラン | → | |||
【あとらん】 | ||||
|
アトランティス | → | |||
【あとらんてぃす】 | ||||
|
アトランナ | → | |||
【あとらんな】 | ||||
|
アムネスティ湾 | → | |||
【あむねすてぃ-わん】 | ||||
|
オーシャンマスター | → | |||
【おーしゃん-ますたー】 | ||||
|
オーム | → | |||
【おーむ】 | ||||
|
カラゼン | → | |||
【からぜん】 | ||||
|
ジェシー | → | |||
【じぇしー】 | ||||
|
スティーヴン | → | |||
【すてぃーう゛ん】 | ||||
|
ゼベル | → | |||
【ぜべる】 | ||||
|
デヴィッド | → | |||
【でう゛ぃっど】 | ||||
|
トム | → | |||
【とむ】 | ||||
|
トライデント | → | |||
【とらいでんと】 | ||||
|
ネレウス | → | |||
【ねれうす】 | ||||
|
バルコ | → | |||
【ばるこ】 | ||||
|
ブライン | → | |||
【ぶらいん】 | ||||
|
ブラックマンタ | → | |||
【ぶらっく-まんた】 | ||||
|
マーク | → | |||
【まーく】 | ||||
|
メラ | → | |||
【めら】 | ||||
|
リクー | → | |||
【りくー】 | ||||
|
名称 | → | |||
【】 | ||||
|
|
|
|||||||||||||||||||||
ゴッサム・シティを牛耳るイカれた男ジョーカーのパートナーとしてもてはやされてきたハーレイ・クイン(ロビー)だが、ジョーカーと喧嘩別れをしてしまってから状況は一転した。勢力争いを繰り返すギャングからは、これまでの恨みを込めて暗殺命令が下り、警察ももはやお目こぼしをしようとはせずに彼女を追い回す。そんな中でも自分の主張を曲げずに暮らしていたが、そんな彼女もついにブラックマスク(マクレガー)に捕らえられてしまう。そして命と引き換えに、スリに盗まれたダイヤを取り返してこいと命令されるのだった。その犯人が知り合いのカサンドラ(バスコ)という少女であることと、彼女が警察に捕まってしまって収監されていることを知ったハーレイ・クインは早速警察署を襲うことにした。 スーサイド・スクワッド(2016)で鮮烈な銀幕デビューを果たしたハーレイ・クインに焦点を当て、その後の彼女の活躍を描くというコンセプトで作られた作品。 何度か書いているのだが、スーサイド・スクワッド自体はさほど映画的に評価されてない作品だが、私は大変お気に入りの一本だった。気に入った理由は一点だけで、そこで暴れ回ってるジョーカーこそ、私が考えるジョーカーそのものだったから。 そこで描かれるジョーカーは悪魔に魅入られたかのような強運を持ち、何をやっても成功してばかり。しかし金や女に全く興味がない上に、退屈を嫌うために、自分の命を賭けることばかりやってるというキャラ。何故ジョーカーがバットマンにこだわるのかは、バットマンだけが自分を止めてくれる存在だから。全身全霊をかけてぶつかる事が出来る存在であり、しかも自分より強い。だからこそバットマンに執着するというキャラである。スーサイド・スクワッドでジョーカーがハーレイ・クインを助けたのは、彼女に対する愛情に勝って命を賭ける冒険が出来る事にワクワクしていたからだと思われる。 そんな事を考えながら、「あージョーカー格好良いなあ」という思いにさせてくれたから、あの作品は悪く言えない。 ただ、ジョーカーに関しては昨年のジョーカー(2019)の予想外の大ヒットで、こちらのジョーカー像が世間には受け入れられてしまったため、再び前のジョーカーに戻すのにためらいがあったのかもしれない。結局本作ではジョーカーはシルエットのみの登場となる。 それでジョーカーから離れたハーレイ・クインが本作の主人公になるのだが、正直、ジョーカーなしのハーレイ・クインにはたいして魅力がないというのも事実。 ハーレイ・クインはかなりイカれたキャラではある。基本的には損得関係なく、自分の興味を惹くか惹かないかだけで行動するのだが、ジョーカーと組むとしおらしくなったり、ジョーカーのために一生懸命アイディアを出したり、時にはジョーカーに命じられて危険な任務を飄々とこなしてみたりと、結局ジョーカー次第のキャラでもあり、ジョーカーあってこそ輝くキャラクターとも言える。 そんなハーレイ・クインがジョーカーから離れて何をするのかと思ったのだが、全般的に中途半端な印象の作品が仕上がった。 中途半端さはいくつも挙げられる。 ハーレイ・クインのイカれた行動様式は、自分のしたいことをしてるだけなのだが、何ら主義主張がある訳でなく刹那的。リスクの覚悟がないので衝動的で後先考えないものになってる。それが本作の魅力なのだが、単に頭悪いだけにしか見えない一面もあって、それが妙に気になってしまう。もうちょっと目的意識があったほうがストーリーはしっかりしたのでは? なし崩し的に仲間になっていく他のキャラも全員女性だけというのが面白いのだが、その一面、多数の登場人物に深まりがなくて薄っぺらいだけになってしまった。キャラを多く出す分割を食った感じ。 女性が活躍する設定においても、やってることが70年代のリブ運動っぽくて、もうちょっと今のジェンダー論取り入れられなかったのかな?という感じ。 サイケデリック演出を狙った演出もなかなか面白いのだが、それも徹底されてないために、バットマンよりもディック・トレイシー(1990)の世界観の方に近くなってしまった。 全般的に言えば、多少とんがったところのあるグロリア(1980)ってところだろうか?面白くなくはないけど、概ね中途半端。 |
エレン | → | |||
【えれん】 | ||||
|
カサンドラ | → | |||
【かさんどら】 | ||||
|
クロスボウ・キラー | → | |||
【くろすぼう-きらー】 | ||||
|
ゴッサム・シティ | → | |||
【ごっさむ-してぃ】 | ||||
|
ザーズ | → | |||
【ざーず】 | ||||
|
ジョーカー | → | |||
【じょーかー】 | ||||
|
ステファノ | → | |||
【すてふぁの】 | ||||
|
ダイナ | → | |||
【だいな】 | ||||
|
ティム | → | |||
【てぃむ】 | ||||
|
ドク | → | |||
【どく】 | ||||
|
バーティネリ | → | |||
【ばーてぃねり】 | ||||
|
ハーリーン | → | |||
【はーりーん】 | ||||
|
ハーレイ・クイン | → |
|
||||
【はーれい-くいん】 | ||||||
|
ハッピー | → | |||
【はっぴー】 | ||||
|
パトリック | → | |||
【ぱとりっく】 | ||||
|
ハントレス | → | |||
【はんとれす】 | ||||
|
ブラックキャナリー | → | |||
【ぶらっく-きゃなりー】 | ||||
|
ブラックマスク | → | |||
【ぶらっく-ますく】 | ||||
|
ヘレナ | → | |||
【へれな】 | ||||
|
ミスター・キオ | → | |||
【みすたー-きお】 | ||||
|
レニー | → | |||
【れにー】 | ||||
|
ローマン | → | |||
【ろーまん】 | ||||
|
名称 | → | |||
【】 | ||||
|
|
|
|||||||||||||||||||||
南米の独裁国家でクーデターが起こることを察知したアメリカ政府は、再び凶悪犯達を集めた部隊“スーサイド・スクワッド”を結成し、その阻止に向かわせる。その部隊に入れられたハーレイ・クイン(ロビー)だが、クーデター軍に事前に察知されてしまい、部隊はほぼ全滅してしまう。運良く生き残ったハーレイは、偶然スーサイド・スクワッドの別動部隊と合流出来た。実はこちらの部隊の方が本命で、任務もクーデター阻止ではなく、この国で研究されている凶悪な宇宙生物を封印することにあったことを知らされる。 MARVELのMCUに対抗するようにDCコミックスもエクステンド・ユニバースを展開している。ムラが大きいためにヒット作が限られ、作られる作品は少ないが、それでも定期的に投入されるので、それを逃さないように観ている。エクステンデッド・ユニバースの特徴は、ヒーロー側のみならず悪人側を主人公とするものも作られていること。これまでに『スーサイド・スクワッド』(2016)と『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』(2020)の二作が作られている。その中心となるのが現時点ではハーレイ・クインで、彼女が出るのがシリーズの大きな特徴になっていて、ヴィランと言うよりハーレイ・クインシリーズと言っても良いくらい。 それで三作目となる本作は、ハーレイ・クインが少し後退して、主人公はむしろ軍人のフラッグが中心で、そこに数々の銃火器を扱うブラッドスポートとピースメイカーという似た二人を加えた三人で話を引っ張っていく。ハーレイ・クインは遊撃隊みたいな位置づけ。本作の場合あまり脇道にそれないようにする必然性があったためだろう。 ただ、それが良かったかどうかは別。真面目になりすぎて話が一本調子となってしまい、ヴィランの魅力というのが少々減ってしまった感がある。主人公側が平気で人を殺す以外ヴィランである必然性がない。 更にキャラが多いくせにその魅力を出す前に退場するキャラばかりだし、生き残ったキャラも今ひとつ個性が出せなかったこともあって、思った以上にキャラの魅力が減ってしまった。 あと、作品が観たまんまで奥行きがないのも気になる。例えば『スーサイド・スクワッド』であればメインの話以外にジョーカーという魅力的なキャラの描写があったが、本作にはそれもなく、本当に浅いまま。 更に言うならば、人体破壊シーンが必要以上に多く、それが観ていてきつい。これをプラスアルファとするなら、ちょっと失敗だよな。 悪い作品では無いものの、たいして面白いとも思えなかったというのが正直な感想。 監督のジェームズ・ガンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』製作後にMARVELから危うく解雇されそうになった(かつてSNSに書いたきわどいジョークが問題視されたと言うが、実際は攻撃的に政権批判をしたために煙たがられたとも言われている)。実際に一度解雇されたのだが、多くの映画人からの嘆願を受け、現在は撤回されているが、解雇騒ぎがあった中でDC側から申し出があって本作を監督することになったそうだ。 私は『スーサイド・スクワッド』好きだったけど、本作はそこまでいかない。多分これがジェームズ・ガン監督の本当の個性だ。そしてその個性は私の感性とは相容れない。相性の悪さがモロに出てしまった。 |
アブナー | → | |||
【あぶなー】 | ||||
|
アマンダ | → |
|
||||
【あまんだ】 | ||||||
|
ウィーゼル | → |
|
||||
【うぃーぜる】 | ||||||
|
エミリア | → | |||
【えみりあ】 | ||||
|
ガイウス | → | |||
【がいうす】 | ||||
|
カレイドスコープ | → |
|
||||
【かれいど-すこーぷ】 | ||||||
|
カレンダーマン | → |
|
||||
【かれんだー-まん】 | ||||||
|
ガンター | → | |||
【がんたー】 | ||||
|
キング・シャーク | → |
|
||||
【きんぐ-しゃーく】 | ||||||
|
クリストファー | → | |||
【くりすとふぁー】 | ||||
|
コリー | → | |||
【こりー】 | ||||
|
コルト・マルテーゼ | → | |||
【こると-まるてーぜ】 | ||||
|
サバント | → |
|
||||
【さばんと】 | ||||||
|
ジェレミー | → | |||
【じぇれみー】 | ||||
|
ジャベリン | → |
|
||||
【じゃべりん】 | ||||||
|
ジュリアン | → | |||
【じゅりあん】 | ||||
|
ジョン | → | |||
【じょん】 | ||||
|
シルヴィオ | → | |||
【しるう゛ぃお】 | ||||
|
シンカー | → | |||
【しんかー】 | ||||
|
スーサイド・スクワッド | → |
|
||||
【すーさいど-すくわっど】 | ||||||
|
スターフィッシュ計画 | → | |||
【すたー-ふぃっしゅ-けいかく】 | ||||
|
スターロ大王 | → |
|
||||
【すたーろ-だいおう】 | ||||||
|
ソル・ソリア | → | |||
【そる-そりあ】 | ||||
|
タイラ | → | |||
【たいら】 | ||||
|
ダブルダウン | → |
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【だぶる-だうん】 | ||||||
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T.D.K. | → |
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【てぃー-でぃー-けい】 | ||||||
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ナナウエ | → | |||
【ななうえ】 | ||||
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ハーリーン | → | |||
【はーりーん】 | ||||
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ハーレイ・クイン | → |
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【はーれい-くいん】 | ||||||
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ピースメイカー | → |
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【ぴーす-めいかー】 | ||||||
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ブライアン | → | |||
【ぶらいあん】 | ||||
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ブラックガード | → |
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【ぶらっく-がーど】 | ||||||
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ブラッドスポート | → |
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【ぶらっど-すぽーと】 | ||||||
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フロー | → | |||
【ふろー】 | ||||
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ベルレーヴ刑務所 | → | |||
【べるれーう゛-けいむしょ】 | ||||
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ポルカドットマン | → |
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【ぽるかどっとまん】 | ||||||
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マテオ | → | |||
【まてお】 | ||||
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ミルトン | → | |||
【みるとん】 | ||||
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モンガル | → |
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【もんがる】 | ||||||
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ヨトゥンヘイム | → | |||
【よとぅんへいむ】 | ||||
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ラットキャッチャー | → |
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【らっと-きゃっちゃー-】 | ||||||
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ラットキャッチャー2 | → |
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【らっと-きゃっちゃー-つー】 | ||||||
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リック | → |
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【りっく】 | ||||||
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ルナ | → | |||
【るな】 | ||||
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ロバート | → | |||
【ろばーと】 | ||||
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名称 | → | |||
【】 | ||||
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1984年。裏ではワンダーウーマンとして、表ではスミソニアン博物館でキュレーターとして働くダイアナ・プリンス(ガドット)は、新しく博物館に入ったバーバラ・ミネルヴァ(ウィグ)と知り合う。不器用で心優しいバーバラと友人関係を築いていくが、ワンダーウーマンがある時壊滅させた裏の故買所から出てきた不思議な石をダイアナが鑑定していたところ、事業家のマックス・ロード(パスカル)が現れ、スミソニアン博物館に多額の寄付をする代わりにその石のことを教えて欲しいと言ってくる。実はこの石は石に手を触れて願ったことが何でも叶うというものだったのだ。半ば冗談でかつて愛したスティーヴ・トレバー(パイン)と会いたいと願ったダイアナの前に、本当にスティーヴが現れてしまう。思わぬ再会に喜ぶダイアナだが、一方でその石が世界の破滅を呼び込む可能性を感じ取る。その頃、まんまとその石を手に入れたマックスは自分自身をその石と同じ力を持つようにと願っていた。 『ワンダーウーマン』(2017)のスマッシュヒットを受け、同じ監督主演で送る続編。本来ならばもっと早く公開されるはずの作品だったが、新型コロナウイルスの世界的な蔓延によって公開が引き延ばされ、当初予定されていた公開時期が大幅にずれ込んで2020年の年末公開になってしまった。 女だけの島セミッシラからやってきたワンダーウーマンが悪人をなぎ倒すという基本路線は前作を踏襲しているが、前作とは質的には随分違う。 前作の時代は第一次世界大戦下だった。この時代の男女の性の格差は激しく、その中で女性として前戦で戦う女性という明確なテーマがあった。これは過去こう言う時代があったということだけでない。今もやはり格差があるということをほのめかすことで現代の陸続きを感じさせ、作品に奥行きを持たせた。 対して本作の時代はどうかと言うと、1984年。先進国の消費文化の頂点の時代である。戦争の恐ろしさは過去に。ものがあふれかえる時代を(金を持つ人は)謳歌していた。日本でもバブルが始まった時代で、リッチな生活への憧れと、それに手が届く幻想をもたらしていた時代となる。一作目とは何もかも違う。 演出においても一作目の画像は全般的にかなりくすんで色調を押さえたものだった。まるでモノクロ映像のようだ。一方本作は色調がかなり鮮明で、まるで80年代のテクニカラー時代を思わせる色調になり、色彩に合わせるように物語も明るく仕上がってる。 これが現代とどう結びつくのかというと、行き過ぎた全能感と欲望を肯定する時代を舞台にすることによって、現代アメリカの置かれている状況と言うものを端的に示したものとなっているのだ。 全能感と欲望肯定とは、2017年に大統領に就任したトランプの存在なしに語る事は出来ない。これまで豊かな国に生まれた自分たちだからこそ節度が重要だとして、率先してポリティカル・コレクトネスを推進していたアメリカが、自らを縛る常識に窮屈さに反発したことが一つの原因だろうと思うのだが、そういう人の代表となったのがトランプ大統領という存在だった。 彼の主張するアメリカ・ファーストは耳障りが良い言葉で、アメリカ国民は、もはや節制を誇らず、持っているものを存分に味わうべきだとした。欲望を肯定することによって国民の信頼を勝ち得たのがトランプという存在なのだ。 アメリカ人として生まれたからには欲望を解放せよ。その負債は他の国が負ってくれるとした主張は国民にはよく聞こえるのだが、実際に欲望を解放したらどうなるか?その部分を強調して描いたのが本作である。 ラストの狂乱部分は決して誇張ではない。人が節制を捨てて欲望を解放したら、地球はその思いを受け止めきれずに崩壊する。当然の話である。トランプ大統領が言っていることは、まさしくアメリカ人の欲望を肯定することだった。本作は見事な現政権に対するアンチテーゼとなっているのだ。 前作同様本作も、過去を描くことによって今の世相を斬るような内容になっている。 その部分は大変面白いし評価したい。それに欲望肯定によって、前作で死んだはずのスティーヴが復活したこともちゃんと物語に織り込んで展開もする。 それを踏まえて言うなら、ストーリーの弱さが際立つ。ひねりがなさ過ぎるため、物語全般が平板になってしまい、プログラムピクチャー的になってしまった。こうなるしかない結論に向かって粛々と物語が進んでいるような感じで、あっさりしすぎの感あり。なんか『スーパーマン II 冒険篇』(1981)を今の時代の演出で作った感じか? それこそ80年代の作品じゃないのだから、もう少し脚本を詰めても良かったんじゃないかな? 充分に面白い作品ではあるが、もう一踏ん張り欲しかった。 |
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