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トニー・スコット
Tony Scott

Tony Scott
Wikipediaより
<A> <楽>
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IMDb
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鑑賞本数 12 合計点 32.5 平均点 2.71
 リドリー・スコットの弟
書籍
2012 8'19 死去
2011
2010 アンストッパブル 監督・製作
僕の大切な人と、そのクソガキ 製作総指揮
クリステン・スチュワート ロストガール 製作総指揮
特攻野郎Aチーム THE MOVIE 製作総指揮
グッド・ワイフ 彼女の評決(2nd)<TV> 製作総指揮
ダークエイジ・ロマン 大聖堂
<A> <楽> 製作
2009 サブウェイ123 激突 監督・製作
汚れなき情事 製作総指揮
チャーチル 第二次大戦の嵐 製作総指揮
グッド・ワイフ 彼女の評決(1st)<TV> 製作総指揮
2008 アンドロメダ・ストレイン 製作総指揮
2007 ジェシー・ジェームズの暗殺 製作総指揮
2006 デジャヴ 監督
トリスタンとイゾルテ 製作総指揮
2005 ドミノ 監督
イン・ハー・シューズ 製作総指揮
NUMBERS 〜天才数学者の事件ファイル(1st~6th)
<A> <楽> 製作総指揮
wiki
2004 マイ・ボディガード 監督・製作
2003
2002 チャーチル/大英帝国の嵐 製作総指揮
2001 スパイ・ゲーム 監督
2000 ラスト・デシジョン 製作総指揮
ゲット・ア・チャンス! 製作総指揮
1999
1998 エネミー・オブ・アメリカ 監督
ムーンライト・ドライブ 製作総指揮
1997
ザ・ハンガー(1st,2nd)
<A> <楽> 製作総指揮
1996 ザ・ファン 監督
1995 クリムゾン・タイド 監督
1994
1993 トゥルー・ロマンス 監督
1992
1991 ラスト・ボーイスカウト 監督
1990 リベンジ 監督
デイズ・オブ・サンダー 監督
1989
1988
1987 ビバリーヒルズ・コップ2 監督
1986 トップガン 監督
1985
1984
1983 ハンガー 監督
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965 ストレンジ・ワールド 出演
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944 6'21 ストックトンで誕生

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アンストッパブル 2010
2010米アカデミー音響賞
2010放送映画批評家協会アクション映画賞
<A> <楽>
ジュリー・ヨーン
トニー・スコット
ミミ・ロジャース
エリック・マクレオド
アレックス・ヤング
クリス・シアッファ
リック・ヨーン
ジェフ・クワティネッツ(製)
マーク・ボンバック(脚)
デンゼル・ワシントン
クリス・パイン
ロザリオ・ドーソン
イーサン・サプリー
ケヴィン・ダン
ケヴィン・コリガン
ケヴィン・チャップマン
リュー・テンプル
T・J・ミラー
ジェシー・シュラム
デヴィッド・ウォーショフスキー
ミーガン・タンディ
エリザベス・マシス
ディラン・ブルース
ジェフ・ウィンコット
アイシャ・ハインズ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
サブウェイ123 激突 2009
<A> <楽>
トッド・ブラック
トニー・スコット
ジェイソン・ブルメンタル
スティーヴ・ティッシュ
バリー・ウォルドマン
マイケル・コスティガン
ライアン・カヴァナー(製)
ブライアン・ヘルゲランド(脚)
デンゼル・ワシントン
ジョン・トラヴォルタ
ジョン・タートゥーロ
ルイス・ガスマン
マイケル・リスポリ
ジェームズ・ガンドルフィーニ
ベンガ・アキナベ
ジョン・ベンジャミン・ヒッキー
ヴィクター・ゴイチャイ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
デジャヴ 2007
<A> <楽>
テリー・ロッシオ
ビル・マーシリイ(脚)
デンゼル・ワシントン
ポーラ・パットン
ヴァル・キルマー
ジム・カヴィーゼル
アダム・ゴールドバーグ
エルデン・ヘンソン
エリカ・アレクサンダー
ブルース・グリーンウッド
エル・ファニング
マット・クレイヴン
ションドレラ・エイヴリー
ドナ・W・スコット
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ドミノ 2005
<A> <楽>
リチャード・ケリー(脚)
キーラ・ナイトレイ
ミッキー・ローク
エドガー・ラミレス
リズワン・アバシ
ルーシー・リュー
クリストファー・ウォーケン
ミーナ・スヴァーリ
デルロイ・リンドー
ジャクリーン・ビセット
アイアン・ジーリング
ブライアン・オースティン・グリーン
メイシー・グレイ
ジェリー・スプリンガー
トム・ウェイツ
スタンリー・カメル
ションドレラ・エイヴリー
デイル・ディッキー
ジョセフ・ヌネズ
フレッド・コーラー
モニーク
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
マイ・ボディガード 2004
2004放送映画批評家協会若手女優賞(ファニング)
<A> <楽>
ブライアン・ヘルゲランド(脚)
デンゼル・ワシントン
ダコタ・ファニング
クリストファー・ウォーケン
ラダ・ミッチェル
マーク・アンソニー
ジャンカルロ・ジャンニーニ
レイチェル・ティコティン
ミッキー・ローク
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
燃える男 <A> <楽>
A・J・クィネル (検索) <A> <楽>
 元CIAの特殊部隊員で16年の間米軍の対テロ部隊に属し、地獄を見てきたジョン=クリーシー(ワシントン)。彼は今、何の希望もなく酒浸りの生活を送っていた。そんな彼がかつての仲間のポール=レイバーン(ウォーケン)からメキシコ・シティに住む会社社長の娘ピタのボディガードの仕事を斡旋される。乗り気でなかったクリーシーだったが、ピタの無邪気さに徐々に心を開いてきたのだが…
 本作は2004年最後に劇場で観た作品だったが、これは凄かった。P-12と言うこともあって、誰にもお勧めできる作品じゃないけど、本当に
ガツンと来た。一応。これは物語ラストのオチをばらしてるので、未見の人は読まないように
 内容的には日本の
『必殺仕事人』の最終回っぽい作品で、決してストーリーも良いとは言い難いのだが、このキャラクターの描写はどうだ
 主人公のクリーシーはこれまで対テロ部隊に属してきたため、文字通り地獄を見てきた。それは決して画面で描かれることはないが、言葉の端々にその苦渋がしみ出ている。かつての同僚レイバーンに対して
「神は俺たちを赦してくれるだろうか?」とぽつんと喋り、それに対しレイバーンは背を向けたまま「それはない」と断言する。クリーシーはその答えを分かっていたし、それを求めてもいたのだろう。その答えしかないことを。しかし分かっているからこそ、良心は浸食され、酒びたりとなっていった。しかし、同時に彼は聖書を精読し、ほんの僅かでも救いを求めるような人間だった。手に受けた傷についても、決して喋らない。昔の映像を全く出さないことで、どれだけ心の傷が深いかを演出しようとしていたはず(物語途中からの拷問シーンで彼が過去何をしてきたか分かるというもの)。そんな彼が彼の心に無邪気に押し入ってこようとしたピタと触れ合う。当然最初は彼女を拒否しようとするが、やがてそんな彼女によって癒されていく。レイバーンが言うように、「もう一度生まれ」ることが出来たのだ。しかし、そのピタを永遠に失ったと知った時、彼は再び虚無の中に落とされてしまう。そこからの復讐劇の凄まじいこと。クリーシーは決して激しない。これまで自分が行ってきたプロの技を淡々とこなしていく。しかもそれだけじゃない。明らかに無意味な行為を行うのは、ピタを守りきることが出来なかった自らを罰するためであり、更に言うなら、世の中全てに絶望したが故の行為だった。そのため復讐劇を本当に淡々と行ってるし、それがとても哀しそうに見えてしまう。あれだけの事をしていながら、残酷さや高揚感より、全く逆にいたたまれないような気分にさせてくれる。
 ここまでの演出が出来るとは。正直スコット監督を見直したよ。
 それでそれを受け止めるキャラが素晴らしい。ワシントンは『トレーニング デイ』(2001)
(この作品も最高評価)以来の汚れ役だったが、繊細な心の動きを見事に演じきっていた。最初の気怠さと、自分はどんどん壊れていく事に対する恐怖心。壊れていくのが分かりながら酒瓶に手を伸ばす行為。そして全くの無表情に復讐を遂行しながら、一人になった時に見せる哀しげな顔。更にその間に見せた笑みがあるからこそ、その二つの顔が本当に引き立っている。又、そのプロの演技に真っ向からぶつかっていったファニングも凄い。確かに『I am Sam アイ・アム・サム』(2001)の時も上手いとは思ったけど、よもやここまで凄まじい女優になっていたとは驚くばかりだ。実際、これはキッドナッピングの物語なので、この役は少年でも構わなかったはず。だが、彼女の存在感あってこその本作だ。正直あの一連の演技はぞくっとするほどだった。子役としては『ポネット』(1996)の少女役ヴィクトワール=ティヴィソル以来の本気で惚れ込みそうな子役となった。そして脇を固めたウォーケンも忘れちゃならない。最近は悪役ばっかだけど、これで新境地を拓いたんじゃないか?一見ふてぶてしい性格してるように見えながら、昔の、まるで今にも死んでしまいそうな繊細さが同時にしっかり現れていた。この三人の演技は、実は既にとんでもない領域に入ってるんじゃないか?

 ただ一方、この作品に最高評価を与えられないのは、ストーリーの弱さ。原作は私は知らないのだが、これってそのまんま
『必殺』シリーズなんだよな。強いて言えば、テレビ版の最終回っぽい。実際引いて考えてみると、クリーシーがやった事って、実はとんでもない勘違いだったりする。だってピタは死んでなかったのだから、あのまま放っておけば、再び誘拐犯との交渉が始まっただろうし、親父も自殺せずに、会社も持ち直す。多少不快感は残るだろうけど、表面的には「めでたしめでたし」で終わった可能性もあったわけだ。結果的に余計な犠牲者を増やしただけと言うのが何とも…余韻が無茶苦茶悪い(それが狙いなのかも知れないけど、あそこで救いを演出したのは私的には大失敗)。それにピタとの交流も、一旦笑みを見せた後は、次の瞬間に大の仲良しになってるのもちょっと。もうちょっと課程を丹念に描いて欲しかった。
 更に一つ演出上の難点を。「あと五秒でお前も終わりだ」と言って爆発させるシーンがあるんだけど、あんな巨大な爆発起こすような爆薬なんだから、五秒だったら絶対クリーシー本人も爆発に巻き込まれてなきゃおかしいだろ?それにあれってどうしても『マッドマックス』(1979)のパクリにしか見えなかったし。
 …結局これは三人の超絶の演技を観るための作品だと割り切る必要はある。しかし、
本当にガツン!と来る作品には違いない。凄いもん観っちまった。と言う思いをさせられた。
スパイ・ゲーム 2001
<A> <楽>
マイケル・フロスト・ベックナー
デヴィッド・アラタ(脚)
ロバート・レッドフォード
ブラッド・ピット
キャサリン・マコーマック
スティーヴン・ディレイン
ラリー・ブリッグマン
マリアンヌ・ジャン=バプティスト
オミッド・ジャリリ
シャーロット・ランプリング
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1991年。伝説のCIA工作員ネイサン=ミュアー(レッドフォード)と弟子のトム・ビショップ(ピット)は、ヴェトナム、東ドイツ、レバノンといった世界中で命がけの任務をこなしてきた。本日退官の日を迎えたミュアーは、ビショップが単独行動で蘇州刑務所からある囚人を脱獄させようとして失敗した事を知る。ビショップ処刑まで僅かに一日。ミュアーはビショップ救出に向け、大胆な作戦を実行に移すのだった。
 ブラッド=ピットとロバート=レッドフォードと言う二大スターの競演と言うことで楽しみにしていた作品だった。特にレッドフォードは最近監督業に専任しているからスクリーンで見るのも久々。好きな俳優の一人だけに映像復帰は嬉しい。
 ただ、この映画が楽しかったか。と聞かれるとちょっと首を傾げてしまう。非常にリアリティあふれているし、ストーリーも悪くない。だけど、どうも今ひとつ。と思えてしまった。
 しばらく考えて理由が分かった。静かすぎるのだ。アクションシーンの大半は回想シーンだけだし、しかもそれらは概ねにおいて罠を仕掛けて「待つ」事が主となっている。一方の現実世界ではミュアーがいかにCIAの同僚や上官に向かって嘘を言い続けるのか、と言う事に主眼が置かれている。
007のような現実味のないヒーローでなく、あくまで本物のスパイを描いているため、どうしても地味だ。
 面白いんだけど、面白くない。矛盾している理由も分かった。
 理由は単純だった。この作品は小説なのだ。映画一本観たと言うより、映像化された小説を一冊読んだ。と言う感じ。言葉の端々に出てきていた含みのある台詞も小説だったら伏線になるはずなのに、映画だと上滑りしている。それに歴史を知っているなら充分大丈夫だが、その年のヴェトナム、東ドイツ、レバノンの状況が分かっていなければ絶対チンプンカンプンだ。小説だったら事細かく説明がなされるもんだが…それに「待つ」と言う行為は映画で多用するのは避けるべき(
待ちが主体の映画でいくつか傑作もあるけど、それを埋め合わせるものが必要。これに関しては待つ行為そのものが目的に近いから、映像にすると大変冗長に思える)。結局全てが小説そのものだと言うことだ。
エネミー・オブ・アメリカ 1998
1999MTVムービー・アワード男優賞(スミス)
<A> <楽>
デヴィッド・マルコーニ(脚)
ウィル・スミス
ジーン・ハックマン
ジョン・ヴォイト
リサ・ボネ
レジーナ・キング
バリー・ペッパー
ガブリエル・バーン
ジェイソン・リー
スチュアート・ウィルソン
ローレン・ディーン
イアン・ハート
ジェイク・ビューシイ
トム・サイズモア
スコット・カーン
ジャック・ブラック
ジェイミー・ケネディ
ジャッシャ・ワシントン
フィリップ・ベイカー・ホール
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ザ・ファン 1996
1997MTVムービー・アワード悪役賞(デ・ニーロ)
<A> <楽>
フォエフ・サットン(脚)
ロバート・デ・ニーロ
ウェズリー・スナイプス
エレン・バーキン
ジョン・レグイザモ
ベニチオ・デル・トロ
パティ・ダーバンヴィル=クイン
クリス・マルケイ
アンドリュー・J・ファークランド
ブランドン・ハモンド
チャールズ・ハラハン
ジョン・リンチ
ウェイン・デュヴァル
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ザ・ファン <A> <楽>
ピーター・エイブラハムズ (検索) <A> <楽>
 親権を巡り妻と争っているギル(デ・ニーロ)。しがないナイフのセールスマンをしている彼の唯一の楽しみは地元球団に移籍したスーパースターであるボビー(スナイプス)の活躍だった。それが故に仕事も失敗し、子供も妻に取られてしまった。ボビーへの気持ちはもはや単なるファンではなく、唯一の心の拠り所となっていた。ボビーの為には殺人をさえ辞さないギルの行動に、徐々に恐怖を覚えるボビー。そしてギルの対象はとうとうボビーの家族にまで及ぶ。
 デ・ニーロは結構こういう役も似合っていて、いくつか主演もしている。ただ、どうしてもストーカーものって言うのは生理的に好きになれないので、デ・ニーロ主演作品の中でも唯一好きになれないジャンルでもある。
『ケープ・フィアー』(1991)とも『タクシードライバー』(1976)とも違い、何か主人公のギルが普通のおっさんっぽくて、勿論それが狙いなのだろうが、これも好きになれない。
 そう言えば、当時やたらとストーカーものが作られ、そのどれも面白いと思えなかった記憶がある。察するに、犯人が最初から現れていて、その視点で相手に恐怖を与えようとしている構図が嫌なのだろう。ナイフに対する偏執ぶりも似合っているようで似合わない。
 そう言やスナイプスと言えば
『メジャー・リーグ』(1989)でも登場していて、そこでも野球選手の役をしてるけど、今回の役は今一つっぽいか?
クリムゾン・タイド 1995
1995米アカデミー音響効果賞、音響賞、編集賞
1996MTVムービー・アワード男優賞(ワシントン)
<A> <楽>
マイケル・シファー(脚)
デンゼル・ワシントン
ジーン・ハックマン
ジョージ・ズンザ
ヴィゴ・モーテンセン
ジェームズ・ガンドルフィーニ
マット・クレイヴン
リロ・ブランカトー・Jr
ライアン・フィリップ
ダニー・ヌッチ
リック・シュローダー
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
トゥルー・ロマンス 1993
1994MTVムービー・アワード キス・シーン賞(スレイター&アークェット)
<A> <楽>
クエンティン・タランティーノ(脚)
クリスチャン・スレイター
パトリシア・アークエット
デニス・ホッパー
ヴァル・キルマー
ゲイリー・オールドマン
ブラッド・ピット
クリストファー・ウォーケン
サミュエル・L・ジャクソン
マイケル・ラパポート
ブロンソン・ピンチョット
ソウル・ルビネック
ジェームズ・ガンドルフィーニ
コンチャータ・フェレル
クリス・ペン
トム・サイズモア
マイケル・ビーチ
エド・ローター
ローレンス・メイソン
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 デトロイト。過激な映画が大好きな書店員のクラレンス(スレイター)の誕生日に突然アラバマ(アークェット)という女の子と知り合う。彼女はコールガールだったが、深く愛しあった二人は翌日結婚してしまう。そしてアラバマのヒモであるドレクセイ(オールドマン)に話をつけに行くのだが、逆ギレしたドレクセイに殺されかかり、逆に彼を殺してしまうのだった。そして証拠隠滅のために慌てて持ち帰った彼のスーツケースには、大量のコカインが…
 初監督作である『レザボアドッグス』で時代の寵児となったクェンティン・タランティーノが脚本を書き、これまたアクションには定評のあるトニー・スコット監督が映画に仕上げた作品。
 私は男だから女性の心理は分からないけど、男には成長過程で
“ある時期”というのがやってくる。それは簡単に言えば、妄想にドップリ漬かり込む時期というもの。尤も男の妄想というのは他愛もないものがほとんどだったりするんだが。大体は、突然自分の前に絶世の美女が現れて、ひたすら自分に尽くしてくれることだったり、自分が突然地球を救う戦士に選ばれたと考えてみたり、あるいは自分には何か秘められた力があって、暴力的な衝動に駆られてみたり(これに関しては実際にやってしまう人も多いが)、いじめっ子をぼこぼこにして、「恨んでないよ」と言いつつ握手するとか、様々だが、多くの場合は性的、暴力的な妄想が多い。
 これらの妄想は思春期となって発動する性衝動と暴力衝動を抑える自己防衛機能かと思われるが、こう言うのは中学生や高校生くらいで発症することが多いので、近年
「中二病」などと呼ばれるようになった。それにかかると妄想ばかりがふくらんでいき、そのくせ自分からは何もしない。口を開けて私を連れ出してくれる人がいないか?と待ってるような時期である。
 こういう時期って男の成長過程には必要なもので、それが悪い事ではない。むしろそのリビドーを持ち続けられる人こそが、パワーを持った映画や小説を作れる、ある意味選ばれた人間になることにもなる。実際、様々に形を変え、映画やアニメといったものは、これらの要素を汲み取って作られたものが多い。クリエイターには重要と言えば重要な要素でもあるのだ。
 そう言う意味で、子供のような感性を持っている事が特にデビュー直後のクリエイターには求められるわけだが、それを最も端的な形で出し続けることが出来たのがクェンティン・タランティーノという人物だった。この人が若い頃はビデオ店で働いて、店のビデオでも過激なものばかりを観続け、休みになればグラインドハウスに出かけていっては、大画面でB級映画を観ていると言った、
本物の映画狂いの人物だったわけだが(とりわけ70年代の過激な邦画が大好きになったのはこの時代に徹底的に観まくっていたからだそうな)、天性の才能に加え、そんな生活のお陰で少年の頃の妄想そのものを映像化出来るような人物となっていったのである。
 そんなタランティーノが
妄想全開で書き上げた脚本が本作。おそらくこの主人公クラレンスは「こうなりたかった」(あるいは「こうなりたい」)タランティーノ自身の姿に他ならないのだろう。なにせ前述した「中二病」の要素が見事に全部詰まってる。自分の大好きだからというだけの理由で千葉真一の映画や、導師(メンター)としてプレスリーまで(キルマーが演じてる)まで登場させる悪ノリのし放題。
 この作品には大人の事情も駆け引きも存在しない。ここにいる人間達は、怒りにまかせ、あるいは自分が生き残るためにまっすぐにぶつかっている奴らばかり。物語としては最低の部類。だけど、爽快感は最高と言ったものだった。
 下手な監督が作ってればこの作品は単なるカルト映画になるか、そもそも映画にはならない類だったのだが、そんな中二病全開の脚本を、スコットは見事に仕上げてくれた。
 特に本作の面白さというのは、クラレンスの頭が完全にぶっ飛んでしまっていて、独自の価値観だけで行動してるので、その周囲の人間の行動を中心に描いてくれていたこと。突然キレ、突拍子もない行動に出るクラレンスに関わる人達も、どこかまともじゃないのだが、クラレンスに関わっていく内にいつの間にか自分がのっぴきならない場所に追い込まれていることに気付かされていく。むしろその描写を強くしたお陰で本作は上手くバランスが取れているのだとも言えよう。
 何より、ウォーケンとホッパーの二大個性派俳優の存在感が立ちまくり。独特の雰囲気を持つこの二人がぶつかり合うシーンは、アクション映画では最高峰の一つだと言っても良い。二人の演技の最も良い部分を上手く撮りだしたスコット監督の実力とも言えよう。演出にかけては本当に文句なしである。というか、よくここまで仕上げてくれたもんだ。奇跡的と言っても良いバランス感覚だぞ。

 ちなみに、本作は脚本のみならず、いろんな所にタランティーノの趣味が溢れているが、これはタランティーノが積極的に映画に関わってしまったためらしいが、お陰でスコット監督とも随分衝突があったらしく、特にラストシーンをハッピーエンドにするか否かでもの凄く揉め、未だにタランティーノはスコットを許してないとか…

 物語自体が瞬間の連続で展開していくため、そもそも本作はストーリーテリングとしての機能が無いという根本的問題があるものの、それでも存分に楽しめる極上のアクション作で、暴力映画が好きだって人には特にお勧めできる傑作。
ラスト・ボーイスカウト 1991
1992MTVムービー・アワードアクションシーン賞、コンビ賞(ウィリス&ウェイアンズ)
<A> <楽>
ジョエル・シルヴァー
マイケル・レヴィ
スティーヴ・ペリー
シェーン・ブラック
バリー・ジョセフソン(製)
シェーン・ブラック(脚)
ブルース・ウィリス
デイモン・ウェイアンズ
ハリー・ベリー
チェルシー・フィールド
ノーブル・ウィリンガム
テイラー・ネグロン
ダニエル・ハリス
ブルース・マッギル
バディア・ジョーラ
キム・コーツ
チェルシー・ロス
ジョー・サントス
クラレンス・フェルダー
トニー・ロンゴ
フランク・コリソン
ビリー・ブランクス
モリス・チェスナット
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 元優秀なシークレットサーヴィスで、卑劣な上院議員を殴ったことで今はしがない私立探偵をしているジョー・ハレンベック(ウィリス)と元プロフットボールのスーパースターだったが、愛する家族を失った悲しみから麻薬と賭博に手を出し、フットボール界から追放されたジミー・ディックス(ウェイアンズ)。ジョーがジミーの彼女のダンサー警護に失敗し、ふたりの目の前で殺されてしまった。二人は反発しつつも共同で捜査を行っていく。徐々に深まっていく友情と、二人にとっての生き甲斐の復帰を描く。
 自分を駄目だと思っている人間が事件を境に見事に復活。と言う、
娯楽映画の王道をいくような作品をこれも娯楽映画の御大トニー・スコットが仕上げている。ウィリスはこういう役も結構似合う。いっそのこと最後まで格好良くならずに終わってくれればもっと良かったけどね。残酷なのに、妙に笑いを取ろうとしているのが不思議な感覚。
 ただし、派手なだけで印象は薄い。この辺りからウィリスの衰えが見えてきた感じもするし。最後の踊り(ツイストのようなムーンウォークのような…)もはずれじゃなかったかな?
 ところでこの作品は監督のスコットは
『リーサル・ウェポン』(1987)を見て脚本のシェーン・ブラックにすっかり惚れ込んでしまい、莫大な契約金を払ったそうだが、そこまで上質の作品だったのだろうか?正直『リーサル・ウェポン』までもがダメ作品に思えてしまうような作りはやめて欲しかった。
 どうでもいいが、ブラックの書いた脚本、やたらと
「最後」という文字が多いのだが、趣味か?
リベンジ 1990
<A> <楽>
ジム・ハリソン(脚)
ケヴィン・コスナー
アンソニー・クイン
マデリーン・ストー
サリー・カークランド
トーマス・ミリアン
ホアキン・マルティネス
ジェームズ・ギャモン
ミゲル・ファーラー
ジョー・サントス
ジョン・レグイザモ
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ジム・ハリソン (検索) <A> <楽>
デイズ・オブ・サンダー 1990
1990米アカデミー音響賞
<A> <楽>
ロバート・タウン(脚)
トム・クルーズ
ロバート・デュヴァル
ニコール・キッドマン
ランディ・クエイド
マイケル・ルーカー
ケイリー・エルウィズ
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 カートレースカー・ビルダーとして名を博したハリー(デュヴァル)の元に一人の青年が連れてこられた。コール・トリクル(クルーズ)というその青年は、性格は軽いがカートの腕は確かで、ハリーは彼のためにマシンをチューンすることを同意する。タイムのこだわりが激しいコールはなかなか成績を残せなかったが、ハリーの指導を受け、めきめきと頭角を現していく。レースを通し、クレア(キッドマン)という美人女医とも仲良くなったコールだったが、あるレースでライヴァルのローディーの車と大事故を起こしてしまい…
 初期クルーズ主演作の典型を示したような物語の作品で、パターンとして同じスコット監督による『トップガン』と何も変わらない展開を見せる。二匹目のドジョウを狙ったんだろうな。違いは、『トップガン』は戦闘機の方に比重が置かれていたのが、本作ではキャラの方に比重が置かれていると言うだけの違い。クルーズ、キッドマン共に
(これが二人のなれそめ)魅力充分で、充分主役を張るに足る存在ではあるのだが、使い方はそのまんまアイドル映画。すっかり二人とも演技派として知られる今日から考えると、隔世の感がある
 クルーズの格好良さとレースの緊張感と派手さ。
それ以外は不必要!とばかりに割り切ったような作りがなされているのが本作の特徴。製作にブラッカイマーが入ってるだけに派手さは充分。ただその分物語そのものは極めて陳腐。展開は『トップガン』とまるで変わらず、挫折から這い上がるのも大変スマート。そしてその挫折にも献身的な美人が傍らに…あまりに出来すぎた物語だ。それをなんの衒いもなくやってしまった。これが受けたと言うことは、1990年という時代の流れを知る上で重要な要素なのかもしれない。やっぱり当時のヒーローだったポール・ニューマン主演の『レーサー』(1969)と較べると、その差は際だっているだろう。
 実際すでにアメリカ国内でもこの展開は飽きられていたか、興行成績は記録的な悪さ。パラマウントの再編騒ぎにまで発展してしまった。
 クルーズの出演はこの前が『レインマン』(1988)および『7月4日に生まれて』(1989)で、本作の後は『ア・フュー・グッドメン』(1992)となる。2年も時間がかかったのは、クルーズ本人の演技派志向は明らかなのに、敢えてこの作品がここで作られた事は、クルーズにとっても極めて不本意で、相当落ち込んだんじゃ無かろうか?と今になって思う。
ビバリーヒルズ・コップ2 1987
1987米アカデミー主題歌賞
1987ゴールデン・グローブ歌曲賞
1987ゴールデン・ラズベリー最低主題歌賞
<A> <楽>
ラリー・ファーガソン
ウォーレン・スカーレン(脚)
エディ・マーフィ
ブリジット・ニールセン
ジャッジ・ラインホルド
ジョン・アシュトン
ロニー・コックス
ユルゲン・プロフノウ
アレン・ガーフィールド
ディーン・ストックウェル
ポール・ライザー
ギル・ヒル
ポール・ギルフォイル
ロバート・リッジリー
ブライアン・オコナー
グレン・ウィスロー
スティーヴン・リスカ
ギルバート・ゴットフリード
トム・バウアー
ヴァレリー・ワイルドマン
ヒュー・M・ヘフナー
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 デトロイト警察の刑事アクセル(マーフィ)の元に、ビバリーヒルズ警察のローズウッド刑事(ラインホールド)とタから連絡が入った。宝石店が武装組織に襲われ、現場に向かったアクセル旧知のボゴミル刑事部長(コックス)が何者かに撃たれて重傷を負ったというのだ。しかもビバリーヒルズ警察の対処がおざなりに過ぎるため、規則を無視してアクセルに連絡を入れたのだ。単独ビバリーヒルズ入りしたアクセルはローズウッドとタガート巡査部長と合流し、早速調査を開始する。
 マーフィの出世作となった『ビバリーヒルズ・コップ』(1984)の大ヒットを受けて製作された続編で、
1987年全米興行成績1位。刑事物がこれだけのヒットを記録するのは珍しいのだが、これもマーフィの話芸のなせる技であろう。
 物語は無理がありすぎる設定とご都合主義の物語が展開するのだが、続編の強みを存分に活かし、爽快感の高い話に仕上がっている。何より、設定上の無茶ぶりが、さくさく進んでいく展開とマーフィの巧みな話術の前にかすんでしまう。そんな錯覚を起こさせることが本作の目的。結果的に素直に楽しんで観られるならそれでOK。派手な上にとぼけたギャグも多く、笑いながら観ていることが出来る。2作目にアクション主体のスコット監督を持ってきたのは成功だった。
 前作に続き、アフリカ系住民が多数住んでいるデトロイト出身者がワスプのセレブが住む高級住宅地へと紛れ込んでしまった。そのカルチャーギャップが描かれる訳だが、流石に二本目となると、逆に自分の流儀をこの町の中で押し通すようになっていくようになり、自分の常識で物事を判断し、時に相手を叱りとばすような描写も出てくる。セレブの町を逆に食ってしまうマーフィの姿に拍手を送ろう。
本作のヒットの一つの要因はそこにあると思うし。
トップガン 1986
1986アカデミー主題歌賞、音響効果編集賞、編集賞、録音賞
1986ゴールデン・グローブ歌曲賞
<A> <楽>
ジム・キャッシュ
ジャック・エップス・Jr(脚)
トム・クルーズ
ケリー・マクギリス
ヴァル・キルマー
アンソニー・エドワーズ
トム・スケリット
マイケル・アイアンサイド
ジョン・ストックウェル
バリー・タブ
リック・ロソヴィッチ
ティム・ロビンス
ジェームズ・トルカン
メグ・ライアン
エイドリアン・パスダー
クラレンス・ギリヤード・Jr
ウィップ・ヒューブリー
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 カリフォルニア州ミラマー海軍航空基地にはエースパイロット養成学校、通称“トップガン”がある。天才的飛行術を持つパイロットのピート・ミッチェル通称“マーヴェリック”(クルーズ)はその中でもトップクラスの腕を持っていたが、彼のスタンドプレーは時としてパートナーを危機に陥れることもしばしば。ライバルのアイスマン(キルマー)は、彼の型破りな操縦を無謀と指摘する。その一方で、マーヴェリックは新任の女性教官チャーリー(マクギリス)に心奪われていく…
 
1986年全米興行成績1位
 はっきり言えること。音楽は良かった。空戦もそこそこ良かった。
 それ以外に何が良かったのだろう?思い出せない。クルーズの色気か?
そんなもん犬にでも食わせてしまえ。
 大体、ストーリーだってあんまりにもパターン過ぎて碌なもんではなく、正直、後で出た
『ホット・ショット』(1991)に喝采を送ってしまった記憶があるし、実際パロディの方がなんぼか完成度高かった気さえする(これだって駄目映画だけど)。善悪が明確すぎる作品なので、どんなに主人公が無茶苦茶でも、なんの悪ぶることもなく「俺は正義だ」と体全部で主張されるのは気持ち悪い。
 たまたまこれが
『愛と青春の旅立ち』(1982)と併映だっただけに(しかもそちらの方を先に観た)、この作品の碌でもなさは増幅して私に襲いかかり、『愛と青春の旅立ち』の余韻さえ奪ってくれたと言う恨みしか残っていない。
 この作品によって、トム・クルーズは私にとっては「碌でもない役者」の筆頭となった。実際、このイメージが固定してしまい、彼が出た映画全てに嫌悪を覚えるようにさえなってしまった。ようやく
『アイズ・ワイド・シャット』(1999)  『マグノリア』(1999)を観てクルーズの演技者としての努力を感じるようになった訳だが…
 ただアメリカでは本当に大ヒットし、この映画を観て軍隊に志願する若者が急増したらしい。期せずして米軍のPR映画にもなっていたのだろう
(海軍全面協力で作られたが、後にプロデューサの元には海軍から110万ドルの請求書が来たらしい)
 ちなみに、本作の候補に挙がった監督で、何故かジョン・カーペンターの名前がある。もしカーペンターが本作作っていたら、もの凄くとんでもない、そしてもの凄く楽しいものが出来たと思う…反面こんなにヒットはしなかっただろうけど。
ハンガー
<A> <楽>
リチャード・A・シェファード(製)
アイヴァン・デイヴィス
マイケル・トーマス(脚)
カトリーヌ・ドヌーヴ
デヴィッド・ボウイ
スーザン・サランドン
クリフ・デ・ヤング
ダン・ヘダヤ
ジェームズ・オーブリー
ベッシー・ラヴ
アン・マグナソン
ソフィー・ウォード
ウィレム・デフォー
スザンヌ・バーティッシュ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 デヴィッド=ボウイとドヌーブの共演が話題になった吸血鬼映画。ドヌーヴはレズビアンの吸血鬼役
製作年 1983
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
リチャード・A・シェファード (検索) <A> <楽>
歴史地域
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