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サム・メンデス
Sam Mendes

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<楽天>

鑑賞本数 合計点 平均点
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍

_(書籍)

_(書籍)
2020
2019 1917 命をかけた伝令 監督・製作・脚本
2018
インフォーマー/潜入スパイ
<A> <楽> 製作総指揮
2017
2016
2015 007 スペクター 監督
2014 ナショナル・シアター・ライヴ2014/リア王 演出
ペニー・ドレッドフル 〜ナイトメア 血塗られた秘密〜(1st~3rd)
<A> <楽> 製作総指揮
2013
2012 007 スカイフォール 監督
ランズエンド -闇の孤島- 製作総指揮
2011
2010
2009 お家(うち)をさがそう 監督
2008 レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで 監督・製作
悲しみが乾くまで 製作
2007 君のためなら千回でも 製作総指揮
2006
2005 ジャーヘッド 監督
2004
2003
2002 ロード・トゥ・パーディション 監督
2001
2000
1999 アメリカン・ビューティー 監督
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965 8'1 バークシャー州レディングで誕生

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1917 命をかけた伝令
1917
2019放送映画批評家協会撮影賞、編集賞、作品賞、監督賞、美術賞、視覚効果賞、音楽賞、アクション映画賞
<A> <楽>
サム・メンデス
ピッパ・ハリス
ジェイン=アン・テングレン
カラム・マクドゥガル
ブライアン・オリヴァー
ジェブ・ブロディ
オレグ・ペトロフ
イグナシオ・サラサール=シンプソン
リカルド・マルコ・ブーデ(製)
サム・メンデス
クリスティ・ウィルソン=ケアンズ(脚)
ジョージ・マッケイ
ディーン=チャールズ・チャップマン
マーク・ストロング
アンドリュー・スコット
リチャード・マッデン
クレア・デュバーク
コリン・ファース
ベネディクト・カンバーバッチ
ダニエル・メイズ
マイケル・ジブソン
エイドリアン・スカーボロー
ジェイミー・パーカー
リチャード・マッケーブ
ナブザン・リザワン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 第一次世界大戦末の1917年。膠着状態だった西部戦線からドイツ軍が撤退を始めた。それを受け大攻勢をかけようとするイギリス軍だが、それは罠だと分かった。足の速さを見込まれたスコフィールド(マッケイ)とブレイク(チャップマン)は上層部から最前線にその事実を知らせる命令を与えられて送り出された。時間的には余裕があるものの、つい先日までドイツの支配地域を突っ切るコースを取らざるを得なくなった二人。危険な徒歩の旅が開始される。

 映画史において第一次大戦を主題にした作品は数多くある。映画が誕生してほどなくして起こった戦争と言うこともあってか、記録映画として作られたものから、戦争そのものを描くもの、戦火の恋愛を描くものなど、かなり多岐にわたるが、第二次大戦と較べると、戦争そのものよりも人間ドラマの方に重点を置いた作品の方が多い。
 だから一次大戦の戦闘部分を強調した作品が意外に少なく、これを映画化すれば名作ができる確率高いと常々思っていたのだが、なかなかそれができない。近年ではワンダーウーマン(2017)で第一次大戦を描いていたが、これはSFだし、本当の意味でリアルな作品とは言いがたい。
 そんな中でリアルな第一次大戦を、メンデス監督が作ってるという情報は朗報だった。リアリティも高そうだし、いくつもの賞にノミネート。なかなかに期待度が高まっていた。
 そんな訳で期待度は高かったし、実際それに見合うだけの内容は持っていた
 基本的に本作は長回しのみで撮影され、擬似的な丸々一本分の長回しで構成される作品になってる。ほんものの長回しでないのは、劇中で主人公の意識が飛んで時間が跳んでいることもあるが、巧妙に暗闇を用いて切れ目を入れていることからも分かる。ただ、それをカメラの上手さでしっかりカバーしていて、その撮影は大変面白い(撮影風景の動画がネットで流れていたが、とんでもない苦労して撮影してるのが分かって、ソフトの特典が楽しみでもある)
 同じく擬似的な長回しを用いてオスカーを取ったバードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014)のように本作もかなり良いところ行くのではないか?という思いもあったが、いくつか映画的には足りない部分もあった。
 一つには、撮影に力が入りすぎていて、ドラマ部分が少々弱かったこと。意外性もないし、淡々と進む物語に、もうちょっとひねりがほしいと思ってしまう。骨子が単純だからこそ、どこかで意外な部分を作って驚かせてほしかった。撮影の個性よりもそっちの方に力入れてほしかったかな。
 あとは、折角の戦争映画なのに、実際の戦闘はほとんど描写してないのが問題点。主人公スコフィールドは何人かのドイツ兵とも戦ってるけど、それはあくまで個人的なやりとり。戦争の描写は爆撃行われてることくらい。軍隊としてのドイツ兵が不在なのでちょっと盛り上がりに欠ける。
 前半部で菱形戦車の残骸が出てきたが、これも動いてほしかったし、第一次大戦時の空中戦がもうちょっと観たかった。空中から地上に対する攻撃とかも第一次大戦ならではのものがあるので、そっちを描いてほしかった。
 第二次大戦と第一次大戦では戦い方や兵器に大きな違いがあるので、そこを強調して第一次大戦ならではの描写があって然りなのに、そこが弱いところが問題点だった。観たいものが観られないのが少々ストレス溜まる。

 演出自体は目を惹くし、作品自体も概ね満足いく。だからもっと踏み込んだ物語性がほしい。
製作年 2019
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域 1917'3 ドイツ軍によるアルベリッヒ作戦発動
関連
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
007 スペクター
2015米アカデミー歌曲賞
2015日本アカデミー外国作品賞
2015ゴールデン・グローブ歌曲賞
<A> <楽>
マイケル・G・ウィルソン
バーバラ・ブロッコリ
カラム・マクドゥガル(製)
ジョン・ローガン
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ジェズ・バターワース(脚)
ダニエル・クレイグ
クリストフ・ヴァルツ
レア・セドゥ
ベン・ウィショー
ナオミ・ハリス
デイヴ・バウティスタ
アンドリュー・スコット
ロリー・キニア
イェスパー・クリステンセン
ステファニー・シグマン
モニカ・ベルッチ
レイフ・ファインズ
アレッサンドロ・クレモーナ
ジュディ・デンチ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第24作
007 ジェームズ・ボンド全仕事
俺たちの007(書籍)
 MI6を無視してメキシコで凶悪犯スキアラを暗殺するジェームズ・ボンド(クレイグ)。新しいM(ファインズ)に呼び出され、職務停止を言い渡されてしまうのだが、その当のMI6自体が、国家安全保障局によって解体の危機にさらされていた。実は先代M(デンチ)により、密命を受けていたボンドだが…
 新ボンドとなったクレイグによる4作目の007
 さて、この作品をどう称すれば良いのだろうか…
 これについて語るのは、実はかなり自分自身に対する不明を告白することになってしまう。
 クレイグ=ボンドシリーズが始まって以来、何人かの友人と「本来の007とは…」という話をしてきたのだが、その中で私が強く主張したのは、007は他のスパイ映画とは異なる部分だった。そこにあるのは、ある種のファンタジーであり、極端に誇張された格好良さという部分。ボンドには基本的にリアリティはいらないし、どんな危機に陥っても余裕を持ってほしいし、時にコミカルな言動を。という部分を求めるべきであるという部分。どっちかというと初代コネリー=ボンドよりもムーア=ボンドの方に思い入れが強い(これに関しては過去『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)で日本人はコネリー=ではなく、ムーアの方をボンドと思いがちと揶揄するシーンがあったが、あれはまるで自分のことを言われているようで結構グサッと来たもんだ)。勿論スパイ映画は常に変化し続け、発展している。それらの会話の中でも、ボーンシリーズのように、非常にシリアスで緊張感のある作品もあって、それはそれで良い発展をしていって欲しいものだが、007は、それらを多少取り込むことがあっても、基本路線をぶれさせてしまったら駄目になると思いこんでいた。
 『慰めの報酬』(2008)でボンドが絶望に陥ったシーンは観たくなかったシーンの一つ。だからその時点で、シリアス路線のクレイグ=ボンドは駄目かな?と思っていたくらい。
 そんなもんで、実は前作『007 スカイフォール』は、昔からのボンドを彷彿とさせてくれたために結構お気に入りだったりもする。その系統で作ってくれたら良いと思っていたし、タイトルに「スペクター」が付く以上、ボンドのライバルであるブロフェルドも出るだろうし、なんだか、これはとても楽しみな作品になっていた。

 そして、まさしく私が望んだ通りの物語が展開してくれた。先ほど私が挙げたいくつかの項目は全てクリアし、ダンディズム溢れる、魅力詰まったボンドの姿がそこにはあった。特にオープニングの長回しシーンなんかは、カット割り中心の現代スパイ映画とは隔絶する、本当にボンドの格好良さを強調するシーンだったし、アクロバティックなアクションシーンもあったし、ローテクなカーチェイスシーンもあり、ライバルとしてのブロフェルドの存在感もしっかりしていた。

 …はずなのだ。
 これだけ私の望んだボンドの姿がありながら、観ていながら、
どんどん気持ちが醒めていく自分自身。観進めていく内に、苛々が募る。
 何というか、あれほど待ち望んでいたボンドの姿が、過去の作品の良い部分のツギハギだらけに見えてしまう。形骸化したボンドをなぞるだけに見えてしまって、なんだか観てる内に悲しくなってきた。

 一体何が悪かったのか、と言うか、
一体私は本当にこれを観たかったのか?と言う根本的な問題に苛まれる結果になってしまった。打ちのめされた。

 …強いて言うなら、私が本当に観たかったのは、“古いボンドの姿を残したまま、全く新しく魅せてくれるボンドの姿”と言えるのだろうか。望みすぎなのかもしれないけど、そんな作品が出来る事を心待ちにしつつ、次作を待つことにしよう。
007 スカイフォール
2012米アカデミー歌曲賞、音響賞、撮影賞、作曲賞
2012英アカデミー作曲賞、英国作品賞、
助演男優賞(バルデム)、助演女優賞(デンチ)、撮影賞、プロダクションデザイン賞、編集賞、音響賞
2012
日本アカデミー外国作品賞
2012LA批評家協会撮影賞
2012
シカゴ映画批評家協会撮影賞
2012ゴールデン・グローブ歌曲賞
2012放送映画批評家協会歌曲賞、アクション映画賞、アクション映画男優賞(クレイグ)、
助演男優賞(バルデム)、助演女優賞(デンチ)、撮影賞、アクション映画女優賞(デンチ)
2012
サテライト助演男優賞(バルデム)、作品賞、監督賞、助演女優賞(デンチ)
2012リサ・シュワルツバウムベスト8位
2013MTVムービー・アワード格闘シーン賞、悪役賞(バルデム)、シャツなし演技賞(クレイグ)、とんでもシーン賞
<A> <楽>
バーバラ・ブロッコリ
マイケル・G・ウィルソン
カラム・マクドゥガル(製)
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ジョン・ローガン(脚)
ダニエル・クレイグ
ハビエル・バルデム
レイフ・ファインズ
ナオミ・ハリス
ベレニス・マーロウ
アルバート・フィニー
ベン・ウィショー
ジュディ・デンチ
ロリー・キニア
オーラ・ラパス
ヘレン・マックロリー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第23作
007 ジェームズ・ボンド全仕事
俺たちの007(書籍)
 NATOのスパイリストが何者かによって盗まれた。早速MI6エージェントが派遣され、ジェームズ・ボンド(クレイグ)は犯人を追いつめた。だが作戦は失敗に終わり、ボンドは行方不明となってしまう。更にボンド不在のMI6で爆弾事件が起こり、M(デンチ)は窮地に陥ってしまった。窮地に立たされたMの前に、ついにボンドが現れる…
 かつて日本でも大いに受け、こどもの頃は特にテレビ放映で興奮しながら007を観ていた(この当時は「ダブルオーセブン」ではなく「ゼロゼロセブン」と言っていたし、このほうがしっくり来る)。私の記憶に残るジェームズ・ボンドはロジャー・ムーアの方だったが、その後随分時が経ち、十年ほど前だったか、衛星放送の一気放送で最初から全部観直して、再び007大好きになっていった。
 私にとっては、やはり最初の記憶が強いのだろうけど、ショーン・コネリーとロジャー・ムーアのボンドが強く刷り込みがなされているようで、ボンドはどこか茶目っ気があって、ダンディで、どんな危機に陥っても、次の瞬間には何事もないように、むしろ一瞬前の危機を完全に忘れきったように女性を口説くようなボンドの姿が理想と思っている。
 この姿は他の
どんなヒーローが真似しても駄目。ボンドだからこそこれをやって良い。そんな風にも思っているし、結局それが私が007に求めているところとも言える。
 そりゃ、それだけで物語が作れないのは分かるし、単なるマンネリズムに陥る危険性もある
(実際このマンネリズムに陥っている作品も何作かあるのも事実)。だから、新機軸のボンドの姿を観ても、「これはこれであり」とは思っている。
 その意味で新機軸となったクレイグ=ボンドだが、これはいろんな意味で既存のボンドの姿を破壊していった。ボンドの極めて人間的な側面を強調し、生身のアクションもリアリティあるものとなっていた。その姿、前々作『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)、前作『007 慰めの報酬』(2008)を観ても、
「これはこれであり」とは思う一方、やっぱりしっくりしないものを感じてもいた。特に前作のあまりにリアルに苦しむボンドの姿を観てしまうと、「なんかちょっと違うよな」という思いにさせられてしまった。
 人間的な苦悩を抱えたボンドの姿は、新機軸と言うより、当時受け入れられていた
『ボーン』シリーズのリアリティを受けてのことかとも思うのだが、そのリアリティがなんかしっくりこない。ボンドは真似られてもいいけど、真似をしては駄目だろう。という、ちょっとした幻滅も感じていたものだ。

 それで、クレイグ=ボンドは私にはあんまり合わないのか?と思っていた矢先に新作のトレーラーを観て、考えを一気に変えた。
予告だけで分かる。これはダブルオーセブンじゃない。これぞゼロゼロセブンと言うにふさわしい作品になると。
 もう期待度満点。無い時間を無理矢理作って劇場へと向かい、そして、もう本当に大満足。
 
これよ。これこそがボンドよ。クレイグのはまり具合も、アクションも、意外性のある物語も、ちゃんとギミックを使いきるガジェットの数々も。何より全編通して不敵なボンドの姿に痺れる!
 最初のアクション部分で命がけの一瞬を通り越えたとき、着衣の乱れを直す一瞬があった時、運を天に任せているとしか思えない行動を取った時、命がけのミッションに向かう時でも女性エージェントに一度軽口を叩いてから出かける時、絶対的自信を持って無言で女性に近づく行動、凍った沼に落ちてびしょ濡れになっても、次に現れるときはスーツをぴったり着こなしている時。一々「これがボンドだ」と思わせてくれる。
 そして敵もちゃんと明確にしてくれるのもシリーズらしさ。今回のバルデムは完全にイッちゃったキャラだが、損得勘定無視して無茶苦茶やるからこそ敵っぽくて良い。
 言ってしまえば、
頭から尻尾まで全部アンコが詰まった鯛焼きのようなもので、これこそ「ゼロゼロセブンだ」と思わせてくれる作品と言っていい。
 監督もそれをよく知っていたのだろう。きっちり「これぞボンドだ」という造形で作り上げてくれている。これはシリーズの中でもコネリーの『007 ドクター・ノオ』(1962)『007 ロシアより愛をこめて』(1963)および『007 ゴールドフィンガー』(1964)からの引用が多く、シリーズを通してのファンだったらニヤニヤできる部分が数多く含まれているが、それも計算の内だろう。

 …と言うことで、本当に大満足な作品だったのだが、敢えてその中で苦言を呈してみる。

 これは英語の読解力があれば問題ないことなのだが、まず
字幕が酷すぎた。過去シリーズにあった言葉の使い回しや、その引用を全く無視して訳しているので、それだけでイライラしてくる。ボンド特有のコミカルな言い回しをジョークを解さずに訳してるので、字幕だけ観てるとボンドの口調が固すぎるのだ。
 一番腹が立ったのは、劇中Mi6の成立がアイルランド紛争の中で生まれたことを簡約に巧く説明しているのに、歴史を全く無視して訳しているため、何がなんだか分からない説明になってしまっているところ。説明が少ない作品だけに、この部分の重要性に全く気づいてなかったんだろうな。思い返す度にムカムカする。

 それと、先に敢えて否定的に書いたことで恐縮だが、前々作、前作と続いてきたリアリティ溢れる設定を
全部無視したのが正しかったのかどうか。特に前作ラストで新しい敵、しかもそれは個人ではなくネットワークとしての敵の存在が暗示されていたが、それが完全に無視されたことが残念だった部分もあった。物語の都合上、それは引き継げないと判断したのかもしれないが、明確な敵を出してしまったことによって、物語がぶつ切りになってしまったのが、ちょっとだけ残念とも思う。
 無い物ねだりというのは分かってるけど、ここはもっと深くつっこんでほしかったかな?

 シリーズとしての007としては大正解。しかし新しいクレイグのボンドとしては番外編と言ったところだろうか?
 さてそうなると、次の作品はどうなっていくやら。『007 慰めの報酬』の続編として、ハード路線となるのか、それとも観客受けを狙い、本作の系統を続けていくのか。希望としてはその融合したものだが。
 まだ気が早いかな?
レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで 2008
2008米アカデミー助演男優賞(シャノン)、美術賞、衣装デザイン賞
2008
英アカデミー主演女優賞(ウィンスレット)、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞
2008セントルイス映画批評家協会主演女優賞(ウィンスレット)

2008ゴールデン・グローブ女優賞(ウィンスレット)、
作品賞、男優賞(ディカプリオ)、監督賞
2008映画俳優組合賞主演女優賞(ウィンスレット)
2008ロジャー・エバートベスト
2008
ピーター・トラヴァース第6位
2008アメリカ映画俳優組主演女優賞(ウィンスレット)
<A> <楽>
ボビー・コーエン
ジョン・N・ハート
サム・メンデス
スコット・ルーディン
ヘンリー・ファーネイン
マリオン・ローゼンバーグ
デヴィッド・M・トンプソン(製)
ジャスティン・ヘイス(脚)
レオナルド・ディカプリオ
ケイト・ウィンスレット
キャシー・ベイツ
マイケル・シャノン
キャスリン・ハーン
デヴィッド・ハーバー
ゾーイ・カザン
ディラン・ベイカー
ジェイ・O・サンダース
リチャード・イーストン
マックス・ベイカー
マックス・カセラ
ライアン・シンプキンス
タイ・シンプキンス
キース・レディン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
家族の終わりに <A> <楽>
リチャード・イェーツ (検索) <A> <楽>
ジャーヘッド 2005
<A> <楽>
ルーシー・フィッシャー
ダグラス・ウィック
ボビー・コーエン
サム・マーサー(製)
ウィリアム・D・ブロイルズ・Jr(脚)
ジェイク・ギレンホール
ピーター・サースガード
ルーカス・ブラック
クリス・クーパー
ジェイミー・フォックス
ブライアン・ケイシー
ジェイコブ・バルガス
クリスティン・リチャードソン
エヴァン・ジョーンズ
ジェームズ・モリソン
デニス・ヘイスバート
ジョン・クラシンスキー
ジョッコ・シムズ
ブライアン・ジェラティ
デンドリー・テイラー
スコット・マクドナルド
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
ジャーヘッド-アメリカ海兵隊員の告白 <A> <楽>
アンソニー・スオフォード (検索) <A> <楽>
 海兵隊に入隊したアンソニー=スオフォード(ギレンホール)は、虐待とも取れる手痛い訓練を経るうち、サイクス曹長(フォックス)にその才能を見出され、最も危険な任務の一つ斥候狙撃兵に選ばれるのだった。訓練が終わったスオフォードの耳にクウェートにイランが侵攻したというニュースが入る…尚、主題の“Jarhead”とは海兵隊の髪型が瓶(jar)に似ているから、愛称として呼ばれていることから。
 このところハリウッドは戦争を主題にした映画が割と増えてきているが、本作は現時点では珍しい湾岸戦争物。映画とは世相をよく反映するもので、特に戦争を描いた作品に関しては、その戦争をどう消化しているのかでその国の思いというのが分かると思っている私としては是非抑えておくべき。と言うことで拝見。
 ようやくアメリカも湾岸戦争を消化し始めていることが何となく伝わってきた。これをエンターテインメントとするにはまだ時間はかかりそうだけど、もうあのショックからは大分立ち直ってきているようだ
(イラク戦争が現時点で進行中だから、否応もなく過去に押し込めているのかも知れないけど)
 映画として見るならば、少なくとも本作には私が求めているものはほとんど入っていたのは確か。ただ、その入っていたものというのがなあ…私が観たかったというか、私が現代戦争ものの中に求めているのは、『フルメタル・ジャケット』(1987)『地獄の黙示録』(1979)に表される戦争の狂気であり、『ディア・ハンター』(1978)に見られる虚しさだった…少なくとも間違いなくこれらの映画をよく抑えて入れている
(これに関してはほとんどの人の同意を得る確信がある)…入れてるんだけど、あんまりにも直接的すぎやしないか?ここまで嫌みったらしく過去の映画を挿入するか?ここまでやるとさすがに引くぞ。
 あくまで戦場での日常生活を描くことに特化させたのは評価部分。異常なシチュエーションでも人間は食べねばならないし、排泄もする。性欲ももてあます。その辺の描写が巧くまとめられて多のは嬉しい。こういう描写がある戦争映画ってなかなか無いもので。それにあのトイレの掃除は私が昔神戸でボランティアやってた時のことを思い出させてくれたよ。人間にとって大切であり、誰もそれをやりたがらないからこそ、遅れてボランティアに来た私の仕事はメインがトイレ掃除だったもんで
(あの時は「私はこんな事をしに来たんじゃない」とか思ってたけど、今にして思うと貴重な体験だったと思う)。ただ、その辺の描写が淡々としすぎていて、ちょっと眠気を覚えてしまったところがあり。
 キャラクタで考えるなら、今ノリに乗ってるギレンホールが主人公というのは良いチョイス。純粋な意味でのヒーロー役があまり似合わない分、日常描写には映える人だと再認識。脇に回ったフォックスが又良い役を演ってる。この人も貫禄出たね。
ロード・トゥ・パーディション 2002
2002米アカデミー撮影賞、助演男優賞(ニューマン)、作曲賞、美術賞、音響効果賞、音響賞
2002英アカデミー撮影賞、プロダクションデザイン賞、助演男優賞(ニューマン)
2002ゴールデン・グローブ助演男優賞(ニューマン)
2002放送映画批評家協会作品賞、助演男優賞(ニューマン)、若手俳優賞(ホークリン)
2002キネマ旬報外国映画第1位
2002
TIMEベスト第4位
2002オンライン・ムービー・アワード第13位
<A> <楽>
サム・メンデス
ディーン・ザナック
リチャード・D・ザナック
ジョーン・ブラッドショウ(製)
デヴィッド・セルフ(脚)
トム・ハンクス
ポール・ニューマン
タイラー・ホークリン
ジュード・ロウ
ダニエル・クレイグ
スタンリー・トゥッチ
ジェニファー・ジェイソン・リー
ディラン・ベイカー
リーアム・エイケン
シアラン・ハインズ
ケヴィン・チャンバーリン
ダグ・スピヌッザ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1931年アイルランド系ギャングの殺し屋マイケル=サリヴァン(ハンクス)は、父親のような存在であるルーニー(ニューマン)の片腕として働いていた。だが、ルーニーの息子コナーにより、家族が殺されてしまう。生き残った長男マイク(ホークリン)と共に復讐を誓うマイケルだったが、マイケルが生きていることを知ったルーニーは既にマグワイア(ロウ)という刺客を差し向けていた…
 ギャングものは結構好き。なんと言っても『ゴッドファーザー』(1972)が凄いけど、それ以外にもやっぱりパチーノ主演の『スカーフェイス』(1983)とか、デ・ニーロの
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)とか。『アンタッチャブル』(1987)もあったな。名作が多いから結果的に観てるのかな?
 ギャングものの面白さは日本の任侠映画にも多少通じるのだが、掟と言うのがまずあって、時にそれに抗い、時にそれを利用して目的を果たす。と言うのが好き。
前提条件として主人公に不自由を与えているからこそ、映える作りがある
 本作品もその辺はちゃんと分かってはいるようだ。だけど、掟よりもむしろ家族愛とか、親子の絆の方を前面に出してしまったため、それはかなり弱められてしまい、強烈にそれを感じると言う程ではなかった。
ギャングものの一番大切なところ、楽しいところを強調しないとは勿体ない作りだ
 それで前面に出るのが親子の絆だが、何となく、この時代設定じゃなくても別に問題ないような気がする。仮に舞台を現代に置いても作りそのものはあんまり変えなくて済みそう。ハンクスは事ある毎にインタビューで
「今度は悪役」と強調してたけど、描き方は決して悪人じゃなかったし。
 アメリカン・ヒーローの特徴として、弱者を守る、その中でも特に家族は絶対的なものであり、家族を害するものは絶対に許さない。と言う典型的パターンがあるのだが
(それで良い作品も勿論あるけど、パターンが分かりすぎる)、まさにハンクスのやっていることはそのまま。結局“悪人”ではなく、単純な“ヒーロー”になってしまったような…本人はそのつもりでも、あれを悪人として見る人はあんまりないんじゃないかな?実際全編通してワルには見えないもんな。
 あと久々に映画復帰のポール=ニューマン。凄く渋みが増していた。けど、彼じゃなきゃ出来ない役じゃないよね(何となくジョン=ハートとダブるんだけど、それは私だけ?)。殺し屋に扮するジュード=ロウはよく似合っていたと思うけど
(彼は色んな役を演じるけど、やや狂気を帯びた役が一番似合うと思う)
 役者も良いし、カメラ・ワークや効果も良い。だけど内容はベタベタのアメリカ人好みに仕上がったこの作品。本年度のオスカーを取れるかな?
取ったらアメリカの保守化はますます進んでいると考えるべきだろうな
アメリカン・ビューティー 1999
1999米アカデミー作品賞、主演男優賞(スペイシー)、、監督賞(メンデス)、脚本賞(アラン=ポール)、撮影賞。 主演女優賞(ベニング)音楽賞、編集賞
1999英アカデミー作品賞、主演男優賞(スペイシー)、主演女優賞(ベニング)、作曲賞、撮影賞、編集賞、助演男優賞(ベントリー)、助演女優賞(バーチ、スヴァーリ)、監督賞(メンデス)、オリジナル脚本賞、プロダクションデザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞、音響賞
1999全米批評家協会撮影賞
1999LA批評家協会監督賞(メンデス)
1999ゴールデン・グローブ作品賞、監督賞(メンデス)、脚本賞、男優賞(スペイシー)、女優賞(ベニング)、音楽賞
1999放送映画批評家協会作品賞、監督賞、脚本賞
1999ヨーロッパ映画インターナショナル作品賞
<A> <楽>
ブルース・コーエン
ダン・ジンクス(製)
アラン・ボール(脚)
ケヴィン・スペイシー
アネット・ベニング
ゾーラ・バーチ
ウェス・ベントリー
ミーナ・スヴァーリ
ピーター・ギャラガー
クリス・クーパー
アリソン・ジャネイ
スコット・バクラ
サム・ロバーズ
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 落ちこぼれサラリーマンのレスター(スペイシー)と物欲に溺れる妻との仲は冷え切っており、一人娘のジェーンからは毛嫌いされ、口も聞いてくれない。しかし、チアリーダーである娘の同級生に一目惚れした時、レスターの人生は一変した。一途なレスターは急に体を鍛え始め、仕事も辞めて快活になる。甲斐もなく純情な想いに周りの人間達は振り回されるのだが…
 前年は『恋におちたシェイクスピア』によってミラマックスに奪われたドリームワークスがオスカーを得る。
 アカデミー賞独占。この年のアカデミー賞はよく分からない。
なんでこれが?と言う感じ。
 無理にカテゴライズすれば、本作はシニカル・コメディという事になるのだろう。だけどそのシニカルさも今ひとつ伝わってこないし、結局スペイシーって演技上手いなあ。で終わってしまう。
 アメリカという国の現実を一家庭を通してみる作品なのだろうが、どうも乗り切れない。こういうタイプの作品は邦画であれば結構良作も見つかるのだが、アメリカでこれをやられると今ひとつ。と言う感じか。故に起伏も少なく、だからなんなの?としか思えなかった。多分アメリカという国をよく知っている人間こそが本当にこの作品を楽しめるのだろう。
 オープニングとラストだけは結構好き。

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