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2020 | ビューティフルドリーマー 監督 | ||||||||
2019 | |||||||||
2018 | フリクリ プログレ 総監督 | ||||||||
フリクリ オルタナ 総監督 | |||||||||
曇天に笑う 監督 | |||||||||
天火、ヤマイヌ(犲)やめるってさ 総監督 | |||||||||
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2017 | 亜人 監督 | ||||||||
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2016 | アニバーサリー 総監督 | ||||||||
ストレンジャー 〜バケモノが事件を暴く〜 監督 | |||||||||
2015 | 幕が上がる 監督 | ||||||||
世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP〜映画監督編〜 監督 | |||||||||
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2014 | PSYCHO-PASS サイコパス 総監督 | ||||||||
恋とオンチの方程式 製作 | |||||||||
2013 | |||||||||
2012 | 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 監督 | ||||||||
踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件 演出 | |||||||||
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2011 | |||||||||
2010 | 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 監督 | ||||||||
2009 | 曲がれ!スプーン 監督 | ||||||||
SP(エスピー)スペシャル アンコール特別編 総監督 | |||||||||
2008 | 少林少女 監督 | ||||||||
2007 |
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2006 | UDON 監督 | ||||||||
2005 | サマータイムマシン・ブルース 監督・製作 | ||||||||
交渉人 真下正義 監督 | |||||||||
逃亡者 木島丈一郎 製作 | |||||||||
2004 | |||||||||
2003 | 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 監督 | ||||||||
踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2 監督 | |||||||||
2002 | |||||||||
2001 |
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2000 | サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS 監督 | ||||||||
スペーストラベラーズ The Animation 監修・原案 | |||||||||
1999 | |||||||||
1998 | 踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間 監督 | ||||||||
踊る大捜査線番外編 湾岸署婦警物語 演出 | |||||||||
1997 | 踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル 演出 | ||||||||
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木曜の怪談'97 爆裂!分身娘 演出 | |||||||||
1996 | 友子の場合 監督 | ||||||||
7月7日、晴れ 監督 | |||||||||
世にも奇妙な物語 冬の特別編 演出 | |||||||||
新 木曜の怪談 サイボーグ Cyborg 演出 | |||||||||
1995 |
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1994 |
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1993 | |||||||||
1992 |
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1991 | |||||||||
1990 | |||||||||
1989 | |||||||||
1988 | |||||||||
1987 | |||||||||
1986 | |||||||||
1985 | |||||||||
1984 | |||||||||
1983 | |||||||||
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1980 | |||||||||
1979 | |||||||||
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1975 | |||||||||
1974 | |||||||||
1973 | |||||||||
1972 | |||||||||
1971 | |||||||||
1970 | |||||||||
1969 | |||||||||
1968 | |||||||||
1967 | |||||||||
1966 | |||||||||
1965 | 7'13 香川県で誕生 |
ビューティフルドリーマー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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先勝大学は翌日に控えた学園祭で盛り上がっていた。その中で特に何もすることがない映画研究会の部員サラ(小川紗良)は、前日に不思議な夢を見て、その夢の通り部室を探ってみると、そこには随分昔に映画研究会の先輩達が途中まで作ったという16ミリフィルムを発見した。「夢見る人」と題されたその作品を上映してみて、シナリオを読んだサラは、未完成のこのフィルムを完成させたくなっていく。研究会の中でも盛り上がり、ついに一般公募で俳優も募り、いよいよ映画制作が開始される。だが、その当時を知るタクミ先輩(斎藤工)は、この作品を作ろうとすると必ず恐ろしい事が起こって中断させられるのだと語る。 2018年だかに何人かの監督達が集まってほぼ自主製作で映画を作ろうという企画が持ち上がった。最初に挙げられたのが押井守と本広克行で、NHKで映画作りの様子もドキュメンタリーで公開されている。 そのドキュメンタリーで紹介されていたのは押井の方の『血ぃともだち』というもので、女子校を舞台にした吸血鬼との友情物語みたいなもので、てっきりそっちの方が先に公開されるだろうと思っていたのだが、案に反して最初の一本が本広監督の作品になっていた。 で、本作の事前リサーチだと、原案が押井守でタイトルが『ビューティフルドリーマー』。この二つのキーワードの組み合わせだと当然『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)(以下BD)リスペクト作品となるだろう。 この作品こそが私を映画好きにした重要な作品なので、当然これは劇場で観る必要がある。いや、それこそが私に課された義務だ!とまあ、自分の中で大盛り上がりで観に行った訳だが… なんだこれ。BDリスペクトどころか、まんまやん。 元々BDというのは実験的なアニメ作品で、数多くの面白い演出の数々が特徴的だった。 それを実写でやってみたら?と言うのが本作のコンセプト。実際にその撮影風景と、台詞回しまで全部一緒なので、なんだかノスタルジックさえ感じさせる。観てるだけでアニメの名場面の数々が脳内を駆け巡る。脳内光景と目の前の画面を重ね合わせて「ああ、やっぱりこれはこう撮るか」とか気分的には大盛り上がり。観てる間、どれだけ心動かされていたか。大満足である。 何というか、これはBD好きな人間に対しては言葉を尽くすより、一言、「万難を排して観ろ!」としか言いようがない。 ほんとに「観ろ!」と言うだけが全て。 でも、ついつい他のものも書いてしまう訳だが、本作は本広監督の人脈の広さというのを見せつけてくれたものでもある。おそらく全員ノーギャラ手弁当での出演だろうが、よく出たもんだ。 なるほど無名の女子ばかりを集めた押井作品とこちらとどちらを先に公開する?と聞かれたら、こちらと即答できるわ。それだけ豪華な俳優陣だ。 売りは勿論斎藤工と秋元才加だが、それ以外にも微妙に有名人が登場してる。例えばバイプレイヤーとしてはかなり有名な升毅がちょっとだけ登場してたりもするが、役者として登場する池田純矢(オリジナルのあたるに対応するアタリベツ役)は「海賊戦隊ゴーカイジャー」の伊狩鎧(ゴーカイシルバー)、「牙狼-GARO- 〜闇を照らす者〜」の蛇崩猛竜(炎刃騎士ゼン)として。飯島寛騎(オリジナルの面倒終太郎に対応するボンボン役)は『仮面ライダーエグゼイド』の宝生永夢(仮面ライダーエグゼイド)役として。特撮ヒーローとしてそれなりに知られた人が多い。そもそも秋元才加だって「牙狼」シリーズの映画『媚空-ビクウ-』(2014)の主役張ってるし、斎藤工は2021年公開予定の『シン・ウルトラマン』の主役である。なんとウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、牙狼のそれぞれのシリーズの主役級が登場してるという、知る人にとっては異様に豪華な俳優陣となっている。 |
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フリクリ プログレ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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自分の体が腐り落ちていく夢を観続ける少女ヒドミは、実生活では常にヘッドフォンを装着して他者とコミュニケーションを図らないよう行動していた。そんなある日、空から突然降ってきたジンユという女性と正面衝突したヒドミの頭には角のようなものが生えてくる。一方、ヒドミに思いを寄せるクラスメイトの井出の前に、ラハルと名乗る女性が現れる。 『フリクリ オルタナ』と同時製作され、二週間の時間をおいてほぼ同じく公開されたOVA「フリクリ」の続編作品。どちらも「フリクリ」と関わりのあるようなないような並行世界のような場所を舞台にした続編で、二つの作品に関わりはない。設定上、アイロンのような巨大物体がある世界で、頭部から怪物を生み出す青年を主人公にしたということと、トリックスターとして同じ顔をした女性が現れるところが共通している。 比較的ストーリーに整合性を持たせた結果、普通の出来になってしまった『オルタナ』よりもこちらの方がストーリーに脈絡がなくてオリジナル版に近い無茶ぶりを見せているところだろうか。 あと一応ラハル(ハル子)がどんな存在なのかということが暗示はされている。ここで登場するラハルはこれまで登場してきたハル子とは同じ意思を持った別個体であり、ハル子は自分自身を分裂させて様々な平衡次元に送り込んでいて、それは誰かと出会うためだったというものだった。その辺までくらい。 それが分かった事で、これまでの物語のいくつかの線がつながったが、評価出来るのはその辺だろうか。実験部分が消えた上でまとまりがないために作品自体がたいして面白くない。一般的な評価はともかく、まだ私は『オルタナ』の方が好ましいと思う。 演出もかなり控えめで、IGの上品で緻密な演出とは根本的に合わない。 総じて言えば、続編を作るべきでなかったとだけは言える。 |
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フリクリ オルタナ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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片田舎の高校で少しモヤモヤしながらも充実した高校生活を送っている四人の女子高生カナとペッツ、ヒジリー、モッさん。そんなある日、カナはピンク色の髪をしてベスパに乗ってきた女性と出会う。ハル子と名乗るその女性はなにかとカナにちょっかいを出してきて、そんなハル子に振り回されている内に、何故かカナの頭に角のようなものが生えてきた。 いくつもの傑作アニメを作ってきた旧ガイナックスの、やはり傑作の一本と言われるOVAシリーズ「フリクリ」の続編。ただし、制作会社はプロダクションI.G.に代わっている。 「フリクリ」はその実験的な作風は好き嫌いがはっきり分かれる出来だったが、実験的だったからこそ私もこの作品は好きである。 「実験的」というのは即ち監督の感性に負うところが多いという事。この作品は脚本榎戸洋司、監督鶴巻和哉という二人コンビこそ傑作になったとも言える。 逆に言えば、この二人の手から離れた時点でこの作品は形しか残らないということだ。いくら形を整えても、やっぱり違う。 「フリクリ」のとんがっていた部分はアニメーション描写の限界を超えようとしたところにあるだろう。元々オタク集団だったガイナックスは、その設立から実験的な作風で知られている。その実験性を極端に推し進めたのが「フリクリ」という作品だった。あたかも画面の枠を越えようとするかのようなパワーがあった。それが良くも悪くも大きな個性であり、その尖り方こそ「フリクリ」だったと言える。 対して本作の出来はどうだっただろうか? オリジナル版と較べると、ここでの地球は世界そのものが日常生活の中に巨大オブジェクトが置かれているようなシュールな光景になっており、更に地球の滅亡が迫っているという切実度があって、オリジナル版と較べるとストーリー性は高い。ハル子の活躍もグルグル動くし、見所はある。 実際一本の作品として観る限り決して悪い訳ではない。 ただ、これが「フリクリ」の名前を冠しているのが問題なのだ。なまじ実験アニメ「フリクリ」の真似をしてる分、劣化コピーに見えてしまうし、整った作りが嫌味にも見えてしまう。 結果として外側だけそれっぽい全く違った「フリクリ」が出来てしまったという訳だ。 今にして思うと、やるべきではなかった作品だったのだろう。 |
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亜人 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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PSYCHO-PASS サイコパス 2014 | |||||||||||||||||||||||||||
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踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 2012 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2012HIHOはくさい映画賞第6位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 2010 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2010映画芸術ワースト第9位 2010映画com.ワースト第1位 2010HIHOはくさい映画第6位 |
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曲がれ!スプーン 2009 | |||||||||||||||||||||||||||
2009HIHOはくさい映画最低主演女優賞(長澤まさみ)、特別功労賞(亀山千広) | |||||||||||||||||||||||||||
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少林少女 2008 | |||||||||||||||||||||||||||
2008映画芸術ワースト2位 2008HIHOはくさい映画作品賞 |
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UDON | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ニューヨークでの芸人を目指し、故郷香川から飛び出した松井香助(ユースケ・サンタマリア)は、夢敗れて多額の借金を背負って帰郷してきた。うどん製麺所の実家に転がりこみ、そこで地元の弱小タウン誌で働き始める。そこで彼は、編集部員の宮川恭子と2人でうどんをテーマにしたコラムを開始するのだが、これが大反響を呼び、日本中を巻き込むうどんブームへと発展していく… ヒットメーカー本広監督が今回選んだ題材は、なんとうどん。そもそも本広監督が香川県出身と言うことだからこそ通った企画だと思うのだが、ソウル・フードとしてうどんを取り入れたと言う英断にはまずは拍手を送りたい。 私が映画を観る際、結構重要視しているのが食べるシーン。それも気取った食べ方でなく、徹底した庶民的な視点から、安い食べ物をガツガツと詰め込むシーンが好き。更に好みを細かく言うのなら、麺類になる。麺類は基本的に気取った食べ方ができない。丼に顔突っ込んで音高くすすりこむのが麺類の特徴だから、一種の下品さがそこにはあり、ちょっとした背徳感もあるが、同時に最も庶民的な食べ物である。それなのにこう言う麺類を表立って出した映画と言うのはかなり少ない。ぱっと思い出す限りでは『タンポポ』(1985)を初めとするラーメンは結構あるが、他の食べ物は少ない。折良く今年は『立喰師列伝』(2006)の蕎麦もあったが、私が知る限りではうどんを主題に持ってきたのはこれが初めてのこと。これは快挙だと思う。 それに私は麺類が大好きで、休み休みではあっても蕎麦のコラムを書いてるが、実際はうどんも大好き。特に旅行で行って食べた讃岐うどんのおいしさは忘れられない思い出である。あんまりおいしいものだから、その時は半日で三食たべて気持ち悪くなったものだが(笑)、機会あれば又食べたいものだ…そう言うわけで、結構これは期待していた。 さて、それで出来であるが、特に演出面は素晴らしい。何よりうどんの描写が良い。シンプルな食べ物をいかにおいしそうに映すか、考え抜かれたカメラ・ワーク、一杯数百円の食べ物の、ほんの小さな差異を大事件のように騒ぎたてる現場の風景、そしておいしそうにうどんを啜りたてる面々の表情。庶民的な食べ物だからこそ味わえる良さを強調する作りはやっぱりうれしい。それに気の抜けたようなナレーションが妙にはまり、あくまでこの物語は日常の延長であることが強調され、小さな物語であることを何度も思い出させる作りとなっている。庶民的な食べ物だからこそ、こう言う演出は大切で、その辺よく分かっていらっしゃる。適材適所のキャラ配役も上手かった。本広監督の前作『サマー・タイムマシン・ブルース』からのキャラも出ていたりして、その辺の楽しみもあり。強いて言えば、主役のユースケ・サンタマリアの配役がはたして成功なのかどうか最後まで判断できなかったことくらいか? 後、マニアックな楽しみ方が多数出てきたのも嬉しい。元より本広監督は押井守の大ファンで知られるが、あのカモメの鳴き声の演出は、それだけでにやにやしてしまうし、所々まさに『立喰師列伝』そのものの演出まで入れるという凝りよう。更にオープニングでニューヨークが出てきた瞬間、「やってくれるか?」と思っていた「二つで充分ですよ」がしっかり劇中劇でやってくれて、期待を外さなかったことも嬉しい。キャプテンUDONや本広監督作品には必ず出てくるマスコット太郎君の存在感とか、細かい楽しみ方は色々見つけられそうだ。 ただ、その演出に耐えられるストーリーづくりか?と言うと、ちょっとこれは弱かった。前半と後半で完全に二極化された物語は、あまりに強引な展開だったし、2時間超の作品で話をまとめきれなかったのにはちょっと疑問が残る。もうちょっと一貫性あった方が良かったんじゃないかな?庶民的な物語だからこそ物語を軽くしてはいけなかったはずだ。それに、いくら協賛だからと言って、香川県で某社のカップうどんばかり出すのもなんだ。 しかし、こう言う素材で作られる余地がある邦画界は充分発展していけることを確信できたし、折角だから、うどんを世界中に紹介するために世界配信も可能なだけの出来に仕上がった作品であると思う。ソウルフードという観点は意外に盲点だったので、結構広がりも出てきそうだ…河崎実監督辺りが早速作りそうな気がする(笑) |
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サマータイムマシン・ブルース 2005 | |||||||||||||||||||||||||||
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交渉人 真下正義 2005 | |||||||||||||||||||||||||||
2005日本アカデミー主演男優賞(ユースケ・サンタマリア)、助演男優賞(寺島進) | |||||||||||||||||||||||||||
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警視庁初の交渉人となった真下正義警視(ユースケ・サンタマリア)はかつてのレインボーブリッジ封鎖事件の立役者の一人となり、それでつい得意になって自分自身をアピールしてしまった。それから1年。警視庁の交渉課準備室課長として、そしてクリスマス・イブの恋人の柏木雪乃とのデートの予定で大忙しの真下に、警視庁捜査一課管理官の室井(柳葉敏郎)から連絡が入る。“クモ”の愛称を持つ最新鋭実験地下鉄車両が何者かによって乗っ取られ、しかも都内各所で爆発事件が起こっている。そしてその謎の犯人が名指しで真下に挑戦状を叩きつけてきたというのだ。交渉課の必要性をアピールするチャンスだと室井に背中を押され、地下鉄管理センターへと向かう真下… 新世紀に入って邦画も随分質が上がった。これは皮肉ではなく、事実、演出面においてCGの使い方が格段に良くなったこともあり、予算の枠内でしっかりエンターテイメントが演出できている。特に本作の本広克行監督は前作『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』で実写の邦画興行成績歴代トップになった実力は伊達ではなく、本作でもそれは遺憾なく発揮されている。本作は最初から最後まで、笑わせる部分と緊張させる部分、盛り上げる部分をきちんとコントロールし、全編飽きさせない作品を作り上げてくれた。実際演出面だけに限って言うならば、ハリウッドの大作映画にも全く引けを取ってない。無茶苦茶な設定部分も、リアリティを排することによってスピード感を損なわないためだろう(これを端的に言えば、劇中何度も「クリスマスで都内は混んでる」と繰り返し語られたのに、木島刑事やSATは全く渋滞にぶつからず、真下も全く遅滞なくコンサート会場に行ったり、そこで犯人と遭遇したり)。これは監督の天性の感覚もあろうが、様々な映画を研究し尽くした結果だろう。実によく勉強してる。 ちなみに私がこの映画を劇場で観る気になったのは、予告を観た時、「きっとやってくれる!」と思えたから。監督はかつて「湾岸署は特車二課です」と言った事があったし、予告編で地下鉄の枝線の事を言ってた時に、これはきっと『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』(1993)の実写版をやってくれるはず。と言う確信があった。 それで本編を通して、そこらかしこに『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』の演出が詰め込まれているのを見られて、大満足。本作を楽しいと思われた方は、是非そちらの方もご覧になって欲しい。きっと「ああ、これか!」と思えるはずだ(他にもラストにボレロが用いられるのも某アニメで既に使われている)。 そう言うことで、演出面に関しては本作は見事とも言える作品に仕上がってる。 …が、しかし、本作には致命的な面がある。『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』でもそうだったが、設定面の無茶苦茶さはともかく、ストーリーが貧弱すぎる。演出に呑まれてしまうとあんまり感じないもんだが、ちょっと引いて見ると、あまりの物語のお粗末さに苦笑してしまうほど。あれだけ引っ張っておいて、犯人が最後まで生の声を出すことなく、単なる「オタク」というキー・ワードだけで実像が無いまま終わってしまうとは、ふざけが過ぎるんじゃないか?実像あってこその犯人でなければならないんだよ。 それにあの終わり方を見た時、『フォーン・ブース』(2002)やるんじゃないかと思ったけどねえ…次の作品でその実像が明らかになるのかも知れないから、そちらに期待しようか。 |
踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 2003 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2003日本アカデミー作品賞、主演男優賞(織田裕二)、助演男優賞(柳葉敏郎)、助演女優賞(深津絵里)、監督賞(本広克行)、脚本賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、録音賞、照明賞 2003毎日映画コンクール日本映画ファン賞 2003報知映画賞女優賞(深津恵里) |
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かつて空き地ばかりだったお台場も5年が経過し、湾岸署を含め、観光名所となっていた。ただし行っている業務はかつてと変わることなく地味なものばかり。そんな中で燃えるような事件がないとややクサっていた青島俊作(織田裕二)だったが、そんな折り、管内で連続殺人事件が勃発する。しかしこれは湾岸署の管轄とはならず、警視庁直々に捜査本部が置かれることになった。しかもその特捜本部長には初の女性キャリア沖田仁美(真矢みき)が就任する。室井慎次(柳葉敏郎)を従えて颯爽と登場した沖田は所轄の小さな事件よりもこの連続殺人の捜査を優先するよう厳命するのだが、権威を振り回し現場を知らぬ横暴なやり方に青島や同僚の恩田すみれ(深津絵里)、和久平八郎(いかりや)らは不満を募らせていく… 本作は人気テレビシリーズの映画化2作目で、邦画においてなんと1983年の南極物語(1983)以来破られることの無かった実写での興行成績記録(110億円)をとうとう抜き、さらに記録を更新中という華々しい記録を持った作品である(ちなみに邦画の興行成績のトップは実写ではなく千と千尋の神隠し(2001)で304億円、2位がもののけ姫(1997)の193億円)。 はっきり言ってその記録を見るまで、これはテレビでいいや。と思っていたのだが…やっぱ流行に弱いのか?私は(笑) で、出来について書かせてもらうが、とても悔しくなった。いや、ほんとに。 それで、のっけからキレさせてもらう。 なんじゃこの馬鹿げた作品は! こんなに金かけて、カメラ・ワークと言い、演出と言いテレビドラマそのまんまじゃねえかよ。カメラで面白かったのはオープニングとエンディング、それに冒頭の船のシーンくらい。肝心の劇中はまさにテレビと同じ手法でしか使われてない(精々レールを用いたカメラ・ワーク程度しか見るべきところ無し)。一作目の踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間ではカメラ・ワークの面白さで感心するところがいくつもあったのだが、本作にはそれが全くない。「なんでこのシーンをこんな勿体ない撮り方する?映画だろこれ!ああ、馬鹿なスローモーションの使い方しやがって」と映画館でぶつぶつ言っていたので、多分隣で観ていた人は相当迷惑したことだろう(笑) カメラが馬鹿なら設定も馬鹿。リーダーがない組織を「素晴らしい」と言われた時には頭がくらっとするくらいだったし(何のために組織というのがあるのかと言う観点が全く抜けてる。組織は官僚機構と言う弊害を持つにせよ、最も効率を良くしようとした結果できるんだ)、拳銃振り回してる犯人を武装警官が囲んでおきながらみすみす逃がしてるとか(大体所轄の警官に「拳銃を携行するな」と厳命しておいて特殊部隊を配置するという矛盾に気付かんのか?)、監視システムを署内にばらしまくってるとか。それに現場を無視する女性本部長の横暴さも、ここまでくるといっそ立派なほどのステロタイプ。犯人とっつかまえるために東京の一区画を封鎖するなんぞ恐ろしく馬鹿げたことを平気でやってくれるほどの阿呆ぶり。本部長が室井に移った途端、あっという間に事件が解決するって言う演出も単純この上なし。他にも食べ物を食べる姿にリアリティが欠如してるとか(これ、私にとってはとっても大切なことなんよ)、これ見よがえしに某清涼飲料メーカーや某コンピュータ検索会社のロゴが踊ってたりとかもあり。 もうざくざくこの辺は出てきてしまうが、あんまりやってるとあら探しが嫌みになりすぎるのでもう一つだけ。 すみれ(真矢みき)が撃たれた時、青島に「私から弾抜いてあいつに撃ち込んで」と言ってたけど、撃たれたシーン観る限り、弾は貫通してるから身体に残ってるはずないんだが… これはもう、馬鹿も馬鹿。泣きたくなるくらいの出来だ。 ところが、本作を観ていて悔しい思いをしたのはそんな点じゃなかった。 ここまで馬鹿やっていて、なおかつそれが分かっていて、観ている間、楽しかったと言う事実。 劇場映画を観ていてそれが面白いかくだらないか時計を見る時間で大体決める傾向があるが、本作で時計を見たのはなんと1時間半を過ぎていた。終わり近い。 マジで信じられなかった。こんな時間が経っていたなんて!馬鹿としか思えないこの作品を、何故こんなに飽きないでいられる?どうかしたのか俺?これだけ時間を気にしないなんて、よほどの良質作品でなければならないはずなんだぞ。 …思った以上に私はテレビの演出に毒されていたのか?それとも未知の何かの要素によって、引き込まれていたのか?正直、なぜあんなに引き込まれていたのか、理由が分からない。書いてる内に何か分かってくるかと思って敢えて即レビューをしてみたんだが…やっぱり分からないよお。 それがとてつもなく悔しい。 |
サトラレ TRIBUTE of a SAD GENIUS 2000 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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自分の考えが周囲の人に筒抜けの人間。彼らを称し、サトラレと言う。およそ一千万人に一人の割で生まれる彼らは例外なくIQ180以上の天才であり、それ故に本に7人しかいない彼らは国家によって厳重に保護されていた。その事実を彼らに告げることは、致命的であるため、誰一人自分がサトラレであることを知らないまま…新米外科医の里見健一(安藤政信)は薬学の方面において天才的な才能を持っていたが、あくまで臨床医にこだわる。そんな彼を監視するため、小松洋子(鈴木京香)が派遣されてきたが、迷惑なことに惚れっぽい健一が彼女に好意を持ち始めて… コメディタッチで描かれ、最後はホロリとさせる。こういう作品ってj実はとにかく苦手。とても劇場で観たいと思わない。恥ずかしいシーンの連続で身体中が痒くなるし、何より制作者の手にコロリと引っかかり、最後は泣いてしまうから。そんな自分が嫌だから、特にこういうタイプの泣けるであろう作品は劇場では観たくない。 それでこの作品、職場の先輩(女性)から「絶対に泣ける」と言われていたので、ツレが観たがっていたのを無理に断った経歴がある(「どうしても観たい」とツレが言うのを、無理言って違う映画にしたんだけど)。だって顔見られたくなかったんだもん。 それでテレビにて“一人で”鑑賞。 思った通り、前半はすっげー恥ずかしかった。たった一人の人間にあれだけ振り回される人間も、全てを知られ、シナリオ通りフラレ役を演じることになる健一の姿も、全て恥ずかしかった。身体がむず痒くなってたまらなくなっていた。 それでも折角だからと観続けて中盤。無人島のシーン。この辺りで、おや?と思う。これってあんまりに無駄なシーンじゃない?多分サトラレの悲しみを演出するための挿入であるとは思うが、こんなシーンを入れたのは一体どういう意味があるんだ? そしてラストに至る部分なのだが…とにかくくどい。悲しみの演出を長引かせるにしても、ここまで長引くといい加減ウンザリしてくるんだけど… 安藤政信、鈴木京香、そして八千草薫と、巧く演じていたし、概ねは巧い作りの作品だったから、好感も持てるんだけど…その分アラの部分が目立ってしまった感じ。 |
踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間 1998 | |||||||||||||||||||||||||||
1998日本アカデミー助演男優賞(いかりや長介、柳葉敏郎)、録音賞、話題賞(織田裕二)、作品賞、主演男優賞(織田裕二)、助演女優賞(深津絵里)、監督賞(本広克行)、脚本賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、編集賞 1998日本映画批評家大賞スターライト賞 1998毎日映画コンクール日本映画ファン賞 1998ヨコハマ映画祭脚本賞、第9位 |
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湾岸署を襲う事件又事件…警視庁副総監誘拐事件、インターネットを使った猟奇殺人事件、署内で起こった窃盗事件までが絡み、多忙を強いられる青島刑事(織田裕二)を中心とした湾岸署のメンバーたちの物語。 ちょっと前まで私は邦画、殊に80年以来のものが嫌いだった。芸術なのか文学なのか、どうにもそれが勘違いされてるんじゃないか?ってのばかりでどうにも気分悪し。 でも、そうやって拒否してる内に邦画はかなり進歩していた。今更になってそれが分かったのだが(いや、それ以前に80年代の邦画だって面白いものは結構多いことにも最近気付いてきた)、特にエンターテイメントは随分面白いのが増えてきていた。テレビがどんどん進化してたから、そっちの方面から映画に面白いのが流れていったんだな。 多分これがその突き詰めた形ってことになるんだろう。評価そのものはそれほど高くするつもりないけど、とても楽しめる作品だ。 作品そのものは細かい事件が複合的に絡まってくる構成で、一つ一つの事件そのものは小さなものに過ぎないけど、それが絡まってくると緊張感が出てくる。残念なのはそれを貫く事件というのも小粒だったため、ラストが弱かったってところか? それに本作で面白いのはなんと言ってもカメラ・アングルの凝り方。テレビでは時間や機材の問題で出来ない凝ったアングルが多用されるし、この辺りからデジタル処理された画面なんかが出てきて、これからの進歩も期待させられた。 テレビシリーズ未見というハンディがあるけど、キャラもそれぞれちゃんとはまっていたように思えるし。 小粒ながら、ピリッとしたところをしっかり持った好作ってところだね。 ただ、物語としてはちょっと疑問符も数多く出てくる。特にあの『天国と地獄』(1963)のパクリ方は嫌らしい。いかにもなパクリなのに、それを敢えて織田裕二に言わせることで、「これはパクリではなくジョークですよ」と言ってるかのよう。ここはもうちょっと捻るべきだった。 …後に分かったことだが、本広監督、押井守監督の大ファンだとのこと。事実監督本人が「湾岸署は特車二課です」と堂々と宣言してるくらいのはまり具合。それを知って、評価を一気に上げてしまった。実際この無茶苦茶に凝りまくった画面構成と言い、ケレン味と言い、確かに押井守の匂いがしてくるよ………気付けよ。俺。 |
タイトル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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