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31 |
映画 |
アンチャーテッド(2022) |
アメリカにあるバーでバーテンダーをしている青年ネイト(ホランド)は、ある日サリー(ウォルバーグ)という男と知り合う。サリーは自分はトレジャーハンターで、ネイトの生き別れの兄でやはりトレジャーハンターのサムのことを知っていると言う。サムはとあるお宝探しの途中で行方不明となったため、サムを探すために協力しろというのだ。サリーの言動に胡散臭さを感じつつも、これまで培ってきた自分の能力を発揮できる機会が与えられたネイトは自らもトレジャーハンターとなることを決意する。最初にその鍵となる黄金の十字架が出品されているオークション会場に向かうのだが、そこには同じお宝を狙う大金持ちのサンティアゴ(バンデラス)が現れる。
ゲーム原作を映画化作品で、新シリーズのスパイダーマンで頭角を現したトム・ホランドを主人公に、マッチョ俳優マーク・ウォルバーグをバディにした冒険作品。
まず謎を提示し、知恵を絞ってその謎を解き、そのためにアクションを行う。その繰り返しで徐々に真相に近づいていく。冒険映画としてはとても正しい作りの作品で、物語に没入できさえすればジェットコースターのように身を委ねて楽しむことが出来る。
その意味では楽しいが、多分私は完全な意味で楽しめてはいない。
理由は簡単で、主人公に思い入れがもてなかったから。原作のゲーム“アンチャーテッド”を一切やったことがないことも大きく、そもそもこの映画でゲームのことを知ったというレベルなので、キャラクターに思い入れが持てない。私的には『ナショナル・トレジャー』(2004)とたいして区別が付かなかったりもする。
ドキドキワクワクの冒険映画。丁々発止のやりとり。ダイナミックな演出。全てが高水準にまとまっているので見所はたくさんある。そういうのが好きな人には自信を持ってお薦めは出来る。ただ、最終的に記憶に残るのはキャラだったというのが面白いところだ。 |
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20話 |
デザイアグランプリから外れた五十鈴大智はデザスターではなかった。残った四人は新しいゲームに挑みつつ、デザスターを探ることとなるが、そのゲームは一般人の家庭にジャマトが果物を配り、その果物が爆発する前に解除しなければならないという時限爆弾ゲームだった。なんと景和の姉沙羅の元にも果物が届けられたと知る。
敵はバッファジャマト。ジャマト側の運営と手を組んだ道長が変身したジャマトライダー。長時間の変身は出来ないが、まだまだ強くなるらしい。
新しいゲームはジャマトが設置した時限爆弾を解除するというものだが、それは果物の形をして一般人の家庭に送られるというのがなかなかに凶悪。
爆弾の解除には赤のコードと青のコードのどちらかを切らねばならないという、古典的なものだった。景和の姉沙羅を救うために、そのどちらを切るかを探すのが今回の目的となった。
祢音の両親もオーディエンスで、祢音がデザイアグランプリに参加していたことを知らなかった母親は父親をなじるが、祢音には強力なサポーターがついていると親父さんは言っていた。今まで出てこなかったようだが、実はどこかに出ていたのかな?
これまでオーディエンスと仮面ライダー側の運営が登場していたが、ここからジャマト側の運営が登場してきた。一つの次元を舞台に、そこを破壊するか守るかでのゲームと言うことかな?当然ながらオーディエンスの中にはジャマトに賭ける人もいるのだろう。
<描写的には仕方ないのだが、爆発の衝撃波が全くなく、爆発が起こった後で無傷で倒れている仮面ライダーたち。
沙羅は救われ、どこからも爆発は起こってなかった。他に果物送られた人って誰もいないのだろうか?> |
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アメリカ 流転の1950ー2010s 映画から読む超大国の欲望(2023) |
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29 |
読書 |
新九郎、奔る4
父の名代として伊勢の荘園である井原荘に着任した新九郎。しかしここは父の兄珠厳によってがっちりと抑えられ、新九郎が割り入る隙が無かった。それでも少しでも荘園を良くしようと見回りを続ける新九郎。そんな彼の前に現れたのは…
応仁の乱が続く京を離れて舞台は岡山へ。これまでの三巻はずっと見てるだけしか出来なかった新九郎が、ようやく自分の意思で動き始めた。どうやらここがこれからの主戦場となるらしい。色々漫画的な盛り上がりが見えてきた。 |
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45話 |
ようやく犬塚翼がイヌブラザーであることが分かり、五人が揃ったが、愛する妻が獣人である事実を突きつけられたつよしはどうしても翼を仲間と認めようとしない。そんな中でジロウの故郷華果村に招待されたタロウはその村へと向かう。そこに何かがあると感づいた翼も同行することとなる。
敵は百獣鬼。三度目につよしが変身したヒトツ鬼。そして百獣鬼ング。
桃谷ジロウの真実を暴く話。ジロウの故郷の村の華果村は、獣人の森と人間社会をつなぐ通路で、その扉を守っていたのがジロウの育ての親である寺崎だった。寺崎はその後継者としてジロウを育てていたとのこと。ジロウにとっての村の仲間たちは実は寺崎が作り出した幻で、ジロウはある意味夢の中で勝手に獣人にされようとしていた。
ジロウの状況を知ったタロウは、その役目はドン家の当主である自分が行うと宣言し、自ら獣人に変化してしまった。なんだかよく分からない展開だ。
タロウと翼のコンビはかなりの凸凹コンビになるが、タロウも翼のコントロールも出来てるようだが、ちょっとしたことで翼がキレるので、戦いになったりもする。
一方、脳人の方も色々複雑で、更に二人、ソノゴとソノロクが登場。モティーフはナショナルキッドとシャンゼリオンらしい。
更に三度目にヒトツ鬼に変身してしまったつよしはなんと次回のスーパー戦隊であるキングオージャーによって倒され、更に現れたソノシによって斬られ、封印されてしまう。
<華果村のジロウの友だちはみんな幻だったように描かれているが、前はジロウがいなくなっても普通に存在していたので、設定が変化したような気がする。まあその辺は井上敏樹だから仕方ないか。> |
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ROMAN PORNO NOW ロマンポルノ・ナウ |
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27 |
映画 |
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022) |
惑星パンドラでナヴィの一員となったジェイク・サリー(ワーシントン)は、ナヴィの女性ネイティリ(サルダナ)と家族となり、二人の息子ネテヤム(フラタース)とロアク(ダルトン)、娘のトゥク(ブリス)をもうけ、更に今は亡きグレース・オーガスティンのアバターから生まれた養女のキリ(ウィーヴァー)、かつての上官であり的であったマイルズ・クオリッチ(ラング)大佐の息子・スパイダー(チャンピオン)と平和に暮らしていた。だがやがて地球軍は反撃を開始し、侵略を再開し、ジェイクはオマティカヤ族長として再び武器を取る。二人の息子と共に、連戦連勝を重ねるのだが、地球軍はジェイクのことをよく知るマイルズの思考データを使ってナヴィ型のアバターを作って対抗する。そこでジェイクは自ら戦いから身を引き、“海の一族”に身を寄せることにする。快く彼らを受け入れてくれた彼らとしばし平和な時を過ごす家族だが…
2009年。それまで長らく物語の世界から遠ざかっていたキャメロン監督がとんでもない作品をひっさげて映画に舞い戻った。『アバター』というこの作品。当時始まったばかりのIMAXと3D映画に革命を起こしたと言って良い(後続がなかったのが残念至極)。この大ヒットは確実に映画を一歩進歩させたし、その続編には注目が集まった。
しかしとにかく撮影に時間が掛かる作品なので、なかなか続編の話が出ないまま、ついに10年を超えてしまったが、そんな待っている時もやっと報われる時が来た。2022年末。ついに続編が誕生したのである。
『アバター』で最高点を上げた身としては、当然続編には大注目していたし、年末一番の期待作だった。おそらくこれを観るまでは2022年ベスト10も変わるだろうと思ってた。
実際、世界的には大ヒット。巨額の制作費もちゃんとペイ出来たそうで、続編のアナウンスもそろそろ出てこようという今日この頃である。それだけ良かったということになる。
ただし、それは世間的には。という注釈が付く。
正直なことを言わせてもらうと、私の心にはこれは響かなかった。
少なくとも映像に関して言うならば、他の追従を許さない見事なものだった。キャメロン監督にとって、海洋作品はお得意のもので、自分が一番作りたかったものを投入できたということで、実に伸び伸びと作られていた。特に中盤の“海の一族”との交流と水中の描写シーンの画面没入感は凄く、またIMAXで観てみたいと思うくらい素晴らしい。本当にあそこだけ抜き出して環境作品として観るだけでも価値はあると思う。
ただ、肝心な部分。ストーリーに問題があった。少なくとも私には受け付けない。
難点は何カ所もあるのだが、いくつか挙げておこう。
まず一点として、パンドラから地球人の大部分は戻ったとされ、10年か20年後に戻ってくることになっている。今回の物語として丁度その時間なので、それは良しとするが、惑星パンドラに残った地球人の立場がどうなのかが全く描かれない。重要なキャラとして出てくるスパイダーのようにナヴィの家族みたいに育っているものもいるし、それなりの数の職員達がナヴィ族と共存しているが、彼らの立場としては地球の裏切り者である。そんな彼らが新しく来た地球人達とどう接触するのかが一切描かれなかった。全員殺されたのか、はたまたガイドとして無理矢理雇われることになったのか。一言でいいからその説明をしてほしい。スパイダーの立場とかも考えると、ずっとモヤモヤしっぱなし。
二点目にジェイクはナヴィ族の部族長として新たに来た地球人に戦いを挑み、そこで成果を挙げている。これは『アバター』の後半と同じ構図で、地の利と地球の戦力の知識によって終始有利に戦っている。ところがナヴィ族のアバターを得たマイルズが復帰したことが分かると突然家族連れて逃げてしまう。この逃げる意味がよく分からない。ジェイクによれば、マイルズは自分を狙うのだから逃げると言っていたが、マイルズの立場にあるならば、ジェイクの周囲の部族のナヴィを一人でも捕虜に出来ればジェイクに対して圧倒的有利になる。むしろマイルズが目の前にいるならば、なおさら戦いを選ぶべきでは?いや、戦わなくても良い。交渉を持ちかけてなんとか譲歩の余地を探るとかしないとおかしい。逃げてどうする?いや、逃げるならば、説得力持たせろ。
三点目に、今まで交流のなかった“海の一族”を頼る理由が見つからない。ジェイクが逃げるにせよ、他の部族の所に行ったら全く同じ事。マイルズが狙うのはジェイクなのだから、どこにいたとしても結局は同じこと。最終的には見つかって戦いになるのは確実なのだから、わざわざ戦いを拡大させるだけでしかない。彼らの家族がいる場所は今のところしかないはずなのだ。
四点目。ジェイクは息子達に非常に厳しく当たっている。それは責任感とか、家族を守る大切さを教えようとしてるんだろうけど、それは地球の文化の押しつけにしか見えない。ナヴィ族はもっとおおらかな存在のようだが、敢えてそのように厳しく教えているのは、地球人と戦うのは自分たちだけだという意識があってのことだろうと解釈できる。しかしそうなるとやっぱり家族連れて逃げた理由とは矛盾する。せめて何故こんなに厳しくするのかを言葉で説明する必要はあった。一言二言で良いんだけど。
五点目。地球人による巨大海洋生物トゥルクンの狩りの仕方がほとんど捕鯨で、しかもやり方が日本式というのが引っかかるが、しかしそれ以上にトゥルクンが殺されたらすぐにみんな分かると説明されてたが、これまでかなりの数が捕獲されていたはずなのに、それを知らなかったか、あるいは知っていても関係ないと無視していたか。その辺も説明が必要だったが無視された。
六点目。一作目『アバター』ではアンオブタニウム採掘が地球の狙いだったのだが、ここではトゥルクンの捕獲が目的になってる。狩りは一体いつから始まっていたのかも不明。もう少し物語に一貫性持たせようよ。
七点目。これは次回作への引きなんだろうけど、最重要人物であるはずのキリについてあまりに言及が少なすぎ。これからの地球とパンドラに関する物語の最重要人物なのだが、単なる少女でしかないというのは引きとして弱すぎる。もうちょっと彼女の存在感を高める必要はあったかと思う。
まだあるけど、主なものだけでこれだけある。映画観てる間にこれらが頭をよぎってしまって素直に楽しめなくなってしまった。
後は勿論これだけの時間使った割には物語が一本調子で単純すぎるというのもあり。一作目は単純で良いんだが、二作目はかなり深みのある物語を求めていただけに肩透かしにあった気分。
一作目は物語の上でも感動できたが、二作目は物語と設定が自分の中で受け付けないものになってしまい、気持ちが醒めてしまった。
とりあえずこの作品の評価は保留だな。次回作こそが本当に大切な物語になってくれることを願って、ヒットを祈願してる。 |
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7話 |
連邦加入を願うベータ・レナー系の二つの惑星から使者を受け入れ、惑星パーラメントで行われる調停会議へと向かう。しかしこの二つの種族は長く敵対関係を続けており、お互いに憎み合っていたため、難儀な航海を覚悟するピカードだったが、航海途中で未知のエネルギー雲に遭遇して、そこから乗組員がおかしくなっていく。
敵対している二つの種族を調停するのはオリジナルシリーズでもお馴染みだが、この話では未知の生命体とのファースト・コンタクトの方がメインで、二つの種族の話は最後にちょっとオチを付けるためだけに使われる。二つの物語をくっつけた結果、中途半端になった感じ。
ガス状宇宙人は人の精神を乗っ取ってしまうが、乗っ取れるのは一人だけ。最初はウォーフ、その後ビバリーを経てエンジンに取り憑いてエンタープライズ号を暴走させ、ピカードに取り憑いてエンタープライズ号を元のエネルギー雲へと戻させた。その生命体は単純に元の場所に戻りたいだけだったことが分かった。
そしてエネルギー体と融合してしまったピカードは人間の姿を捨ててしまったが、最終的にはエネルギー体を戻した上で転送装置によって肉体を再構築した。
ピカードがおかしくなった時、誰が止めるのかを幹部達が語り合うシーンがあった。ドクターが心神喪失であると判断した場合と、幹部全員の承認を受けた上で副官のライカーが罷免出来るということが分かる。
会話の中でシャーロック・ホームズの話をしたら、データがそれに興味を持ってホームズのような喋り方になってしまった。パイプまでくわえてる。
今の宇宙食は完全合成食だと分かったが、今回登場したアンティカ人はそれを「野蛮」と言っていた。捉え方はそれぞれだ。
<敵対している二つの種族を同じ宇宙船に乗せる意味はあるんだろうか?それが最後に大変なことになってしまった。
ワープ中のエンタープライズ号が方向転換したことを察するアンティカ人とセレー人。どうやって分かった?誰かが説明したのか?
艦長室からは窓から宇宙が見える。そう言うのってむき出しにして大丈夫なんだろうか?
ラストシーンで、アンティカ人とセレー人のゴタゴタに巻き込まれそうになった時、ライカーに丸投げしてしまうピカード。いくら九死に一生を得たからと言って、艦長の任務を放棄するとは酷い。> |
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小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女(1)(2023) |
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25 |
読書 |
悪魔の舌
木村という友人から来て欲しいという内容の電報を受け取った“私”が木村の家に行ったところ、そこで彼は自殺を遂げていた。その机にあった“私”宛ての遺書に書かれていたのは、彼の恐るべき告白だった。幼少期から奇食にはまった木村は、何を食べても物足りなくなっていき、ついには禁断の食へと手を伸ばすことになった。
「青空文庫で読める奇書」という触れ込みがあったので興味を持って読んでみたが、これは本当に奇書と呼んで良い内容だった。意外なオチも含めて色々と心に残る。 |
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19話 |
ジャマーボールのゲームは続くが、五十鈴大智に名指しでディザスター呼ばわりされた景和はゲームから外されてしまう。それでもギーツの活躍でなんとか同点となり、翌日に延長線を行うこととなった。
敵はルークジャマト。
ディザスター指名というマイナス要素の中で圧倒的不利の中でもゲームは続くが、大智によってディザスターに指名された景和がどうその誤解を解くかが問題となる。大智に言わせると、景和がディザスターであってもなくてもどうでも良くて優勝のためにプレイヤーを減らすためだけに景和を貶めているのだという。それがばれてしまったことで大智の方が脱落させられた。ディザスターは彼ではなかった可能性も高い。
前回登場した蛙のような姿をしたケケラだが、蛙はスピーカー内蔵の置物で、本人は別の場所からメッセージだけ送ってるらしい。これまで景和の前に強力なバックルが出現したのは全部ケケラがやったことだが、ケケラに言わせると、それも大金が必要だったとか。
ジャマトの森から逃げ出せた道長は現実世界に帰ってきて、英寿に重大なヒントを与える。それはやはりゲームに脱落したプレイヤーは命を落としているという事実だった。それで折角現実世界に出たのは良いが、行き倒れになってしまい、まだジャマーの森に引き戻されてしまった。ヒント与えるためだけに来たのか。
そして新しいゲームマスターのチラミは世界を守るだけでは物足りないオーディエンスもいると言っていた。やはりこれはマルチバースの世界観なのか?
<前回の話でジャマーの森からは決して出られないと言われていたが、道長は普通に出ていた。まあ最後には戻されてるから半分間違ってはいないけど。
タイクーンのニンジャフォームはあまりに強力すぎて仮面が割れてしまった。いわゆる「マスク割れ」の状況だが、マスクが割れるほどの衝撃だったら、中にある頭蓋骨は粉砕されていると思うんだが?> |
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24 |
映画 |
雨を告げる漂流団地(2022) |
今年小学6年生の航祐と夏芽は同じ団地育ちの仲良しだったが、小学六年生になった時、二人をつないでいた航祐の祖父・安次の死と、団地の再開発により断ち切られてしまう。以降二人はなんとなく疎遠になってしまうのだが、夏休みのある日航祐は友だちと一緒に立ち入り禁止になっている団地探検に出かける。そして祖父の部屋に入ったところ、そこには夏芽がいた。定期的にここに通っているという夏芽は、ここにいる不思議な少年のことを紹介する。すると突然、世界が変わり、気づくと団地は大海原を漂流していた。
もっぱら玄人好みという定評を得た『ペンギン・ハイウェイ』に続いて石田監督が作り上げた長編アニメーション。設定的には『ペンギン・ハイウェイ』同様、小学生を主人公にした、少し不思議な世界を描く話で、基本的にはNetflix専用コンテンツとして投入された(期間限定で劇場公開もされている)。どうも石田監督はこのパターンが好きというか、このパターンを自分のフィールドにしようとしているらしい。
ちゃんと自分のフィールドを見つけたのは良かったと思う。ただ、それが万人に受け入れられるかどうかは結構難しいところでもある。『ペンギン・ハイウェイ』にしても万人受けと言うよりはかなりニッチなファンを獲得したような感があり、その辺の匙加減を間違えると駄目な作品になる危うさもあり。
そしてその危惧が的中したのが本作だった。
この作品の問題点は、子どもの精神に共感が出来ないというところが一番大きい。本作はSFチックな作品だが、主人公の二人、航祐と夏芽の心のすれ違いを是正していくのが本作のテーマになっているはずである。
それは実際に多くの試練の中で無関心を装うことから感情的なぶつかりを経て和解へと至っていく。それは良いのだが、和解に至るまでが長すぎる。ここまで引っ張る必然性が思いつかない。それを引っ張るためにお互いに意固地になるように作られているが、たいしたことでもないのに、さも重大なことのようにしてしまうのが苛々してくる。結局その苛々が作品全体にとても悪影響を与えてしまった感じ。できればさっさと誤解を解いて、漂流団地の謎をじっくり解いて欲しかったというのが本音。
あと、主人公二人以外の主人公に魅力がないのも問題で、単に嫌味なだけだったりやかましかったりするだけで物語を邪魔するだけしかない。
全般的にキャラの悪さが話を悪い方向に引っ張っていった感が強い。更に演出の下手さもあって、全体的に観てると苛々してしまうのが問題だった。
設定自体は悪くなかったから、監督にはまだ頑張ってこの路線でやってほしいけど、この作品は駄目だ。 |
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25話 |
かつてマナカケンゴに接触したことから、マザースフィアザウルスの狙いは地球にあるエタニティコアにある事が分かった。リュウモンソウマは、アガムスが残したデータからマザースフィアザウルスの弱点を割り出すが、その撃破のためにはウルトラマンの力を借りねばならなかった。満身創痍のカナタは自らがデッカーである事を明かし、作戦に臨もうとする。
敵は最強スフィア獣マザースフィアザウルス。地球のエタニティコアを吸収しパワーアップを図った。その目的は宇宙の生物全ての完全な統一だそうだ。
最終回。デッカーの最終決戦であるだけでなく地球の戦力の結集としての作戦が展開するが、トリガーとデッカーが完全に地球の戦力に組み込まれている。ウルトラマンが完全に地球人だからこそ出来る作戦となったのは面白い。
具体的にはマザースフィアザウルスが吸収しようとしてコアがむき出しになったエタニティコアからトリガーが直接取り込み、それをデッカーに渡してパワーアップさせるというもの。最強の姿となったトリガーとデッカーが共闘する姿はなかなかぐっとくるものがある(トリガーは途中退場するが)。あとハネジローが操縦するテラフェイザーも参戦し、なかなか派手な見せ場になっていた。
マザースフィアザウルスの中でスフィアマザーの思考が流れ込んでくる。全ての生物を一つにするという平和を語っていたが、それってスケールの大きい人類補完計画では?
ムラホシ隊長から、何故カナタをチームに迎えたのかが語られるが、TPUの訓練では最下位だったカナタが誰よりも努力しているのを見たからだという。
マザースフィアザウルスを倒したことでカナタの体内に救っていたスフィアは駆除されたが、デッカーの力まで抜けていた。もうデッカーになれないということだが、劇場版は決まっているので、その伏線だろう。 |
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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会(2023) |
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株式会社カラー |
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22 |
映画 |
キャベツ畑の妖精(1896) |
赤ん坊を待つ夫婦に手渡すため、キャベツ畑から赤ん坊を取り出す係の妖精が畑にやってきて、見つけた赤ん坊を抱きしめて踊り出す。
映画史において本作はかなり特異な位置づけにある作品。まずこれが初の女性監督による映画だと言うこと。映画が商業的なものとして成立したのが前年の1895年なので、本当に初期から女性監督が存在したという事が第一のトピックとなる。
もう一つが、本作が初めてのストーリー仕立てで作られたと言う点。本来本作は若い夫婦がキャベツ畑に来て、そこで妖精から赤ん坊を渡されて帰るという話だったらしい。
…らしいというのは、実はそのフィルムの大半は残っていないから。今観ることが出来るのはその一部分だけで、若夫婦に赤帽を手渡す前に、妖精が赤ん坊をキャベツ畑から取り上げるシーンのみが残っているからである。私が観たのもそれだけ。ほんの一分に満たないダンスだけ。それでも一応映画は映画。
探せばネットで観る事が出来るので、探してみることをお薦めしておこう。 |
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読書 |
ようかい居酒屋のんべれケ。4
居酒屋のんべれケの借金返済が滞っているとして、家主が野球勝負を挑んでくる。受けて立つ店長は、従業員や常連を総動員して試合に臨む。だが素人の集団だけに特訓をすることになるのだが…
基本的には全く同じ展開の話。やくざの親分が現れたり、ひのの妹が居酒屋に通い詰めるとか、やっぱり女の子ばかりが出てくる。登場人物が多くなりすぎて画面がうるさく感じることも結構あるが、まあ面白い。 |
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21 |
読書 |
雨ふり坊主
晴天続きで田んぼに水がなくなってしまった農家の父を心配した太郎少年はてるてる坊主ならぬ雨ふり坊主を作って、それに願いを込める。
子供用に描かれたファンタジックな短編で、こんなのも描くのかと感心出来る。あくまで単純な話なので、するっと読めてしまうけど。 |
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44話 |
ドンブラザーズの面々は犬塚翼を喫茶どんぶらに呼び出し、そこで獣人のことを聞いてみるのだが、みんながドンブラザーズだと知らない翼は適当な答えを返し、その上でみほの姿をした獣人を倒して夏美を取り戻そうとする。
敵は超電子鬼。自己承認欲求の強い小野という男が変化したヒトツ鬼で、人々に無理矢理自分を褒めさせる。
ソノニの助言で夏美を取り戻すため、みほの姿をした獣人を殺そうとする翼。しかし彼女を殺せば夏美を取り戻せるというのはソノニの嘘で、すんでのところでソノニが身を挺してみほを救う。しかし重傷を負って逃げたみほはつよしに翼のことを語り、ついに二人は本気でぶつかり合う。
つよしと翼のぶつかり合いはイヌブラザーとキジブラザーのぶつかり合いでもあり、ここでようやくお互いの正体を知ることになった…のだが、それについては全く言及なしで、普通に馴染んでいた。ここまで引っ張った割にはあっさり過ぎる。むしろ戦隊メンバー同士で本気で殺し合いをするのは滅多になく、結構重い話でもあった(無いとは言わないのだが、概ねは誰かが洗脳されてのこと。お互い完全に正気で殺し合うのは初めてでは?)
あと、重要な設定として、ドン家が何故脳人から追放されたのかが語られた。それはドン家の者が、かつて人と脳人のかけ橋になろうとしたからで、脳人にとって人間を好きになることは許されない罪だったからとのこと。翼を愛してしまったソノニも制裁対象だが、人間社会に馴染んでしまったソノイもソノザも彼女を殺す事は出来なかった。
更にタロウはジロウのことをはっきりドン家の者と認めた。二人とも赤ん坊の頃に脳人の世界からこの世界へと追放されたらしい。そして何故かジロウにとっての幼なじみルミが存在しないことになってるようで、この辺も複雑。
次回予告で脳人の新しい戦士ソノゴ、ソノロクが登場した。モティーフはナショナルキッドとシャンゼリオンらしい。
<会社の風景があるが、そこにいた課長と社員は「超電子バイオマン」のドクター・マンとモンスターのコスプレしてる。これ一体誰を対象にしてるんだ?
瀕死のソノニを救おうとする翼に雪が降ってくるが、その場所だけしか降ってない。> |
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19 |
映画 |
THE FIRST SLAM DUNK(2022) |
バスケットインターハイ全国大会第二回戦。無敗の帝王と呼ばれる秋田の山王工業と神奈川代表の湘北高校の試合が始まろうとしていた。湘北は初参加の無名のチームで、山王工業のワンサイドゲームになるかと思われたが、それぞれの個性を生かして前半戦はほぼ拮抗した試合内容になっていた。そこで山王は得意の圧力をかけた試合へと攻撃をシフトし、湘北の得点を許さなくなっていく。あっという間に点差が放される中、湘北の宮城リョータは、過去の自分を振り返りつつ、この試合に至るまでの努力を思い出していく。天才プレイヤーの兄の死、中学以来荒れてしまったこと。それでも辞められなかったバスケット。そして仲間達との出会い…
2022年になって突如アナウンスされた「スラムダンク」のアニメ映画化話。「スラムダンク」と言えば、一応リアルタイムで原作は読んでいるし、放映していたアニメの方もそれなりに観ていた。それが今頃になってアニメ映画化とは驚いた。最初に思ったのは、これはリブートなの?一本の映画では足りないから、何本か作るのか?という程度の感想。更に原作者の井上雄彦が監督と聞いて、「これは全く期待できない」という箱の中に放り込んだ。
漫画家がアニメーション作って大成功する人もいる。それは例えば大友克洋であったり、今敏であったり、ちょっと違うかも知れないが宮崎駿だったり。しかしそれらはみんな某かに映像の仕事も並行して行っており、漫画には出来て映像では出来ない事、またはその逆のことがよく分かっていたから出来たものだ。井上雄彦はそういう経験が無くてひたすら漫画家なので、どうせ碌なものが作れるはずはないと高をくくっていた。
だが公開直後にTwitterに上がる評価は総じて高いものばかり。絶賛している人も多かった。これは観ておくべき作品だろうかと考えを改めて観に行ったのだが、正直、馬鹿にしていた自分自身を恥じた。とんでもない傑作だった。
まずオープニング部分で驚かされる。真っ白い画面に鉛筆画のようにキャラクターが描かれ、描き終わった順から色が付いて動き出す。その線画というのが間違いなく原作者そのもののタッチなのだ。それは原作者が監督をしているから当然なのかも知れないけど、いやそれでも本人が描いたものがそのまま動き出すというシーンは、これ以上ないアピールになる。
アニメーションというのは必ず監督によって色が付けられるし、キャラクターに至っては、動画の都合上どうしても単純化されるのがかつてのアニメだった。しかし原作者自身が演出することと、デジタル化が進んだことによって、原作者の絵をそのまま動かすことが可能になった。
本作が今の時代に作られる意味の一つはここにあったのだ。
その後の演出も凄い。
基本的に本作は二つのパートからなっていて、メインは山王と湘北のバスケットの試合。そしてそれに被さるように湘北メンバーそれぞれのエピソードが描かれる。
メインの部分の試合の演出はとにかく凄い。アニメーションによる省略を極力減らし、実際のプレーを観ているかのようだった。口による説明もとにかく少ないが、観てるだけでどんなプレーをしてるのかが分かるように作られている。これは原作者の井上雄彦が特殊な作り方をしているからだ。彼の頭には、実際にプレーをしているキャラクターの動きが完全に詰まっている。誰がどこにいて、ボールはどのように動くのか。アニメ的な省略はなく、リアルな動きとして頭にあり、それをそのまま絵にしている。漫画読んだ時にもリアルな絵だと思ってたが、動かしてみて分かったのは、漫画のコマの間も井上の頭の中ではちゃんと動いていたということだった。その意味ではアニメーションと言うより、これは動く漫画と言った方が良い。かつてアニメは「テレビまんが」と呼ばれていた時代があって、「漫画ではなくアニメだ」という主張によってもうそんな事を言う人はいなくなった。しかしこの時代になって、遥かに進歩した形で「映画まんが」が目の前にあった。これは驚きそのものだった。アニメーションをこんな形で作る事が出来ようとは。
人が頭で考えたそのものを画面に映し出し動かすことが出来る。これはとんでもなく画期的なことだ。元々アニメーションというのは現実を絵に置き換えることを目的にしていたが、リミテッドアニメが中心だった日本では、アニメ独特の表現が発展してきた。これは現実の動きとは全く異なる文法で作られるものなので、現実の動きとは全くかけ離れたものになってしまう。その形でアニメにすることでも問題は無かったが、本作の場合敢えてそれを取らなかった。そのため試合の描写が今まで見たことがなかったようなとんでもない密度で迫ってくる。
ただ、凄まじくこれは大変な作業で、それも限界があるために、試合以外は既存のフォーマットに則ったアニメーション作りになってるようだが、それで良い。ちゃんと脳が休めるパートがあるためにちゃんと全部受け止めることが出来る。
そのバランスも良い。一本の映画で試合だけを描くのではなく、それぞれのキャラのエピソードを深めることでキャラを受け入れることが出来る。
もう一つが主人公キャラの交代というのも画期的だった。原作は天才的な運動神経を持つ桜木花道が初めてのバスケットにはまりこみ、技術を培っていきつつ、時に突拍子もないプレーを行うことで天才ぶりを発揮するというのが主軸になるのだが、彼の場合はトリックスター的な位置づけなので、映画で主人公にするよりも、脇に置いて天才ぶりを発揮させた方が光る。
そこで湘北の中では最も着実で、ある意味最も普通の人間である宮城リョータを主人公にすることで、一歩引いたところで見せている。この起用は正しかった。
これも他の監督がやったら批判を食うだろうが、原作者がやったことで誰にも文句を言わせないというおまけも付いた。原作者が監督をしている以上、何をやっても許されるという裏技みたいなことをやってしまった。
これが原作者を監督する意味だった。 |
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6話 |
エンタープライズ号のエンジン調整のため、U.S.S.フィアレス号からコジンスキーという技術者がやってきた。彼に見てもらえればエンジン性能が飛躍的に上がると言われているが、それに胡散臭さを感じたライカーはコジンスキーと助手の二人を見張るのだが、彼はエンジンを暴走させてしまい、10億光年の彼方に飛ばされてしまう。そこは思考が形となって現れる危険な空間だった。
凄く観念的な話で、思考が形を取るという不思議な空間に飛ばされるという話。人類の科学では到達出来ないはずの場所に行ってしまう。古い記憶にあるものが実体化してしまい、エンタープライズ号のクルーが混乱してしまうまるで『禁断の惑星』のような空間が描写される。クルーのそれぞれの過去が少し描かれていく。ウォーフは子どもの頃猪のようなペットを飼っていたとか、ターシャは植民惑星で何者から逃げ回っていたとか。
ただしこの話では中心はそちらではなく、一人の宇宙人の能力を描く話になってる。
思考を物質化出来るならば、どんなことも可能で、これがシステム化できれば、銀河系を超えた外宇宙探索も出来るが、そのワープシステムはタウ・アルファ星人の個人の能力に依存するもののため、その人物がいなくなることで使えなくなってしまう。しかし乗組員全員が一つのことを集中して考えることで思考を物質化させたり空間を超えさせたりすることができた。これも後の話の伏線なのかもしれない。
タウ・アルファ星人の旅人とふれあい、空間を超える思考のことを理解するウェスリーの姿もあって、彼こそが本当にこの宇宙に必要な人物だったことが分かった。今回でウェスリーは少尉代理の役を得てブリッジに出入り自由の身となった。ウェスリーの存在がどんどん重くなっていく。
<最初のワープで270万光年先に行くが、そこには宇宙にオーロラが掛かる不思議な空間だった。宇宙にそんな空間がある事自体おかしいと言えばおかしい。
どうやって一瞬で10億光年も離れた場所にいることが分かったんだろうか?そもそもどうやって探知したのか全く分からない。> |
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エンタの巨匠 世界に先駆けた伝説のプロデューサーたち(2023) |
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中山 淳雄 |
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18 |
読書 |
パタリロ!29
マリネラにいるパタリロの元に次々とトラブルが舞い込む。常軌を逸したトラブルの数々を持ち前の知恵とバイタリティで押し返していくパタリロ。
今巻も短編集で、概ねマリネラを舞台におかしな出来事が次々起こるというパターンが続く。完全にマンネリ状態だが、安定した面白さという言い方も出来る。 |
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18話 |
デザイアグランプリに加わった新ルールである裏切り者ディザスターのいぶり出しで精神を消耗する景和は、これまで参加していたように子ども食堂のボランティアに参加していた。そこにジャマトライダーが現れ、二回戦が開始された。
敵はルークジャマト。かつて仮面ライダーシローに変身していたプレイヤーの豪徳寺の姿を取る。
新ゲームの二回戦。今回はサッカーとバスケットを合わせたようなチーム戦「ジャマーボール」となる。ジャマトとゲームを行い、負けるとジャマーエリア内の街は滅んでしまうと言う状況の中、メンバーの中に裏切り者ディザスターがいるという状況。五十鈴大智は景和こそがディザスターだと決めつけ、景和を追い詰めていく。
その理由は、ルークジャマトがかつてのライダーとなった人間ではないかという疑問でどうしても攻撃が出来ないこと。そんな景和に対してフォローすることもなく、大智の言うことを薄ら笑いで見つめているだけの英寿だが、何か考えていそうだ。
英寿の前にはまたオーディエンスであるジーンが現れ、母親のことなどをちょっと口にして混乱させる一方、自分たちのことを「時空を旅する観光客」と言っている。なるほどこれは多層世界の話か。人間の姿をしてない存在もオーディエンスにはいるらしく、蛙のような姿をしたのが出てきた。
一方、ジャマトの森で目覚めた道長はそこから脱出しようとして、そこにあったジャマトバックルを用いて変身している。ルークジャマトと同じ技を使えるようになるが、激しい苦痛を伴うらしい。 |
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16 |
映画 |
『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」(2020) |
海賊メガファウナに連れ去られてしまったベルリ・ゼナム(石井マーク)を救うという口実を得たキャピタル・アーミーは秘密部隊のベールを脱ぎ去りついに公然とメガファイナに攻撃をかける。しかし当のベルリはメガファウナでGセルフのテストパイロットのようなことをしており、逆にメガファウナ側でキャピタル・アーミーと戦う事になってしまう。混乱の中、ベルリの母ウィルミット・ゼナムは身を張って交渉の場に立とうとメガファウナへと単身やってくる。
一作目『行け!コア・ファイター』に続いて投入された「ガンダム Gのレコンギスタ」のテレビシリーズの映画化二作目。一作目と較べるとかなりすっきりした感じがするが、これは主人公のベルリとGセルフの戦いのシーンが中心になっているからだろう。
ただ、ここで重要なのは、ベルリの行動となる。一作目の後半からベルリは海賊であるメガファウナ側として戦っている。それはつまり、これまで仲間だったキャピタル・ガードとも戦わなければならないということであり、実際にベルリは学校で教官をしていたデレンセンを手に掛けてしまう。
ベルリにとってそれは確かにショックで涙も流しているのだが、ところがそれは全く尾を引かない。仲間達との語り合いと、連続した戦闘経験によってあっという間に感情は元に戻る。
ベルリの感情はとても豊かで、仲間との交流もそつなくこなすし、物怖じせずに誰にも自分の思いをぶつけている。このような人物は、普通もっと人の感情を知っても良いはずだが、それを完全に無視してるかのようにさえ見える。常人とは違った精神を持つ故に人の死をそのまま受け入れられる精神構造はかなりぶっ飛んでるのだが、これをベルリの心の冷たさ、若しくはサイコパスぶりと解釈することもできる。
しかし本作は別段主人公がサイコパスだということを描こうとしているのではない。彼は単純に自分の居場所を探して、最大限自分の出来ることをしようとした結果、こう言う不幸が起こることがあると言うことである。それが良い訳になるかどうかはともかくとして、戦争の中でやれることをやるとは、人を殺すという現実に直面させられているという事実を出しているだけだ。そもそも戦争を描く作品では、ほぼ間違いなく主人公は人を殺害する。それが知り合いでなければ良くて、知り合いだったら悪いという感覚ではなく、目の前に敵意を持った人物がいるならば、生き残るためには相手を殺すしか無いという現実に直面していることを強調するためだろう。
これまで目を背けていた事実に、ここでは敢えて踏み込んだ描写と言う事になる。監督は改めて自分の中で戦争というものを解釈しようとしていたのだろう。
この第二作の見所は間違いなくここだ。
主人公のベルリは比較的考えなしに戦いに参加しているようにも見えるが、実は周りも実際は同じレベルである。この時点ではメガファウナとキャピタル・アーミーとの戦いがメインだが、その両勢力とも、組織として自分たちを世間に認めて欲しいという思いで戦争している。それもこれも宇宙から物資を送り込んでくる組織トワサンガが何者か分かってないから、そのトワサンガに対してどう対処して良いのかが分からないと言う状況にある。ベルリが元々属しているキャピタル・テリトリィは、軌道エレベーターを守護する立場のため、トワサンガに対して服従している。一方、軌道エレベーターからの物資が全てキャピタル・テリトリィ次第であるため、他の国々は反発を覚えている。メガファウナの属するアメリアも反発組でキャピタル・テリトリィを排除しようとしているものの、それ以降どうするかは決めていない。キャピタル・テリトリィでも、キャピタル・ガードとキャピタル・アーミーの間に反発があるということで、戦況はとにかく流動的。その中で自分自身の立場を探すためにみんな一生懸命なのだ。キャラ全員が自分捜しをしてるような状況。
テレビシリーズだとそれが分からないため、とても落ち着かなかったけど、そこが分かった上で観てると、大変面白く見えてくる。
でも一番凄いのはこんな真っ直ぐな自分探しをさせるなんて、監督の富野由悠季がここまでの若々しい感性を持っているという事実だろう。 |
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24話 |
スフィアバリアの収束が始まった。このままでは程なくして地球はスフィアによって完全破壊されてしまう。既に肉体的には限界のカナタはそれでも人々を救うためにデッカーに変身する。スフィアオベリスク破壊のために総力戦が始まるが、そこにはテラフェイザーが立ち塞がる。
敵は最強スフィア獣マザースフィアザウルス。
地球の最後が近づき、GUTS−SELECTとしての最後の作戦が始まった。これまでデッカーとして戦い続けたカナタは既に肉体的に限界が近く、更にスフィアの浸食を受けている状態で戦わねばならなかった。本来の力が出せないまま壊れかけのテラフェイザー相手にギリギリで勝利を収めた。その戦いの中でアガムスの理解を得る事が出来た。
ところがその時点で最強のスフィアであるマザースフィアザウルスが登場というたたみ込むような展開となる。アガムスがマザースフィアザウルスの攻撃を引き受けて消滅してデッカーは生き延びたが、カナタがデッカーである事がばれてしまい、更にスフィアの浸食を受けていることが知られてしまう。 |
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12 |
映画 |
マッドゴッド(2021) |
混沌の大地にマスク姿の人物が降り立った。そこは化け物たちやマスク姿の軍隊の待つ大地で、彼は隠れながらも地図を頼りに城へと潜入する。だがそこで爆弾を設置しようとしたところで捕らわれ、そこにいた医師によって拷問の末に殺されてしまう。体をバラバラにされ、死んだ彼の脳から天上世界を盗み見る医師。
フィル・ティペットの名前は特撮好きにとってはかなり特別な響きを持つ名称だ。これまでにもたくさんのストップモーションアニメの作家はいるが、その中で最も特殊な世界観を持ち、イマジネーションで作品を作る人として記憶される人物である。
ただ、そのイマジネーションは時に常人には理解出来ない側面があって、撮影に時間が掛かりすぎるのとその特殊性故にかなり寡作な監督でもある。
そんなフィル・ティペットが30年前に途中まで作ってお蔵入りになったという作品があったそうで(なんでも『ジュラシック・パーク』(1993)で時代がCGに移ったことを自覚したティペットが自ら引いたとか)、それが掘り起こされて、フィル・ティペット自身が足りない部分を追加撮影して作ったと言う作品となった。
そんなことで観ないという選択肢は無いので観に行ってきた訳だが、とにかく独特。
はっきり言えば、全然話が分からない。ストップモーションアニメで展開していたはずが、主人公が死んでしまって、その後普通の人間が出てきたり、アニメに戻ったりとせわしなく、物語自体も理解が難しい。
分かった事をとりあえず挙げてみよう。
この作品は、争う上下二つの世界を行き来する物語で、前半の主人公は上の世界の住民で、下の世界の重要なものを壊しに来たが、それに失敗し、逆にその体を利用されて下の世界からの侵攻を受けてしまう物語と言うこと。国同士の争いと言うよりは精神的な汚染を目的としたかなり静かな戦争を描いた話だと言うことだろう。
物語は単純なものだが、やはりこのイマジネーションは凄まじい。物理的にねじくれたモンスターのような人間達がお互いに食ったり食われたり殺し合う描写。ホラー性の強い解剖シーンやそんな中で綺麗な描写もあって、なかなかに視覚に来る。これを観るだけでも本作は観る価値がある。
それにこれによく似た作品を私は過去に知っているから。
『天使のたまご』(1985)と言うんだけど。当然嫌いにはなれない作品だ。 |
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4話 |
謎とされる宇宙人フェレンギ星人が惑星ガンマタウリ4号星からエネルギー変換器を強奪したと連絡を受けたエンタープライズ号はフェレンギ艇を追跡する。ところが予想外の反撃を食ってしまい、逆にエンタープライズ号のコントロールを奪われてしまうのだった。ピカードはこの場は降伏を選択するのだが、なんとフェレンギ艇もまた何者かにコントロールを奪われていることが発覚してしまう。
一応ファースト・コンタクトものの話になるのだろうか?後にシリーズの中で登場してくるフェレンギ星人の初登場の話となる。この時点でほぼ連邦の科学に匹敵する科学力を有することが分かった。
だが今回の話の中心はフェレンギ星人ではなく、謎の遺跡で動きを止められてしまった宇宙船を再稼働させるために協力しないと行けないという話。その中で互いにナイフを隠しながら握手してるような関係が描かれることになる。冷静な交渉はピカードが、実務はライカーが分担して行っているが、これが基本姿勢となる。実務にはクリンゴン星人のウォーフが同行しているが、全然活躍出来なかった。
圧倒的な力を持つ相手を前にして、嘘偽りで歓心を買おうとするか、それとも誠意と正しい言葉だけで対するか。フェレンギ星人は前者でライカーは後者だった。その精神で解放を勝ち取る。
冷静な顔でジョークを連発するデータは、今回古き良きアメリカ人ジョークを連発する。相手が迷惑がっても笑えないジョークをたたみかけるのが笑える。
<エンタープライズ号には子どもが乗っている。ライカーの身内っぽいが、説明が無かった。
惑星の干渉で転送がおかしくなってしまい、全員バラバラの場所に現れてしまった。よく全員無事だったもんだな。
息子のウェスリーを気遣っているビバリーだが、扱いがまるで幼児に対するようで過保護すぎる。なんか理由でもあるのだろうか?
門番は人の心を読むらしいが、なんで言葉で説明させるんだろうか?
ピカードととビバリーが艦長席でいちゃついてるんだが、誰もなんとも言ってないな。> |
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10 |
読書 |
JJM 女子柔道部物語6
高校総体北海道大会に挑むもえたちカムイ南。練習の成果を見せつけ、順調に勝ち上がっていく彼女たち。その中で高校生活で勝ち知らずの先輩小室亜弥が最後の大会で根性を見せる。
なんかもう主人公のもえは強くなっていて、割と余裕で勝っていくため、今回は他のメンバーの描写を少し強化している感じ。いつも媚びるような言動をしてみんなから敬遠されがちな先輩が、それでも柔道に賭ける思いを存分に見せつけている。 |
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17話 |
デザイアグランプリがショーである事が分かっても、ゲームは継続していた。まるで開き直ったかのように、最初から決勝戦のように選ばれた五名によって新しいゲームが開始された。1回戦は不良ジャマトから学園を守るというゲームだったが、新しいゲームマスターから、メンバーに他ライダーを妨害するミッションを与えられたライダーがいると告げられる。
敵は校長ジャマト。スーツ姿のポーンジャマトで、今回は不良ジャマトに守られていた学校の中で、最初は姿を見せなかったが、ギーツが勝手に校長室を作ったところで出現した。
前回ラストでデザイアグランプリが単なるショーだという衝撃の展開に驚かされたが、何事もないようにゲームが続いている。
今回は最初から五人のゲームで、英寿、景和、祢音に加え、五十鈴大智、我那覇冴の二人が加わった五名で始まる。新しい二人もかつてデザイアグランプリのプレイヤーだったそうで、ゲーム開始と共に慣れた感じで全力で戦ってる。
第一回戦は学校を舞台に不良の格好をしたジャマトと戦うというもので、学ランとリーゼントスタイルのジャマトと戦う光景はシュールで冗談のように見える。ちなみに獲物は鉄パイプか金属バットで、実にそれっぽい。今回はギーツがゲームクリアして誰も脱落はなかったが、今回のグランプリは最終ゲーム完了時にオーディエンスの支持率が最も高い人物がデザ神となるとのこと。現在の所、冴がトップ。最低は景和だった。
そして休憩時間も共同生活を送ることになり、まるでテラスハウスか、大規模な人狼ゲームみたいな展開となる。そういえばメンバーに狼がいるよな。
特殊な空間に呼び込まれた英寿の前にはジーンという一人の青年が現れ、謎めいた言葉をかけている。この人物が何者なのか。
一方、死んだはずの道長はジャマトの森で目を覚まし、その管理人からゲームの裏について語られている。
<ゲームマスターからもほぼ無視状態の景和。主人公としては情けなさ過ぎる存在だ。
我那覇冴は霊長類ナンバーワンのアスリートだという。同じ二つ名を持つ女性が現実にいるんだが。> |
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ひつじのショーン スペシャル クリスマスがやってきた! |
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09 |
映画 |
グレイマン(2022) |
元優秀な軍人だったが服役中のコート・ジェントリー(ゴズリング)はCIAのフィッツロイという男から、罪を免じる代わりに暗殺者としてリクルートされた。その後秘密暗殺者シエラ・シックスとしてかずかすのミッションをこなしてきたが、ある任務で暗殺したダイニング・カーという男から、実は自分も暗殺者の一人シエラ・フォーであると告げられ、CIAの秘密を記録したチップを手渡される。このことを知ってしまったことから今度はCIAから命を狙われる立場となったコートは、生き残るため、そしてCIAの不正を暴くためにデータチップを守りながら殺し屋達と命がけの戦いを繰り広げる。
MCU後半の怒濤の展開でメイン監督として見事な腕を振るったルッソ兄弟が、次の作品として選んだのは、割とオーソドックスなスパイアクション作品だった。
内容的には全世界を舞台にして、追われる立場になったエージェントが知恵を使って追ってをまきつつ反撃すると言うもの。このパターンの作品は結構作られていて、007でも『消されたライセンス』(1989)で一般人になってしまったボンドがスパイ組織から狙われて逃げ回りながら反撃するという話があったので、割とメジャーなタイプの話だろう。
このタイプの作品は概ね個性を出すために、派手になるか世界中を舞台にするか、さもなくばどちらも使うことになるが、さすがヒットメーカーのルッソ兄弟だけに、そのどっちも使ったものになった。テレビで観ること前提のNetflix専用コンテンツである事が本当に勿体ない派手さだった(期間限定で劇場公開もされたようだ)。
肉体を使ったアクションが主体だが、主人公がゴズリングというのがちょっと不思議な感じだった。この人アクション俳優ではなかったはずだし、表情の起伏が薄い人だからそんなに華もない人だよな。
…と思って観てる内に、だんだんあの顔がなんか愛おしく見えてくるのが不思議。よく考えてみたら、このタイプのアクション俳優って、チャック・ノリスに見えてくる。ふとそんなことを考えたら、ゴズリングの顔がノリスに見えてきてしまって、なんか嫌いになれなくなってしまった。 |
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特別編 |
スフィア総攻撃を前にTPU技術部のホッタ・マサミチはパニック状態にあったが、そんなホッタを冷ややかに見つめるマルゥルがいた。
最終回を前に総集編を挟んだ。内容的には前作の「ウルトラマントリガー」の最後の戦いを中心に、世界の危機について語り合う。
21話で突然ダイナが現れたが、伏線なしの登場だったため、ホッタがそれを突っ込んでいた。 |
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07 |
映画 |
ホラーベスト |
第1位 |
シャイニング |
第2位 |
悪魔のいけにえ |
第3位 |
遊星からの物体X |
第4位 |
ヘレディタリー |
第5位 |
エクソシスト |
第6位 |
ハロウィン |
第7位 |
ジョーズ |
第8位 |
エイリアン |
第9位 |
スクリーム |
第10位 |
28日後… |
第11位 |
ゲット・アウト |
第12位 |
ウィッカーマン(1973) |
第13位 |
ウィッチ |
第14位 |
ブレア・ウィッチ・プロジェクト |
第15位 |
REC |
第16位 |
狼男アメリカン |
第17位 |
イット・フォローズ |
第18位 |
ディセント |
第19位 |
サスペリア(1977) |
第20位 |
パラノーマル・アクティビティ |
第21位 |
クワイエット・プレイス |
第22位 |
キャビン |
第23位 |
ババドック |
第24位 |
死霊のいけにえ2 |
第25位 |
エルム街の悪夢 |
第26位 |
ショーン・オブ・ザ・デッド |
第27位 |
ドーン・オブ・ザ・デッド |
第28位 |
鳥 |
第29位 |
ソウ |
第30位 |
Host(2020) |
The 30 best horror movies of all time |
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読書 |
転生したらスライムだった件5
この世界の最強戦士ヒナタ・サカグチの奇襲を受けて殺されかけた“俺”リムルは命からがらテンペストに戻ったが、時を同じくしてテンペストは隣国ファルムス王国の転生者達によって襲撃を受け、多数の死傷者が出ていた状況だった。更に宣戦布告したファルムス王国は二万人の兵を率いて一週間後にテンペストに襲いかかることが分かった。このままではテンペストは滅んでしまうことが分かったリムルは一つの決断を下す。
前巻ラストから急に話が重くなり、ついには多数の死者まで出てくる。しかしそれこそが主人公のパワーアップに必要なことだったということで、危機があっても即解決でフォーマットに則った話とも言える。 |
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05 |
映画 |
ブラックアダム(2022) |
5000年前にブラックアダムというヒーローによって邪悪な王が倒されたという伝説を持つ地カーンダックでは、考古学者のアドリアナ・トマズ(シャヒ)が、王が使っていたというサバックの王冠の在処を探り当て、その発掘に成功した。しかしその直後、彼女を見張っていた政府軍によって襲われ、命の危機を迎えた。彼女は偶然知った呪文をそこで唱えると、封印されたヒーロー、ブラックアダムも復活する。政府軍をあっという間に倒してしまったブラックアダムを家に連れ帰ったアドリアナだが、そこで彼女の息子アモン(サボンギ)と意気投合する。しかしブラックアダムの復活を知ったJSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)は、ブラックアダムを再び封印すべく、四人のヒーローを送り込んできた。
なんか迷走の体を呈し始めたDCエクステンデット・ユニバースだが、ここにきて元のシリーズにつながる作品を投入してきた。一応本作はメインストリームの中の一本という位置づけ。
そこで現れたヒーローはブラックアダムという。彼は『シャザム!』(2019)と同じ先代のシャザムから同じ力を与えられた人物だが、ヒーローとしてその力を受け継いだのは息子の方で、その力を継承した人物という設定。息子のような高潔な精神を持たないため、破壊神として目覚めてしまい、アンチヒーローとしてヒーローと戦う宿命を帯びた人物として登場する。
彼は前述したシャザムと似たような立場の人物と言える。ただ、シャザムの力ってかなりいい加減なものだ。先代シャザムはちゃんと人物を見て、この人なら後継者に相応しいと思って力を与えたのに、肝心の受け継いだ人物が普通の人に力を継承させてしまったために起こった悲劇となる。
ここで重要なのはブラックアダムというのは、最強の力を受け継いだ一般人だということになる。彼は何ら使命を持たず、さりとて自分自身で成し遂げたい欲望もない。彼にとってすれば、自分を攻撃する人間がいたらそいつと戦うという程度の存在で、完全に受け身となる。そのために彼自身は物語を引っ張っていけない。彼は基本的に何の目的もなく、ただ自分を害しようとする存在を払いのけることしかしないのだが、それは自分勝手なものなので、ヴィランではないが、ヒーローでもない。まさしくアンチヒーローである。
本人としては単に放っておいてほしいだけなのだが、そういかないという話はマーベルのハルクに近いが、本人は隠れようとしないというところが違っていて、結果として余計な戦いをし続けることになる。
その結果として、ブラックアダムを危険視するジャスティス・ソサエティ・アメリカと、サバックの子孫がブラックアダムに対してちょっかいをかけることで物語を作っていく。強いけど使命感を持たない人物。ヒーローでもヴィランでもないために彼はアンチヒーローとなる。
だからむしろ本作ではタイトルとは異なり、むしろその周囲の人物達が中心となって、ブラックアダムに対応する話になってるところが大きな特徴だろう。
その意味で主人公と言えるのはアドリアナと息子のアモン。そしてJSAのホークマン、ドクター・フェイトとなる。特にホークマンとドクター・フェイトのやりとりはたいへん面白く、なんか主人公放っておいてブロマンス的な会話を楽しめるし、この二人はヒーローとしてお互い信頼してるけど、性格が合わないため、会話になると喧嘩ばかりしてながら、肝心なところになるとしっかり連携を取れるという関係性が素晴らしい。更に年長組のこのコンビに若くて使命感も感じてないアルとサイクロンという二人のヒーローを組ませることで、本当に凸凹クインテットになってるのが実に良い。老人が燃えてるのに対して年少組二人のZ世代っぽさが絶妙。型にはまらない本当に新しいタイプのヒーロー像を見せている。一方のアドリアナとアモンも一般人の代表として、基本敵にツッコミ役として上手く機能していた。
そう言う意味では概ね高水準にまとまった話だった。更にブラックアダム役のドウェイン・ジョンソンがはまり役ですげえ楽しかった。
それでも点数が伸びないのは、全く奥行きがなくて、観てて楽しいだけで終わってしまったから。特にラストシーンでスーパーマンに出てこられてもなあ。既に崩壊してるエクステンデット・ユニバースに引き戻すのはやめて欲しかったので、気持ちが冷めた。 |
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3話 |
惑星スタイラスで起こった疫病の特効薬を求め、エンタープライズ号は惑星リゴン2号星へとやってくる。ワクチンのサンプルを無事受け取ることが出来たが、リゴンの支配者ルタンはヤー大尉の腕っ節に惚れ込んで妻にすると言い始める。ここでしか手に入れられないワクチンのため、ピカード艦長は慎重に交渉を行う。
保安部長のターシャ・ヤー大尉を中心にした話。男性優位社会の住民にとって女性が保安部長を行っていることは異質で、その違和感が話の中心になる。これに関してはフェミニズムが未だ進んでいない地球に対する嫌味も含まれたものだろう。相手をアフリカ系っぽくしたのはちょっとやりすぎかな?実際は王様が妻を亡き者にして財産を奪おうとして、腕っ節の強い女性を欲していたというどうしようもないオチだった。
今回はワクチン絡みで苦労する話になってるが、このパターンはシリーズを通して多く作られている。派手なアクションも少なく、交渉のみで話が展開するのも本作らしさ。
実働部隊はライカーが担うことが多いが、交渉のみということで、今回はピカードが直接向かっている。意外にピカードは短気なところがあって、やや強硬な態度を示すことが多いようだが、それがマイナスになってる。お陰で今回ライカーは全く活躍出来ず。
惑星リゴン2号星は男性優位社会だが、土地や財産は女性持ちで、夫となる人物を選ぶ女性の方が実は優位だという惑星だった。王様のルタンは妻とヤー大尉を戦わせて、妻の財産を自分のものにしようと考えた。たとえヤー大尉が負けても失うものは無いため、どう転んでも自分に得になる交渉を挑むのだが、それを逆転させるのが本作の面白さとなっている。戦って死んだルタンの妻を蘇生させることでルタンのもくろみを失わせるというオチだった。
なんだかんだでウェスリーをコックピットに入れることに同意してしまうピカード。ビバリーに対してはどうしても弱い。
<ヤー大尉が訓練用ホログラムと合気道を行うシーンがあるが、帯の締め方が間違ってる。それにこれ、合気道と言うよりも柔道だね。
女性だったら強い男に惹かれるとはディアナの言葉だが、人間はどうしようも無く人間であると言う元も子もないオチだ。> |
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新海誠監督作品 すずめの戸締まり 公式ビジュアルガイド(2022) |
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03 |
映画 |
印象的なホテル |
グランド・ブダペスト・ホテル |
グランド・ブダペスト・ホテル |
シャイニング |
オーバールック・ホテル |
ホテル・アルテミス 〜犯罪者専門闇病院〜 |
ホテル・アルテミス |
卒業 |
タフト・ホテル |
モンスター・ホテル |
ホテル・トランシルバニア |
眺めのいい部屋 |
ペンション・ベルトリーニ |
ガールズ・トリップ |
モンテレオーネ・ホテル |
フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 |
マジック・キャッスル |
サイコ |
ベイツ・モーテル |
メイド・イン・マンハッタン |
ベレスフォード・ホテル |
マリーゴールド・ホテルで会いましょう |
ベスト・エキゾチック・マリーゴールド・ホテル |
グランド・ホテル |
グランド・ホテル |
ファミリー・ゲーム 双子の天使 |
スタフォード・ホテル |
お熱いのがお好き |
ホテル・デル・コロナド |
ホテル・バディーズ ワンちゃん救出大作戦 |
犬専用ホテル |
ロスト・イン・トランスレーション |
パークハイアット東京 |
プリティ・ウーマン |
ビバリー・ウィルシャー |
SOMEWHERE |
シャトー・マーモント |
ホーム・アローン2 |
プラザ・ホテル |
セックス・アンド・ザ・シティ2 |
マンダリン・オリエンタル・マラケシュ |
泥棒成金 |
インターコンチネンタル・カールトン・カンヌ |
寝取られ男のラブ♂バカンス |
タートル・ベイ・リゾート |
1408号室 |
ドルフィン・ホテル |
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い |
シーザーズ・パレス |
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読書 |
犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい3
犬と猫を飼う著者が、犬と猫どっちとの付き合い方をマンガにした作品の第三弾。
Twitterで著者をフォローしてるので、犬がもう亡くなっていることを知っているが、作品は作品で面白い。今巻は結構排泄ネタが多かったが、実際ペット飼ってるとそれは避けられないものなので、うんうんと頷きながら読んでいる。 |
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アメリカ映画に見る黒人ステレオタイプ 改訂増補版(2022) |
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赤尾 千波 |
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