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28 |
読書 |
屋根裏の散歩者
何をしても情熱が長続きしない郷田三郎は、何度も繰り返した引っ越しの末にたどり着いた下宿で屋根裏に入れることが分かり、そこで人の生活を覗き見る快感を得る。そんなある時、不意に完全犯罪が可能ではないかと思い立ってしまう。
道楽で人殺しをするサイコパスが完全犯罪を試みるという、猟奇的なお話しだが、そこは良心的な部分があって、最後に名探偵が登場して全ての謎を解き明かしてる。ここで登場する明智小五郎は未だ学生で、素人探偵という位置づけ。 |
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2話 |
成り行きで葵を自分の家であるトレーラーハウスに保護した光太郎。お互い胡散臭いものを感じながらもどうしようもなく惹かれ合う二人。一方ゴルゴムから逃げ出した明彦は50年前の思い出が詰まった怪獣解放活動のアジトにやってきて、一人で活動を開始していた。
敵はアネモネ怪人。和泉葵を拉致するために派遣された怪人だが、結界を張ってBLACKSUNの変身を防いだ。人質を無視して突っ込む明彦のSHADOWMOONにあっけなく両断された。
現在の出来事では、光太郎が葵を気に掛けてつかず離れずで見守っているが、そんな光太郎を信彦が見張っていて、敵が現れると二人が別々に変身して戦ってる。信彦の目的は創世王を倒すことだとのことだが、創世王とは1話に登場した骸のような存在だったが、それが垂れ流すエキスは怪人にとっては麻薬に、人間にとっては人間を好きな怪人に改造できる変身薬にもなる。今更倒して何の意味があるのかという気もするが、それがこの物語の一つの焦点か。
そんな創世王のエキスを使ってぼろ儲けしながら、怪人差別を糾弾する首相もおり、小悪人っぷりを見せつけてる。ルー大柴はぴったりだ。
そして今から50年前に起こった出来事が描かれる。光太郎と信彦は双方自分が怪人である事を自覚しており、そこで怪人解放のための運動に引きずり込まれてしまう。
1972年。実際の時代では浅間山荘事件が起こった時の並行世界で、ここでも学生運動が華やか。と言っても実際には差別を受ける怪人に人権をという運動になってるけど。ガリ版切ったり火炎瓶作ったりゲバ文字で立て看作ったりと、まあこの時代知ってる人にはにやりとする描写が満載。白石監督はこの時代に結構思い入れあるようなので、結構描写がねちっこい。ちなみに1972年は「仮面ライダー」が放映された年でもある。 |
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スター・ウォーズ STAR WARS ブラックシリーズ ハン・ソロ、スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還 40周年記念 |
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26 |
映画 |
モリコーネ 映画が恋した音楽家(2022) |
2020年7月に91歳で世を去った映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。長年楽曲提供を受けていた監督が彼の業績をを偲び、その足跡を辿る音楽ドキュメンタリー。
今から約三年前にエンリオ・モリコーネの死のニュースに触れた。91歳という高齢ながら、精力的に映画音楽を提供し続けてきた作曲家だった。実際観た映画の中でモリコーネの手がけた音楽をかなり聴いているし、はっきり言えば大好きだ。
そんなモリコーネのドキュメンタリーだからどんなのが飛び出すのかと思ったのだが、予想とは少し違うものの、ものすごく面白かった。
期待していたのは、モリコーネの一生というのがどういうものかということを描くものだと思っていたのだが、それに関してはほぼ期待外れ。だってモリコーネって、ほとんど失敗しないまま音楽を作り続けていたし、家庭仲も良好。音楽仲間から攻撃されることもそう多くはない。概ね順風満帆な一生だった。ドラマチックな要素がほとんどない。
しかし、そんなのは枝葉末節。本作での素晴らしさは、モリコーネが手がけた映画音楽がどのようなプロセスで出来上がったのかをちゃんと説明した後で、その画面が出てくるというところにある。
モリコーネの手がけた作品は好きなものが多いが、その大半はビデオでしか観ていない。大画面でクライマックスシーンと、最高に盛り上がる音楽が被さる瞬間。それはもう鳥肌もの。しかもそれg次々に出てくる。なんとも贅沢な時間の使い方だ。
それとやはりモリコーネと組んで映画を作った蒼々たる監督達のインタビューが良い。映画は監督のものなので、監督自身が映画のコンセプトを持っていて、それに合わせて、又時として監督のコンセプトから外れたところで音楽が作られていることを、それぞれの監督達が懐かしい思い出として語っているのが素晴らしい。
映画としての完成度なんて別に良い。この映画を大画面で観ていることの贅沢感が最高の作品だった。
監督のインタビューもなかなか興味深かったけど、最高だったのがタランティーノで、『ヘイトフル・エイト』(2015)で、タランティーノはそれまでの信念を捨て、初めて既成曲ではなく新たに作曲を頼んだところ、それを受けたモリコーネは、タランティーノが期待していただろう、かつてのマカロニウエスタンの楽曲から完全に離れてオーケストラ演奏を敢えて使った。しかもそれが初めてのアカデミー作曲賞を受賞したということで、タランティーノがこころなし、ぶすっとした表情でモリコーネを褒めちぎっていた姿が笑える。
ドキュメンタリーでこんなに楽しく、贅沢な気持ちにさせてくれたのだから、大変好きな作品になった。 |
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49話 |
脳人の三人を加えて九人となったドンブラザーズ。だがチームワークはがたがたで、これからのことを考えていたところ、脳人たちの襲撃を受けてしまう。
敵は王様鬼。これまで度々ヒトツ鬼になっていた大野稔が変身したヒトツ鬼で、次回作「キングオージャー」からの鬼となる。最強のヒトツ鬼だが、ドンモモタロウが全力を出したらあっけなく倒されてしまう。
ラス前だが、未だにストーリーの決着が見えてこない。新生ドンブラザーズになったのは良いのだが、桃井タロウは気持ちが上がらない状態。逃亡者に戻ってしまった犬塚翼は何故かソノニと共に逃げ回ることになり、夏美は眠っている間に自分の分身がつよしと生きていた記憶を持ち、気持ちが揺らいでいる。新連載を前にソノザと一緒に漫画を書いている。
それで妙にテンションが低いタロウに、勘違いばかりのマスター、みんなで突然タロウの誕生日を祝うとか、シュールな光景が続き、最後にタロウが死んでしまう…なんのこっちゃい?全く訳の分からない話になってしまった。 |
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特技監督 中野昭慶(2023) |
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中野昭慶
染谷勝樹 |
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24 |
読書 |
BEASTERS1
草食動物と肉食動物の共学高校のチェリートン学園。そこで御法度であるはずの食殺事件が発生する。騒然とする学園の中、演劇部の舞台係をしている灰色狼のレゴシが犯人のような扱いを受けていた。当のレゴシは身の証を立てるでもなく、噂を尻目に黙々と自分の仕事をしているが、その事件は確かにレゴシにもおかしな影響を与えていた。暗闇の中、現れた学園の女の子ドワーフラビットに思わず襲いかかってしまうのだが…
五日かならず読まねばならないと思っていた作品なのだが、思いの外遅くなってしまった。これは間違いなく私のツボにはまる作品だし、一通り読んで、間違いなくこれははまる要素満載であることを再確認した。著者はよくこんなもん描けるとひたすら感心するしかない。 |
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10話 |
任務と休暇を兼ね、美しい星惑星ベータ・カシウスにある安息所ヘイブンに向かっていたエンタープライズ号。ところが突然艦内にメッセンジャーが転送され、乗組員ディアナの結婚を告げる。そして婚約者とその両親がやってくる。
これまでカウンセラーとして助言を与えてきたディアナを中心とした話。彼女はベタゾイドと人間のハーフで、精神感応力に優れているのだが、その母親がやってきて引っかき回すという話。その女性ラクサナはなかなか強烈な性格をしていて、出迎えたピカードが混乱してしまう。その辺はコメディとして面白い。
契約によって人間との結婚が定められていたディアナだが、その相手となるワイアットは特殊な能力があって、自分が結婚する女性のことをあらかじめ知っていた。そしてそれがディアナではなかったことも。それがコミュニケーションの齟齬を生んでしまうのだが、最終的にはお互いのことを理解し合って別れることになった。
ちなみにライカーは純粋な愛情をディアナに持っていて、ディアナもそれを知っていたことも発覚する(後の劇場版で結婚することになる)。
人の心を読める存在にとって、常識はだいぶ異なる。結局率直に生きる事にしたのがラクサナであり、人の中で生きることを選択したディアナはある程度心を閉ざすことによって人を受け入れることにしている。これも一種のファースト・コンタクトになるのかな?
この話にはもう一つの宇宙人タレラ人が登場するが、それはかつて惑星上で生物兵器を使ってしまって星を滅ぼし、更に難民となって宇宙に病原菌をばらまく存在になってしまったという。エンタープライズ号クルーの会話から、これが今の地球に対する皮肉になってるのは確か。滅びるしかないと半分諦めているが、最後の希望として地球人の救世主を待ち望んでいた。それがディアナの婚約者であったワイアットだったというオチ。
ラクサナ役は「スター・トレック宇宙大作戦」でチャペル役だったマジェル・バレット。強烈なキャラになってしまった。ちなみに準レギュラーとなる。 |
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仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル |
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21 |
映画 |
ボディ・スナッチャー 恐怖の街(1956) |
カリフォルニア州にある小さな町での開業医マイルズ(マッカーシー)は、学会があってしばらく町を離れていたのだが、数週間ぶりに町に帰ってきたところ、何か違和感を感じる。一見いつもと変わらないし、受け答えも普通なのだが、どこかよそよそしい印象があり、何者かに見張られているようでもあった。そしてマイルズは、それまで見たことのなかった妙なトラックが何台も町に来ている事に気づく。たまたまそのトラックの中を見る機会があったが、その中にあったのは、巨大な莢のような植物だった。
ジャック・フィニイ原作のSF小説「盗まれた街」の最初の映画化作品でSF映画の教科書的作品。50年代SF映画は他の映画の添え物として作られたものが大半で、ほとんどが「知る人ぞ知る」という作品ばかりだが、その中でも頭角を現した作品と言うのが何作か存在し、その筆頭で語られるのが本作だろう。
私はこれまでに同一原作の作品を数作観ている。具体的には『SF/ボディ・スナッチャー』(1978)、『ボディ・スナッチャーズ』(1993)、『インベージョン:』(2007)で、それ以外にも原作のパロディである『インベージョン・アース』(1987)も。多分これでほぼ全部だろう。概ね物語は同じで、宇宙からの侵略となるが、その侵略の方法が作品毎に設定が大分異なり、静かに人間を侵食しようとしたり、逆に人間同士を争わせようとしたりと莢から出てきたコピー体の性格は作品によって異なるが、これらはその当時の世相を反映していて、今やられて一番嫌なことをしているので、作品の年代毎に、この当時の背景を推測できたりも出来る。
その意味で本作の意味合いを考えると、コピーされた人間は無気力になり、誰かの命令に従うようになるという特性がある。これで明らかなのは、洗脳された人間のテンプレート的な行動となっている。そしてこの作品が作られた1956年という年と合わせて考えれば、これがソ連からの脅威を描いたものと考えるのは容易である(実際本作でシーゲルは共産主義者ではないと太鼓判を押されたらしい)。『影なき狙撃者』(1962)より先行すること6年も前にこれが作られたと言う事実が凄い。ただ、今になって俯瞰して考えるならば、洗脳はソ連の専売特許ではない。まさに赤狩りが進行中のアメリカでも同様に起こっていることも併せて考える必要があるだろう。奥に更に奥がある構造は見事なアイディアと言えよう。
SF映画の醍醐味の一つは、政権批判の暗喩を読み解くことである。その意味で本作は存分にその楽しさを味合わせてくれる。
本作のもう一つの特徴として、特撮を全く使ってないという点も挙げられるだろう。SF的なアイテムとして必要なのは大きな莢だけで、しかもそれは手で持ち運ぶだけでギミックは使ってない。これだけでちゃんとSFとして成立するのは監督の力量を示す良い例だろう。
短い作品ながら、ストーリーもテンポ良く進むのも良い感じ。偶然の出来事が多すぎて都合良すぎるところもあるものの、この時間に収めるにはこれくらいが良い。
尚、これから名コンビとなっていくイーストウッドはこの作品を観てシーゲルに注目したとのこと。その意味でも本作は映画史の中でも重要な位置づけにある。 |
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23話 |
ベロバにビジョンドライバーを奪われてしまったため、今回のデザイアグランプリは続行不可能になってしまう。サポーターのニラムはゲーム続行のためにビジョンドライバーを奪回するよう三人のプレイヤーに命じる。
敵はバッファジャマト。そしてナッジスパロウ。そして仮面ライダーベロバ。
ベロバによってビジョンドライバーが奪われた結果、新しいゲームが続行不可能となり、ゲームを続けるためにビジョンドライバーを取り戻そうとする話。タイクーンとナーゴは共同して、ギーツは新しく現れたジーンと組んで、それぞれジャマトガーデンを目指す。
この混乱を利用して英寿はゲーム自体の真実を探ろうと試みた。彼らの会話の中から得た真実とは、運営とオーディエンスは遥か未来の地球人であり、既に滅んでしまった過去を舞台にゲームを楽しんでいたことが分かる。
ベロバはこの世界を変えてしまうことを願っており、そのために必要なのが創世の女神という存在である事が明かされる。資格を持った人物が女神像に願うことによって世界は変わるらしい。一度滅んでしまった世界を再生させたのがこの女神だったようだが、それがこれからのキーワードになるっぽい。
英寿が真実を掴んだことを知ってしまった運営はこの時間軸でのゲームに見切りを付けようとしているが、それに先んじてベロバがジャマトガーデンを破壊する。仮面ライダーは全員その爆風に巻き込まれてしまった。
小ネタではあるが、ナッジスパロウのIDコアは何者かによって
<英寿の前に現れたジーンは一言。「プレゼントは俺自身だ」うん。格好良い一言だよ。普通に受け取れば。> |
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない |
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世界を予言した映画80本(2023) |
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瀬戸川宗太 |
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20 |
映画 |
タイトルでムードに浸れる映画 |
第1位 |
007 ゴールド・フィンガー |
第2位 |
北北西に進路を取れ |
第3位 |
セブン |
第4位 |
めまい |
第5位 |
ロード・オブ・ウォー |
第6位 |
シャイング |
第7位 |
ファイト・クラブ |
第8位 |
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン |
第9位 |
ベイビー・ドライバー |
第10位 |
偉大なるアンバーソン一家 |
第11位 |
ウォッチメン |
第12位 |
デッドプール |
第13位 |
おかしなおかしなおかしな世界 |
第14位 |
ピンクの豹 |
第15位 |
エンター・ザ・ボイド |
第16位 |
黄金の腕 |
第17位 |
裸の銃を持つ男 |
第18位 |
シャーロック・ホームズ(2009) |
第19位 |
007 ドクター・ノー |
第20位 |
ウォーリー |
第21位 |
スパイダーマン:スパイダーバース |
第22位 |
ハリー・ポッターとアズカバンの補囚 |
第23位 |
フェリスはある朝突然に |
第24位 |
JUNO |
第25位 |
ゾンビランド |
The 25 best movie credit sequences to get you in the mood for the movies |
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読書 |
転生したらスライムだった件6
たった一人でフェルムス王国軍を全滅させ、魔王として覚醒したリムルは、近隣の国家を招いて同盟を結ぶ。そして足下を固めた後で、ついにこの一連の災害を引き起こした黒幕クレイマンを倒すべく計画を立て始める。一方、当のクレイマンは自分自身真の魔王となるべく、最終段階に入っていた。
物語の最初の区切りとなる作品で、これで第一部完となる。リムルが最初に出会った暴風竜ヴェルドラの解放、自らが魔王となったこと、そして一連の黒幕を排除したこと。設定料もかなりにのぼるが、それをすっきり読ませる技量はたいしたもんだ。確かにこれは転生作品としてはランクが上だ。 |
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ロッキー:ザ・ノックアウト・コレクション(4K ULTRA HD) |
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18 |
読書 |
パタリロ!30
スーパーキャットの兄である間者猫が仕事も無くすさんだ暮らしをしているという相談を受けたパタリロは、彼に自信を取り戻させるために難事件を依頼することにした。その相手はなんとデュモン。
短編で構成はされるが連作もあって、又してもデュモンが出てくる。レギュラーというか、越えられない好敵手と言った位置づけ。これまでこんな立ち位置にあったキャラはないため、都合よく使われてる感もある。スターダスト計画の時以来の間者猫の登場もあり。
スーパーキャットって宇宙から一人でやってきたという設定のはずだが、兄とは?血のつながりがないのか? |
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48話 |
ヒトツ鬼によってつよしとタロウが吸い込まれてしまった。残されたドンブラザーズと脳人たちはこれからの事を語り合い、二人を助けるところまでは一致したものの、それ以外は全く噛み合わない。それぞれ勝手にヒトツ鬼に向かっていくことになるが…
敵は電撃鬼と世界鬼。そしてソノシ、ソノゴ、ソノロク。
タロウ不在のまま、これからどうすれば良いかを考えあぐねる面々。翼は夏美と愛の生活に入ろうとする矢先、又しても指名手配犯にされてしまう。ソノザは喫茶どんぶらで働くことになる。真一はドンブラザーズのリーダーになると宣言したものの、全く頼りにならなかったが、危機の連続でやっと仲間意識がまとまった。
友だちがみんな幻で消えてしまったジロウは、自分に残されたのは自分自身の分身だけだと気づき、ついに合体することを決め、一つの人格にまとまって帰ってきた。
<はるかは度々「雉野はともかく」と言っているが、それではあまりにつよしに対して可哀想では?
全員がヒトツ鬼に吸い込まれれば三人の脳人に隙が出るはずと言って作戦を立てていたが、まさか本当に隙を作るというか、完全に「もうどうにでもして」という三人。馬鹿じゃないか?> |
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デヴィッド・フィンチャー マインドゲーム(2023) |
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アダム・ネイマン |
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17 |
映画 |
ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY(2022) |
歌手である母シシー・ヒューストン(チュニー)の手ほどきを受けてクラブで歌うようになったホイットニー(アッキー)。その歌声を聴いた著名な音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィス(トゥッチ)は、彼女を大々的に売り出し、そのセンセーショナルな歌声は全米で大ヒットを飛ばすことになった。だが成功の階段を上り詰めた彼女の私生活はどんどんすさんでいく。ヒップホップ歌手のボビー・ブラウン(サンダース)との結婚や、不仲な父に搾取される構造に、精神的に耐えられず、ついに麻薬にまで手を出すように。
2009年のマイケル・ジャクソンに続いて2012年にはホイットニー・ヒューストンの死という衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。しかも薬物中毒でというので、その時は、正直「やっぱりか」という思いはあった。そう言う噂はあったし、それに80年代は実際薬物に手を染めた歌手がたくさんいたのも確かだ。ホイットニーもやはりそうなったかと、寂しい思いと共に納得した。
そんなホイットニーを映画にすると聞いた時には、これも「やっぱりか」とは思った。これまでにも既に『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)や『ロケットマン』(2019)、『エルヴィス』(2022)などで実在のミュージシャンの伝記映画は結構多かったし、次に挙げられる人物の有力候補ではあったから。だからホイットニーが映画になること自体は驚きはない。
ただ、監督の名前を見て激しく興味をそそられた。
レモンズ監督の作品を観たのは、前作の『ハリエット』だけだが、これ観ただけでも監督の立ち位置はよく分かった。この監督、これまであまり顧みられることのなかった黒人女性のアイデンティティを真っ正面から描こうとしている。
『ハリエット』自体私はそれほど評価していないけど、真っ正面から黒人女性の伝記を描こうとした姿勢は評価したいし、実在した人間の精神を深掘りしようとしてることも良かったと思う。
それを今度はホイットニー・ヒューストンでやるというのか。と思ったら、俄然観たくなってきた。
それで観た感想を言うなら、思った以上にたいした出来だった。
『ハリエット』と同じ、実在の黒人女性というだけでなく、性的少数者という観点も持っているし、何より栄光の背後で、精神的な苦しみがあったことを克明に撮しているのが面白い。
本作に似た系統の作品としてジョニー・キャッシュの伝記『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(2005)があるが、そこでのジョニーは栄光の絶頂にある時は単に忙しすぎたという理由だけで麻薬に手を染めたが、ホイットニーは女性のため、出産もあるし、両親の不和、自己のセクシャリティの問題、夫であるボビー・ブラウンとの間の葛藤などプレッシャーは山ほどあって、精神的な追い詰められ方が激しく、その中で麻薬に手を出す理由を付けていた。
その辺の裏事情の方にかなり時間を使っていることで説得力を増しているが、その複雑な環境をちゃんと描こうとしたことは良かった。
それと、途中で止めずに死まで描ききった点も重要だろう。
苦しい麻薬の治療を経て復帰したところで「良かったね」としても良かったんだが、それでも声が出ずに批判を浴びていることや麻薬を止められずに自滅していくあたり、なんだかとても寂しさを感じるものだ。
ニュースで聞いたホイットニーの死にこう言う背後があったと思うと、しみじみとさせられる。
あと、ホイットニーが音楽界に果たした役割もしっかり描いているのも特徴的。ホイットニーはポップス界で台頭したが、当時黒人女性はヒップホップに行くのが普通だったが、敢えて自らの歌唱力を頼りに新しいジャンルに挑戦し、結果としてホイットニー一人だけの特徴的な立ち位置に収まったというのも、音楽史を語る上でのピースの一つ。そう言う意味で知識的な補完も出来るので大変嬉しい作品だった。
音楽家の作品はどれもパターンは同じように見えるが、ちゃんと個性を出して見せた監督にも感心する。 |
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9話 |
シグマ3号太陽系近くの植民惑星で大事故が起こり、その救援物質を届ける任務に出たエンタープライズ号。一刻も早く到着しなければならないのだが、その航海の途中で突如巨大なバリアーで行く手を遮られてしまう。そこに現れたのはQで、ライカーに興味を持ったQはゲームを申し出る。
1話で登場したQが再登場。前回はピカードの思考を探ったが、今回の標的はライカーで、ライカーと乗組員たちをナポレオン時代の舞台に放り込んで、その反応を見ていた。ピカードだけ行かなかったのは、既にピカードの走査は完了していたからか。エンタープライズ号のコクピットに一人だけ残されてどこにも行けずに拗ねてるピカードの様子が良い。
Qの仕掛けを乗り越えたライカーは一時的にQと同じ能力を得、乗組員の望みをなんでも叶えられるようになるが、それこそがQの目的で、何でも出来るようになった人間の反応を楽しんでいたようだ。ライカーは一瞬その力に溺れそうになったがすぐに正気を取り戻し、他のエンタープライズ号クルーの誰も超常的な力を欲しがらなかった。
Qが言うところでは、ライカーをQ連続体の一員として迎えたいと言っているが、どこまで本気なのかは不明で、おそらくはライカーの自尊心をくすぐるためのものだろうと思われる。
あれだけ尊大な立ち居振る舞いをしているQだが、全能の神ではなく、多くの知識集合体の一部らしい。ピカードとした約束を破ろうとして仲間の制裁にあってしまい、焦った姿をしてるのが面白い。
<クリンゴン人の求愛はお互いに殴り合うものだった。この行為自体が生殖行為らしい。ものすごく変だが。> |
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PLUMPMOA ミニフィギュア うる星やつら 5体アソートセット |
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15 |
読書 |
ゴジラとエヴァンゲリオン
日本が誇るコンテンツとなった特撮とアニメーション。その最高峰と著者が考えるゴジラとエヴァンゲリオンという二つの巨大コンテンツが重なる部分を探し、この二作の日本のメディアにおける歴史的意味と日本人の意識がどう変えられたのかを考察する。
二つのコンテンツの重なる部分を探る作品と書かれていたが、実質的にはゴジラはゴジラ、エヴァはエヴァで独立して考察して、全然重なってなかった。おそらく単純に『シン・ゴジラ』絡みで庵野論を書きたかっただけだろう。 |
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22話 |
今回のデザイアグランプリも残り三人。デザスターである祢音は次を勝ち残れば優勝となるが、ジャマトが現れずにゲームは始まらないままだった。業を煮やしたゲームマスターのチラミは自らが鬼となっての鬼ごっこゲームを強引に開始する。
敵は仮面ライダーグレア2。これを捕まえればゲームクリアとなるが、クリア前に倒されてしまった。そして仮面ライダーナッジスパロウとバッファジャマト。
残り三人状態で、デザスターである祢音が勝ち残ればその時点で勝負は決まる。ただし祢音には枷がついており、ゲーム途中で正体がばれればその時点で失格。そのためになりふり構わずに景和を罠にはめようとしたりするが、逆にその不自然さから正体がばれてしまう。
ジャマトが現れなかったのはジャマトガーデンの大智の悪知恵で、チラミからヴィジョンドライバーを奪うためだった。首尾良くドライバーを奪えたものの、そこに現れたジーンが仮面ライダーに変身する。
ジーン役の鈴木福は幼少時から仮面ライダーになりたいと言い続けてきたが、本作でその念願は叶った。主役ではなかったけど。
<大智は素のナッジスパロウに変身していたが、これはジャマトガーデンのIDコアで変身したものと思われるが、デザイアドライバーの方はどこから持ってきたんだろう?> |
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13 |
映画 |
白蛇伝 |
西湖の畔に住む心優しい少年許仙は幼い頃にペットで飼っていた白蛇を大人達に叱られて捨てたことを今も後悔していた。その捨てられた白蛇は時を経て変化の術を覚えて少女の姿を取り、湖に豪華な屋敷を作り出して、夜な夜な美しい胡弓の音を響かせるようにした。笛の名手でもある許仙は、その音を聞いて屋敷を発見する。愛し合う二人はそこで夢のような生活を送るのだが…
戦前から日本のアニメーション技術は結構高く、これまでにも何作かの名作と呼べるだけのアニメーション作品は作られていた。
大戦によって制作事情もマイナスとなり、戦後長らく中断を余儀なくされたが、敗戦後13年年を経過し、やっと本式にアニメーションが作られるようになってきた。実際本作を皮切りにまずは東映が劇場アニメに力を入れることになり、それに触発された手塚治虫がテレビに手を伸ばすことにもなる。記念すべき一本である。
それに本作の場合、明らかにちゃんと金を稼げる構造を取っているのが分かる。敢えて中国の民話を題材に取ったことで、最初から中国市場を狙っていたことがわかるし、実際中国でも本作はヒットしてかなりの利益をあげたようだし(9万5千ドルの輸出収入を上げる)、本作の成功によって、日本の劇場用アニメは継続して作られるようになった。本作の成功こそがアニメ大国日本の礎となったのだ。これが失敗作に終わっていたら、今の日本はなかったとさえ言っても良い。どれだけ重要かが分かろうというもの。
特に日本のアニメは初期の頃から世界市場を視野に置いているということも分かる。最初からこれだけ先進的な取り組みが為されていたことには感心する。
ただ、物語として考えると、本作は少々物足りなさを感じるのも事実。「白蛇伝」は中国の物語なので馴染みがなく、更に物語もやや複雑で思い入れが感じられないこと。それに声が朗読してるみたいで生々しさを感じられないと、今の目からすると色々文句も言いたくなる。実際声優は森繁久彌と宮城まり子で、二人とも一流の俳優ではあってもプロの声優ではないため、聞いていてテンポの悪さに少々辟易する。
そう言う意味では確かに劇場アニメ映画最初の作品だということがよくわかる。
ちなみに本作の素晴らしい点はもう一つあって、劇場予告で東映の社長が「これから毎年一本アニメ映画を作るので、作りたい人は集まってください」とアピールしたお陰で、多数の人物が東映入社を希望してくれたことだった。それで集まった人達の中に宮崎駿もいた。その意味でも本作は日本のアニメーションにとって超重要な作品であることが分かるだろう。 |
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1話 |
過去怪奇日蝕の日に二人の少年南光太郎と秋月信彦という少年の体に聖なる石が埋め込まれた。それから数十年。世界には怪人と呼ばれるようになったミュータントが生まれるようになり、それら怪人を排除しようとする勢力と怪人のと共存を望む勢力とで争いが起こっていた。そんな時、差別を無くそうと主張する少女和泉葵が現れ、国連でスピーチを行った。
敵はクモ怪人。三神官から派遣され、和泉葵を拉致するために現れた。先に葵に接触していた南光太郎によってバラバラにされてしまう。
「仮面ライダーBLACK」から35年。リメイクとして作られた本作は、大きく様相を変え、社会的な問題を浮き彫りにする作品として作られることになった。
この社会では人間に擬態できる怪人が差別の対象となってる社会で、怪人をミュータントと考えるなら設定自体は「X-MEN」の世界観に似ている。この世界では怪人を排除しようとする勢力と、怪人と共存しようとする勢力が存在するが、更にその裏には怪人を優性人種として世界に君臨する勢力が要ることが分かり、日本の首相はそれらの勢力を上手く渡り歩いて自分の勢力を作り上げている。
そんな中であまり褒められない何でも屋として生きてきた主人公の南光太郎が和泉葵という少女と出会ったことで話は始まっていく。彼女との出会いが何を意味するのかは不明だが、彼女を狙ってやってきた怪人を圧倒的な力で倒して見せた。
そして一方、同じ聖なる石を埋め込まれた秋月信彦は、ずっと長い間囚われの身のまま過ごしていたが、光太郎の目覚めと共にその力を取り戻し、その縄目を解き放って外界へ出て行き、光太郎の前に姿を現す。
日本首相としてルー大柴が起用されているが、その立ち居振る舞いはどこかで見た首相の姿に重なっている。表向き人間と怪人の共生を謳ってはいるが、その背後で怪人の始祖である創世王を徹底的に利用しようとしていた。
監督が白石和彌だけに残酷描写も多々。なんか表現自体は「真・仮面ライダー」っぽさもあり。怪人の内臓を引きずり出すとかの描写は、ちょっと勘弁して欲しい。 |
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劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ |
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12 |
読書 |
銀河鉄道999 16
いくつもの星を巡り、その度ごとにメタノイドと人間の争いを目撃するようになった鉄郎。人類とメタノイドの間の戦いに巻き込まれつつも、メーテルはひたすら目的地エターナルに向かうことを鉄郎に促す。
前巻までで人類とメタノイドの果てしなき争いが主軸になっていたのだが、今巻から様相が少し変化し、人類とメタノイドの争いの中で、何か別なことが起こっていることが暗示された。そのためにメーテルは鉄郎を連れてきたらしいが、それがなんであるかは語られないまま。 |
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47話 |
ソノイ達三人の脳人はドンブラザーズと手を結ぶことを提案する。そこで喫茶どんぶらに集まって話し合いとなるのだが、話はどんどんややこしくなっていく。
敵は電撃鬼と世界鬼。喫茶どんぶらで喧嘩したカップルの男と女が変化した。ちなみに女の方は39話で邪鬼となったたまきという女性だった。
ドンブラザーズと脳人が手を組むという、ある意味とんでもない話。これまでの戦隊ものでもなかなかこう言う話は無い(「カ〜〜〜レンジャー」で実際にあったから、無いとはいわんのだが)。
それで会談が始まったのは良いのだが、主張が錯綜してなかなかのカオスぶり。ソノザと真一の相性が悪くて互いにいがみ合い、ソノニは翼に秋波を送るが無視され、ストレートなはずのソノイとタロウの会話が噛み合わない。更に妻のみほを失った雉野がキレ散らかして会談そのものを混乱させている。更にタロウの育ての親で、獣人の見張りをしているという桃井陣まで現れ、しかもほとんど何の役にも立たないとか。現実の会議っぽいカオスっぷりだった。
ようやくマスターのことが話題に出た。ソノザに「お前はただ者ではない」と言われたマスターが「俺はただ者ではない」と返すとか、桃井陣が突然現れてくるとか、何が何だか。更に陣はマスターのことをよく知っていたようで、「トゥルーヒーロー」と呼んでいた。
桃井陣の役割は前回の寺崎と同じで獣人を抑える役だったようだ。前回ソノイに許しの輪の元に行く力を与えたのも陣だったことも分かった。
一方、ソノシ、ソノゴ、ソノロクは勝手に暴れ回ってドンブラザーズを呼び出そうとするが、会議に忙しいドンブラザーズと脳人は全然気がつかず、無視されてしまう。
結果としてほとんどが喫茶店の中だけで終わるという異色回だった…そもそもこの作品は異色回だらけの気がするが。
最後に二体のヒトツ鬼が現れ、それを退治に出たら、キジブラザーとドンモモタロウが吸い込まれて終わり。なんだこの終わりかた。
<ソノシが脳人の戦闘員を呼び出す時にオカリナで奏でる曲は「人造人間キカイダー」のギルの笛の音だったよな?
電撃鬼はともかく、世界鬼ってどこの戦隊?…あ、「バトルフィーバーJ」か。> |
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09 |
映画 |
かがみの孤城(2022) |
中学校に入ってから、いじめに遭って学校に居場所をなくしてしまったこころ(當真あみ)は、不登校状態に陥っていた。不登校児のための学童にも足が遠のいて日々自室に閉じこもるようになってしまうのだが、ある日部屋の鏡が光りだし、それに触れたこころは、見知らぬ城の中にいた。そこには他に七人の同世代の子ども達がおり、その中で狼の仮面を付けた女の子通称“オオカミさま”から、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも1つ叶えてやる」と告げられる。九ヶ月の時間を使って鍵を探すことになった七人は、やがて自分たちが選ばれた理由を突き止めるべく、お互いの事情を話し合うようになる。
寡作ではあるが質の高い作品を世に送り出す原恵一監督だが、何故か前作『バースデー・ワンダーランド』は大きく外してしまった。私としても期待して観てあの出来では到底評価も出来なかった。
そんな原監督の次回作。どうなんだろうな?とか思いながら、それでも観に行ってしまったが、前作とは全く異なった。これは大変面白い作品になった。
どっちかというとこれは映像化するよりも小説の方で読みたくなるかなり複雑な物語なのだが、その複雑さをしっかり映像に映し出し、しかも説得力を持たせられてる。大変素晴らしいバランス感覚を持った作品と言える。
これは元々の辻村深月の原作が面白いということだが、その原作をちゃんと面白いまま映像化できたところが流石である。
良い原作というのはつまり、文字に最適化した作品だということなのだが、それは映像とは別物ということである。原作がとても優れたものであったとしても、それを映像化した時に失敗する事はよくある。
それは小説とアニメーションでは文脈が違うということ。小説ならではの表現とアニメーションの表現は違う。勿論実写もその通りだが、実写と違うのは、実写よりアニメの方が本の台詞をそのまま表現するのが求められるという点で、ごまかしが利かない分、本とのニュアンスの違いが際立ってしまう。
その微妙なバランスを取るのに、一番上手いのは原恵一だろう。正直『カラフル』観た時は、原作小説よりも面白いものを作ってしまったもんだが、本作もその辺大変上手く作られてる。
作品の上手さはいくつもあるけど、まず物語の構成がしっかりしているところが挙げられる。本作の、特に孤城についての描写は思いの外複雑で、かなり難しい描写を強いられるが、大変バランス良く仕上げられた。特に複数存在する謎をタイミング良く開示するテンポが良かった。孤城に集められた子ども達の世代の話、鍵の在処の話、そしてオオカミさまの正体など、順々に分かるようになっていて、そのタイミングの取り方が上手い。小説なら問題なく出来る描写だが、それを映像にしてちゃんと理解出来るように作っているのが上手いところだ。
そしていじめに対しての描写の上手さだろう。いじめとは理不尽なものだが、リアルに描くと観ていてきついだけのものになってしまいがちなものをきちんと抑制をつけて、どこか救いのある描写と、だからといって責任がどこにあるのかしっかりと追求している作り。これはおそらく原作由来だろうが、作り手の方も逃げてないというのが良かった。正面からいじめ問題にぶつかりつつ、それをエンターテインメントに昇華できているバランスの良さがある。これまでいくつもいじめ問題にぶつかっていったアニメを観てきたが、その中では最もバランスの良い描写だったと思う。
その上で少年少女のビルドゥングスロマンとしてしっかり仕上がっていること。半年という時間を経てこころは自分を取り巻く人々によって救われていることを実感し、そして自ら一歩進んで人を助けようとしていた。それはこの孤城に集められたメンバーそれぞれが同じで、形は違えど、それぞれが自分の課題を乗り越えている。
これら一つ一つが見事なタイミングで展開されるため、全体的な質が大変上がっている。これだけバランス取るのは相当に苦労しただろうが、それが出来るのが原恵一という監督の実力だろう。 |
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9話 |
フェレンギ星人から正式に連邦への通達でエンタープライズ号と交渉したいと言ってきた。ピカードはエンタープライズ号を駆り、指定区域へとやってくるが、そこにはかつてピカードが指揮していた宇宙船スターゲイザーが現れた。
4話に登場したフェレンギ星人との接触が描かれる。ここでピカードの過去の話にも関わりを持つ。
今は停戦中だが、少し前まで連邦とフェレンギ星人は敵対関係にあり、ピカードも巡洋艦を指揮していた。過去に起こった戦いが今回の肝。
今回はピカードがずっと頭痛を起こしていたが、これも伏線で、フェレンギ星人が昔ピカードが指揮していた宇宙船に残っていた人工頭脳に干渉してピカードの記憶を混乱させた。それでスターゲイザーに乗り込んだピカードを混乱させてエンタープライズ号を攻撃させようとした。実際自分自身の記憶も混乱して、とんででもない言動をするようになってしまった。
今回はピカードが混乱して悪役に回ったため、ライカーが指揮してデータやウェスリーの協力でことを収めた。
<時折精神的な弱さを出すピカードだが、こんな状態だと指揮官として失格なのでは?と思わせることが時折出てくる。
コクピットに火が出るのは本作の特徴だが、火が出たらそれは艦が破壊されてるということなのでは?> |
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08 |
読書 |
オーバーロード15 半森妖精の神人
アインズ・ウール・ゴウンによる地上侵攻も一段落し、これと言ってすることが無くなってしまったアインズは、まだ見ぬエルフ族を調べようと思い立つ。そこでダークエルフという設定のアウラとマーレを連れ、エルフの森へと向かう。
前巻の展開から一転し、妙にほのぼのした話が展開中。もう終わりが近いはずの作品なのだが、なんでこんな間延びのする話を挿入するのか疑問だし、更に終わってない。著者はこれからどういう話を作るつもりなんだ? |
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21話 |
時限爆弾ゲームで今度は我那覇冴の家族が標的となった。仕掛けられたメロン型爆弾の解除方法を探す仮面ライダー達。一方ジャマト側の運営は今回のゲームでデザイアグランプリを脱落した大智を参謀に迎え、仮面ライダーに対抗する組織を作っていた。
敵はバッファジャマト。ゾンビバックルを使ってゾンビフォームへ変身している。
デザイアグランプリ三回戦が終了。前回の続きで爆弾ゲームで、今度は我那覇冴の家族が狙われた。冴は自らを犠牲に家族を救ったが、その際自分がデザスターであると宣言したために脱落してしまう。しかし実はデザスターは彼女ではなく祢音だったというオチが付いた。何かと力になってくれた祢音に恩義を感じたため、祢音に優勝して欲しいために敢えてそのような方法を使ったらしい。
ジャマト側の運営も大智を参謀に迎えてパワーアップしているが、デザイアグランプリ側の運営は非常に強力な仮面ライダーゲイザーを繰り出した。圧倒的な力でバッファジャマトを倒したが、ゾンビバックルの力で復活したのを見て、それ以上の攻撃をやめた。
ゲームマスターのニラムに呼び出された英寿は、オーディエンス達が次元を旅するだけでなく、未来からやってきたことを見抜いたが、それが正しいかどうかはニラムは何も言っていない。
<道長はベロバに向かって、仮面ライダーを倒せば理想の世界が来ると言っていたが、道長にとっては仮面ライダーのいない世界こそが理想の世界だったはずなので、目的と手段は一致してる。ではその後は?> |
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ドゥニ・ヴィルヌーヴの世界 アート・アンド・サイエンス・オブ・メッセージ(2023) |
<A> |
<楽> |
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06 |
映画 |
SFベスト |
第1位 |
2001年宇宙の旅 |
第2位 |
スター・ウォーズ EP4 |
第3位 |
ブレードランナー |
第4位 |
スター・ウォーズ EP5 |
第5位 |
ターミネーター |
第6位 |
ジュラシック・パーク |
第7位 |
遊星からの物体X |
第8位 |
エイリアン |
第9位 |
未来世紀ブラジル |
第10位 |
エイリアン2 |
第11位 |
E.T. |
第12位 |
マトリックス |
第13位 |
ターミネーター2 |
第14位 |
バック・トゥ・ザ・フューチャー |
第15位 |
メッセージ |
第16位 |
トゥモロー・ワールド |
第17位 |
12モンキース |
第18位 |
インセプション |
第19位 |
エターナル・サンシャイン |
第20位 |
ザ・フライ |
第21位 |
スター・ウォーズ EP4 |
第22位 |
ブレードランナー2049 |
第23位 |
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー |
第24位 |
ストーカー |
第25位 |
アンダー・ザ・スキン |
第26位 |
ロボコップ |
第27位 |
ウォーリー |
第28位 |
アイアン・ジャイアント |
第29位 |
アビス |
第30位 |
スター・トレック2 |
The 30 best sci-fi movies of all time |
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読書 |
金色のガッシュ!!2 1
魔界王が決定してガッシュが魔界に帰ってから数年。王となったガッシュによって魔界は平和に納められていたはずだった。しかし魔物を全て殺そうとする“何か”が現れ、圧倒的な力で次々魔物達を殺していく。ガッシュも倒れてしまうが、その遺言とも言える、「人間界に行って清麿という男を捜せ」というメッセージを持ったゼリィという子どもが人間界に現れる。
「金色のガッシュ!!」終了後から既に10数年が経過しているが、劇中ではそこまでの時間は流れていないらしい。魔界ではガッシュが殺されたという衝撃の事実から始まり、残された一人の魔物が人間界で清麿と出会い、そこからガッシュの復活と、流れるような物語展開。ブランクを感じさせない良質な物語になってた。 |
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04 |
映画 |
赤ん坊の食事 |
オーギュスト・リュミエールと彼の妻、そして夫妻の娘である赤ん坊アンドレ・リュミエールが、田舎で朝食をとっている様子を描いたもので、ドキュメンタリーというにはあまりにも動きがなく、記録映画としても変。とても中途半端な作品となる。
ただ、本作の場合は可愛い赤ん坊が出ているというそれだけで充分映画にする意味があったとも言える。そもそも最初の映画はただ目の前のものを撮るだけのものだが、折角撮るんだったら、なんらかの華が欲しい。その華として赤ん坊は最適なものだっただろう。
少なくとも単に工場から人が出るだけの『工場の出口』と較べれば、見栄えは格段に違う。あくまで初期ののぞき穴での公開が前提ではあるが。 |
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46話 |
獣人の森に入るため、敢えて自ら獣人になるタロウ。一方、脳人の元老院からソノイらを摩擦する命令を受けて現れたソノシ、ソノゴ、ソノロクによってつよしは封印され、オニシスターとサルブラザーだけで戦わねばならなくなってしまう。
敵はソノシ、ソノゴ、ソノロク。そして獣人の群れ。
タロウは獣人の森に取り込まれ、獣人のタロウが誕生。更に雉野つよしが封印され、ドンブラザーズがすっかり歯抜け状態。
このカオス状態がどうなるのかと思ったら、人間の世界に戻ってきた獣人状態のタロウが記憶を取り戻し、逆に獣人の意識を飲み込んでしまい、再び獣人の森へと戻ってそこに捕らわれている人間を全員解放。更に獣人にここから出ることは許さんと命令していた。
幻の中に生きているジロウは翼に幼なじみのルミを紹介するが、翼の目には何も見えない。シュールな光景が展開している。ジロウの育ての親である寺崎が死んだ時、ジロウもそれが幻である事を知ってしまった。
ソノイ、ソノニ、ソノザは元老院から抹殺命令を受けてしまい、代わりにやってきたソノシ、ソノゴ、ソノロクによって追い立てられてしまう。そこで開き直って人間の世界を守ることにした三人は、これまで自分たちが封印してきた人間達を全員解放してやる。当然その中にはつよしも入っている。
今回分かった事実は、脳人の貴族であるドン家は人と脳人をつなぐ存在として獣人を作り出したが、失敗したために特殊空間の獣人の森を作り、そこに獣人を封じ込めた。その封印を守るために代々ドン家の血縁者が守り人となっていた。ところが封印の力が弱まったために獣人は人間をこの森に入れることでその体を手に入れて外に出るようになった。タロウが獣人の森に来て封じ込まれた人間を解放し、獣人を改めて封印した。
タロウの活躍で色々すっきりしたが、すっきりさせた結果、ジロウは幻から目覚めて幼なじみを全員失い、つよしは愛するみほを失う。なんとも切ない。お陰でこれから余計カオス状態になりつつある。 |
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教養としてのフランス映画220選(2023) |
<A> |
<楽> |
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02 |
読書 |
蜘蛛ですが、なにか?7
魔王領までの長い道のりを徒歩で歩む魔王アリエルと“私”たち。砂漠を踏破中、地下に謎の空間があることを発見した“私”は好奇心半分にそれを探ってみたところ、そこには金属で出来たトンネルと、膨大な数のロボットの群れが存在した。更にその奥にはとんでもない超兵器まで。
突然世界の危機が起こってしまい、互いに嫌い合ってる人類、エルフ、魔族が共同して対処するという話。一見感動的な設定なのだが、その中心となる主人公のやる気のなさがあって、今ひとつ感情的に盛り上がらない。ただこれは進化の頂点にいるはずだった主人公が新たなパワーアップを果たすために必要な話でもあった。どうやらこの星一つで話は終わらないらしい。 |
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8話 |
気の張る植民星移民輸送を終えたエンタープライズ号は、ルビカン恒星系で地球に似た惑星を発見する。先行して調査を行ったライカーらは、この星の住民は穏やかであると報告する。そこで休暇を兼ねて乗組員の多くを向かわせることになったが、エンタープライズ号に残ったピカードの元に、この星の神を名乗るメッセージが入り、惑星への干渉を禁じると言ってくる。
オリジナルでも多用されたファーストコンタクトの話。ただし住民ではなくその星の神との対話が主。一見とても素晴らしい住民達の惑星だが、それは作られた閉じられた生態系であることが分かってくる。
そしてこの星の住民の法は銀河連邦の法とは異なる部分があり、どんな軽犯罪でも死刑となる。それでちょっとした誤解でウェスリーが死刑を求刑されてしまった。そのため今回地上班の中心はライカーではなくウェスリーになってる。
前半はちょっとしたほのぼの展開だが、後半になると裁判となって相反する法とか正義の話になっていき、とてもシリアス。でもこれこそファーストコンタクトの醍醐味だろう。
この星の住民の言い分だと、ウェスリーを奪い返すなら、それを止める術はないと言い続けてるので、それに従えば良いだけのことなのだが、銀河連邦法よりも相手の星の法が優先されるらしい。その辺は誤解ってことでなんとかならんかったもんかな?結局は罪を定めるのは冷徹な法だけで行うべきではないと納得させて解放してもらった。しかし、これまで法を厳格に守ることで秩序を保ってきたのだから、こんな詭弁みたいな方法を使うのはすっきりしない。
ウェスリーが殺されそうになったので母親のビバリーが半狂乱になってる描写があり。過保護とは言わないけど、過敏すぎるように見える。
ウォーフが女性に抱きつかれてちょっとでれてるのが可愛い。尤もクリンゴン人はクリンゴン以外に欲望を感じないそうだ。
今回この星の神が登場するが、おそらくは古代文明の生命体だろう。1話に登場したQと関わりがあるのかも。
<初めての惑星でいきなり休暇を楽しもうというのがそもそも大問題なのでは?
この惑星の住民はみんな良い体をしていて、薄い衣服ばかりなので、ちょっと戸惑う。性的に開放的な星だと分かってるのにウェスリーを連れていくのはなんでだ?> |
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