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30 |
映画 |
響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜(2019) |
新学期が始まり、新体制となった北宇治高校吹奏楽部。昨年全国大会まで言ったと言う実績もあり、大勢の新入生が入り、2年生となった黄前久美子(黒沢ともよ)は後輩を抱えることになる。低音パートに入ってきた新1年生はみんな曲者揃いで、そんな後輩の面倒を看るようになっていった久美子だが…
かつてテレビシリーズで展開していた「響け!ユーフォニアム」は、テレビとは思えない綺麗な絵と、演奏シーンのとんがった演出によってとても印象深いものとなった。お陰で私自身が興味もって原作を読み始めたくらい。
原作について言うなら、現役大学生が小説を書いたという事から、まだ文体は練られておらず、1作目なんかは結構読み難い作品だったのだが、いかにも普通の高校でありそうな出来事や細やかな心理描写がとても面白い作りだった。
それから次々に続刊が書かれていくことになるのだが、話が進むにつれて著者の実力も上がり、4作目と5作目となる本作の原作「第二楽章」になると、文章自体も軽快に読ませる見事な作品になっていった。著者が現在書きつつある3年生編がとても楽しみでもある。
原作が前後編と長いので、これもテレビシリーズでやるのか?と思っていたのだが、敢えてそれを映画でやるというのに少々驚いた。
ただし、これは特殊な形態で、基本一本の映画で全部を演出するが、その一エピソードだけを『リズと青い鳥』(2018)として別な映画で作っていた(そちらには本来主体的に関わるはずの久美子の存在が敢えてカットされている)。なかなか面白い形式で上映された。
ただ、私なりに考えるなら、大変勿体なかった作品だったと思う。
この作品は普通の高校生の、普通の高校生活を描くところに特徴がある。いわゆる“普通”の高校生として青春を吹奏楽に賭ける少女達が描かれることになる。
だからメインストーリーは全国大会に向けての吹奏楽部の活動となるのだが、主人公の黄前久美子は、問題を持った人と関わって、その解決の手伝いをしてしまうという点がちょっとだけ特徴のある物語となる。
主人公の久美子は基本的には真面目に部活に打ち込む普通の女の子で、問題がある人に積極的に関わる訳ではない。その問題がだんだんとエスカレートして収拾付かなくなったところで巻き込まれ、そこで事件解決への道筋を探るようになるというのが基本的な道筋。
原作ではその問題を持つ事態が五つほどあって、それも同時並行的に徐々に進んでいく。最終的にすべて久美子の介入で一応の解決を見て、問題を抱えていたそれぞれの高校生達の成長物語になっていく。
ただ、この同時並行的に進んでいく物語というのが問題となる。これらをすべて描くためには本来それなりの時間を必要とするのだ。テレビシリーズ向きの素材である。
ところがそれを時間に制限のある劇場版で作っってしまった。そのため問題が醸成されるまでの時間がなくなってしまって、とてもせわしない物語になってしまった。
具体的には順番に問題が起こって、起こった途端に久美子がそれを解決するように見えてしまう。もっと時間をかけて問題が熟するのを待たずに終わってしまうため、すべてが唐突に解決してしまう。
並行していくつもの問題が少しずつ展開していき、こんがらかった問題を少しずつ解決していくという風にテレビで作るべきだったとは思う。多少演出が犠牲になったとしても、ストーリーに力を入れてほしかった。
ただ、映画だからこその良さもある。何より演奏シーンは映画館で観るからこその迫力がある。更に『リズと青い鳥』をあらかじめ観ていると、その主人公鎧塚みぞれの圧倒的演奏シーンに心が熱くなる。
作品としてきちんとまとまっているし、テンポが良いとも言えるが、私としては、もっと長い作品で作って欲しかったと思う。せめて前後編。間に『リズと青い鳥』を挟んだ三部作だったらだいぶ良くなったと思う。
そんなこともあって、良い部分と今ひとつの部分の二つがあるので、結構複雑な思いはある。 |
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11話 |
新たな騎士竜の反応を知り、調査をするバンバとトワ。だがその場所には既にワイズルーがおり、地中から騎士竜ディメボルケーノを出現させてしまった。出題するクイズに正解しないと炎を吐いて消えてしまう。
敵はシンマイナソー。幻覚を見せる能力を持つマイナソーで、リュウソウジャーに仲間割れを引き起こさせる。
コウとメルトの二人を中心に、新しい騎士竜が仲間になる話。仲間になるにはクイズに答えなければならないため、知恵者のメルトが最初に挑戦。しかし騎士竜ディメボルケーノは、口先の答えではなく本質を見抜く力を持つ人間を選ぶと言うことで、メルトは失敗。その後に素直に答えたコウが成功するという話。キャラの特性を生かした話となっている。
ディノボルケーノの力を手に入れることによってリュウソウレッドはパワーアップ。ディノボルケーノの姿をかたどったメラメラソウルの鎧を纏うことが出来た。
<ディメボルケーノが出現するのは普通の雑木林だが、何度登場しても雑木林は変わってない。木が倒れたり地面がほじくられたりとか全く演出無しで良いんだろうか?そもそも重量感が全くないので、いくら口で言っても迫力がない。> |
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29 |
映画 |
大失敗映画 |
バトルフィールド・アース |
プルート・ナッシュ |
カットスロート・アイランド |
ジーリ |
ポストマン |
ローラーボール |
ファイナル・ファンタジー |
80デイズ |
スピード・レーサー |
ジャスティス |
タイタンA.E. |
13ウォーリア- |
アラモ(2004) |
K−19 |
エアベンダー |
15 Big Movies That Bombed |
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読書 |
サイボーグ009 1
「エッダ編」巨大な怪物が出没するという新聞記事を見た00チームは全員で北欧の寒村を調べることになったのだが、住民は何も喋ろうとせず、何度も殺されそうになってしまう。この村には何かがあると、調べるチームだが…
「グリーン・ホール編」南米に生じた巨大な穴の調査に向かう009と002,003,005,006の5人。穴を下って行くにつれ、005の様子がおかしくなっていく。
「怪奇星編」海から化け物が出るということを聞きつけた009と006は日本の小さな漁村に出向く。そこには怪物に父を殺されたという少年雄二が船を出すと申し出る。
「ディノニクス編」ギルモア博士の旧友ロス博士がアメリカで本物の恐竜を見つけたという連絡があり、009と002、005が調査に同行することになる。
都合四作の短編を収録した作品。この中ではエッダ編が味わい深い。怪奇ものとSFを融合するのは著者の得意とする分野だが設定がいくつもひねってあって、オチの意外性も良し。00チーム全員が出動するのはこれ一本で、後は009を中心に2,3人でチームを組むのが定番。
でもせっかくの1巻は普通サイボーグ戦士の誕生編と対ブラックゴーストをやって欲しかったところでもある。読んでいくうちにその話も出てくるみたいだけど。 |
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ケンエレファント(Kenelephant) ART OF COLOSSUS パワードゴモラ |
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27 |
読書 |
オーバーロード6 王国の漢たち 下
リ・エスティーゼ王国で暗躍する犯罪組織八本指の情報を得た王女直属騎士のクライムは、ガゼフ・ストロノームの助力で殴り込みをかけるが、そこには同じ目的で背バスがいた。主君アインズ・ウール・ゴウンの命令を無視して八本指と戦おうとするセバスだが、逆にやはりアインズの家臣デミウルゴスはそれを利用しようとしていた。
話そのものは軽快で読みやすい作品なのだが、いろいろ混乱があって主人公アインズ・ウール・ゴウンではなくデミウルゴスが全部やったことだが、やってることは完全にマッチポンプで、アインズ・ウール・ゴウンの名の下、王都を混乱に落として多数の人民を殺し、一方で英雄モモンの名声を高めて資金集めをするとか、ほとんど悪魔のような所業。よくこんなの描いてるもんだ。 |
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37話 |
仮面ライダーギンガの出現と共にいくつもの隕石が落ちてくるようになった。しかもその隕石は地球外生命体のワームを運んでいることがわかった。放っておくことは出来ないとワーム退治に向かうソウゴら。人間に擬態したワームに襲われたソウゴを救ったのは青い姿をしたライダーだった。
敵はアナザーカブト。矢車想が変身させられたアナザーライダー。
「仮面ライダーカブト」編前編。登場するのは天道総司ではなく加賀美新と矢車想、影山瞬の地獄兄弟。
かつてアナザーライダーが現れたらオリジナルライダーは消去されたが、ブレイド編以降オリジナルライダーが同時に登場するようになった。それに疑問を覚えるツクヨミだが、どうやら時空が歪んできているらしい。加賀美新の言葉によれば、カブトの世界とこの世界は違う時空にあり、それが融合しているらしい。
そして満を持して現れた門矢士。時空の歪みを調査してると言っているが、キーパーソンはツクヨミらしい。
クロックアップしたワームに対してゲイツリバイブは疾風で、ウォズはシノビでちゃんと対応してる。最速スピードを誇ったカブトももうそんな立ち位置になるのか。
今回の変身はジオウがフォーゼアーマーになって宇宙で隕石を破壊してた。そういえばこれも宇宙モティーフか。
<オープニングで突然「仮面ライダーカブト」の主題歌演出が始まってびびったが、すぐに通常オープニングが始まり、ほっとした。
パンチホッパーがクロックアップしてるが、これは本編では登場してない。「カブト」放映当時は「クロックアップできるか出来ないか」で議論してたことを思いだした。
影山瞬役の内山眞人を見てると、時間の流れを感じてしまう。なんせ13年前だもんな。
仮面ライダーウォズギンガの必殺技の鬱陶しさは群を抜いてる。「すいきんちかもくどってんっかい」って、「めい」が無いのでちゃんと現代に対応か。> |
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26 |
映画 |
ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017) |
1996年。テレビゲーム好きの少年ヴリークは海岸で「ジュマンジ」と書かれたボードゲームを手にする。家に持ち帰って、一晩過ぎると、何故かそれはテレビゲームのロムに変わっていた。好奇心からそのゲームを始めたヴリークは、その日姿を消してしまう。そして時が流れ2016年。ブラントフォード高校に通うスペンサー、フリッジ、マーサ、ペサニーの四人は校長先生から学校の倉庫の掃除を命じられる。嫌々掃除を始めた四人は、そこに古びたゲーム機とそこに刺さっているジュマンジというゲームがあるのを発見する。興味を持ってゲーム機を起動させたところ、全員ゲームの世界に入ってしまう。
ロビン・ウィリアムズ主演作品の『ジュマンジ』(1995)は公開当時かなり話題になったものだ。身体は大人で心は子供というウィリアムズお得意の役柄のフィックスぶりもあって、楽しい作品に仕上がっていた。
そしてその後10年後にリメイクである『ザスーラ』(2005)を経て、更に10年後に本作が出来た。
オープニング部分でボードゲームのジュマンジがテレビゲームになったことがわかり、安っぽくなったか?と思ってしまったが、結構あっという間に慣れてしまった。
これまでのシリーズではゲームに引き込まれた子供は子供の姿のまま冒険させられたが、この作品ではアバターとなって存在する。外見と中身が全く違うため、そのミスマッチが楽しい。ちゃんと中の人間の個性を残しながら、アバターの能力を使って冒険をするというのがなんとも心地よい。
この心地よさが何かと考えると、昔ちょっとはまったTRPG(Tabletop role-playing gam,Tabletalk role-playing game)のような感覚だと分かる。使ってるゲームがテレビゲームなのだが、アナログ感あふれた作りになってるのがなんか楽しい。
本来の自分は別にあるのだが、そのゲーム中のキャラになりきり、そこで期待されている行動を取りつつ、時に二つの人格を同時に使うことで危機を乗り越えていく。それがとても面白い。
例えば主人公のスペンサーはとても内向的なギーク若しくはナードキャラなのだが、そのいアバターはドウェイン・ジョンソン演じるフェロモンまき散らすマッチョなキャラとなるし、バスケットのスターでジョックのフレッジは、単なる荷物運びのサイドキック役に、いわゆる今時のイケてる女子ベサニーは中年太りした冴えないおっさん。そして女性版ギークキャラのマーサは健康的な美女タイプに。
どれも本来の性格とは全く違った容姿と能力なので、戸惑い手探りで冒険を続けていく内に、徐々に外見の方に合わせられるようになっていく。ゲーム上の自分自身や仲間の死も一種の裏技として使いつつ、気がつくつとすごくしっくりくるようになっていく。
この違和感と同化の絶妙な組み合わせが本作の魅力であろう。ずれた言動と行動、そして思い切った行動。これこそが先ほど挙げたTRPGの醍醐味なのだ。テレビゲームも没入出来るが、あくまで一人。多人数でわいわい言いながら自分のアバターに同化していく楽しさはアナログの良さがあるものだ。
だから最初に欠点の多い設定だと思っていたのが、実はそれこそが本作の最大の魅力と分かると、あとはとても楽しくなっていく。二回までなら死んでも大丈夫という裏技があるため、普通のアドベンチャー作品と較べて変化を付けられたのも良い。
そしてこれもTRPGの醍醐味だが、みんなで楽しくプレイすること。物語が基本的に陽性に作られているので、そのはまり具合も良いし、ちゃんと映画のフォーマットも思春期の心の成長物語に落とし込んでるところもきっちりしているので、意外な好作だろう。 |
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24 |
読書 |
シドニアの騎士12
エースパイロットばかりを集めた新造艦で探査を命じられる長道ら。奇衣子(ガウナ)との小競り合いを続けつつ、抜群の連携で艦を進めていく。その果てに見るものとは…
激しい戦闘と緩い日常の寒暖差が本作の魅力でここまで来たが、シドニアを離れて艦が狭くなったため、余計にそれが映えるようになった。しかし問題として、物語が進んでいるようで全く進んでいないという状態で、なんともジリジリさせる内容というか… |
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10話 |
二人組にナンパされてしまったアスナは、そこに現れたボクサーの森健太に助けられる。そんな時にトロールマイナソーが現れ、そのボクシングスタイルの戦い方を見たアスナは、それが健太のものではないかと推測するが…
敵はトロールマイナソー。攻撃を受けると全く同じダメージを相手に返すマイナソー。ただし自分から攻撃を仕掛けることはない。ボクサーの夢を諦めた森健太という男から生み出された。
アスナを中心に、夢を諦めたボクサーとの交流を描く。アスナ自身は天真爛漫で時に周囲(主にメルト)を苛つかせることもあるが、基本的に善人なので、それで解決を見ると言う話。解決とは言え、最終的には本人の心がけ次第というところに落としてるのも良い。
個性をピックアップして解決させるのは最近の戦隊ものでは定番で、上手く仕上がってる。
狭い場所での戦いで手持ちカメラを上手く使ってゲームのFPSっぽさを演出。更にトロールマイナソーとの戦いではピタゴラスイッチっぽい演出もあり。これも面白い。
ワイズルーに従うクレオンだが、ワイズルーがいなくなった途端に毒づいてる。敵側の人間関係がよく分かる話でもある。クレオンの作戦が上手く行きかけたところをワイズルーの余計な介入で作戦失敗してしまうあたり、サラリーマンの悲哀っぽさがある。
正直、本作はかなり脚本の悪さが目立っていたが、メインライターからバトンタッチした途端に面白くなるのもちょっと寂しい。
<ワイズルーもなんで作戦上手く行きかけてるのに正体ばらすかな?
ワイズルーと戦うリュウソウピンクは「その澄ました顔を泣きっ面に変えてやる」と言っているが、表情なんてあったかな?
最後にアスナに対するドッキリパーティが仕掛けられるが、肉のパックが看板に貼り付けられていた。これでは肉が偏ると思うんだが、そんなこともなかった。> |
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BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ- |
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23 |
映画 |
スター・ウォーズベストシーン |
帝国の逆襲 |
ダース・ベイダーがルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)に「ルーク、私がお前の父だ」と言う場面。 |
帝国の逆襲 |
炭素冷凍されるハン・ソロ(ハリソン・フォード)に向かってレイア姫(キャリー・フィッシャー)が「愛してる」と叫ぶと、ソロが「分かってる」と言ってキスする場面。 |
ジェダイの帰還 |
レイア・オーガナが金のビキニを着せられ、ジャバ・ザ・ハットに鎖で繋がれた場面。 |
帝国の逆襲 |
惑星ダゴバのヨーダがルーク・スカイウォーカーのXウィングをフォースで浮かせる場面。 |
ファントム・メナス |
オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)とクワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)の2人を相手に、ダース・モール(レイ・パーク)が両端が光るライトセーバーで戦う場面。 |
シスの復讐 |
オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)の"最後の対決"。 |
新たなる希望 |
ジョン・ウィリアムズのテーマ曲とともに「昔むかし、遥かかなたの銀河系で」とオープニングロールが流れる場面。 |
帝国の逆襲 |
氷の惑星ホスでのAT-ATによる総攻撃の場面。 |
クローンの攻撃 |
ヨーダがドゥークー伯爵(クリストファー・リー)と戦うため、ベルトのライトセーバーをフォースの力で両手に収め、戦闘態勢に入る場面。 |
ジェダイの帰還 |
惑星エンドアでのスピーダーバイクでのチェイス。 |
新たなる希望 |
ハン・ソロ初登場。モスアイズリーのカンティーナの酒場で、賞金稼ぎのグリードを撃ち殺す場面。 |
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読書 |
地球の長い午後
遙かに未来の地球。環境の激変によって肉食植物に覆われた大地で細々と生き続ける人類。死の儀式を終えて宇宙に向かった部族リーダーのリリヨーは、たどり着いた月で人類生き残りの方法を見いだす。一方、地上に残った人類の中から追放処分を受けた少年ブレンは一人彷徨いながら様々な部族と出会っていく。
古典SFの名作だが、確かに圧倒的なセンス・オブ・ワンダーに溢れた作品である。なんせ次に来る展開が全く読めないから。ただ一方、物語の完成度は決して高いとは言えない。なんでこんな展開でこんなオチになるの?というのが多々。
ただ、作品の完成度はともかくとして、片手で数え切れないほどの日本の小説や漫画の元ネタであることが分かる。古典SF読む醍醐味はここにあるな。 |
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映画 |
バイス(2018) |
ワイオミングで育ち、イェール大学に入学したものの、アルコールと喧嘩に明け暮れて放校処分を受けてしまったディック・チェイニー(ベイル)。付き合っていたリン(アダムス)が結婚の条件としての叱責もあって、政治の世界に足を踏み入れる。そこで意外な才覚を発揮して大学中退ながらとんとん拍子に出世していく。特にフォード大統領の元で国防長官となったラムズフェルド(カレル)の下に付いたことで、国防に冠する重要機密に関わるようになっていき、やがて自らも議員として立つことを考えるようになっていく。
アメリカ史上最悪の副大統領とも言われたディック・チェイニーの伝記映画。これは悪い意味ではなく、決断能力が極めて低い当時の大統領の代わりとなって政策を次々に出したということからで、「アメリカ初の首相」ともいわれている。
ブッシュのサポートと言うことで、筋金入りのタカ派だが、私が知っていたのはそこまで。本作を観ることでいろんな事が脳内でつながっていった。
ブッシュ大統領と言えば、任期中に911の連続爆破テロがあって、それを断固対処したために有名となり、それなりに評価されているが、果たしてその対応が本当に正しかったのか?映画ではマイケル・ムーアの『華氏911』(2004)とオリヴァー・ストーンの『ブッシュ』(2008)で語られているが、どちらも基本的にブッシュはあまり深く考えずに決断を下すタイプとして描かれていく。ただこの2作を観る限り、決断力だけはある人物として描かれていくのだが、本作を観て、その唯一の評価される部分である「決断」さえも実は他の人物によって誘導されたもののように思えてくる。なるほどこれが首相の役割なんだな。
作品そのものについて言うならば、本作は典型的な伝記の形態を取ってはいる。特にそれなりの地位を得た有名人が主人公はパターンとして、ルサンチマンを胸に抱きつつ、人より抜きん出た才能でのし上がっていくというパターン。劇中頂点にまで上り詰めたところで今度はどん底にたたき込まれるというのが通常のパターン。多くの伝記作品はこれに則ってるし、2018年はそのパターンで『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)が大ヒットしてもいる。
チェイニーの場合は政治家なので、普通の意味での才能はないが、上手いこと出世コースに乗ったラムズフェルドの秘書となったことによって一気にのし上がり、一度雌伏の期間を経てブッシュに拾われるというコースを取る事になる。
才能と言うよりは事務能力。更に運と過激な主張で出世コースに乗るわけだが、その辺は別段嫌味を入れることもなく、冷静かつ公平にきちんと描いている。
その冷静な描写の上に立って、しっかりと政治的主張を発信してるのが本作のユニークさである。
そもそも監督のマッケイはどぎついコメディ作品を作って有名になった人物である。そんな監督が一筋縄の作品を作るはずはない。
はっきり言って、本作はかなりの悪意が籠もった作りになってる。
この辺の政治的主張はマイケル・ムーアとも共通するところはあるのだが、ムーア監督はドキュメンタリー作家なのに偏見と感情をぶつけて描いているのに対し、マッケイ監督は悪意を込めるべき人物を徹底して冷静に描いているのが特徴。同じ主張なのに、映画作りが全く逆というのがとても面白い。だからとても真面目な作りのくせに、どこかコミカルというか、人物を揶揄する部分がいくつも入っていて、コメディ調になってるのが特徴。
コメディ調と書いたが、正確には違う。これは純粋なコメディだ。ただ、普通のコメディと異なり、基本的に画面作りそのもので笑わせず皮肉な、人物描写だけで笑わせることを目的にした作品と言うことだ。
ここに描かれるチェイニーは不遜なところがあっても基本は真面目で、地道に仕事をしているが、会話は一つ一つ綱渡りのようなもので、どこで機を見て取り入るか、あるいは関係を切るかをしっかり観察しているだけでなく、時には人間関係を無視して思い切ったこともやって波に乗る。
真面目さよりも人心掌握に主眼を置いているのがコメディ的になる。同じようなパターンを用いながら、職務の方に主眼を置いて深刻な話になったイーストウッドの『J・エドガー』(2011)とはとても対照的で、同じような題材をとって、同じような作りなのに、コメディとシリアスでこんなに違った雰囲気で作れることに驚かされる。
本作で一つだけ残念だったのは、ラスト近くなって「これはコメディですよ」というエクスキューズが付いたことだろうか?なくてもコメディと分かるのだから、いちいち説明されると蛇足という気はしてしまう。視聴者をもう少し信じてほしいと思うところが少々引っかかった。 |
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13話 |
記憶を取り戻したものの、腕のレジスターから毒薬を投与され、イユの命は残り僅かだった。イユを救うべく4Cへの殴り込みを決意する千翼と、それを阻止しようとする悠。一方、それが七羽であると分かっていながらオリジナルであるクラゲアマゾンを殺そうとする鷹山仁と、それを阻止しようとするマモル…最後の戦いが始まろうとしていた。
2期の最終回。話は二つの流れとなり、アマゾンオメガとアマゾンネオの戦いと、アマゾンアルファとクラゲアマゾン・モグラアマゾンの戦いが展開。
千翼の存在により、1期と較べるとより個人的な話になっていたが、その分悲劇性が高くなってる。暴走状態になったアマゾンネオはほぼ完全な怪人状態だったが、死にかけているイユを
守ろうとしていた仲間のアマゾンが全員死んでしまい、残った自分一人だけで生き残ろうとも思ってないマモルもまた悲劇。結果としてクラゲアマゾンもモグラアマゾンも死んでしまう。
そして最後にアルファ、オメガ、ネオの三体の仮面ライダーアマゾンによる戦いとなる。決着は不明だったが、七羽の隠れ家だった場所にネオアマゾンレジスターが置かれていたことから、もうこの世にはいないだろう事が暗示される。
千翼がいなくなったことによって、平和を取り戻したかのように思えたのだが、まだ話は続くことになる。
アマゾン同士、アマゾンと人間との戦いも演出が極めてソリッド。ここまで待った分、一気に吐きだした感じだ。
<イユを救うもう一つの方法として、レジスターを付けた左腕を切り落とすという方法があるのだが、それは考えないのね。
銃弾に撃たれた千翼の血が飛び散り、カメラに付着する描写もあるが、これをわざわざCG使ってやる意味は?> |
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19 |
読書 |
仮面ライダークウガ9
恋人と思っていた本田絵美が駿河の依頼で接触したという事を知らされた津上翔一は再び絶望の淵に落とされてしまうが、そんな翔一の前に翔一同様アギトとなった者たちが現れ、仲間に入るよう誘いをかける。一方、メ・ガリマ・バと出会う事でグロンギの中に本当に人間のような存在がいることを知った五代はグロンギと人類の共存について方法がないかと考えていく。
グロンギとアギト集団を間に挟んでの五代雄介のクウガと津上翔一のアギトのすれ違いがメイン。「仮面ライダー555」を思わせる著者らしいすれ違い描写となっている。
グロンギの一部が何故アギトを生み出したのかがはっきりした。このままゲゲルが続くのを放置していると、どう転んでもグロンギは全滅してしまう。それを防ぐにはゲゲルを遂行するグロンギを力でねじ伏せてゲゲル自体を無効化すること。そのために多数のアギトを作ってゲゲルの邪魔をすることが目的らしい。なるほどよく分かる。 |
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36話 |
突如宇宙から現れた仮面ライダーギンガの圧倒的力に抗体を余儀なくされるジオウら。地球そのものを滅ぼしかねないギンガを前にタイムジャッカーと手を組まざるを得なくなる。スウォルツは更にアナザーキバの力も頼ろうというのだが…
敵はアナザーキバと仮面ライダーギンガ。
「仮面ライダーキバ」編後編。キバだけでなく新たな仮面ライダーギンガとの戦いもあって、かなり盛りだくさんになってる。ギンガは思ったよりあっけなかったけど。
ソウゴの初恋の人、北島祐子の真相が分かるが、時を超えることが出来るので、真相もあっという間にわかってしまう。実は本当の極悪人で、人の命も何とも思ってないというサイコパス。かなり素敵なキャラに仕上がってるが、その祐子が初恋の人なので、ソウゴは全く役立たずだった。
アナザーキバとの戦いは次狼がキバウォッチを持っていたことでキバアーマーの力を手に入れることが出来たが、祐子を救うことは出来ず、オーラに殺されてしまう。全くこども向きとは思えない展開だ。井上敏樹脚本の面目躍如だ。
仮面ライダーギンガとの戦いを経て新たな力を手に入れることになった。当初スウォルツがその力を手に入れたが、すぐさまウォズが奪い去り、仮面ライダーウォズファイナリーに変身。
そこかしこに釈由美子が主演した「スカイハイ」のオマージュが詰まってるけど、今回はそれも良し。
それと、前回隕石がビルに突入するシーンは「仮面ライダーカブト」の始まりっぽいと思ったら、次回がカブト編。なるほどこれつながってるのか。
<今回スウォルツが小悪人ぶりを発揮して、力を手に入れるためにいくつも画策してるがことごとく裏目に出て、その度に変顔を披露してる。結構個性的だな。
祐子はことあるごとにマンホールの蓋を持っている。盾として使ったり、投げつけたり…そういうキャラは知ってるぞ。青い服のヒーローだ。> |
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GARAGE TOY 大映30cmシリーズ バルゴン |
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ― オリオンの矢 ― |
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18 |
映画 |
恐ろしい家 |
レベッカ |
ウィンター家 |
鮮血の美学 |
旅人をもてなす一見普通の家 |
スプラッター・ナイト/血塗られた女子寮 |
女子寮 |
魔人館 |
ウェールズの旧家 |
回転 |
ブライの別荘 |
The Wrong House(2012) |
未来の家 |
ハウス・オブ・ザ・デッド |
島の中にある泥だらけの家 |
拷問の魔人館 |
私的刑務所となった家 |
The House On Skull Mountain(1974) |
スカル・マウンテンの頂上にある家 |
スプラッターハウス/笑激の館 |
悪魔の儀式で過去18人が死亡した家 |
魔の家 |
屋根裏に秘密がある家 |
キャスパー |
宝が隠されている家 |
ガバリン |
死霊が出てくる家 |
スクリーム・ハウス |
古代の像が置かれている家 |
チェンジリング |
幽霊の出る家 |
呪いの家 |
幽霊の出る家 |
ビートルジュース |
地獄と直結している家 |
ボディ・ハント |
森の中にある家 |
ハウス(2008) |
パブ |
ゴースト・イン・京都 |
京都にある日本の家 |
The House With Laughing Windows(1976) |
朽ちかけた小屋と芸術家のアトリエ |
アッシャー家の惨劇 |
アッシャー家 |
アザーズ |
グレースの住む家 |
ブラッド・ゾーン |
連続で殺人が起こる家 |
SHOT/ショット |
壁の中に子どもが埋められている家 |
恐怖の火あぶり |
コーラー家 |
The House Of The Devil (2009) |
ウルマン家 |
羊たちの沈黙 |
バッファロー・ビルの家 |
13ゴースト<未>(1960)
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ドクター・ゾーバのマンション |
HOUSE/ハウス |
田舎の家 |
モンスター・ハウス |
ドムス・マクタビリス |
スケルトン・キー |
ルイジアナの農園 |
ポルターガイスト |
新興住宅地 |
墓地裏の家 |
家の中に墓地がある家 |
たたり |
丘の上の家 |
ヘルハウス |
ベラスコの家 |
地獄へつゞく部屋 |
懸賞金が付いた家 |
ブラック・マジック/戦慄の館 |
7人の人間が殺された家 |
コレクター |
チェイス家 |
ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館 |
アール・マーシュの家 |
悪魔のいけにえ |
殺人鬼一家の家 |
マーダー・ライド・ショー |
ファイヤフライの家 |
ブレア・ウィッチ・プロジェクト |
森の奥にある家 |
悪魔の棲む家 |
112オーシャン・アベニューの家 |
家 |
カリフォルニアにある古い家 |
フッテージ |
オズワルトの家 |
死霊館 |
ハリスビルの農園 |
エルム街の悪夢 |
1428エルム街の家 |
呪怨 |
サエキ家 |
50 Scariest Horror Movie Houses |
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47話 |
突如ゴッタム・シティに贋札がばらまかれた。これがジョーカーによるものと睨んだ警察はバットマンに出動要請する。
2期三回目の登場となるジョーカー編。刑務所の中で人間そっくりのロボットを作り、それを用いて犯罪を行っている。今回のジョーカーの狙いはバットマンを倒す事とバット洞窟を探ることを目的にしており、ストレートにバットマンにちょっかいをかけ、バットマンも真っ向から受けて立っているため、お互いのだまし合いが見所となってる。
ジョーカーが贋札を作っていることを探るためにブルース・ウェインとしてジョーカーのアジトに入り込む光景がある。一応ホワイトフェイスという偽名を使っているが、どこから見てもジョーカーそのもので、よくこれで騙せると思ったもんだ。
バットマンとジョーカーによる罠のかけあいだったが、最後に罠をかけようとした時はブルース・ウェインの姿だったために、ロビン一人でジョーカー一味と戦う事になってしまい、ロビンが捕らえられてしまった。そしてよりによってブルースの手で処刑させられそうになってる。
<ジョーカーのロボットの指令は最初随分ぎこちなかったが、バットマンに襲わせてる時は一言で何でもやってくれてる。> |
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17 |
読書 |
Re:ゼロから始める異世界生活9
死に戻りを経てエミリアを狙うペテルギウス・ロマネコンティが精神生命体であることがわかったナツキ・スバル。アーラム村とエミリアの脱出とペテルギウスの打倒を同時に行うためにアクロバティックな方法を使うことになる。一つ間違えれば計画そのものが瓦解する厳しい計画を進めることになるが…
第三部終了の話。第三部はたたみ込むような物語展開だったので、全部無事に済んでほっとしたのだが、まさかの最後に再びどんでん返し。まだまだ物語は進むらしい。 |
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9話 |
尚久の薦めでリアル宝探しのイベントに来たコウ、メルト、アスナの三人と、たまたま同じくやってきたトワは宝探しに挑戦するが、見つけた宝箱に全員食べられてしまい、気がつくと見たこともない世界に飛ばされてしまっていた。そこにある宝箱を開けると、みんなが欲しいものが次々現れるのだが…
敵はミミックマイナソー。宝箱の形をしたマイナソーで、人ではなく古い箱庭から生み出された。自分を開けた者を特殊空間に閉じ込め、そこで望むものを永遠に与え続け、マイナスエネルギーを取り込む。
メルトを中心にした話。基本的に元気で突入するキャラが正義となりやすい戦隊ものにあって慎重なメルトはこれまでずっと浮きまくっていた。それはみんなに傷ついてもらいたくないという優しい思いから来ていたが、逆にそれは上から目線で仕切ろうとすることで、仲間を本当には信用してないという事実を告げられる。仲間を信用してじっくり考えるならば、リュウソウジャーは更に強くなれることが分かる。
リアル宝探しに来た四人が見つけた宝箱からはみんなが欲しいものが出てくるが、アスナは焼き肉食べ放題。トワはもっと強くなりたいという願いからレベルアップキャラ。コウは翼だった。アスナの望みがえらく即物的だ。本当の幸せって何だろう?という面白い問いがかけられた物語でもあり、これまでとは少々雰囲気が異なるが、これまでの話よりずっと戦隊ものらしい話になってる。(脚本家を変えてようやくまともな話が見られた)
マイナソーは人間だけでなくマイナス感情を持つ物質からでも生み出される。少しこれからの方向性が変わるかもしれない。
<ミミックマイナソーの中から鍵穴を見つけたメルト。なんで箱の内側に鍵穴があるんだろう?
ミミックマイナソーを生み出したのは箱庭だったが、メルトがいた林は広すぎて枠外だったような気もする。途中から幻影なのかな?> |
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バンダイ スピリッツ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダージオウ 仮面ライダーウォズ |
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15 |
映画 |
IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017) |
1990年のメイン州デリー。ある雨の日、風邪を引いてしまって弟のジョージーと遊ぶ約束が果たされずに家で寝ていたビル(リーバハー)。ところが一人で雨の中遊びに出かけたジョージーが失踪してしまう。風邪は治ったものの、弟が失踪した原因が自分にあると思い込んだビルは快活さを失ってしまってしまった。そんなビルを中心に、家に問題があったりしていじめられっ子になってしまった同級生が集まってくる。いつしか“負け犬クラブ”と自分たちで名付けたその仲間だが、メンバーの一人の転校生ベンが、デリーでは27年周期で子供の大量失踪が起こっていることを発見する。町のどこかにその原因があるのではないかと考えたベンは、それを探るべく“負け犬クラブ”全員で調査を開始する。
ホラー会の帝王と言われるスティーヴン・キングの諸作品は、その大部分が映画化されるというほど映画と相性が良いが、確かに映画として傑作と言われる作品も多々存在する。
では、その原作で一番評価が高いのは?と考えるならば、恐らくそのトップは「IT」となるかと思われる。
そして愛読者の一人として、私が最も好きな作品もまた「IT」である。
この作品は最も脂がのった時期の作品と言われることもあるが、前半は少年達の友情とホラーの見事な融合で、ホラー版『スタンド・バイ・ミー』(1986)とも言われるが、重厚さはそれを遙かに超える。更に後半に至ると宇宙規模の広さを持った物語になり、しかもきちんと破綻せずに決着が付いてるところが本当に見事。な作品である」
映画とは関係がないが、私がこの原作と出会ったのは、就職して一週間程度の研修会に出席した時だった。五日間は同室に同僚もいたことから、大して本も読めなかったが、研修も終わり、一足先に同僚が帰ってしまって、一晩時間が空いた。そこでやっと持ってきた本を本腰を入れて読むかと、ホテルの一室で読み始めた(それでもそれまでぼ五日で1巻の途中までは読んでいたが)。ところが読み始めるともう止まらない。明け方まで読みふけり、帰りの電車でもずーっと読んでいて、結局10時間くらいも読んでいただろうか?頭ふらふらになりながらも一気読みしてしまった。それだけ本当に面白かったということ。これほど集中して読んだ本は数少ない。
それだけ好きな作品である。前に映像化されていることを知り、すぐにレンタルで『IT イット』(1990)借りて観た。TMV作品だけに、前半後半合わせて合計4時間近く。割ときちんと映像化されていたが、凝縮しすぎと言った感じ。あの分厚い文庫本4冊分を2時間にまとめること自体が無理。
本作も『IT イット』の前半部は同じ程度の時間で作られたこともあって、たぶん同じく詰めすぎになるかと思ったのだが、案に相違し、かなり見事な作りになっていた。
これは演出の凄さのお陰。本来足りない時間を演出力でカバーしてみせた。それが本当に見事。
はっきりジャンルとしてホラー映画を確立したのはアメリカだったが、世界中でホラーが作られることによって、お国柄で様々な系統のホラーが作られるようになっていった。その中でも突出したジャンルホラーは日本のいわゆるJホラーと、メキシコで作られたスパニッシュホラーが挙げられる。
本作はそのJホラーとスパニッシュホラーの良いところを上手く融合させ、きちんとハリウッド映えするアメリカンホラーとして作り上げたところが上手い。
Jホラーは怪談の要素をホラーに取り込み、徐々に近づいてくる幽霊描写が優れており、そこに謎解きを加えることで、人間側と怪物側の双方が歩み寄ってくる描写が醍醐味。対してスパニッシュホラーの場合、刺激しなければ怪物を目覚めさせることがないため、慎重に慎重を重ねて怪物の横を通り過ぎようとしたところ、何かの拍子に怪物を目覚めさせてしまい、それ以降悪夢のような追跡劇に移行するというパターンが多い。そのどちらも取り入れ、更にアメリカンホラーのびっくり箱のようなショック描写を加えることで緊張感をしっかり高めていく。
その意味では完全に演出の勝利。
それに本作でのペニーワイズは群を抜く怖さ。『IT イット』の時は分かりやすいピエロの姿だったが、ここでのスカルスガルドの常軌を逸したピエロの造形は見事すぎるほど。特にあらぬ方向を向いてるのに、しっかりこちらを補足して見ている目玉が特に怖い。あまりに見事にペニーワイズやったもんだから、既にアイコン化してしまってるくらい。尤も新しいアイコン化されたモンスターと言えるだろう。
そうなると、今度は続編を心待ちにしてる。決着編を早く観たいものだ。 |
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12話 |
逃亡を続ける千翼とイユを追う4C黒崎隊。一方、オリジナルの細胞を用いてさらなるアマゾンを増やそうとするマモルを止めるために、オリジナルである千翼とクラゲアマゾンを追う悠。その中で、クラゲアマゾンが七羽であることを知ってしまった鷹山仁だが…
ようやく1stラストにつながり、悠と仁の二人の戦いが展開。結果的に二人とも七羽のクラゲアマゾンを追う事になるが、出来るなら七羽を救いたいと願う悠と、アマゾンはすべて滅ぼすと主張する仁の間で相変わらず喧嘩ばかりとなる。
一方、逃亡生活を続ける千翼とイユだが、生き残っていた橘局長によってイユの細胞破壊が始まり、千翼のアマゾンネオの孤独な戦いとなる。死の苦痛の中でイユは記憶を取り戻すが、その記憶というのは父親に喰われる自分自身のことで、その後は暴走。誰彼構わず殺戮している。
4Cの隊員がアマゾン化してる描写もあるが、千翼の暴走が元でその細胞を体内に取り込んでしまったためと考えられる。更にアマゾンネオも暴走して4Cの面々を殺しまくる。こうなるともはや千翼は完全に悪役そのものだ。 |
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13 |
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35話 |
2019年。収監されていた祐子という女性が突然刑務所に現れたオーラによってアナザーキバに変化させられてしまう。裁判で祐子の冤罪を証明できなかった弁護士の前に現れたアナザーキバは彼に襲いかかるが、ソウゴに阻止される。
敵はアナザーキバ。
仮面ライダーキバ編前編。ソウゴが過去味わった初恋の話でもある。
ほぼ今回は丸々北島祐子という女性のエキセントリックさばかりが出た話になってる。常にマウンティングを取ろうとする祐子に対し、折角アナザーライダーにしてやったのにと怒りを燃やすオーラの女の戦いと、そんな祐子を初恋の人として執着するソウゴ。
この話、これまでの話と較べると明らかに異質。なんだか話が急に平成ライダー前半のような話になったと思ったのだが、脚本が井上敏樹だった。急に納得いった。
このまま話が展開するかと思われたが、突然新しい仮面ライダーであるギンガが登場。ジオウトリニティさえ歯牙にかけない強さを誇ってみんなを蹴散らしている。展開が全く読めなくなった。
祐子役はなんと釈由美子だった。悪役を演じるのも貫禄たっぷりだな。やってることが「スカイハイ」でもある。ちなみに一度仮面ライダー作品には登場してる。「仮面ライダーG」という作品だが。
更に次狼役で松田賢二も登場してるが、これも嬉しい。前回の「響鬼」編の斬鬼役で出ても良かった位なんだが。
<北島祐子は2015年時点で24歳だったそうだ…いや、なんでもない。
ビルに突っ込んだ隕石が落下した先は採石場だった。角度的に言えば、ビルの直下に採石場があることになる。> |
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12 |
読書 |
百万畳ラビリンス 下
この世界の秘密を知るゲーム開発者多神と連絡が取れた礼香と庸子は、この世界が地球ではなく異星人が乗ってきた宇宙船の中だと知らされる。少しだけ事情を知る多神にもこの状況からの脱出が思いつかない中、徐々に絶望に落ち込む庸子。一方全く違った発想をする礼香は、逆に生き生きとこの状況を楽しむ。
この訳の分からない世界からの脱出する話。一見完全に詰んでしまった状況からの脱出行はSFマインドに溢れたものとなっている。もっと長くすることも出来ただろうけど、上下巻程度の長さだからソリッドにまとまった感もあり。ちゃんと自分を受け入れるという大切な命題もクリアしてるし。
多少いくつかツッコミどころもあるけど、SF作品はどんなものであれ矛盾は起こるため、説明不足なだけと考えておこう。 |
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46話 |
巨大ケーキにしつらえた底なし沼に飲み込まれそうになったバットマンとロビンは新開発のバットロケットで辛くも脱出できた。ナゾラーの狙いが金持ちクラブを襲い大金を得ることだと分かったが…
ナゾラー編後編。当初ナゾラーの狙いは金かと思われたが、本当の狙いは超兵器で、その開発資金のために金稼ぎをしてることが分かった。
開発された原子破壊銃は小形の懐中電灯くらいの大きさだが、あらゆるものを消し去る事が出来る。ただし電気を必要とするため、大規模破壊の瞬間タイミングよく雷を落とすことで無効化させた。雷をタイミング良く落とすのは無理なんだけど。
<原子破壊銃はあらゆる物質を消し去る事が出来る。それは良いんだが、原子破壊だと消し炭のようなものが残るはず。どっちかというと瞬間移動装置みたいなもん。
ナゾラーは原子破壊銃を警察署に設置したが、破壊銃を回収できなくなる可能性があるので直接使った方が良かったのでは?
原子破壊銃の存在を知らなかったはずのバットマンがちゃんと対抗手段を用いてる辺りにかなり脚骨キナ無理があるわけだが。> |
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10 |
映画 |
ROMA ローマ(2018) |
1970年メキシコシティのコロニア・ローマ地域。田舎から上京したクレオ(アパリシオ)はそこの邸宅で住み込みの家政婦として働いていた。留守がちの医師の夫アントニオの代わりに四人の子供の面倒を看つつ家庭を切り盛りしている妻のソフィア(デメサ)を助けて働いていたが、そんな時、ボーイフレンドのフェルミンとの間に子供が出来たことが分かる…
キュアロン監督は常に意外性のある作品を世に出し、その度ごとに驚きをもって受け入れられてきた。これと言った得意な作風もないのだが、どんな作品であってもどれも質が高い。
そして最新作もまた、とんでもないものを作ってくれた。
プラットフォームとして選んだのは劇場映画ではなく、Netflixというテレビ映画。これは実際に作られた映画の配信でも知られるが、オリジナルの映画サイズのドラマも数多く作っており、低予算ながら質の高い作品もかなり多く作られている。ただ、基本的にテレビで観られることが前提のため、これまでの作品は映画として認識されてなかった。
その流れを変えたのが本作となった。アカデミー賞をはじめとする数々の映画賞を総なめにして、Web映画の新世紀を作った(かもしれない)。
それは本作の質が本当に高かったからに他ならない。
これまでの作風とは全く異なり、本作はかなりの低予算作品。モノクロで、1970年のメキシコを舞台に、監督の幼少時代の出来事を描いた作品と言われている。主人公を家政婦のクレオに取り、女性たちの苦労の多い生活を描く作品となる。
元はテレビサイズの作品だが、劇場でかかった映画サイズとなると、演出がとてもエッジ利いてて凄く迫ってくる。更に静かな作品なので、音響が良いと、ぐっと迫ってくるものもある。
作品としては、昔のNHKの朝ドラっぽい雰囲気で、運命に翻弄される一人の女性が逞しく生きるという、まさにメキシコ版の「おしん」っぽさがある。
文明社会にあっては、表舞台で活躍するのは男性で、女性はどうしても弱い立場にある。それだけでなく、力の強い男は暴力で女性を従わせる事もあるため、女性は泣き寝入りせずにはいられないということも多い。
そんな社会構造を変えるためにこそ戦後の社会運動があって、今はだいぶ社会状況も変化している。ただ、本作の舞台となった50年前ほどは運動も途上で肝心なところで男女の格差が垣間見える。
メキシコにあっても状況は似たようなもの。女性の地位向上は少しは進んで男女交際ではほぼ対等な立場にあるような感じだが、子供が出来てしまって逃げる男に責任を取らせることはできないし、夫が浮気をしても妻はそれを受け入れるしかない。法律的にそれを咎めることが出来たとしても、なにもかも男に有利になってしまい、責任を取らずに逃げてしまうこともある。結果として理不尽な行為を受け入れるしかないのが女性の立場である。
しかし女性は泣いてばかりではない。そんな逆境も受け入れながら、逞しく生きていく。悲しみを受け入れながら乗り越えていく、そんな女性賛歌である。
ほんとこれじっくり観れば観るほど涙を誘う出来だし、改めて女性に対して自分がどんな行為をしてきたかを問われ続けてる感じがして居心地も悪かった。とにかく身に迫ってくる。
そんな風に思える作りは脚本の良さもあるが、何せ突出した演出の素晴らしさあってのこと。
本作の視点は本来的にクレオのものだが、それだけでなく、雇い主のソフィアの視点もあるし、キュアロン監督自身が経験したこともあって、子供の視点もある。様々な視点で女性というものを見つめているため、多角的に女性の立場というものを見せつけられるため、演出的にもかなり凝ったものだし、それに結構救いのない話を描いているにもかかわらず、決して暗くはならないよう、上手く配慮された演出ですっきりしてる。
絶望的な話を絶望的に暗く描くのは簡単だが、希望を感じさせるように作るのは大変。それがきちんと出来ているのがキュアロンの凄いところだ。
なんだかフェリーニっぽさもあるが、色の工夫でカラーに対応しようとしていたフェリーニに対して、逆に色彩を抑えることでそれっぽくしているのが面白い。
後はもちろん、本作はメキシコの歴史にちゃんとフィックスしているというところも評価高い。特に1970年付近だと、日本でも学生運動が盛んだったが、これは世界中で起こっていた。その渦中にあって体験しているというのが大きい。確かに監督自身は幼かったかもしれないが、実際のメキシコで起こった学生運動とメキシコシティの不穏さをきちんと画面に込められたのは、その空気感というものを肌で感じていたからかもしれない。いずれにせよ監督の強い思い入れがリアリティとなってる。 |
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8話 |
ケペウス星の王女カルデナとフィータ姉妹を保護するリュウソウジャー。カルデナによれば、ドルイドンから奪ったエネルギー体を地上に隠しており、これを使えば騎士竜をパワーアップさせられるという。だがエネルギー体を隠した場所にはワイズルーが待ち構えていた。
敵はコカトリスマイナソー。フィータから生み出されたマイナソーであることが分かった。
助けを求める異星人の姉妹を助けるという話なのだが、前回ラストでメルトが睨んだとおり、この姉妹は脅迫を受けてリュウソウジャーを倒すために派遣された刺客だった。前回の幹部タンクジョーと違い、ワイズルーは搦め手が得意と言うことが分かる。ただ、あまり深くは考えてないようで、底が浅いのが難点。
メルトの察しの良さだけでなく、あらゆる人を救いたいコウのまっすぐな思いが描かれている。だけど2話続けた割に底の浅い脚本でちょっと残念。
アスナがとてつもない音痴と言うことが発覚。下手な歌アレルギーのフィータフィータに歌を聴かせることで解決。音痴を揶揄するのもあんまり褒められないな。
嫌味な悪役の典型みたいなワイズルーの描写だけは面白いな。
<ワイズルーの爆弾をフエソウルで分裂したティラミーゴに食べさせてティラミーゴを助けることになるが、爆弾そのものは地上で爆発させてる。威力が高かったら大惨事なんだが。どこで爆弾の威力を知った?
フィータが下手な歌アレルギーなのは良いけど、ワイズルーが化けたフィータまでアレルギーを発症してる。意味あるのか?> |
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09 |
読書 |
幽遠の彼方に
ミスカトニック大学で司書をしている“わたし”は祖父ジョサイアの危篤の報を受け、田舎の家に向かうのだが、祖父は元気であれこれ稀覯書について話すばかりだった。だが祖父は“わたし”を呼んだのは、自分がこれから行うことを見届けさせるためと語る。
神話大系に連なる一端の話で、ここでイサカという巨人が登場する。それを次元の彼方から呼び出そうとした人間が辿る顛末。様々なキーワードはちりばめられているので、それなりに好奇心は増すが、作品そのものはよく観るパターン。 |
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11話 |
現れたクラゲアマゾンと交戦する悠のアマゾンオメガ。一方、4Cから追われる身となった千翼は、潜伏中を父親の鷹山仁に襲われる。
クラゲアマゾンが七羽だとあっけなく発覚。最初からその事を知っていた悠は彼女を保護しようとするのだが、問答無用に襲いかかってきた。人を殺すことに何の躊躇もないが、果たして理性が残っているのかどうか分からない。
一方、逃亡中の千翼は父親の鷹山仁と交戦。本人も鷹山仁も母親の七羽を殺したのは千翼であると思い込んでいて、派手な親子喧嘩になってる。そこから逃げたら今度はイユのカラスアマゾンに襲われる…なんともきつい話だ。ただ、最後に僅かに理性を取り戻したイユが千翼と逃亡する道を選んでる。
そして今現在、生き残ったアマゾンは仮面ライダーを除けばイユのカラスアマゾン、七羽のクラゲアマゾンとマモルのモグラアマゾンの3体だけになってしまった。マモルにとって心の拠り所はもはやクラゲアマゾンしかない。マモルの視点に立つと、やはり大変きつい物語になってる。 |
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07 |
映画 |
悲惨な運命を辿った作品 |
地獄の黙示録 |
天国の門 |
フィッツカラルド |
トワイライトゾーン 超次元の体験 |
プルガサリ 伝説の大怪獣 |
アビス |
バロン |
ウォーターワールド |
クロウ −飛翔伝説− |
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34話 |
京介は仮面ライダー響鬼ではなかった。自分自身についても、弟子のツトムについても口をつぐむ京介。
敵はアナザーヒビキ。
「仮面ライダー響鬼」編後編。桐谷京介が変身したのは京介変身体で、仮面ライダー響鬼になれなかった鬼だった。その理由を問いただす話となる。先代のヒビキから許可が与えられなかった京介は吉野に黙って勝手に弟子を取り、その弟子を仮面ライダー響鬼にしようとして失敗したことで激しい後悔をしていることが分かった。どうやら「仮面ライダー響鬼」時代の京介がまんま大きくなったような感じで、これはこれでしっかりオリジナルを踏襲してるので良し。
ソウゴのアドバイスで、アナザーヒビキになってしまったツトムが自分にとってどれだけ大切な存在だったかを思い出して悩みを超えた京介は一瞬とは言え本物の響鬼になり、これで心置きなく仮面ライダーを辞めることが出来た。
一方、深い悩みの中にあるウォズが解答を与えられた話でもある。尤もその悩みってのが、ソウゴの誕生日をどう祝おうかというものなんだが。
鬼は基本的にずっと続いている存在だから、現在も活動中。無理矢理アナザーウォッチを作る必要もないし、仮面ライダー響鬼というのもそもそも特別な存在ではないので、かなり無理矢理な物語って感じ。
<今回のウールはなんか妙に鼻が詰まってた。花粉症かな?
今回ジオウトリニティの変身の際、直接生身からジオウに取り込まれるのだが、その際くねくねとタコ踊りしてた。特にゲイツは真面目な顔で身体だけくねくねさせてるので、ものすごいシュールな光景。
ツッコミではないのだが、最後のトドロキの「日菜佳さんに相談してみるか」の一言でちょっとしんみり。日菜佳を演じていたのはわずか24歳で亡くなった神戸みゆきだったから。> |
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06 |
映画 |
ザ・マミー 呪われた砂漠の王女(2017) |
アメリカ軍によるイラク反乱軍掃討作戦が行われていた。そんな中、空爆で開いた穴から遺跡を発見したニック・モートン(クルーズ)は、これで一儲けを考えるが、軍紀違反気味のニックを見張っていたグリーンウェイ中佐(ヴァンス)に見つかり、遺跡に眠る石棺はバグダッドに送られることととなる。石棺を調査するジェニー・ハルジー博士(ウォーリス)と共に護衛任務に付けられたニックだが…
近年クロスオーバー作品が多く作られるようになってきた。有名なものはなんと言ってもマーベルのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)で、単独で主演映画を作れるキャラが一堂に会して協力して戦うと言う『アベンジャーズ』(2012)のヒットは記憶に新しい。他にもDCとかX-MEN、レジェンダリーとかも自社作品の共通した世界観の作品を作っていおり、2010年代の映画の潮流と言っても良い。そこにモンスター映画の老舗であるユニヴァーサルが殴り込みをかけたのが本作となった。
ユニヴァーサルと言えば、古くからモンスター映画を多数作っており、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインの怪物、半魚人、透明人間、ミイラ男など、多彩に渡るラインナップが魅力。その実力を見せてやると言わんばかりだ。
第一作となった本作は力が入っている。主役にトム・クルーズを出しただけでなく、シリーズを通して関わるキャラとしてラッセル・クロウを登場させたりして、世界観を広げるべく努力しているのが分かる。
そして本作を皮切りに、ユニヴァーサルの伝統、フランケンシュタイン、ドラキュラ、狼男、透明人間を次々にリリースする予定だったという。
…ただし、それらは全て「予定」で終わってしまった。
簡単な話。本作が思いっきりコケたからである。
クロスオーバーという気宇壮大な開始だっただけに、こんな尻切れトンボで終わったのはとてもい残念だが、制作側が明らかに理解してなかったのが問題だ。この辺『ヴァン・ヘルシング』(2004)の時から全く変わってない。
キャラクターや背後にいくら力を入れても、肝心の作品が全く面白くないのが致命的。
この面白く無さというのは、演出とかキャラの問題ではない。テーマとなったミイラ人間に対する全くの愛情不足である。
ホラーやSFのリメイクで何が一番重要かと言われると、いろんな子と挙げられるだろうが、その中心に“作品に対する愛情”というのがあるはずである。事実この年、デル・トロが『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)でオスカーを得たのは、デル・トロが半魚人作品をこよなく愛していたから。それが原動力になっていたからこそ、芸術的な高みにまで上れたのだ。
対して本作におけるミイラ人間の必然性とは何だろう?と考えると、単純に古代の遺跡から出てきたキャラというだけ。『ハムナプトラ』(1999)もそうだし、前年に作られた『X-MEN:アポカリプス』(2016)の女性版でも全く違和感なし。
ミイラ人間を本作でしか描けない唯一無二の存在として描けていれば救いがあったが、どんな作品でも交換可能な上、一番重要なハートを失って作られてしまった。
おかげで全く魅力がなくなってしまった。
少なくとも、私に関しては楽しめる部分が一切見つからない。
思い入れもない、愛もない、あるのは有名俳優だけ。スッカスカな作品である。 |
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読書 |
百畳ラビリンス 上
大学生のルームメイト礼香と庸子はアルバイトでゲームのデバッグ作業をしている内に、不思議な建物に取り残されていることに気がついた。畳敷きの部屋が延々続き、しかも得体の知れぬ化け物まで現れる空間。そこから脱出するために二人で協力して探索を始めるが…
「四畳半神話大系」のラストエピソードで、四畳半の部屋に閉じ込められた主人公の話があったが、その主人公を二人の女の子にして漫画にした感じの設定の話(あるいは『CUBE』か?)。
一応命の危機にあるはずなのだが、その辺あまりに軽く考えている主人公と、慎重すぎる発言でブレーキをかける親友という立ち位置がちゃんとキャラ立ちしているし、危機の連続の中でも、ちゃんとヒントを解いて行くにつれちゃんと答えが用意されているので、さくさく読める。結構面白かった。
著者は元々イラストレーターということもあってか、画面映えが良いし、線がすっきりしていて読みやすいのも好印象。 |
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04 |
読書 |
ハイドラ
オカルティストのケネス・スコットに弟子入りしたロバート・ルードヴィヒとポール・エドモンドは師の禁じていた異次元の扉を開く魔術を試み、その結果として扉を閉じるために師のケネスが異次元の向こう側に行ってしまった。責任を感じたロバートはその魂を取り戻すべく、単身再び異次元の扉を開こうとするのだが…
神話大系の中の異次元の邪神ハイドラについて描いた話。人間の浅知恵で神に挑もうとすると大きなしっぺ返しを食うといういつものパターンの話でもある。クトゥルーっぽさは高い。 |
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45話 |
再びゴッタム・シティに現れたナゾラーはプラザ・ホテルで行われているバットマンを祝うパーティ会場に現れ、金の仔牛を奪い取り、バットマンに挑戦状を叩き付ける。次々に犯罪を重ねるナゾラーに後手に回ってばかりのバットマンだが…
1stの最初の回以来のやっと再登場となったナゾラー(リドラー)。バットマンの活動開始からきっかり1年後に登場。ただし役者が変わったため、雰囲気が全く違ってしまった。今回のジョン・アスティンは「アダムスのお化け一家」でゴメスを演じていただけあって、少々ふてぶてしい印象がある。ちなみにショーン・アスティンの父親。
今回のナゾラーは次々にパーティ会場を襲い大金をせしめるが、その目的は超兵器の原子破壊銃を完成させるためだった。
そして今回の罠は、記念撮影をすると騙してバットマンを巨大なケーキの上に立たせ、そこにしつらえた底なし沼に飲み込ませようとした。
<この時点でバットマンとロビンが登場したのは丸1年前だそうだ。もっと前から活動してないとおかしいはずだが、その辺は構わないのね。> |
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03 |
映画 |
LAを舞台にした映画 |
第1位 |
L.A.コンフィデンシャル |
第2位 |
ブギーナイツ |
第3位 |
ジャッキー・ブラウン |
第4位 |
ボーイズ'ン・ザ・フッド |
第5位 |
ビバリーヒルズ・コップ |
第6位 |
ザ・プレイヤー |
第7位 |
クルーレス |
第8位 |
レポマン |
第9位 |
コラテラル |
第10位 |
ビッグ・リボウスキ |
第11位 |
マルホランド・ドライブ |
第12位 |
ロジャー・ラビット |
第13位 |
トレーニング・デイ |
第14位 |
スウィンガーズ |
第15位 |
青いドレスの女 |
第16位 |
friday |
第17位 |
スピード |
第18位 |
ヴァレー・ガール |
第19位 |
L.A.大捜査線/狼たちの街 |
第20位 |
L.A.ストーリー/恋が降る街 |
第21位 |
To Sleep with Anger |
第22位 |
フレッチ/殺人方程式 |
第23位 |
フレッチ/殺人方程式 |
第24位 |
Mi Vida Loca |
第25位 |
クラッシュ |
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7話 |
タンクジョーがいなくなり、平和を謳歌するリュウソウジャーの面々。そんな時何者かの歌声を聞いたコウはういを連れて遊園地にやってくる。そこに現れたのは奇声で人を気絶させるコカトリスマイナソーが現れる。一方、ケペウス星の王女を名乗るカルデナをドルン兵から守ったトワとバンバだが…
敵はコカトリスマイナソー。奇声を上げ、その声を聞いた人を気絶させるマイナソー。
新たな幹部ワイズルーの登場で、再び戦いに身を投じるリュウソウジャーたち。現時点では前と同じく赤青桃の三人と緑黒の二人に分かれているが、事件が起こると共闘するという関係にある。一緒に戦っていく内に本物の仲間になるというパターンかな?今回の敵は仕留めきれずにもう一話延長。
今回登場したケペウス星の王女カルデナは身勝手なキャラだが、その歌はワイズルーの洗脳を解くことが出来る。共にドルイドンと戦うと言うことでみんなで助けて戦っていた。なんか裏があるっぽいが、それは次の話に持ち越し。
コウがちょっと漏らしたところでは、コウは300歳なのだとか。ずっと結界の中にいるため常識はないけど。
ワイズルーの声は緑川光だった。戦隊ものでは悪役が多いな。
<空からの攻撃に弱りキシリュウオーはメルトの助言でフォートレスモードになった。なんでわざわざ鈍重な形態になる必要あるの?> |
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ライ麦畑の反逆児/ひとりぼっちのサリンジャー |
<A> |
<楽> |
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劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel] II.lost butterfly」 |
<A> |
<楽> |
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01 |
読書 |
デキる猫は今日も憂鬱1
会社ではデキる中堅女性として凜々しく振る舞う福澤幸来は、実は全くの生活無能力者だった。そんな彼女を助け、家事全般どころか生活管理まで全てこなすのは一匹の巨大な猫諭吉だった。生活全部を丸ごと諭吉に預けっぱなしの飼い主とデキつ猫の二人三脚をコミカルに描く。
これもSNSで流行った作品で、定期的に更新されるのを毎回楽しみに読んでいたが、それをまとめて読めるのは大変ありがたい。改めて考えると、大変シュールな光景ばかりの作品なのだが、それが妙に心地良い。
どうやら巨大猫というのは私の性癖に刺さるらしいことが分かった。 |
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10話 |
マモルのモグラアマゾンとアマゾンオメガの戦いは、何者かの介入によって中断された。怪我の度合いの低い悠は廃屋に隠れ住むアマゾンを探索する。一方、暴走して4Cメンバーを殺害してしまった千翼に対し、ついに抹殺命令が下る。逃げることしか出来ない千翼だが…
敵はクラゲアマゾン。生き残ったオリジナルアマゾン達によって守られていたアマゾンで、姿を消し、無数の触手で敵を攻撃する。
主人公が人類の敵になってしまうと言う、いかにも本作らしい展開。まあ、主人公は千翼ではなく悠だとすれば、ラスボスの覚醒とも言える。
千翼はイユだけは守るために凍結を受け入れたはずなのに、暴走したお陰でそのイユに狩られる存在になったというのが可哀想すぎる。
そしてその千翼を狩りに来た父親の鷹山仁の変身したアマゾンアルファとの戦い。親子での殺し合いも凄い設定。戦闘能力はアルファの方が強いが、暴走してしまうと何もかも破壊してしまうネオは桁違いの強さを見せている。
アマゾンアルファは目が見えないという設定なので、一度敵に攻撃させて、それを追う形で攻撃するというパターンがちゃんと出来ているのが良い。
溶原性細胞を持つオリジナルは千翼だけでなくクラゲアマゾンも持つ。当然それは人間の細胞を持つということで、必然的にクラゲアマゾンは千翼の母七羽ということになる。 |
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LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘 |
<A> |
<楽> |
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