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2023'10

 
29
映画
アカデミー賞にノミネートされなかった傑作
キング・コング
我輩はカモである
赤ちゃん教育
雨に唄えば
裏窓
理由なき反抗
めまい
お熱いのがお好き
北北西に進路を取れ
サイコ
ティファニーで朝食を
2001年宇宙の旅
イージー・ライダー
未知との遭遇
シャイニング
ブレード・ランナー
テルマ&ルイーズ
あの頃ペニー・レインと
読書
転生したらスライムだった件10
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 テンペストの名所となるダンジョンの改良を日々楽しんでいるリムルだが、同時にテンペストの立ち位置についても考えねばならない時期に来ていた。そこで正式に西方同盟の加盟を申請することとなるのだが、魔物の国を人類に対する脅威と見なし、排除を画策する者達もいた。彼らが仕掛けた罠を知らずに会議へ向かうリムルだが…

 裏から世界を操る黒幕が登場。と思ったら、何故か一巻であっけなく退場してしまう。この作品、伏線で引っ張ると思わせてすぐに解決させてしまう展開がやたらと多い。その分話を大きくしやすいのは確かだけど。
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トランスフォーマー ビースト覚醒(2023)
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サイエンス・フィクション大全 映画、文学、芸術で描かれたSFの世界(2023) <A> <楽>
Glyn Morgan
27
映画
スクリーム(2022)
 ウッズボローでの連続殺人事件から25年が経過した。ウッズボロー事件はシリーズ映画『スタブ』となり八作も作られており、ウッズボローの住民達は、消えない記憶にずっと苛まれ続けていた。ある日、高校生のタラ・カーペンター(オルテガ)は一人で家にいたところ、ゴーストフェイスに襲われ重傷を負ってしまう。そんなタラを心配して姉のサム(パレラ)が恋人のリッチー(クエイド)と共にウッズボローに帰ってくる。

 これまで既に四作作られたスクリームシリーズだが、一作目の『スクリーム』が1996年。そして四作目『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』が作られたのが2011年だから、その間でも15年が経過している。そして更に12年後に作られたのが本作。つまり一作目から27年。四半世紀を過ぎた作品である。
 それで仕切り直しと言うことでNetflix映画になった。なんだかんだ言ってこれまで結構楽しんで観てきたので、良い機会だから観てみた。
 タイトルにナンバリングがないので完全に新しい舞台で仕切り直しになるかと思いきや、モロに続編で、舞台は同じ。一作目からずっと引き続いて同じ役で出演してる人もいるので、これだったら普通に5のナンバーをつけておくべきだったのではないだろうか?(多分あと何年かしたらしれっとナンバー付きになってる気はしてる)
 それで出来だが、サスペンス作品としては決して悪くない。意外性のある犯人と、ちゃんと続編を意識したキャラの配置で、続編としても単独の作品としてもちゃんと観られるし、相変わらずの劇中の映画蘊蓄もちゃんとあるので、そこら辺昔から観てる人にも、新規の人にも楽しめるようになってる。劇中で「続編のあり方」を語っているシーンがあったが、それにちゃんと沿って物語が作られてるのが面白い。
 ただ犯人の動機が薄すぎるのと、ゲームで殺人してるために命の重みが軽すぎるのが問題だが、ゲーム感覚で人を殺すサイコパスとしたために、クライマックスまで本当に全く犯人が分からないのは良し。それに目の前にいる友人が殺人鬼になる可能性がずっと続くため、緊張感が途切れないのも良い。

 12年ぶりということもあって、結構新鮮な感覚で観ることが出来たし、サブスクにはぴったりの作品だと思う。

仮面ライダーガッチャード

4話  黒鋼スパナが変身したヴァルバラドは宝太郎の目の前で鮮やかにサブマリンマルガムを撃破した。ミナトによれば、スパナは上層部から派遣された超A級錬金術師だと言う。スパナはしばらく宝太郎を見張るために錬金アカデミーに在籍することとなったが、そんな中でもケミーを使った犯罪は起こり続ける。

 敵はアンツマルガム。冥界三姉妹のラケシスがアントルーパーのケミーを用いて変身したマルガム。ラケシスはクイーンという個体で、兵隊のコマンドを生み出す。コマンドが作った巣穴に宝太郎をおびき寄せて、強力な酸をかけてガッチャードを変身解除に追い込む。
 前回登場した黒鋼スパナは錬金アカデミーに在籍することになった。りんねにばかり親切にし、男には容赦のないスパナに嫌な印象を受ける宝太郎。
 そんな中でも最初に会った冥界三姉妹の変身したアンツマルガムに苦戦しつつ、新しい力を手に入れた。
 順調に新しい力を手に入れている最中で、九堂りんねとは喧嘩友だちから少し前進した感じ。一方黒鋼スパナとは反発し合っているが、今のところ実力差は明らかという状態。
 りんねを大切に扱うスパナだが、実際は何か下心があるようでもある。この辺もいかにもライバルって感じ。
<今回変身したヴェノムマリナーは丸い耳のようなものを頭頂部に持つ。甲高い声で喋るどこぞの鼠キャラに似てるような気がするが?>
ドロステのはてで僕ら
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VOL.4
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25
読書
パタリロ!37
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 マリネラの建国祭で劇をやることになり、パタリロは「ガラスの仮面」の主人公マヤ役を演じることになった。てんやわんやの中劇は始められるのだが…

 パタリロが劇をする「ガラスのパタリロ仮面」、宇宙に巨大なレンズを作り、それを各国に売り込む「神の目」、僅かに残ったパタリロの良心が目覚める「良心抹殺」と、間者猫を主人公にした中編「間者猫武道整体」。中編が一本あるが、これは今ひとつ。ガラスの仮面の著者美内すずえをディスったのが一番面白かった。
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ウルトラマンブレーザー

11話  デマーガ戦で防衛軍の攻撃を妨害してデマーガ親子を助けたブレーザー。怪獣を守ろうとするブレーザーが本当に人類の味方なのか疑問の声が上がり始めた。一方、自らの意思とは異なる考えを持つブレーザーに戸惑いを覚えるゲント。そんな中、地球に飛来した隕石がゲバルガに変形した。

 敵は宇宙電磁怪獣ゲバルガ。隕石に擬態して地球へと落下し、その後正体を現した。強力な電気を内包する怪獣で、電磁場バリアを張ってほとんどの攻撃を防ぐ。
 前回でアッシュゲントとブレーザーの間で意思の齟齬が観られた話の続きとなり、ゲント自身がブレーザーに対して不信感を持ち始めたため、これまでにない慎重な戦い方となる。
 そして今回もゲバルガにとどめを刺そうとしたところ左半身が拒否してしまう。今回も同じブレーザーの体の中で喧嘩を始めてしまったので慌てて戦場を離脱するが、それは敵前逃亡となってしまった。
 ウルトラマンが人類にとって得体の知れない存在であると言うのはどの作品でも最初の一話とか二話でやるんだが、すぐに人類の味方であると認証される。しかし本作は全く異なり、物語中盤になってウルトラマンが味方かどうかを考えるという描写となっている。めずらしい解釈となる。かつて劇場版の『ULTRAMAN』で触れ、その後「ウルトラマンネクサス」でちょっとだけ描写されたが、ここまで露骨にテレビでやったのは初めてだろう。
 結構強かったはずのアースガロンが防衛隊からすれば単なる露払いになっており、いきなり弱体化してる。なんか寂しい。
<湖に落ちたアースガロンを岸で見ていた人が結構いたが、その後どうなったのだろうか?衝撃波と津波のダブルパンチでまともに考えたら生きていないはずだが。>
聖なる復讐者
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江戸前エルフ
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wiki
23
映画
西部戦線異状なし(2022)
 第一次世界大戦開戦から3年が経過した1917年。ドイツとフランスの戦いは西部戦線で硬直しており、戦いに進展が見られなかった。そんな折、17歳のパウル・ボイメル(カマラー)は半ば親を騙して学友たちと共にドイツ帝国陸軍に入隊した。最低限の訓練の後、彼らは北フランスのラ・マルメゾン近郊に配属される。しかし戦争の現実は、パウルらの思っていたものとは異なり、ロマンは打ち砕かれてしまう。しかし現実を前に戦い続けねばならない彼らだが…

 レマルク原作の「西部戦線異状なし」はこれまで二回映画化されている。そのどっちも作品として実に良いもので、これを題材にした作品で外れはない。
 その意味では本作も全く外れなし。良い作品だった。
 それに本作は前二作とは違った切り口で描いているのが特徴となる。
 大きな違いはCGが使えるようになったため、戦闘シーンをメインに出来るようになったという事。そもそも原作は戦闘シーンはあまり重視しておらず、主人公の内面描写に力が入っていて、前二作は原作に忠実に、主人公の心の動きを中心にしていた。むしろ戦いよりも待機任務や、戦友達との語らいがメインの話になる。
 本作もその点をしっかり描いている。前二作と較べ、本作の主人公パウルは人に流されがちで、物事を楽観的に捕らえすぎるきらいがあるが、それが戦場での経験で生き残ることの難しさに直面することで精神的にタフになっていくことに重点が置かれている。そしてその合間を埋めるように派手な戦いのシーンを挿入し、画面にメリハリをしっかりつけていた。また、戦いの最中にも色々考えているシーンも多く、非常に盛りだくさんの内容を詰め込んだ感じがある。その意味では確かに今の時代に作る意味があった。
 主人公だけでなく、仲間の絆というか、お互いに依存している間柄の友が戦闘を経る度に減っていく描写がなんとも虚しさを感じさせてくれる。

 だから一本の作品としては完成度も高く、大変良い作品だと言って良い。

 ただ、それも含めて言うと、悪い意味でも原作とはだいぶ違った雰囲気になってしまった。作品としては良いのだが、「西部戦線異状なし」の映画化作品としては、どうだろうか?と言った感じ。
 主人公の死の描写があったラストシーンも原作から離れてしまって、本来の余韻が感じられなかったのもマイナス面だな。

王様戦隊キングオージャー

29話  ゴーマの前に突然現れた王の側近達は突然王たちに襲いかかり、不意を突かれた王たちはジェラミーを除いて倒されて眠りに就いてしまう。それは宇蟲五道化の一人ヒルビルによるもので、側近達の反乱によって国民達は他の国々を敵視するようになっていく。そんな中一週間後に目覚めた王たちは、自分の知らぬうちに起こった事態に対処せねばならなくなる。

 敵はヒルビル。宇蟲五道化の一人で、洗脳能力を持ち、それを用いて人々に疑心暗鬼を生じさせて国々を瓦解させることを特異とする。
 敵の策略によって国々が憎しみ合う中で、王として何が出来るのかを問う話。王たちは自分たちを悪者にして側近に禅譲することで混乱を治めようとしたが、そこに唯一正気を保っていたジェラミーが、全て悪いのはバグナラクだと言って憎しみを自分たちに集めることで他の国々を救う。最後に身を引き、唯一の部下であるゲロウジームと共に去って行った。歴代の戦隊作品の中でも最高に重い話になっていた。
 そしてそれを眺めて笑ってるダグデド・ドゥジャルダンと宇蟲五道化の面々がいるわけで、相当な悪人に見えてくる。
 今回の敵となったヒルビルだが、やはり実力は高く、キングオージャーも翻弄していたが、全員が心を合わせての攻撃に引かざるを得なかった。なんとか攻略の糸口はありそうだ。
VOL.3
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小説家の映画
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映画で学ぶジャーナリズム: 社会を支える報道のしくみ(2023) <A> <楽>
22
読書
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン7 フォース・スクワッド・ジャム 上
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 4回目となるスクワッド・ジャムが開催されることとなり、今回もレン、フカ、ピト、Mの四人で出場することとなったが、ピトのスカウトで、何故かピトを恨んでいるはずのシャーリーとクラレンスという女性二人が加わった。一方現実世界では香蓮が初めて会った男から突然求婚されてしまう。しかも彼はGGOのことを聞き及び、スクワッド・ジャムに参戦するという。もしこのゲームに敗北したら結婚という賭を持ちかけられ、面白がったピトがそれを受けてしまった。

 現実世界もゲームの中でも色々トラブル抱えながらのゲームとなる。そのため今回はゲームのオープニングの緒戦だけで終わってしまった。今回のSJはルールが特殊なので一筋縄ではいかないチームが多々登場している。
<A> <楽>

新スタートレック(2nd)

8話  連邦が新たに設定したクルーの交換派遣制度でライカーは初めてのクリンゴン船に勤務することとなった。一方、エンタープライズ号にも数名のクルーが乗り込むが、その中のベンザイト星人が文化的な違いからエンタープライズ号を危機に陥れてしまった。

 2期になってからあまり目立たなくなっていたライカーが大活躍する話。本来ライカーは「スタートレック宇宙大作戦」におけるカークのような立場にもなれるのだが、なかなかそういう機会がなく、今回やっとかな。オリジナル版からずっと登場していたクリンゴン人だが、その船の中の描写は初めて。クリンゴンは実力主義なので信用が出来なければ部下はついてこないし、戦士として生きると言うことは名誉の戦死が最大の名誉だという。そんな中でライカーはしっかり任務を果たしていた。絶対服従が前提のクリンゴン人で、上官が間違えた場合はどうするかという難しい判断を強いられる。
 一方エンタープライズ号にやってきたベンザイト星人は、1期18話でウェスリーが受けた試験で一緒だったモードックとそっくりだが別人とのこと。自分の有能さを知っているエリート意識の強いキャラだったが、素直に自分の非を認めて反省していた。今回はあまり目立てなかったが、個性が強いキャラなのでこの一話だけで終わるのは勿体ないキャラだった。
 クリンゴン船もエンタープライズ号も接触時に未知のバクテリアに冒されてしまい、それが元で誤解を生じ、あわや一戦というところでライカーの機転でなんとか双方矛を収めることになる。結果として交換派遣制度は失敗したが、危うくクリンゴンの連邦離脱の可能性もあった。
 この話に限っては「スタートレック宇宙大作戦」っぽさが強かった。
<前にウォーフはクリンゴン人はクリンゴン人以外に性的魅力を感じないと言っていたが、ライカーを誘惑した女性がいた。からかってのことか?
 エンタープライズ号の救援を断るクリンゴンのカーガン艦長だが、この状況でエンタープライズ号が攻撃する可能性はほとんどないはず。頭に血が上ってしまってエンタープライズ号を敵としか見てなかったんだろう。しかしそんなのが艦長やってたら怖いぞ。>
<A> <楽>
水は海に向かって流れる
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異世界召喚は二度目です
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wiki
20
映画
トランスフォーマー ビースト覚醒(2023)
 地球にやってきていたオプティマス・プライム以下のオートボットは、故郷サイバトロン星に帰る手立てを失ってしまい、なんとかその方法を探していた。そんな時、宇宙のあらゆる場所へと行くことが出来るトランスワープキーの反応があったことを知る。しかしこれは実はオートボット達とは異なる進化をしたマキシマルズという機械生命体が地球に隠していたもので、これが発動してしまうと惑星を喰らい尽くす巨大トランスフォーマーのユニクロンを呼び寄せてしまうことが告げられる。偶然トランスワープキーを発動させてしまったためにユニクロンの配下テラーコン部隊に襲われた学芸員のエレーナ・ウォレス(フィッシュバック)と、偶然オートボットのミラージュと友だちになったノア・ディアス(ラモス)の二人は無理矢理オートボットとマキシマルズにお協力させられることになってしまう。

 マイケル・ベイによって始められ、少しずつ作品も拡大している実写版『トランスフォーマー』シリーズだが、今のところ全作品が一応矛盾なく話がつながっている。ベイ監督による5作品は続きだから当然として、その前史として『バンブルビー』(2018)と本作の存在は、設定的には矛盾はない。
 …ないのだが、流石にこんなに大きな事件が二つも続いていて、人類がトランスフォーマーと初めて接触したことになる第一作目の『トランスフォーマー』につなげるのは無理があるし、ユニクロンが地球に封じられたというのも全く事件になってないというのが凄い。それこそ『アルマゲドン』(1998)以上の大事件のはずなのだが、全くなかったことになってるのと、地球にいるはずのマキシマルズが後の事件に全く関わっていないのもおかしい。設定上矛盾がなくても物語としてつながってないのはちょっと問題あるのでは?あるいは並行世界として扱うべきなのか?

 それはともかく。本作は「トランスフォーマー」「ビーストウォーズ」の二つのテレビアニメがくっついた話になっていて、かなり画期的な設定を持つ。どっちのテレビシリーズもかなり好きな私にとって、これは大変嬉しいことだった。特に日本語吹き替えでビーストウォーズの面々がCMやってたりすると、ついつい頬が緩む。

 で、実際に作品を観てみると、単体の「トランスフォーマー」としては充分及第点つけられる出来だった。
 これだけ規模が大きいのだから人類とトランスフォーマーの力関係なんかも入れるべきだったと思うが、その辺は全く考えられておらず、局所的な事件で、トランスフォーマー同士の戦いだけになってしまった。その点は善し悪し。人間の登場人物をだいぶ絞る必要があったのか、その点に関しては「こう作るしかないのか」という思い。
 トランスフォーマーのアクションは多かったので、それは良かったか。規模は大きいはずだが『バンブルビー』の続編らしくこぢんまりまとまった感じ。
 ストーリーもその点も悪くないのだ。ただそこをそつなく作られてしまうと、折角楽しみにしてきた期待がすっかりしぼんでしまう。
 テレビシリーズ「ビーストウォーズ」の楽しみというのはマキシマルズ(サイバトロン)とプレダコンズ(デストロン)の面々による丁々発止の台詞の数々だった。ふんだんにジョークを交えた掛け合いがとにかく面白く、これ聞いてるだけでも楽しい。更にそれに輪を掛けて日本語スタッフが暴走したものだから、吹き替え版の「ビーストウォーズ」はまさしくカオス状態。回が進むにつれどんどんネタがやばくなっていき、最後の方が下ネタから名前いじりまで様々なアドリブでとんでもない話になっていった。それが一番楽しかったのだが、これを真面目に作ってしまうと、肩透かしというか、期待外れというか、ちょっと複雑な思いにさせられてしまう。
 特にこの作品ではテレビシリーズのプレダコンズは誰一人登場しないので、欲求不満が高まるばかり。マキシマルズも喋るのはほとんどオプティマス・プライマルとエアレイザーの二人だけ。全く台詞が足りん!台詞に暴走もないので面白くもない

 やっぽり本作は「トランスフォーマー」の整合性をとらず、オリジナルとしてテレビ版「ビーストウォーズ」を下敷きにした作品にしてほしかったというのが正直な感想となる。

仮面ライダーガッチャード

3話  錬金アカデミーで学ぶことになった宝太郎は、やっと自分にガッチャするものと出会えたと毎日ウキウキだったが、同時に錬金術師とケミーによって人類に危機が迫っており、ガッチャードとして戦う。そんな宝太郎の前にドライバーを渡せと一人の男が現れる。

 敵はポイゾナスマッシュルームマルガム。人々の幸せを妬む茸本という男にヴェノムダケのケミーに取り憑かれて誕生する。様々な菌を放出する。そしてサブマリンマルガム。ストーカーの狩屋という男にディープマリナーが取り憑いて誕生した。りんねに襲いかかる。
 すっかり浮かれまくって、他の錬金術師見習いから浮いてしまった宝太郎と、その前にライバルキャラが現れる話。自分の強さに酔って浮かれまくって戦って、人を守れなくて負けてしまい、落ち込んで復活という、少年漫画の王道を行く立派なヒーロー描写だ。
 このライバルキャラというのが、物陰から宝太郎の活躍を眺めては唇を歪めて笑って去って行くという、まさしく70年代の漫画に出てくるような典型的なキャラだった。ほとんどハカイダー。格好良く決めているのだが、言動の一つ一つが格好つけすぎて爆笑ものというのが素晴らしい。名前も黒鋼スパナという、絶妙に滑ったネーミングも良い。
 当然スパナも変身するが、名前と姿を見る限り、それは仮面ライダーではないようだ。
 全般的に見て、本作の70年代っぽさは顕著で、新しさを捨ててる感がある。しかし何回りか回ってまさしく王道になってる。良いぞ良いぞ。
 ケミーは善悪を持たないので、人間が邪悪だとケミーも邪悪となる。それでケミーをどうするかで宝太郎とスパナの間で意見が食い違う。理屈として正しいのはスパナだが、ヒーローとして正しいのは宝太郎。そしてヒーローとしての正しさこそが作品の熱さになる。よく分かった脚本だ。
 そして宝太郎の熱い思いに呼応して、最も気難しいというアッパレブシドーのケミーが宝太郎に力を貸すことになった。スケボーズとアッパレブシドーを合わせることでアッパレブシドーに変身する。
<大真面目な顔で「くろがね、すぱな」と言うミナト先生。そしてやはり緊張した面持ちで「くろがね、すぱな」と言う宝太郎。台詞のギャップに笑うなと言うのが無理だ。名前だけで笑えるとは。>
aftersun/アフターサン
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VOL.6
<A> <楽>
18
読書
JJM 女子柔道部物語8
小林まこと (検索) <amazon> <楽天>
 道大会終了後、自分たちの強さを認識したカムイ南高校女子柔道部は皆やる気を起こしてどんどん強くなっていった。その中でもえもの実力は飛び抜けて向上していく。

 今巻はほとんどが高校生活の様子がメインだが、覚醒したえもはあらゆるスポーツで才能を開花させており、特に柔道ではもはや敵なしと言った風情。いよいよ本当の快進撃が始まるようだ。
<A> <楽>

ウルトラマンブレーザー

10話  山梨で怪獣の卵らしい者が発見された。ゲントの息子ジュンはそこに行きたいというので、丁度休暇中のゲントは家族で旅行に向かった。見物客やヒルマ家の見守る前で卵から怪獣の赤ちゃんベビーデマーガが誕生したが、その子を追うように巨大怪獣のデマーガも現れる。

 敵は熔鉄怪獣デマーガ。卵から孵ったベビーデマーガに呼ばれるように地中から現れた。ベビーデマーガを守ろうと防衛隊の攻撃を受ける。
 今回はモロに家族の話。3話でゲントには妻と子がいることが分かったが、今回ようやくちゃんと登場。そして怪獣に関してもデマーガとベビーデマーガの関係性も描かれていく。子どもを守ろうとするアースガロンを攻撃するスカードの方が悪役っぽくなってしまってる。ゲントの息子ジュンはそこで、子どもを守ろうとしてる親を守ることは出来ないのかと疑問を呈し、更にゲントの左手に勝手にブレーザーブレスが出現してしまう。
 そしてゲントはブレーザーに変身するが、子どもを守ろうとする親のデマーガを観た時、精神が分裂してしまい、左半身はデマーガを守ろうとし、右半身は攻撃しようとしていた。更に防衛隊の攻撃を防いだ上でデマーガとベビーデマーガを眠らせて地中に送り返した。それがブレーザーの意思なのかゲントの意思なのかは不明だが、左半身はブレーザー本体のものと考えるのが普通か。
 ゲントは家族にはスカード所属と言うことを隠しており、家族でいる時に怪獣に遭遇してしまったために連絡に苦労している。いかにも一般人を装って電話しているので、全く口調が違う。
 前話からブレーザーの意思が時折ゲントに宿るシーンが出てきた。今回はたまたま赤ちゃんが出るテレビを見ていたら意識が宿った。その際左目が青く光る。
<アースガロンの攻撃を受けたデマーガは頭部に火が付いている。このシーンは確かどこかで?
 怪獣が出たから非難をしてるのだが、みんな結構のろのろ歩いている。特撮的には逃げ惑う方が分かりやすいが、むしろこっちの方がリアルなのかな?
 右半身と左半身で戦ってるシーンは往年の
『死霊のはらわたII』を観てる気分にさせる。
 ブレーザーの口がまるで開いたように発行しているシーンがある。口が開くのは特撮版では初めてかも。>
うたわれるもの 二人の白皇
うたわれるもの(3rd)
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)
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16
映画
花束みたいな恋をした(2020)
 2015年。大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)は、共に終電に乗り遅れ、そこに居合わせた何人かと深夜営業のカフェで朝まで過ごすことになった。そのカフェに偶然二人が敬愛する映画監督(押井守)がいて、二人だけがその事実に気づいたことから、急に親近感が湧いてくる。それから偶然が重なって再び会うことになった二人は、お互いが同じようなサブカル好きである事が分かり、やがて付き合うことに。金よりも自由を楽しみたい二人は大学を卒業してもアルバイトで生活費を稼ぎ、麦はイラストレーターとして、絹はサブカルイベントのスタッフとして楽しく過ごしていた。しかしイラストの仕事もなくなってしまった麦はブラック企業に就職して働くようになるが、やがて二人の価値観は変わっていく。

 2020年に、トップスターである菅田将暉と有村架純のラブロマンスと言うことで、本来もっと大々的に宣伝しても良かったのだが、折からのコロナ騒ぎのために割とひっそりと公開された作品だった。
 実は押井守が出ると言うことで、押井ファン界隈でも公開時にはちょっと話題になっていたのだが、自粛ムードの中で映画に行くのは憚れた。
 それから公開も終わって、ソフトも出始めた頃、何故か海外で受けているというニュースを見るようになって、途端に興味が湧いてきた。それで配信を探してみたところ、Netflixで置かれていたのを発見して拝見した。
 結論を言うなら、とても巧く作られた作品とは言える。
 最初にちょっとだけ世間からずれた男女が好意を持ち、恋人になる。その過程をモノローグを上手く使うことで、お互いの距離詰めに時間が掛かるとか、一度付き合い始めるとお互いに張り合って相手の趣味は分かると言い張ってみせたりして、着実に距離は近づいていき、付き合い始める。
 この部分は一般レベルよりもサブカル好きやオタクと呼ばれるタイプの人間にはよく分かる心理状況で、観てる側の心をざわつかせる。この描写が観てる側も「良かったね」とつい言いたくなるようなシチュエーションをちゃんと作っていくので本当に素直に賞賛できる。お陰で前半描写は何度でも観たくなるような巧さがあった。
 中盤になっていくと、今度は幸せな二人の生活が描かれる事になるが、これもちょっとしたトラブルを、まあ愛の力ではねのけていくというストーリーに入っていく。安定した楽しさで、テレビドラマを観てるような気分で観られる。この部分も充分な時間を使っていて、ほんわかした雰囲気にたっぷり浸れる。
 そして後半。ここはまさに現代の日本をそのまま切り取ったような厳しい現実が待つことになる。このパートこそが本作の最もユニークな部分で、このリアリティに共感出来れば本作は実に味わい深くなっていく。経済的には苦しいが今の生活を続け、小さな幸せを追いかけていきたい絹と、二人の生活のためにはきちんとした仕事をしていかねばならないと考え、敢えてブラック企業での苦しい仕事を続けていく麦。これはお互いを守るためだったはずだが、気持ちはどんどんすれ違っていく。この二人の心のすれ違いによって、徐々に恋人関係は崩れていくことになる。感情的に好きというだけではない。経済の問題と、共に一緒にいる幸せの問題を天秤に掛けねばならない二人。お互いに好き合っていても価値観が共有できなくなったところで別れるしかなくなってしまう。

 この作品には大きな事件は起こらない。劇的なことも、浮気や他の人を好きになったこともなく、外部から害されることもない。ただひたすら二人だけの話で、二人の心に寄り添い続けた実に丁寧な作品となる。その単純さが良いし、一見単純な分、とても奥が深い。
 それに私自身がサブカルというか、オタク文化にどっぷりと浸かっていることもあって、麦や絹の趣味のことがなんとなく理解出来てしまうところも、共感度が高い。
 それに何より菅田将暉と有村架純の巧さが本当に良かった。この二人を起用したのは最適解だろう。

 色んな意味で高品質にまとまった作品だし、共感度も高い。当然評価も上がっていく。

王様戦隊キングオージャー

28話  ある朝突然六人の王様の人格が入れ替わってしまう事件が起こってしまった。それを引き起こしたのは宇蟲五道化の一人ゴーマによるものだった。ゴーマの入れ替わりの印を破壊すれば元に戻ると分かり、ゴーマに挑む六人の王。しかし馴れない体に満足に戦う事も出来なかった。

 敵はゴーマ。宇蟲五道化の一人で忍者のような振る舞いで皆を煙に巻く。戦いの実力はキングオージャーを遙かに超えているのだが、ダグデド・ドゥジャルダンを楽しませるために六人の王の人格を入れ替えて楽しんでいる。
 メンバーそれぞれの人格が入れ替わるという話で、ギラとジェラミー、ヤンマとリタ、カグラギとヒメノがそれぞれ人格交換されてしまう。
 人格入れ替え戦隊ものでは定番の一つで、これまでにも結構多くあるし、それぞれのキャラの物真似が楽しい話になる。本作の場合は全員が王様という事なので、それぞれの国を治める立場で、しかも入れ替わり前の自分の国を有利にしようと画策するとかして一筋縄にはいかない話になってた。それぞれ極端な性格をしているため、真似のしがいがあるだろう。ギラとジェラミーの二人に関しては変わっても大して変わらなかった気はするけど。
 ただ、これによってそれぞれの国の状況が分かってきて、逆に結束が高くなると言う決着。
 宇蟲五道化は主のダグデド・ドゥジャルダンを楽しませるために行動する。要するに面白ければ良いので、人間達を混乱させて楽しんでるだけというのが良い感じ。
VOL.3
<A> <楽>
バイオハザード:デスアイランド
<A> <楽>
僕らを育てた監督のすごい人 満田かずほ編 下(2023) <A> <楽>
15
映画
心がつぶれそうになる傑作映画
第1位 レクイエム・フォー・ドリーム
第2位 ザカリーに捧ぐ
第3位 少年は残酷な弓を射る
第4位 ザ・ロード
第5位 スレッズ
第6位 炎628
第7位 ひとりぼっちの青春
第8位 A Necessary Death(2008)
第9位 オールド・ボーイ
第10位 隣の家の少女
第11位 ミスト
第12位 マーターズ
第13位 ソドムの市(1975)
第14位 セルビアン・フィルム
第15位 アレックス
第16位 リリア 4-ever
第17位 リービング・ラスベガス
第18位 アクト・オブ・キリング
第19位 鬼畜大宴会
第20位 ハピネス(1998)
読書
心願の国
原民喜 (検索) <amazon> <楽天>
 著者の一連の短編集「夏の花」の一編。故郷広島にて自然の声に耳を傾け、鳥の声を聴く。しかしこの地は原爆を受けて焼けただれた街でもある。その中で生き残った著者が見る自然の一コマ。

 散文詩ともエッセイとも私小説とも取れる味のある作品。原爆を知る詩人だからこそ描けた哀愁感ある作品とも言える。
<A> <楽>
告白、あるいは完璧な弁護
<A> <楽>
マブラヴ オルタネイティヴ
<A> <楽>
wiki
13
読書
はじめの一歩133
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 鷹村の四階級連覇に、強運のキースが立ち塞がる。何をしても有利になってしまうキースに対し、鷹村は相打ちで対抗する。体力勝負となったこの勝負を制するのは…

 実力もあり、更に幸運を味方につける相手に高村が挑むという話だが、終わってみるとあっけない。苦戦の末に勝利をもぎ取るというパターンはこれまでと全く変わらず。
<A> <楽>

仮面ライダーガッチャード

2話  仮面ライダーガッチャードに変身し、怪物を倒した一ノ瀬宝太郎の前に、担任教師のミナトが現れた。ミナトと九堂りんねは実は錬金アカデミーの教師と生徒であることを明かし、宝太郎にも学校に入学するためのテストを受けるよう勧めるのだった。

 敵はスケボーマルガム。ケミーの一体スケボーズが強盗犯須藤の悪意と結びついて誕生した。身体中にスケボーを装着しており、任意にそれを外して攻撃したり、乗り物にシタリする。
 前回ラストで高校教師のミナトが錬金術の先生となると言う話。仮面ライダーでは唐突に戦いに放り込まれてケアがない話が多いので、先生が存在してくれることでリードしてくれる人がいるのはありがたいことだ。
 そしてミナトから入学試験として課されたのは、重さの違うケミーのカードを同じ重さにするという指令だった。宝太郎がカードの中にいるケミーにお願いしたらケミーの体重が変わってカードの重さも同じになった。ミナトによれば、それは邪道なやり方だそうだが、試験には合格。錬金アカデミーには他の生徒もいるようで、二人の男女が最後に登場していた。ついでに先輩ライダーらしいのも登場してる。
 今回の戦いでは前回手に入れたカマンティスとオドリッパを組み合わせて武器のように使うほか、ビークルケミーのバイクであるゴルドダッシュを用いている。
 そして宝太郎には夢が出来た。それは大物錬金術師になると言うこと。やっと行く道を見つけたということらしい。
<りんねは特定の物体を自在に操ることが出来る。それって錬金術じゃなくて魔法なのでは?
 ミナトの行動と言い言動と言い、岸部露伴みたいだな。なんか顔が高橋一生に見えてきたぞ。>
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宇崎ちゃんは遊びたい!ω
宇崎ちゃんは遊びたい!(2nd)
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11
映画
特別編 響け!ユーフォニアム 〜アンサンブルコンテスト〜(2023)
 元部長の先輩から北宇治高校吹奏楽部の部長に任命された黄前久美子(黒沢ともよ)は、サポート役の高坂麗奈(安済知佳)と塚本秀一 (石谷春貴)と共に、来年こそ全国大会金賞を目指して吹奏楽部の改革に当たろうとしていた。そんな折、五人以下の奏者によるアンサンブルコンテストの大会が近づき、吹奏楽部内コンペティションでコンテスト出場の代表チームを決めることとなった。それぞれ自由にチームを組んでもらうことになったのだが、小さなトラブルがいくつも起き、それに対応するので手一杯で久美子は自分自身のコンテストの用意もなかなか出来ないままだった。そんな中でコンテスト日時が近づいてきて…

 質の高いテレビアニメを量産するスタジオである京都アニメーションは、これまで数多くの名作を作り上げてきた。好みは様々なので好きな作品は人によって違うと思うが、少なくとも私にとって一番好きな作品は「響け! ユーフォニアム 」となる。第一期目のアニメを観てすっかりはまってしまって原作まで買って読んでしまった。
 原作は著者が大学生の時代に書いたものだそうで、文体も硬くて読み難かったが、内容が等身大の高校生の生活が見事に描かれていて、それをきちんとアニメに落とし込んでいて、はっきり言えば原作よりもアニメ版の方が良かったくらいだと思った(続編からどんどん文体がこなれて小説の方も面白さが増したけど)
 この作品の面白さは主人公の黄前久美子がいわゆるヒロイン的な思考をしていないところにある。人間関係の煩わしさが嫌いな一方仲間と一緒にいたいし、愛するユーフォニアムのレベルアップをしたいと思いつつ、それでも空気を読まねばならないことは自覚している。そこら辺が割と自然に出来ていて、割と「良い人」ポジションに丁度良くはまるタイプの人間で、丁度良い立ち位置のキャラで安心して観ていられることだった。周囲の人間達は色んなドラマを演じているが、その脇でちょっと関わりながら上手く調整をしたり、時に見守るしかなかったりしながら、普通の高校生栂送れているという感じ。観てる側の心地よさが程よい感じ。
 その後原作の方は主人公が順調に一年編はテレビ版二期で半年分の放映で無事終えることが出来た。回が進むごとに描写がレベルアップした感じで、どんどん良くなってくる。
 是非これは続けてテレビアニメで観たかったが、色々あったようで、外伝である『リズと青い鳥』(2018)を挟んで二年編は劇場公開され、駆け足で終わってしまった。正直勿体ない気分ではある。
 それで三年編はどうなるだろうと思っていたら、いわゆる京アニ事件があったりして続報が遅れてしまい、ようやく2023年になって次の三年編はテレビシリーズでやるとのこと。これに関しては本当にほっとした。これでまたゆっくり、今度は完全に物語が分かった状態でゆっくり観られるのが楽しみである。
 ただ、それに先行して短めの話を劇場公開されるともアナウンスされた。
 何やるんだろう?と思ったら、原作の外伝短編集から一編抜き出して映画にするという。残念ながらこれは読み忘れていた。
 そんなこんなで新鮮な気分で観る事が出来たわけだが、これはとても優しい気持ちにさせてくれる。
 本作の舞台は吹奏楽の全国大会が終わって三年生が引退した後の吹奏楽部で、部長に就任した久美子が、アンサンブルコンサートの指導をすることから始まる。これは全国大会もあるにせよ、吹奏楽部全体のものではないので気楽にやれるが、少人数での編成のため、あぶれる人が出ないように指導しなければならなくなり、その辺は人間関係に注意しながら割り当てていく。
 空気を読みながら和気藹々を継続させていこうとする部長職の奮闘となる。厳しくはないが、かといって妥協もしない絶妙な匙加減。うんざりしながら「うええ」とか呟きながら、世話焼いてしまう久美子の描写が良い。
 この空気感に浸っていたいと思わせてくれるので、大変心地よい。一時間の短い作品だが、又観たくなってくる不思議な作品である。

ウルトラマンブレーザー

9話  アンリの元に昔親交のあった音楽家からのコンサートチケットが届いた。ところがその当日宇宙から隕石が飛来し、その中からロボット怪獣ガラモンが現れる。ガラモンが遠隔操作を受けているロボットだと分かり、その指令電波を追ったところ、なんとそのコンサート会場から電波が出ていたことに気づく。

 敵は隕石怪獣ガラモン。セミ人間に操られ、宇宙中の文明のある星を滅ぼすために呼び寄せられたロボット怪獣。そして宇宙怪人セミ人間。宇宙中に派遣され、文明のある星を調査して滅ぼすという種族。四人のセミ人間達が60年前から地球に来ており、時を窺っていた。
 アンリを中心に、ちょっとしんみりした話が展開する。地球を滅ぼすために派遣された宇宙人が音楽と出会い、自らも音楽を奏でるようになって、地球を滅ぼす使命と地球を守る思いの間で葛藤する話となっており、敢えてアンリにヒントを与えてそのどっちも義務を果たそうとしている。なんかちょっと懐かしい雰囲気がある話となっていた。音楽と出会って地球を滅ぼすことに躊躇を覚えるとか、なんか「超時空戦艦マクロス」を思わせる設定だった。
 これまでオリジナル怪獣ばかりが出ていたが、ここで過去の作品からの怪獣が登場している。「ウルトラQ」というのが渋い。コンサートで用いられる曲も「ウルトラQ」から。
 この星にやってきたセミ人間達の名はそれぞれツクシホウイチ、クロイワチッチ、ニゼミチ、ヒグラシカナデ。全員セミの種類から。
 これまで基本的にゲントの意思で動いていたブレーザーがちょっとだけコミュニケーション取ってるシーンがある。意思の疎通がやっと出来たところで会話までは成立していないが、ブレーザーは何らかの意思を持ち、ゲントに何かをさせようとしていることは窺える。
<ガラモンの名前を聞いたヤスノブは「なんか古くさい名前ですね」と言っていた。まあそりゃそうだ。
 地上から巨大化したブレーザーがガラモンにアッパーカット喰らわすシーンがあった。これって多用できるネタなのだが、何故かあまり出たことがない。
 ガラモンは文明を滅ぼすために呼び寄せられるのだが、一体では無理だろう。「ウルトラQ」16話のように多数の個体が現れるならともかく。
 動きを止めたガラモンの口から出る液体を顔に浴びたブレーザーは本気で嫌がっていた。この嫌悪感はゲントのパーソナルかな?>
Pearl パール
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仁義なきヤクザ映画史(2023) <A> <楽>
伊藤 彰彦
09
読書
裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT
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 ある日を境に突然裏世界の記憶を全て失ってしまった“私”紙越空魚。友人の鳥子の尽力で記憶は戻ったが、その空白が生じる原因を探ると、大学のゼミでTさんという人物と会ったことからと分かる。裏世界に何か関わりを持つ可能性を考え、そのTさんを尾行することにしたのだが…

 初めての長編となった話だが、一巻で決着が付かないままだった。裏世界の方から空魚と鳥子に何らかの接触が持たれたということか。
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王様戦隊キングオージャー

27話  人類とバグナラクの戦い終結から二年が経過した。六つ目の王国としてのバグナラクを含めて混乱もありながらそれぞれの国が運営されていた。ところがシュゴッダム以外の国の王様はみんな罪を犯してゴッカンに収監されてしまっていた。そんな中、六国会議が開催されるのだが…

 敵はダグデド・ドゥジャルダン。宇蟲王で、遊び半分で星々を破壊している迷惑なキャラ。実はバグナラクの戦争の黒幕でもある。
 後半の物語の開始。二年後という設定も意外であり、ギラ以外の王様が不在というのも変。とにかく異例づくしの中でほとんど状況さえもわからないまま新たな敵と戦わねばならなくなった状況。
 全ては宇蟲王の手のひらの上。チキュウではカメジムの他、ラクレスがそのことを知っていて、その上で従っていたという。そしてギラに対しても服従か星の滅びのどちらかを選べと言われたギラは、第三の道として、ダグデド・ドゥジャルダンを滅ぼす道を選ぶと宣言。
 そして捕らわれていた四人の王が脱獄し、それぞれの王国に戻るところまで。
 しかし最強形態となったキングクワガタオージャーの攻撃もほぼ全くダグデド・ドゥジャルダンには届いていないようだ。
VOL.3
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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日
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インセクトランド
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08
映画
水を撒かれた水撒き人
 庭にホースで水撒きをしている男を見つめる子ども。ちょっと思いついてホースを踏んでみたところ、水が出なくなってしまい、男が困ってホースを覗き見るが…

 映画史における一つのトピックは、映像に物語を持たせたこととなる。それは映画の誕生から必然的に起こることだった。リュミエール兄弟によって映画が誕生したのが1895年だが、その翌年にはもう物語が映画の中に入ってきた。
 実はリュミエール兄弟に先行してアリス・ギイが『キャベツ畑の妖精』という作品でストーリー漬けをしていたが、それに対抗するかのようにリュミエールもストーリー仕立ての作品を作ったのが本作となる。『キャベツ畑の妖精』が当時はあまり表に出なかったため、本作が最初のストーリー立ての作品と言われることもあった。少なくともコメディという意味では確かに最初の作品となる。
 大変短い作品で、物語も他愛ないものだが、これも映画史の辿ってきた道だと思って観ると味わいは増す。

仮面ライダーガッチャード

1話  大きな夢をガッチャする(捕らえる)ことを夢見る高校生一ノ瀬宝太郎は、肝心の目指すべき夢が見つからないまま空回りしていた。そんな宝太郎はクラスメイトの九堂りんねに夢のことを馬鹿にされたことで、一言文句を言ってやろうとするのだが、何故かりんねは見たこともない道へと歩み出していた。思わず彼女をつけるのだが、そこで巨大なバッタと出会ったかと思ったら蒸気機関車に乗せられてしまう。終着駅では一人の男が現れ、「認められた」と言ってドライバーを手渡される。

 敵はマンティスマルガム。運命の女神の一人クロトーがカマキリのケミーと合体して誕生した。両手の鎌で攻撃するほか、衝撃波を生じさせる。
 新しいライダーの開始。未来を夢見る高校生が突然力を与えられるというパターンで、これまでにも「仮面ライダーゴースト」および「仮面ライダージオウ」の第一話と結構似ている。とつぜん電車が現れて乗せられるパターンは「仮面ライダー電王」だし、魔法使いが現れるのは「仮面ライダーウィザード」。変身用のバッタと出会うというのは「仮面ライダーゼロワン」から。他にも仮面ライダーだけでなくウルトラマンからも結構引用があったりする。
 と言うことで、これまでにない仮面ライダーではなく、既知のパターンを踏襲するっぽい。これは全く悪くなくて安心して観られる作品っぽさがある。謎めいた部分がないので、観たまんま楽しめる作品は久々かも。
 今回の仮面ライダーは錬金術をモティーフとしたものとなるが、現時点では魔法と区別が付かない。用語としてケミー(alchemy)、マルガム(amalgam)など、言い回しだけ。
<第一話らしく、演技が固いが、それは初々しいというべきかな?台詞回しがちょっと恥ずかしい。
 夢のことを「ガッチャ」と言っているので、変身後はガッチャードと呼ぶのは良い(ウルトラマンジードでも同じ事やってた)。だけど最初からなんで「仮面ライダー」と言うのかが分からないな。
 ガッチャードは最初から戦い馴れてるけど、ちょっと馴れすぎでは?>
大名倒産
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映画女優のつくり方(2023) <A> <楽>
行定勲
04
映画
NOPE ノープ(2022)
 ロサンジェルス郊外にあるヘイウッド家の牧場では、映画やテレビのための馬の調教を行っていた。しかし半年前に父が亡くなり、息子のOJ(カルーヤ)と娘エメラルド(パーマー)が家業を継いでから、牧場の経営はますます悪化していた。そんな時近郊でテーマパークをしているリッキー・パク(ユァン)が牧場を買いたいと言ってくる。金は無いものの、自分たちの牧場を売ることに消極的なOJは、何か他に金を稼ぐ方法がないかと考えていたのだが、そんな時に牧場の一角の空にある雲が全く動いていないという不思議な光景を目にする。しかもその付近に行くと、あらゆる電気機器が止まってしまう。そこでエメラルドと共にその真相を動画に収めて高値で売れないかと考えるのだが…

 これまで『ゲット・アウト』『アス』と立て続けにヒット作を飛ばし、新世代のホラーを代表する監督と言われるピール監督の三本目の監督映画作。
 『アス』のレビューでも書いているが、前二作はカテゴリーとしてはホラーだが、むしろ人のアイデンティティを揺さぶる作品といった感じ。ホラーには違いないが、お化けが出てくるとかショックシーンで見せるのではなく、超常的存在によって普通の人が悪意を見せられるような話で、観ていて怖いわけではないのだが、心が冷えるような作品になってる。ホラーよりもSF寄りで、更に文学性まで感じさせる演出が見事だった。
 そして三作目となる本作は、今までの中で一番SFに寄せた作品で、更にコメディ風味を多めにれているために全く怖くない。どっちかというと宇宙人を撃退する50年代のSFみたいな話になってしまっている。宇宙人についての意外性はあるものの、古くさいSF作品というのが概ねの評価。登場人物も限られるし、宇宙人が人を襲うとしても、限られた人数で大きなパニックが起きているわけでもない。スケールとしても大きいのか小さいのか分からない。
 OJとエメラルドに関しても、これと言って家を守るための計画があるわけでなく、動画をバズらせるくらいしか思いつかず、そうしたら宇宙人がいることに気づくといういい加減さ。ストーリーとしてはとてもぬるい感じが強い。

 概ねのんびりした雰囲気のSFとはいえ、内容の皮肉はこれまで以上に鋭い。
 本作は何を皮肉にしているのかというと、本作を含めた映画そのもの。もっと言えば、興業というものがどれだけ人を傷つけているのかを描こうとしているものになっている。
 ヘイウッド家はハリウッド用に調教した馬を貸し出しているのだが、OJは調教によって馬の成長が歪んでしまうことを嫌っており、調教に熱心になれない。そのために調教不足で映画に出すことになるために映画制作者からは使えない人間としか見られてない。映画産業によって傷つけられてるのは人間だけでなく動物もそうであるということ。最近は動物も残酷に扱ってないというテロップが出ることが多くなったが、そもそも映画用に調教することが動物の生態を歪めてしまうという事実。
 そして廃業しようとするヘイウッド家から馬を買おうとする興業主のジュープは、その馬を見世物用の生け贄として使おうとしてる。このジュープ自身はテレビの子役出身で、子役時代に、それこそ調教失敗した猿に襲われてそれがトラウマになってる過去があった(本作でのホラー要素はこのシーンだけ)。結局宇宙人を見世物にしようとした結果、自分自身が食われてしまう。これに関して言うなら、興業で傷ついた人物が成長すると、トラウマを超えるために余計酷い興業主になってしまうということと、現場の人を無視する興業主のなれの果てという皮肉さを感じる部分。
 そう言う意味では興業というものを徹底的に批判している作品であると言うことになるだろう。
 更に言うなら、本作は宇宙人を撮影しようとする作品なのだが、実はその宇宙人自身が人間の愚かな行いを眺めていたという部分もある。実はお互いに観客であると共に役者であると言う部分も皮肉として機能しているのが面白いところだ。

 本作は概ね全て皮肉で出来ている作品として考えるのが正しいのではないかな。

ウルトラマンブレーザー

8話  ニジカガチの一撃を食らって絶対安静の診断を受けたゲント。だが寝ている間にニジカガチは想像を絶する台風を作り出そうとしていることを知り、ニジカガチを呼び出した峯教授を説得しようとする。

 敵は天弓怪獣ニジカガチ。額のクリスタルが弱点だが、固い頭皮で顔を覆うことで弱点を回避する。
 自然を扱う敵に対して戦うスカードの活躍を描く。ここではブレーザーよりもスカードの活躍が良く出ているが、やってることが『機動警察パトレイバー The Movie』っぽい。
 地球を守るために文明を滅ぼそうとするアナーキストと、あくまで今の人類を守ろうとする防衛隊。結局ヒーローは後者の立ち位置に立たざるを得ない。そこがヒーローの限界でもある。
 そして峯教授を説得した後で自意識を取り戻したニジカガチに対してブレーザーが現れる。ニジカガチが放出した虹を掴み、ブレーザーは新しい武器レインボー光輪を作り出した。
 ニジカガチは自然現象が具現化したものなので、倒す事は出来ない。峯教授も無罪放免となったことで、まだ話は終わってないという含みを持たせて終了。
<ニジカガチが呼び出した複数の台風は雲の壁を作っている。その姿はゲームの「ダライアス外伝」の最終面っぽい。>
劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ
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アート・ストーム じゃりン子チエ 招き猫 小鉄
02
読書
デキる猫は今日も憂鬱8
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 ある日幸来が家に帰ると、両親が来ていて諭吉の歓迎を受けていた。結局週末は母に引っ張り回されてしまうことになってしまう。しかしその中で本音をぶつけ合い、ようやく親子の和解を果たす。

 お互いに意地を張ってギクシャクしていた親子関係が修復される話と、もう一匹の普通サイズのデキる猫ダイちゃんの話。この巻でそろそろまとめにかかると思っていたのだが、まだ話は続くようだ。結構楽しみにしてるのでそれで良いんだけど。
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王様戦隊キングオージャー

27話  ジェラミーの制止を振り切り、自らチキュウの核へと突っ込んでいったデズナラク8世。チキュウ滅亡までにはあとほんの僅かな時間しか残っておらず、キングオージャーを強化して向かうこととなった。そのためにシュゴッド全部にパイロットを選出することとなるのだが、そんな時にジェラミーの部下であるゲロウジームが反乱を起こす。

 敵はデズナラク8世
 前半のクライマックス。キングオージャーは全20のシュゴッドが合体することで最強形態と馴れることが分かり、全てに五つの王国から集められた選ばれた人たちを乗せることになった。大半は生身で変身しているわけではないが、歴代全戦隊の中で最も多くの数の合体となった。
 先にジェラミーの配下となったゲロウジームが突然反乱を起こしたと思ったら、自らの命を賭けてジェラミーに覚悟を迫るためだった。これによってジェラミーはこれまでのようなトリックスターのような立場を捨て、狭間の王として人間とバグナラクの間で国を作ることとなった。
<エクストリームキングオージャー時点で既にゴテゴテして動きにくかったのに、ゴッドキングオージャーになったら、もはや身動きだけでも苦労してる感じ。
 キングオージャーの決めポーズは剣を腰だめに、画面の中央に切っ先を向ける勇者パース(別名大張ポーズ)だった。>
VOL.3
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Winny
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イロドリミドリ
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