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31 |
読書 |
蜘蛛ですが、なにか?9
なんとか魔王領にたどり着いた一行。未だ糸を出す以外の能力を出せていない“私”は、何もする気になれずひたすら閉じこもりの日々を送っていた。今だけはそんな“私”を助けられると、ソフィアはひたすら鍛練を重ねている。そんな折、突然この世界の神であるギュリエディストディニスから助力を頼まれる。
無力だった主人公が少し能力を戻してきた。現時点では糸を出すことと空間転移のみだが、神の力を持つだけに、空間転移は現実世界のこの地球にまで来ることが出来るというとんでもない能力だった。その結果分かったのは、主人公の前世は人間の記憶を転写された本物の蜘蛛だったというオチだった。 |
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16話 |
とある工事現場に突如大きな穴が出現した。その穴をのぞき込んだ人は皆錯乱状態に陥ってしまう。調査に向かうスカードだが、穴をのぞき込んだ隊員が次々に錯乱してしまう。
敵は幻視怪獣モグージョン。深い穴の中に住み、その穴をのぞき込んだ生物に電磁波を送って最も恐れる存在を見せる。敵を無力化して捕食するらしい。
精神攻撃を行う怪獣との戦いとなる。科学的な考察もちゃんとあってよく考えられているが、結構コミカルな話に仕上がってもいる。なんせ錯乱した男たちが言った台詞「鳥だよ」、「毛むくじゃらの巨人」、「タコ」はそれぞれ元ネタあり。ただ「サソリ」はバラバかアンタレス星人かが分からない。それにブレーザーもまともに目を合わせてはいけないので、目を隠しながら戦っている。
隊員もそれぞれ恐怖を見せられる。それぞれこれまで関わった怪獣や宇宙人を見せられたが、副隊長のヤスノブは何故かおはぎで、エミは巨大な自分自身だった。
ブレーザーはかつて口が開けることが発覚したが、今回はなんと目を閉じれることも分かった。目の光が消えるだけだが。
アースガロンに新装備が搭載された。自立型AIで、これによってこれまで二人で動かさねばならなかったアースガロンが一人でも動かせるようになった。
怪獣のネーミングは防衛隊が作るそうだが、モグージョンと言われて戸惑うエミの姿が面白い。
<アースガロンのAIアーくんの声は石田彰…よりによってこの人か。土曜日と日曜日に敵味方でこの声聞かされることになるとは。混乱しそう。
ブレーザーは目を覆いながら戦っていたが、ウルトラマンの目に映るものも人間と同じもので、幻術攻撃が効くんだろうか?説明には人間の扁桃体の干渉だそうだが、ウルトラマンにも同じ器官があるのだろうか?> |
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ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック! |
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30 |
映画 |
名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊 |
数々の難事件を解決してきた世界的な名探偵エルキュール・ポワロ(ブラナー)は、疲れを感じ、イタリアのベネチアに引きこもり、毎日同じ生活を送る隠遁生活を送っていた。そんなある日、旧友にして敵でもあるオリヴァ(フェイ)が訪ねてきて、有名なオペラ歌手ロウィーナ(ライリー)の主催するハロウィンの降霊会に彼を誘う。霊媒師レイノルズ(ヨー)のトリックを見破るべく、降霊会に参加することにしえ見事トリックを暴くのだが、その直後レイノルズが何者かによって殺害されてしまう。屋敷の中にいる人間に犯人がいると判断したポワロは即座に屋敷の封鎖を命じるが、そのポワロ自身も命を狙われ…
ケネス・ブラナー監督主演の名探偵ポワロ作品も三作目。一作目の『オリエント急行殺人事件』、二作目の『ナイル殺人事件』はかなり有名な作品だったが、三作目の本作はかなりマイナーな作品で、私も実は全く読んだことがない作品だった。それだけに大変楽しく観させていただいた。
今回はオカルトの話だが、推理小説とオカルトは相性が良く、よく一緒に使われる。人知を超えた犯罪が超自然的な出来事と思わせておいて、実はトリックがあったというパターンがよく用いられる。この場合オカルトはトリックとして用いられるので、実際に神秘的なものとして使われることはあってはいけない。それが鉄則となる。
基本的にその鉄則に則り、本作も一見神秘的な事件をポワロが鮮やかに暴くという物語になるが、これまでの二作品と較べて情緒が一気に増している。特に登場人物の大半が愛憎関係にあってかなりウェットな雰囲気を持った作品に仕上げていた。
ポワロ自身が引退後ということもあって、推理がもたついてしまってるが、それが本作の場合は良い具合にゆったりしてて、雰囲気に合ってた感じ。これまでで最も小品だが、一個の作品として完成度は高い。
あと、本格推理作品では珍しく本物の密室殺人事件が展開するのもポイントが高い。蓋を開ければ単純な話だが、この時代になってこう言う本格推理が見られただけでも大満足だ。
エキセントリックなキャラが多いのも特徴的かな?そんな人たちの雑音で、普通なら惑ったりしないポワロが彼らの言動に振り回されるのも引退後の話だからだろうか?本作の原作は未読だが、ポワロの作品を通して考えるにこう言うキャラではなかった気はした。 |
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34話 |
もう一つの地球から無事脱出できたキングオージャーの面々は故郷へと向かった。だがチキュウでは既に半年が経過しており、ダグデドによって支配されてしまっていた。民は王様達を自分たちを見捨てたと教え込まれ、王たちに対して激しい反発を覚えていた。更に王不在の中でシュゴ仮面と呼ばれる人物がシュゴッダムを収めていたのだが…
敵はキンバエジーム。バグナラクの一員で、民達に豊かさを約束して地上に侵攻してきた。高速で空中移動して敵の死角から攻撃するのを得意とする。
ダグデドの狙いも実はそちらで、王たちの不在の間に民達を先導して民達に豊かな生活を与え、王を反逆者に仕立て上げた。これまでのスーパー戦隊では一切なかったパターンだが、本作では民達によって虐げられる王様という構図が結構多用される。
今回はシュゴッダムだけが豊かになり、他の国々は極貧にあえぐという構図を取るが、民はそういうことですぐに態度を変えてしまうというどうしようもない現実を突きつけている。
そして新たな支配者となったシュゴ仮面の正体は、ラクレスだった。生きてたのね。そしてそのシュゴ仮面に仕える存在としてすずめがいた。
前回の戦いでヤンマは恐竜の力を武器に込める手法を開発し、キングガブリカリバーを開発し、更にやってきたガブティラがゴッドクワガタ以外の他のシュゴッドと合体してキングキョウリュウジンとなった。
<地球からチキューに帰る際、光速移動したために周囲の時間が経過していたとヤンマは言っていたが、この理論だと同じ方法でやってきたコーカサスカブト城が前回地球に来るまでに半年かからないとおかしい。> |
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無声映画入門:調査、研究、キュレーターシップ(2023) |
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パオロ・ケルキ・ウザイ |
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27 |
読書 |
パタリロ!38
CIAのヒューイットが左遷されたことを知ったパタリロは早速からかいに訪れるが、少女絡みでややこしい事件に巻き込まれてしまい、ついには共産圏へと亡命するとまで宣言してしまう。からかうつもりが一途なヒューイットに引っ張られてしまうパタリロ。
二枚目で真面目だがノースダコタ出身とロリコンというだけの属性のヒューイットをここまでキャラ立てしたのは立派。他にも相変わらず浮気性のバンコランを懲らしめる話とか内輪受けの話が多い。 |
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26 |
映画 |
ガリバーの宇宙旅行 |
両親もおらず町の片隅で寝泊まりしている少年テッドは映画館で上映している『ガリバー旅行記』が大好きで、こっそり映画館に忍び込んでは映画を眺めていた。だがある日無銭見物が見つかってしまって追い出されてしまった。すっかりクサって町外れを徘徊していくうち、一軒の家を見つける。そこでテッドが見たのは、すっかり老いたガリバーだった。テッドに助手になってくれと言うガリバーに、テッドは喜んで手伝いをすることになった。ガリバーは「青い希望の星」に人生最後の旅をすべく、ロケット「ガリバー号」を建造していたのだ。やがてロケットは完成し、「青い星」に向けて出発するのだが、そこでテッドとガリバーが見たものは…
東映動画初となるスペースオペラ作品。企画そのものは1963年だったが、この年にテレビアニメが始まったために、東映はその対応に追われ、長く中断されていたそうだが、劇場映画の復活に伴って、かなりSF寄りの作品として作られた。
ガリバーの最後の冒険とは?というコンセプトで作られた宇宙旅行作品となっていた。これまで過去の話や現代の話など、現実に即したものを作り続けていたが、ここでだいぶはっちゃけたというか、奔放な作品を作ってくれた。
まさにセンス・オブ・ワンダーに溢れた空想の世界で、常識が違う宇宙の星に強引に介入するパターンは後年の『劇場版ドラえもん』のようで、空想の世界観に溢れた作風は観ていてとても小気味よい。
主人公テッドの置かれた状況とか、最後まで結局状況が変わらないとか、結構重めの話もあったりするが、厳しい現実を対比するのがバランスの良さになってるのだろう。かなり気に入った作品である。
尚、本作が実質的な宮崎駿のアニメーション本格参加作で、大塚康生の下で動画で参加したが、いつの間にか後半の作画監修までしていたという。ラストシーンの変更も宮崎によるもの(物語そのものは変わらないが、王女がロボットの中に入っていたという物語にしている)。この際、宮崎は大塚のことを「最初に動きの楽しさを教えてくれた」と述懐している。 |
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9話 |
折角得たサボニードルが戦いの最中にガッチャードの元から脱走してしまい、宝太郎は危機を迎える。なんとか危機は脱したものの、サボニードルの行方が分からなくなり、更にサボニードルと友だちになった理玖から、サボニードルを探して欲しいと願われる。
敵はドラゴンフライマルガム。理玖の父砂山堅二がグレイトンボケミーに憑依された。理玖から余計なものを排除しようとする思いから闇に取り込まれた。そしてクローバーマルガム。冥黒三姉妹のラケシスがハピクローバーケミーを用いて変身したマルガム。
サボニードルを仲間にする話の後編。パターンは前半の平成ライダーそのものだった。
ストーリーは悪くないのだが、子どもに合わせてガキの思考で突っ走る宝太郎がやや鬱陶しい。
無事事態は収束できたものの、最後にミナトからは、軽々しくケミーと人間をつないだことで危機を作り出してしまったことで苦言を呈されている。学ぶとはこういうことだ。
一方、冥黒三姉妹のアトロポスと出会ったりんねは、「攻撃するなら錬金術師だけにして」と言い、アトロポスは不思議な笑いを浮かべてそれを受けている。不用意な一言だったのかな?
<落下しながら長台詞と変身までこなす宝太郎。仮面ライダーになると時間の経過が変わるのだろうか?
「目を覚ますのはお前の方だ」と言う父親だが、その姿は怪物そのもの。これ以上に説得力のない台詞も珍しい。> |
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「火の鳥 エデンの花」ARTBOOK(2023) |
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24 |
読書 |
夫人探索
資産が入ったものの放蕩の末に全財産を失った男が、消えた金は未だ見ぬ妻が奪ったのだと思い至った。そこでその財産を取り戻そうと、妻を捜し求める。
何を書いてるのか全く理解出来ない作品だが、妄想の世界の中の正しさというものをしっかり伝えてるのは確かだ。 |
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15話 |
ゲントの息子ジュンの友だちにアラタという怪獣大好き少年がいた。アラタの熱意に感化されたジュンは自分でも怪獣の絵を描くようになるのだが、その絵をアラタはガヴァドンという名前をつける。ところがニュースでその怪獣の姿を見てしまう。
敵は二次元怪獣ガヴァドン。「ウルトラマン」15話に登場した二次元怪獣と同じ名を持つ怪獣で、同じように特殊な宇宙線によって絵から登場した。非常にシンプルでほぼ寝ているだけの怪獣。
10話に続きゲントの家庭生活が描かれてる。ヒーローが子持ちというのは今までなかったので、団らんや、子どもと怪獣を絡めるのはとても新鮮な感じだ。
未知の宇宙船で絵が実体化するというのは「ウルトラマン」15話と同じ設定だが、ガヴァドンは凶悪化はせず、シンプルな格好のまま。だからこそそれに翻弄される防衛隊とブレーザーが滑稽に描かれる。どっちかというと15話よりも34話に近い。
最後は子ども達の願いを聞いたブレーザーがガヴァドンを宇宙まで運んでいった。
工事現場の管理者として諏訪太郎が登場してる。特撮にこの人出ると安心感ある。
<ガヴァドンを発見されて焦ったアラタはでっかくガヴァドンを描いていた。普通見つからないように小さく描くのでは?
ガヴァドンを排除するため爆撃を行う防衛隊。良いのかそれで?
ブレーザーが宇宙に運んだ後、ガヴァドンは星座になっていた。それって死んだってことでは?> |
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23 |
映画 |
アステロイド・シティ(2023) |
1955年。アメリカ南西部の砂漠の町アステロイド・シティ。数戸の家とダイナーとモーテルだけのこの町は大昔隕石の落下ででできた巨大なクレーターの観光地だった。この町ジュニア宇宙科学賞の祭典が開かれ、表彰式に5人の天才少年少女とその家族が招待された。何にもない町で一晩過ごしたいくつもの家族は、表彰式の当日、なんと宇宙船とそこから現れた宇宙人を目にしてしまう。
ハリウッドには「この人しか作れない」作家性の強い監督というのが何人かいる。そして間違いなくウェス・アンダーソンはその筆頭にあげられる監督だろう。特徴的な乾いた赤とパステルカラー、そしてそれに対比するような闇の描写。色の使い方を見ただけでこの監督だと分かる。
そんな監督の最新作は、皮肉に満ちたオールド50年代を舞台にした話となった。
出演者も豪華で、監督がどれだけ評価されているのかもよく分かる。
ただ、作品としては結構難解なものに仕上がってる。
この作品は構造がちょっと変わっている。最初に劇作家が出てきて、これは劇であると言うことを言った後、舞台へと移る。書き割りのセットのような、それでいて自然環境のような不思議な空間に放り込まれ、そこでの会話劇に巻き込まれる。時折カメラが暗転し、劇作家が登場しては解説や、自分自身のことを語ったりしながら、不思議な舞台劇が展開していく。
現実の方がモノクロで、虚構の世界がパステルカラーという不思議さもあるが、実はこれ入れ籠構造になっていて、舞台劇の中の世界に現実があると言う描写もあるし、虚構世界の発言が現実世界に入り込むような描写まであるので世界観がかなり入り組んでいる。
大変なメタ構造の作品だが、問題は劇の中の物語であれ、現実の物語であれ、今ひとつわかりにくいという所。
一見して色んな方面に対する皮肉を作っていることは分かる。それは科学の進歩に対して、あるいは原爆に対し、人間の意地の張り合いに対し、劇そのものに対し、さまざまな方面からのツッコミを入れてる感じなのだが、多方面にわたりすぎて中心が見えてこない。
そこが見えないために本当にこれが面白いのかどうかは置いておかねばならないのだが、それでも描写の一つ一つがとても面白いというのは確かではある。
何故か至近距離で行われる原爆実験に対してみんなが無関心である事、天才少年達が作った発明品を淡々と紹介すること、殺伐としてるのかてんたんとしてるのか分からない人間関係、そして唐突に現れる宇宙船と宇宙人。それに付随する政治家の駆け引きなど、画面の一つ一つが皮肉に満ちた描写であり、それをそのまま受け入れられれば楽しくなる。
出来ればこれは解説をちゃんと読んでから改めてレビューしたいと思う。 |
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33話 |
デーボ・センキングを倒すことはできたものの、デーボスに支配されている地球を救わねばならぬと考えるギラ。一方自分たちのチキュウに帰る手立てを考えることが先だと言うヤンマと意見が衝突していた。そんな時、出土した石版から、この地球がチキュウの故郷である事を知ったジェラミーは、コーカサス城にこの地への帰り道が記されていることを突き止める。ギラは自分自身がゴッドクワガと結びついているならば、通信が出来るはずと考えるのだが…
敵は兜武神デーボス。
「獣電戦隊キョウリュウジャー」とのコラコラボの後編。かつて地球のために戦った獣電戦隊が復活することと、彼らの助けで再び元のチキュウに戻れるまでを描く。
キョウリュウジャーの活躍の後、色々あって、ノッサンとキャンデリラは結婚することになったそうで、ラッキューロはいきなりリタに惚れ込んでしまった。ちゃんとあの後の話になってるし、キャラもきちんとしている。
前回突然出てきたプリンスも本名は桐生ダイゴロウだそうで、なんか桐生ダイゴとアミィの間の子っぽい。ちゃんと前の設定が活きているのが良い具合だ。
失ってしまったブレイブを呼び起こすために必要なのは音楽で、それはキョウリュウジャーのオープニングソングというのが面白いところだが、そんなもので戻せるものなのか?という疑問はある。
ブレイブを取り戻したキョウリュウジャーの面々が変身するのと、コーカサス城が地球に来たことで変身出来るようになったキングオージャーが変身することで、11人の戦隊が揃った。ちなみにテレビで同時出演の最大の戦隊はまさに「獣電戦隊キョウリュウジャー」の14人。
今回はスペシャルと言うことで、採石場を舞台に本物の火柱を使っており、懐かしさに溢れた演出になってる。
桐生ダイゴの出演は声だけだったのがちょっと残念かな。話の都合上それで良いんだろうけど。
<プリンスはダイゴとアミィの子どもだそうだが、番組終了からまだ10年。それにしては老けているが、その説明はどこかで行うのだろうか?
デーボスが直接一人で戦ってるシーンは、ちょっと情けない感はあり。> |
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スタジオジブリ絵コンテ全集23 君たちはどう生きるか(2023) |
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宮ア駿 |
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20 |
読書 |
反逆コメンテーターエンドウさん2
相変わらず正論を語り続け、色々批判もあるものの人気コメンテーターしてるエンドウさん。彼自身は一貫しているが、彼の周囲の人々が少しずつ変わり初めていく。
正論だけしか言わない人物を魅力的に描くのは難しいのだが、このシリーズは結構それが上手くいってる。良い意味でも悪い意味でも周囲が徐々に変化していくところが面白くなってきた。まだまだ続いて欲しいシリーズ。 |
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10話 |
内戦が続いているダレド4号星の王女サリアは16年間中立星であるクラウディア3号星で過ごしていた。内戦調停のためにダレド4号星に戻ることとなり、エンタープライズ号が彼女を迎えに来た。サリアの教育係であるアーニャはサリアをできるだけ誰にも合わせないように気を遣う。そんなサリアに一目惚れしてしまったウェスリーは、こっそり彼女にエンタープライズ号を案内する。
ウェスリーの初恋(?)が描かれる話。一目惚れしてしまった子が人間ではなかったため、悲恋に終わってしまうのだが、その過程がいかにも思春期のものだった。ダレド4号星の住民はどんな姿にも変わることが出来る。怪物のような姿となった時はクリンゴン人のウォーフ以上に強かった。たかだか数時間の恋愛模様だったが、ウェスリーには良い経験だったようだ。
ウェスリーは自分の感情を持て余してクルーのみんなに恋愛指南を頼むが、色々ずれた受け答えをするため右往左往してしまう描写がなかなか面白い。ウォーフに頼んだらクリンゴン用の威嚇の声を上げるし、ライカーに頼んだらガイナン相手に大人のやりとりを見せつけられて戸惑うことに。唯一ラフォージだけがまともなアドバイスくれていた。
<ダレド4号星の住民が変身出来ることを全く知らされずに移送を行うエンタープライズ号。それってあり得ないことだよな。
たかだか三時間の航行中に眠るアーニャ。命狙われてるとか言ってたけど大丈夫?> |
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18 |
映画 |
さがす(2021) |
最愛の妻を失ってから全てに無気力になってしまった原田智(佐藤二朗)は、妻が残した卓球センターも潰してしまい、日雇いの仕事に出るか家で何もしないかの日々を送っていた。そんな父を何とかしようと奮闘する娘の楓(伊東蒼)だったが、ある日智は楓に一攫千金のチャンスが来たと告げる。実は300万の懸賞金の掛かった山内照巳という連続殺人犯の居場所を知っているというのだ。そんなのは妄想だと一笑に付す楓だったが、その翌日智は失踪してしまう。調べ回っていると日雇い労働の現場に出勤していることが判明し、現場に向かうのだが、そこにいたのは父とは全く似てない若い男(清水尋也)だった。
テレビや映画では重宝されるバイプレイヤー佐藤二朗が初めての主演作と言うことで話題になっていて結構気になっていたが、なんか非常に重そうな雰囲気があって、ちょっと劇場では良いかと思った次第。それでもこう言う作品がちゃんと配信されることはありがたい。
映画観る先にあらすじが目に入ってしまったのだが、オープニングの展開から予想されるのは、連続殺人犯を追い詰めようとした父親が返り討ちに遭って殺され、その犯人が父の名前を騙って娘に凶行に及ぶといったサスペンスとなるのだろうと思っていた。ありがちなパターンでほぼ最初から最後までわかりきった物語と展開が待ってる者と思い込んでいた。
ところがそんな一筋縄の物語ではなかった。予想を超えて話がどんどんずれていく。変なキャラが次々に登場し、話がカオス化していく。話が広がっていってどうなんのよと思ってたら、見事に風呂敷がたたまれていく。最終的には素直に巧く作ったものだと感心出来る出来だった。
本作の最大の強みは、誰一人同情すべき人物がいなかったという所だろう。殺人犯とその助手が中心に、ばれないように人を殺しては金を受け取ることを淡々とこなしていく中で、二人が互いを疑心暗鬼で見るようになるというパターンだし、純粋な被害者であるはずの娘も性格の悪さで同情に向かない。
結果として、全体的に本当に殺伐とした人間関係のみが描かれるようになる。
しかし本作の面白いところは、そんなドロドロでグダグダな人間関係を描いていながら、視聴後にかなりすっきりした気分になることだろう。こんな物語でありながら、落ち着くべき所に落ち着いて、「これで良いんだ」と思わせてくれる。
こう言う作品って結構珍しいが、それは場の空気をちゃんと読む監督の実力なのだろう。グダグダに見えつつきちんと画面をコントロール出来ているからこその満足感を与えてくれる。
善と悪の混じり合った世界の中での葛藤に、一応社会派的な意味合いもあるし。
意外な好作と言って良いんじゃないかな? |
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7話 |
新しく仲間になったケミーを用いて順調にケミーを進めていく宝太郎ら錬金アカデミーの生徒達。そんな彼らの前にサボニードルケミーと友だちになったという少年砂山理玖が現れる。人間とケミーはいつまでも一緒にはいられないと、サボニードルケミーを預けたいという理玖だが…
敵はドラゴンフライマルガム。空中から針を飛ばして攻撃するマルガム。
今回は話が前後編で、平成ライダーの定番ストーリーっぽく作られてる。ひょっとしたら、これまでが昭和ライダー編で、これから平成ライダー編が始まっていくのかな?
メインの物語は少年とケミーの友情話を処理する話になる。主人公が無意味にお節介なのがヒーローっぽいが、話はだいぶ不自然。ただこう言う無理矢理強引な話は昭和の特撮っぽくて嫌いじゃないぞ。
ガッチャードは新しい形態を次々に披露しているが、こんなにいると、だんだん訳分からなくなってくる。
一方ストーリーに関わる話としては、冥黒三姉妹が人間をマルガムに変える理由を探るスパナは、彼女たちがケミーではなく人間の悪意のようなものを集めていることに気づくが、それが何を意味してるかはまだ不明。スパナは合理主義で、ケミーは道具として扱うことに固執し、情を込めてはならないという考え方。
<ドラゴンフライマルガムが使った「飛んで火に入る夏の虫だ」は特撮ではよく使われる言葉だ。昆虫形態の敵が使うことが多い気がする。
長台詞を言いながら空から落ちる宝太郎。落下が随分ゆっくりだな。> |
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ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース リモンスター版(2023) |
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マット・フランク
クリス・マウリー |
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16 |
読書 |
ヴェールを破るもの
田舎から家に帰る途中たまたまタクシーで同行した男が自分と同じ怪奇好きと言うことが分かり、意気投合して彼の家にお邪魔したケヴィン。だがその男のやっていることは趣味の範囲を超えており、なんと悪魔を呼び出す儀式を目の当たりにしてしまう。だが呼び出されたものは…
正統的なゴシックホラー短編。一応これもクトゥルフものになるらしいのだが、通常のホラーだな。 |
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14話 |
世界中で目撃されている高速で飛行する未確認飛行物体の正体は怪獣デルタンダルだった。マッハ9のスピードにアースガロンは追いつけず、取り逃がしてしまう。一方、防衛隊をハッキングして同じ場所からやってくる宇宙怪獣の出自を調べるエミは、かつての防衛隊が起こった実験にたどり着く。
敵は月光怪獣デルタンダル。全世界で目撃された未確認飛行物体の正体で、飛行時は三角形のフォルムを取る。マッハ9のスピードで防衛組織の何者にも捕捉されなかった。
これまでの戦いで成果がなかなか上げられてないスカードの存続が危なくなったという話になる。話の都合上、中心はスカードの活躍になり、ブレーザーの出現はギリギリまで待つことになる。ただやっぱりスカードは形の上では失敗してしまう。
アオベエミが防衛隊で何をしようとしていたのかも少し分かってきた。どうやら父のことに関わるものらしい。スカードに対してスパイ行為をしていると言うより、防衛隊が行った機密を探っていたようだ。尚、ゲントがブレーザーと出会った事件でエミの父が研究員としてそこにいたらしい。ラストでエミは長官であるハルノレツの姪であることも発覚した。
ドバシユウ役は寺田農だった。「ウルトラマンジード」以来か。
<ハッキングはパイプのたくさんある狭い場所で有線で行うのが定番で、エミもそういうやり方してたけど、今時これはステロタイプにしても古すぎる気はする。> |
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海洋堂 タケヤ式自在置物 プロテクトギア 「34年式特殊増加装甲」 黒Ver. |
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15 |
映画 |
クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022) |
近未来。医療技術の発達によって人類は死ににくくなった一方、痛みの感覚を失い、自らの肉体を傷つけることを芸術として考えるようになっていた。そんな中、加速進化症候群という、新しい臓器が体内に生まれ続ける新種の病気にかかったソール(モーテンセン)は、自らの肉体から臓器を摘出する手術をパートナーのカプリーヌ(セドゥ)と共に行い、芸術家として名を馳せていた。そんなソールの元を政府の役人や、新たな人類種を生まれさせることを目的としている宗教的な指導者達がソールの意見を求めてやってくる。狂信的なラング(スピードマン)という男の頼みで、母親によって殺された我が子の内臓を摘出して欲しいという願いを受け、ソールとカプリーヌは躊躇しながらその子を手術台に載せるのだが…
私らの世代の人間では、クローネンバーグという名前は一種特別なアイコンとして捉えている。『デッドゾーン』が彼の代表作と考える人もいるだろうが、多くの人は彼をホラー作家として考えているだろう。
こんなこと書くと頭おかしいと思われるかもしれないが、多分相当少数派の人間にとって、クローネンバーグはフェティシズムの極みだと考える。とにかく何もかも描写がエロチックなのだ。その極みと言えるのが内臓関係の描写である。デビュー作の『シーバース』であれ、その後の『ラビッド』、『ザ・ブルード 怒りのメタファー』に至るまで、人間に新たな臓器が出来るということで作風が一致している。更に描写の方に目が行く『スキャナーズ』にしても、人間に新しい器官がつくことで超能力を使えるようになるという設定だし、『ビデオドローム』もビデオドロームを観た人間の脳に変な器官がつくという設定となってる。それに『デッドゾーン』だって『ザ・フライ』も、人間が内部から変えられて人間以外のものになっていくという共通性もある。
つまりクローネンバーグの初期の作品は、人間の中に余計な器官が入り込んで人間が変えられてしまうと言う設定が多く、これがクローネンバーグのフェティシズムであり、また一貫した監督のテーマであったと考えられる。
しかしその後、多くの監督作品を作っていくうち、初期の作風とはだいぶ異なっていった。特に『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』(2002)以降は作家性は高いが、あくまで一般レベルで楽しめる作品ばかり作っている。監督の興味の範疇が変わったのか、それとも職業的に合わせて変えたのか。
その辺の作品、嫌いではないのだが、むしろ極端な個性的な作品を観てみたいというのが長年の望みではあった。
そんな中、本作の存在を知った。設定を見ただけで分かった。
クローネバーグが帰ってきた。
まさしく初期の監督が作ってきた作品の特徴そのままで、それに私の大好きなフェティシズム溢れた作品が観られる。
そんなわけで喜んで観に行ったが、上映の箱が少なかったからか、やたら観客が多かったのが不思議。私自身は相当少数派だと思うが、この中には私と似た傾向の趣味を持つ人間が多いのだろうか?などと余計な事を考えつつも、画面に引き込まれる。
映画の内容は、見事に初期のクローネンバーグ作品だった。内臓に対する極端なこだわりがますますフェティッシュな描写となって、一方ではそれなりにきちんとした物語展開になるのも今のクローネンバーグだからだろう。
本作の物語は一見分かりにくいがとても単純である。
主人公のソールは自分自身の体の中で新しい臓器が生成するという特殊体質で、それを摘出するのを見世物にしていたが、実はそんな体質になった理由にも悩んでいる。だから表ではアナーキストと付き合い、裏では政府の人間ともつながりを持ちつつ、自らの体質について調べている。そんな時に、アナーキストの集団から、新人類の可能性を聞き及び興味を持って調べてみる。
と言うのがメインの物語で、最後に実は自分自身こそが最初の人類の進化形であると気づくというオチとなる。
異常な事態が自分の身に起こっていることで悩む主人公が、実は自分こそ人類の進化の形であったことに気づくと言うのが、それこそクローネンバーグの初期作品に共通するテーマで、主人公がそれを受け入れた時に人類の進化を予兆させて幕を閉じる。このパターンを何度もやっていた。
そして初期の作品と較べると格段にわかりやすい形となったが、まさしく『ラビッド』をはじめとする諸作品の結論がここにあった。
クローネンバーグ監督、本作を自分の集大成として位置づけたような気がする。これまでの半世紀に至る映画作りの結論がここにある。 |
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32話 |
ダグデド・ドゥジャルダンの逆鱗に触れてしまったキングオージャーは別な世界に飛ばされてしまう。そこは「獣電戦隊キョウリュウジャー」の世界だった。そこで二人は今も戦い続けている立風館ソウジと、彼が育てている新たな戦士プリンスと出会う。
敵はデーボ・センキング。デーボス軍の全戦騎の能力を受け継ぐデーボモンスターの王。ダグデド・ドゥジャルダンによって、デーボスを復活させるために地球に送り込まれた。
かつての戦隊「獣電戦隊キョウリュウジャー」の世界に送り込まれてしまったキングオージャーの面々の活躍。
キョウリュウジャーの面々は何人かは地球に残っているが、全員ブレイブを奪われて変身出来ないのと、ダイゴと空蝉丸の二人は宇宙に出ているとのこと。その代わりとしてブレイブを持つ新しい戦士プリンスもいるのだが、今のところ未完成で返信が出来ず、デーボス軍と戦うまで至っていない。
そこでギラが自ら悪役になることでプリンスを覚醒させようとして、見事プリンスはキングキョウリュウレッドに変身は出来た。
今回はギラ以外のキングオージャーの面々が変身出来ないため、生身で戦っているが、みんな実によく動く。
キングオージャーの世界の星がチキュウと呼ばれていたのは、実は祖先が地球から移民してきたからと言う結論だった。なるほどチーキュじゃないのはそのせいか。 |
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13 |
映画 |
Time Out オールタイムベスト |
第1位 |
2001年宇宙の旅 |
第2位 |
ゴッドファーザー |
第3位 |
市民ケーン |
第4位 |
ブリュッセル 1080 コメルス河畔通り 23番地 ジャンヌ・ディエルマン |
第5位 |
レイダース 失われた聖櫃 |
第6位 |
甘い生活 |
第7位 |
七人の侍 |
第8位 |
花様年華(かようねんか) |
第9位 |
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド |
第10位 |
雨に唄えば |
第11位 |
グッドフェローズ |
第12位 |
北北西に進路を取れ |
第13位 |
マルホランド・ドライブ |
第14位 |
自転車泥棒 |
第15位 |
ダークナイト |
第16位 |
街の灯 |
第17位 |
大いなる幻影 |
第18位 |
ヒズ・ガール・フライデー |
第19位 |
赤い靴 |
第20位 |
めまい |
第21位 |
Beau Travail |
第22位 |
捜索者 |
第23位 |
ペルソナ |
第24位 |
ドゥー・ザ・ライト・シング |
第25位 |
羅生門 |
第26位 |
ゲームの規則 |
第27位 |
ジョーズ |
第28位 |
深夜の告白 |
第29位 |
大人は判ってくれない |
第30位 |
スター・ウォーズ EP4 |
第31位 |
裁かるるジャンヌ |
第32位 |
ウエスタン |
第33位 |
エイリアン |
第34位 |
東京物語 |
第35位 |
パルプ・フィクション |
第36位 |
トゥルーマン・ショー |
第37位 |
アラビアのローレンス |
第38位 |
サイコ |
第39位 |
山椒大夫 |
第40位 |
アンドレイ・ルブリョフ |
第41位 |
シェルブールの雨傘 |
第42位 |
チャイナタウン |
第43位 |
第七の封印 |
第44位 |
ロスト・イン・トランスレーション |
第45位 |
タクシー・ドライバー |
第46位 |
千と千尋の神隠し |
第47位 |
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド |
第48位 |
戦艦ポチョムキン |
第49位 |
モダンタイムス |
第50位 |
勝手にしやがれ |
第51位 |
博士の異常な愛情 |
第52位 |
M |
第53位 |
ブレードランナー |
第54位 |
ペトラ・フォン・カントの苦い涙 |
第55位 |
Rome, Open City (1945) |
第56位 |
吸血鬼ノスフェラトゥ |
第57位 |
フライング・ハイ |
第58位 |
アンダー・ザ・スキン 種の捕食 |
第59位 |
マッド・マックス 怒りの地獄ロード |
第60位 |
地獄の黙示録 |
第61位 |
ブロークバック・マウンテン |
第62位 |
我輩はカモである |
第63位 |
ブレア・ウィッチ・プロジェクト |
第64位 |
大統領の陰謀 |
第65位 |
サタジット・レイ三部作 |
第66位 |
キートンの大列車追跡 |
第67位 |
エターナル・サンシャイン |
第68位 |
悪魔のいけにえ |
第69位 |
炎628 |
第70位 |
ヒート |
第71位 |
シャイニング(1980) |
第72位 |
トイ・ストーリー |
第73位 |
Killer of Sheep (1977) |
第74位 |
こわれゆく女 |
第75位 |
アニー・ホール |
第76位 |
お熱いのが好き |
第77位 |
メトロポリス |
第78位 |
マルタの鷹 |
第79位 |
スパイナル・タップ |
第80位 |
或る夜の出来事 |
第81位 |
ダイ・ハード |
第82位 |
暗殺の森 |
第83位 |
遊星からの物体X |
第84位 |
自由への旅立ち |
第85位 |
バリー・リンドン |
第86位 |
レイジング・ブル |
第87位 |
セブン |
第88位 |
アギーレ |
第89位 |
アルジェの戦い |
第90位 |
神経衰弱ぎりぎりの女たち |
第91位 |
6才のボクが、大人になるまで。 |
第92位 |
ブルジョワジーの秘かな愉しみ |
第93位 |
突撃 |
第94位 |
秘密と嘘 |
第95位 |
成功の甘き香り |
第96位 |
カリガリ博士 |
第97位 |
ナッシュビル |
第98位 |
赤い影 |
第99位 |
俺たちに明日はない |
第100位 |
ゲット・アウト |
The 100 best movies of all time |
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読書 |
アオイホノオ24
春休みをを終え大学三年生となったホノオ。だがサンデーの編集部からはプロの漫画家として早く東京に来るようにせっつかれ、ついに退学を決意する。
ほぼ丸々一巻かけてホノオが退学に至るまでを語る話になった。一行で「ホノオは退学した」で東京で漫画家として初めても良いくらいなので、内容は薄いが、これは本人にとっては本当に重要なイベントだったから、どうしても書かねばならなかったのだろう。
ところで、著者の家は会社の社長ということは知っていたが、実は相当な苦労を経て会社を軌道に乗せたことが語られていて、人生色々なんだなあと。 |
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映画監督はこれだから楽しい わが心の自叙伝(2023) |
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大森 一樹 |
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12 |
読書 |
源おじ
佐伯という片田舎の町に若い教師がやってきた。そこで源おじと呼ばれる船渡しの船頭の話を聞く。その悲しき生涯に思いを馳せる。
ただただ悲惨な名もなき男の生涯を語る話で、なんともしんみりとした気分にさせられる。これが著者の味というやつか。 |
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6話 |
黒鋼スパナを付け狙う男を見つけた冥界三姉妹のラケシスはその男の闇の感情を使ってホークマルガムを作り出す。空中からの攻撃に対処できないヴァルバラド。更にりんねを人質に取られてしまうのだが、スパナは一切の容赦なく攻撃を行う。そんなスパナの行動に疑問を覚えつつ、それでも協力する宝太郎。
敵はホークマルガム。かつて超A級錬金術師の試験に黒鋼スパナと争いあっけなく負けてしまいストーカー化した鉛崎ボルトがラケシスの力でマルガムとなった。
ライバルキャラである黒鋼スパナがやっぱりライバルであることを確認する話。能力的にはトップクラスなのだが、何でも出来るために主人公を含めた他のほとんどの人々を見下す描写はほとんど70〜80年代のもの。
ちょっと鬱陶しいところもあるが、基本的に性格の良い主人公と、強いが性格の悪いライバルの関係で面白い関係になってる。キャラが逆転するが「仮面ライダーカブト」の加賀美と天道の関係に近い。あるいはボルトは「高速戦隊ターボレンジャー」のヤミマル=流星光あたりに近いかな?
自分の自慢の料理の腕前まで負けてしまった宝太郎がちょっとストーカーのようになってスパナをつけ回すが、それ以上前からスパナにつきまとっていた男とバッティングしてしまった。よっぽど恨まれるタイプの人間らしい。
今回は宝太郎の方が完全にサポートに回っただけだった。主人公としては情けないが、人命救助の方がヒーローとしてのありかたとしては正しいだろう。
<黒鋼スパナに鉛崎ボルト。ちょっと共通したところがある名前だ。錬金術師はそういう名前がつけられるのだろうか?> |
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10 |
映画 |
別れる決心(2022) |
生真面目で優秀な刑事チャン・ヘジュン(パク・ヘイル)は、山で転落死した男に事件性があるかどうかを調査していた際、被害者の妻で中国人のソン・ソレ(タン・ウェイ)と出会う。多額の遺産を手にしたソレは夫の死に対してあまりに平然としていたことから、疑いの目を向ける。一方で彼女の毅然とした態度に惹かれていく自分にも気づいていた。一方ソレもまた、何かと理由をつけヘジュンに連絡を取り、頼るような仕草を見せていた。
韓国映画界において作る映画が物議を醸すことの多いパク監督の最新作。ご多分に漏れず本作も相当に挑戦的な作品になった。
日本では韓国と中国は一緒くたにされて語られることが多い。はっきり言ってそれ絶対に言ってはいけないこと。そもそも朝鮮戦争の時に中国が北朝鮮を応援していたという事実を見ただけでそれはよく分かるだろう。
韓国において、中国とはある種仮想敵国であり、その国の人間を描くのはかなりの覚悟が必要となる。その覚悟を超えてロマンス作として作られたという時点で本作は特記される話になるだろう。恋愛ものとしては非常にタイトな物語だが、それにサスペンスを絡め、どんどん離れられなくなり、泥沼に落ちていく主人公二人の姿が見所となる。
物語としては、やや愛情の有無に偏った部分はあるものの、緊張感とどんでん返しありの真相への近づき方が面白く、オシャレながら見応え充分の話になっていた。
ただ強いて言うなら、ちょっと好みからは外れているため、点数はあまり上げてないが、それは私自身の問題だ。 |
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13話 |
これまでのスカードの行動記録を提出するために、意見の擦り合わせを行うアンリとヤスノブとエミの三人。行動記録を振り返り、これまでの戦いを振り返る。一方ゲント隊長はテルアキからブレーザーについてどう考えているのかを問われる。
これまでの戦いの振り返りの話。通常なら特番になるのだが、話がちゃんと進行しているために正式な13話になってる。怪獣は出てこないし回想以外ではブレーザーも全く登場しないが、これからの展開に向かう重要な設定が語られている。これはこれで大変面白い話だった。
ヤスノブによると、ガラモンは別として、バザンガとゲバルガは全く同じ軌道で地球にやってきたことから、同じ所からやってきたのではないかと推測していたが、これは防衛機密に関わるものらしい。
雑談で自分たちの子どもの頃とか話をしてたら、頭良すぎて犯罪者になってしまったのをスカウトされたとか言ってたエミが特殊すぎた。しかしそれも喋って良いところだけだろう。なんせ1話での冷たい目で狙撃してたのは印象に残ってる。
そしてブレーザーについてどう考えているのかというテルアキの問いに対してゲントは「知らないが、知ろうとすることが大切」と答えていた。ちょっとはぐらかしのような?実際ゲントにしてもブレーザーのことを理解出来てないからそう言うしかないのは分かる。
ちなみにブレーザーとは、ブラックホールから放出されるジェットのことらしい。ちゃんと名前に意味があったのか。 |
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子どもたちに映画を! キネコ国際映画祭ができるまで(2023) |
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たひら みつお |
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08 |
読書 |
うちの会社の小さい先輩の話7
ちょっとした拍子で篠崎の先輩の詩織と幼なじみの早川、姉がパジャマパーティを開くこととなった。男子禁制でやきもきする篠崎だが、当の詩織ははっきりと篠崎への好意を自覚し、それをみんなに打ち明けるかどうか迷っていた。
お互い好意を持っているもののなかなか進展しない二人を主軸に、そんな二人をくっつけようとする周囲の人物達。しかしどこかみんなずれているため、何をやっても進展しないまま。もどかしい恋愛模様。 |
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31話 |
突如現れグローディを倒したのは、ジェラミーの母ネフィラだったが、実はそれはダグデド・ドゥジャルダンが送りだしたものだった。2000年の間捕らえ続け、憎しみを蓄えたネフィラを地球を滅ぼすために使うという。あのダイゴーグよりも強いというネフィラを倒すためにはゴッドキングオージャーが必要だが、ジェラミーはどうしても母を倒す事は出来ず、このままでは合体は不可能だった。
敵はネフィラ。ジェラミーの母親で2000年前にバグナラクの混乱を収めようとした結果殺されてしまった。その肉体をダグデド・ドゥジャルダンに回収され、かりそめの命を与えてチキュウ攻略に用いられる。
ジェラミーの母が敵となったことで王様戦隊がみんなバラバラになってしまうと言う話。通常運営だな。ダグデド・ドゥジャルダンの策略にはまってしまったようだが、実は全員チキュウのためという目的は同じなため、逆にダグデド・ドゥジャルダンを騙していたというオチ。ジェラミーが言葉の端々にヒントを出していたのだが、ギラだけそれに気づいておらず一人で悩んでいた。結局ギラの独り相撲というのもいつものパターン。
ただ、これによってバグナラクと人類の共同戦線が深まった。
ラスト。怒ってしまったダグデド・ドゥジャルダンによって王様戦隊の面々は何人かずつ別な世界へと飛ばされる。ギラとヤンマが飛ばされたのは、「獣電戦隊キョウリュウジャー」の世界らしい。
ネフィラの声は井上喜久子。「海賊戦隊ゴーカイジャー」のインサーン以来か。
<カグラギが宇宙に対して叫んでる「ベントラー」は70年代を生きた人なら分かる呪文。
何故かヒメノの口から大塚芳忠の名前が出てきた。もっふんの声優だそうだが、この世界では日本人の名前で通るの?もっふんじゃなくてシグナルマンが出てきたらどうするんだ?
ゴッドキングオージャーとネフィラとの戦いはかなり大きさに差があって、よくこれで戦いの演出できると感心出来る。ただ、小さくても動きやすいネフィラの方が絶対強いと思う。> |
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE |
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宇宙刑事 シャイダー 1/8ソフビキット復刻版 |
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06 |
映画 |
わんぱく王子の大蛇退治(1963) |
オノゴロ島の王子スサノオは両親イザナギとイザナミのもとすくすくと成長した。しかし突然、母イザナミが亡くなってしまう。泣きはらして海辺で眠ってしまったスサノオの夢にイザナミが現れ、今はもう黄泉の国におり、力強く生きるようにとスサノオを励ますのだが、目を覚ましたスサノオはイザナミが生きていると思い込み、黄泉の国へと向かって母を連れてこようとするのだった。舟をしつらえ、様々な国を訪れ、黄泉の国の場所を探すスサノオは、出雲国に至る。
東映動画6作目の作品は、日本神話からモティーフを取り、神話で人気のあるスサノオを主人公にして作り上げた。神話を忠実に作ると性的なものやスサノオの極端に残酷な性格などが出てしまうため、スサノオを子どもにして、ストーリーも相当マイルドにしたが、子ども用の作品としてそれは正解だろう。
これまで東映動画作品は藪下泰司だったが、本作から他の監督も作るようになって、今回は『安寿と厨子王丸』で演出を担当した芹川有吾に任せられることになった。
そしてその結果、相当面白いものができた。おそらくこれまでの演出で芹川は自分のやりたいことを見つけてきたのだろう。そしてその個性を存分に発揮したのが本作と言う事になる。
この作品はこれまでの東映動画のアニメ作品とは一線を画す革新的な演出方法を用いている。これまでにも数多くの試みがなされてきた東映アニメだが、本作は、それまでの複雑さから、シンプルさへと変えた。作画に手は掛かっているのだが、線がシンプルで、まるで漫画の絵を動かしているかのよう。動きに関しても、凝った動きよりも流れるような動きに重きを置いており、アニメならではのシンプルかつ省略に力点を置いた作りになっている。
この理由として、1963年という年代が重要になるだろう。この年、日本初の連続テレビアニメ「鉄腕アトム」が始まった。週で30分アニメを作るというのは無謀な試みに思えたが、様々な省略のテクニックを用いてなんとかそれを軌道に乗せ、しかも受けている。それを受けて東映も「狼少年ケン」を作り、ヒットさせている、まさにその時に作られたのが本作である。
本作は映画だからテレビ用の作品と違って予算はふんだんに使えるが、同時に芹川監督は本作を、これからのテレビシリーズの指標としようとしていたのではなかろうか?
その意味で本作は省略のテクニックの練習的な意味合いを持ち、とてもシンプルな絵柄と動きを作って見せた。本作に関わったスタッフがやがて東映の、そして日本アニメの中心となっていくことを考えていくと、本作が与えた影響はとても大きい。
もう一つの特徴として、本作は実写の映画をトレースしてアニメにしたと言う部分もある。これもリアリティのためと言うより、それによって想像ではなく、元々ある映像をアニメにすることでスタッフの苦労を軽減させようとしていたとも思える。空中戦は『ハワイ・マレー沖海戦』がモティーフになっている。
テレビアニメと劇場アニメをつなぐ重要な意味を持った作品として考えるべきものなのではないだろうか? |
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9話 |
第173宇宙基地に寄稿したエンタープライズ号。そこで機械工学博士でかつてデータの分析を行ったというブルース・マドックス中佐から、データをコピーしたいという申し出を受ける。それにはデータを分解する必要があるとのことで、データ自身の申し出もあり、ピカードはそれを拒否するが、マドックスは先手を打って人事部を介してデータをエンタープライズ号から解任し、自分の部下にする許可を取っていた。このままではデータが失われてしまうが…
データを中心とした話で、連邦の法律によって危うくバラバラにされるところだった。データはアンドロイドとして備品という立場ではあるが、ピカードにとってはかけがえのない士官であり、分解させないよう裁判を行うというものになった。意識を持つロボットに人権があるかどうかは、重要なSF設定の物語になってる。
データ側に立つのは当然ピカードだが、マドックス側に立つのは連邦の規定によってライカーだった。ライカー自身には不本意だが、職務に対する真面目さからデータの不利な証言を次々言わねばならなくなってしまった。
データはスン博士が作り上げた唯一無二のアンドロイドで、現時点では他の誰にも同じものは作れないが、不完全でもコピーが出来れば連邦にとって大きな進歩になるのも確か。その意味ではマドックスの言い分にも理はあるが、そもそもマドックスの能力はスン博士からかなり劣るという問題があった。
ピカードの古い知り合いであるフィリッパ・ルボアという弁護士が登場する。かつてピカードを訴えた経験があり、ピカードにとっては宿敵みたいな存在だったが、本人はピカードを好いている。そんな彼女に弁護のアドバイスを頼まねばならないことで、結構ややこしい感情の行き違いがあった。
かつてルボアがピカードに対して訴えたのは、1st8話で出てきた、過去ピカードが廃棄したスターゲイザー号にまつわるものだった。この話は結構後を引くようだ。
結論としてデータの基本的人権が認められ、本人の意思によって引き続きエンタープライズ号の士官として勤めることになった。データをコピーすることは可能かもしれないが、そうなると新たに奴隷民族を作る事になってしまう。新たな民族を勝手に作り出すことはこれからの大きな問題となりかねない。その怖さから、今回は手打ちとなったということ。 |
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魔法の暗記術! ディズニー映画で身につく そのまま使える英会話フレーズ(2023) |
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05 |
読書 |
オーバーロード16 半森妖精の神人 下
アウルとマーレの教育のためダークエルフの村を訪れたアインズだったが、これと言った成果も上がらず郷を後にする。だがまさにその時、スレイン法国によるエルフの国への侵略が始まっており、その混乱に乗じてエルフの宝を回収しようと考えるアインズ。
正直全く面白くない。もう終わりが近いと著者も言っているのだが、これと言って動きもないし、物語は硬直している。二巻使って、最後の戦いだけが唐突に伏線になっていたが、あまりに残念な出来としか言えない。 |
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5話 |
プロレスジムにケミーがいると言う情報を聞きつけた宝太郎はクラスメイトの蓮華と錆丸と共にプロレスジムへと向かう。そこに現れた地上げ屋をあっという間に撃退したケミーのレスラーG。彼をパートナーにしようと話しかける宝太郎だが…
敵はゴリラマルガム。粗暴な元プロレスラーの剛力にゴリラセンセイのケミーが取り憑いて誕生したマルガム。パワータイプのマルガム。
プロレスジムを舞台に新しいケミーを手に入れるという話で、今回はほぼ通常回と言って良い。毎回新しいライダーの形態が登場している。
錬金術師は一般人に対して術を使ってはいけないという設定が出ていたが、これまでケミーかどうか分からない人間に対して術使ってなかったか?今回もりんねが躊躇しながらも攻撃していた。言ってることとやってることが違ってるようだが?
プロレスジムに地上げ屋という構図はなんか70年代を彷彿とさせる組み合わせ。プロレス技に対抗するためプロレスの特訓をする仮面ライダーも懐かしくて良い。それなりにちゃんとプロレスの特訓やってるところが凄いな。相当痛そう。
プロレスと特撮を合体させた作品としてこれまでも「アステカイザー」とか「ファイヤーレオン」があったが、やっぱり仮面ライダーでやると演出が桁違い。 |
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03 |
映画 |
バービー(2023) |
様々なタイプ、職種のバービーとケンたちが暮らすバービーワールド。そこには何の秘密もなく、みんなが毎日充実して過ごしていた。ところが最も基本的なバービー(ロビー)は自分が不完全な存在である事に突然気づいてしまった。途端に不安に襲われてしまい、バービーランドが楽しくなくなってしまう。そこで別の世界を知る“変てこバービー”に相談したところ、バービーの持ち主の女の子と出会って彼女の問題を解決することで不安は解消され完璧な自分に戻れると言われる。を持ち掛ける。そこで人間の世界へと向かうバービーだが、その車にはバービーに恋するケン(ライアン)も同乗していた。
2023年になって、色々映画を観ている内に、変な予告が流れるようになった。なんとあのバービーを主役とした映画が作られるというのだ。予告観る限りピンクとパステルブルーの画面で、なんかこの彩色はちょっときつそうだし、私は全くそっちは疎く、「こち亀」で蘊蓄話を読んだ程度の知識しかないので、当初はスルー予定だった。
しかし上映近くなったらX(Twitter)に次々と絶賛コメントが上がり、これは観ておかねばと思い直して拝見してきた。
それでこれ、色んな意味で情報の塊みたいな作品だった。
本作は映画好きにとって、これまでの多くの映画で出されていたテーマをいくつも出している。オープニングの『2001年宇宙の旅』(1968)と、劇中に出てくる『ゴッドファーザー』(1972)は分かりやすいが、他にも多くの映画の引用やオマージュがあり、本当に監督って映画好きなのがよく分かる。
そして何より社会的なメッセージを色濃く持っているのが本作の最大特徴となる。
社会的なメッセージというと、概ね映画は二つの方向性に分かれる。簡単に言えば保守的なものを良しとするか、革新的なものを良しとするかというものなのだが、映画の場合は、映画作りは自由であってほしいというメッセージを込めるため、その大部分は革新的なものになる。だが完全に理想的な世界の中に住んでいる場合どうなるのか。そこに踏み込んでみた結果、革新でも保守でもない。しかしメッセージ性の強い作品が出来上がった。
かつてディズニーが『ズートピア』(2016)で一歩踏み出してみせたが、本作もそれに近いものがある。
最初の舞台バービーランドというのは、今まさに子ども達が遊んでいるバービー達が住むところ。世界中にバービーの保有者がいるのだから、その数だけバービーも存在する。そしてここは完全なる平等の世界である。男女の区別はなく、むしろ圧倒的多数を占める女性の方が国を担う立場で、男性型のケンたちは彼女たちをサポートというより、何もしない添え物としてだけ存在している。彼女ら彼らは、誰に見られても構わないプライベートもないし恥ずかしさもない。ある意味ではこれは究極の平等世界で、理想的な世界でもある。
しかしこの理想というのは歪んでもいる。バービー達は飲み食いが必要無く、政治や労働も真似事に過ぎない。ただ存在し、毎日生産的なことを一切せずに暮らしていく。そこには生活というものが全く存在せず、理想的なのは表面だけの仮想世界に過ぎない。
しかしその世界を脅かす事件が起きた時、バービーはこのままではいけないと気づく。既に彼女には漠然とした不安があったのだが、それが表面化した時、むしろ彼女は喜んで世界の謎を解明に出かける。
この時点で本作はSFによくあるディストピアものの定式に則った作品であることが分かる。理想的な社会だと思い込もうとしていた人物が、社会のほころびを目撃することで世界を変えていくというもの。これはテーマとしては普遍的なもので、数多くの作品が作られている(ほとんど全ては主人公が世界の枠組みからはみ出て、外から世界を変えるヒーローものに仕上げられているが、その最初の作品であるジョージ・オーウェルの『1984』(1984)は全く逆を描いているのが皮肉でもある)。それこそこの時点で『ズートピア』的な方向へと向かうのが定式となる。
しかしそれは上手くいかない。それどころかバービーは、現実世界がバービーを古くさいものとして捉えているという事実を突きつけられるだけ。彼女が思う理想世界は既に古いものになってしまっていたのだ。
この時点で、話はどうなっていくのか混沌としていく。
バービーは昔の理想的な世界を作りたいと願う。しかしそれはあくまで虚構の世界に過ぎないことも分かってしまった。分かった以上、同じ世界に戻すことは出来ない。では現実世界はどうかと言うと、バービーの玩具メーカーであるマテルははっきりした男性優位社会で、理想どころか完全に差別的な世界である。更に人間社会で断片的に情報を得たケンは、現実とは全く違うが、虚構の世界の中に、男は勝手に生きていて良く、女はそれを受け入れる社会というものを作り上げる。ここで複数の価値観がぶつかるカオス状態へと変わる。
通常こう言う場合、シンプルさが求められる。つまり倫理的な正しさこそが正義で、その倫理に従う人間こそがリーダーとなる。
そうなれば単純であり、分かりやすくなる。
しかし本作はそれを採らない。バービー自身が悩みの中にいて、何が正しいのか価値観が揺らいでいるからである。バービーの価値観こそがカオス化した物語をまとめるはずなのに、バービーが価値観を決めあぐねるという状況に陥っている。
正しさが分からない状況で、バービーが一体何を選択するのかが本作の重要さとなる。
この部分が重要なのだが、実はバービーは具体的な結論を出していない。彼女の決断は、これから自ら色んなことを体験することで、自らの道を探すというものだった。
しかしこの点こそが本作で重要な部分だ。人間は成長していくし、常に変わり続ける。その変化を良しとしたことで、本作は女の子の成長の途中を描いたものとなる。
まさしくこれは弁証法そのものを映画にしたものとなった。
これを中途半端と見る人もいるだろうけど、監督の狙いはまさにその成長過程だったと見るなら、本作は大変面白いものとなる。 |
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12話 |
ゲバルガに対して全く友好的な攻撃を行う事が出来なかったスカードは防衛隊から叱責を受ける。スカード隊長として責任を感じるゲントだが、ゲントにはブレーザーに裏切られるかも知れないという思いもあった。
敵は宇宙電磁怪獣ゲバルガ。ネットワークを麻痺させ、日本全土のインフラを破壊しようとする。
ブレーザーとゲントの間のぶつかり合いが続き、ゲントはついにブレーザーへの変身を諦める。
今回ブレーザーの新装備として防衛隊が開発したチルソナイトランスを変形させたチルソナイトソードを装着した。これだけでなくアースガロンにメガショットが装備された。ガラモンとの戦いおよびドルゴとの戦いを経て新装備という事で、ちゃんとこれまでの話がつながっている。
ゲントは一度ブレーザーを突き放したが、心の中でそのメッセージを受け取ることで、ついにブレーザーの思いの一端に触れた。弱き生き物を守ろうとするその心を理解したことで、ようやくお互いを理解出来た。ここではっきりと個体名として「ブレーザー」と呼びかけている。
ゲントがブレーザーと一体化したのは三年前。岐阜での作戦で逃げ遅れた人を助けようとして、勘違いしてそこにいたブレーザーに手を差し伸べたことからだった。やっと今思い出した。
新しい武器を得たブレーザーだが、洗練どころかますます野獣っぽくなっている。剣片手に飛び回る姿は猿のようだ。一度ロッカーに入れたブレーザーストーンについても、通常の作品だったらテレポートして手元に来るはずだが、物理的に壁破壊してやってきた。この辺の描写が見事だ。
一方、防衛隊のハルノは、今の状況をあらかじめ知っていたような言動を取っている。
<アースガロンがでっかい銃持って狙撃ポーズ取ってるが、これって「新世紀エヴァンゲリオン」だよね?
本当に今更だが、アースガロンの口に荷電粒子砲入れたら頭の電算機器一発でイカれるんじゃないか?
チルソナイトソードはソードと言うが、見た目はブレードだ。> |
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輝艦大全 1/2000 宇宙戦艦ヤマト2202 宇宙戦艦ヤマト |
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01 |
読書 |
BEASTARS4
隕石祭が近づき、それぞれ準備に余念のないチューリントン学園の演劇部の面々。そんな中で同じハイイロオオカミの女性ジュノから猛烈な恋愛感情を向けられて戸惑うレゴシは、自分の恋愛感情はやはりハルに向いていることを再認識する。
もつれ合う恋愛感情が主軸だが、ルイが何故そこまで頑なに強者であろうとしているのかの一端も明らかにされた。ルイは元は裏世界の食肉用として育てられた鹿だったが、養父に引き取られることで、強烈なコンプレックスと共に、強くあり続けねばならない意識を持っていた。一方、全て恵まれたものを持っているハイイロオオカミのジュノは、逆に自分を特別なものにするために積極的に人に頭を下げる。このジュノが意外に面白い存在になってる。 |
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30話 |
イシャバーナが時ならぬ吹雪に襲われ街一帯が凍ってしまった。たまたまイシャバーナに滞在中のリタの前に現れたのはゴッカンの前国王兼裁判長のカーラスだった。リタの目の前で倒れてしまったカーラスは数日前に死んだと診断される。一方地下のバグナラクでは一人の男が捕らえられ、ジェラミーの前に引き出されていた。それは17年前の大災害「神の怒り」の犯人にして、宇蟲五道化の一人静謐のグローディだった。
敵はグローディ。宇蟲五道化の一人で、実は17年前にゴッカンに大災害を起こした張本人。ゴッカンの前国王カーラスによって封印されていたが復活した。死者を操る能力を持つ。
宇蟲五道化の最後の一人が登場。17年前「神の怒り」と呼ばれた大災害を引き起こした張本人であり、ゴッカンの前国王カーラスによってチキュウに封印されていたのだという。カメジムによって復活させられたらしい。これで宇蟲五道化が揃った(宇蟲五道化って、ダグデド・ドゥジャルダンは入ってないのか)。
グローディは前回中途半端に終わった「神の怒り」の続きを始めたが、それを防ぐためにリタは命を賭けようとした。実はリタは両目の色が違う理由は、右目はあらゆるものを氷の中に封印することが出来る力を持つというもので、前国王カーラスから引き継いだ力だった。ただしそれを発動させたら自分も封印されてしまう。前王カーラスはその力を用いて「神の怒り」の犯人を封印したという。
ゴッカンの前国王カーラスの名前は16話で出ていたが、復活した瞬間に死んでしまうと言う悲しい役割だった。
そしてグローディによってチキュウを滅ぼす「神の怒り」の発動直前、突然ジェラミーの母であるネフィラが乱入し、グローディを叩き伏せた。展開の先が見えない。
グローディ役は天野浩成だった。この名前だけで笑ってしまうのは仮面ライダーファン。
<前回ゲロウジームと共に去って行ったジェラミーだが、逃亡していたわけではなく、バグナラクの国に普通にいた。
仲間の一人が他でもないチキュウで封印されていたのにこれまで放置していたカメジム。良い性格してるわ。> |
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