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2021'03

 
31
映画
クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(2019)
 ある日みさえが見つけた家族参加OKの激安オーストラリア新婚旅行ツアーに参加することになった野原一家。ところがオーストラリアに到着した途端にひろしが謎の仮面族にさらわれてしまう。そしてそんなひろしを奪おうとするトレジャーハンターまで現れ、何が何だか分からないまま、みさえとしんのすけとひまわりはひろしを追って仮面族の住むオーストラリア奥地へと向かう。

 長く続いている「クレヨンしんちゃん」の映画では何作も海外に行く作品は出ているが、多くは誰かが拉致監禁されてどこか分からない国に行くパターンがほとんど。実際にリアルな旅行だと、『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』(2006)のメキシコ以来と言う事になるだろうか。今回の旅は観光名所を回るため、紀行作品として観られるのが特徴となる。
 この話は野原一家の冒険話だが、肝心の父ひろしがさらわれてしまうため、他の三人が頑張ってひろしを救う事になる。それで今回の話に限って、シリーズの中で最も常識人で頼りになるはずのひろしが全く活躍出来ないのみならず、逆に他の野原一家を邪魔するような行動を取る。無軌道なしんのすけの行動や手間のかかるひまわりに手を焼くみさえばかりが苦労するだけの話になってしまって、観ていて殊の外ストレスが溜まる。なんだかんだ言ってもやっぱりひろしが活躍する話の方が作品としては安定することを再確認したし、そのバランスの屑仕方を失敗したと思うばかり。
 物語そのものは、何かのトラブルが起きて、それを解決することで次のステージに行くという安定した普通の話。ひろしがいない分しんのすけも頼りにされるからか、暴走も少なくて、とても普通の話になってしまった。

 だから概ね本作は「実に普通」と言うべきかな?このシリーズで「普通」は全く褒め言葉にならないけど。

MM9-MONSTER MAGNITUDE-

1話  怪獣が出没する日本。ここで怪獣災害の警告および予防を行う気特対(気象庁特異生物対策部)に勤める朏万里に新人の女性隊員藤澤さくらが付くこととなった。その着任前日に海から怪獣が上陸したという連絡が入り、出動する気特対。
 フルドネラ登場。コードネームはM7号。海から上陸してしばらくとどまったが、そこで卵を産んで帰って行った。卵は確認できたが本体の姿は全く出てこない。
 怪獣という存在を前にした、人間ドラマを描く話で、第1話となる本話は気特対の女性職員である朏の日常をベースに、気特対のあり方を描く。どことなく「機動警察パトレイバー」の特車二課を思わせる描写はやはり脚本の伊藤和典のお陰だろう。待機任務状態での雑談なども良い具合。
 気特対は相当特殊な部署なので、その存在をどう明かすかとか、結構微妙な立場であることがしっかり描かれるのが面白い。怪獣の発見者が不倫の真っ最中だから通報をわざと遅らせたとかもリアリティある。
 今回の中心となる尾野真千子を含め、ブレイク前とは言え、高橋一生や重松清とかが普通に出ているのが今からするととても豪華だ。ちなみに本作の主人公である藤澤さくらは最後にちょっとだけ登場したのみ。
<待機任務での雑談は80年代のポップミュージックについて。ストライク世代には懐かしい話題だ。>
DVD
<A> <楽>
ルクス・エテルナ 永遠の光
<A> <楽>
フィギュアライズスタンダード 仮面ライダー龍騎 色分け済みプラモデル
29
読書
パタリロ!10
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 パタリロと周囲の人々が織りなすドタバタ喜劇の短編集。プラズマXとアフロ18の恋模様を描く「プラズマの恋」、パタリロの血液を必要とする大金持ちのためにバンコランが奮闘する「走れパタリロ」、なんとマライヒに子どもが出来てしまうと言う「マライヒの赤ちゃん」、フランス革命見物に行く「忠誠の木」、宇宙飛行士になりたい少年がパタリロに騙されてしまう「FLY ME TO THE MOON」。

 今巻も短編のみだが、なかなか充実した内容だった。無軌道なギャグ要素満載ながら、しんみりさせる終わり方が多い。マライヒの妊娠というイベントもあったが、今巻ではおなかの中から消えてしまっていた。
<A> <楽>

仮面ライダーセイバー

28話  飛羽真はプリミティブドラゴンの力の制御に成功し、メギドの一人レジエルを倒した。この世界を救うにはメギドを倒すだけでなくソードオブロゴスの中にいる真の敵を見つけて倒す必要性があると改めて決意を新たにする。一方、全ての聖剣を封印することこそ世界を救う道だと信じる賢人は、ソードオブロゴスの仮面ライダーの剣を一つ一つ封印していく。

 敵は仮面ライダーカリバージャオウドラゴン
 結構話はややこしくなっている。全知全能の書を手に入れようとするマスターロゴス率いるサウザンベース、世界を滅ぼして自分たちの世界を作ろうとするストリウス率いるメギド、仮面ライダーカリバー、そしてどこにも属さない単独で世界を救おうとする飛羽真たち。徐々に飛羽真の陣営が大きくなっている。
 マスターロゴスは飛羽真を邪魔者と見なしているし、世界を滅ぼそうとするストリウスの両陣営は未だ全貌を見せていない。
 話は複雑化しているが、飛羽真がやることは、飛んできた火の粉を払うことと、賢人を止めることの二つに単純化されている。
<芽衣が大きな仕事を任されたと言って、何かと思ったら、飛羽真に小説を書かせることだった。いつもの事じゃん。>
VOL.4
<A> <楽>
燃えよデブゴン TOKYO MISSION(2020)
<A> <楽>
VOL.11
<A> <楽>
27
映画
アーヤと魔女(2020)
 かつて孤児院の前に捨てられ、そこの孤児院で大きくなったアーヤ(平澤宏々路)は、いつしか孤児院の中でリーダー格となっていった。孤児院を出る気は全く無かったのだが、10歳の誕生日を迎えた時、マンドレーク(豊川悦司)とベラ・ヤーガ(寺島しのぶ)という二人組の男女がやってきてアーヤを家に引き取ってしまう。女性の方は自分を魔法使いと名乗り、アーヤを助手として雇ったという。いつか魔法を教えてくれるという言葉を信じて雑用をこなしていくアーヤは、言葉を喋る猫のトーマスと知り合い、トーマスから魔法の手ほどきを受けていく。

 『風立ちぬ』(2013)の時の宮崎駿監督の引退発言からしばらく経って、スタジオジブリは活動休止となっていたが、そろそろ活動再開の気運が高まったのか、宮崎吾朗監督の肩慣らしを兼ねてテレビムービーとして作られたのが本作。
 原作は『ハウルの動く城』(2004)と同じダイアナ・ウィン・ジョーンズで、これも魔法使いについて描いた作品となっている。
 原作は未読ながら、設定自体は結構面白い。近代、恐らく1970年代~80年代の辺りのヨーロッパを舞台に、もし魔法が普通に使われている世界だったら?というイフの世界線の物語になっている。
 実際の人々の営みの中に異物を持ち込み、それが当たり前になってる世界の設定とは、私好みの設定だから。魔法というのが普通に用いられている世界観は面白い。
 ただ、好みの設定ではあるものの、その料理の仕方が問題である。早い話が本作はその設定を生かすのに失敗してる。
 主人公は魔法使いの弟子で魔法を使えるようになりたいと願って頑張ってるのだが、同時に母のこととか、童話作家のマンドレークの手伝いをしたりと、内容は盛りだくさん。これを一時間半でやったために相当に駆け足の内容になっていたし、エピソードがどれも深まらずに終わる。結果、全てが薄味。終わってみるとアーヤのエキセントリックな性格以外の印象がない。繰り返し言うが、それ以外これっぽっちも全くない。
 この作品で重要なのは、アーヤではない。アーヤは基本的に元気いっぱいで、ちょっとずるい女の子という立場を崩さなくて良い。ただ、それは印象に残すようなものにはしない方が良い。むしろ彼女に引っかき回されることによって、周りの大人達が変わっていく過程が重要なのだ。この家に住むマンドレイクとベラ・ヤーガはかつてアーヤの母と共に、ある種“イケてる”ロッカーであり、魔法使いであった。そんな二人が何故こんなところでくすぶっているのか。明らかに当時と違ってる性格は何が原因なのかを解きほぐし、更にアーヤによってかつての情熱を取り戻すという過程が重要なはずだった
 多分監督の狙いはそれだったのだとは思う。だが、決定的に時間が足りない。
 このやり方だったらテレビシリーズでやるべきだった。二人の性格が少しずつ変わっていくことを丁寧に時間をかけてやってれば見られるものになっただろう。少なくとも監督は前にテレビシリーズの「山賊の娘ローニャ」もやってるので手慣れていると思うし、薄味の物語も重ねていけば深みも出てくるはずだ。
 それを映画として詰め込むのであれば、全く違ったアプローチで行わねばならない。それを押し通したのが問題だった。

 あと3Dアニメも今ひとつ練られてない感じも。普通に観る分にはこれでも良いんだけど、ジブリ製のアニメと言うんだったら、それなりのものを見せてもらいたかった。実に普通。

バットマン(3rd)

4話  ゴッタム・シティ競馬場でブルース・ウェイン杯が行われようとしていた。出走馬を擁するローザ・ラザーニャから、秘蔵の傘を強奪したペンギン

 ペンギンの二回目の登場。ケチな傘泥棒をしていたかと思ったら、実は盗んだ相手とグルで競馬で大金をせしめようとしていたという話。全般を通してペンギンの目的は名誉か金なので和銅期は分かり易い。
 今回の舞台はニカワ工場で、ペンギンはそのニカワをバットマンカーのシートにたっぷり塗りつけ、バットマンとロビンの動きを封じた。
 そこで今回もバットガールの出動となり、颯爽と二人を手助けするのかと思われたが、何故かバーバラは動き出すことなく、バットマンとロビンは時間をかけてなんとか罠から脱出。ちなみにバーバラに事件のことを告げたのはアルフレッドで、アルフレッドはバットガールの正体を知っていたようでもある。バットガール自身はアルフレッドをウェイン家の執事としか思ってないようだが。
<バットマンとロビンがいないとバットマンカーは完全に無防備。これは致命的な問題では?>
泣きたい私は猫をかぶる
<A> <楽>
流れゆくままに <A> <楽>
渡哲也
25
読書
蠢く密林
デヴィッド・ドレイク (検索) <amazon> <楽天>
 ベルギー王国によってアフリカ奥地のゴム園では現地の人々が搾取に遭っていた。彼らは復讐を誓い、ついに禁断とされている儀式を用いて邪神を呼ぼうとしていた。その儀式に巻き込まれてしまったベルギー人の家族。

 パターンとしては古典的ゴシックホラーだが、予兆ではなく本当に邪神が現れるところが現代的かな?人権意識を喚起させる内容になってるのも今風。
<A> <楽>

機界戦隊ゼンカイジャー

3話  新しいメンバー探しに出かけたゼンカイジャーの三人。だがコオリワルドによって街は凍り付いてしまった。滑る世界で戦わなければならなくなったが、滑ってお互い衝突してしまう。その中でジュランは幼なじみのマジーヌと衝突する。

 敵はコオリワルド。何でも凍らしてしまうワルドで、地面を凍らせることで敵を滑らせて攻撃を掛けられないようにする。人工的な氷河期を作ろうとしてる。
 四人目の仲間であるマジーヌがゼンカイジャーに入隊する話。占いマニアだが何を占っても上手くいかないことですっかりネガティブな性格になってしまった。介人によって、占いは決断するためのものだと言われて覚悟が決まる。29番目の戦隊「魔法戦隊マジレンジャー」の力でゼンカイマジーヌとなる。占いではなく魔法を駆使して戦う。
 巨大戦ではゼンカイマジーヌも巨大化し、一時的だがゼンカイジュランと合体してる。
 今回使った能力は「烈車戦隊トッキュウジャー」の力。連結攻撃を発動した。
<地面が凍って滑るけど、足下が普通のコンクリートでも滑ってた。
 四人になったゼンカイジャーの名乗り口上はEXILEローリングやりながら。これってトッキュウジャーのものでは?>
ホモ・サピエンスの涙
<A> <楽>
KCIA 南山の部長たち(2020)
<A> <楽>
23
映画
フリクリ オルタナ(2018)
 片田舎の高校で少しモヤモヤしながらも充実した高校生活を送っている四人の女子高生カナとペッツ、ヒジリー、モッさん。そんなある日、カナはピンク色の髪をしてベスパに乗ってきた女性と出会う。ハル子と名乗るその女性はなにかとカナにちょっかいを出してきて、そんなハル子に振り回されている内に、何故かカナの頭に角のようなものが生えてきた。

 いくつもの傑作アニメを作ってきた旧ガイナックスの、やはり傑作の一本と言われるOVAシリーズ「フリクリ」の続編。ただし、制作会社はプロダクションI.G.に代わっている。
 「フリクリ」はその実験的な作風は好き嫌いがはっきり分かれる出来だったが、実験的だったからこそ私もこの作品は好きである。
 「実験的」というのは即ち監督の感性に負うところが多いという事。この作品は脚本榎戸洋司、監督鶴巻和哉という二人コンビこそ傑作になったとも言える。
 逆に言えば、この二人の手から離れた時点でこの作品は形しか残らないということだ。いくら形を整えても、やっぱり違う。
 「フリクリ」のとんがっていた部分はアニメーション描写の限界を超えようとしたところにあるだろう。元々オタク集団だったガイナックスは、その設立から実験的な作風で知られている。その実験性を極端に推し進めたのが「フリクリ」という作品だった。あたかも画面の枠を越えようとするかのようなパワーがあった。それが良くも悪くも大きな個性であり、その尖り方こそ「フリクリ」だったと言える。
 対して本作の出来はどうだっただろうか?
 オリジナル版と較べると、ここでの地球は世界そのものが日常生活の中に巨大オブジェクトが置かれているようなシュールな光景になっており、更に地球の滅亡が迫っているという切実度があって、オリジナル版と較べるとストーリー性は高い。ハル子の活躍もグルグル動くし、見所はある。
 実際一本の作品として観る限り決して悪い訳ではない。
 ただ、これが「フリクリ」の名前を冠しているのが問題なのだ。なまじ実験アニメ「フリクリ」の真似をしてる分、劣化コピーに見えてしまうし、整った作りが嫌味にも見えてしまう。
 結果として外側だけそれっぽい全く違った「フリクリ」が出来てしまったという訳だ。

 今にして思うと、やるべきではなかった作品だったのだろう。

ウルトラマンG

13話   コダラーとの戦いに敗北したグレートはジャックの中で休息を取らねばならなくなった。しかしコダラーだけでなく、宇宙から新しい怪獣シラリーが飛来しようとしていた。

 敵は伝説深海怪獣コダラー伝説宇宙怪獣シラリー
 最終回。怪獣との戦いに負けてエネルギーを使い果たしたグレートが地球上で変身出来るのはあと一回だけ。その最後の戦いをどう使うかが問題となった。
 一方防衛軍も黙っていた訳ではなく、ミサイルで攻撃しようとしてはいるが、UMAのアーサーはそれも無駄だと悲観的。実際核ミサイルのエネルギーを全部吸収してしまう。最終的には古代からのディスクに従うことで怪獣にダメージを負わせ、そこでグレートが登場するというパターン。この作品ではちゃんと人類も役に立っている。
 最終的に最後の戦いが終わった後、核で汚染されているシラリーを宇宙に連れて行くためジャックとは分離し、グレートは宇宙の彼方へと帰って行った。
 怪獣の飛来を神のお告げと考える人物が登場するあたり、海外の作品っぽさはあるな。
 結局ゴーデスが再戦を求める事もなく、唐突に終わった感じだ。もうちょっと一貫した物語性が欲しかったところ。
<海に漂っていたジャックを住民が見つけるが、病院にも連れて行かず、ただUMAに通報だけして逃げていたようだ。後でなんかの宗教団体の中にいたみたいだけど。
 最後のグレートとの別れはあっけないものだった。グレートの方もジャックに何も言わずに去って行く。>
Blu-ray
<A> <楽>
ソウルフル・ワールド
<A> <楽>
VOL.10
<A> <楽>
22
読書
サスケ3
 度重なる鬼姫の襲撃によって生まれ故郷の山を捨てて旅を始める大猿とサスケ。大猿の昔からの仲間である石猿の家に寄って旧交を温めつつ、幻術使いと戦ったり、さらわれてしまったサスケが子ども達に忍術を教えることになったり。

 あれだけしつこかった鬼姫の話があっさり終わり、それからは旅の話。こども向けに描かれただけあって残酷な現実で生きていく農民達のために戦ったりと、どっちかというとヒーローものっぽさもある。
<A> <楽>

仮面ライダーセイバー

27話  全ての未来を見渡した上で聖剣を封印するしかないと言う賢人の言葉にショックを覚える飛羽真。新たな未来に踏み出すためにはまず自分に出来ること、プリミティブドラゴンの力を抑えることから始めようとする。変身中に出会ったプリミティブドラゴンの意思である少年と話し合おうとする飛羽真。

 敵はレジエル・フォビドゥン。セイバーに対して怒りに燃えるレジエルが更にパワーアップした姿。
 暴走する力に対して言葉で説得をする話だが、いつも通りひたすらウジウジするだけの話だった。この作品って主人公を悩ませれば良いとだけ考えてるんじゃないか?しかも特訓半ばで戦いに出た挙げ句暴走起こすし、主人公の考えがいい加減すぎるので困ってしまう。そもそも悩みだってポーズにしか見えないのが問題だ。
 プリミティブドラゴンへの説得が出来て、新しい力に覚醒。エレメンタルプリミティブドラゴンへと進化した。
 そして太古の剣士であったレジエルにも説得を試みるが、それは聞き届けられず、レジエルを倒すしかなかった。
 そして飛羽真は幻影の中で初めてタッセルと出会った。
<レジエル・フォビドゥンの姿はほぼ牙狼だった。
 ドラゴンを説得する飛羽真の言葉のいい加減さは名人芸だな。こんな口ばかりの言葉で良く説得出来たもんだ。ヒーローより詐欺師になった方が良い。>
VOL.4
<A> <楽>
夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者
<A> <楽>
平成ウルトラマン メカクロニクル <A> <楽>
20
映画
ナタ転生(2020)
 水不足にあえぐ地方都市の東海市で犯罪まがいの運び屋で日銭を稼ぎながら、大好きなバイクレースに明け暮れる青年・李雲祥(リ・ウンショウ)は、ある日東海市を牛耳る権力者徳会長の息子三公子に目を付けられてしまう。幼なじみや家族を襲われ、更に不思議な力を操る三公子によって命が危うくされる。命の危機の瞬間、李は、自分が3000年前に生まれた英雄哪吒太子(ナタ)であることを思い出す。謎の男に助けられた李は、彼から徳会長こそがかつてナタと戦い続けた宿敵である東海龍王であることを伝えられる。因縁の決着を付けるべく、ナタの力を引き出す訓練を受ける李。

 今や映画における中国市場はハリウッドに張り合うほどの興行成績を誇るようになってきており、様々なジャンルでの映画を量産し始めている。
 その中にはアニメーションも入っており、こちらの方がまず日本にも入り始めている。実際先日『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』(2019)を観たとき、そのクォリティに驚かされたものだ。『羅小黒戦記』の方はCGを使った2D作品だったが、本作は同じアニメーションでも3Dの方。だいぶ雰囲気が違うが、これも画面のクォリティは大変高く、CGアニメーションの進化は凄まじいものがある事を思わされる。
 本作をわざわざ劇場に観に行ったのは、コロナによる自粛ムードで観たい映画がなかなか劇場にかからないというのが最大の理由だったりするが、他にも本作には結構思い入れがあるからでもある。
 本作の主人公はナタの転生体というが、ナタというのは中国では大変人気の高い半神で、英雄として数多くの作品に登場してる。初出は「封神演義」かと思われるのだが、この本は文庫版が出たときには真っ先に買って、ノートにメモを取りながら高速で読みふけったものだ。そこでのナタ(ここではナタク)の存在感は大変面白く、登場人物の中では最も印象深い存在として覚えている(日本の漫画でも「封神演義」はあるが、そこでのナタは感情のないロボットのような存在。これはこれで印象深い)
 だが実はナタは「封神演義」を読む以前にも何度か作品の中で見かけている。
 例えばそれは「西遊記」でも登場してる。天界では孫悟空と戦ったが、後半はお使い役でしかなかった後になってその関係性に気づいて驚いたものだ。
 そしてもう一つ。私にとっては重要な作品がある。随分昔になるがNHKで中国製のアニメーションと言うことで放映された作品があったのだ。タイトル自体も覚えてなかったのだが、つい最近、友人とSNS越しで話をしていて、竜と戦う子どもの話の話題が出て、その中でその映画が『ナージャと竜王』(1979)というタイトルの作品であると教えてもらった。主人公はナージャとなっていたが、今なら分かる。これはナタのことだ(ナタはは言語読みするとNrzhaで、「ヌァーザ」となる)。「女神転生」というゲームでも登場してる。
 更にナタは『羅小黒戦記』にも(たいして活躍しないけど)登場してる。自分の中でナタブームが起きているその時にこのタイトルを見たもんだから、絶対に観ようと自分の中で盛り上がった結果だ。これまでの読書歴がピタッと収まってくれたお陰だ。

 ポスターに描かれていたのは主人公が巨大な竜に立ち向かう姿。これは『ナージャと竜王』と何か関わりがあるのではないかと期待していた。それも観る気になった一つの理由。

 それで観てみたところ、物語そのものは極めてシンプルに仕上がってた。主人公は運動神経が良いだけの普通の青年だったが、それが自分の宿命を知り、その力の使い方をメンターによって教えられて本物の英雄になる。龍王との戦いも、強大な力を持つ東海龍王の力に圧倒され、危機の連続の中で真の力を覚醒して勝利する。単純だが90分のアニメだとこれくらいが最もバランスが良い話となる。
 それでも本作にはいくつかのトピックがある。一つには前述した『ナージャと竜王』との関わりがちゃんとあるということ。東海龍王およびその子三公子はそこでも登場するし、画面の何カ所かでモロにそのいくつかのシーンが出ていた。なるほどこれは続編という位置づけなんだな。オールドアニメファンには楽しい瞬間だ。
 それと、本作のラストで明らかになるのは、ナタの物語はまだ終わってないということ。前世のナタが持っていたアイテム宝貝の内、一つは手に入れたが、他のものもあることが分かっており、それを取らねばならないということが暗示される。これによって続編が確定している。ただし単なる続編にはならないようなのだ。ラストにナタに対して何か含みを持って接触する男が存在する。更にナタの先生となる猿男は、これから数多くの英雄の転生体が現れることを匂わせていたし、東海龍王は封神演義のやり直しを宣言している。
 「封神演義」は周の時代の話。今から3000年ほど前の話である。それを現代で再びやり直すという事は、それ以降の物語の主人公達が登場するように見える。
 それ以降の話となったら、中国の多くの多くの作品が入る。それこそ「西遊記」「三国志」「水滸伝」など。それらに登場する人物達が転生体となって戦うとなったら、なんか凄くワクワクするものを感じてしまう。
 まさにそれは中国版の「アベンジャーズ」になるのではなかろうか?
 本作はその始まりの話と考えるならば、とてつもなく巨大なシリーズの幕開けなのかもしれない。もしそうなら、追いかける価値がありそうだ。
 なんかワクワクしてきたぞ。

バットマン(3rd)

3話  警視総監室に突然現れたセイレーンは超音波を発しゴードン長官を洗脳してしまう。セイレーンの言うとおりバットマンを自宅に呼び寄せるゴードンに、罠が張られているとも知らずにバットマンとロビンがやってきた。だがその時バットマンカーにはゴードン総監が乗り込んでいた。

 前回ナゾラーの部下として登場したセイレーンが今度は単独の敵として現れる。これまでに無かったパターンで、しかも彼女の狙いはバットマンを倒す事ではなく基地を探って財産を手に入れること。そこまで割り切ってるためにかえってバットマンは危機に陥ってしまう。ゴードン長官と、電話でセイレーンの声を聴いたブルースまでもが洗脳されてしまう。
 セイレーンに洗脳されたゴードン総監はバット洞窟を探り当ててしまい、それによってゴードンにバットマンの正体がばれてしまうのだが、洗脳が解けた時にその間の記憶も失ってしまった。、
 そこで今回も重要となるのがバットガール。セイレーンの能力を嗅ぎつけてそのアジトまで探り、更に洗脳を受けたブルースを助ける活躍を見せる。今回はロビンがバットガールの助手役になってるのが面白い。
<バットコンピューターでゴードン総監を探すが失敗してしまう。なんでも犯罪者を捜す以外には使えないのだそうだ。融通が利かない。でも実はもうバット洞窟に入り込んでる洗脳を受けたんだけど。
 ゴードンは完全にブルースがバットマンだと気付いてなかったようだ。普通知っていて知らないふりをするのが礼儀だが。
 セイレーンの声を聴いて本当に洗脳されてしまうブルース。バットガールを際立たせるためとは言え、今回のバットマンはどうにも後手後手に回ってしまう。実際今回は一切バットマンのアクションシーンなし。>
鬼滅の刃 無限列車編(2020)
<A> <楽>
エクスプラス GARAGE TOY ギガンティックシリーズ バルタン星人
19
読書
アルソフォーカスの書
H・P・ラヴクラフト (検索) <amazon> <楽天>
マーティン・S・ワーネス (検索) <amazon> <楽天>
 オカルト好きな“わたし”が怪しげな古書店で手に入れた題目も分からぬ古書を読み解き、そこに書かれていた術式を行ってみたところ、精神が異星に飛ばされてしまう。導かれるようにそこの宮殿へと入った“わたし”がそこで見たものは…

 ナイアルラトホテップが地球に来た理由を描く話。ラヴクラフトの名前が冠されているが、モロに神話大系の中の物語なので、著者は全く関わりを持たないはず。名前だけか?
<A> <楽>

機界戦隊ゼンカイジャー

2話  キノコワルドの能力で突如町中にキノコが生え始めた。キノコワルドを追い詰めるゼンカイザーとジュランだが、すんでの所で逃げられてしまった。まだ仲間が必要だと前科ジャーの募集を始めたが、そんな二人に声を掛けるキカイノイドがいた。

 敵はキノコワルド。キノコピアのギアを使って作られたワルド怪人。あらゆるところにキノコを生えさせる能力を持つ。そのキノコは毒の胞子をまく。
 三人目の仲間であるガオーンが仲間入り。生き物が大好きで、生き物と友だちとなろうとしてる一種のマニア。生き物を守るために戦う事を決意する。25番目の戦隊「百獣戦隊ガオレンジャー」の力でゼンカイガオーンとなる。
 ただ、その姿勢がいい加減だと思ったジュランとは喧嘩してばかり。言い喧嘩友だちになるようだ。
 巨大戦が始まった。ジュランティラノとガオーンライオンが合体して巨大ロボになるんだが、合体が左右合体というのが特徴。合体時に劇中歌が流れたが、なんとささきいさおと堀江美都子のデュエット。泣けるで。
 今回使った能力は「大戦隊ゴーグルファイブ」「忍風戦隊ハリケンジャー」。ゴーグルVの能力は新体操のリボンが使えるようになる。確かに特徴ではあるが。ハリケンジャーでは影の舞を使う。
<ガオーンは動物と観ると見境なしに抱きつこうとするのだが、人間で言うところのケモナーに近いような?
 巨大戦の左右合体はアニメ「勇者王ガオガイガー」に出てくる超竜神っぽい。残り二人の合体は撃龍神かな?>
ソング・トゥ・ソング
<A> <楽>
約束のネバーランド
<A> <楽>
17
映画
ハッピー・デス・デイ 2U(2019)
 9月19日。ルームメイトのカーター(ブルサード)に部屋を追い出されてしまい、車の中で一夜を明かしたライアン(フィー・ヴー)が部屋に入ろうとすると、そこにはカーターと女の子がいちゃついていて怒鳴られてしまう。それから最低な一日が始まった。卒業論文のために作っていた量子反応炉は学長によって没収されてしまって卒業が絶望的になってしまい、更に誰もいないはずの研究室でベイビーフェイスの仮面をかぶった何者かに襲撃され刺されてしまう。死んだと思われたその瞬間、19日の朝にまた戻されてしまっていた。同じように部屋に戻ってカーターと会った際、悪い夢を見たと打ち明ける。その時、カーターの彼女がその言葉を聞きとがめる。彼女こそ、ツリー(ロース)であり、9月18日を何度もループしてやっと新しい朝を迎えたばかりだった。彼女はカーターが自分と同じループに陥ってるかもしれないと言う。

 スマッシュヒットを記録した『ハッピー・デス・デイ』から二年後に作られた本作。前作の完全なる続編として作られた話で、何故一作目でツリーが同じ一日をループする羽目になったのかの解決が描かれる話となっている。
 だから二作を合わせてしっかりした一本の作品に仕上がったとも言える。
 この作品の場合、最初に登場するのはライアンという男。彼は一作目にも登場した男で、ツリーの彼氏となるカーターのルームメイトである。一作目の冒頭で下らん冗談を言って追い出されるだけの役だった男である。そのライアンが一作目のツリーと同じくループに巻き込まれる。それでまた真相究明をするまで延々とループするのか…と思ったら、あっという間に真相は究明され、ライアンはループから除外されてしまう。
 ライアン主役で一作目と同じになるだろうと思ってたこっちとしては、この意外な展開に驚くのだが、今度は又してもツリーが同じようにループに巻き込まれてしまうようになってしまう。
 それで、これからが焼き直しか…と思ったら、又してもおかしな具合に。同じ時間軸の話のはずなのに、一作目とはシチュエーションが全く異なるのだ。ツリーを殺す真犯人も違えば、死んだはずのツリーの母親も生きている。
 その理由は世界線が違っているからと説明される。この辺で頭が混乱してくる。
 一作目は一応ホラーにカテゴライズされた作品なのだが、続編の本作はほとんど怖いシーンはなくなってしまって純粋に科学的な話になっていく。
 ループと世界線の変化は全て一つの装置が原因であることがそこから分かってくる。それこそライアンが卒業のために作っていた量子反応炉だったのだ。一作目から本作に至る全ての元凶はライアンにあったことが分かってしまった。
 そうなると、本作の目的は死を回避するのではなく、量子反応炉を正常に起動させることとになっていく。そのため敢えて自殺も含めて死を繰り返しつつ、ツリーは先の世界で得た知識を用いて量子反応炉を少しずつ改良していくことになる。
 なんともはや。一作目とは全く違ったものになってしまった。

 これは本当に感心出来る。
 一作目がヒットした場合、当然それを繰り返すことで劣化させながらシリーズを継続させるのが普通なのだが、全く違った試みで完結させるという判断に至ったところが凄い。その決断に敬意を表する。

ウルトラマンG

12話  オゾン層修復のための人工衛星がUMA主導で打ち上げられた。だがその打ち上げに呼応するように海底から怪獣が現れ

 敵は伝説深海怪獣コダラー。海底から現れた怪獣で、生物を殺す赤いプランクトンを多量に放出する。そして伝説宇宙怪獣シラリー。今回は地球に向かって飛んできている姿のみ。
 グレート最後の戦いを描く前編。最初に出てきたのは海底からコダラー。アーサーはこれを最大の危機と言っていたが、単に物理的な破壊を行うより、生態系を破壊する存在なので、確かにその通りだ。
 グレートの力を受けたためか、ジャックは宇宙の文字を読めるらしい。つい口に出してしまってUMAのメンバーを面食らわせるが、そのためにアーサーに不信の目を向けられてしまった。
 グレートとコダラーの戦いではグレートが敗北。次元の裂け目に放り込まれたところでもう一体の怪獣が宇宙から地球に向かってきて、そこで後編へ。
<オゾン層修復のために人工衛星を飛ばすのにジャックとジーンは、それは地球の自助作用に任すべきだと主張している。それが効かなくなったからオゾン層が破壊されたのに、何を言ってるんだ?
 人工衛星から見た地球の画像が出ているが、地球からだいぶ離れたところで撮影されたらしい。オゾン層修復だったらかなり地表近くにいないとおかしい。
 グレートとコダラーはエネルギー球をキャッチボールしている。「ウルトラマン」8話のウルトラマンとレッドキングとの戦いみたい。本作ではウルトラマンが負けてしまったが、勝ったか負けたかよく分からない描写だった。>
Blu-ray
<A> <楽>
燃ゆる女の肖像
<A> <楽>
日本映画・映画祭日英用語集: Japanese Films & Festivals: Bilingual Glossary <A> <楽>
15
読書
僕のヒーローアカデミア7
堀越耕平 (検索) <amazon> <楽天>
 “ヒーロー殺し”ステインに対してたった三人で戦わなければならなくなった学生三人。瞬間の判断ミスが死につながる戦いを経て、彼らが得たものは?そして学校では夏休みを前に期末試験が始まった。実践試験として、爆豪と組んでオールマイトと鬼ごっこをしなければならなくなった出久。

 前巻からの続きで“ヒーロー殺し”との緊張感ある戦いが最初に展開。この作品の大きな特徴として、瞬間の判断で展開がガラッと変わってしまうので、いかに最適解を見つけ出して行動するかがあって、それが緊張感につながっていて良い。
 あと、オールマイトから受け継いだワンフォーオールの力の意味についても説明されたが、その際、ヒーローが戦わねばならない最悪のヴィランの存在が明らかになった。かなり節目となる巻だった。
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仮面ライダーセイバー

26話  新しい仮面ライダーカリバーはやはり賢人だった。圧倒的な力でそこに居合わせたライダー達を組み伏せ、世界を救うために全ての剣を封印すると宣言する。賢人が生きていた事にひとまず喜ぶ飛羽真だが、賢人の意思と、その目的は分からないままで、どう対応すべきか考えねばならなかった。

 敵は仮面ライダーカリバー
 賢人が復活したが、これは闇の剣に斬られた人間は闇落ちして生き返ることが多いのだとか。飛羽真以外には復活は分かっていたことだったらしい。
 この世界と絵本の世界に関する話がようやく出てきた。始祖は一人の女性と五人の剣士で、その内の一人がマスターロゴスで、もう一人は絵本の世界に残った剣士。二人で二つの世界を均衡に保とうとしてきたのだとか。残りの三人がどうなったかというと、それがそれぞれストリウス、ズオス、レジエルの三人のメギドとなった。
 オープニングで話を紹介していたタッセルは実は最初の剣を作った始祖の一人だったことが発覚した。彼も仮面ライダーとなるようだ。
 ソードオブロゴスを混乱に導いたのはマスターロゴスだったことも分かった。この世界を作り替えるために始祖の書を作ろうとしているとタッセルに告白していた。
 一方では飛羽真がプリミティブドラゴンの力に振り回されていて、その制御がまだ出来ていない状態のまま。
<賢人が観た未来はどう転んでも地球の滅びになるという。やってることはほぼ人類補完計画そのものである。>
VOL.4
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バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~
バイプレイヤーズ(3rd)
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S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーブレイズ ライオン戦記
13
映画
ぐらんぶる(2020)
 離島にある大学に入った北原伊織(竜星涼)は、新歓コンパの翌日に全裸でキャンパスで寝ていた。一体何が起こったのか分からないまま、体に書かれたヒントを元にキャンパスを駆け回る。そこで全く同じ境遇に置かれた今村耕平(犬飼貴丈)と出会う。ほぼ全裸の二人は学生に見つからないように服を探し回る。

 井上堅二と吉岡公威による漫画「ぐらんぶる」の実写映画。
 基本的には本作は変人ばかりのダイビング部でのコミカルな青春物語なのだが、オープニングでイケメン二人が全裸で疾走するシーンに異様に力が入っていて、ほぼこれだけの印象の作品になってしまった。
 とても大きな特徴を持っているので、それだけで本作は充分個性を持ってるし、これだけでも充分。勿論その後の展開もコメディとして楽しめる。最初の衝撃があるためか、後半の展開も素直に笑えてしまう。最初に極端に力を入れて笑いのハードルを越えてきたのが本作の最大の強みなのかもしれない。

 また、本作においてはかつての特撮ヒーローの二人(竜星涼は「獣電戦隊キョウリュウジャー」のキョウリュウレッド、犬飼貴丈は「仮面ライダービルド」の仮面ライダービルド)が脱ぐということで、特撮ファンにとっては結構楽しめる話でもあった。他にも特撮には馴染みの深い俳優が数人出演しているため、その馬鹿さ加減をニヤニヤしながら楽しむのが良し。

バットマン(3rd)

2話  洗脳機械を使ってボクシングの試合をコントロールして大金をせしめようと考えたナゾラーはチャンピオンを誘拐して洗脳する。テレビでそれを観たバットマンとバットガールはそれぞれ調査に乗り出し、ナゾラーの洗脳機械を探り当てる。

 バットガール登場の2回目になるが、すでにバットマンとの息はぴったりで、あっという間に協力関係にあるようだ。なんかロビンの立場がない。ただお互いに正体は知らないため、事件が起こると同時に行動を起こし、鉢合わせをして協力するというパターン。一方、バーバラは父親のゴードン長官と一緒に警察で活躍してる。
 今回の敵はナゾラー。重大なヒントをわざわざクイズにしてバットマンを煙に巻くのは相変わらず。今回その謎を解いたのはバットガールことバーバラ・ゴードンだった。
 前回同様バットマンが危機に陥ると颯爽とバットガールが現れて助けてる。
 セイレーン役はジョーン・コリンズ。スキャンダラス女優として後年大変有名になった女優。
<バーバラは司書をしているはずだが、父親のゴードン長官といつも一緒で所長室にも常駐してる。
 バットマンを卑怯者と言って挑発したナゾラーだ、バットマンの方が簡単に挑発に乗ってしまってる。これまでとは随分違った姿だ。
 ナゾラーとバットマンのボクシング勝負はお互いにマスクとタイツ姿。ちゃんとトランスクだけは穿いてる。>
おとなの事情 スマホをのぞいたら
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VOL.9
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11
読書
蜘蛛ですが、なにか?1
馬場翁 (検索) <amazon> <楽天>
 とある高校の一クラス。古文の授業中に突然クラスの空間が歪み、そこにいた生徒と先生が異世界に転生してしまう。その中の一人“私”が転生したのは、なんと一匹の蜘蛛だった。生まれた瞬間から生存競争のただ中に放り込まれてしまった“私”は生き残りを賭けて自らを強く鍛えていく。一方、人に転生出来たクラスメイト達もそれぞれ赤ん坊からやり直しながら、この世界に自らを順応させていった。

 現在多く作られている転生ものの作品の一本だが、主人公が異形のもので、スピードと知恵以外ほぼ能力らしい能力を持たないというユニークな設定の話になっている。自分の能力を上げていくことと、下剋上的な戦いに溢れているので、これはこれで大変面白い。
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仮面ライダーセイバー

25話  暴走したセイバープリミティブドラゴンに強烈な一撃を加えて強制的に変身解除させた仮面ライダーカリバー。この時は助けられたが、このままでは仲間を攻撃してしまうと危機感を感じた飛羽真は、プリミティブドラゴンを生み出した哀しみの書に答えがあるのではと書を読み込む。一方飛羽真討伐を命じられた倫太郎

 敵は仮面ライダーブレイズらソードオブロゴスの面々。
 勝手にプリミティブドラゴンに変身してしまうため、コントロールする術を探す飛羽真と、そんな飛羽真が元凶だとして討伐を命じるソードオブロゴス。この構図から全く変わらない。やっぱり話はウジウジしっぱなし。全くすっきりしない。
 玲花が仮面ライダーサーベラに変身した。新しいライダーがまた出てきたが、これは想像の範囲内。更に仮面ライダーカリバーの新しい装着者も分かったが、これも予想通り賢人だった。伏線が見え見えすぎたね。
<敵同士に鳴りながら相手の良いところを言い合ってしまう飛羽真と倫太郎。なんだこのBL展開。
 セイバーに変身するのに最初からプリミティブドラゴンワンダーライドブックを手にしてい飛羽真。正気でいられる内に戦うという思想を完全に放棄してる。最初から暴走するつもりだったのか?>
VOL.4
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おとなの事情 スマホをのぞいたら
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ロック映画ポスター・ ヴィンテージ・コレクション ポスター・アートで見るロックスターの肖像 <A> <楽>
10
映画
裸の島(1960)
 瀬戸内海にある孤島に一組の夫婦と二人の子どもが住んでいた。電気・ガス・水道もないこの島で農業を営むが、毎日毎日朝から晩まで黙々と働かねばならなかった。日々変化の少ないこの島にも、いくつかのドラマがあった。夫婦の息子が大きな鯛を釣り上げ、それを売って広島まで出かけて外食や買い物をしたり。そんな日々の中、息子が突然高熱を出してしまう。

 脚本家として既に有名になっていた新藤兼人だが、これまでに監督としても既に何本かの作品を撮っていた。それらの作品に共通するのは、非常に挑戦的な作風で、特に反権力および時事問題に対しての強い問題意識が見られるものだった。社会派と呼ばれる映画監督は多かったが、その中でも相当過激な作風である。ただ、過激すぎたこともあってか、なかなか映画館にもかからず、興行的には失敗続きだった。監督が作った近代映画協会も倒産ギリギリの状態。

 そんな新藤監督が世界的に認められた最初の作品が本作だった。これまでのような社会派バリバリの話ではなく、一つの貧困家庭に焦点を当てた落ち着いた話を作り上げた。更に本作は1961年のモスクワ国際映画祭でグランプリを取ったことから、新藤は監督を続けられることになった。仮に本作がここまでヒットしなかったら新藤監督は監督として作品を作り続けることが出来なかったかもしれないのだから、それだけでも本作は重要な作品と言える。

 本作は日本映画界にいくつもの功績を残した作品でもある。
 まずこの作品はこれまでの常識を越えた最低予算で作り上げられたということ。これによって以降の自主製作映画に道行きを開いた。これまでのように映画館ではなく、様々な場所で上映され、ホール上映のスタイルの始まりとなったことも大きい。
 次に自主製作だからこそ、実験的な作品が作ることが出来るし、それが国際的にも評価されることが分かったことで、映画そのものの可能性も広がった。本作の特徴として、台詞を一切排した無言劇でも映画が作れる事を示したのもある。以降多くの監督達によっていくつもの失敗作はあったものの、実験的作品が多数作られることで日本映画は発展してきた。
 そして何より新藤兼人が監督を続けられたということが一番の功績となるだろう。彼の作品なしに今の日本映画はあり得ないのだから。

 実際作品として考えるならば、台詞やナレーションを排したために本作は決して親切な作品ではない。観ている側が意味を読み取らないといけないし、時としては説明されないと何が起こっているのかも分からないくらいだ。しかしその「考える」作業がとても楽しい作品でもある。集中して画面を観て、自分なりに解釈する楽しみがあって、映画を観ている面白さを存分に味わえる。逆に言えば、本作は片手間で観て良い作品ではない。相当な集中が必要である。そして集中するからこそ、主人公の感情に気持ちが寄り添い、本当に悲しみを覚えたりもした。観てるだけで結構疲れるが、それに見合うだけの感動も覚える。映画でこんなにリアルな感情共有が出来るのは珍しい。

 本作の主役は新藤監督の盟友で数多くの映画に出演している殿山泰司だが、実は主役がほとんど無く、本作は間違いなく殿山にとっての代表作となった。ほぼ会話がないため、表情だけで全てを語る演技も見事…と言っても基本的に感情をそぎ落としたような無表情ばかりだが、その無表情をじっくり観ることが本作の醍醐味なのだ。

 調べてみたところ、監督は、ラストシーンに「しかし彼らは生きて行く」とタイトルを入れようと提案したが、それを止めたのは試写を観た岡本太郎だったそうだ。そうすると詩情が単なるリアリズムになってしまうからというのが理由だったらしい。

ウルトラマンG

11話  オーストラリア軍の最高機密である第47格納庫に何者かが入り込んだ。そこにあった宇宙船と接触したその男は脳死状態に陥るのだが、そこに宇宙船がある事を知った過激な環境テロリストがジーンを誘拐して円盤の引き渡しを要求してくる。

 敵は円盤生物UF-0。かつてオーストラリアに落下した円盤で、軍が保管していたが、実はそれ自体が生物だった。過激なテロリストによって強奪されるが、そのテロリストの首領を取り込んで怪獣化した。
 空飛ぶ円盤の神秘。定期的に作られる素材で、特に宇宙人の侵攻を隠している場合は効果的なのだが、ここまで開けっぴろげに侵略戦争を戦っているので、ちょっと設定的には弱い。
 過激な環境保護団体がテロリストになるというのは90年代から始まったもので、割と新しい観点。
<第47格納庫最高機密と言う割にはセキュリティがザルだし、大きく搬入口が空いているため、外から誰でも見られる。
 一応UMAは怪獣に対するプロフェッショナル集団だが、そのメンバーを誘拐しても交渉材料にはならない。
 潜入調査のため環境テロリストに入隊するジャック。テロリストはジーンのことは知ってるのに、ジャックが何者か知らないらしい。
 宇宙船を操縦してるノルバーグ。どうやって運転方法学んだんだろう?
 作戦中にアーサーがテレビゲームで遊んでいるシーンがあったが、ちょっと唐突すぎるな。ちなみにピンポンゲームだった。>
Blu-ray
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没後25年 ルチオ・フルチ大百科 爛熟期編
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没後25年 ルチオ・フルチ大百科 晩期編
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08
読書
はじめの一歩127
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 世界チャンピオンリカルドとのスパーリングにこぎ着けた千堂は、圧倒的な実力差の中、一発パンチを入れることが出来た。それを見たリカルドの弟子を自認するゴンザレスが千堂に挑戦状をたたきつけるのだった。一方、日本ではトレーナーとして二人の弟子達の面倒を看る一歩は、現役時代の自分に足りなかったものを痛感させられていた。

 一歩と千堂の二つの物語が展開していく。一歩の方は現役に未練たらたらで、全然前に進んでない感じ。一方千堂は着実にキャリアを積み、ついには世界ランカーとの公式戦へと臨むことになる。主人公を差し置いて盛り上がってる。
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機界戦隊ゼンカイジャー

1話  突然機械生命体キカイノイドによって並行世界が消えてしまう。たった一つだけの次元が残り、キカイトピアの領土と融合してしまい、キカイノイドの一般人が入り込んでしまった。そんな新しい世界で、どんなことでも良いから“世界初”を成し遂げたいと願う青年五色田介人はキカイノイドの世界トジテンドと戦う事を決意する。そんな介人に祖母のヤツデは、秘密のプレゼントを贈る。

 敵は戦闘員であるクダイターと巨大なクダイテスト。
 スーパー戦隊45周年に贈る、これまでの全戦隊集結の話。「海賊戦隊ゴーカイジャー」と似たお祭りになるかと思われる。
 これまでの戦隊との大きな違いは人間としてのヒーローは一人だけという事。その代わりとして機械生命体であるロボットが他のメンバーとして戦う。今回は最初の仲間が入った。あと主人公はレッドではなく複数の色を持つ存在で、仲間になるキカイノイドに色が付いているのが特徴。色的に言えば「ジャッカー電撃隊」と同じか。
 今回仲間になったのは赤いキカイノイドのジュランで、変身すると「恐竜戦隊ジュウレンジャー」の大獣神モティーフとなる。
 これまでの戦隊の話はそれぞれ別次元という設定で、それらの次元がコインにされてるというのが特徴。そのコインを使うことでかつての戦隊の力を使えると言うことのようだ。ただしゴーカイジャーとは違って姿形が変わることはない。
<普通に「ユーチューバー」という言葉が出てくる。一応一企業なんだけど、良いのかな?
 最高齢ヒロインと言われた榊原郁恵。かつて「ROBOT」という歌を歌ってたから、ある意味ぴったりな人選だったかも。
 必殺技を出すためにはギアトリンガーのギアを回す必要があるのだが、ジュランなんかの場合相当回すのに苦労してる感じ。
 恐竜化したジュランは空を飛ぶのだが、それは口から炎を吹いて尻尾を丸めて後ろ向きに飛ぶという奴。どこからどう見ても例のゴジラだ。>
新解釈・三國志
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Blu-ray3
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06
映画
ドラえもん のび太とアニマル惑星(1990)
 ある夜、裏山でのび太とドラえもんはピンクのもやを発見する。うっかりそのもやに入ってしまったのび太は見知らぬ森に迷い込んでしまった。そこにいたのは人間そっくりの体と知性を持つ動物たちだった。再びもやを潜ることで元の世界と行き来できることが分かったのび太はドラえもんと共に再びその森を訪れ、チッポという犬人間と知り合う。そしてここが地球ではないことを知ってしまう。

 劇場版シリーズの特徴の一つである、異世界の危機にのび太達が干渉して平和をもたらすという話。
 正義の主人公が正しい陣営に味方して異世界を平定に導く。このパターンは60~90年代にハリウッドで量産されたパターンで、日本のアニメでもそれなりに作られてる。
 ただ、これには絶対なる正義というものが前提になければならない。その前提とは、基本的にハリウッドでは“自由意志”であり、“民主主義”である。それは時代の産物で、共産主義に対抗するためにアメリカが作り上げた一種の幻想世界だった。幻想だからこそ映画では絶対的正義としてのテーゼとして設定される。その理想世界のために戦うことが主人公の義務であり、それを教えることも義務となっている。
 日本の場合もそれに準じるが、それに加えて“平和”のウェイトが高いのが特徴となる。戦いは火の粉を払うために仕方なく行うものであり、戦いが済んだら勝手に平和になることが前提となる。
 分かりやすい正義がそこにはあるが、ある意味ではこれは正義の押し売りになってしまうし、本来の歴史を歪める所業ということもあって、今では作られにくくなっている。
 そんな古い時代のテンプレの代表作と言って良いのが本作だろう。ある意味見事なテンプレを見せられるので、時代というものを知るのにとても重要な作品でもある。
 念のために言っておくと、多少反発は覚えるものの、決してこれ嫌いだと思ってない。実際ここに挙げた三つの項目は重要だと思ってるし、それを描く映画は必要だとも思ってる。逆にこの作品が現代とずれてきていることに危機感を感じるものでもある。

バットマン(3rd)

1話  ゴッタム・シティの平和を守るバットマンは今日も戦い続けていた。ミス・キャットとの戦いを経て、今度はブルース・ウェインとしてオペラ観劇に向かっていた。ゴードン総監の娘バーバラも同じくオペラへと向かうのだが、その途中でペンギンに誘拐されてしまった。娘を思うゴードンはバットマンに頼るが…

 第3期の始まりはペンギンの話から。ゴードン総監の娘を誘拐して、結婚して犯罪をやりやすくしようという作戦だが、そのバーバラが実は…という話。これまでにはない一話完結で、軽快にストーリーは展開している。
 たまたま牧師の家に話しに来ていたアルフレッドが牧師と間違えられて誘拐され、バーバラとペンギンの結婚式をやらされそうになる。
 今回から新たな正義の味方バットガールが登場する。その正体は今回登場したバーバラ・ゴードンその人。拷問にかけられそうになったバットマンを颯爽と助けていた。ちなみに今期からオープニングにも無理矢理登場してる。
 いつも通り最後はペンギンに捕まって拷問にかけられるわけだが、今回はたまたま油断していたバットマンに催涙ガスを嗅がせたというもの。罠を張らないのは結構珍しい。
 あとロビンというかディックが運転免許を取った。これも以降の伏線になるのだろう。
<ゴードンは娘が誘拐されたらすぐにバットマンを呼ぼうとする。明らかにこれは公私混同だが、そんなことを言ってたらヒーロー作品は観られないのも確かな話。
 バットガールの存在についてバットマンも知らなかった。まだ一度も活動してなかったんだろうか?その割に用意周到に自宅を改造までしてたけど。
 トラックで逃走するペンギン一味だが、急発進のために危なく手下がトラックから落ちそうになってた。よくそのまま撮影したもんだ。>
ワンダーウーマン 1984(2020)
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証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年 <A> <楽>
05
読書
角笛をもつ影
テオドール・ドナルド・クレイン (検索) <amazon> <楽天>
 かつてラヴクラフトと共にホラー小説のシリーズを描いていた“わたし”も年老い、小説家としては既に引退していた。そんな“わたし”がある日出会った宣教師から、かつて自分自身がラブクラフト共に創造したはずの架空の民族が実在していたことを聞かされてしまう。

 老人の昔話をホラーに絡めた物語。メタ構造を取るために面白い話になってる。かなり新しい作品になるんだろう。
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魔進戦隊キラメイジャー

45話  ヨドン皇帝を倒すためには宇宙一硬い邪面の背後にある本物の顔を攻撃するしかない。ヨドン皇帝が邪面を外すのは殺した相手を食らうときだけだとクランチュラに聞かされたキラメイジャーは、一計を案じる。

 敵はヨドン皇帝
 最終回。ヨドン皇帝を倒してラストとなる。
 ヨドン皇帝の正体はヨドンヘイムに棲息する蛇のモンスターだが、長い間に多くの敵を食らってきたことで無敵の力を手に入れた。まだ力を求めており、好敵手と認めた者を更に食らおうとしている。
 そこでカナエマストーン・イリュージョアを用いて自分たちが倒れた幻想をヨドン皇帝に見せ、それで邪面を外させて攻撃した。
 最後は等身大での戦いとなるが、全員ヘルメットを外した素顔で口上を述べている。なかなかぐっとくる描写だ。

 それから三ヶ月後。ヨドンヘイムはクランチュラによって治められ、他文明の侵略はしないと約束。キラメイジャー達はそれぞれの生活へと戻っていった。カナエマストーンで復活したクリスタリアはマブシーナが女王となって統治されるようになる。

 恒例のレッド交代はハイタッチではなく悪手だった。
VOL.8
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8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-(2020)
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ウェーブ 帰ってきたウルトラマン スペースアロー 1/72スケール
03
映画
KCIA 南山の部長たち(2020)
 パク大統領による軍事政権末期。大統領直属機関KCIA(韓国中央情報部)。「部長」と称されるそのトップは大統領に次ぐ絶大な権力を振るっていた。ところが元部長だったパク・ヨンガク(クァク・ドウォン)がアメリカに亡命し、韓国大統領の腐敗を告発する証言を行ってしまった。その生々しい内容に激怒したパク大統領(イ・ソンミン)は現部長のキム・ギュピョン(イ・ビョンホン)に事態の収拾を命じる。さっそくアメリカへ渡り、ヨンガクと接触するが…

 今や世界的にも大きな発言力を持つようになった韓国。政治的にもそうだが、今や世界のエンターテインメントにもかなり大きな影響を持つようになってきており、音楽においてもいわゆるK-POPが世界中で流行。映画でも『パラサイト 半地下の家族』(2019)のアカデミー賞では初のアジア作品でオスカーを取っており、2020年代の世界のエンターテインメント業界は韓国が席巻することが予見されるほどの存在感を持っている。
 しかしそんな韓国は、近年に至るまで独裁国家で、その過程で多くの犠牲者を出してきた国家でもある。朝鮮戦争以降の激動の時代については、現在に至るまで多くの映画が作られてきている。
 この作品も事実を元にした話で、1979年に起こった朴正煕大統領の暗殺事件そのもの。実は既にこの話は『大統領の理髪師』(2004)で一度映画化されているが、あの作品は外側から見た暗殺事件だったものだが、ここでは実行犯の金載圭をモデルにした話になってる(名前がキム・ジェギュからキム・ギュピンになってる)。
 この事件に関しては、それこそ『大統領の理髪師』観たときに調べた時以来だったが、本で読むのとドラマを観るのとはやっぱりだいぶ違う。実に生々しいし、事実を元にしたという前提で考えると、本当に身に迫る感じがある。
 ストーリー自体はシンプルだが、何故大統領殺害に至らねばならなかったのかの過程が丁寧に描かれてる。独裁政治の長となるパクの行いはあまりの身勝手ぶりで、よくこれで国として成立していたもんだと妙な感心をしてしまうし、秘密警察的なKCIAも相当にあくどいことをやっていたことが分かる。権力の癒着と、一度トップから転落すると死が待つという救いがたい状況の中、国をどう動かしていったら良いのか、凄い模索の歴史だったことが痛切に感じられる。
 内容はドロドロした権力闘争なのだが、演出は抑制が利いていて、登場人物も抑えた演技が素晴らしい。アクション俳優とばかり思ってたイ・ビョンホンがこんな見事な演技見せてくれるのも新鮮な驚きだった。

 あと、ある程度知識はあったものの、当時の韓国事情に日本がこんなに関わっていたことを実際に映像で見せられると、色々考えさせられてしまう。日本統治というのが元々あったこともそうだが、当時の朴大統領が日本とのパイプをいくつも持っていたことが暗示されていて、日本と韓国という二国の関係をもう一度捉え直してみねばという思いにさせられる。当時日本とほぼ国交断絶状態である一方、これだけ日本と韓国が裏で癒着していたことがある意味衝撃的。会話の端々に日本語が使われているとか、表向き冷え切っているからこそ、大胆なスクープが日本で暴露されるとか言うのもあって、日本と韓国の関係って根が深いんだとしみじみ思わされる。

 モロに表の歴史に関わる裏歴史って感じで、しかも実話を元にしたと言うことで、本気で興奮しっぱなし。70年代ならともかく、今の時代の日本でこれ作れる人はいないよな。あと数十年したら2010年代の日本の裏と表双方の歴史映画を作ってくれることを今から期待しておこう。できるなら私が生きている間に。

ウルトラマンG

10話  地球にやってきた宇宙船。そこにはヒューマノイドのリュグローとベロニカという二人の夫婦の宇宙人が乗っていた。あっという間にばれてしまい、追っ手がかけられてしまう。たまたまベロニカと知り合ったチャールズが二人のために一肌脱ごうとする。

 敵は変身生命体リュグロー変身生命体ベロニカ。宇宙からやってきた不定形宇宙人で、どんなものにも姿を変える事が出来る。人間の格好をして地球で生きようとしただけで侵略の意思はなかったが、政府組織に狙われ、怪獣の姿を取る。
 これまでサポートに徹していたチャールズが中心となったはなし。意外にも恋人がいたり、綺麗な女性にはすぐに声を掛けてデートをするとか積極的な行動が目立つ。旦那持ちの異星人に惚れてしまったため、結局は振られて終わってしまう。
 今回登場するエイリアンは旅行者であり、基本的に旅行者は身柄が守られることになっているのだが、地球は未開の地で条約を批准しておらず、事情を知っているのはグレートだけ。危険はないために接触しても放置していた。巨大化してグレートとも戦いはしたが、説得されて攻撃を止めた。
<リュグローによって愛車を壊されたチャールズだが、その後も同じ車に乗っている。ナレーションでは「同じ型の車に乗り換えた」と説明されているが、ちょっと苦しい言い訳だ。>
Blu-ray
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フェアウェル
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超星神シリーズ コンプリーション <A> <楽>
01
読書
月刊少女野崎くん11
椿いづみ (検索) <amazon> <楽天>
 これまで散々後輩の若松で遊んだからと、自分がローレライだと打ち明けようとする結月。しかし肝心の若松はそれが冗談としか思ってなかった。他に鹿島の妹も登場し、なかなか賑やかになっていく。

 連載開始から10年は軽く過ぎているはずだが、未だに面白いのだからたいしたものだ。1巻からずっと引っ張ってきた音楽室のローレライが自分である事をばらすというイベントはあるものの、引っ張ってた割にぐだぐだな告白になってしまうのも本作らしさか?あと催眠術にかかってしまった鹿島が暴走したことで堀先輩の性癖がますます歪んでしまうイベントも。
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仮面ライダーセイバー

23話  サウザンベースの禁書庫で見つけた禁書プリミティブドラゴンワンダーライドブックによって暴走してしまった飛羽真。大秦寺にもその本は解析不能だったが、飛羽真はその本に書かれていた言葉から「哀しみの物語」という本に鍵があると考える。

 敵はレジエル
 相変わらず仲違いが続き、見てるだけでもストレスが溜まる物語になってる。戦いを経て大秦寺に続き尾上も飛羽真側につくことになった。で、力を使い果たして碌でもないことになるのが始末悪い。
 一方強力な禁書のワンダーライドブックによって暴走状態になるセイバー。勝手に飛んできて変身させるため、始末に負えない状態。「仮面ライダーOOO」のプトティラみたいなもんだろうか?レジエルはアルターライドブックを多数取り込んでパワーアップしてるが、これも「OOO」のグリードによく似てる。
 マスターロゴスの言葉を伝えると言っている玲花が全然違うことを語っている描写がある。玲花本人なのか、誰か他に黒幕がいるのか?
 あと最後に消えたはずの仮面ライダーカリバーが登場した。
<全ての力を見せると言ってた飛羽真だが、暴走を伴うプリミティブドラゴンはともかく、キングアーサーの力は全く出してないな。>
VOL.4
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10万分の1
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泣く子はいねぇが
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