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2020'09

 
29
映画
ジョン・ウィック:チャプター2(2017)
 ロシアマフィアの息子を殺すため、殺し屋として復帰したジョン・ウィック(リーヴス)。その復帰を知ったイタリアマフィアのボスサンティーノ(スカマルチョ)からかつての負債を盾に暗殺を依頼される。その依頼を断るのだが、サンティーノはジョンを追い詰めるため、思い出の場所を次々に破壊し始めた。仕方なく一度だけの約束で殺しを請け負う。

 スマッシュヒットを取ったジョン・ウィックの続編。この作品も1作目に劣らずスタイリッシュなアクションが展開する。
 てっきり1本目の焼き直しかと思ってたのだが、ここでは違ったアプローチが用いられて雰囲気がだいぶ変わっている。
 1作目との大きな違いは、第一に犬が死ななかったこと。これでジョンには生き残る理由が出来た。
 第二に範囲が随分広がったこと。1本目はどこか分からないけどアメリカのどこかの町が舞台だったが、今回はジョンはアメリカを離れてローマに行っているので、一応この世界にも世界的な広がりがあったことを思わせてくれる。
 ジョンは殺し屋なので、行って義務的に人を殺して去って行くだけだし、基本的に屋内のためにやってることは何にも変わりはないのだが、それだけで雰囲気がだいぶ変わった感じがある。
 あと、一匹狼の感があったジョンにも、結構たくさんのしがらみがあったことも分かった。というより、しがらみだらけ。ギャングの掟は義理や人情といったものに近く、それに縛られながら戦っている。ジョンが過去引退したのはそんなしがらみから逃げるためだったのかも知れない。そしてこの話ではそのしがらみの中で生きることをジョンは選択する。しがらみを逆手に取って、時に相手を強迫して生き残るという物語展開となった。

 演出自体は1作目と較べて目新しさは無いが、現実離れしたスタイリッシュさは健在で、ラストシーンがとにかく格好良いのでチャラ。

仮面ライダーセイバー

4話  敵は倒したのに世界は変わらず、息子のそらも帰ってこないことで飛羽真を責める尾上。飛羽真は、倒したかのように見えたハンザキメギドがまだ生きているのではないかと推測し、再びワンダーワールドへと向かう。

 敵はハンザキメギド。そしてデザスト。デザストアルターライドブックから呼び出されたメギドの一種。15年前に現れた時は仮面ライダーを数人倒していたという。
 前回からの続きで、尾上の息子そらを助ける話。息子が帰らなかったことでキレ散らかす尾上だが、飛羽真の約束というのが半端なものではないと分かって飛羽真に息子を任せる。ついでに本嫌いな息子も本を楽しむようになる。昭和の特撮作品並みに単純すぎる話だな。
 仮面ライダーセイバーが三冊のワンダーライドブックを使った。使用後は体が動かなくなってしまうのだが、その直後に又新しい仮面ライダーが登場。どうやら敵側の仮面ライダーらしい。そしてその攻撃を防ぐために更に新しいライダーが…なんだこの仮面ライダーの大盤振る舞いは。
 セイバーが呼び出した妖精さんは筋肉アイドルの才木玲佳だった。なんだか最近この人観ることが多くなった(主にアニメ関連だが)。
<サンショウウオの生命力が高いということを図鑑で調べる飛羽真。別段調べることもない基本情報だと思うが?存在そのものがヒントになる怪人は情けないな。
 敢えてハンザキメギドに捕まえられ、花火を持ってきて、そこで自分の居場所を知らせる芽衣。何故か顔が焼け焦げてた。火を使ったことが分かりやすいが、普通あり得ない。>
悪人伝
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スターエーストイズ 恐竜100万年 アロサウルス vs. トゥマク
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読書
Re:ゼロから始める異世界生活15
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 魔女のお茶会で嫉妬の魔女サテラによって死に戻りの力を失ってしまったナツキ・スバル。これまでのような死んで経験を積むことが出来ない状態で、誰一人失わずに救うという困難なミッションをこなさねばならなくなった。最大の関門であったガーフィールを味方に付けることが出来たスバルは、ガーフィール、オットーと共に魔人の待つロズワール邸へと向かって行く。一方試練に挑むエミリアと、自暴自棄に陥りかけているロズワールの正気を取り戻すべく敢えてロズワールに勝負を挑むラム。

 第4部最終話。これまでの中で最もアクション主体の話となった。死に戻りがなくなったため、本作品の最大の特徴を封印したが、だから緊張感ある話になっていた。
<A> <楽>

サンダーバードAREGO(3rd)

3話  危険なエネルギー物質ニュートロジンを運ぶトラックが落石事故に巻き込まれてしまう。バージルとゴードンがサンダーバード4号で救出に向かうが、その落石を起こしたのは実はカオス・クルーのヒューズだった。

 三期になって完全にインターナショナル・レスキュー対カオス・クルーの構造ができあがってる。
 あと今回もゴードンがやんちゃぶりを発揮してる。どんどん子どもっぽくなっていく。
 一方、ニュートロジンの輸送を受け持つ女性はまさに女傑。ゴードンと良い掛け合いしてる。新米の運転手が危機を乗り越えて成長していくのも見所。
 ヒューズは当初ニュートロジンを奪う指令を受けていたが、インターナショナル・レスキューの出動を知ったフッドから、ニュートロジンを含めた抹殺を命じられている。殺しを請け負う話はこれまでの話ではなかったので、かなりストーリーが重くなってる。
A MOVIE 大林宣彦、全自作を語る <A> <楽>
デレク・ジャーマン Blu-ray BOX
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映画
幸福路のチー(2017)
 台湾出身でアメリカ人夫と結婚してニューヨークに住むチー。新世紀となって祖母の訃報を聞き、かつて住んでいた台北へ帰ってくる。大歓迎してくれる両親だが、二人の仲は昔よりずっとギクシャクしていることに気づかされる。懐かしい街の中、自分の過去に思いを馳せるチー。

 2019年に一つのアニメがひっそりと公開された。あんまりにもひっそりだったので、チェックすることもなく劇場では観ないで終わってしまったのだが、その後でネット上の複数の人たちからその映画を絶賛するコメントを目にした。なんかそれで気になってしまい、ソフトが出たのを機にレンタルして観てみた。
 本作の特徴として、何ら特別な人間は登場せずにあくまで市井の人間を描いたアニメーションだという点が挙げられる。まるで台湾版この世界の片隅に(2016)みたいだが、内容もそれに劣らず素晴らしい。
 これはこの世界の片隅ににもつながることだが、こう言う作品は時代背景というものをどれだけしっかり捉えているかが重要になる。実際に怒っていた歴史の転換点に庶民のキャラクターが存在するというのは、どれだけその時代のことを作り手が知っているかというのが重要だ。
 例えばこの世界の片隅にの片渕須直監督はこれを作る際、徹底的な調査をしただけでなく、自宅に資料持ち込んで実際にその生活を再現したとか、自分自身の生活を変えるまでして徹底的に調査したという。これはやり過ぎという気もするが、この状況におかれた時に、どんな感情を生じるかというのを想像力だけでなくできる限り再現しようとする姿勢は作品にちゃんと活かされている。
 対して本作は今から40年ほど前の出来事を描くので、監督を含めてスタッフの多くはその時代を生き抜いてきた。リアルタイム世代だからこそ描けるものを描こうとしたその姿勢は正しい。

 それにこの作品は私のような中途半端な知識を持った人間にはとてもありがたい
 台湾については新聞や歴史書などで結構幅広い時代に渡って読んでいるので、薄く時代性は知っているが、あくまでそれは紙の上でのことだし、知識は文字でしか知らない。
 こういう時に重宝するのが映画だが、台湾製の映画で私が観た監督はホウ・シャオシェンしかいない。監督の悲情城市は第二次大戦時のものだし、恋恋風塵は80年代のもの。その間の時代が私の中には存在しなかったということもあって、本作はまさにミッシングリンク部分を補完してくれたありがたい作品となった。
 作品観た直後にネットで検索しまくったお陰でいろいろなことも分かった。こう言う知識を与えてくれる、そして歴史の背後でどんな生活をしているのかを伝えてくれるこう言う作品はとてつもなく貴重だ。

 例えば本作の場合、いろんな情報が入っている。
 チーのおばあちゃんは台湾の少数民族の出身だが、実は台湾では少数民族が差別対象となってる(部族はそれなりに多いらしい)。一見明るく傍若無人にも見えるおばあさんだが、言葉の端々にこれまでの生活の重さが感じられて、それだけでも背景の重さを感じさせるもの。
 それと台湾民主化の足取りも劇中にはさりげなく入り込んでいて、チー自身も民主化を求める学生時代を送ったことが見えてくる。この作品の年代が大体分かるのは、台湾の民主化が成立したのが1987年の出来事だったから。チーが学生だったのはこのちょっと前になるだろうし、それからアメリカに渡って…ということを考えると、ここで台湾に帰ってきた時の年代も大体推測できる。その時代の風景がここには映し出されているのが、目で見える街角って感じで風景の一つ一つから情報得られる。まあそもそも劇中の地震が1999年の921地震と呼ばれるものなので、これだけで分かるのだが、それ以前にも分かるキーワードがいくつもちりばめられてる。

 演出に関してもキャラ描写の柔らかいタッチが良いが、演出がソリッドというかアバンギャルドタッチで、まるで湯浅政明みたいなところがあって、かなり尖ってる。意外な良質演出だった。

 いろんな意味で情報量の宝庫なので、歴史に興味ある場合はこれはとても貴重な作品になる。

魔進戦隊キラメイジャー

24話  小夜は患者の少年幸也が作った曲を医者のバンドで演奏することにした。ところが街に出てきたスピーカー邪面の騒音によって小夜以外のメンバーが事故で怪我をしてしまう。仕方なくキラメイジャーの面々がバンドメンバーに入る事になる。

 敵はスピーカー邪面。騒音をまき散らして周囲の人間の不快度を上げる。ちなみに演奏してるのはクランチュラで、その音を流してるだけで、受信機であるアンテナを折られると力を失う。そしてジュークボックスヒルドン。頭部のジュークボックスからCD状の光線を発する邪面獣。
 小夜が中心となって一人の少年に希望を与える。そのためにキラメイジャーがバンドを結成するという話。これは戦隊では初めてのことだな。一応メンバーでバンドを組んだのは電脳警察サイバーコップがある。小夜以外はほぼ素人なので、大変な状況になってしまい、小夜がキレまくってる。テンポ良く物語は終わって最後はキラメイジャーのバンドで一曲歌って締めてる。
 前回登場しなかったクランチュラとガルザがエレキギターかき鳴らしてノリノリだった。どっちも演奏が酷く、それがとんでもない破壊力となってる。スピーカー邪面が倒されてもう音楽は地上に配信されてないのにやっぱりノって演奏し続けるガルザが良い。
<幸也少年は自分の作った曲を小夜に演奏させることになるが、譜面もちゃんと渡したんだろうか?全部耳コピだとしても、全曲演奏聴いてないと思うが。
 幸也少年の口癖は「別に〜〜じゃないし」…典型的なツンデレキャラだな。
 ジュークボックスのことを知らない充瑠…そういう世代か。>
VOL.4
<A> <楽>
VOL.10
<A> <楽>
SHIROBAKO(2020)
<A> <楽>
24
読書
双亡亭壊すべし12
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 双亡亭の主坂巻泥努が語る過去。それは彼が画家として立つために払った大きすぎる犠牲と、報われることのない愛情によるものだった。その狂気が次元を超えた何者かを呼び寄せてしまい、双亡亭が誕生したという。泥努にとって最大となるこの作品が出来れば後は世界はどうなっても構わないと言う。

 双亡亭の主坂巻泥努の狂気について。簡単に言えば愛するものの死というのが直接の動機になるのだが、そこに至るまでの過程が少年漫画から完全に逸脱してる。ここまで徹底して狂気にこだわる著者も又たいしたものだ。まだまだ刺激的な作品を作ってるな。
<A> <楽>

ウルトラマンZ

14話  怪獣退治に躊躇を覚えるようになったハルキ。そしてそんなハルキと心がつながらなくなってしまったことに戸惑うゼット。そんな中、ストレイジで待機任務に就いているハルキの背後から怪獣カネゴンが忍び寄り、ハルキの持つウルトラメダルを食べ物と思って食べてしまった。その口からメダルを取り出そうとするハルキだが…

 コイン怪獣カネゴン登場。ストレイジの基地に忍び込んできた等身大怪獣で、腹が減ったといってハルキの持つウルトラメダルを食べてしまう。全く悪気は無く、何故ストレイジの中にいたのかも不明。
 戦う事に疑問を覚えるハルキの話が続いているが、今回はちょっと箸休めで妙にコミカルな話になってしまった。カネゴンがウルトラメダルを食べてしまい、それを取り出す作戦が展開する。作戦といってもハルキが一人でいろんな方法を使って取り出そうとしてるだけだが、一々作戦名を考えてるところが可愛い。
 そんな感じで、これまでの戦いを振り返るバンク回。11話で振り返りをやったばかりだが、これも新型コロナウイルスの影響か?
 最後になんとなくゼットとハルキが和解して、ちょっと良い話っぽくなってるが、なし崩しに終わった感じ。
<そもそも怪獣退治の現場に怪獣が出現するということ自体がとんでもない話なのだが、そこはスルーか。
 舌足らずな声で「いただきま〜す」と言われると、格ゲー「侍Spirits」に出てきた妖怪腐れ外道(画像)というキャラを思い出すような…
 ベータスマッシュの話をカネゴンにした時、「赤いあいつ」と怯え、その後「気のせいか」と言っている。やっぱりあの通り魔のことだろうか?
 カネゴンのことをごまかそうとしてユカを騙そうとするハルキはグルジオライデンが雌である事を聞かされ、「オス」ではなく「メス」と言ってる。なんだこれ?
 ラストシーンで取り戻したウルトラメダルを見て微笑むハルキ。それさっきカネゴンがトイレで出した奴なんだが。>
ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷
<A> <楽>
追龍
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22
映画
ドラえもん のび太の宇宙小戦争
 スネ夫がパパに買ってもらったビデオカメラで映画を作ろうという話になり、みんなで公園で撮影をしていたところ、小さな模型のような宇宙船を発見する。その中にはピリカ星からやってきたという小さな宇宙人パピがいた。のび太達がスモールライトで小さくなって事情を聞いたところ、実はパピはピリカ星の大統領だったのだが、クーデターによってギルモア将軍に星を乗っ取られてしまったという。そしてパピを追って宇宙船が地球を目指してきた。その先兵隊が、体の大きさを戻すためのビッグライトとしずかを人質にしてしまう。

 着実に毎年一回の公開が定番になったドラえもんの映画。この年は初めて宇宙そのものを舞台にした作品になった。
 しかし実はこの話はかなり早くから原作があったのを私は知っている。他でもないスター・ウォーズ(1977)公開時に、パクり…インスパイアを受けた、元ネタがはっきりした短編漫画として70年代に描かれたものだ。その作品で初めてのび太が射撃の名手であるという設定が登場したと記憶している。原作の方は他愛のないギャグ漫画として仕上げられているが、それを膨らませて(更にスターウォーズ色を脱臭して)映画にしたのは面白い。

 前述したが、のび太が射撃の名手という設定はテレビ版ではあまり言及がないのに対して映画版では定番になってるのが面白いが、本作が恐らくそれを印象づけることになったのだと思っている。他の作品と較べてのび太の活躍が結構目立った話になってる。
 通常仲間の足を引っ張る存在ののび太がそれなりに活躍するという事は、他のキャラの比重が高いと言うことである。
 本作の主人公は勿論のび太とは言え、この作品で目立ったのは面白いことにスネ夫の方だった。宇宙に出た際、メカニックを駆使してしずかを救う活躍ぶりと、文句たらたらのグダリっぷりが良い対比になっていて、のび太以上に個性を見せつけていた。
 お姫様役のしずかも戦士としてきちんと戦えるのもポイントだろう。

 ただ、他の星の戦争に積極的に首を突っ込んで本来向かうべき星の道筋を無理矢理変えてしまうシナリオは、今から考えるとちょっと恐い気はする。
 結果としてのび太達の活躍は従順を旨とするピリカ星の住民の心に働いて、民主化のためのクーデターに発展してしまう。ピリカ星にとってはのび太達は英雄である以前に、自分たちの力で向かうべき道をねじ曲げた大罪人でもある訳だから。

 今の目から本作を眺めてみると結構複雑。

仮面ライダーセイバー

3話  新しく飛羽真の前に現れた青年富加宮賢人は、かつて絵本を読んでる飛羽真が想像の中で遊んでいた子で、倫太郎と同じくソードオブロゴスの一員だった。そんな時に又ワンダーワールドが現れた。三人で出動するが、現れたゴーレムメギドを倒したのは更に新しいライダーだった。

 敵はハンザキメギド。ワンダーワールドに現れたサンショウウオ型のメギド。粘液質の体表によってほとんどの攻撃を受け流してしまう。
 テンポ良く三人目と四人目の仲間も登場。少し時間掛けて戦隊ものをやってる感がますます大きくなってきてる。新たなライダーは仮面ライダーバスター。三人目の富加宮賢人は変身してないが、四人目となる子連れの剣士尾上亮が仮面ライダーバスターとなる。非常に短気なキャラクターだった。
 仮面ライダーバスターは剣にワンダーライドブックを装着して変身してる。ベルトを用いずに変身する仮面ライダーは結構珍しいかも。
 飛羽真が仮面ライダーセイバーとなったのは15年前にあった事件が原因と言われた。飛羽真自身はそのことを忘れているらしい。
<そらのためにソフトクリームを二つ買った芽依だが、そらがさらわれた時もソフトクリームを手放さなかった。>
シネアスト宮崎駿――奇異なもののポエジー <A> <楽>
ステファヌ・ルルー
MIU404
<A> <楽>
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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった2
山口悟 (検索) <amazon> <楽天>
 15歳となり、いよいよ魔法学園に入学したカタリナ・クラエスは乙女ゲーム“Fortune Lover”の本来の主人公であるマリアとも出会う。ゲームでは、この一年後の卒業式イベントで国外追放か殺されるかとなってしまうため、慎重にイベント回避しなければならないのだが、何故か敵となるはずのマリアに懐かれてしまう。それで仲間達に囲まれて楽しく過ごしていたが…

 1巻で男女問わず周り中の人たちに好かれてしまうと言うタラシの才能を発揮していたが、2巻でもそれは健在。ついには本来の主人公までたらしこんでしまう。本人は一切その意識が無く、単純に楽しいからというだけというのが、この作品の面白さだろう。
<A> <楽>

サンダーバードAREGO(3rd)

2話  カオス・クルーのハヴォックを捕らえる事が出来、更にレスキューロボットの活躍のお陰でインターナショナル・レスキューの出動する事態が無くなってしまった。

 前回登場した新しいシステム。GDF側のレスキュー用ロボットのローボットと、フッド側のカオス・クルーが交差する。実はフッドの狙いこそローボットの把握にあったことが分かった。そのために世界各地に混乱を引き起こした上でカオス・クルーのハヴォックはわざと捕まってGDFに潜り込む。ローボットには複数の事案に対処できないという弱点があって、それを利用され、コントロール装置を盗まれた。
 これによってローボットはフッドの活動を手助けする無人機となりかけたが、GDFに出向していたケーヨの活躍でなんとか回収。
 インターナショナル・レスキューの出番が無くなるかも?という物語を敢えて最初に入れるのはタイミング的に丁度良い。溜めた分、サンダーバード1号、2号、3号の同時発進シーンは胸が熱くなる。今回は姉弟全員の出動。当然5号のジョンだけは指令するだけだけど。
 これまで登場したことが無かった気がするが、この時代には軌道エレベーターが普通に使われている。
 フッドの無人ロボット乗っ取り計画は失敗したのだが、実はこれは肩慣らし程度の意味だとか。まだまだ混乱は続く。フッドが本当の悪役っぽくて存在感ある。
<アランの発進シーンで途中で出動が無くなったら、そこで移動用ソファーが止まってアランは何も出来なくなってた。これはかなりまずいのでは?>
VOL.9
<A> <楽>
太陽は動かない -THE ECLIPSE-
<A> <楽>
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映画
長屋紳士録
 東京のある長屋に一人の子どもが連れてこられた。幸平(青木富廣)というその子は親を亡くしたと言っており、長屋のみんなは面倒くさがって幸平を無視する。押し付け合いの結果、金物屋の女将おたね(飯田蝶子)が幸平を引き取ることになった。

 監督の5年ぶりにして戦後第1作となった作品。5年というブランクを考えるに、戦争というのは大変大きな影響をもたらしたことを感じさせる出来になった。
 戦前の監督作品はモダンで皮肉に溢れた作りが売りだった。どんな作品を作っても、笑いを忘れないというか、基本はコメディという姿勢を貫いた。
 しかし、出兵した小津は大変な経験をしたらしく、戦後はがらりと作風を変えた。
 作品はコメディよりも何か別なものを強く主張するようになる。それは日本的な風景であったり、親しい仲にあっての感情のすれ違いであったり。大変微妙なものになっていく。
 本作はまだその作風を確立していないが、その過程にあるような話で、コミカルさよりもしっとりとした人間関係が主軸となっていて、確かに小津監督特有のタッチへと向かいつつある事を感じさせてくれるものだ。
 戦後すぐに復帰した邦画界で、なるだけ短いスパンで次々国産映画を世に出したいという松竹の要求を入れたために演出不足も感じさせる。
 ここに描かれるのは既にある家族をどうするかではなくて、反発しながら家族になる過程を描いているのが特徴だろう。貧乏暮らしの中で、家族が無いというだけの理由で子ども押しつけられ、面倒くさいだけだった世話がやがて楽しくなっていき、それが生き甲斐になっていく過程がしっかり描かれていく。実はこれが私には見事にツボにはまった演出で、こんなの見せられてしまうと悪い点数を付ける気になれなくなる。
 そこで唐突におこるペーソス溢れるラストシーンはちょっと胸に来るが、折角ならここは幸せになって欲しかった気はするし、唐突すぎるのでちょっと展開が早すぎる感じもあり。
 もう少ししんみりさせて欲しかったところもあるが、この出来なら復帰作としては充分だろう。
読書
銀の匙15
荒川弘 (検索) <amazon> <楽天>
 大川先輩と二人で立ち上げた会社も豚の放牧事業として少しずつ形が整ってきた。そんな折、大川から資格のためにお前も大学に行くように言われてしまい、ギリギリの時間で受験勉強を始める。

 14巻のレビューしたのが2018年だったから、それから2年経って最終刊。内容が凄く濃くて実に楽しい巻だった。同級生とかの他の人たちのサブストーリーが面白くて八軒と御影のラブストーリーはほとんどなし。まあこれがこの作品の面白さかな?八軒の親父さんが妙にキャラ立ちして、何故かギャグ要員になってしまった。
<A> <楽>
未満警察 ミッドナイトランナー
<A> <楽>
長靴をはいた猫 Blu-ray BOX
<A> <楽>
17
映画
ジョン・ウィック(2014)
 かつて名うての殺し屋として名を馳せたジョン・ウィック(リーヴス)は、愛する妻ヘレンのために引退し、その妻が病で亡くなった後は妻から贈られたデイジーという子犬と共に静かな生活を送っていた。そんなある日、ジョンのことを知らないロシア人マフィアの息子が家を襲撃し、愛車69年式マスタングを奪った上にデイジーを殺して去って行く。全てを奪われたジョンの怒りが燃え上がり、封印した武器を取り出して、関係者一人一人を血祭りに上げていく。

 これまで何作も代表作とされる作品の主演を張った(その分駄作も多いが)キアヌ・リーヴスが、又新しい代表作を手に入れた。
 ジョン・ウィックというこのキャラは大変魅力的だ。やってることは復讐劇という古典的なものだが、泥臭さとは全く無縁で一々とにかくポーズが決まってる。
 そんなポーズを見せられるのは演出が突出して良いからに他ならない。勿論これは監督の力量によるものだが、何よりこの特殊な舞台と背景を用意できたのが本作の強さだ。
 この作品に登場するのは裏社会の面々なのだが、基本的に登場人物全てが殺し屋に関わる人たちで基本的に一般人が登場しない。むしろ物語上一般人が排除されている。
 それで完全に閉じた世界の中で物語が展開することになるのだが、そのためにものすごく話が単純になる。実際本作は、復讐に燃える主人公が悪人を一人一人血祭りに上げるだけの話である。それ以上は必要ないとばかりに割り切った話になってる。シン・シティ(2005)に近い演出だが、演出的にはこっちの方が絶対面白い。
 あまりに単純な話を映画一本に収めるためにどうすれば良いかというと、演出と人物描写で持たせる方法を採ったのが本作である。
 それは大成功と言えよう。
 現実離れした設定と、とにかく一々決めるポージング。そして徐々に怪我とかで肉体も服装もボロボロになりながらも格好良さを崩さないジョン・ウィックの姿。
 それが本作を唯一無二の作品にしているし、それだけ求めれば良い。他の余計な部分を全て剥ぎ取った、最も監督が作りたかったものがここにある。

魔進戦隊キラメイジャー

23話  復活した魔進ザビューンから、死んだと思われたマブシーナの母であるマバユイネはその記憶を王冠に移しており、まだ生きていると言われる。しかし家族思いのマバユイネがクリスタリア崩壊を知ったら本当に死んでしまうと言われ、マバユイネを騙すためにお芝居をしていると言い張ることになった。それに付き合うことになったキラメイジャーたち。

 敵はキンコ邪面。人間をコインに変えて頭部の金庫に収める。そしてキンカイリガニー。巨大な金塊の頭部を持つ邪面獣。顔から出る光線を浴びると相手が金になってしまう。
 死んだとばかり想われていたマブシーナの母マバユイネが生きていたという話。親を騙す話って、考えてみたら戦隊ものの定番の一つだ。最後はお芝居がばれてしまうのも定番だ。
 演技だとマバユイネを騙しながら戦わなければならなくなったキラメイジャーがすごく戦いにくそうに戦っているが、それぞれ結構楽しそうにも見える。
<今回はガドルもクランチュラも登場しないため、目的が今ひとつ分からなかった。ちょっとだけでも今回の作戦を説明して欲しかった。>
VOL.4
<A> <楽>
ランボー ラスト・ブラッド(2019)
<A> <楽>
この世界の(さらにいくつもの)片隅に 美術画集 <A> <楽>
2019「この世界の片隅に」製作委員会
16
読書
恋物語 化物語12
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 初詣で賑わう京都にいた“俺”貝木泥舟は突然戦場ヶ原ひたぎの連絡を受ける。気が向いたのでその話を聞いてやることにしたところ、なんと千石撫子という少女によって二ヶ月半後に殺されてしまうと言うとんでもない話を聞かされる。これまた気まぐれでその依頼を受けた“俺”は神となった少女を騙すために再びその田舎町に脚を踏み入れる。

 詐欺師貝木泥舟を一人称の主人公にした話。10話目で北白蛇神社の神になってしまった千石撫子の顛末が描かれる。卒業式に殺されるはずの阿良々木暦が翌年も生き残っているのが既に分かっているので、当然誰かが撫子を止めることは分かっていたが、それが貝木というのが面白い。
 いつも皮肉で斜に構えるばかりの貝木が意外に真っ直ぐに描かれてるのが面白い。
<A> <楽>

ウルトラマンZ

13話  地下から現れた怪獣に出撃するセブンガーとウインダム。だがこの二体では全く歯が立たず、ハルキはゼットに助けを求める。だがハルキの調子が悪く、ゼットも本調子が出なかった。

 敵は爆撃雷獣グルジオライデン。かつて地球に飛来した怪獣で、防衛軍監視下で地下で眠っていたが、突然覚醒した。実は何者かによって肉体改造を受けており、体の多くは機械が用いられている。
 前回の戦いで子どもを守っていたレッドキングの姿を見て以来、怪獣を倒す事にためらいを覚えるハルキ。結局今回は悩みっぱなしでゼットも本来の力を出せないまま終わった。結局グルジオライデンを倒したのはキングジョーストレイジカスタムの零距離射撃によるもの。ヨウコからは怪獣を倒すのは責任なのだから覚悟を決めるように言われるが、その言葉ではまだ覚悟を決めきれなかったようだ。でもそれで良い。
 シリーズでは時々ウルトラマンではなく人間の科学力で怪獣を倒す話も出てくるが、こんな話でそれを持ってくるのは珍しい。しかし確かにキングジョーは強いな。
 この世界で科学力が多少進んでいるのは、オーパーツによるもの。そのオーパーツとはかつて地球に落下して眠っていたグルジオライデンからのものもあるらしい。
 グルジオライデンは機械で体を覆っているので、純粋な意味での怪獣ではなく超獣と言うべきだが、この作品では雷獣という特別な名前が用いられている。
 キングジョーストレイジカスタムも体の分離機能は有していることが分かった。更に組み替えによってタンクモードにもなる。やっぱりかなりのオーバーテクノロジーだよな。
<キングジョーストレイジカスタムの兵器を用いる際、ヨウコは一々必殺技の名前を言っているが、あんまり必要無い気はする。
 ウインダムの腹に噛みついてエネルギー補給するグルジオライデン…エヴァ初号機か?
 キングジョーストレイジカスタムのコンソールを叩きながら「動いて動いて動いてよ」とか叫ぶヨウコもシンジ君みたい。>
バイオレンス・ボイジャー
<A> <楽>
私の家政夫ナギサさん
<A> <楽>
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映画
アルプススタンドのはしの方(2020)
 夏の甲子園。甲子園出場を果たした東播磨高校の一回戦が行われ、その応援のために一般生徒も応援に動員された。激しい応援合戦の最中、冷めた視線で試合を見つめる四人の男女がいた。試合を観ながらなんとなく雑談を始める四人。そんな中でも東播磨高校不利のまま試合は着々と進んでいく。

 本作は元々高校生の演劇の演目で、本作に登場する東播磨高校の演劇指導の教諭が演劇部のために書いたものが元になっている。それで高校の舞台の大会に出したところ、その出来があまりに良かったため、その後高校の枠を飛び出して普通の舞台劇として上演され、更にそれが映画になったという、ある種のシンデレラストーリーを経て映画化された作品。

 コロナ禍があって、なかなか映画にいけない時があったが、それは現在も影響があり、新作がなかなか入ってくれず、新しい映画で「観たい」と思えるものがそう多くないという事実。だから現在これまで新作映画を観に行っていた時間がなくなってしまい、数少ない名画座をチェックして古い良い映画を観に行ったり、自粛期間同様配信やあらかじめ録画した作品を観てたりするのだが、そんな中で、ちゃんと公開されていて、ネット上で話題になってる作品があった。
 普段なら新作映画のラッシュでスルーするような小品だが、他に観るものもないし、いっちょ行ってみるかという気持ちになって視聴。

 それでどうだったかというと、これは本当に行って良かったと思えた良作。
 正確に言うと、とにかく「刺さる」

 私同様これに「刺さる」人は決して少なくはないだろう。

 この作品に登場するキャラはみんな高校生の設定。そして高校生と言えば、一般的な感覚では部活動に一生懸命で、辛く苦しい部活動を経て、ある部は成果を出し、成果を出せなくても、友と共に乗り越えた思い出が残る爽やかなイメージがある。まさにそれこそ青春の一ページ。
 しかし少なからぬパーセントで、それとは無縁の人もいる。高校時代なんて早く時が過ぎれば良い。受験さえ上手くいけば自由になれるからなんて思いの下、高校生活をなんとなく過ごしてしまう人のことだ。それなりにいろんなことをやりたいと思っていながら、友人とくっちゃべったりゲームをしたり、勉強してさえいれば他のことはしなくてもいいという免罪符の下、これと言って特色のある高校生活を送れなかった人。
 こう言う人間は概ね、数十年も経ってから、「もうちょっと真面目にやってても良かったな」とか、「あの時、もうちょっと頑張ってれば今の生活も変わってただろうか?」とか、「勇気出してあの子と喋ってれば良かった」とか、いろんな後悔がやってくるものだ。
 ただ、後悔と言っても普通微かなもの。今の生活に概ね満足してる場合、「なるようになったんだ」と思ってそれで終わりとなる程度。ただ、折に触れそう思えてしまうことがあるという位の話だ。
 そんな訳で、高校時代にほんの少しの後悔があることを自覚している人間にとって、この作品はとにかく「刺さる」のだ。
 この作品に登場する四人の男女は、割と普通の高校生活を満喫しているのだが、それぞれに某か諦めてしまったものを持ち、それを「仕方なかった」という言葉で封をしてしまっている。それなりに充実した高校生活を送りたいという意識はあっても、それが出来てないことを「仕方ない」と諦めてしまっていた。普通の高校生である。
 しかし彼らの心にはまだ「もっとできるはず」という思いがリアルタイムでくすぶっていて、それが何かの拍子に出てきてしまう。特に充実した人間を見てるとその思いが甦ってきて、いたたまれない気持ちになってしまう。
 そのいたたまれない気持ちがずーっと続くのがこの作品の特徴
 そしてその気持ちは、高校生活に後悔を持つ人間にはいちいちそれが刺さる。つまり全編にわたって心にチクチク刺さってきてしまう。
 全編にわたってそういう演出が続くため、ずーっとチクチクした痛みを感じたまま観続けることになる。
 ただ、それで終わりにはならないのが本作の重要な部分。最後になってちゃんと救いがくる。この部分が重要だ。
 彼らは望んだ高校生活を送れなかったかも知れないが、それでも努力は無駄にならなかった。改めて仕切り直し、数年後にそれなりの人生を手に入れているし、再会の時に清々しい笑顔を見せている。
 諦めてるだけでなく、どんな時でも努力は報われると思わせるラストは上手くできてる。それも含めてラストはとても心地よかった。まさにちょっとだけ高校時代に心の痛みを覚える人には救いとなる一事であり、実にほっとする。

 系統としては桐島、部活やめるってよ(2012)に近いのだが、あの作品が心に「グサグサ」くるのに対し、本作は「チクチク」くる。丁度良い塩梅が素晴らしい

仮面ライダーセイバー

2話  突然青いライオンに乗った男、新堂倫太郎が神山飛羽真の前に現れた。飛羽真の持つワンダーライドブックと火炎剣烈火を渡して欲しいというのだが、飛羽真はそれを拒否。すると倫太郎は飛羽真をソードオブロゴスの本拠地ノーザンベースに連れて行くという。倫太郎の言葉を信じてノーザンベースに来た飛羽真にベースの主ソフィアが仮面ライダーとなることについて語り出す。

 敵はアリメギド。「アリかキリギリスアルターライドブック」から生まれた蟻型のメギドで、多数登場するが、それらを生み出す女王蟻を倒すと全員消える。そしてキリギリスメギド。キリギリス型のメギドで同じく「アリかキリギリスアルターライドブック」から生み出されたメギド。アリメギドよりは知能が高いらしく、アリメギドの女王を守っている。
 前回仮面ライダーセイバーに変身出来た飛羽真は剣に選ばれたため、仮面ライダーとして生きるかどうかを問われるのだが、即座に戦う事を宣言する。
 敵の目的は10年前に失われたワンダーライドブックの代わりとなるものを生み出そうとしているとのこと。
 そして現れる新しい仮面ライダーブレイズに変身する新堂倫太郎。最初から味方として登場してる。結構珍しい。
 思った以上に展開が早いというか、30分でやる戦隊ものの紹介を1時間かけてやった感じだ。変身アイテムも戦隊ものっぽさがある。
 まだまだ話は始まったばかり。なんとも判断できない。
<「僕は怪しくない」という怪しさ満点の男にほいほいついて行く倫太郎。この人、よくここまで普通に生きてこられたな。>
八王子ゾンビーズ
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M/村西とおる狂熱の日々 完全版
<A> <楽>
13
読書
パタリロ!5
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 世界中でダイヤモンドの盗難事件が頻発し、ダイヤ原産国のマリネラを調査しにきたバンコランとマライヒ。警備体制は万全だと太鼓判を押すパタリロだが、まんまと大量のダイヤを何者かに盗まれてしまった。半ば当てずっぽうで日本にヒントがあると考えたパタリロはダイヤを取り戻すために日本へとやってくる。

 初期の代表作とも言える「スターダスト」編。この話はアニメ版実写版双方で映画化されるほどの有名作品。
 昔読んだことがあって、てっきり2巻分くらいかけていたと記憶していたが、実際は丸1巻分も無かったんだな。パタリロが暴走しっぱなしなのにいつの間にか解決に近づくという作風が確立された話となる。
<A> <楽>

サンダーバードAREGO(3rd)

1話  脱獄を果たしたフッドはカオス・クルー姉弟を部下に従え世界中を混乱に陥れる。北極で破壊活動を開始したカオス・クルー姉弟を察知したインターナショナル・レスキューは事前に待機し、罠を張ることにする。

 第3シーズン開始。第2シーズンラストで脱獄したフッドが破壊活動を再開し、その対処で手一杯のインターナショナル・レスキューの様子が最初に描写される。話が話だけに、インターナショナル・レスキュー全員出動で見せ場もたっぷり。
 そんな中、GDFが開発した救助用ロボットが登場。今のところインターナショナル・レスキューのサポートに徹している。ブレインズはすっかりこれの改良に夢中になってる。 相変わらずゴードンが悪ガキっぽさ満点で、レスキューロボットに対して変に突っかかってるのが面白いが、気を許したらすっかり仲良しになってしまった。
 一方GDFの特別顧問となったケーヨはフッドおよびカオス・クルーについて調べ始めたが、軍人とはそりが合わずに反発してばかり。実際にケーヨの実力見せたらすっかり仲良くなってる。
 カオス・クルー姉弟の姉ハヴォックがあっけなく捕まってしまったが、これも作戦の内らしい。どうやら救助用ロボットとの関わりがあるようだ。
BOX
<A> <楽>
ラビング・パブロ
<A> <楽>
テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2019)
<A> <楽>
11
映画
ブライトバーン 恐怖の拡散者(2019)
 2006年。米国のカンザス州ブライトバーン。なかなか子どもが出来ず妊活中のトリ(バンクス)とカイル(デンマン)のブライア夫婦の農場に隕石のようなものが落ちた。それは小さな宇宙船のような乗り物で、その中には一人の赤ん坊がいた。この子を自分たちの子として育てることにした二人。ブランドン(ダン)と名付けられたその子はすくすく成長し、12歳の誕生日を迎えるのだが、誕生日前後からブランドンは少しずつ奇行に走るようになる。特に宇宙船を隠していた納屋に対して激しい興味を抱き、怒りを抑えられなくなっていく。更に超人的な力も持つようになる。トリとカイルは、そんなブランドンをどう育てるべきかと悩む。

 本作はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの監督を務めたジェームズ・ガンがディズニーとの次回作交渉に失敗して下ろされてしまった(交渉が続いて無事次回作の監督が決まったそうだ)時に企画として立ち上げたのが、もう一つのスーパーヒーロー作品だった。
 本作をヒーローモノして考えるならば、同じくスーパーパワーを持った存在が、ヒーローになったりヴィランになったりするなら、その違いがどこにあるのかということを考察したものになる。
 答えを言ってしまうと、スーパーパワーを持った人物の心の問題となる。悪い心を持ったらヴィランになるし、良い心を持ったらヒーローになる。その程度の単純なものだ。
 それで本作は人間を遥かに超える力を持った存在が邪悪な心に目覚めてしまったら?という話となっているのが特徴となる。
 それでヴィランつまり悪側のヒーローの誕生話となった訳で、その設定は面白かったのだが…

 私には全く面白いと思えなかった。
 こう言う設定の作品は好きだと思ってたのだが、全く駄目。糞面白くない。

 観た後でなんかもやもやしていたが、理由を考えてみた。
 最大の理由は、スーパーパワーを持つ子ブランドンが全く葛藤してなかったことになる。多分彼は何者から地上を混乱させることを目的に送り込まれた存在で、12歳の誕生日を迎えた時にそれが発動したということなので、葛藤する必要は無かったのだろう。だから最初からこうなることは決まっていた。しかし、それではプログラム通りに動くロボットと同じだ。折角の思春期という設定ならば、正義と悪の間で心が揺れ、その結果として悪の道へと進みなら良かった。しかし全くそれがないのが興ざめである。
 しかもその前提として、12歳に至るまで両親から愛情いっぱいに育てられていたというのがあって、両親としてはたまったものじゃない。それまで愛情を注ぎ込んで成長を楽しみにしていたのに、完全にそれが裏切られてしまい、そのフォローが全くないまま終わる。両親の方は愛する息子を殺さねばならないと葛藤するのだが、その心境が伝わってきて辛い。この作品は親の目から見ているため、最後に絶望だけで終わるのを見せられて胸糞悪い。
 結局私が本作を受け入れられないのはそれが全てなのかも知れない。親の目から本作を観ると辛すぎる。心が痛くなっただけで快感がなかった。それだけだ。
 同じような設定を言うならば「スティッチ」や「ドラゴンボール」もあるが、話はそっちの方に持って行った方が盛り上がる。オチもひねりもない本作は完成度としてどうにも低く感じる。

 あと、もう一つ難点を言わせてもらおう。本作の物語そのものは二つの映画から来ている。一つはスーパーマン(1978)でもう一つがオーメン(1976)となる。奇しくも両方監督はリチャード・ドナー。この二つの作品をミックスしたのが本作なのだが、ミックスと言うより、単に無理矢理くっつけただけと言った感じで、元ネタが分かりすぎるのでパクりにしか見えない。もうちょっと上品な料理の仕方があったんじゃなかろうか?この監督、ドナー監督になんか恨みでもあるのか?

魔進戦隊キラメイジャー

22話  ヌマージョの呪いが発動したマブシーナの命はあと僅か。未だ二つしかカナエマストーンは得られておらず、マブシーナ救出は絶望的かと思われたのだが、カナエマストーンの一つリバーシアは時を超えることが出来ることが分かる。そこで時を遡り、呪いを掛けたヌマージョを倒そうと考える。

 敵はモーターボートバスラ。地中を自在に動ける邪面獣で、キラメイオーとギガントドリラー相手にも圧倒的な力を発揮した。
 過去に戻るという話で、割と昔の戦隊ものではよくあった。昔のはかなりいい加減なものだったが、この作品ではかなりきちんとその辺は考察されている。過去を大きく変えるとキラメイジャーが誕生しなくなる可能性もあるとして、基本的に歴史を変えず、ヌマージョの体液だけを回収する事になった。
 ただそのヌマージョも強すぎて、キラメイレッド一人では到底体液の付いたカップを回収できず、敢えて毒液を吐かせてそれをキラメイソードに付着させて回収。
 これによってどんな呪いも浄化できるアクアキラメイストーンが復活。魔進ザビューンが登場した。魔進ジョーキーの代わりにキングエクスプレスと合体してキングエクスプレスザビューンが登場した。
<オラディン王たちを足止めしようとする為朝と瀬奈はベチャットの格好をして現れるが、その際の台詞は「ベチャット参上。ベチャット妨害」だった。この作品対象年齢高すぎないか?
 全開に続いて登場したモーターボートバスラはちょっと強すぎる。伏線なしでいきなり強いのが出てくるのは不自然。>
VOL.4
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ブラック アンド ブルー
<A> <楽>
レ・ミゼラブル
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09
読書
闇への迷走
アルトゥル・シュニッツラー (検索) <amazon> <楽天>
 ウィーンに住む裕福な家の次男ローベルトは少々塞ぎ気味な性格で、日々鬱々として日常を送っていた。そんな中、ローベルトを気遣う兄を初めとする人々の交流に時に救われ、時に傷つきながら生活していく。

 これも一種の鬱小説。まるで白樺派のような作風だが、それでしっかりと読ませてしまうのが小説家としての実力なのかも。
<A> <楽>

ウルトラマンZ

12話  ハルキは亡くなった父の命日に実家に戻っていた。そんな時に地中から怪獣が現れ、ストレイジが出撃する。実家からすぐにウルトラマンゼットとなって出撃するが、そこに現れたレッドキングの素行がおかしいことに気づく。

 敵はどくろ怪獣レッドキング。工事現場から現れた怪力の怪獣。その子どもも登場する。
 先に鹵獲したキングジョーを用いた作戦が展開する。活動限界がセブンガーやウインダムとは桁違いで、充分ウルトラマンと一緒に戦えるのだが、反応速度が良すぎてパイロットの方が振り回されてしまう。
 今回登場したレッドキングはシリーズでは定番の怪獣だが、なんと卵を守る両親だった。かつて怪獣から市民を避難させる際に命を失った父親の姿にそれが重なるのだが、それを倒さなければならないハルキの苦悩もあり。
 又人間を襲うかも知れないレッドキングを守ってしまったゼット。ここからどのような決断を下すのかというところで次回に続く。
<バロッサ星人から鹵獲したキングジョーの新たな武装に「ペダニウム」が付くんだが、キングジョーがペダニウム星人に作られたことは分からないはずだよな?そもそもオーバーテクノロジーの固まりなんだから戦闘に使うのはまずいんじゃないか?
 ヨウコは相変わらず「シュミレーション」と言ってる。なんで直らないかな?
 子どもの目の前でウルトラマンに変身してるけど、見られてないのかな?>
15年後のラブソング
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シェイクスピアの庭
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08
映画
クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014)
 ぎっくり腰になってしまって整体に行ったひろし(藤原啓治)は、帰った頃には見違えるほど健康になっていた。それどころか人間離れした動きまで出来るようになっており、しんのすけ(矢島晶子)は大はしゃぎ。ところが数日後、ひろしは自分が機械の体になっていることに気いてしまう。

 年ごとに随分出来が違い、良い時もあれば悪い時もあるという、安定しない作風の本シリーズ。その中で近年希に見る傑作となったのが本作である。少なくとも私にとって、この作品は原恵一の関わったシリーズ初期シリーズ以来では最も面白かった作品だった。
 オープニングで映画内アニメーションのロボット大戦のシーンなんかは最高で、これだけでぐっと引き込まれてしまう。特に戦いの中でドリルを細かく解説してくれるなんて嬉しくなるような演出してくれる。ロボットアニメや特撮に対して並々ならぬこだわりを感じさせるこのシーン観ただけで居住まいを正したくらいに引き込まれた。
 内容も、しんのすけの父ひろしを主人公とする骨太内容で、これが又良い。
 脳天気な行動が魅力なしんのすけとは異なり、常識人で承認欲求が高め(つまり甘えん坊)なのに、家長であると踏ん張っているオーディナリーピープルの典型例として描かれる事が多いが、一旦個性を出すとなかなかに魅力的になるひろしの魅力が全開と言った具合。どれも身につまされるために笑えるし泣けるし、感情を揺り動かされる。
 しかも本作は完全にひろしの思考をトレースしたコピー体が自分自身を知った辺りで、大変残酷な話へと向かって行く。ひろしが倍になったことで、ますます鬱陶しくも魅力が増していった。
 ここで描かれるひろしは夫として、父としてのジェンダーロールだけでなく、この世界に居場所があるのかどうかという個人的なアイデンティティーの問題にも直面させられる。通常の生活ならば酒でも飲んで憂さ晴らしをするか、自分はどうせ駄目な人間だと開き直れば良い問題なのだが、有能で理想的なロボットの自分が目の前にいて、それと競わねばならなくなり、追い詰められ逃げ出せなくなる。
 一方でロボットのひろしも、自分がコピーに過ぎないと知ってしまって以降は、この世界に留まるためには自分の有用性を周囲に証明し続けなければならなくなる。
 自分の居場所を確保するために競う二人はコミカルだが、自分自身を証明するというのはかなり厳しい物語ともなる。
 流石にこども向けの作品なので、それをこれ以上は深めず、中盤以降は小物の敵を出すことでうやむやにしてしまっているが、このくらいの小物さが本作では丁度良かったくらい。行動の外しっぷりもほどよし。
 そしてラスト。これは泣ける。ひろしとロボひろしの決着の行方と、自分は何故ここにいるべきなのかということを逃げずに描いてくれたのは上手い作り。
 しばらく『クレしん』の映画から遠ざかっている人にこそ観て欲しい、大人がはまる作品であろう。

 尚、本作のひろし役の声優で2020年に亡くなった藤原啓治は本作が最後の主演作となった。そういう意味でも観ておくべき作品かと思われる。

仮面ライダーセイバー

1話  かつて不思議な世界の崩壊を目の当たりにした記憶を持つ神山飛羽真。小説家としてそれなりに売れている飛羽真は、その夢を見る度に、自分は何かをしなければならないという思いを新たにしていた。

 敵はゴーレムメギド。「岩石王ゴーレムアルターライドブック」から生み出されたメギド。岩石や土を自在に扱う。最初に登場したメギドとなる。
 新たな仮面ライダーの始まり。主人公は小説家で本屋の経営者ということで、多少精神年齢は高め。主人公はこれまでの作品と較べてちょっと年齢は高いようだが、夢見る青年と言った感じ。
 戦いは現実と異世界を行き来しながら戦うと言うもの。第1話の本話では異世界に閉じ込められてしまった人々を救っていいる。変身とかも相当派手だし最初から剣で戦ってるし、必殺技を叫んでる。ノリ的には戦隊ものっぽいし、少し視聴年齢は低く設定されてる感じ。
 ただ、この設定はそう長くは続かないような気はしてる。
 異世界は本の中の世界となるため、ページをめくって別の舞台にすれば全く別の世界での戦いとなるのも面白い。往年の宇宙刑事みたいだ。
<神山飛羽真はかなり熱いキャラだが、生身で怪人に立ち向かうなど、ちょっと現実離れしたキャラでもある。あと全体的に滑舌が悪い。>
小津映画の日常―戦争をまたぐ歴史のなかで― <A> <楽>
朱 宇正
がんばれ! チョルス
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06
読書
風と木の詩1
竹宮惠子 (検索) <amazon> <楽天>
 19世紀フランス。コンブラード学院にセルジュという少年が転入してきた。浅黒い肌を持つセルジュに蔑みの目を向けるものもいたが、彼は持ち前の不屈の精神で偏見を取り除いていく。そんなセルジュの前に現れたのはジルベールという少年だった。まるで女性のような容姿を持つジルベールは、学園の多くの男達に身を任せ、それで特権のような振る舞いをしていた。そんなジルベールと同じ部屋で寮生活を送ることとなるのだが…

 元々耽美が苦手で、タッチも肌に合わないということで実はれまでに本作には一切触れてこなかった。少し勇気を出して読み始めたのだが、やっぱり読みにくい。一冊読むのに本を一冊読むくらいの労力がかかる。しかし面白い。耽美系ではなく、本作は思春期の少年の感情を正面から描いた作品なのだな。
<A> <楽>

怪奇大作戦 ミステリー・ファイル

4話  都市部でバラバラ死体が見つかった。手口からそれはカマイタチによるものだと見られ、SRIに調査依頼が来る。何者かによる人工的に作られた風ではないかと分析する牧だが、そうしている内、今度は人間の身体を高温化させて爆発させるという新たな事件が起こる。叩き上げの刑事飯田橋は牧に疑いの目を向ける。

 自然現象に見せた殺人事件という、まさに本作を表すような展開。それが複数出てきて、しかもそれを全て分析していく牧が疑われていく。犯罪を分析するのがあまりに楽しそうで、しかも「美しい殺し方」の異常なこだわりを口にする。牧の危ない側面がクローズアップされている。
 当然SRIでは牧を守ろうとするのだが、牧の部屋にあるものが物騒なものだらけ。これまでのシリーズの中では最もやばいキャラに仕上がってる。
 ついには牧は容疑者として警察に身柄確保されてしまったが、警察の中でデータだけで犯人を割り出していた。まるでハンニバル・レクターだ。
 今回は的矢が名言連発。牧が犯罪者にならないで済むのは彼女が正気を保たせているかららしい。
 今回の犯人はついに顔を全く見せず、最後は自らの開発した殺人機械を用いた焼身自殺で跡形もなく消え去った。最初から自殺を念頭に、最も美しく死ぬためにどうするかを考え抜いた結果だった。まさにその思考は牧のものと一緒。しかも本当に信だかどうかさえ分からなくなっていく。
 飯田橋役は永瀬正敏だった。特撮は映画を除けば生物彗星WoO以来か。
BOX
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ルース・エドガー
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イップ・マン 完結
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05
映画
海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019)
 尾道に古くからある映画館瀬戸内シネマが今晩で閉鎖される。最終日はオールナイトで「日本の戦争映画大特集」が上映される。その映画のために集まった人々の中で三人の若者、映画館の看板娘希子(吉田玲)に惚れ込んでいる馬場鞠男(厚木拓郎)、鳥鳳介(細山田隆人)、団茂(細田善彦)にが映画の中から発せられた閃光を目にした途端、画面の中に吸い込まれ、
様々な時代に放り込まれる。そこには希子もいたのだが、彼女は何度でも全く違う人物として彼らの前に現れてくるのだった。

 華々しいデビューと共に、低迷にあえぐ80年代の映画を牽引してきた、日本を代表する映画作家大林宣彦。2016年に肺がんが発覚して以降、闘病生活を送りながら『花筐』を監督。生きている間に完成は不可能と言われながら見事に映画を完成させた。その後は再び闘病生活に戻っていたと聞いていたが、2020年4月にお亡くなりになったと聞いた。
 その際、意外なことを聞いた。まだもう一本の映画を作っていたというのだ。まさに真の意味での遺作の作品がこれから世に出る。
 これだけで劇場で観るには充分な理由となるだろう。
 だが公開直前に新型コロナウイルスの蔓延によって映画館も閉鎖され、いったいいつになった観られることやらとやきもきしていたが、なんとか映画館も再開できたので、ほぼ真っ先に観に行った。

 本作は一見脈絡がない夢のような作品である。一種のファンタジー作品と言って、間違いはない。映画の中に入り込んで以降、時代も場所も関係なく、主体すらコロコロと変わりながらどんどん話が展開していく。悪く言ってしまえば、本当に脈絡がなく、単に目の前に流れる映像についていくだけになる。はっきり言うが、本作は映画の体裁を取ってない。どっちかというと前衛の舞台劇みたいな作品だ

 しかし、それを“味”と見るなら面白さが出てくる。
 三点ほど面白い部分が見える。
 第一点としては、日本の映画監督がみんな辿る道であるという事。概ね映画監督というのは最晩年の作品と言うのはどこか似た傾向を持つようになる。それは現実世界と死後の世界がどんどん近づいてきて、その境が曖昧なものになっていく。特に最晩年まで映画を作り続けてきた監督にそれは顕著で、例えば黒澤明のまあだだよ(1993)とか新藤兼人の一枚のハガキ(2010)なんかがまさしくそんな感じだろう。まだ生きていて、新しい映画作りに燃えている宮崎駿の風立ちぬ(2013)なんかも傾向としてはまさしくそんな立場にある。「幽明境を異にする」という言葉が作品にも現れてくる。
 そんな立場に立ってみると、本作はまさしく監督にとっての遺作に相応しい作品と見ることが出来るだろう。巨匠と呼ばれる日本映画の重鎮の遺作。それだけで本作は意味がある。
 第二点として、死者と生者の交流というのは大林監督にとってのテーマの一つだったという…。それこそデビュー作のHOUSE ハウスの時から死者と生者の交流の話を描いていたとが、さびしんぼう異人たちとの夏、そしてあしたと、どれも死と生の境目が曖昧で、死者と生者の交流がなされている。最後の作品はそのテーマに沿ったものと考えれば、これもやはり監督の遺作としてはふさわしさを感じるものだ。
 そして三点目になるが、これは監督の愛情を感じられると言うことだろう。映画監督の大部分はそうだろうが、映画そのものに対して深い愛情を込めている。主人公の名前が馬場鞠男というのもなんとも面白いが、なんでもこの名前は監督が元々変名として考えていたものだったとか。マリオ・バーヴァがそんなに好きだったのが不思議と言えば不思議で、一方でなんかストンと納得できる気もする。そして、広島に対する愛の深さも。尾道三部作を作っているだけに監督は尾道が大好きだが、故郷の広島にたいして大きな愛情を持っていたことが本作からも伝わってくる。広島を描くなら原爆とは切り離せないが、その原爆を直接描写したのは監督では初となるだろう。それは最後の最後の締めくくりとして、広島愛を語るために必要なパーツだったのかも知れない。

 総じて言うなら、本作は純粋な愛と、これまで監督が培ってきた様々な要素をまとめずに一本の映画に押し込めたような作品と言えるだろう
 それだけにこれはまさしく遺作と呼ぶに相応しい作品だと言える。

魔進戦隊キラメイジャー

21話  二つ目のカナエマストーンのありかを突き止めた宝路。だがそこでは既にストーンが掘り出された後だった。そんな中でヨドン反応があり、駆けつけたキラメイジャーだが、邪面師は見当たらないのに、そこにいた人たちが何かに引っ張られるように天の彼方に飛ばされてしまう。更にマブシーナの目にヨドンの紋章が浮かび上がり、苦しみ始める。

 敵はツリザオ邪面。空中のヨドン空間に隠れ、そこから釣り針を垂らしてそれにかかった人間を釣り上げる。カナエマストーンリバーシアの力で時を超えて釣りをしていた。そしてモーターボートバスラ
 前に宝路が言っていたマブシーナに対する呪いが発動。まだ完全ではないが、7日後に死ぬと言われている。
 マブシーナの病状を癒やすためには7日で残り三つのカナエマストーンを見つけねばならなくなった。なんか『アベンジャーズ』を思わせる展開だ。今回で一つは見つけた。あと二つ。
<ツリザオ邪面によって翌日から連れてこられた人はちゃんと帰れたのだろうか?その描写もないし、それが出来たのかも分からない。一日くらいだと別に良いのか?>
VOL.4
<A> <楽>
機動警察パトレイバー 後藤喜一ぴあ <A> <楽>
デンジャー・クロース 極限着弾
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02
読書
夢小説
アルトゥル・シュニッツラー (検索) <amazon> <楽天>
 ウィーンに住む真面目な医師フリドリンは、忙しい生活の中徐々にストレスが溜まっていることを自覚し始めていた。そんな時、友人からウィーンにあるという秘密クラブの存在を教えられる。好奇心からそのクラブに潜り込んだフリドリンが味わった恐怖とは…

 アイズ ワイド シャット(1999)の原作。なんだかよくわからない悪夢のような作品。ただ、特徴的なのが全編を覆う鬱的な雰囲気で、この憂鬱な描写こそが著者が支持される理由なのだろう。
<A> <楽>

仮面ライダーゼロワン

45話  或人と滅が変身した二人の仮面ライダーアークが激突する。お互いに死力を尽くした戦いだったが、それを見守るアズは不気味な笑顔を見せていた。

 敵は仮面ライダーアークスコーピオン
 最終決戦は滅とだが、この戦いは世界の滅びの序曲。このまま殺し合いが続けば、人類とヒューマギア双方から仮面ライダーアークが生まれ続け、やがて世界は滅んでいく。或人はその事を知っていながら、それでもイズの喪失に耐えられずに心が病んでいくのを止められないために、アークの装甲を滅に滅ぼしてもらおうとした。前回或人が父其雄と出会ったことでそれを悟ったという。
 そして或人は最後に改めて仮面ライダーゼロワンに変身。ライジングホッパーと姿はあまり変わらないが、リアライジングホッパーという。最後にシンプルな変身になる展開は良いね。
 その後は後日譚。或人は誰もが認める飛電インテリジェンスの社長としてヒューマギア事業拡大を宣言。天津垓はさうざーに囲まれAI事業への展開を開始。唯阿はエイムズ隊長として、隊員となった亡を率いる。諌は変身能力はないが、「街の仮面ライダー」として活動中。滅と復元された迅はアークの復活を見張る役へ。そして一から再構築されたイズはラーニングしながら或人の下で働く。
 ただ、物語はまだ終わってないようで、生き残ったアズは新しいプログライズキーを何者かに与え、彼が新しい仮面ライダーに変身している。「続きは劇場で」かな?
VOL.8
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リドリー・スコット(仮) (シリーズ 映画の巨人たち) <A> <楽>
佐野 亨
ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語(2019)
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01
映画
ペット・セメタリー(2019)
 都会での生活に疲れ、広大な土地と家が格安で売られている田舎町へと引っ越してきた医師のルイス(クラーク)。概ね満足した生活を送っていたルイスだが、ある日家の裏に広がる敷地の森の中には動物たちを埋葬する墓があることを知る。隣人のジャド(リスゴー)からは森の深部に近づかぬよう警告される。

 スティーヴン・キング原作で、割と純粋なホラー小説「ペット・セマタリー」は、かつてペット・セメタリー(1989)として一度映画化された。
 続編が作られる位なので、それなりに評価が高い作品だと思うのだが、私はこの作品が思い浮かべたくもないくらい嫌いだった。理由は既にレビューで書いているけど、ラストシーンの改変がどうにも受け入れられなかったのだ。
 それから30年の時を経てリメイク作が作られた。期待度はどうかと言うと、それなりにあった。なんせ2019年にはIT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019)ドクター・スリープ(2019)があり、そのどちらの出来も良かった。2019年はキングの年と言っても過言ではない。それにイメージビジュアルで動物の頭をかぶった子ども達が練り歩く幻想的なシーンがあって、これは期待できるような気はしていた。
 それで実際に観た感想だが、まず一通り観て思ったことは、これこそが本来正統的なホラー作品であり、著者のキングもこれならOK取るだろうということ。
 だが一方では、この程度のものにしてしまったかという失望感もある。真っ当なホラーとして仕上げると、別段「ペット・セマタリー」でなくても良くない?という思いがふつふつとわき上がってくる。
 キング原作作品が失敗するのは大概雰囲気作りの失敗と心理描写の不足によるもの。文章だから出来る膨大な描写と心象風景が映像化しにくいのだ。そこまで描けた作品はほとんどない。
 本作の場合キング作品と言うより、昔懐かしい古いホラー描写とか、「サイレントヒル」とかのゲームの雰囲気の中みたいな感じで、静かに静かに展開していく物語が雰囲気としては合っていると思うのだが、それがキングの作品としていけるか?と言われると、ちょっと難しかったかな?
 キングの特徴を敢えて使わないことで、作品としての完成度を高めたと考えれば好意的にも取れるし、「最初から映画化無理」という感もあり。

 IT/イットおよびドクター・スリープが上手く出来ていた分、相対的に本作は出来が今ひとつに感じてしまうが、純粋なホラー作品としては結構悪くない。それ以上でもそれ以下でもない作品と言ったところ。原作に合わせるにせよ離すにせよ、もう少し頑張ってほしかった。

ウルトラマンZ

11話  ウルトラマンゼットの案内でこれまでのハルキとゼットの戦いを振り返る総集編。他にいくつかの劇場版からの引用もある。
<回想シーンでジャンボットが登場してる。その操縦者であるナオが浅倉リクとそっくりなんだが、それについては何も言ってなかった。>
三池崇史 初期傑作選 黒社会三部作
<A> <楽>
三池崇史監督によるバイオレンス、アクション、ヤクザ初期作品のBOX。劇場デビュー作となった新宿を舞台にしたバイオレンスムービー『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』ほか、『極道黒社会 RAINY DOG』『日本黒社会 LEY LINES』を収録。
amazon紹介文より
VOL.4
<A> <楽>