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2020'03

 
31
映画
ラストレター(2019)
 自殺した姉の未咲の葬儀のため実家に帰省した岸辺野裕里(松たか子)は、姉の娘鮎美(広瀬すず)と再会する。母を失ったショックから立ち直れない鮎美のために裕里の娘颯香(森七菜)が実家に残ることとなり、野裕里は姉の死を告げるために姉の同窓会に出席する。そこで初恋の人小説家の乙坂鏡史郎(福山雅治)と出会う。未咲本人と勘違いされたまま連絡先を交換するのだが…

 常に非常に繊細な作風で知られる岩井俊二監督はこれまでも監督ならではの独自路線の作品を作り続けてきた。その世界観に浸るのも楽しいので定期的に観たくなってくるものだが、この監督の何に惹かれるのか?と尋ねられたら、私の中に今も存在するアドレッセンスの部分なんだと思う。監督ももう還暦前のはずだが、ここまで繊細な思春期的な感覚を未だに持ち続けているのが素晴らしい。
 本作についてはその瑞々しい感覚と、ヴェテランらしい堂々たる構成に相まって、これまで以上に完成度が高く、どの年齢層が観ても涙流せる作品に仕上がってる。

 この作品には二つの時代で物語は展開する。
 高校の描写で、やりきれない感情を鬱屈させたり時に爆発させたりするところは、まさに旬の役者に演じさせたことで見事なものになった。浮ついたところのないどっしりした演出は、浮ついた青春映画とは隔絶した見事さを見せつける。本当に久々に私が理解出来る青春映画に出会った感じだ。
 一方中年になってしまった主人公達の生活もちゃんと生々しいところがあって、青春時代に対比される現代のの対比も良く、特に不満がある訳ではないが、味気なく、なんとなく過ごしている今が、過去とつながることでどんどん変化していくのも良いし、それでちゃんと現実に着地地点を持っているところも実に良い。
 人の感性というのは年齢を重ねるにつれてどんどん劣化していくのだが、なんかの拍子に不意に新鮮な感覚の扉が開かれる。そこで打算的な考えから、採算度外視のお節介へと変化していく。それをちゃんと納得できるように描いてる辺りも監督の上手さだろうな。
 放っておくと溜まりっぱなしで解消できない悪感情を表面化させることで乗り越えていく過程を丁寧に描いているので、ちゃんと現実に戻りながら、新しい一歩を踏み出してると思えるラストシーンも沁みる。

 1995年に監督が作ったLove Letterと対応するような作品とも言えるが(共通する出演者も多々)、そのどちらも監督にしか作れない上手さを感じさせてくれる。

 ただ、いくつか気になったところもある。特になんでお父さん役が庵野秀明なの?というのが一番だろうか?そりゃ一度式日-SHIKI-JITSU-に岩井監督がに出てるから、そのお返しなのかも知れないけど、それだってもう20年前だよ。それで漫画家という設定のお父さんが描いてる絵がなんで鶴田謙二?浮気を疑ったお父さんが当てつけに買った犬がボルゾイの成犬?あれはそう簡単に買える犬じゃないんだぞ(子犬ならともかく成犬は誰かから譲られない限りは手に入れられない)。
 …キャラで気になったのが全部庵野秀明関連だな。この作品にはどうにもやっぱり浮いてしまったんだな。
 あと、たぶんクレーン撮影ではなくドローン撮影を多用してるようだけど、ドローンで撮影すると、単にズームで味気なくなるので、やる度に気持ちが萎えてしまうのが残念。あの演出だけなんとかなれば満点。

仮面ライダーゼロワン

28話  ヒューマギア自治都市構想を巡る演説合戦で、MCチェケラの暴走を目撃した人々はヒューマギア不要論へと傾いていた。そんな中現れた仮面ライダーバルカンに天津垓はゼロワンを攻撃するように命令すると、自分の意思とは関わりなくゼロワンを攻撃してしまう。

 敵は仮面ライダーサウザーファイティングジャッカルレイダー
 やはり不破諌がもう一人の滅亡迅雷ネットだった。諌自身は人間だが、仮面ライダーに変身するためのチップを脳に埋め込まれている。そのチップこそが滅亡迅雷ネットの亡だったことが発覚した。なるほどそう言う事だったか。同じくチップ埋め込まれている唯阿は自分の意思で会社に従っているとは言っているが、その精神は揺れている。今回に関しては完全に諌が主人公だった。
 ただ、その真実を知って抵抗する諌は亡のチップをねじ伏せ、ランペイジバルカンに変身する。サウザーとファイティングジャッカルレイダーの二体を同時に相手にして完勝してる。
 そしてヒューマギア自治都市構想の投票が行われ、ザイアの勝利となった。これによって自治都市構想は白紙となり、飛電はザイアの子会社となってしまう。社長には垓が就任し、或人は自主退職して会社を去ってしまう。
<或人の主張は、ヒューマギアは人間の鏡のような存在だという。それは良いんだが、その主張だとヒューマギアの暴走を止められないという根本的な問題がある。>
VOL.5
<A> <楽>
ウォッチメン(1st)
<A> <楽>
バッドボーイズ フォー・ライフ
<A> <楽>
29
読書
フェチップル1
るり原ズラチー (検索) <amazon> <楽天>
 重度の髪フェチの柚原太津は、ある日飲み屋で理想的な髪の女性初島言花と出会う。実は太津の背中に惚れ込んでしまったという言花と酒の勢いで意気投合してしまい、気がつけば自宅に連れ込んでしまっていた。髪フェチと背中フェチの妙な出会いから始まった二人が恋人として付き合い始めることになる。

 ちょっと前にフェティシズムについて一文書く機会があって、その際に知った漫画だが、いざ読んでみると、とっても変なラブコメに仕上がってる。あくまで本作はデフォルメされたコメディだが、フェチというのは本当に沼だということを感じさせてくれる。
<A> <楽>

サンダーバード ARE GO(2nd)

16話  ペネロープは軌道上のソーラー・エネルギー・ステーションを視察していたが、彼女の見ている前で暴走を起こしてプラズマボルトをまき散らしてしまう。たまたまその下を通過中の飛行機が直撃を受けてしまう。

 無茶なことをやった人がとんでもない事故を起こしてインターナショナル・レスキューがその尻拭いをするといういつもの話。今回の出撃は1号と2号で、事件の渦中にはペネロープとパーカー。安定した豪華な話となった。高圧の電磁波に曝されたため、1号と2号のどちらも動けなくなってしまうこともあり。
 飛行機の中にはパンダがおり、初めて生のパンダが見られるとはしゃぐゴードンの姿がある。それが伏線になっていて、パンダを助けることがこの話の肝となる。
 2号にはゴードンを乗せており、飛行機救出はゴードンの役割かと思われたが、実務の方はバージルがやっていた。バージルのアクションは結構珍しい。連絡用パイプを使った作戦は失敗し、飛行機の後部をぶった切ってパンダのコンテナを手動で2号コンテナに押し込むという無茶な作戦を行っていた。
 一方のペネロープは人間が入れないほどの熱を持った通路の先にあるボタンを押さねばならなくなり、通信機を投げてストライクを取ってる。その後に活躍するのはパーカーの方だが、ぼやきっぱなし。
 ソーラー・エネルギー・ステーションのエンジニアは「この会社はフィシュラー産業よりはまし」と言っていた。9話と11話に登場したランストロムの会社だが、そんなに酷い会社だったのか。
アリバイ崩し承ります
<A> <楽>
VOL.11
<A> <楽>
28
映画
ジョジョ・ラビット(2019)
 ヒトラーユーゲントに憧れる少年ヨハネス・ベッツラー(デイヴィス)は“ジョジョ”と呼ばれ、皆から馬鹿にされていた。大戦末期に行われた子供用の軍事訓練では捕獲した兎を殺せという命令が行えず、「ジョジョ・ラビット」という渾名まで付けられてしまい、更に手榴弾の投擲訓練で足下で手榴弾を破裂させてしまって大怪我を負ってしまう。そして入院から帰った自分の家で、ジョジョは母ロージー(ヨハンソン)が屋根裏にかばっていたユダヤ人の少女エルサ(コール)を発見してしまう。

 第二次世界大戦末期のドイツを舞台に、一人の少年の目からドイツの敗戦を見る作品。
 この作品、予告だけで既に勝利していた。見た目から面白そうで、設定も豪華。これで成功しないはずはない。
 本作の特異な点はいくつも挙げられる。
 ・これまで世界大戦時のドイツを描いた作品は多かったが、いわゆるヒトラーユーゲントについて描かれた作品はほとんどない。少なくとも私にはサウンド・オブ・ミュージック(1965)でちらっと登場した青年以外思いつかない。最近テレビのドキュメンタリー番組でその実態のインタビューがあって、良い映画の素材があるじゃないかとぼんやり思っていたこともあって、ぴったりだった。
 ・母親が反動分子で、帆船運動家として戦っているという事実。息子がゴリゴリの国粋主義に洗脳されている中、愛情と主義の間で揺れる家族関係。
 ・屋根裏に住んでいるユダヤ人少女のエルサとの交流によって、ユダヤ人に対する差別構造と好意のはざまを体験すること。
 ・イマジナリーフレンドのアドルフ(監督のワイティティが演じてる)との親友関係と、その別離を通して成長すること。
 ・子どもならではのコミカルさを演出した、コメディである事。

 どのテーマを取っても単独で映画にできそうなネタだし、何より子どもを主人公にしたコメディタッチの作品ということで、この設定だけで凄く面白そうな作品に思えた。

 ところが、実際に映画で観ると、その辺の設定が上手く活かされてない感じ。
 いろんなネタは詰め込んでいるものの、どれも深まらずに表層的に終わってしまうし、重みが感じられない。概ね散漫な物語に仕上がってしまい、ちょっと詰め込みすぎたかな?というのが正直な感想となる。
 ヒトラーユーゲントに憧れるジョジョという設定にしても、早々に退場させられた上に、本人にそこまで執着心が感じられなかったため、中盤以降はジョジョは普通の子どもでしかなくなってしまってたし、母親とのやりとりも深まらなかった。最も心に残るはずの母の死が全然涙腺を刺激しない。エルサとの交流も薄っぺらくて、もう少しなんとかできなかったか?イマジナリーフレンドであるアドルフはジョジョにとっては自分の将来を示してくれる大切な存在のはずだが、それが感じられないし、コミカルさも上手く機能してない。

 結果として「子役が可愛かった」というだけしか印象に残らないままだった。

 脚本にもっと練りが足りなかったのではなかろうか?これだけ素晴らしい設定を設定したのに、雑然とした作品にしてしまったのが勿体ない。設定の良さを支えるだけの物語強度がなかったのが残念である。作りようによっては映画史に残る作品にもできたのに。

魔進戦隊キラメイジャー

3話  テレビドラマのトップスターとしてインタビュー受ける押切時雨は「男のやせ我慢」こそが美学と言っていた。その番組を見た充瑠は、我慢することが良いとは限らないと考える。そんな時に万力で人々の頭を締め付けるマンリキ邪面が現れる。

 敵はマンリキ邪面。見えない万力を人々の頭を挟み付ける邪面師。頭部のハンドルを回して万力を締めたり緩めたりできる。そしてマンリキシェルガ。マンリキ邪面のデータを元に登場する巨大な邪面獣。相撲取りのような突き出しで攻撃する。
 今回はキラメイブルーの押切時雨が充瑠のリーダーを認めるという話。時雨自身は決して自分の弱さを見せようとしなかったが、仲間には弱さを見せても良いと考えるようになった。キラメイジャー俳優の中では時雨役の水石亜飛夢が一番演技が上手いが、既に特撮は牙狼 GARO 魔戒ノ花(第4期)でクロウ役演ってることもあるので、演技の基礎はできてる。
 充瑠は仲間の心をほぐして自分でも意外な面を出すことができるのが力だとか。それがリーダーの力と言われるとその通り。
 邪面師と邪面獣は別々な存在のため、同時に出現することもできる。等身大戦と巨大戦が同時に行えるというのは新しい展開となりそうだ。
 巨大戦ではついに5体のキラメイ魔進が合体してキラメイジンが登場。これも充瑠のイメージで誕生した。
 時代劇の撮影風景もあるが、大がかりなセットじゃないのがリアル。頭に万力を付けたまま撮影続けてる風景はかなりシュールだけど。
VOL.1
<A> <楽>
ジョジョ・ラビット(2019)
<A> <楽>
恋はつづくよどこまでも
<A> <楽>
27
映画
フランチャイズ映画
第1位 MCU $13,507,520,710
第2位 スター・ウォーズ $8,712,974,106
第3位 ハリー・ポッター $8,532,684,345
第4位 007 $7,077,929,291
第5位 トールキン・サーガ $5,895,804,182
第6位 ワイルド・スピード $5,137,266,345
第7位 X−MEN $5,016,911,347
第8位 スパイダーマン $4,858,222,659
第9位 バットマン $4,572,000,197
第10位 パイレーツ・オブ・カリビアン $4,505,013,091
第11位 トランスフォーマー $4,382,440,240
第12位 DCエクセンデッド・ユニバース $3,752,511,743
第13位 ミニオンズ $3,720,646,356
第14位 ジュラシック・パーク $3,694,992,176
第15位 シュレック $3,547,384,012
第16位 トワイライト $3,317,470,739
第17位 アイス・エイジ $3,181,324,256
第18位 ハンガー・ゲーム $2,959,967,141
第19位 ホビット $2,932,490,211
第20位 ミッション:インポッシブル $2,800,369,451
第21位 アバター $2,783,918,982
第22位 ダークナイト $2,445,202,439
第23位 アイアンマン $2,421,720,208
第24位 スーパーマン $2,389,808,930
第25位 マダガスカル $2,270,648,592
The 25 most successful movie franchises of all time
読書
大江戸恐龍伝1
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 才人平賀源内はやりたいことが多すぎて日々飛び回って活動していた。忙しい日々の中、多くの人々と交わっては次々と新しい面白いことを見つけてしまう。そんな折、円山応覚という絵師と共に龍の手が収められているという寺を訪れる。

 江戸時代を舞台に、生きた恐竜にまつわる話が展開する。ファンタジックな設定だが、実在した平賀源内のことをよく調べられていて、平賀源内の破天荒な生き方が面白くて一気に読ませてくれる。
<A> <楽>
スノーベイビー
<A> <楽>
屍人荘の殺人
<A> <楽>
25
読書
Re:ゼロから始める異世界生活13
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 否応なしに魔女の茶会に招待されたナツキ・スバルは嫉妬の魔女サテラと強欲の魔女エキドナの二人からどちらかを選ぶように強要される。その結果、スバルはそれまで持っていた死に戻りの能力を失うことになってしまう。結果としてこの厳しい状況の中、このループで最善の手を探さねばならなくなってしまう。

 この作品の最大の売りであった死に戻りが封じられてしまう。ただこれを続けたところで同じ物語になってしまうので、この思い切りは必要だったのだろう。この姿勢は評価する。ただ、それで面白いものになるかどうかはこれからの展開次第。
<A> <楽>

ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA

9話  危機に陥ったジャグラーの前に現れたのはウルトラマンウルトラマンアグルV2で、二人でベゼルブを撃退できたが、ジャグラーはその助けを拒否する。一方、新たな命の樹を確認するため惑星カノンのアマテ女王も地球へ向かっていた。

 敵は宇宙悪魔ベゼルブ。そして火山怪鳥バードン宇宙大怪獣ベムスター
 ガイが高山我夢と接触したのと同じようにジャグラーが藤宮博也と接触した。確かにこの二人の関係は似てる気がする。博也は「ウルトラマンガイア」を通して和解できたが、ジャグラーはこのパートでは憎むだけで終わりそうだ。
 そして命の樹を確認するためにやってきたアマテが地球に降下し、翔平と接触した。出会った途端に抱き合うとか、普通あり得ない描写ではあるが。でも出会った直後から二人は深い悲しみに陥ってしまった。理由はクイーンベゼルブと感応していたためで、その悲しみとはクイーンベゼルブの悲しみだったという。
 一方、月にある前線基地に乗り込みサエキと相対するガイ。そこでサエキが言ったのは、平和な世界を作るのだそうだが、その世界とは人間の意思を全て剥奪された世界だという。
 感情こそが人を悪に誘うというサエキの定義はこれまで特撮で何度となく語られてきた定義でもある。大人向けだからこそ突っ込んで語る事が出来る。
<アマテを救うためにオーブ一人に向かわせた我夢。「一人で大丈夫だ」と余裕見せているが、ガイアは宇宙に出られなかったんだっけ?>
ORIGIN SAGA
VOL.2
<A>
Blu-ray
ペット・セメタリー(2019)
<A> <楽>
ヒックとドラゴン 聖地への冒険(2019)
<A> <楽>
24
映画
七つの会議(2018)
 都内の中堅メーカー東京建電は厳しいノルマで知られ、特に二つある営業課はお互いをライバル視して売り上げを競っていた。だがその中にあって営業一課の係長八角民夫(野村萬斎)は最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという我流のままだった。しかも八角を叱責した上司は次々に左遷させられてしまう。そこに胡散臭さを感じた営業二課課長となった原島万二(及川光博)は、彼と営業部長の北川誠(香川照之)が何らかの秘密を共有していることに気づいていく。

 新世紀の企業戦士小説の旗手池井戸潤による小説の映画化作。著者原作ドラマはテレビでは大人気らしいが私は原作も読んでおらずドラマも同様。実は映像化された著者の作品を観るのは本作が最初である。
 その上で言うが、正直な感想は「この程度の作家だったか」だった。いや、オリジナルの小説を読んでないので、軽々の発言になってしまうが、敢えて作品としてこの程度に収めてしまった監督の技量に疑問を抱くと言ったところだろうか。
 まず最初の設定からして、まるで昭和の価値観。愛社精神と責任感過多の社員。無理難題言ってくる親会社の圧力。そして組織ぐるみの隠蔽。それは今でもあることなのだろうが、やってることがみんな泥臭くて、同じサラリーマンやってる身としても共感できず。舞台が例えば昭和60年代とか?事故隠蔽についてもなんかスマート感なし。課長が足で実地に調べてやっと分かるとか、これ森村誠一作品か?
 30年前に作られた作品だったらまだ納得いくけど、2018年という時代に作るには古すぎる。
 キャラに関しても、八角役の野村萬斎はあまりにサラリーマンっぽくなくて違和感しか感じない。あんなふんぞり返ったサラリーマンがいるだけでもおかしいのに、その背後には実は大きな罪悪感があった…と言われても全く信用できない。キャラクターとしてあまりに胡散臭さが強すぎる。例えば八角役は野村萬斎ではなく、及川光博だったらリアリティがまだあったと思うんだが、最後まで違和感抜けず。それ以外のキャスティングは全く問題ないので、これだけが大変な違和感残る

 もしこれが映画ではなくテレビドラマだったら、いくつもの山場を作って盛り上げて行けたはずなんだが、映画では最初から最後までずっと違和感しか持てなかった作品だった。

仮面ライダーゼロワン

27話  ザイア対飛電の最終対決は飛電インテリジェンスが政府と進めていたデイブレイクタウンの是非を巡る演説対決となった。だがヒューマギアは政治家になることができないために演説用のヒューマギアは開発されておらず、イズの提案でラッパーヒューマギアのMCチェケラによるフリースタイルで支持を得ようとする。それぞれ多くの支持者を得ていく。

 敵は仮面ライダー滅。姿自体は変わらないが、ラーニングによって強さが増している。「アークの意思」として不破諌を守った。そしてドードーマギア。MCチェケラが腐敗した人間を倒そうと自らの意思で変化した。
 最終対決は演説だった。えらく捻ったところにあると思ったら、デイブレイクタウンの再興を巡る重要な案件だった。なるほど一応これがきちんと次の話につながるのか。そして腐敗した政治をまっすぐに批判する見事な内容にもなってた。ここまで攻めた設定の仮面ライダーは初かもしれない。
 不破諌について色々なことが発覚した。やはり滅を逃がしたのは諌で、滅亡迅雷ネットのハッキングを受けていたとのこと。人間がハッキングされるはずはないのだが、仮面ライダーに変身するために不破諌には特殊なチップが頭に埋め込まれているとのこと。天津垓の采配次第で苦痛を与える事が出来るという。
 「アークの意思」として不破諌を守る滅の姿があった。当初から噂されいたように、諌こそが滅亡迅雷ネットの最後の一人なのか。
 ザイアの新しいレイダーが登場。ファイティングジャッカルレイダーは刃唯阿が装着している。
 ラップ対決で渾身のギャグをかます或人は完全に滑ってたが、これはいつも通り。別段ツッコミどころではなかった。
 MCチェケラ役は副島淳。NHKの「あさイチ」で有名だが、俳優だったのね。
<天津垓にとって諌はほぼ犬のような扱いらしい。なるほどそれでバルカンは狼型なのか。悲劇のヒーローなのになんでここまでいじられるのやら。可哀想なキャラだ。>
VOL.5
<A> <楽>
シライサン
<A> <楽>
知らなくていいコト
<A> <楽>
22
読書
夏目友人帳15
緑川ゆき (検索) <amazon> <楽天>
 「違える瞳」名取が主演する映画を観に行った帰りにその名取の式を見かけた夏目は、その式に導かれるまま一軒の家にたどり着く。
 「険しきをゆく」ある日夏目は小妖怪に傷つけてしまう。その小妖怪は朱遠という仙人の元に行きたいと言い、無理矢理夏目を付き合わせる。
 「塔子と滋」夏目が来る前の藤原家の出来事。

 久々に読んだ続刊だったが、内容は相変わらず。名取との関係は少しずつ深刻なものになっていく一方、夏目のいつもの生活はゆるやかに流れていく感じ。
<A> <楽>

サンダーバード ARE GO(2nd)

14話  山間にある水力発電用のセコイアダムが操作不能に陥り、決壊の危機を迎える。大急ぎで現場に向かうインターナショナル・レスキュー。そこで彼らが出会ったのは、ザ・メカニックが駆使するメカだった。

 前々回でフッドに見捨てられたザ・メカニックだが、なんとか逃げおおせて新しいメカを作っている。その電力を奪うためにダムを襲うのだが、被害を一切顧慮してないというサイコパスぶりを見せつけてる。
 今回の出撃は1号と2号のゴールデンコンビ。2号の方に4号も搭載され、今回はダムの底で活動。アランも2号に乗り込んでて、マニピュレータを駆使してサポート。今回は兄弟全員が活躍してる。ケーヨのS号もほぼお使い的な役割で活躍していた。
 フッドはザ・メカニックを見捨てたと言うより、その暴走を抑えようとしてるようにも見える。ザ・メカニックのやろうとしていることがあまりに危険すぎるらしい。
 結果としてザ・メカニックの電力強奪は失敗したが、ブレインズの分析によると、史上最大のレーザー砲を作っているとのこと。
 特撮部分では本物の水を使っている。オリジナルシリーズでも水の使い方が上手かったが、更に進歩してる感じ。
シグナル100
<A> <楽>
空挺ドラゴンズ
<A> <楽>
20
映画
キャッツ(2019)
 ロンドンの裏通りに捨てられてしまった雌猫ヴィクトリア(ヘイワード)が縛られた袋から脱出すると、そこは猫たちのたまり場。彼らジェリクルキャッツにとってこの夜は特別な夜だった。実はこの夜、ジェリクルボールという舞踏会が開かれ、ここで優勝した猫は天上に迎えられ、新しい命をもらえるというのだ。彼らに誘われるまま、ダンスを見学するヴィクトリアだが、お尋ね者の猫マキャヴィティが自分が天上に行くため、優勝候補の猫たちを次々にさらっていた。

 T.S.エリオット原作の、ミュージカル史において燦然と輝く超ロングランミュージカルとなった「キャッツ」。初演は1981年で今も世界各地で上映されているというのだから、化け物のような作品である。いつ映画になるかと思ってたのだが、40年もかかってしまった。
 監督のトビー・フーパーは先にやはり傑作ミュージカルレ・ミゼラブルも映画化させており、それが見事な出来だったので期待は高かった。それにこの人だったら大丈夫だろうという安心感もあった。
 そしてその映画化となるが、舞台から映画にする際、大きく手を加えた部分がある。それが猫たちの描写についてである。
 舞台では登場人物達は猫メイクをして踊り舞う。だが映画はそれだけでは駄目だと考えたか特殊な演出を加えたが、それはCGで一種のリアルな猫描写を目指したという事になる。
 ただ、それは相当残念な結果しか残せなかったようである
 予告を観た時も、これは相当に不気味だと思っていたもんだが、実際に映画を観てみると、不気味というか、昔あったコンピューターグラフィックスの人物がヌメヌメと動く描写を思い出してしまった。いわゆる「不気味の谷現象」(wiki)に入り込んでる描写である。
 リアルにする方向性が間違っていた。ほぼフルヌード状態で妙にリアルな猫人間がヌルヌル動くと目のやり場に困る。
 更に肝心な踊りのシーンがどうにも退屈。CGとワイヤーアクションの併用で見栄えはするのだが、舞台では華やかなコーラスが普通のBGMになってしまって派手さを感じないし、基本一人で踊る踊りは間延びしてしまう。
 結果として踊りのシーンで激しい眠気に苛まれる。
 私はこれまで映画館で寝たことは一度も無いというのが自慢ではあるが(ビデオでは何度もあるけど)、それでも意識を失いかけたことは何度かあったもんだ。ここでその経験が加わった。実際ダンスシーンの中で何度か意識に空白ができていたので、一瞬眠りの中にはまり込んでしまっていたらしい。
 と、言うところである映画との共通性に気づく。
 一夜限りの饗宴の中で、一人一人代表が踊り回り、選ばれた者がこの世とあの世をつなぐご褒美を得られる。そして踊り手は半裸。
 なるほどそうか。この作品は実は死霊の盆踊り(1965)のリメイク作品だったんだ。そう思うと凄く納得いった。内容的にはたいして変わりがない。
 ただ、極めて低予算作品だった死霊の盆踊りと較べると、金かかってる分、本作はかなり悲惨な部類に入るのではないかと。恐いもの見たさで鑑賞するのが正しい気がする。

 と、ここまで本作のマイナス面だけ書いてみたが、プラス面が全くない訳ではない。確かに観てる間に眠くなるけど、それが凄く心地よかった。音楽に包まれ心がふわっと軽くなる感触。これまで味わったことのない多幸感に近い。
 まるでドラッグ。寝るためだけにもう一度観に行きたいとさえ思ったくらいだ。本作は絶対に音響の良い映画館で複数回観て、それで寝てしまうことを絶対お勧めしたい。幸せな気持ちになれると思う。

魔進戦隊キラメイジャー

2話  キラメイジャーの一員として迎えられた熱田充瑠は、キラメイジャーのサポート役博多南無鈴からキラメイジャーのリーダーに任命されてしまう。到底無理と否定する充瑠だが、そんな時に新たな敵邪面師ラグビー邪面が現れた。

 敵はラグビー邪面。ラグビーの仮面をかぶった邪面師。闇エナジーを集めるため、トライ後の地面に置いたボール爆弾を使ってそこら中を破壊する。そしてラガーリガニー。倒されたラグビー邪面のデータを用いて登場した邪面獣。
 充瑠がキラメイジャーのリーダーに任命された。クリスタニアではレッドキラメイストーンと共鳴した者はリーダーにされるのだとか。レッドがリーダーというのがちゃんと説明付けられてる。自分は他のメンバーと違ってきらめきが足りないのでリーダーの器ではないと言うが、不格好ながらもリーダーを務め始めた。他のメンバーは今のところ文句を言っているが、それなりにちゃんと言うことも聞いてる。とりあえず今回はリーダーとしての面目は果たしたようだ。今回はキラメイグリーンの速見瀬奈にその資質を認めさせた。
 マブシーナが泣くために「泣ける漫画」というのを読んでるが、その著者の名前は一ノ瀬詩穂。実は「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」に登場した初美花がルパンレンジャーとなるきっかけとなった親友と同じ名前。描いてる漫画も赤青黄色の快盗ものらしい。
 マブシーナが涙を流すと、涙がダイヤに変わる。これに充瑠のイメージを合わせると様々なアイテムが作れる。
 そして今回巨大ロボランドメイジと(赤黄緑)とスカイメイジ(青桃)が登場。巨大戦デビューとなった。
<ラグビーボールを爆発させる敵…これって戦隊だったらヒーロー側じゃね?
 今のところ充瑠は一番滑舌が悪いのがちょっと残念だが、これは多分その内に成長していくだろう。
 ラグビー邪面に追いつけるのは瀬奈だけというのは分かるけど、なんで走って追いつかなければならない?道具とか乗り物とか使えば良いんじゃないか?>
VOL.1
<A> <楽>
カツベン!(2019)
<A> <楽>
Character Classics 帰ってきたウルトラマン
19
読書
銭形平次捕物控6 復讐鬼の姿
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 銭形平次の上司与力笹野の一子がさらわれた。岡っ引きが総動員されて探し回ったが、そんな時に不意に帰ってきた。だがこれから笹野家には続いて不幸が舞い込むようになる。

 かなり純粋な推理もの。短編ながらかなり内容が詰まっており、長編にしても構わないくらいのボリュームある。
 身内に不幸がある話は見所が多くなるのだが、多用は禁物のパターンだな。
<A> <楽>

ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA

8話  惑星カノンから命の樹が失われてしまった。だがその種は地球にある事が分かる。芽吹いた種は急速に生長しており、サエキがそれを追っていった。このままでは地球自体が危ないと知らされたガイは急遽地球へと向かう。

 敵は宇宙悪魔ベゼルブ
 ここから話は地球へ。そこにやってきたガイの前には高山我夢=ウルトラマンガイアが現れて力を貸す。この地球は「ウルトラマンガイア」からの流れの世界のようだ。
 我夢は発明家として活動しているようだし、とても事情通。しかしこの地球ではあまり有名ではないらしい。ウルトラマンガイアにも変身出来るが、その姿はV2のものだった。その方が正しい。あとウルトラマンアグルも登場。こちらもV2のものだった。
 一方惑星カノンのアマテはもう戦神にならないと言っていたが、命の樹を守るために地球に向かうと言っている。結果として混乱中の惑星カノンを放っておくことになる。
 命の樹は知的生命体を作り上げる生命体。惑星カノンと地球がほぼ同じような進化をしたのも命の樹があったかららしい。
ORIGIN SAGA
VOL.1
<A>
Blu-ray
キューブリックに魅せられた男
<A> <楽>
マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝
<A> <楽>
17
読書
キノの旅18
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 三組の旅人と一つの国に住む少女の物語。「牛の国」「草原の話」「キノの旅」「スポーツの国」(キノ)、「止まった国」(師匠)、「税金の国」「主食の国」「チョコレートの話」(キノ)、「遺産の国」(シズ)、「お金の国」(キノ)、「復讐の国」(シズ)、「私の戦争」(キノ)を収録する。

 今巻の恒星は複数の話にまたがって前後編になってたり後日譚のような話が多いのが特徴。今巻にもフォトは登場するが、ちょい見せ程度。前巻でシズと合ってるはずだが、ここでは初めて出会ったかのよう。
<A> <楽>

仮面ライダーゼロワン

27話  ザイアと飛電による救助訓練勝負中に現れた謎のレイダーによって本物の火災が起こってしまう。ビルの中に取り残された飛電副社長福添を助けるために、ヒューマギアの119之助とザイアスペックを装着した穂村武志が同時に現場に飛び込む。

 敵はスカウティングパンダレイダー。ザイア社員の京極大毅がザイアを勝たせるために変身していた。そして仮面ライダー迅
 五番勝負の四戦目。アクシデントもあくまで勝負として捉える垓と、人命救助のためのヒューマギアを信じる或人。分かりやすい悪人と善人の構図に落としているが、特撮ではこれくらいのわかりやすさが必要。
 ザイアがエイムズのために開発したショットライザーとレイドライザーは同じもの。エイムズはレイドライザーの開発研究機関だったことが発覚。
 そして仮面ライダー迅と仮面ライダーサウザーが初めて直接対決。変身する前の迅は垓を名指しで人類の悪意そのものだと言っていた。勝負自体はほぼ互角だったが、迅は滅のスコーピオンキーを奪った。
 ヒューマギアは人間を救うために自らを犠牲にするのも厭わないというのが示されたが、これこそヒューマギアの本来の使い方となるだろう。
<ヒューマギアは人名を最優先で救うプログラムを持ってるはずだが、福添の秘書シェスタは故障しただけだった。どんなプログラムされてるんだろう?
 119之助は穂村を現場に通すためにビルの梁を受け止めた姿のまま動かなくなっていた。立ち往生と言う奴だが、この姿は昔あった映画の『里見八犬伝』で同じシーンがあった。これも東映だったよな?
 最期の勝負はヒューマギア特区の是非を巡っての演説対決だそうだ。これまで一切出てこなかったけど、そんな計画ありながら、これまで上層部は遊んでたようにしか見えない。>
VOL.5
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カール・Th・ドライヤー Blu-ray BOX
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アナと雪の女王2(2019)
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15
映画
テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2019)
 新進気鋭の映像作家トビー(ドライヴァー)は、スペインでドン・キホーテをモティーフとしたCM撮影の監督をしていたが、満足いく映像が撮れずにクサっていた。そんな時、過去学生映画として撮った『ドン・キホーテ』の撮影現場がそれほど遠くないことを知り、あの時の村人がどうなっているのか気になってしまい、現場を離れて村へと向かった。そこでトビーが見たものは、あの映画が有名になってしまったために崩壊してしまった共同体の姿だった。更にドン・キホーテを演じた村の靴屋ハビエル(プライス)は自分が本物のドン・キホーテであると勘違いしてしまっており、トビーにサンチョ・パンザと呼びかけて、一緒に放浪の旅に出ることを誘ってくる。慌てて逃げ出したトビーだったが、そのお陰で村を火事に巻き込んでしまった。

 今から30年近くも前。テリー・ギリアム監督によって『ドン・キホーテを殺した男』と題された一つの映画の構想が発表された。
 それは中世スペインを舞台にしたタイムスリップもので、現代の青年が時を遡ってしまって、ドン・キホーテを名乗る老人と旅をするというものだった。主人公は丁度ブレイク中のジョニー・デップと、ジャン・ロシュフォール。
 5年も掛けてなんとか金を作って撮影を開始したのは良いのだが、なんと鉄砲水でセットが全部流されてしまうと言う、なんとも不幸な事件が起こり、撮影は中止となってしまう。その顛末はロスト・イン・ラマンチャ(2001)として映画化までされたので、決して無駄ではなかったようではある。
 しかし諦めきれなかったギリアムは次にユアン・マクレガー主演で作ろうとしたらしい。ただ、これはほとんどニュースになることもなく、やはり資金難のため失敗。
 これはもう作るなと言われてるとしか思えない。諦めてしまった方が「幻の企画」として、そっちの方が有名になる。だから本作が完成したと聞いた時は、正直、「やらんほうが良かったんじゃないか?」という思いと、あと数十年後に来る「テリー・ギリアム追悼ドキュメンタリー映画」の企画が潰えたのが残念(済まん。不謹慎)

 ただ、それだけ時間をかけた企画ではあるが、作品そのものが映画史に残るべきものというレベルには達してない。駄作とまでは言わないし、私なんぞは充分楽しめる作品だが、監督にしては分かりやすいし、生々しさもなくなってる。何度も言うが、やはりこの企画は成立させなかった方が…

 さて、それで本作の内容だが、先行したキャッチフレーズが「批評家が怒り狂った」とか「理解不能」とか書かれていた割に、実にすっきりわかりやすい作品で、監督作品の中ではかなりわかりやすい部類に入るだろう。

 かつてロスト・イン・ラマンチャ(2001)を観た限りでは、現代人の青年が中世にタイムスリップして、そこでドン・キホーテを名乗る老人と出会うという作品だったと思うのだが、本作ではそこを改変してSF要素を排し、全て現代で完結させることになった。
 時代を現代に限定したからこそ悪夢っぽい雰囲気を出すことに成功してるので、むしろ現代にあって、これは基本的に正しかったと思う。
 ただ、その分リアリティが犠牲になった。ぽっかり出てくる時代錯誤の村とか人間とか、見た目中世の村を強引に現代と言い切るためにストーリー上無意味な説明を加えざるを得なくなった。
 その混乱を楽しむことが本作の面白さと言われたら、確かにそれもその通り。すっきりしない物語だからこそ面白い作品だと思えば良い。
 現代だか中世だかよく分からない混沌とした世界を彷徨うドン・キホーテとサンチョ・パンザ。これこそ本来の「ドン・キホーテ」の持つ魅力だったとも言える。
 すっきりしない方がギリアムらしくて良い。ギリアムファンは優しいのだ。

 最初の企画では主演がジョニー・デップだったが、それが30年を経てアダム・ドライヴァーに変更。これはどうかと思ったら、実はかなりはまってた。神経質で繊細なために刺々しくなってしまう男という役はまさにはまり役。ぴったりの主演を引っ張ってこれた。ジョナサン・プライスは言うまでもない。むしろオリジナル版よりも配役は良かったかもしれない。

 概ねで言うなら、混乱を楽しめる人は結構楽しめる作品ではある。

サンダーバード ARE GO(2nd)

13話  次々に起こる救助要請にてんてこ舞いのインターナショナル・レスキューにK2で地震調査中のクエスタ教授から連絡が入る。常に誤った噴火情報ばかり流すクエスタをジョンは無視するが、一人ブレインズだけが彼の言葉に反応し、スコットのサンダーバード1号で一人で現場に向かうことになる。

 今回はブレインズが活躍する話。分析および機械製作班だが、今期は実際のレスキュー活動が結構多い。分析装置ではあり得ない溶岩が実際目の前にある事から行動しなければならなくなる。ブレインズの顔では誰もインターナショナル・レスキューだと信じてもらえないのも芸が細かい。
 10話で登場した球体のメカRADが再登場。そして実に久々のジェットモグラ(モール)登場。
<クエスター教授が語る言葉を盛り上げるBGMはなんとマックスが流していた。お茶目なことをやってくれる。>
ゴーストマスター
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VOL.5
<A> <楽>
14
映画
フランチャイズ映画
第1位 MCU $13,507,520,710
第2位 スター・ウォーズ $8,712,974,106
第3位 ハリー・ポッター $8,532,684,345
第4位 007 $7,077,929,291
第5位 トールキン・サーガ $5,895,804,182
第6位 ワイルド・スピード $5,137,266,345
第7位 X−MEN $5,016,911,347
第8位 スパイダーマン $4,858,222,659
第9位 バットマン $4,572,000,197
第10位 パイレーツ・オブ・カリビアン $4,505,013,091
第11位 トランスフォーマー $4,382,440,240
第12位 DCエクセンデッド・ユニバース $3,752,511,743
第13位 ミニオンズ $3,720,646,356
第14位 ジュラシック・パーク $3,694,992,176
第15位 シュレック $3,547,384,012
第16位 トワイライト $3,317,470,739
第17位 アイス・エイジ $3,181,324,256
第18位 ハンガー・ゲーム $2,959,967,141
第19位 ホビット $2,932,490,211
第20位 ミッション:インポッシブル $2,800,369,451
第21位 アバター $2,783,918,982
第22位 ダークナイト $2,445,202,439
第23位 アイアンマン $2,421,720,208
第24位 スーパーマン $2,389,808,930
第25位 マダガスカル $2,270,648,592
The 25 most successful movie franchises of all time
読書
はじめの一歩126
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 鷹村の防衛戦を二人の弟子を連れて観に行く一歩。そこで一歩が観たものは、高度な左の使い方だった。むしろ弟子よりも自分自身の戦い方に思いを馳せてしまう。

 トレーナーとして頑張ってる一歩だが、一歩引いて試合を観ることで、逆に自分自身の戦い方を考えてしまうと言う話で、復帰の足がかりの伏線だろうか?50巻ほど前にやっておくべき話だった。
 あと千堂がメキシコに殴り込みに出かける話も出ている。現時点ではコメディ回みたいだけど。
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マチネの終わりに
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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(2019)
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13
読書
高慢と偏見とゾンビ
ジェーン・オースティン (検索) <amazon> <楽天>
セス・グレアム=スミス (検索) <amazon> <楽天>
 30年以上もゾンビが暴れ回っているイギリスの片田舎。父母と五人の娘がいるベネット家では、娘五人がそれぞれ修行を積んだゾンビハンターとして働いていた。そんなベネット家の近くに貴族のビングリー家が引っ越してくる。ミセス・ベネットは、これは娘の一人を嫁がせる好機とみて積極的に関わった結果、ビングリー家の長男チャールズは長女ジェーンと恋仲となる。だがそんな二人を引き離そうとする男がいた。その男フィッツウィリアム・ダーシーに激しい敵意を覚える次女のエリザベス。

 未読だが映画は観た「高慢と偏見」にゾンビ要素を加えた異色作。あらかじめ高慢と偏見とゾンビ(2016)の方は観ていたが、物語はまるで異なり、とても文学的になってるのが特徴になってる。その分ゾンビの出現が違和感しかないという問題があり。
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魔進戦隊キラメイジャー

1話  突如現れた巨大な邪面獣ジャグチヒルドンによって侵攻を受けた地球。それに対抗するために結成された魔進戦隊キラメイジャーが出撃する。だが最後のメンバーが揃わぬまま四人での出撃で、全く歯が立たなかった。そんな時、最後の一人に選ばれた熱田充瑠の元に、クリスタリアの王女・マブシーナが現れた。

 敵はジャグチヒルドン。地球を汚染するために派遣されたヒルドンで、頭部に付けられた蛇口からヘドロをまき散らす。
 新しい戦隊の始まり。主人公格のレッドが最後のメンバーで、最も幼く地味なキャラという位置づけらしい。冷静なブルー、おちゃらけたイエロー、華麗なグリーンと、これまでには見られない組み合わせになってる。
 レッド以外の全員はそれなりの有名人というのも特徴的で、最後に選ばれたレッドだけが一般人の高校生。そんな高校生がキラメイジャーのリーダーになるというのが面白い。
 キラメイジャーのパートナーとなるキラメイストーンもそれぞれ台詞ありで、
 今回の戦隊は宝石をモティーフとするだけに、戦ってるとキラキラと光の演出が入る。「バットマン」の英語字幕みたい…今だったら「仮面ライダーエグゼイド」と言うべきか?
 ちょっと暑苦しいところもあったが物語も軽快で、見せ場もたっぷり。良い第1話だった。
<設定を見ていくと、「マイティ・ソー」や「スパイダーマン」っぽい感じもある。パクりにならないように慎重にやってほしいもんだ。
 キラメイレッドの乗機魔進ファイヤははしご車なのだが、レッドを乗せないままはしごを伸ばしていた。お陰でレッドははしごを走って移動してる。>
ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋
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VOL.10
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11
映画
パラサイト 半地下の家族(2019)
 ソウルの路地裏にある半地下住宅に四人で住むキム一家。夫のギテク(ソン・ガンホ)をはじめとして一家全員定職もなく、アルバイトのようなことをして生活していた。金がなくて大学にも行けない息子のギウ(チェ・ウシク)はある日高校の同級生ミニョクからアルバイトを紹介してもらい、大学生として大金持ちのパク家の娘ダヘ(チョン・ジソ)の家庭教師になった。パク家の主婦ヨンギョ(チョ・ヨジョン)に取り入ったギウは、もう一人のパク家の息子ダソンのカウンセラーとして自分の妹ギジョン(パク・ソダム)を働かせ、その後次々と家族を送り込んでいく。

 近年の韓国映画は極めて質が高いものを排出している。国内だけでなく世界市場を視野に入れたものとしても、世界のトップにまで上り詰めたと言っても良い。特に本作はアメリカのアカデミー賞でアジア映画初の(外国語でない)作品賞を受賞するなど、名実ともに世界最高峰の作品と言える。恐らく本作は韓国映画において語り継がれるべき記念的作品となっていくだろう(一切アメリカの資本を使ってない映画がアカデミー作品賞を取るのも恐らく初)。
 ところでここまで何作かポン・ジュノ監督の作品を観ていて、気づいたことがある。
 この監督が好む題材は、いわゆるB級作品と呼ばれるものが多いのだ。グエムル -漢江の怪物-は怪獣映画だし、母なる証明は強烈なオチの部分を強調するための、ほぼワンアイディア作品である。
 こう言うB級作品は低予算で作るのが普通である。何故なら撮影の安っぽさが逆に良い演出になるから。なまじ金を掛けると演出過剰になったりして逆に痛々しいものになるものってこれまでいくらでもある。
 例を挙げるならばアメリカのユニヴァーサル・ピクチャーズなんかは過去のホラー作品を金かけて映像化してことごとく失敗してるのは、これが最大の原因だと思っている。一方では低予算を逆手に取って演出にまでした作品は、ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999)とかパラノーマル・アクティビティ(2007)があるし、近年のスマッシュヒット作カメラを止めるな!(2018)も低予算演出だからあれだけ面白くなった作品である。

 しかるに本作はどうだろうか?
 作品としてはとてもシンプルである。貧乏な一家がチャンスに飛びつき、金持ち一家を騙して取り入り、家族ぐるみで寄生するというパターン。骨子は本当にシンプルそのものだ。
 こういうシンプルな作品は予算をあまり掛けない方がソリッドなものができるものだ。家とかもありもので良いし、実際に人が住んでいる家を撮影した方がリアリティが出る。
 ところが本作はそこに手を抜かなかった。一流の役者を割り振り徹底的に金を掛けてセットを組んで、とても豪華な映画を作り上げてしまった。
 それでバランスが悪くなったのかというと全く逆。これだけの金を掛けて作るだけの強度を持ったものとして仕上げてくれた。まさかここまでのものができるとは予想外。
 考えてみたらポン・ジュノ監督作品のグエムル -漢江の怪物-母なる証明もそもそもが低予算向きの作品だったのを、ほぼ全力で金を使って作り上げていた。これらの経験からバランス感覚を培ってきたのだろう。本作はその結晶とも言えるだろう。

 本来安っぽい設定を、どのようにして豪華に仕上げるのか。その事を少々考えてみたい。
 まず一つに役者の演技の質があるだろう。低予算の作品は役者の魅力を最大限に引き出すことができるが、一方では一人の演技者にすべてを負わせることで危ないバランスの上に作品が作られることになる。たった一人が狂気じみた演技をすることでとんでもなく面白い作品が出来る事もある。だが大作ではそれはやるべきではない事をよく分かっている。だから本作のキャラは全員きちんとコントロールされた演技をしている。だからいろんな伏線を動作に出すことができるし、誰かが突出して目立つことがないため物語全体のパーツとしてしっかりはまっている。
 もう一点重要なのは、本作は完全に娯楽作品なのに、社会背景がはっきりしているという点である。どこかの時代どこかの国の出来事ではない。2010年代も終わろうとしている韓国社会の今の現実を描いていると言うことである。
 本作のタイトルにもなっているけど、半地下という不思議な家の構造がある。これは韓国ソウルに特有の部屋で、調べてみるとソウルの建物の2%ほどにはこれが付いているそうだ。何故こんな不思議な構造の部屋があるのかというと、これは歴史的背景がある。
 実は朝鮮戦争で一度ソウルは北朝鮮によって火の海になったことがあった。その時はアメリカの助力で押し返すことはできたもののいつ再び韓国が戦乱に巻き込まれないとも限らないため、当時の朴正煕大統領は1970年に建築法を改正して、それぞれの家に防空壕の役割を果たす地下施設を作ることとなった。本来なら完全な地下室を作る方が良いのだろうが、金がかかるため、建築法上許されていた安価な半地下を作ることとなった(物語後半にこの地下室の構造が重要になっているのは観れば分かるとおり)。
 その後戦争状態も遠くなり、経済発展を果たした韓国にとって必要性の薄くなった半地下だが、それを安価な賃貸物件として扱うようになり、そこを借りて住む世帯が出てくるようになった。「半地下」とは貧乏人を意味する暗喩にもなっている。
 本作は朝鮮戦争からの流れを受けてという歴史的背景がしっかりしているから、歴史を踏まえた上で「今」の物語としてはっきり受け止められる。
 そして現在の韓国の大問題となる格差社会についてもはっきり言及している。特にソン・ガンホ演じる父親ギテクが本当に見事に今を言い当てている。
 運転手として起用された時に雇い主のパクに運転の上手さを言われる位なので、器用だし仕事もできる人物に思える。ああ見えて家族をきっちりまとめているので、ちゃんと仕事さえあれば立派な一家の大黒柱となっていたはずの人物である。だが、どんな能力を持っていたとしても、それで努力することを放棄している。息子のギウが底辺から這い上がろうとしているのを否定はしないものの、言葉の端々にこの世界で生きる事の無意味さをにじませている。
 多分彼はこれまでいろんな努力をしてきたんだろうと思う。その度ごとにへこまされてきてこんな風になった。でも自暴自棄にはなってない。かなりギリギリのところで踏みとどまっている人物である。
 それだけ今の韓国は格差が広がってしまったという事を示している。そしてこの格差社会は韓国だけでなく日本でも、世界でも広がっている。ギテクの厭世的な台詞は全部世界の貧困社会の人々の言葉に通じるのだ。
 これを下敷きにすると、ギテクが最後に行った行動が分かってくる。彼は理不尽に長年さらされ、それをただ無感動に受け流すだけの人生を強いられてきた。一見超然としているその姿はほとんど全てを諦めてしまった姿でもあるのだ。だがそんな彼にとって自分の家族だけは最後の感情の拠り所だった。その家族がないがしろにされていると感じた瞬間、これまで押さえつけていた全ての感情が吹き出してきてしまったということになる。やっていることは凶行だが、彼が人間性を取り戻す話でもあったのだ。

 ある意味で、閉塞的な韓国社会と伝統的な儒教的価値観のぶつかり合いを描くものでもあるし、もう社会は我慢の限界に来ているというメッセージとも取れる。ある種同じくオスカーを争ったジョーカー(2019)と通じるテーマがある。
 本作が世界的に受け入れられる理由とは、まさしく世界を覆う閉塞感を描く作品だからで、最も今の時代に即した作品だからとも言える。
 ジョーカーの時も感じたが、本作のメッセージはネットワーク(1976)と同じである。すなわち、「私は怒っている。もう我慢しない」というメッセージそのもの。本作は実はとても危険な作品なのかも知れない。

ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA

7話  ジャグラーとミコットの尽力で命の樹の実を手に入れ、アマテを正気に戻すことはできたが、ベゼルブとの戦いでミコットは命を落としてしまう。その絶望からジャグラーは命の樹そのものを消してしまえば争いはなくなると考えるようになった。

 敵は一角超獣バキシムミサイル超獣ベロクロン
 ジャグラーの戦闘態が登場。ただその姿はジャグラーの絶望から生じたもので、この星でのすべての戦いを終わらせるために命の樹を消し去ってしまう。あまりに拙速な考え方だが、これがジャグラーがウルトラマンに選ばれなかった理由なのだろう。これでジャグラーはガイのサポートを止めると宣言する。
 ガイは誰一人犠牲にならない戦いを理想としていたが、それを甘いと考えるジャグラーとの確執がここではっきりした。
 理想を追い求めるガイに、現実を見ろというジャグラー。この関係って、つまりは汚れ役はジャグラーが引き受けると言う事になりかねない。それを端的に示したのが本話だが、これは一回限り。ジャグラーはやはりガイのそばにいてはいけない。
 ジャグラーによって命の樹が消えたことで一旦話は収束。だが地球に命の樹の一部があることがこれまでに分かっている。なるほどここから地球編へと移る伏線になるのか。
ORIGIN SAGA
VOL.1
<A>
Blu-ray
フォードvsフェラーリ(2019)
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群れなせ! シートン学園
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10
読書
JJM 女子柔道部物語3
小林まこと (検索) <amazon> <楽天>
 強豪旭竜高校との合同練習を経て、柔道部の練習に明け暮れ、ようやく道大会を迎えたカムイ南高校。61キロ級に出場した神楽えも。最初の一回戦は大声対決になってしまうのだが…

 練習を経て試合へと向かう高校スポーツ王道の展開。2巻までのスピーディさはなくなったが、飽きっぽい主人公が勝手を言ったり戻ったりしながら実際に強くなっていく過程がじっくり描かれており、これはこれで大変面白い作品になってる。
<A> <楽>

仮面ライダーゼロワン

26話  ザイア対飛電の勝負第四戦は消防士対決となった。火災訓練のビルからより多くの人々を救出することだが、天津垓は唯阿に飛電のヒューマギア119之助を暴走させるよう指示していた。勝負はほぼ互角に進むが、訓練中にレイダーが現れ、ビルを破壊してしまう。

 敵はマンモスマギア。消防士型ヒューマギアの119之助が暴走した姿。そしてスカウティングパンダレイダー。消防士勝負の中突如現れたレイダー。そして仮面ライダー迅が仮面ライダーバルカンと戦ってるが、バルカンは全く敵わなかった。
 前回で既に話は次の段階に入っているのだが、相変わらずザイア対飛電の勝負は終わっていない。消防士勝負だが、本当に火災を起こす訳にはいかないため訓練で行う事になった。今回の勝負から滅亡迅雷ネットの方が関与するようになったが、迅と滅の間で意思が変わってしまっている。迅によれば、もう一人が協力していたとのこと。残りは“亡”のみか。今までに登場したキャラのような事を臭わせている。
 今回はほぼ訓練中の事故の処理とデイブレイクタウンでのバルカンと迅の戦いがメインで或人は最後にちょっと活躍しただけ。
 こう言う命がけのミッションこそヒューマギアの出番のはずなのだが、それでも敢えてザイアスペックを使う意味はどこにあるのやら?と思ってたら、人の命の可能性を信じるという点において人間の方が上をいっていたとのこと。
 最近イズのツッコミに馴れてきたのか、或人の方がお礼を言ってる。
<テレビ撮影してる前でヒューマギアを暴走させてる垓。明らかな犯罪行為なんだが、それはスルーなのか?
 メタルクラスタホッパーには全く敵わなくなった仮面ライダーサウザーが相変わらず上から目線なのがなんか痛々しい。>
VOL.4
<A> <楽>
スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け(2019)
<A> <楽>
VOL.9
<A> <楽>
08
映画
メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019)
 幼少期に宇宙人を助けた経験を持ち、自力でロンドンMIB支部を突き止めたことから、エリート新人として大抜擢を受けたエージェントM(トンプソン)は、ロンドン支局長のハイT(ニーソン)からの命令で先輩で軽い性格のエージェントH(ヘムズワース)と組み、宇宙からの武器密輸の経路について探ることになった。だが実は裏でMIB職員に裏切り者がおり、その密輸に関わっているということが分かり、極秘調査へと移行していく。

 ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの名コンビで大ヒットを記録したシリーズメン・イン・ブラック(1997)3(2012)をもって一旦終了を迎えたが、その後2018年に復活。コンビも変わって新シリーズの開始となった。
 主役コンビは、まさに旬の二人であるテッサ・トンプソンとクリス・ヘムズワースで、この二人はこの前にマイティ・ソー バトルロイヤル(2017)のヴァルキリーとソーのコンビでもある。そのためか、この二人はとても息の合ったコンビぶりを見せている。
 ただ、それで本作は全て言い尽くされた感じである
 残念ながら本作は目新しいところがまるでなく、普通のSFアクション作品でしかない。最初から続きを念頭に置いているからか、始まりと終わりでエージェントMの立ち位置は変わらないし、無事一つの事件が終わったので、次の任務に続いていく過程でしかない。
 それで良いというならそれでいい。だがこれまでのMIBは、単純な物語の中でも話を進めた。それのプラスアルファとは、はキャラクターのアイデンティティに入り込むことだった。バディの二人がアイデンティティクライシスを迎え、それを超えるか、あるいは先送りして最後に記憶を失わせるとかで決着を付ける。人間の内面に踏み込んだ内容だったために面白くなってきたとも言える。
 本作は残念ながらその部分をなくしてしまったため、普通のSFアクション作品に成り下がった。本シリーズで最も重要な部分を削ってしまった以上、空虚な作品でしかない。
 MIBという名前が付かなければそれで充分なんだが、その名前を背負ってる以上、これは失敗としか言いようがないだろう。

サンダーバード ARE GO(2nd)

12話  ザ・メカニックのアジトを発見したペネロープはそこに深い穴が空いており、その下には誰かが助けを求めていたことを知り、インターナショナル・レスキューに通報する。ここは掘削機械が地中を移動していることを知る。

 ザ・メカニックとの戦いが展開。基本的には戦いと言うよりはザ・メカニックの掘削機械の巻き添いを食った人を助ける話になってる。行動の中で音声も反響している中、どこにいるのか分からない人間を探すという緊張感ある話になってる。
 バージルとゴードンが救助活動している間はペネロープがザ・メカニックを追っていく。ザ・メカニック絡みだとペネロープが活躍する話が多いのが特徴的だ。
 これまでにもフッドとザ・メカニックの関係について何度も語られてきたが、本当にフッドを脱獄させてしまった。実はフッドは収監前から仕込んでいたらしい。フッドはザ・メカニックを部下のように言っているが、ザ・メカニックは対等に喋ってる。どんな関係なのだろうか?フッドは容赦なくザ・メカニックを切り捨てるが、ザ・メカニックの方も自力でGDFから脱出していた。
T-34 レジェンド・オブ・ウォー
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テッド・バンディ(2019)
<A> <楽>
06
読書
オーバーロード9 破軍の魔法詠唱者
丸山くがね (検索) <amazon> <楽天>
 アインズ・ウール・ゴウンは帝国皇帝ジルクニアを呼び出し、強制的にナザリックと帝国の間に同盟を締結した。そして毎年恒例となった王国に対する軍事侵攻に無理矢理同行を申し出るのだった。得体の知れないナザリックを調査する王国王子のバルボアはナザリック近くのカルネ村を蹂躙しようとする。

 ナザリックがついに世界に対して建国を宣言する話。ただ戦力的にはあまりに圧倒的で、王国軍はなすすべもなく壊滅。更に同盟しているはずの帝国軍にも多大な恐怖を与えてしまう。一応これで当面の目的は果たしたことになるが、その過程で1巻で知り合ったガゼフを簡単に殺してしまうとか、主人公の悪人っぷりがだんだんすさまじいレベルになってきた。しかも本人にはほぼその自覚がないところがなんか落ち着かない。。
<A> <楽>

騎士竜戦隊リュウソウジャー

48話  巨大化したエラスに全戦力を使って攻撃を掛けるリュウソウジャー。リュウソウカリバーによる封印も失敗し、コウはエラスに吸収されてしまった。そしてエラスの中で地球の意思と対峙するコウ。

 敵はエラス
 最後の戦いは力押しではなく話し合いで終わった。敵幹部も三人が生き残るという事態。それはそれで良かったのだが、なんか外連味もなくするっと終わった感じ。言葉が全部上滑りしてる。
 最後のエラスとワイズルーの会話はほぼプロポーズだった。勿論狙ってのことだが、みんな幸せそうでなにより。
 都市どころか日本の一部を削るほどの被害が出ているのだが、それに関してのフォローもなかった。これまでのスーパー戦隊の中では最大規模の被害だな。
 最後はリュウソウジャー全員が自分のやりたいことを見つけていくが、その中でアスナが作った次期の騎士の学校にみんなが集まってくる。エグゼビア・スクールなのかな?
<エラスとの戦いは荒野を舞台にしている。エラスによって都市が破壊されたということだが、大地が全部土なのは何故だろう?
 等身大に戻るとそこは普通に草木が生えた普通の場所になってるし、遠くに街の姿も見える。
 エラスによると、この星を作って最初に作られたのがリュウソウジャーなのだとか。どうやって生きてきたんだろう?>
VOL.8
<A> <楽>
コタキ兄弟と四苦八苦
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野獣処刑人 ザ・ブロンソン
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05
映画
ヒックとドラゴン 聖地への冒険(2019)
 ヒック達バーク島のドラゴンライダーは近隣国で虐げられたドラゴンたちを次々に解放していた。だがそれで連れ帰ったドラゴンによってバーク島は手狭になってしまう。バーク島の長としてヒックは全員で新天地を目指すことを決定した。亡き父ストイックが言っていたドラゴンの楽園へと向かうこととしたのだが、そんなヒックにドラゴンハンターのグメルの手が伸びる。

 ヒックとドラゴンから始まり、テレビシリーズとヒックとドラゴン2を経てきた人間とドラゴンの関係を描くシリーズもこれで終了。本作で人間とドラゴンの関係にも一応の決着が付く。
 現実の歴史の中では数多くの文献で登場するドラゴンだが、その実在が証明された事はなく、あくまで空想上の生物というのが我々の考え方となる。対して本作ではドラゴンと人間は共存共栄しており、コミュニケーションも取れている。
 このドラゴンとの距離感の一点において、現実の世界と本作で描かれる世界は別の世界の話であったと考えられていたのだが、本作によって、実は地続きの世界観であることが分かった。この世界は現実世界の過去の歴史のものとして考えられる。
 ではこの世界と本シリーズの世界観をつなげるものは何かというと、ドラゴンが一斉に消えてしまったということに他ならない。ドラゴンの存在が消えてしまえば、文献だけに残る存在として現実世界と地続きとできる。
 だから本作は人類とドラゴンの別れを描いた作品となる。最後までそれが分からなかったので、ラストを観た時には結構意外な思いにさせられた。

 しかし、それが良かったのかどうかは別。
 観てるこっちとしては、別段アナザーユニバースで構わないので、人間とドラゴンが共存したまま新しい文化を創り上げる話にしても良かったと思うし、これで終わりは寂しい。
 それに実を言うと、作品自体が思った以上に高揚しなかった。
 結局本作でやってることは、敵が出たのでそれを倒して終わりというストレートな内容で、そこから物語が拡張しない。一作目のヒックとドラゴンのパラダイムシフトの快感を知ってしまった以上、こんな普通の物語では満足できない。
 ただ、良いところもある。一作目、テレビシリーズ、二作目と続く内にヒックも成長しているが、本作では髭をたくわえるようになって、つるつるのCGアニメからだいぶ進化した印象がある。特に猥雑なヴァイキングの生活も汚さまで表現できてたのは見応えがあった。
 結果として、表現力はかなり上がっていて、キッズアニメとしては及第点だが、映画としてはもうちょっと頑張ってほしかったというところ。

ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA

6話  ついにアマテは変身の儀式を経て戦神へと変身したが、戦いではなく話し合いによって事態を解決しようとする。一方、アマテと精神感応を起こした地球人森脇翔平はその圧倒的パワーを受け止めきれずに倒れてしまった。

 敵は一角超獣バキシムミサイル超獣ベロクロン
 これまで戦神となることを否定し続けてきたアマテだが、一度戦神となるととてつもない力を発揮し、ベゼルブを圧倒する。だがあくまでその力は戦いには用いないことを決意していたようで、ベゼルブを殺そうとはしなかった。
 そんなアマテの思いを受け、コスモスに変身するのを躊躇するムサシも苦悩している。一方、そんなアマテを救うため変身するガイとアスカ。対照的な三人のウルトラマンの反応も描かれる。
 クイーンベゼルブを操るサイキの本当の目的は戦いで雌雄を決する時代の終わりを願っていたという。その狙い自体はともかく、戦神となったアマテはクイーンベゼルブと対話を試み、クイーンもそれを受けたが、背後から忍び寄ったベゼルブによってクグツ遺伝子を注入させられてしまった。
 そのアマテを救うためジャグラーは命の樹の果実を取りに向かうが、その途中でミコットがベゼルブに殺されてしまう。
ORIGIN SAGA
VOL.1
<A>
Blu-ray
オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
<A> <楽>
教場
<A> <楽> キムタク主演のテレビドラマ
03
読書
仮面ライダークウガ11
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 警視庁で新設された未確認生命体対策本部監視委員会によって拘束されてしまう五代と一条。これがグロンギとの対抗手段となるならと自ら進んで研究素材となる五代だが、その研究室で保管されていた顔なしのグロンギの死体が動き出していた。一方アギトとしての正体を知られた駿河の誘いに乗る津上翔一は裏カジノに連れて行かれる。

 グロンギのゲゲルも終盤に入り、最強のゴ族が登場しているのだが、仮面ライダーの方が五代も津上も足踏み状態であんまり話は展開してない。
 アギトにあっさり殺されてしまったメ・ガリマ・バが頭部を失ってもまだ生きていた。たまたま五代のいる研究室にいたというのは都合良すぎだが。
<A> <楽>

仮面ライダーゼロワン

25話  何故か伊豆の調子が悪い。風邪のような症状を示すイズの不調は惑星ゼアとの通信が妨害されたからだと分かる。何者かが飛電インテリジェンスに侵入してジャマー装置を設置したことが分かった。その頃、エイムズの刑務所から逃げ出した滅を追った諌も飛電インテリジェンスにやってきた。

 敵は仮面ライダー迅。かつて破壊したが、滅を脱走させた後で登場。バーニングファルコンに進化している。
 今回はこれまでの戦いを振り借りつつ、現状を説明する。この回で色々分かったことも多い。
 イズの不調を調べるためにやってきたヒューマギアの博士ボットが登場。なんと滅の製造者だった。滅は元々父親型ヒューマギアとして作られたもの。かつてのデイブレイク時に或人を守ったのも別な姿の父親型ヒューマギアだったが。
 そして滅亡迅雷ネットはやはり滅、亡、迅、雷という四体のヒューマギアからなることが分かった。彼らはアークを宇宙に打ち上げようとしたが、それを阻止したのが或人の父。だがその結果街一つが破壊されてしまった。これがデイブレイクの真実。
 現在の戦いは飛電が打ち上げた人工衛星ゼアと、今もデイブレイクタウンにあるアークの代理戦争ということになる。
 そしてアークを覚醒させたザイアの目的は、世界に混乱を引き起こして兵器ビジネスを進行させようとしているとのこと。
 正気のままメタルクラスタホッパーに変身できるようになったゼロワンだが、シャイニングホッパーにも変身していた。完全にコントロールしたらしい。
<諌と或人の関係はますます深まってる。或人のギャグに笑ってしまう自分が許せない諌は笑い顔を見せないように或人に抱きついてたりする。仲いいね。>
VOL.4
<A> <楽>
マザーレス・ブルックリン
<A> <楽>
劇場アニメ 『 ぼくらの7日間戦争 』
<A> <楽>
02
映画
アメリカン・アニマルズ(2018)
 退屈な大学生活を送っていたウォーレン・リプカ(ピーターズ)と親友のスペンサー・ラインハード(キオガン)は、何か刺激がほしいと常に願っていた。そんな時、大学の図書館の地下蔵書の中に100万ドルを超す値打ちのある「アメリカの鳥類」という稀覯本があることを知る。これを盗めれば人生が変わると思い立った二人は、綿密な計画を立てることにする。その過程で同じ大学のエリックとチャズを仲間にして、四人で実行に移す。

 2004年に実際に起きた事件で逮捕された本人が書いた手記を元に映画化した作品。
 これは事件としてはほんの小さなものだが、こんな小さなものをを映画化したら、見事なものになった。これに着目したのは慧眼だと思える。
 これは僅か10年前に起こった事件で、事件の当事者は全員生き残っている。だからこの原作を描いた主人公が実際に出演し、事件を回想して語ることによって本作は疑似ドキュメンタリーへと変化する。テレビバラエティではさほど珍しくない構造かも知れないが、それを映画でやってみたことに意味があるのだし、実際に事件を振り返ることで、どれだけ馬鹿なことをしたのか本人と観ている側にきちんと伝わるようになっているのが面白い。同年にイーストウッド監督がこれも疑似ドキュメンタリーの形として15時17分、パリ行きを監督してるが、別な意味での疑似ドキュメンタリーが二作も作られたのはタイミングが良い。
 まずはこの構造を思いついた発想が素晴らしい点だ。
 物語もシンプルなのだが、その設定があるからこそシンプルさが映える。
 物語を通して言うならば、これは「馬鹿がいくら計画しても犯罪は失敗する」というもので、穴だらけの犯罪計画が思った通りに失敗するだけの作品である。
 映画の場合は犯罪が成功する作品が大半のために忘れがちだが、「下手の考え休むに似たり」とは良く言ったもので、馬鹿がどれだけ考えても計画は失敗する。
 理由は簡単で、馬鹿がいくら考えたとしても、最大限上手くいくパターン以外考えられないからである。失敗する事を前提で考えないと犯罪は基本的には成功しない。正確に言えば、成功することもあるけど、それは偶然上手くいっただけ。確率は大変低い。
 でも普通人間というのは上手くいくことを前提で考えてしまうので、計画を立てる時に楽観的になってしまって失敗する。
 筆者自身それで何度も失敗してるし、これからも何度も失敗するだろう。何度やっても失敗を前提に考えられない以上、犯罪はしてはいけないと心に決めてる
 その考えが本作を観てかなり補強された。成功する物語としての犯罪ではなく、このようなリアルな物語こそ、本当に犯罪映画として語るべき部分があるのだ。
 本作の唯一の失敗は、もうちょっと早く出ていれば良かったということだった。この作品の骨子は先にマイケル・ベイがペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(2013)で見事に言い表してしまってる。どうしてもあの作品が頭に浮かんでしまって、私の中では本作は二番煎じ的な作品に思えてしまって仕方がない。

サンダーバード ARE GO(2nd)

12話  貨物飛行船バロス内のクレーンが暴走して人を襲い始めた。SOSの通報で出動するインターナショナル・レスキュー。落下を防ぐだけの任務と思われたが、だが脱出したはずの乗組員が飛行船内に取り残されてしまっていた。そしてバラスの中に入ったスコットも又クレーンに襲われる。

 オリジナルシリーズ同様サンダーバード1号と2号が活躍する話。出撃風景もたっぷり時間を取って、本当にオリジナルシリーズを観てる気分。スコットとバージルだけでなくケーヨのSが活躍してるのが本シリーズの特徴かな。
 今回ブレインズは5号の定期メンテナンスのために宇宙にいるが、船酔いが激しいらしい。一方、ゴードンとアランは買い物中で全く活躍出来ず。最後にクレーンゲームを買ってきてみんなに嫌がられていた。
<サンダーバード5号の無重力の中で何事もなく動き回っているロボットのマックス。そんな機能あったのか?>
CLIMAX クライマックス
<A> <楽>
残された者 -北の極地-
<A> <楽>