Top
record

2021'09

 
30
映画
るろうに剣心 伝説の最期編(2014)
 戦いに敗北し、死にかけた剣心(佐藤健)が目を覚ました時、そこには剣の師匠である比古清十郎(福山雅治)がいた。助けられたことを知った剣心は志々雄を止めるために飛天御剣流の奥義伝授を願い出る。そんな時、志々雄は着々と東京攻略を開始していた。自らをこのような姿にした大久保を脅迫し、明治政府が表立って手出し出来なくした上で、罪を剣心にかぶせようとしていた。

 前作『るろうに剣心 京都大火編』と並行して撮影された直系の続編で、志々雄編の完結編となる。割と溜めが多く、ストーリーを追う形となった前編と比べ、後編の本作はひたすらアクションに主眼が置かれており、かなり見栄えのする作品になっている。
 アクションに関してはもう手慣れたもので、最大限の効果で観られる。見応えに関して言うならば充分すぎるほどだ。刺客一人一人に見所が用意されているし、最後の志々雄の戦いはほぼ特撮ヒーローの最終回。大変見応えがある。
 ただ、次々に現れる刺客を一人一人倒していく構造は、昔のジャンプ漫画の王道過ぎて、時代の古さというものを感じさせることになったし、ワンパターンなのでもうちょっと演出に工夫が必要だったんじゃないかな?
 前作ラストに登場した謎めいた人物だった福山雅治も、結局ただ助けただけだったし、刺客の一人一人がただ出てくるだけと言った印象で、どうにも投げっぱなしといった感じ。折角良い役者使ってるんだから、もう少し演出に気を遣っても良い感じがする。
 迫力ある演出に目が行くが、細かいところがもう少し足りない感じ。佐藤健主演と言うこともあって、「るろうに剣心」よりは仮面ライダーっぽい感じと言っても良いか?

機界戦隊ゼンカイジャー

29話  アルバイトの配達途中にステイシーの挑戦を受ける介人。ステイシーザーとゼンカイザーの戦いが始まり、それに合流するゼンカイジャーの面々。しかしそんな時、ヤツデの前にテニスワルドが現れた。

 敵はテニスワルド。お嬢様言葉で話すワルドで、テニスボールで形作られる髪型は勿論縦ロール風。ラケットで打ったボールにぶつかると、その人はテニスボールになってしまう。ちなみにテニス勝負でないとダメージを与えられない。そしてダイテニスワルド。巨大なテニスコートを作り出してテニス勝負を挑む。
 テニス勝負の話。テニスでないとダメージを与えられないというテニスワルドとの勝負で、ゼンカイジャーの面々が特訓を受けてテニス勝負するという話になる。意外にゾックスがテニス好きで、下手なテニスプレイヤーにはキレてしまう。
 テニスと言ったら日本には二つの代表的マンガが存在する。ということで、その二つ、即ち「エースをねらえ」と「テニスの王子様」モティーフの無茶苦茶な話になってる。狙ってやったんだろうが、ピンポイント過ぎる。
 テニス勝負のために特訓を受けるゼンカイジャーの面々。やってることがモロに戦いの特訓だが、滝行は意味あるのか?
 テニス勝負に参戦するステイシーだが、ヤツデを助けるため、ゼンカイジャー側で戦っていた。
<そもそもテニスでないとダメージ与えられないという設定自体に無理がある訳だが。
 「テニスは格闘技だ」というゾックスに対して「自分の知ってるテニスじゃない」というマジーヌ。「テニスの王子様」で散々聞かされた台詞だ。他にも「全力全開の極み」「俺様の妙技に酔っちゃいな」とか、テニスワルドは分身までしてる。いろいろと、こう…
 テニスの特訓で滝行やった結果、どこでも水を振らせることが出来るようになったブルーン。それはそれで大きな特技だ。>
VOL.2
<A> <楽>
中つ国 (ロード・オブ・ザ・リング/ホビット)アルティメット・コレクターズ・エディション(4K ULTRA HD&HDデジタル・リマスター ブルーレイセット)(30枚組+ブルーレイ ボーナス・ディスク1枚付)
<A> <楽>
86-エイティシックス-
<A> <楽>
wiki
28
読書
蜘蛛ですが、なにか?3
馬場翁 (検索) <amazon> <楽天>
 エルロー大迷宮の中でほぼ最強の存在にまで成長した“私”は名実ともに最強となるべく、地竜アラバに挑む。圧倒的な力の差はあるものの、勝利の条件は揃っていた。一方、兄が死んで勇者の称号を受け継いだシュンだったが、突如起こった内乱によって父王は殺され、シュンは父親殺しの汚名を着せられて殺されそうになる。その背後にはシュンと同じ転生者であるユーゴの存在があった。

 3巻にして主人公は最強の存在となってしまった。展開はかなり早い感じ。一方、人間側の主人公の方は苦労の連続。こちらは仲間を作りながらしっかり主人公っぽいストーリーとなっている。
<A> <楽>

ウルトラマントリガー

10話  ユナがユザレとして覚醒が近づいた。だがダーゴンは複雑な思いを抱いていた。ユナに対する思いが溢れたダーゴンはユナに接触する。それを敵対行動と思ったケンゴとアキトはダーゴンと戦う。

 敵は変身怪獣ザラガス。地上でダーゴンが暴れたため、その刺激を受けて眠りから目を覚ましてしまった。死なない限り攻撃を受ける度に肉体が強化される特性を持つ。ダーゴンに投げ飛ばされて体勢を崩したところをトリガーのデラシウム光線で倒された。
 今回はカルミラの仲間であるダーゴンの中心回。なんとユナに恋してしまったのだが、本人もそれに気づいておらず、その事をイグニスに指摘されて動揺している。3000万年も生きてきて、そういうのに疎いのがちょっとおかしい気もする。イグニスにそそのかされて壁ドンしたりバックハグしたりと地球流の口説き行動を取るダーゴンのミスマッチぶりが見所ではあるが、はっきり言ってこの手の話は観たくなかった。
 エタニティコアの影響で地下の怪獣が覚醒しやすくなっているらしく、今回のザラガスもそれで目覚めやすくなったと説明されている。
 石版の解析によってカルミラの仲間だった闇の巨人についても言及があったが、四人目の仲間としてトリガーの名前があった。やっぱり設定は劇場版『ウルトラマンティガ』に準拠してるんだな。
 特撮においては辻本監督らしい外連味がよく見られるのが救いか。得意の家の中から見た戦いは勿論、揺れる電線描写なんかは昭和感満載だ。
<ユナが気になるダーゴンはユナをこっそりと尾けていくが、姿がモロバレで、ほぼストーカーそのものだった。
 「この顔を見ろ」というダーゴンの顔を見たケンゴは「恋する顔だ」と言っていた。どうやったら表情読み取れるんだ?
 何故弱い人間が逃げないのかというダーゴンの問いに、「誰かを守りたい気持ちが私を突き動かす」というユナ。格好良い台詞だが、周囲には守るべき人がいない。>
ファイナル・プラン
<A> <楽>
コスベイビー ホワット・イフ…? ヒドラ・ストンパー&スティーブ・ロジャース 2体セット サイズS ノンスケールフィギュア
27
映画
メイドインアビス 深き魂の黎明(2020)
 秘境の大穴“アビス”の探索を進める人類。その中でアビスの深層で行方不明となった探窟家の母と合うべくリコとアビス生まれのロボット生命体レグは階層を重ねて低層へと向かっていた。第四層で大怪我を負ってしまったリコは、そこで出会ったナナチという不思議な姿をした人間より治療を受けて復帰した。だが第五層には、探窟家の最高峰にして、ナナチをこんな姿に改造した凶人“黎明卿”ボンドルドが待っていた。そこで、ボンドルドを父と呼ぶプルシュカと名乗る女の子に出会う。

 つくしあきひとによる漫画「メイドインアビス」。これはアビスと呼ばれる深い縦穴に潜っていく一人の少女リコと意思を持つ人工生命体の少年レグの物語である。この作品の特徴は、ことさら強調することなく、残酷さを描くと言うことになろうか。絵柄はとても可愛いもので、一見萌えを強調した漫画のように見えながら、内容はとてもハード。ただしそれはホラー的なものではなく、生物が生きるために必要なものとして捕食や排泄といったものを人間の側だけでなく、アビスの中に棲息する動植物にも適用している。つまり人間の方も捕食される側として描かれていく。食う食われる関係が対等の中、サバイバル術と知恵(とレグの不思議な機構)によって最奥へと入っていく話になっていく。
 そこがまずテレビシリーズとしてあって、リコとレグは、アビスの中で訓練を受けたり、死にかけたり第四層から第五層へと向かう中、ナナチという半獣人のようなキャラと仲間となる。そしてそのナナチをこんな姿にした存在こそボンドルドという人物で、彼を超えなければ第六層へと行くことは出来ない。
 ここでちょっとややこしいのが、ボンドルドも探窟家であり、人間側に付く仲間のはずなので、話をすればあっさりと通す可能性もあるのだが、前提条件としてボンドルドを強烈な変態キャラに設定したことで、彼を倒さねば先には行けないとしてしまった。
 この辺説得力が薄い気もするのだが、人間同士のコミュニケーションはどんな場所でも難しいと言うことにしておこう。
 その前提条件を飲めさえすれば、この作品はものすごい作品になる。
 ほぼこの作品はボンドルドの変態性を示すだけにあると言っても良い。
 ボンドルドはある意味では人間にとっては最も大きな希望である。危険なアビスから得られた知恵は地上でフィードバックされ、様々な科学的エネルギー的問題を解決する糸口となっている。彼の存在は地上の人間にとっては英雄そのものである。
 ボンドルドはアビスを探索することに全てを賭けている。アビスの探索を続けられるならば、命まで安いものと投げ出すほど。というか、既に投げ出してしまってる。今ボンドルドの本体は白い笛になっていて、その笛を手にした改造生命体がボンドルドの名前を継いで探索を続けることになる。実質笛が壊れなければボンドルドの意思と知識はいつまでも継承される。
 だからボンドルドがここですべきことは二つある。一つはアビスの探索を続けること、もう一つは下層に耐えられる強い生命体の開発となる。強い自分の肉体を作ることが大きな目的になっている。そのためには人間を含めた他の生物を体のベースにしてしまう。アビス探索に賭ける彼にとって、既に献げた自分の命も含め、他者の命を使うことに全く躊躇はない。
 ボンドルドは定期的にアビスで得られた膨大な知識を地上に送る一方で、多くの人間の生け贄を求める。それは肉体改造のベースとして、自らの肉体として、そして生体電池として。既に多数の人間が犠牲になっているし、ナナチもその過程で改造されてしまった存在である。
 主人公三人はそんなボンドルドを父と呼ぶ少女プルシュカとの交流があるのだが、観てるこちら側としては、プルシュカはもう助からないものとして観ているため、緊張感というか「先を観たくない」という思いを抱きながら観ていく。プルシュカが純粋であればあるほど、愛情深くあればあるほど悲しみは増す。しかしそれでもプルシュカに求めるものは純粋さである。この矛盾を抱えて観なければならないので、ストレスが大変増す。しかし作品自体が面白いので目が離せない。
 オチとしては、まさにこれしかないというところに着陸して物語としては納得するのだが、ストレスが溜まるのと、現在未完の物語の本当の決着に思いを馳せてしまうため、気持ちがすっきりはしない。
 それにリコは第六層に行けさえすれば良いため、通過用の白笛をもらって(これが難しいんだが)、ボンドルドが認めてくれればそのまま降りていける。オチを知ると、やっぱり交渉でなんとかなったんじゃないか?と思ってしまうところが問題なんだが。

仮面ライダーリバイス

4話  誘拐犯人を捕まえたものの、コング・スタンプは未回収で、それを生み出した人物も分からない。そんな状況に危機感を募らせる大二は一輝にフェニックスの入隊を勧めるが、一輝は家族を守るため銭湯を守り続けるという。

 敵はコング・デッドマンフェーズ2。コング・デッドマンが上級契約することで誕生したデッドマン。
 前後編の後編で、前回人質となった綾夏の家の複雑な家庭事情に踏み込む。実は桶谷家の妹美春がアイドルグループの一員で、母の妙子は美香に付きっきりのため、綾夏は愛情に飢えており、実はコング・デッドマンを生み出した人間こそ綾夏だった。犯人は意外だったが、前回綾夏が一輝を熱っぽく見つめていたのは、愛情ではなくて幸せな家族に対する妬みだったことが分かった。
 一方、世界を救う力を持つのにそれをやろうとしない一輝に対して激しい嫉妬を燃やす大二という構図もあって、五十嵐家にも色々複雑。母の幸実にも諭されているが、一輝は他の人に優しいが、それは相手のことを考えておらず、そうすることが楽しいからという、ある種のサイコパスキャラであることが窺える。おそらく生まれつき自分の好きなことだけしかしようとしなかった一輝をここまで育てたのは幸実の教育あってのこと。
 自分が生み出したデッドマンと契約を結ぶことで、デッドマンと一体化することが出来ることが分かった。デッドマンにも顔が出来、動きも大変素早くなる。この姿になると人間には戻れなくなるらしいが、ライダーキックで分離できる。
 リバイはプテラゲノムへと変形。ベースは555らしい。この形態になるとバイスはホバークラフトのような乗り物になる。形は違うがジェットスライガーかな?
 ラストシーンでついに一輝はフェニックスと契約して仮面ライダーとして活動することとなったが、ラストに不穏な空気が流れている。
 この作品、主人公の底抜けの明るさに救われてるが、内容そのものはとても重い。それで面白いのだから見事なバランス感覚だが、このバランスを最後まで取り続けることが出来るのか心配になってきた。
<母にお節介を諭された一輝だが、やってることはやっぱりお節介だった。本当に成長してるのかこいつ?
 しあわせ湯の地上げを阻止するという大二。頼もしいが、それってフェニックスの力で押しつぶすと言うことだよな。>
イン・ザ・ハイツ
<A> <楽>
Blu-ray3
<A> <楽>
25
読書
アオイホノオ22
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 冬休みで実家に帰ったホノオ。しかし今度は週刊少年サンデーに短期連載が決まっていたため、でひたすら漫画描き三昧となった。そのため家の近所にいる漫画家志望の尾藤という女の子にアシスタントを頼むこととなった。あくまで外見ではなく実力でアシスタントを頼んだと自己弁護しながら、その可愛さと健気さに惹かれていくホノオ…

 まさに私にとってはリアルタイム世代。月刊サンデーを買い始めた直後で、週刊少年サンデーを買い始める直前のギリギリの数ヶ月にあった出来事。ここまで絞られると、この時何をしていたかとか何を考えていたまで覚えてる。
 作品には突然登場した尾藤さんに驚かされる。なんだこのオタクに優しすぎる天使みたいなキャラは。妄想以外に登場しないようなキャラに知り合えるとは、なんともすばらしいこと。
 それはそうと、相変わらず情報量の固まりで、あだち充の「タッチ」で和也の死というとんでもないことをやった時。「超時空要塞マクロス」で級友達が活躍している裏話、そして劇場版『うる星やつら オンリー・ユー』公開間近など。脳内がその時代にすっかり戻ってしまった。
 この時代にレンタルビデオがあったことは初めて知った。郵便小包を使ったもので、一週間4千円。こんなサービスがあったんだな。絶対使わなかっただろうが。
<A> <楽>

ザ・ボーイズ(2nd)

2話  ザ・ボーイズに舞い戻ったブッチャーはCIAと接触して協力を取り付ける代わり、非合法な超能力者の取り締まりを行う事になった。ブッチャーに反発するヒューイは、不信感を覚えつつも他に手がなく従う。

 1期ラストでブッチャーが元妻のベッカと会ったが、それはほんの一瞬。すぐにホームランダーがブッチャーを遠くの町に置き去りにして、マデリン殺しの犯人にされてしまったことが分かる。完全にお尋ね者だが、それでもCIAに渡りを付けた。
 ブッチャーの元妻のベッカはブッチャーのことを知らないまま、息子ライアンを一人で育てていることも分かる。ライアンに何かの能力があるかどうかは不明だが、ホームランダーに隠していた息子の存在を知られてしまった。
 そしてCIAの情報でテロリストの巣を襲撃するザ・ボーイズだが、そこはキミコが昔いた光解放軍の基地だった。そこにはキミコの弟もいたが、ブッチャーはそれごと全滅させようとしてヒューイに止められる。キミコの弟のケンジはすっかり光解放軍の思想に染まっており、キミコ自身がケンジを捕らえてザ・ボーイズに引き渡した。野獣のようだったキミコが一気に大人になっている。

 セブンではAトレインが復帰した。スターライトの裏切りを知っているが、命を救われたことのお礼として黙っている。
 新メンバーにストームフロントが入会。1話でやってきたグルービーみたいな女性。とにかく明るいキャラだが、軽く毒も吐いてて、なんか裏があるっぽい。
 クイーン・メイヴは元恋人のエレナの病気を知り、仕事を放って見舞いをしている。そこでエレナにホームランダーの犯してきた犯罪の一部を告白している。
 そんな中、なんとかヴォート社の悪行をばらしたいスターライトは、ギリギリでの交渉を続けている。ストレスまみれだ。
 完全にクサっていたディープは能力者のイーグルと出会い、彼の導きで自分探しの度に入る。麻薬のお陰でトランス状態になって自分の腹にある鰓と会話してるだけだったが、彼のもたらした麻薬を用いて内面にトリップしてる。麻薬で悟りを得るって70年代っぽいな。
ユリイカ 2021年10月号 特集◎円谷英二 ―特撮の映画史・生誕120年 <A> <楽>
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2020)
<A> <楽>
23
映画
フリー・ガイ(2020)
 毎日決まった服を着て、同じコーヒーを買って毎日同じ銀行の窓口勤めをし、毎日銀行強盗に脅されつつ、日々平凡に暮らすガイ(レイノルズ)。その日もいつもと変わらぬ一日が始まったのだが、すれ違った一人の女性に目が止まる。彼女に一目惚れしてしまったガイは日常から離れ、彼女を追い求めるようになってしまう。この街では特別な人間しか付けることが出来ない眼鏡を装着し、街の探索をしていくうち、ついに彼女と出会う事が出来た。モロトフ・ガール(カマー)を名乗る彼女から、衝撃的な事実を告げられた。それはこの世界がが“フリー・シティ”というオンライン・ゲームの中であり、自分はコンピューターによって制御されるだけのモブキャラに過ぎないと聞かされてしまう。その頃、“フリー・シティ”のデバッカーであるキーズ(キーリー)とマウザー(アンブドゥカル)は、ガイをバグとして排除しようとしていた。

 『デッドプール2』(2018)以降、レイノルズが再びヒーローを演じることが告げられていたが、通常の意味での、そして変な意味でのヒーローではなく、一般人がヒーローとなる話だと聞かされていた。レイノルズはいつの間にかデッドプール俳優とされていることにやや違和感を覚えるが、デッドプール好きとしては勿論抑えておくことにした。
 しかし2020年の新型コロナウイルスの流行によって本作の公開は遅れに遅れ、ようやく2021年も半分を過ぎた頃になっての公開。大変待たされた。
 確かに待たされたが、本作は期待に充分に応える内容の作品だった。
 ただ、メインストーリーに関してはかなり単純である。フリー・シティのモブキャラだったガイという男がモロトフ・ガールという女性に一目惚れしたことから自我を持ち始め、このゲームのシステムを理解してモロトフ・ガールを助けて彼女の目的を果たすというもの。ストレートな物語をキャラと演出で引っ張っていっている。これだけだと、実に普通の作品であろう。ゲームの中の世界だけに、通常では出来ないような演出もあるし、ゲームとか他の映画とかに出てくるアイテムやキャラを出したりしてマニアへのサービスもある程度(キャプテン・アメリカの盾が出てきた瞬間にクリス・エヴァンスが大写しになったのは嬉しいサービスだった)配慮され、上手く出来た作品だと思う。
 ただこれだけであれば、私も高得点を上げるつもりはない。それを前提として、そこからのプラスアルファが素晴らしいのだ。
 ゲームキャラが実際に自我を持ったらどうなるか?というテーマ自体はSFではお馴染みで、昔から作られている。小説や漫画だと枚挙に暇がないが、映画では『トロン』(1982)が有名だが、他にも『ターミネーター』(1984)『マトリックス』(1999)、アニメでも『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(1995)など、それなりに作られている。それを肯定的に作るか否定的に作るかも含め、それを前提にして、そこからどう物語を作っていくのかが重要になる。そこが意外に難しい。
 なぜならば、自我を持ったAIというのは並のつくり方であればAIである必然性が無くなってしまうのだ。
 それで本作はその設定を面白い方向に持って行った。
 それは三つあって、一つは犯罪犯すことが普通の世界の中で、自分の意思で良いことをしようとすることだった。この世界では眼鏡を掛けた人物は位が上がり、一般人には見えないアイテムを得る事も出来るし、自由度はぐっと増す。アイテム次第だが、空を飛ぶことも出来るし、SFチックな武器も持てる。更に登場人物を殺しても翌日には元通りになってる。好き放題が出来る世界の中でガイは人のために尽くすことを選択した。この部分がまず面白い。
 同じ日常を強制的に繰り返す作品は映画でも何作か存在するが、何でも出来るからこそ、逆に自分勝手にではなく人の喜ぶことをしようと言う設定は『恋はデジャ・ブ』(1993)に準じていて、そのストーリーを選んだことがなんか嬉しい。
 そしてゲーム内の人のためにガイが行ったのは解放だったというのがもう一点。それはガイは最初に自我を持ったAIだが、それは唯一の存在ではない。彼を元にしてゲームの舞台であるフリー・シティのみんながそれぞれ自我を手に入れるようになるということで、これは『リオ・ブラボー』(1959)的な解放の物語でもあるのだ。
 自分たちは自由な存在だと思っていたフリー・シティの住民達だが、実際はプログラムによって行動が決められていて、その範囲内でのみ自由が認められ、本当の意味での自由というのが分からなかった。毎日が同じ生活で労働し、時にゲームプレイヤーに打ち殺されることもあるが、翌日は全く同じ一日が始まる。一日で全てがリセットされる訳だが、フリー・シティは特別なプログラムがあって、記憶が継承されている。その蓄積が自我の発露によって一気にユニークなものとなっていく。その反響が面白い。
 これは自由の定義を人々が学び取っていく古典的な社会派物語に通じる。多くの作品では尺の都合上一足飛びに自由の理解が広まってしまって嘘臭くなるのだが、本作の場合はゲームの中で何度も何度も同じ時間を繰り返すことによって蓄積されたものが一気に噴き出すという側面があって、説得力が増してる。

 そしてもう一点がガイの自由意志が本物になっていくまでがちゃんと分かるように作られていること
 本作は実は主人公が三人いて、ガイとモロトフ・ガール=ミリーともう一人、プログラマーのキーズという男が存在する。彼はしがないデバッカーをしているが、実はフリー・ガイの根幹システムを作り上げた天才プログラマーであり、彼のいたずら心によってガイの自我が形成された。ガイが自我を持ったのは、モロトフ・ガールに一目惚れしたからだが、それ自体がプログラムに組み込まれていたことが明らかにされる。
 つまりガイがモロトフ・ガールに惚れることは最初から予定されていたこととなるので、ガイの自我自体がプログラムの延長ではないのか?という疑問が入ってしまう。どれだけ個性を持ったとしても、あらかじめ決められていたならば、それは本当の自我になるのか?
 その答えがちゃんとラストに用意されている。物語的に言うなら、ガイとモロトフ・ガールは結ばれて、現実と架空を結びつける恋愛が始まるという風にした方がすっきりするのだが、現実にはモロトフ・ガール=ミリーは現実世界でキーズのプロポーズを受け、ガイとは別れてしまう。これによってガイの最初に与えられたアイデンティティは崩壊してしまう。なんせ最初のプログラムでは、ガイはモロトフ・ガールと結ばれることだけが唯一の目的だったのだから。ところが振られてそれで終わらなかった。ガイは立ち直るのだ。これはプログラムでなされることではない。これによって、ガイは真の意味で自我を得た。肉体こそ持たないものの、完全な人間としてこの世界で生きていけるようになる。これは大きな希望である。
 だからこのラストはこれでいいのだ。すっきりした後味と実感を得られた。これこそ好みの作品だ。

機界戦隊ゼンカイジャー

28話  フリントの協力を得て並行世界に母美都子を探す介人。一方残してきた世界では人間やキカイノイドを次々に漫画に変えてしまうマンガワルドが現れた。ゾックスと残ったゼンカイジャーの三人が戦うが、カッタナーとリッキーととジュランとマジーヌが漫画にされてしまい、人質にされてしまう。

 敵はマンガワルド。人間やキカイノイドを漫画に変えてしまう能力を持つワルド。ゼンカイジャーやゴールドツイカー一家を次々漫画に変えてしまう。そしてダイマンガワルド。空中に描いた武器を実体化させて攻撃する。
 登場するキャラが次々に漫画にされてしまうというネタ。どこかで似たネタがあった気がするが、どこだったかな?紙になっても本人は生きていて、漫画の吹き出しで会話も出来る。なかなか器用だ。なんと戦う事も出来る。二次元と三次元の間の戦いはなかなかの新機軸だ。
 マンガワルドを騙してこっそり近づこうとするとか、やってることは牧歌的だ。
 今回はゾックスが中心で、かつてマンガトピアに行った時に漫画の面白さに目覚めて、漫画をお宝と思っているようで、並々ならぬ思い入れを持っていることが分かった。家族を救うためにはそのお宝をぶちまけることも厭わないが。
 今回はいつに増して歴代戦隊からの引用が多い。マンガワルドが人間を漫画にする際、「一筆献上」と言ってるのは「侍戦隊シンケンジャー」だし、ゾックスの台詞「漫画を舐めるな」は「動物戦隊ジュウオウジャー」から。さりげなく使ってるところが好感度高い。
<ジュランとマジーヌの紙を前にライターの火を近づけて笑ってるブルーンが怖い。色々溜まってるんだろうな。
 ゾックスに蹴られたブルーンは「ひでぶ」とか言ってる。これも漫画が元ネタ。>
VOL.2
<A> <楽>
宇宙なんちゃら こてつくん
<A> <楽>
狂猿
<A> <楽>
22
読書
などらきの首
澤村伊智 (検索) <amazon> <楽天>
 主に比嘉姉妹が関わっている事件を中心に描く、怪異絡みの事件の短編集。「ゴカイノカイ」「学校は死の匂い」「居酒屋脳髄談義」「悲鳴」「ファインダーの向こうに」「などらきの首」を収録する。

 これまで2編の長編に登場した日嘉三姉妹の過去や今関わっている事件などを描く話だが、怪異絡みの中にもハートウォーミングな話もあったり、SFチックな話もあったりとバラエティ豊か。結構幅広い
<A> <楽>

ウルトラマントリガー

9話  ユナは18歳の誕生日を迎えた。父のシズマミツクニに話があると呼び出すユナに、ミツクニは、自分は別次元の人間だと明かす。

 敵は石化闇魔獣ガーゴルゴン。3000万年前にユザレを襲ったが逆に自分の光線で自らが石化してしまい、そのまま封印されてしまった。カルミラの呼びかけで復活し、ユナを襲った。
 ユナとユザレの関係が明らかになる話で、ユナの出生の秘密が明らかにされる。というか、まずシズマミツクニの方が別次元の人間で、そこは「ウルトラマンティガ」の世界。GUTSの一員でガッツウィングと共にこの地球にやってきたミツクニはここにもウルトラマンの伝説があることを知り、来たるべき危機を予見してここでその次元の技術を用いて新たなGUTS-SELECTを設立したと言う。何故GUTSという名前と同じガッツウィングがあるのかが明らかになった。
 そしてミツクニはこの地球でユザレの記憶を受け継ぐユリカという女性と結婚し、ユナをもうけた。その時点でユザレの記憶はユリカからユナへと継承される。今回は自分の意思でユザレを呼び出しており、だんだんユザレという別人格を使いこなせるようになってきたように描かれている。どうやらそれ自体がカルミラの目的のようだ。
 オリジナルのガッツウィングも稼働出来るが、新しいものと同じで遠隔操作で動かす。
 3000万年前には多くの怪獣がいたが、ほとんどが封印されているとのこと。カルミラの呼びかけでいつでも復活出来るようになっているのだろう。
<ユナのプレゼント選びをしたアキトはスタンガンをプレゼントしてる。デコってるけど、そのデザインは感覚が古くないか?>
Arc アーク(2021)
<A> <楽>
MARVEL マーベル レジェンドシリーズ アベンジャーズ: エンドゲーム/アイアン・スパイダー エレクトロニック・ヘルメット
20
映画
スタートアップ!(2019)
 高校は卒業したものの、それからどうしていいか決めかねていたテギル(パク・ジョンミン)は悪友のサンピル(チョン・ヘイン)とつるんで遊んでばかりおり、警察の厄介になっては母からビンタを食らう日々だった。そんなある日、サンピルが突然働き出すと言い出し、おいてけぼりを食らった気分になったテギルは家を飛び出して適当な行き先のバスのチケットを買って田舎へと行く。そこで入った食堂が従業員募集であることを知って、そのまま住み込みで働くことにした。ところが世間知らずのために失敗続きで、その度ごとにおかっぱ頭の厨房長コソク(マ・ドンソク)に反抗しては張り手を受ける日々を送る。

 韓国映画の大スター、マ・ドンソクがおかしな髪型で出演してると聞いたので、ちょっと興味が出たので観てみたが、思いの外良い出来の作品だった。
 マ・ドンソク自身が強烈なキャラを演じることが多く、特にこの作品ではピンクのスエットにおかっぱ頭という強烈なファッションで、どうしてもそちらに目が行くが、この作品ではマ・ドンソクはあくまでサポートに徹し、三人の男女の青春物語となっているのが特徴。
 その青春物語がかなり上手くいっている。主人公テギルは本当に何も持たない青年。コネもなければ腕っ節も弱い。粋がって何にでも噛みつきはするものの、バックボーンが何もないためすぐにへこまされてしまう。一方の友人のサンピルは親戚に半グレがいたため、暴力団の庇護で借金取り立ての仕事にありつき、食って行くには困らない生活に入っている。更にテギルが知り合ったユン・ジョンヘは、女性でありながら、なんとか強くなって腕っ節で生きていこうと考える。三者三様それぞれに生き方がある。ただし三人全員が必ず壁にぶち当たり、理想とする生き方が全く出来てないし、壁を乗り越える具体的は方法も分からないというのが大変面白い。青春ものだが一筋縄ではいかない物語なのだが、それが面白い。
 日本でも70年代くらいにこう言う作品は数多く作られていたものだ。挫折だけで終わる救いようがない物語なのだが、不思議とそれが心地よかったりする。私自身も割とその手の作品好きで、数年に一度くらい作られているものを結構楽しく観させてもらっていた。中でも『Kids Return キッズ・リターン』(1996)大好きとしては、本作の設定は大好物だ。しかも単に青春挫折譚で終わらせることなく、物語の質が高く、更にきっちりと未来への希望も作っている。見事に好みに合致した。同じ韓国映画だったら、『バーニング』(2018)もそれに近いか?まさに希望を持てない若者世代のための映画だ。
 脇に回ったように見えるマ・ドンソクも強烈なキャラ性を持っていて、ちゃんと大人としてのけじめを付けてる。この作品に分別を持った人はいない。それぞれが自分の問題と直面しながら自分だけの課題を乗り越えようとしている。それがきちんと伝わってくるので観ていて大変心地よい。

 ついこの前に知った小ネタだが、ラストシーンでやくざから足を洗ったサンピルのおじさんがフライドチキンの店を始めている。これは数年前から韓国で一気に増えていたそうで、爆発的に増えて、今はもう下火になってる流行りの職業だったそうだ。そしてそれが今日本に来ていることを思うと、この作品も今の日本に地続きなんだと思わされる。

仮面ライダーリバイス

3話  友人と買い物中のさくらがデッドマンズと遭遇した。連絡を受けて駆けつける一輝だが、現れた男にさくらの友人綾夏を人質に取られてしまう。綾夏の代わりになるというさくらも共に連れて行かれてしまう。

 敵はコング・デッドマン。怪力のデッドマン。それと敵幹部のフリオが怪人体となった。
 今回は前後編の前編。コング・デッドマンを生み出した人間は誘拐犯の吉田かと思われていたが、全然別な人物だったというオチ。
 家族の問題が表面化した。基本的に一輝は表裏なしに家族みんなを愛してるキャラだが、弟の大二は一輝に対してコンプレックスがあり、一輝に頼り切ることを躊躇するが、肝心なところで行動できず、一輝に頼ってしまう。それが余計にコンプレックスを育ててしまうという悪循環を生み出してしまう。
 しあわせ湯が立ち退きを迫られているが、父の元太は喜んで売ろうとしているが、他の家族がみんなで止めているシーンがあった。明るい家庭にも複雑な事情がある。
 さくらの友人として登場してきた綾夏という女性を見た時の一輝は微妙な表情をしている。彼女と何か関係があるのだろうか?その綾夏も家のことで色々あるようで、それが後編につながるのだろう。
 今回デッドマンを生み出した吉田は富の偏在に怒り、本気で何か行動することで金持ちを啓蒙するみたいなことを言っていた。過激派の言いそうな台詞だな。どんなに言いつくろっても犯罪は犯罪だ。一方では、その言葉は事実なのも確かなので、日本がこういう人間を生み出す国になりつつあるということに戦慄を覚えざるを得ない。
 イーグルスタンプを使って合体するリバイス。この形態だと空を飛べる。そしてマンモススタンプを使うと、象のような姿となって突進する。
 マンモススタンプを使って変身したマンモスゲノム形態の仮面ライダーバイスの姿はモモタロスのもの。一方リバイの姿はNEW電王っぽい。今度は劇場版を含めた「仮面ライダー電王」か。
<考えてみると、1話でお母さんが襲われ、3話でさくらが襲われている。三話中二話も特別に襲われる五十嵐家って、不幸体質なのでは?
 ジョージ狩崎は人を苛つかせる天才のようで、仮面ライダーに変身できない大二のことを、荷物運び以外の価値を見いだしてない。凄い性格だな。
 フリオに殴られてふっとんだ大二だが、頬を張られて数メートルも吹っ飛んでることから見ると、ものすごい力らしい。普通だったら首が胴体から離れてると思うんだが…>
映画スタア似顔絵 昭和・平成館 続 シャイでクールでお熱いのがお好き <A> <楽>
志賀コージ
ゴジラvsコング(2021)
<A> <楽>
19
読書
メッシュ2
萩尾望都 (検索) <amazon> <楽天>
 「革命」メッシュはある日精神不安定な女性と出会い、彼女の面倒を看る内、彼女に惹かれていくようになった。何かから逃げようとしている彼女の力になろうとするメッシュ。
 「モンマルトル」まだ復讐に燃えていた時の少年メッシュに働き口を与えてくれたギャングのドルー。彼との生活の中でメッシュが得たものと失ったもの。
 「耳をかたむけて」実家のある村に帰省するマルローについていくメッシュ。しかしこの村ではマルローは歓迎されていない人物である事を嫌でも知らされてしまう。
 「千の矢」自称天才画家エトゥーのモデルとなることになったメッシュ。我が儘なエトゥーに振り回されてしまう騒動。
 「MOVEMENT」メッシュが形態模写をして、それをマルローが当てるという実験的手法。
 「船」家出した少年が出会った男の家に一泊させてもらうことになったが…

 パリに住む贋作画家マルローと居候のメッシュの生活。短編ドラマだが、一編一編が人の心情に深く入り込んでいて、かんり読み応えある。その分読むのにだいぶ時間がかかってしまうが、それが著者の味。
<A> <楽>

ザ・ボーイズ(2nd)

1話  ブッチャーがホームランダーに連れ去られたその後。セブンは活動を継続しており、ザ・ボーイズを敵として認定したヴォート社はザ・ボーイズをテロリストとして指名手配する。

 第2部の開始。1期ラストでホームランダーがブッチャーを奥さんのところに連れて行っていたが、それとは全く関係なくストーリーは進行している。
 セブン側ではトランスルーセントの替わりとなるメンバーを探しているが、ホームランダーが気に入らないとすぐにお払い箱になってしまう。マデリンがいなくなったことでホームランダーは精神の均衡を失いつつあるようで、秘書のアシュリーを怒鳴り散らしてる。
 1期では全く存在感が無かったブラック・ノワールが淡々と仕事をこなしている。彼の任務はヴィランを倒すことで、基本的には殺人者。そしてストームフロントという女性ヒーローが新しいセブン候補に挙げられている。
 一方マデリンを殺したのがブッチャーということにされてしまったため、ザ・ボーイズの方は犯罪者として認定されてしまい、逃げ回るしかない状況が始まった。手詰まりでなにもすることがない状況で、みんなピリピリしてる。ブッチャーもいないことからMMやフレンチーは解散して自分の生活に戻ることを提案するが、コンパウンドVを手に入れさえすれば一矢報いられると主張するヒューイが彼らをとりあえず引き留めてる。そんな中で、突然ブッチャーが舞い戻る。
 ヒューイとアニーはまだ水面下で連絡を取り合っているが、スターライトとしてヒーロー活動をしてないといけないアニーと、犯罪者となったヒューイとでは話が噛み合わなくなってる。
 そしてセブンを擁するヴォート社についても社長からその真実が語られている。元々はナチスに加担していたドイツ人科学者がその研究成果をもってアメリカに亡命したことから始まり、第二次大戦以降の戦争で人体実験をしまくって薬剤を作りまくった。その最も大きな成果がコンパウンドVだとのこと。高圧的に出るホームランダーに対して、会社にとってセブンはたいして重要ではないと言ってのけていた。
 あと、セブンから干されたディープは完全にクサッており、暴力犯罪すれすれを繰り返しているが、これは何かの伏線なのかな?
 1期と較べても暴力描写やグロテスク描写はパワーアップしていて、正直見てると結構気持ち悪くなってくる。
 この話のテーマソングとなったのがビリー・ジョエルのプレッシャー。ぴったりな選曲だった。
ハニーレモンソーダ
<A> <楽>
孤独のグルメ(9th)
<A> <楽>
17
映画
孤狼の血(2017)
 昭和63年広島にある呉原市警察署に日岡秀一(松阪桃李)というエリート新米刑事が赴任した。呉原市は地場の暴力団“尾谷組”と、広島の巨大組織“五十子会”をバックに進出してきた新興組織“加古村組”が一触即発の状態で睨み合っていた。日岡は凄腕ながら暴力団との癒着など黒い噂が絶えないマル暴のベテラン刑事・大上章吾(役所広司)の下に配属されるのだが、赴任当日からいくつもの暴力団を訪ね、その度ごとに日岡に無理難題を言いつける大上。実は暴力団とべったり癒着してる大上の調査を命じられていた日岡なのだが…

 かつて日本では“実録もの”と呼ばれる暴力団を扱った一ジャンルがあった。有名なのは『仁義なき戦い』(1973)で、原作者の飯干晃一は山口組三代目の田岡一雄からのインタビューを元にしたもので、これが大ヒットしたため、東映では数多くの実録ものが作られるようになった。
 ただネタも限られることから、ブームもそう長くは続かず、泥臭さが敬遠される80年代に入るとほとんど作られなくなってしまう。ただ、10年くらいに一作くらいの割で時折作られていた。特に北野武監督がこだわったため、彼の監督作の中心だったし、良い作品も多かったが、北野監督は監督業から退いてしまい、もう作る人がいなくなってしまったかと思われた2010年代。突如再び良作の暴力団映画が作られるようになっていく。他でもない白石和彌監督によるものである。
 白石監督のこだわりある暴力描写は北野監督のものとはだいぶ異なるが、70年代の雰囲気を感じ取れる良作を次々生み出している。
 そんな中、監督の代表作と言っても良い本作が投入された。本作は正確には実録ではないが、いわゆる暴対法(正式名称は「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」)前の緊張ある時代を舞台にした非常にリアリティのある小説を元にしたもの。汚職刑事と暴力団の馴れ合いという意味では内容的には『仁義なき戦い』というよりも『県警対組織暴力』(1975)の方に近い。
 この作品は、監督と俳優のかみ合わせがとにかく素晴らしい作品だった。
 この素材を監督できるのは今や白石監督しかいないし、監督のためにあるような素材だった。そしてこの役を演じるのは役所広司しかいないだろう。それくらい見事なはまり具合だった。
 そこまでは想像の範囲内。そして思った通りの出来ではあったが、驚いたのは、もう一人の主人公の存在だった。
 松阪桃李という役者は若手の中では一歩上行く役者だと思っている。主人公として格好良い役も出来るのだが、同時に汚れ役や情けない役を軽くこなすことができるし、本人もそういう捻った役を喜んで演じている。これだけ幅の広い役をこなせるほどに育っているし、この幅はまさに役所広司の相手役として充分である。なんか役所広司の芸歴と噛み合ってるくらい。強烈な役を演じる役所広司に対してそれをしっかりと受け止める役を演じられていた。
 いや、それどころではない。ラストシーンで役所広司が消えると共に、同じ強烈さで取って代わっている。
 これは本当に役所広司の後継者として松阪桃李が現れたということになるのではないかとも思う。勿論これからも役所広司は役者を続けてはいくが、同時に松阪桃李がその役を担っていくのかもしれない。
 貴重なバトンタッチの瞬間を観たのかもしれない。

 ところで本作は評価は高かったのだが、劇場の方は観られなかった。それでテレビ放映を待ってから観たのだが、いつものようにポテチとか飲み物とか用意して、お菓子をつまみながら観始めたところ、オープニングで豚の尻のアップ。更に…流石に食欲無くすぞ。食ったけど。

機界戦隊ゼンカイジャー

27話  トジテンドから逃げた介人の母美都子が並行世界のどこかにいると考えた介人はゾックスに並行世界にツイれていって欲しいと頼む。まずはこれまでに解放した世界へと向かう介人達。

 敵はブラックジュラガオーン
 前回でトジテンドを逃げ出した介人の母美都子を探す話。ゴールドツイカー一家は次元を超えた海賊なので、行く気になればいつでも行けた。これまで一つの次元だけの話だったが、ここから次元を超えていくつもの世界も舞台になるようでもある。
 彼らが訪れたのは過去トジテンドギアを解放して復活した世界だが、再びトジテンドによる侵略を受ける可能性が出てきた。それら全てを守らねばと思い込む介人と、そんなことは出来るはずがないと突き放すゾックス。良い対比になってる。
 今回訪れた国はカシワモチトピア、レトロトピア、コオリトピア、キノコトピア。それぞれの世界にスーさんがおり、そこで交流しているが、全ての世界は今平和になっている。
 今回はほとんどストーリーは進まず、美都子の偽物を作って介人のいる世界に連れて行くことで、トジテンドの攻撃を集中させることに成功しただけ。守るべきもの、やることがどんどん増えて言ってる。ますます混乱しそう。
<イジルデが電話をするときは口で「ピポパポピ」と言ってコールしてる。かなり狭い時代を参照にしてるようだ。
 並行世界に行ったゼンカイジャーは三人だが、変身はゼンカイザーとゼンカイジュランだけで、1話以来の「二人合わせて機界戦隊ゼンカイジャー」が聞ける。
 ゴールドツイカー一家にカラフルでの全額支払いを頼まれた介人はかなり焦っているが、正義の味方がこんなに金に困る描写はいつ以来だろう?「未来戦隊タイムレンジャー」か?>
VOL.2
<A> <楽>
夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021)
<A> <楽>
Blu-ray2
<A> <楽>
16
読書
転生したらスライムだった件1
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 大手ゼネコン勤めの独身サラリーマン三上悟はは街で暴漢に刺されて死亡した。だが次の瞬間気がついたら、何故か異世界で、しかもスライムとなって転生してしまったことに気づく。ほとんど全ての感覚が無くなり、周囲にあるものを吸収することしか出来ない体を抱え、洞窟の中でそこら中のものを食べているうち、洞窟に封印されていた暴風竜ヴェルドラと出会う。暇を持て余していたヴェルドラからこの世界のことを教えてもらい、リムルという名前をもらう。

 アニメの方を知ってから読書開始。文章が上手くて物語も軽快なため、マンガ感覚で読めるのが強みだ。
<A> <楽>

ウルトラマントリガー

8話  突如日本中の携帯端末がおかしな画像を映すようになった。そしてついにはナースデッセイ号にまで被害が及ぶ。キングジョーストレイジカスタムを取り戻し元の次元に戻るまでこの世界に留まっていたハルキも協力し、ケンゴと二人で調査する。

 敵は三面怪人ダダ。宇宙から降り注いだダダ因子から生まれたコンピューター生命体。顔が異なるPDO-3A、PDO-3B、PDO-3Cの3タイプが登場した。攻撃は出来るが、実体が無いため、どこにでも現れる。そしてキングジョーストレイジカスタム。ダダ因子によって暴走してしまった。
 前回に続いてウルトラマンZの客演話。現れるのは「ウルトラマン」に登場したダダだが、その姿は「ウルトラマンパワード」に登場したパワードダダだった。電子生物というのも設定的にパワードダダと同じ。これと言って意思を持たない感じもあり、何者かから送られてきたウイルスみたいな存在なのかもしれない。
 ハルキ客演の暑苦しさに押されてケンゴも大声を上げるようになった。個性が出てきたので、こっちの方が良い感じだ。
 それでハルキに懐きっぱなしのケンゴに、なんか複雑な感情を抱くアキトの表情も見所か。なんかBL臭が強くなってきた。あとは隊長のセイヤが全くの無表情でいて、最後の一撃だけ見せ場を作る。凄く美味しいところかっさらってしまった。
 今回もトリガーとZの二人が共同で戦うが、今回は次々形態を変えるので、戦いも見応えあり。
 暴走するキングジョーストレイジカスタムを止める方法は破壊するしかなかったようで、破壊されたパーツを全部持ち帰ることになってしまった。更に、帰る方法はベリアロクさえいればいつでも行き帰り出来るのだとか。いい加減な設定だ。
<ダダのサイバー攻撃に対処しているアキトは「スカジーケーブルを頼む」と言っていた。ほんとに懐かしい言葉を聞いた。昔は当たり前に言ってた言葉だったんだよ。SCSIケーブルと言うんだが、この世界では違うのかも。
 ガッツウィングの操作盤が何故か8bitっぽいゲーム画面に。悪ノリしてるな。>
押井守の映像日記 ネットしてたらやっていた <A> <楽>
ヒノマルソウル
<A> <楽>
14
映画
ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021)
 南米の独裁国家でクーデターが起こることを察知したアメリカ政府は、再び凶悪犯達を集めた部隊“スーサイド・スクワッド”を結成し、その阻止に向かわせる。その部隊に入れられたハーレイ・クイン(ロビー)だが、クーデター軍に事前に察知されてしまい、部隊はほぼ全滅してしまう。運良く生き残ったハーレイは、偶然スーサイド・スクワッドの別動部隊と合流出来た。実はこちらの部隊の方が本命で、任務もクーデター阻止ではなく、この国で研究されている凶悪な宇宙生物を封印することにあったことを知らされる。


 MARVELのMCUに対抗するようにDCコミックスもエクステンド・ユニバースを展開している。ムラが大きいためにヒット作が限られ、作られる作品は少ないが、それでも定期的に投入されるので、それを逃さないように観ている。エクステンデッド・ユニバースの特徴は、ヒーロー側のみならず悪人側を主人公とするものも作られていること。これまでに『スーサイド・スクワッド』(2016)『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』(2020)の二作が作られている。その中心となるのが現時点ではハーレイ・クインで、彼女が出るのがシリーズの大きな特徴になっていて、ヴィランと言うよりハーレイ・クインシリーズと言っても良いくらい。
 それで三作目となる本作は、ハーレイ・クインが少し後退して、主人公はむしろ軍人のフラッグが中心で、そこに数々の銃火器を扱うブラッドスポートとピースメイカーという似た二人を加えた三人で話を引っ張っていく。ハーレイ・クインは遊撃隊みたいな位置づけ。本作の場合あまり脇道にそれないようにする必然性があったためだろう。
 ただ、それが良かったかどうかは別。真面目になりすぎて話が一本調子となってしまい、ヴィランの魅力というのが少々減ってしまった感がある。主人公側が平気で人を殺す以外ヴィランである必然性がない。
 更にキャラが多いくせにその魅力を出す前に退場するキャラばかりだし、生き残ったキャラも今ひとつ個性が出せなかったこともあって、思った以上にキャラの魅力が減ってしまった。
 あと、作品が観たまんまで奥行きがないのも気になる。例えば『スーサイド・スクワッド』であればメインの話以外にジョーカーという魅力的なキャラの描写があったが、本作にはそれもなく、本当に浅いまま。
 更に言うならば、人体破壊シーンが必要以上に多く、それが観ていてきつい。これをプラスアルファとするなら、ちょっと失敗だよな。
 悪い作品では無いものの、たいして面白いとも思えなかったというのが正直な感想。

 監督のジェームズ・ガンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』製作後にMARVELから危うく解雇されそうになった(かつてSNSに書いたきわどいジョークが問題視されたと言うが、実際は攻撃的に政権批判をしたために煙たがられたとも言われている)。実際に一度解雇されたのだが、多くの映画人からの嘆願を受け、現在は撤回されているが、解雇騒ぎがあった中でDC側から申し出があって本作を監督することになったそうだ。
 私は『スーサイド・スクワッド』好きだったけど、本作はそこまでいかない。多分これがジェームズ・ガン監督の本当の個性だ。そしてその個性は私の感性とは相容れない。相性の悪さがモロに出てしまった。

仮面ライダーリバイス

2話  フェニックス長官の若林は五十嵐大二を呼び出し、兄の一輝をフェニックスに入隊させるよう説得を頼まれる。だが実家の銭湯に夢中の一輝は全く聞く耳を持たなかった。一方、ストレスのたまった人間から生まれたカマキリ・デッドマンが現れる。仮面ライダーに変身して戦う一輝だが、相棒のバイスが大二を襲おうとするのを目撃してしまう。

 敵はカマキリ・デッドマン。荒木というゴルファーのキャディである井端が契約して誕生した。そしてメガロドン・デッドマン。悪魔の解放を覚えた荒木が契約して誕生した。
 前回共に戦ったバイスが実はとんでもなく凶悪な悪魔であることが分かった。機会を見つけると人を食おうとしたり、悪魔となることを薦めたりするバイス。二人は完全に凸凹コンビであることが発覚する。設定的にはモロに「うしおととら」だが。
 それでなんとかバイスに言うことを聞かせようとするのだが、その方法というのが、バイスと一心同体である自分自身を危機に陥れて脅迫するというものだった。割とあっさり一輝の言うことを聞くようになったが、これがいつまで続くやら。
 バイスは人には見えないため、一輝がバイスと会話すると、他の人に大変迷惑をかけてしまう。この辺は「夏目友人帳」っぽいかな?
 リバイとバイスが合体して恐竜型のリバイスレックスに変形できるようになった。同じニチアサの「機界戦隊ゼンカイジャー」とかぶる設定だ。
 話自体は大変面白いが、前後編でやるべき話だろう。一話でやると忙しすぎる。
<一介の銭湯の親父が妙に事情通で、デッドマンが現れるとすぐに教えてくれる。かなり無理のある設定だ。
 リバイスレックスはリバイが上半身でバイスが下半身を担当する。結果として、バイスの顔はリバイの尻の谷間に密着することになる。しかも言わなきゃ分からないのにしっかりそれを言う辺りなんというか…>
キャラクター
<A> <楽>
VOL.12
<A> <楽>
13
読書
もういっぽん!
村岡ユウ (検索) <amazon> <楽天>
 中学時代柔道に打ち込むものの、あまり強くもなれず高校入学を機ににすっぱり柔道を諦めた園田未知。ところが誰も部員のいない柔道部に入部した中学時代のライバル氷浦永遠の無言の圧力に負け、柔道を再開することに。

 実力的に平凡な少女の柔道物語。四人の女の子が普通に学校暮らしをしながら部活をするという、日常風の作品に仕上がっていて、読んでいて妙に心地良い。主人公達がさほど柔道強くないので、その辺のバランスが面白い。
<A> <楽>

バットマン(3rd)

26話  ゴッタム・シティでミネルヴァというマッサージ師が大人気で、金持ちはこぞってミネルヴァのマッサージを受けていた。だがマッサージを受けた大金持ちたちは一様に無謀な投資を行うようになってしまう。ブルース・ウェインも噂を聞いて彼女のマッサージを受けに行くが、

 最終回で、これが最後の敵となるのだが、こまれでのヴィランではなく新キャラが登場してる。腕の良いマッサージ師にして泥棒というキャラ。実は心理学者で、人の深層心理を探ったり、洗脳したりしてマッサージに訪れた富豪から高価な持ち物をくすねていた。目的が宝石というのは分かりやすかった。
 そのことに気付いたバットマンはブルースとして店を訪れて謎を探ろうとするものの、逆に洗脳を受けてしまう。それもあってか今回のバットマンは全く冴えず、簡単に罠にはまってしまった。危機を知ってバットガールも駆けつけるが、今度はアルフレッド共々捕まってしまい、結局バットマンに助けられることになる。1期2期の2話分の話を無理矢理1話でやってしまった感じ。
 ちなみにミネルヴァという女性は2期にも登場しているが、その時はミス・キャットの変装だった。
 ラストはバットマンとロビンがバットガールの正体について語り合ってるが、「彼女は永遠の謎だ」というのがバットマンの下した結論。
Blu-ray
<A> <楽>
るろうに剣心 最終章 The Beginning
<A> <楽>
Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-
<A> <楽>
11
映画
知名度の低いコッポラ映画
アウトサイダー
ランブルフィッシュ
タッカー
レインメーカー
テトロ 過去を殺した男

機界戦隊ゼンカイジャー

26話  強化改造されたステイシーは再度介人に挑む。ステイシーと友だちになりたい気持ちを捨てられない介人はどうしても本気になれずにいたが、ゾックスやジュランから、本気で戦わねばならないとアドバイスされ、戦う意思を固める。

 敵はステイシーザー。そしてブラックジュラガオーン
 再度パワーアップしたステイシーザーとの戦い。本来二話前にやっておくべき話だった。このままでは何度倒してもやってくるのは確実だが、ステイシーの心が変わるまで何度でも撃退することを心に決めるという話。話は単純でまだ途中だが、おちゃらけただけでなく、ちゃんと真面目な話も作る必要はある。
 あと、イジルデの研究所でコールドスリープ状態だった介人の母美都子が脱走した。
<ゼンカイザーが顔を洗ってるシーンがある。あのマスクって水を通すのかな?単に気合い入れただけか。
 ステイシーザーは右手にむき出しのミサイル付けたまま殴りかかってる。信管叩いたら右手が吹っ飛ぶぞ。
 セッちゃんはカーレンジャーのギアを使うよう指示するが、その際「カ~~~~レンジャー」と言ってた。流石だ。>
VOL.2
<A> <楽>
深作欣二 (KAWADEムック 文藝別冊) <A> <楽>
仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏
<A> <楽>
09
映画
魔女がいっぱい(2020)
 両親を事故で亡くし、おばあちゃんに引き取られた“ぼく”(ジャジール・ブルーノ)。おばあちゃんは魔女に詳しく、少年に魔女の恐ろしさや人間になりすました魔女の見分け方などいろいろなことを教えてくれた。そんなある日、おばあちゃんと一緒に豪華なホテルに泊まった“ぼく”はそこで魔女たちの集会を目撃してしまう。大魔女グランド・ウィッチに見つかってしまった“僕”は、ホテルで知り合った少年と一緒にネズミの姿に変えられてしまう。大急ぎでおばあちゃんの元に行き、対策を立てる“ぼく”達。しかしグランド・ウィッチはあまりに巨大な悪の魔女だった。

 時折ゼメキス監督が映画に選ぶジャンルに童話が時折入ってくる。童話と言ってもいろいろだが、監督が作って面白いのは、どこかに毒があるものとなる。意外に童話でも残酷なものがあるので、それを乾いたタッチで描くと結構様になるのだ。
 その意味では本作は最も監督向きの童話だったと思うし、期待通りのものが出来た感じ。
 本作は単純な善悪では語れないし、オチもハッピーエンドでは終わらない。
 確かに途中までは普通の勧善懲悪の童話のように思えるし、それに準じた物語展開のように思える。ネズミにされてしまった主人公は、仲間達の協力を得て魔女に対して復讐を果たし、見事魔女を撃破する。
 それは良いのだが、主人公がやってることは、魔女は全員悪であり、例外なく倒さねばならない存在としている。魔女にも色々いるだろうが、その辺の忖度はない。魔女という肩書きがあればそれは悪なのである。これが最後まで徹底しているので、逆に主人公がやってることがとんでもないものになってしまった。自分が受けた屈辱を倍にして返すが、返す対象は無差別とは、今の時代ではとても考えつかない。
 そしてオチの部分だが、普通の脚本だったら、主人公が人間に戻れてめでたしめでたしになるはずが、主人公がネズミとして生きることを選択してしまってるし、寿命が短いことも含めて余生を力一杯生きる事をオチで選んでいる。その余生を全て魔女を懲らしめるために使うというのだから堂が入ってる。
 未読ながら、これは原作に忠実なのだろうか?だとしてもこの容赦なさは、この時代に映画にしてしまって良いんだろうかと疑問さえ思う。

機界戦隊ゼンカイジャー

26話  強化改造されたステイシーは再度介人に挑む。ステイシーと友だちになりたい気持ちを捨てられない介人はどうしても本気になれずにいたが、ゾックスやジュランから、本気で戦わねばならないとアドバイスされ、戦う意思を固める。

 敵はステイシーザー。そしてブラックジュラガオーン
 再度パワーアップしたステイシーザーとの戦い。本来二話前にやっておくべき話だった。このままでは何度倒してもやってくるのは確実だが、ステイシーの心が変わるまで何度でも撃退することを心に決めるという話。話は単純でまだ途中だが、おちゃらけただけでなく、ちゃんと真面目な話も作る必要はある。
 あと、イジルデの研究所でコールドスリープ状態だった介人の母美都子が脱走した。
<ゼンカイザーが顔を洗ってるシーンがある。あのマスクって水を通すのかな?単に気合い入れただけか。
 ステイシーザーは右手にむき出しのミサイル付けたまま殴りかかってる。信管叩いたら右手が吹っ飛ぶぞ。
 セッちゃんはカーレンジャーのギアを使うよう指示するが、その際「カ~~~~レンジャー」と言ってた。流石だ。>
VOL.2
<A> <楽>
小さなスーパーマン ガンバロン Blu-ray
<A> <楽>
街の上で
<A> <楽>
07
読書
織田シナモン信長1
目黒川うな (検索) <amazon> <楽天>
 本能寺の変で命を落とした織田信長が次に目覚めると、柴犬として転生していた。正確に難ありとされペットショップで売れ残っていたところを尾田市子という高校生に買われ、飼い犬として飼われることとなったが、この町には実は他にも過去の武将達が転生した犬たちがいた。

 たくさんのマンガや小説で散々転生とかしてる信長だが、ここではなんと犬になるという変な話で、犬の本能と過去の武将としての記憶がこんがらがることで脱力風のコメディに仕上がってる。特に犬飼い始めて以来、犬猫のマンガをよく読むようになったが、これはかなり面白い。著者は結構勉強してるらしくて、武将の新しいデータを性格に反映してるので、それも良し。
<A> <楽>

ウルトラマントリガー

7話  突如宇宙から次々に不思議な落下物が落ちてきた。最初は正体不明のロボット。その中には防衛隊員を名乗る人物が乗っていた。その人物はナツカワハルキを名乗る。

 敵は海賊宇宙人バロッサ星人。四代目にあたり、ウルトラマンZの地球でウルトラメダルとキングジョーストレイジカスタムを盗んで逃げてきて、捕まりそうになったところをブルトンを使って次元を超えて逃げてきた。そして海賊雛怪獣ベビーザンドリアスケダミャー。バロッサ星人の相棒で、通訳をしている。
 前作「ウルトラマンZ」からウルトラマンZが登場する話。性懲りも無く現れたバロッサ星人にキングジョーストレイジカスタムを奪われ、それを奪回しようとしたら異次元の扉を開けてしまった。これもアナザーバースの話で、ナツカワハルキがやってきた。Zとトリガーは少々あり方が違うので、その違いを一々説明するのが親切。作品のカラーも違うため、大変違和感のある会話が展開してる。前々噛み合わない会話の中に挟まるアキトが大変迷惑そうな顔してる。ケンゴに言わせれば、結構楽しそうでもある。アキトのお陰でスパークレンスを用いてこの次元でもZに変身出来るようになった。
 イグニスとバロッサ星人が会話し、トレジャーハンターと海賊同士で言い合ってる。最後はバロッサ星人の方がキレて巨大化して暴れ回ってしまった。
 トリガーは無口だが、喋れない訳ではなく、ケンゴの声で喋ることが出来る。完全に意識が一致していることが分かった。
 今回は「ウルトラマンZ」のメイン監督である田口清隆が監督をしているが、バロッサ星人の声も当てている。ちなみにうなり声だけ。
 監督が替わると妙に雰囲気が変わる。この話はかなり「Z」の雰囲気に引っ張られてしまった感じだ。
<ケンゴがウルトラマンである事を感じたハルキは目をじっと近づけるが、その距離が…
 Zの招きで異次元に入れられるケンゴとアキト。仮にも防衛隊がそんな無防備で良いのか?
 何故かでっかい鯛の置物が出てきて「ショーバイハンジョー」と言いまくる。これは世界の中心となった次元で出てきた特殊アイテム。具体的には「ウルトラマンメビウス」12話のコダイゴンが連れていた鯛の置物が巨大化したもの。
 Zはベリアロクを使っている。あれはデルタライズクローでないと使えないのではなかったかな?ベリアロク自身の意思の問題か。
 次回もZの話が続くようだが、出てくる敵はダダらしい。その姿はオリジナルではなく「ウルトラマンパワード」のものっぽい。マニアックな。>
あぶない刑事 Blu-ray BOX
<A> <楽>
VOL.11
<A> <楽>
06
映画
パンケーキを毒見する(2021)
 日本国第99代内閣総理大臣となった菅義偉総理がどのような経緯で総理になったのか、そして日本をどこに連れて行こうとしているのか。インタビューとアニメによって構成する。

 2020年に前首相が“体調不良で”政権を放り出したことで自民党の総裁選挙が行われ、その結果、内閣官房長官だった菅義偉が総理大臣となった。
 しかし就任時期は最悪な時期だった。新型コロナウイルス蔓延の中での就任で、非常に難しい舵取りを任せられたのだから。正直、誰が総理大臣になったとしても、ほぼ失敗するのは確定してるようなもの。
 しかしその中でもおそらくは最も不適切な人物だったとは思う。官房長官の時も、野党の追及を的外れな発言で煙に巻くしかなかった。これは官房長官の役割の一つと割り切れば良いのだが、政治主導で引っ張る役割の首相がこんなことをしてたら国会は停滞するばかりだ。
 本作は、その部分、何故彼が総理大臣向きでないのかという事を語るのだが、まず彼がどのようにしてトップに上り詰めたのかを過去に遡って語る。
 まず彼は富農の生まれで、単純に農業の後を継ぐ事がいやだったから上京し、仕事しながら受験して大学に入った(空手部だった)。卒業後教授の勧めで政治家の秘書になったということ。下積み時代からリーダーとしてとりまとめが上手く、すんなり政治家となれたというところ。
 はっきり言うが、この部分の演出はとても下手くそだった。前提抜きでたたみかける情報に戸惑うことになる。これは「管首相ってこんな人だよ」というネット情報を知ってることを当然として語っているので、それなりに管首相のことを調べてないなら、何を言ってるのか分からない問題がある。この部分はかなり重要で、ちゃんと順を追って説明しておくべき部分。
 そして政治姿勢については様々なインタビューで管首相の人心掌握の巧みさを語る。ここの部分はまあ普通だが、インタビューを通して、管首相の視点というのがよく見えてくるのは良かった。
 このインタビューで分かったのは、管首相が見ているのは、小さな仲間内の中だけである。国民のために働くと言っていながら、首相にとっての国民とは多分千人程度。一つの村の中くらいの人数しか見えてない。
 この人、立派な村長にはなれるだろう。上手くやれば県知事程度までならなんとかうまく行けるかもしれない。しかしそれ以上のことをやらせてはいけない人だ。実際今の横浜市を見れば、その影響力はよく分かるだろう。
 しかし仲間内の利益だけを追求し、仲間にしか良い顔を見せない人間に国のトップやらせてはならん。官房長官か幹事長なら充分出来るだろうが、首相は無理。こんな人を国のトップにしたら富が偏り、大多数の国民は苦しめられるだけだ。彼自身は時分に人望があると思ってるだろうし、ある側面から言うならそれも間違ってない。ただし彼について行けば莫大な利益を受けられる、数千人の中には入れるならばである。

 その結果は今の日本で良く出ている。

 この部分を明確にしただけで本作は見る価値があると言える
 監督の政治主張もはっきりしているため、テレビでは観られない、圧力を掛けられた人たちの声もしっかり語らせているのも映画的。

 後はアニメ-ショーンシーンは無駄どころか不快なだけなので、全部カットした方が良かったくらい。サウスパーク感あったが、あれはアクロバティックな感性ないとやってはいけないもので、この監督程度の実力ではこの程度にしかならない。

 結果として、本作にも良い部分は確かにある。ただ半分は下手か無駄かなので、アニメパートを無くして編集を上手くやって、尺を2/3位にすれば良かったと思う。

仮面ライダーリバイス

1話  50年前。中南米の遺跡から悪魔との契約を可能にする不思議なスタンプが発見された。そのスタンプのいくつかを手に入れた悪魔崇拝組織デッドマンズはギフという悪魔を呼び出すために大々的なサバトを開き、ギフにふさわしい生け贄を探していた。その頃下町の銭湯「しあわせ湯」では、長男の五十嵐一輝が元気に働いていた。最近になって不気味な心の声に悩まされていたが、ついにその心の声の持ち主の姿が見えるようになってしまう。そんな折、一輝の弟大二が対悪魔組織のフェニックスに入隊することとなり、入隊式に出席する一輝。だがその会場に悪魔の群れが攻めてくる。

 敵はレックス・デッドマンマンモス・デッドマン
 仮面ライダー誕生50周年にして新ライダー23番目の仮面ライダー。主人公はひたすらお人好しで人の役に立つことが大好きという超ポジティブ人物。こんなポジティブなヒーローは本当に久しぶりだ。
 この世界では誰でも人間は心の中に悪魔が住んでいて、それは意識されないのだが、スタンプを使って悪魔を呼び出せるようになってから、そのことが発覚。主人公の一輝の心には特に強い悪魔が住んでいたが、本人のポジティブ思考でこれまで完全に押さえ込まれていたという。それこそが
 元々仮面ライダーの適合者として選ばれたのは主人公一輝の弟の大二だったのだが、大二は契約が出来ず、スタンプを使って契約をしたのは一輝の方。それによって一輝は仮面ライダーリバイへと変身。ついでに悪魔の方も仮面ライダーバイスへと変身する。前代未聞の、一つの命で二人の仮面ライダーが誕生した。
 話も設定が重いくせに話自体は明るく、不思議なバランスを持った作品となる。色々ミスマッチながら、大変面白い設定の話になってる。
 いろんな作品のパクリが多いのも特徴か。冒頭の中南米でのシーンはほぼ『レイダース 失われた聖櫃』で、次の日本のサバトシーンは「デビルマン」。そして最初から組織壊滅シーンは「鳥人戦隊ジェットマン」若しくは「ブルースワット」か、さもなくば「仮面ライダー剣」か…

 キャラはとても立っていて良い。特にフェニックスの科学者ジョージがまんまマッドサイエンティストですげえ好み。
<リバイの手慣れた戦い方を見たバイスが一言。「何?その呼吸」…おまえメディアに毒されすぎだ。
 バイスが視聴者に対して喋ってるシーンがあった。なんと第四の壁を破る能力まで持ってるようだ。デッドプールかよ。>
ピーターラビット2/バーナバスの誘惑
<A> <楽>
相米慎二という未来 <A> <楽>
04
読書
暦物語 化物語14
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 四月に阿良々木暦が怪異と出会ってから卒業の三月まで約一年。一月ごとに一人ずつ、暦と関わった人物と問答し、その人物が発した答えを一つ一つ見つけていく話を12話に渡って描いた阿良々木暦の高校三年の最後の一年を描く。

 次巻「終物語」につなげるための一冊で、これまでの振り返りを含めて一年を振り返る。話自体は全部小咄だが、3月に登場する臥煙伊豆湖に関わるラストだけはかなり衝撃的な展開が待っている。
<A> <楽>

バットマン(3rd)

25話  透明人間になる薬を発明したドクター・カサンドラは相棒のカバラと共に白昼堂々ゴッタム・シティの銀行強盗を行い、更に警察に忍び込んでバットマンに連絡しようとするゴードン総監を尻目にしたい放題だった。

 物語も後2話となったが、ここに新しい敵が登場。バットマンも知らない敵で、その経歴から洗い出してる光景がある。流石バットマンで、すぐに錬金術師であると見抜いてるあたりご都合主義。
 妙な光線銃に打たれたトリオは三人まとめて板になってしまったが、それを治したのはアルフレッドだった。ただし三人まとめて治したためにバットガールにバット洞窟を見られてしまった。
 そしてゴードンを脅迫してゴッタム刑務所を解放させてしまう。ジョーカー、ペンギン、エッグヘッド、キング・タット、ナゾラー、ミス・キャットと言ったヴィランが全員逃げ出してる。
 復帰したトリオはヴィラン連合と戦うが、全員透明人間になったため、大変苦労するのだが、どうせ同じ事だと屋敷の電気を消した上で全員を倒してしまった。折角ヴィランが大挙して出たのだから最終回まで続かせても良かったと思うけどね。
 敵は透明人間と言うことで、いろんな外連味ある演出が楽しめる。
<板のようにされたバットマンを戻すため、アルフレッドはゴードンにお願いをしたのだが、局留めで郵送して欲しいと言っていた。主人をなんと思ってる。
 23話で正気を取り戻したはずのキング・タットが普通に刑務所にいた。>
Blu-ray
<A> <楽>
ブラック・ウィドウ(2020)
<A> <楽>
インテグレイテッド スーツ スパイダーマン アクションフィギュア
03
映画
麦秋(1951)
 北鎌倉に暮らす間宮家は、初老にさしかかった植物学者の周吉(笠智衆)を初めとした大家族だったが、周吉は一人独身のままの紀子(原節子)の行く末について案じ始めていた。そんな時に周吉の兄が紀子に縁談を持ち込んできた。

 1951邦画興行成績6位。笠智衆が父親役で原節子が娘役を演じる監督の黄金パターンの作品の一本で、『晩春』、本作、『東京物語』のいわゆる紀子三部作の一本である。
 本作を観たのは小津作品を観始めたあたりで、紀子三部作で言えば、『東京物語』と本作がほぼ同時。『晩春』が最後になるので、全く順番が逆だった。それだけにまだ小津映画に慣れてなかったこともあって、退屈なだけの物語だと思っていた。実際この作品はストーリー性が薄く、ミニエピソードの重なりで構成され、その中で父と娘の対話がぽつりぽつりとなされている。言うなれば、小津映画を語る場合、本作こそが最もフォーマットな小津作品とさえ言える。それに、何気なく見える会話が重なっていくことで、確かな心の動きが読み取れた気がするし、時間もちゃんと流れていることが実感出来る。
 それに何より三部作の中でも本作は原節子を一番上手に撮れた作品だと思う。笠智衆とのコンビも本作で行き着いた感がある。
 いろんな意味で小津的要素が最も出た話と言えるだろう。

 この年松竹に入社した今村昌平が助監督に入っている。

機界戦隊ゼンカイジャー

25話  ヒドケイワルドによって時が戻され、トジテンドがこの世界にやってきた時に戻ってしまった。なんとかギアトリンガーを手に入れゼンカイザーになることが出来た介人だが、次第に記憶が消えていく。改めてこれまでの時間を繰り返すゼンカイジャーたち。

 敵はヒドケイワルド。マヒルワルドそっくりの顔をしているが、時を戻すという特殊能力を持つ。ただし時を戻せるだけのため、同じ時間が繰り返すだけ。
 時が戻り、もう一度同じ時間を繰り返すという話。かつて「仮面ライダー龍騎」でやったことの繰り返しのようだ。半分以上がかつて使われた映像なので、かなり予算が抑えられたのでは?
 今回の中心となったのはセッちゃんだった。ヒドケイワルドに連れて行かれて酷い目に遭ってしまうが、逐一通信をゼンカイジャーに送っていたお陰で攻略の糸口をつかめた。
 この話の脚本は八手三郎である。40年以上も前から主に作詞家として知られるが、脚本を書いたのは初めてでは…いや、調べたら「天装戦隊ゴセイジャー」で脚本書いてた。
<バラシタラの命令で時を戻したヒドケイワルドだが、いざ時を戻ったら、そこにいたバラシタラは命令そのものを忘れていた。当然の話だ。>
VOL.2
<A> <楽>
RIDER TIME 仮面ライダージオウVSディケイド ディケイドVSジオウ コレクターズパック
<A> <楽>
ジェントルメン
<A> <楽>
01
読書
33歳女騎士隊長。1
天原 (検索) <amazon> <楽天>
 かつて長い紛争が続き、国家としてすっかり疲弊してしまったクロノワーク王国。戦乱の世は過ぎ、小康状態を保つ中、隣国の大国ゼニアルゼ王国に王女シルビアが嫁ぐこととなった。王女護衛隊隊長メイルと副隊長メアはシルビアに同行し、護衛任務を果たす。しかしこの二人、最も激しい戦争時に最前線で戦っていたため、完全に婚期を逃し、今もひたすら働き、休みは酒飲んで寝てるだけという状況。そんな女性隊長の日々をコミカルに描く。

 中世ヨーロッパというより、よくあるファンタジー的世界観での話なのだが、中身はコミカルでありつつ、大変シビア。主人公達は日々社畜よろしく働いて休みは寝るだけの生活だが、世界情勢は徐々に変わっていく。その中心となるのが策士女王シルビアのため、その側近である主人公が一々陰謀の内訳を聞かされ続けるというパターン。
 皮肉と諧謔趣味をシニカルな笑いに包んだ意外な好作。
<A> <楽>

ウルトラマントリガー

6話  宇宙から無人島に落下してきたロボットサタンデロスにGUTS-SELECTが出動するが、強力なバリアに守られたサタンデロスにトリガーの攻撃も全く通用しなかった。一時間だけ稼働し、後は全く動かなくなるサタンデロスに何度も挑むが、その度ごとに撃退されてしまう。そんなサタンデロスの弱点を教えようとやってきたのはイグニスだった。

 敵は惑星破壊神サタンデロス。元は惑星防衛用に作られたギガデロス(「ウルトラマンタイガ」に登場)だったが、ヒュドラムに改造されて地球に落下してきた。何者にも破られない強力なバリアを張れるが、それを一時間張るためには23時間のエネルギー充填期間が必要。
 何者にも破られないバリアを張る怪獣との戦い。頓知で敵の弱点を突くような話だが、最近ではこの手の話は少なくなった気はする。
 イグニスが協力を申し出てくる。本人は善意のようなことを言ってたが、実際はサタンデロスの背後にヒュドラムがいる事を知っていたため、ヒュドラムをあぶり出すためにGUTS-SELECTを利用しただけ。実はイグニスの星を滅ぼした存在こそがヒュドラムで、イグニスの目的そのものがヒュドラムを倒すためだった。
 そしてヒュドラムはトリガーでは無くユザレを捕まえるために行動してることが分かる。まだその時ではなく、ユナに覚醒慣れさせることが目的らしい。
<イグニスにトリガーのことをばらされたケンゴは「鳥がー、鳥がー」と叫んでる。はあ。
 この作品では普通の隊員が銃で怪獣を撃つシーンが多いのだが、それはあんまり好きじゃないな。>
映画の旅びと――イランから日本へ <A> <楽>
ショーレ・ゴルパリアン
ザ・ファブル 殺さない殺し屋
<A> <楽>